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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1014821
異議申立番号 異議1999-71413  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-07-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-14 
確定日 2000-04-19 
異議申立件数
事件の表示 特許第2822001号「ノンオイルタイプ液状調味料」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2822001号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第2822001号に係る発明についての出願は、平成6年12月28日に特願平6-337684号として出願され、平成10年9月4日にその特許の設定登録がなされ、その後、ヤマサ醤油株式会社より特許異議申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年10月15日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由が通知され、訂正拒絶理由に対して手続補正書が提出されたものである。
II.訂正の適否についての判断
1.訂正請求に対する補正の適否について
特許権者は、訂正請求書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の記載である、
「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmまたは40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、かつ、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」を、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、微粉砕機で粉砕し、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmまたは40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、かつ、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」と、同請求項2に係る発明の記載である、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmで、かつ、40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、また、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」を、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、微粉砕機で粉砕し、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmで、かつ、40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、また、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」と、それぞれ補正するものであり、当該訂正請求に対する補正は、訂正請求書の要旨を変更するものでなく、特許法120条の4、3項において準用する同法131条2項の規定に適合する。
2.訂正の内容
(1)特許請求の範囲の請求項1に係る記載「おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmまたは40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、かつ、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が50〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」を、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、微粉砕機で粉砕し、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmまたは40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、かつ、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」と訂正する。
(2)特許請求の範囲の請求項2に係る記載「おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmで、かつ、40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、また、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が50〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」を、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、微粉砕機で粉砕し、おろし大根全体の60重量%以上が粒径1〜6mmまたは40重量%以上が粒径2〜6mmからなるおろし大根を含有し、かつ、おろし大根を除く液状調味料全体の粘度が310〜1000cpであることを特徴とするノンオイルタイプ液状調味料。」と訂正する。
3.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(1),(2)は、「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、」という構成を直列的に付加するものであり、おろし大根については、「微粉砕機で粉砕」して得られるものに限定し、また、おろし大根を除く液体調味料全体の粘度を、「50〜1000cp」から「310〜1000cp」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
そして、上記訂正の「野菜または野菜と茹でた肉にかけて用いるノンオイルタイプ液状調味料であって、」及び「微粉砕機で粉砕」は、本件明細書に記載されており、粘度の数値「310」も、実施例で具体的に記載されている数値であるから新規事項に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
