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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  E01H
管理番号 1023821
異議申立番号 異議1998-75868  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-06-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-12-02 
確定日 2000-03-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2787103号「スイーパー」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 〔1〕手続の経緯
特許第2787103号発明は、平成7年2月7日に出願され、平成10年6月5日に特許権の設定の登録がなされ、その後、豊和工業株式会社より特許異議の申立てがなされ、当審において取消理由通知がなされたところ、その指定期間内に平成11年11月11日付けで訂正請求がなされたものである。

〔2〕訂正について
1.訂正の内容
訂正請求の趣旨は、特許第2787103号の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のa〜oのとおりである。
a.明細書の特許請求の範囲の
「【請求項1】 塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンとを備えたことを特徴とするスイーパー。
【請求項2】 回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイーパー。
【請求項3】 ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のスイーパー。
【請求項4】 ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかのスイーパー。
【請求項5】 ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項4記載のスイーパー。」を、
「【請求項1】 塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたことを特徴とするスイーパー。
【請求項2】 回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイーパー。
【請求項3】 ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のスイーパー。
【請求項4】 ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のスイーパー。」に訂正する。
b.明細書の段落【0004】を、「請求項1の発明はかかる問題点を解消するためになされたもので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンクに収納される前にファンを通らないようにすることにより塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるスイーパーを得ることを目的とする。さらに、吸込風量調整機構によりファンへの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れて塵埃等の回収が効率よく行えるスイーパーを得ることを目的とする。」に訂正する。
c.明細書の段落【0007】の内容を削除する。
d.明細書の段落【0008】を、「請求項4の発明は、吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られて塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるスイーパーを得ることを目的とする。」に訂正する。
e.明細書の段落【0009】を、「【課題を解決するための手段】 請求項1の発明に係るスイーパーは、塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出ロよりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたものである。」に訂正する。
f.明細書の段落【0012】の内容を削除する。
g.明細書の段落【0013】を、「請求項4の発明に係るスイーパーは、ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたものである。」に訂正する。
h.明細書の段落【0014】を、「【作用】 請求項1の発明においては、ファンは密閉タンクの風出口よりも外側にあるので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等はファンを通らずに密閉タンク内に収納される。さらに、ファンへの吸込風量に外気を取り入れるので、風量の増大が図れる。」に訂正する。
i.明細書の段落【0017】の内容を削除する。
j.明細書の段落【0018】を、「請求項4の発明においては、循環風として戻る風量を調整できるので、最大限の風量が得られる。」に訂正する。
k.明細書の段落【0019】を、「【実施例】実施例1. 図1〜図7について説明する。図1は装置全体を示す一部破断の側面図、図2は図1の要部側面図、図3は図1の線III-IIIの断面図、図4は図3の一部破断斜視図、図5は図4の線V-Vの断面図、図6は図1のファンを示す斜視図、図7は図1の密閉タンクを示す背面斜視図であり、前記従来のものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。」に訂正する。
l.明細書の段落【0025】を、「実施例2. 図8〜図10について説明する。図8は要部の縦断側面図、図9は図8の密閉タンクを示す背面斜視図、図10は図9の底面斜視図であり、前記実施例1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。」に訂正する。
m.明細書の段落【0025】を、「【発明の効果】 請求項1の発明によれば回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンクに収納される前にファンを通らないので塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるという効果が得られる。さらに、吸込風量調整機構によりファンへの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れるので塵埃等の回収が効率よく行えるという効果が得られる。」に訂正する。
n.明細書の段落【0033】の内容を削除する。
o.明細書の段落【0034】を、「請求項4の発明によれば吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られるので塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるという効果が得られる。」に訂正する。
2.訂正の適否
(1)訂正aについて
