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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1020729
異議申立番号 異議1999-73774  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-04-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-10-05 
確定日 2000-08-09 
異議申立件数
事件の表示 特許第2879705号「ソース」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2879705号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第2879705号に係る発明についての出願は、平成2年8月31日に特願平4-112774号として出願され、平成11年1月29日にその特許の設定登録がなされ、その後、キユーピー株式会社より特許異議申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年2月8日に訂正請求がなされたものである。

II.訂正請求
1.訂正の内容
(1)特許請求の範囲の請求項1を削除し、請求項2を請求項1に繰り上げる。
(2)明細書3頁18行の「ペースト」、「酢」、及び「油」を、それぞれ「ペースト10〜30重量部」、「酢5〜20重量部」、及び「油5〜20重量部」と、同3頁19行の「増粘剤」を、「増粘剤0.1〜0.4重量部」と、同4頁12行の「配合するのが好ましい。」を、「配合する。」と、同4頁15行、4頁18〜19行、及び5頁4行の「が好ましい。」を、「である。」と、それぞれ訂正する。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(1)は、請求項1を削除するものであるから特許請求の範囲の減縮に該当し、訂正事項(2)は、訂正事項(1)に伴う訂正である。
そして、上記いずれの訂正も新規事項に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

3.独立特許要件
当審が通知した取消理由の概要は、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるので特許法29条1項3号の規定により、並びに、請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるので同法29条2項の規定により特許を受けることができないというものであるところ、訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、後述の「III.3.判断」の項に記載のように、甲第1号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、また「III.1.特許異議申立の理由の概要」に記載したその他の特許異議申立の理由についても、「3.判断」の項に記載のように理由がないものであるから、本件発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法120条の4,2項、及び同条3項で準用する126条2項から4項の規定に適合するので、請求のとおり当該訂正を認める。

III.特許異議申立
1.特許異議申立書の理由の概要
訂正前の本件請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるので特許法29条1項3号の規定により、並びに、請求項2に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるので同法29条2項の規定により特許を受けることができないというものである。

甲第1号証:特開昭62-265964号公報
甲第2号証:「調理食品 ’88-’89レストランユース食材ガイド」(昭和63年4月サンケイ新聞データシステム・マーケティング事業本部発行)320頁

2.甲各号証の記載内容
甲第1号証には、
第1表に示す砂糖、キサンタンガム、タマリンド種子ガムをよく混合し、加塩卵黄、デカグリセリンモノステアレートを溶解した水に分散・溶解した。食塩を溶解した食酢を加え、さらにトマトケチャップを加えて水相部とした。上記水相部をTKホモミキサーにて攪拌しながら、大豆サラダ油を滴下し、全量投入後さらに7000rpmにて10分間、攪拌を続け、乳化液状ドレッシングを調製した。
第1表
大豆サラダ油 35%
トマトケチャップ 25%
食酢(酸度5%) 17%
砂糖 6%
食塩 1.5%
キサンタンガム 第2表に示す量
タマリンド種子ガム 〃
デカグリセリンモノステアレート 〃
加塩卵黄(塩分10%) 〃
水 残 」との記載とともに、「第2表」には、「キサンタンガム」を0.2%、及び「タマリンド種子ガム」を0.1乃至0.2%,更に「デカグリセリンモノステアレート」を「比較例1,3,及び4」では「-」、「実施例」では、0.2乃至1.0を添加し調製すること、並びに、「第4表」には、調製したドレッシングの結果として、「粘度」について「3200乃至4200c.p.」であること、「安定性、加熱耐性」について「比較例1,3、及び4」では「×」、「実施例」では「○」であることが記載されている。
甲第2号証には、「スパゲティサラダ」として、「原材料 スパゲティ、たまねぎ、にんじん、マヨネーズ」、「商品の特徴 スパゲティのこしを大切にゆで上げ、たまねぎ、にんじんを加えたスパゲティサラダ。キュウリ、ハムなどを加えるとよりフレッシュなサラダが簡単にでき上がる。」ことが記載されている。

3.判断
本件発明は、本件明細書の「発明の効果」の項の「本発明によればパスタ、生野菜とのなじみ及び食味、食感の調和を良好にし、かつ長期間乳化安定性の良好なソースが提供される」との記載によれば、本件発明に係るソースの乳化状態が長期間安定であることをも特徴としている。
しかるに、甲第1号証には、本件発明に係るソースと「油」の量において相違するものの(本件発明では、5〜20重量部であるのに対し、甲第1号証では、35%である。)、「野菜ペースト」、「酢」、及び「増粘剤」の量、並びに「粘度」の数値で一致するソースが記載されている。
しかし、甲第1号証においては、乳化剤である「デカグリセリンモノステアレート」を必須成分とすることにより、「35%」の「油」を乳化させていると解されるところ、本件発明では特に乳化剤を用いることなく「油」を「5〜20重量部」という特定の量にすることにより、長期間にわたって乳化安定性を示すものと理解できる。
そうすると、乳化剤を使用することなく乳化を安定させるために、「油」の量を、「35%」から「5〜20重量部」にすることは、当業者が容易に想到し得ることではないといえる。
また、甲第2号証には、「スパゲティサラダ」についての一般的な事項が記載されているのみで、「油」の量について教えるところはない。
してみれば、本件発明は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4.まとめ
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-07-24 
出願番号 特願平2-229879
審決分類 P 1 651・ 113- YA (A23L)
P 1 651・ 121- YA (A23L)
最終処分 維持  
特許庁審判長 徳廣 正道
特許庁審判官 佐伯 裕子
大高 とし子
登録日 1999-01-29 
登録番号 特許第2879705号(P2879705)
権利者 日清製粉株式会社
発明の名称 ソース  
代理人 有賀 三幸  
代理人 的場 ひろみ  
代理人 山本 博人  
代理人 高野 登志雄  
代理人 中島 俊夫  
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