4.独立特許要件
当審が通知した取消理由の概要は、請求項1乃至2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一である、或いは、甲第2及び3号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法29条の2の規定或いは同29条2項の規定により特許を受けることができないというものであるところ、訂正された請求項1乃至2に係る発明(以下、「本件発明1乃至2」という。)は、後述の「III.2.判断」の項に記載のように、甲第1号証に記載された発明と同一であるとはいえず、また、甲第2及び3号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件発明1乃至2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
5.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法120条の4、2項、及び同条3項で準用する126条2項から4項の規定に適合するので、請求のとおり当該訂正を認める。

III.特許異議申立
1.特許異議申立書の理由の概要
訂正前の請求項1乃至2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一である、或いは、甲第2乃至3号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条の2或いは同29条2項の規定により特許を受けることができない。

甲第1号証:特願平6-192233号の願書に最初に添付された明細書(特開平8-33460号公報)
甲第2号証:「秘密のたれ・ソース・ドレッシング」(平5.7.20、主婦と生活社発行)49頁
甲第3号証:特開昭59-213380号公報
2.判断
A.特許法29条の2違反について
特願平6-192233号の願書に最初に添付された明細書(甲第1号証;特開平8-33460号公報)には、「粒径3mm以上の果実、野菜等のおろしを含有させた焼肉用調味料」(特許請求の範囲請求項1)、「本発明は、このような配合で用いられる大根、・・・果実、野菜のおろしの粒径を3mm以上、好ましくは5〜7mmとする。」(2頁1欄末行〜2欄2行)、「【実施例】以下の原料を配合し、80℃で加熱殺菌後、ビン詰め、冷却して焼肉調味料製品とした。なお、各おろしは網目5mmのスクリーンを設置した高速粉砕機(相互産業製)で粉砕したものを使用し、・・・醤油300ml 砂糖100g 酢100ml ワイン50ml 香辛料3g 大根おろし200g 玉葱おろし200g しょうがおろし1g にんにくおろし1g リンゴおろし30g 水110ml キサンタンガム1g 計1000ml」(2頁2欄25〜44行)との記載がある。
そして、上記実施例に記載の液状調味料を実際に調製し、その粘度を測定すると、80乃至160cpの値を示す。(特許異議申立人 ヤマサ醤油株式会社が提出した特許異議申立書(3頁〜4頁の(1)の項))
しかるに、本件発明1乃至2に係る粘度は、「310〜1000cp」であるから、甲第1号証に係る粘度「80〜160cp」とは、全く別異の範囲のものである。
そうすると、本件発明1乃至2は、特願平6-192233号の願書に最初に添付された明細書(甲第1号証;特開平8-33460号公報)に記載された発明と同一であるとはいえない。
B.特許法29条2項違反について
甲第2号証には、「おろしソース」として、「しょうゆ大さじ2にだし汁大さじ2を混ぜ、軽く水けを絞った大根おろし大さじ2を加えて、レモン汁大さじ1をふり、あさつきの小口切り小さじ1を散らす。さっぱりとしたしょうゆ味の和風ソース。」(49頁)との記載が、
甲第3号証には、(イ)「(1)増粘剤としてカラギーナン、及び酸味料からなり粘度が500〜6000cPで酢酸酸度0.07〜2.5w/w%、pH2.6〜4.5である油脂を含まないドレッシング。
(2)野菜、果物、チーズ、ナッツ、肉等の小片を分散させる特許請求の範囲第1項記載のドレッシング。」(特許請求の範囲の項)、(ロ)「本発明者はドレッシングから油脂を除去した場合に消失する濃厚味を、何をもって補強するかを研究した結果、ドレッシングに一定の粘度と酸味を付与することによってはじめて所望の濃厚感を得ることを知得した。ドレッシングに粘性をもたせると、ドレッシングを例えば野菜にかけた場合に、早期に野菜から流下することなく野菜全体に満遍なく行きわたるため野菜単位あたり多量のドレッシングを食することが可能となり、・・・」(2頁左上欄17行〜右上欄5行)、(ハ)「本発明のドレッシングは所定の粘度があるため、粘度調整だけで他の手段を講じることなく、これらの小片をドレッシング全体に均一に分散できることも本発明の特徴の一つである。」(3頁左上欄19行〜右上欄3行)との記載がある。
よって検討するに、甲第2号証には、大根おろしを含有するノンオイルタイプ液状調味料が記載されているものの、この液状調味料は、大根おろし以外に、しょうゆ、だし汁、レモン汁及びあさつきを成分とするものであって、これらを混合したときの粘度は、本件発明の「310〜1000cp」という値を呈するとは技術常識上考えられない。
甲第3号証に係る粘度は、「500〜6000cp」であって、本件発明の粘度「310〜1000cp」と一部重複している。
しかし、甲第3号証の(ロ)の記載によると、甲第3号証において粘度を付与するのは、ドレッシングに濃厚感を持たせるためであると解され、おろし大根原料を効果的に食品上に保持させるという本件発明の目的とは相違している。
そうすると、本件発明1乃至2は、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を組み合わせることにより当業者が容易に想到し得る域を超えているといえる。
4.まとめ
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことができない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-03-29 
出願番号 特願平6-337684
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A23L)
P 1 651・ 161- YA (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小暮 道明  
特許庁審判長 徳廣 正道
特許庁審判官 大高 とし子
田中 久直
登録日 1998-09-04 
登録番号 特許第2822001号(P2822001)
権利者 ハウス食品株式会社
発明の名称 ノンオイルタイプ液状調味料  
代理人 清水 猛  
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