訂正請求書には、訂正aは、特許請求の範囲の請求項4に記載された特徴、即ち「ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構を備えたこと」を請求項1に記載されたスイーパーに組入れたもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである旨記載されているが、本件特許異議の申立てが請求項1〜3に対しなされていること、及び同時に提出された意見書における、請求項1〜3に係る発明に対して通知した取消理由通知書で指摘されていない請求項4の内容を請求項1に組み入れたので、取消理由は存在しなくなった旨の記載からすると、この訂正aは、請求項1〜3を削除し、それに伴い請求項1〜3を引用していた請求項4、及び請求項4を引用していた請求項5の記載形式を変更する趣旨であると解され、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
そして、この訂正aは、特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
なお、訂正後の請求項1〜4は、記載形式が変更されただけで、内容は変更されていないので、独立特許要件についての検討を要しないものと考える。
(2)訂正b〜oについて
これらの訂正は、特許請求の範囲の記載の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載との整合を図るために明細書の発明の詳細な説明を訂正するものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものである。そして、これらの訂正は、特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、訂正a〜oは、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則6条1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とし、同条3項で準用する同法第126条2項及び3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

〔3〕特許異議の申立てについて
特許異議申立人は、請求項1〜3に係る発明の特許の取り消しを求めているところ、その請求項1〜3は、上記のとおり訂正の結果削除されたから、特許異議の申立ての対象が存在しないこととなった。
したがって、本件特許異議の申立ては、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法120条の6第1項において準用する同法135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スイーパー
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたことを特徴とするスイーパー。
【請求項2】 回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイーパー。
【請求項3】 ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のスイーパー。
【請求項4】 ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のスイーパー。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ゴルフ場,公園,道路等の清掃車あるいは草を集める集草車として利用できるスイーパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のスイーパーは、例えば図11をもって示す実開平3-79321号公報に示されるように、芝生1上の塵埃等を掻き上げる回転ブラシ2を内装したケース3に、このケース3内の空気を回転ブラシ2で掻き上げられた塵埃等と共に吸引揚送するファン4が連設されていると共に、このファン4で吸引された塵埃等を揚送気流から分離して貯留する密閉タンク5を備えたものにおいて、ファン4で吸引されかつ塵埃等を分離除去した後の空気を、回転ブラシ2の芝生1に対する清掃箇所に向けて回転ブラシ2の背部より吹きつける空気流案内路6を設けてなるものである。
なお、本機は操向用前輪7と駆動用後輪8とにより車台9が走行する自走車になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスイーパーは以上のように構成されているので、回転ブラシ2により掻き上げられた塵埃等は密閉タンク5内に収納される前にファン4を通過し、接触する塵埃等によってファン4の羽根板が摩耗するという問題点があった。
【0004】
請求項1の発明はかかる問題点を解消するためになされたもので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンクに収納される前にファンを通らないようにすることにより塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるスイーパーを得ることを目的とする。さらに、吸込風量調整機構によりファンヘの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れて塵埃等の回収が効率よく行えるスイーパーを得ることを目的とする。
【0005】
請求項2の発明は、塵埃等が掻き上げられる上方に向けてファンの吹出風を吹き出させることにより湿った塵埃等の付着による収集ムラが解消できるスイーパーを得ることを目的とする。
【0006】
請求項3の発明は、吹出風量調整機構によりファンの吹出風量を調整することにより塵埃等の湿ったもの,乾いたものに対応できるスイーパーを得ることを目的とする。
【0007】
【0008】
請求項4の発明は、吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られて塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるスイーパーを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るスイーパーは、塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたものである。
【0010】
請求項2の発明に係るスイーパーは、回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたものである。
【0011】
請求項3の発明に係るスイーパーは、ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたものである。
【0012】
【0013】
請求項4の発明に係るスイーパーは、ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたものである。
【0014】
【作用】
請求項1の発明においては、ファンは密閉タンクの風出口よりも外側にあるので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等はファンを通らずに密閉タンク内に収納される。さらに、ファンヘの吸込風量に外気を取り入れるので、風量の増大が図れる。
【0015】
請求項2の発明においては、塵埃等が掻き上げられる上方に向けてファンの吹出風が吹き出されるので、掻き上げられた塵埃等が付着しない。
【0016】
請求項3の発明においては、ファンの吹出風量を調整できるので、塵埃等の乾燥度合に応じて吹出風量を変更調整できる。
【0017】
【0018】
請求項4の発明においては、循環風として戻る風量を調整できるので、最大限の風量が得られる。
【0019】
【実施例】
実施例1.
