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| 審決分類 |
審判 全部申し立て その他 A01F |
|---|---|
| 管理番号 | 1012650 |
| 異議申立番号 | 異議1998-74566 |
| 総通号数 | 10 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 特許決定公報 |
| 発行日 | 1997-08-19 |
| 種別 | 異議の決定 |
| 異議申立日 | 1998-09-14 |
| 確定日 | 2000-03-21 |
| 異議申立件数 | 1 |
| 事件の表示 | 特許第2729610号「コンバインの脱穀装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
| 結論 | 特許第2729610号の特許を維持する。 |
| 理由 |
1、手続きの経緯 本件特許第2729610号発明は、昭和63年5月9日に出願された実願昭63-60904号を特願平5-212345号に変更し、この特許出願の一部を平成9年3月14日に新たな特許出願としたものであり、その特許は平成9年12月19日に設定登録された。 この特許に対し、異議申立人井関農機株式会社より特許異議の申立てがなされ、当審において取消理由を通知したところ、意見書が提出された。 2、本件発明 本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりの、 「脱穀部一側で前後方向にフィードチェンを張設させるコンバインの脱穀装置において、チェンレールに前記フィードチェンを取付け、前記チェンレールを水平方向に回転自在に設ける水平回動支点軸を介してチェンレールを脱穀部側面に連結させ、脱穀部のクリンプ網側端に当接させる扱胴側部カバーを前記チェンレールに取付けたことを特徴とするコンバインの脱穀装置。」 にある。 3、特許異議の申立ての概要 本件の請求項1に係る発明は、下記の甲第2号証の1及び2を考慮すると、本件と同日に出願された特許第2729611号発明(甲第1号証)と同一であるから、その特許は、特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきである。 記 甲第1号証:第2729611号特許公報 甲第2号証の1:特開昭57-2612号公報 甲第2号証の2:特開昭56-11715号公報 4、当審の判断 特許第2729611号発明は平成11年4月20日付け訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することが認められたので、特許第2729611号発明は、前記訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりの、「脱穀部一側で前後方向にフィードチェンを張設させるコンバインの脱穀装置において、チェンレールに前記フィードチェンを取付け、前記チェンレールを水平方向に回転自在に設ける水平回動支点軸を介してチェンレールを脱穀部側面に連結させ、脱穀部のクリンプ網側端に当接させる扱胴側部カバーを前記チェンレールに固定させると共に、前記扱胴側部カバーの前側に係止ピンを設け、脱穀前側板に支軸・ストッパピン及びバネを介してロック板が位置保持され、前記扱胴側部カバーが閉封されるとき、前記ロック板に固設するガイドレバーに前記係止ピンが当接し、前記バネに抗して前記ロック板を下方に押し下げ、前記ロック板のピン係合溝に前記係止ピンが係合し、前記扱胴側部カバー及び前記フィードチェンを閉位置に固定保持するように構成し、かつ前側に係止ピンを有する前記扱胴側部カバーと反対側の脱穀部側部で扱胴と略平行に処理胴を配設させたことを特徴とするコンバインの脱穀装置。」にある。 本件発明と特許第2729611号発明とを対比すると、本件発明は、特許第2729611号発明の構成要件である「扱胴側部カバーの前側に係止ピンを設け、脱穀前側板に支軸・ストッパピン及びバネを介してロック板が位置保持され、前記扱胴側部カバーが閉封されるとき、前記ロック板に固設するガイドレバーに前記係止ピンが当接し、前記バネに抗して前記ロック板を下方に押し下げ、前記ロック板のピン係合溝に前記係止ピンが係合し、前記扱胴側部カバー及び前記フィードチェンを閉位置に固定保持するように」した構成を備えていない。 そして、コンバインの脱穀装置において、扱胴側部カバーと反対側の脱穀部側部で、扱胴と略平行に処理胴を配設することは、甲第2号証の1及び2から、周知・慣用技術といえるが、前記構成は周知・慣用技術とはいえないから、本件発明と特許第2729611号発明とが同一であるとは認められない。 5、むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠方法によって、本件発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
| 異議決定日 | 2000-02-29 |
| 出願番号 | 特願平9-82336 |
| 審決分類 |
P
1
651・
5-
Y
(A01F)
|
| 最終処分 | 維持 |
| 前審関与審査官 | 高橋 三成、吉田 英一 |
| 特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
| 特許庁審判官 |
日高 賢治 新井 重雄 |
| 登録日 | 1997-12-19 |
| 登録番号 | 特許第2729610号(P2729610) |
| 権利者 | ヤンマー農機株式会社 |
| 発明の名称 | コンバインの脱穀装置 |
| 代理人 | 藤原 忠治 |