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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A01B
管理番号 1022567
審判番号 訂正2000-39043  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-09-12 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-05-12 
確定日 2000-07-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2567812号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2567812号発明の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第2567812号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。すなわち、
(1)特許明細書の特許請求の範囲において、請求項2ないし5を削除する。
2.当審の判断
上記(1)の訂正は、特許請求の範囲の記載において、請求項2ないし5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、上記(1)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項ないし第4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
リバーシブルプラウの砕土装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下に夫々一以上の耕起用ボトム1が設けられたプラウフレーム2を有し、そのプラウフレーム2がトラクター16の取付フレーム3に対して反転可能に構成されたリバーシブルプラウ4、
に設けられる砕土装置において、
前記ボトム1による耕土状態の姿勢にて、前記ボトム1の耕起反転側で且つ、前記ボトム1の進行方向後方に延在するように、前記プラウフレーム2に設けられる基部フレーム7と、
支軸の軸線が前記進行方向に位置するように前記基部フレーム7に長手方向の中央部が軸支された門型の転動体支持フレーム8と、
その支持フレーム8の前記門型の両脚部9に取付けられた砕土用転動体6と、
を具備し、その砕土用転動体6の重力により常に、前記門型の前記両脚部9が重力方向下向きに位置するように構成されたリバーシブルプラウの砕土装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、上下に夫々一以上の耕起用ボトム1が設けられ、反転駆動されるリバーシブルプラウにおいて、その後方に配置される砕土装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リバーシブルではないボトムプラウ装置では、土の耕起反転は進行方向の右側のみである。そのため、圃場の端部でUターンして耕起反転する際に特別の手順、すなわち回耕形式により作業を行う必要があり、作業能率が悪い欠点があった。そこで、連続的に圃場内をプラウイングできるリバーシブルなプラウ装置が各種提案されている。その一例として、特公昭64-5841号のリバーシブルプラウ用反転駆動装置がある。これは、プラウフレームの上下にボトムを装備して、プラウフレームをマストフレームに対して反転して使用できように構成したものである。そして、圃場の端部においてトラクターがUターンした際に、プラウフレームを180°反転させ、接地側の上下のボトムを入れ換えてプラウイングの方向を変えるものである。それにより、往行においては土の耕起反転をボトムにより進行方向の右側に行うと共に、復行においては耕起反転を進行方向の左側に行い、トラクターを葛折り状に運転しても常に一方側に耕起反転が可能となるものである。
【0003】
このようなボトムプラウ装置は土の耕起反転を行うことができるが、それは土を粗く掘り起こしてその土塊を上下反転するに過ぎない。従って、その土塊を細かく砕土するためにはプラウイングを完全に終了した後に、トラクターに別の砕土装置を取付けで砕土を行う必要があった。