図1〜図7について説明する。図1は装置全体を示す一部破断の側面図、図2は図1の要部側面図、図3は図1の線III-IIIの断面図、図4は図3の一部破断斜視図、図5は図4の線V-Vの断面図、図6は図1のファンを示す斜視図、図7は図1の密閉タンクを示す背面斜視図であり、前記従来のものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0020】
図において、10は回転ブラシ2を支持する軸で、支持アーム11により上下動可能に車台9に保持されている。12は回転ブラシ2を上方から覆うブラシボックスで、軸10により支持されると共に前後の走行輪13により上下の位置決めをされて回転ブラシ2の芝生1との距離を保持している。14はブラシボックス12の前方開口12aに連接した当て板、15は密閉タンク5の入口5aに取付けた風胴部材で、ブラシボックス12の前方開口12aの前方に被さるように垂下しかつブラシボックス12の前方開口12aから密閉タンク5の入口5aに通じる掻上風胴部15Aとこの掻上風胴部15Aを貫通する入口管15aから下端の上向吹出口部15bに通じる吹出風胴部15Bとを有していると共にヒンジ16により上下に2分割されている。17は風胴部材15の下端をヒンジ16を利用して引きつけておくリンク、18は当て板14に係合するように風胴部材15に連設したゴム板、19は風胴部材15の下方を塞ぐための遮蔽板、20はファン4の一方の吹出口4aと風胴部材15の入口管15aとを連通するダクト、21はファン4の他方の吹出口4bに接続した放出管で、フィルター22を有している。23はファン4の吸込口4cに連通すると共に密閉タンク5の下部背面に開口する吸込通路、24は密閉タンク5の蓋で、密閉タンク5の風出口5b(内側にフィルター5cを有している)と吸込通路23の開口とを連通する吸込経路24aを有している。25は蓋24の開閉用シリンダ、26は支持アーム11を回転駆動して回転ブラシ2を上方に退避(移動走行時)させるシリンダ、27はダクト20に設けた通路開閉調整弁からなる吹出風量調整機構で、上向吹出口部15bからのファン4の吹出風量を調整する。
【0021】
次に動作について説明する。回転ブラシ2とファン4とを作業用エンジン28または走行用エンジン29により駆動すると、回転ブラシ2により芝生1上の塵埃等が掻き上げられると共にファン4による吸込力(掻上風胴部15A→密閉タンク5→蓋24の吸込経路24a→吸込通路23)によってこの掻き上げられた塵埃等は密閉タンク5内に収納される。その際、ファン4の吹出風は放出管21によって大気中に放出されると共にダクト20により吹出風胴部15Bに入りその上向吹出口部15bより吹き出し、回転ブラシ2により掻き上げられた塵埃等をそのまま上方へと吹き上げ、前記吸引効果を高める。
【0022】
このように回転ブラシ2により掻き上げられた塵埃等はファン4による吸込力により掻上風胴部15Aから密閉タンク5内に直接放り込まれるので、塵埃等がファン4の羽根板に触れることがない。
【0023】
また、このようにファン4の吹出風の一部を吹出風胴部15Bの上向吹出口部15bから吹き出させて回転ブラシ2により掻き上げられた塵埃等をそのまま上方へと吹き上げておくと、ファン4による吸引効果を高めると共に、例えば湿った葉などが風胴部材15の内面に付着するのを防止できる。つまり、湿った葉などが付着してかたまりとなって落下することによる収集ムラが防止できる。
【0024】
さらに、このようにダクト20に吹出風量調整機構27を設けておくと、収集する塵埃等の湿り度合に合わせて吹出風胴部15Bの上方吹出口部15bからの吹出風量を調整できるので、塵埃等の湿ったもの,乾いたものに対応できる。
【0025】
実施例2.
図8〜図10について説明する。図8は要部の縦断側面図、図9は図8の密閉タンクを示す背面斜視図、図10は図9の底面斜視図であり、前記実施例1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
図において、30はファン4への吸込通路23を構成するために密閉タンク5の下面に設けた吸込ダクト、31は吸込ダクト30に設けた外気取入用開口、32は開口31を開閉して外気の取入れ量を調整する開閉蓋からなる吸込風量調整機構、33は蓋24に設けた開放部、34は開放部33を開いて循環風を外部に放出する開閉蓋からなる循環風量調整機構で、循環風として戻る風量を調整する。
【0027】
本装置における循環風は前記した実施例1で説明したように密閉経路を循環するものであるので、外気の空気が入りにくく,風量不足になりがちであるが、冬季の枯芝,枯草など比重が軽い塵埃等には丁度適した風量域である。従って、本実施例においては、吹込風量調整機構32および循環風量調整機構34を閉じて最小風量にした状態(即ち、実施例1と同じ)で、枯芝,枯草など比重の軽い塵埃等を回収する。循環風に乗るのでほこりがたたず(外部に出ない)に回収できる。
【0028】
次に、通常の芝カスなど先程よりも少し重い塵埃等を回収する場合には、吸込風量調整機構32を開いて開口31より外気を取入れると、ファン4への吸込風量が増大するので、少し重い塵埃等を効率よく回収できる。
【0029】
さらに、湿った芝カスなど水分を含んで重い塵埃等を回収する場合には、吸込風量調整機構32および循環風量調整機構34を開いて開放部33より循環風を放出すると同時に開口31より外気を取入れると、ファン4への吸込風量を最大限に大きくできるので、湿って重い塵埃等を容易確実に回収できる。なお、開放部33より外部に放出する塵埃等は湿って重いのでほこりは目立たない。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンク に収納される前にファンを通らないので塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるという効果が得られる。さらに、吸込風量調整機構によりファンヘの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れるので塵埃等の回収が効率よく行えるという効果が得られる。
【0031】