なお本発明者は、実開昭60-139401号のかご形砕土器を装着したプラウを提案し、リバーシブルでないプラウ装置の後方にかご形砕土器が取付けられたものを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記のかご形砕土器を装着したプラウは、そのままリバーシブルプラウとして使用することができなかった。なぜならば、リバーシブルプラウではプラウフレームの上下にボトムを装着し、トラクターがUターンする度に、プラウフレームを反転して上下のボトムを入れ換えて土の耕起反転を行うため、従来の砕土器は一方のボトム側のみの砕土しか行えなかった。
なお、かご形砕土器を上段と下段とに二列に配置し、反転の度毎に上段砕土器と下段砕土器とを交互に使用することも考えられるが、そのような砕土器では構造が複雑となると共に、重量が重くなり、トラクターに負担がかかる欠点があった。それと共に、プラウ装置後方に配置されるかご形砕土器の重量が重すぎるため、それら全体を反転のために上方に持ち上げるとき、トラクターが後方へ転倒する虞も考えられる。
そこで本発明は、構造が簡単でトラクターに負担を欠けない比較的軽量な構造のリバーシブルプラウの砕土装置を提供することを目的とし、その目的達成のために次の構成をとる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上下に夫々一以上の耕起用ボトム1が設けられたプラウフレーム2を有し、そのプラウフレーム2がトラクター16の取付フレーム3に対して反転可能に構成されたリバーシブルプラウ4において、
プラウフレーム2に砕土フレーム5が回転自在に取付られる。そしてその砕土フレーム5は、ボトム1による耕土状態の姿勢にて、ボトム1の耕起反転側で且つ、ボトム1の進行方向後方にまで延在する。それと共に、耕起反転側に位置した砕土フレーム5の支軸の軸線がその進行方向へ向けられプラウフレーム2に取付られるものである。
さらに、砕土フレーム5の重力方向下側に位置するように砕土用転動体6が回転自在に取付られる。そして、その砕土用転動体6が前記進行方向後方位置でその長手方向がボトム1の進行方向に交差する方向に配置される。
そして砕土用転動体6を砕土フレーム5に設けた状態で、砕土フレーム5はその軸支位置の回りの自重に基づくモーメントが略バランスするように構成されたことを特徴とする。
【0006】
また本発明の好ましい実施態様は、砕土フレーム5が基部フレーム7と支持フレーム8とからなり、基部フレーム7はその一端がプラウフレーム2に固定されると共に他端が進行方向後方に位置する。そして、基部フレーム7の他端に門型の支持フレーム8の長手方向中央が軸支される。そして支持フレーム8の門型のの脚部9に砕土用転動体6が回転自在に取付られる。
さらに、その砕土用転動体6は、互いに長手方向に離間して並列した複数の円板10と、その円板10,10間を連結する棒材11とからなり、その棒材11は円板10の外周に離間して突設固定される。
また砕土用転動体6の回転軸12の位置が、支持フレーム8に対して上下方向に移動調整自在に構成される。
【0007】
【作用・効果】
本発明のリバーシブルプラウの砕土装置は、砕土用転動体6が砕土フレーム5の重力方向下側に位置するように回転自在に取付られ、その状態で砕土フレーム5はその軸支位置の回りの自重によるモーメントがバランスするように構成されたものである。そのため、
上下のボトム1を反転するために、プラウフレーム2を180°回転しても、砕土用転動体6自体をその自重により常に地面側に配置させることができる。
しかも、その180°反転状態でも、必ずそのとき接地するボトム1の耕起側の後方に砕土用転動体6が自動的に位置する。
それゆえ、同一の砕土用転動体6を上側のボトム1の耕起のときにも、下側のボトム1の耕起のときにも使用が可能となり、軽量で構造の簡単な砕土装置を提供できる。そして、リバーシブルなブラウニング作業と同時に(一工程で)砕土作業及びその作業に伴う鎮圧作業ならびに整地作業を行うことができ、耕転作業を極めて迅速に行い得る。
【0008】
【実施例】
次に、図面に基づいて本発明の各実施例つき説明する。
図1は本装置の分解斜視略図であり、図2はその使用状態における側面図、図3は同平面図、図4は同平面図においてリバーシブルプラウ4を上下反転させた状態を示すものである。又、図5はそのリバーシブルプラウ4を反転のため地面から持ち上げて90°回転させた状態を示す説明的略図である。さらに、図6はリバーシブルプラウ4自体の反転装置の説明的略図、図7は図3のA-A矢視断面図である。なお、図8及び図9は夫々他の実施例である。
本発明の第一実施例の砕土装置は、図1〜図3に示す如く二連に設けられたかご形の砕土用転動体6と、それを回転自在に軸支する砕土フレーム5とからなる。砕土フレーム5は、基部フレーム7と支持フレーム8とからなる。基部フレーム7は、その先端がプラウフレーム2の先端部に固定され、中間部が二叉材27を介してプラウフレーム2の後端に固定されている。なお、基部フレーム7はプラウフレーム2に水平に配置されると共に、その後端部がリバーシブルプラウ4の後方にまで延在し、その後端に支軸として軸部19が突設されている。この支軸はその軸線がリバーシブルプラウ4の進行方向に平行に向けられている。
【0009】
次に支持フレーム8は門型に形成され、その長手方向中央に軸受18が軸線を支持フレーム8に直交する方向に位置して突設されている。そして基部フレーム7の軸部19がその軸受18に嵌入し、図7に示す如く抜け止め板22とボルト21とにより抜け止めされる。なお、図1の図面とは逆に基部フレーム7の後端に軸受けを設け、支持フレーム8の中央に軸部を突設してもよい。この場合支軸の軸線は軸受の軸線に一致する。
次に、支持フレーム8の門型の両端に夫々設けられた脚部9には複数のボルト孔17が上下方向に離間して穿設されている。
次に砕土用転動体6は、固定パイプ25の両端に逆V字ブラケット15が固定され、夫々の逆V字ブラケット15の両端に一対の回転軸12が軸支されている。夫々の回転軸12には、多数の円板10が貫通すると共に、その貫通部が溶接等の手段により固定されている。夫々の隣接する円板10,10間には多数の棒材11が周方向に互いに離間し、且つ軸線に対して所定角度捩じられるように配置されている。
なお、前側の砕土用転動体6と後側の砕土用転動体6とでは、その捩じりの方向が互いに異なってる。
【0010】
又、夫々の逆V字ブラケット15の上端部には孤状の長孔24とボルト孔17とが穿設され、それが支持フレーム8の適宜のボルト孔17に整合し、それらにボルト21が締結固定される。支持フレーム8に設けた複数のボルト孔17のうち、下方に配置されたものを選択することより、より深い砕土を行うことができる。
従って、逆V字ブラケット15をこのように上下方向に移動調整自在にすることにより、各種耕作物に対して砕土条件を調節することが可能となる。
なお、リバーシブルプラウ4自体は公知のものであり、この実施例ではプラウフレーム2の上下に夫々三つのボトム1が並列されている。各列のボトムの数は二つの場合も、一つの場合もあり、本発明は何れにも適用できる。
リバーシブルプラウ4の前端部には図2〜図6に示す如く取付フレーム3としてマストが設けられ、その取付フレーム3(マスト)にプラウフレーム2が回転自在に取付けられている。そして、取付フレーム3の上端に反転用油圧シリンダ14の一端が設けられ、そのピストンロッド29の下端がプラウフレーム2の偏心位置で図6の如く軸支されている。即ち取付フレーム3に対して軸支された位置から外れた位置でピストンロッド29の下端がプラウフレーム2に軸支されている。
又、取付フレーム3にはトラクター16の取付桿13が夫々固定されている。
【0011】
しかして、上側の取付桿13を図6において油圧装置により上方に持ち上げると、本砕土装置を含むリバーシブルプラウ4全体の先端部を地面から上方に持ち上げることができる。そして、反転用油圧シリンダ14のピストンロッド29を収縮することにより、90°全体を回転させ、次いでそれを伸長することにより180°反転させることができるものである。それにより、上下のボトム1が反転すると共に、基部フレーム7自体も反転する。
このとき、基部フレーム7に軸支された支持フレーム8はその長手方向中央部が支持されると共に、砕土用転動体6が支持フレーム8の下側でかつ、その軸支位置の回りに重力モーメントがバランスされるため、支持フレーム8は略水平状態において常に地面側に向けられている。即ち、図5の如くリバーシブルプラウ4全体を90°回転した状態においても砕土用転動体6は常に下側に向いている。又、図4の如く完全にリバーシブルプラウ4が反転した状態であっても砕土用転動体6は同様の状態を維持する。しかも、その反転状態でもそのときのボトムの耕起側の後方に砕土用転動体6が自動的に位置する。
【0012】
次に、図8は本発明の第二実施例であり、この実施例は逆V字ブラケット15の前側に位置する砕土用転動体6の直径が大きく、且つその外周に突設された多数の棒材11の周方向ピッチも粗く形成され、それにより比較的粗い砕土が行われる。そして後側に位置する砕土用転動体6はその直径が小さく、棒材11の周方向ピッチも細かく形成されている。それと共に、その回転軸が油圧モータ23に連結され、その油圧モータ23の駆動により周速度が前側の砕土用転動体6より速く回転する。そして、より細かな砕土を行うものである。この油圧モータ23に連結される油圧ホースは支持フレーム及び基部フレームに沿って敷設され、それがトラクターの油圧装置に連結される。なお、各フレームの回転支持位置には回転自在な油圧継手(商品名スイーベルエルボ)を設けることが好ましい。
次に、図9は本発明の第三実施例であり、この実施例では砕土フレーム5がY字状の基部フレーム7とそのY字状の開口側両端に固定された支持フレーム8とからなり、基部フレーム7の先端が軸受18及び軸受ブラケット26を介してプラウフレーム2に固定されたものである。
【0013】
次に、図10は本発明の第四実施例であり、この実施例ではプラウフレーム2に設けた上下夫々三つのボトム1の各後部近傍において、プラウフレーム2に砕土フレーム5の一端が固定され、他端に軸受18が設けられ、その軸受18に支持フレーム8の中央に設けた軸部が軸支されていてる。そして、支持フレーム8の下側に小さな砕土用転動体6が回転自在に取付けられている。このような小さな砕土用転動体6は、夫々のボトム1の耕起反転側で且つその進行方向後方に配置されている。
なお、この実施例ではプラウフレーム2にコールタ30が設けられている。このコールタ30は、前記第一〜第三実施例では省略してある。
次に、図11は本発明の第五実施例であり、この実施例が前記図10における第四実施例と異なる点は、三本の比較的短い砕土フレーム5の他に一本の長い砕土フレーム5がプラウフレーム2の後部にその一端が取付けられると共に、他端に長い支持フレーム8の中央部が枢着され且つ、その支持フレーム8に砕土用転動体6が支持されたものである。この実施例では、夫々のボトム1により耕起反転された耕土を小さな砕土用転動体6により砕土すると共に、大きな砕土用転動体6により再び砕土を行うものである。夫々の砕土用転動体6は図のように進行方向に一つであっても、図1のように二つであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の砕土装置の分解斜視略図。
【図2】
同砕土装置の側面図。
【図3】
同平面図。
【図4】
同砕土装置の平面図であって、図3の状態からリバーシブルプラウ4を反転させた状態を示すもの。
【図5】
同リバーシブルプラウ4を90°回転させた状態を示す背面図。
【図6】
リバーシブルプラウ4の反転構造の説明図。
【図7】
図3のA-A矢視断面略図。
【図8】
本発明の第二実施例の砕土用転動体6の側面図。
【図9】
本発明の第三実施例の砕土装置の平面図。
【図10】
本発明の第四実施例の砕土装置の平面図。
【図11】
本発明の第五実施例の砕土装置の平面図。
【符号の説明】
1 ボトム
2 プラウフレーム
3 取付フレーム
4 リバーシブルプラウ
5 砕土フレーム
6 砕土用転動体
7 基部フレーム
8 支持フレーム
9 脚部
10 円板
11 棒材
12 回転軸
13 取付桿
14 反転用油圧シリンダ
15 逆V字ブラケット
16 トラクター
17 ボルト孔
18 軸受
19 軸部
20 ロック用ピン挿入部
21 ボルト
22 抜け止め板
23 油圧モータ
24 長孔
25 固定パイプ
26 軸受ブラケット
27 二叉材
28 ボルト孔
29 ピストンロッド
30 コールタ
 
訂正の要旨 特許第2567812号発明の明細書を本件訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに、すなわち、特許請求の範囲の減縮を目的として下記(1)のとおりに訂正する。
(1)特許明細書の特許請求の範囲において、請求項2ないし5を削除する。
審決日 2000-06-23 
出願番号 特願平6-52827
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 番場 得造  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 鈴木 寛治
平瀬 博通
登録日 1996-10-03 
登録番号 特許第2567812号(P2567812)
発明の名称 リバ―シブルプラウの砕土装置  
代理人 今野 耕哉  
代理人 今野 耕哉  

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