請求項2の発明によれば塵埃等が掻き上げられる上方に向けてファンの吹出風を吹き出させるので湿った塵埃等の付着による収集ムラが解消できるという効果が得られる。
【0032】
請求項3の発明によれば吹出風量調整機構によりファンの吹出風量を調整できるので塵埃等の湿ったもの,乾いたものに対応できるという効果が得られる。
【0033】
【0034】
請求項4の発明によれば吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られるので塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施例1を示す一部破断の側面図である。
【図2】
図1の要部側面図である。
【図3】
図1の線III-IIIから見た正面図である。
【図4】
図3の一部破断斜視図である。
【図5】
図4の線V-Vの断面図である。
【図6】
図1のファンを示す斜視図である。
【図7】
図1の密閉タンクを示す背面斜視図である。
【図8】
この発明の実施例2を示す要部縦断側面図である。
【図9】
図8の密閉タンクを示す背面斜視図である。
【図10】
図9の底面斜視図である。
【図11】
従来装置を示す一部破断の側面図である。
【符号の説明】
2 回転ブラシ
4 ファン
5 密閉タンク
5b 風出口
10 軸
11 支持アーム
12 ブラシボックス
13 走行輪
15 風胴部材
15b 上方吹出口部
15A 掻上風胴部
15B 吹出風胴部
23 吸込通路
24 蓋
27 吹出風量調整機構
32 吸込風量調整機構
34 循環風量調整機構
 
訂正の要旨 〔訂正の要旨〕
特許第2787103号の明細書を特許請求の範囲の減縮を目的として下記aのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的として下記b〜oのとおり訂正する。
a.明細書の特許請求の範囲の
「【請求項1】 塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンとを備えたことを特徴とするスイーパー。
【請求項2】 回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイーパー。
【請求項3】 ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のスイーパー。
【請求項4】 ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかのスイーパー。
【請求項5】 ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項4記載のスイーパー。」を、
「【請求項1】 塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたことを特徴とするスイーパー。
【請求項2】 回転ブラシを覆うブラシボックス内で掻き上げられて塵埃等が上方に向うその方向に向けてファンの吹出風の上方吹出口部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイーパー。
【請求項3】 ファンの吹出風量を調整する吹出風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のスイーパー。
【請求項4】 ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のスイーパー。」に訂正する。
b.明細書の段落【0004】を、「請求項1の発明はかかる問題点を解消するためになされたもので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンクに収納される前にファンを通らないようにすることにより塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるスイーパーを得ることを目的とする。さらに、吸込風量調整機構によりファンヘの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れて塵埃等の回収が効率よく行えるスイーパーを得ることを目的とする。」に訂正する。
c.明細書の段落【0007】の内容を削除する。
d.明細書の段落【0008】を、「請求項4の発明は、吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られて塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるスイーパーを得ることを目的とする。」に訂正する。
e.明細書の段落【0009】を、「【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るスイーパーは、塵埃等を掻き上げる回転ブラシと、この回転ブラシからの塵埃等を入れる密閉タンクと、この密閉タンクの風出口よりも外側にあって前記密閉タンク内に塵埃等を吸込むファンと、ファンの吸込側に吸込風量を調整する吸込風量調整機構とを備えたものである。」に訂正する。
f.明細書の段落【0012】の内容を削除する。
g.明細書の段落【0013】を、「請求項4の発明に係るスイーパーは、ファンの最終吹出部に循環風として戻る風量を調整する循環風量調整機構を備えたものである。」に訂正する。
h.明細書の段落【0014】を、「【作用】請求項1の発明においては、ファンは密閉タンクの風出口よりも外側にあるので、回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等はファンを通らずに密閉タンク内に収納される。さらに、ファンヘの吸込風量に外気を取り入れるので、風量の増大が図れる。」に訂正する。
i.明細書の段落【0017】の内容を削除する。
j.明細書の段落【0018】を、「請求項4の発明においては、循環風として戻る風量を調整できるので、最大限の風量が得られる。」に訂正する。
k.明細書の段落【0019】を、「【実施例】実施例1.図1〜図7について説明する。図1は装置全体を示す一部破断の側面図、図2は図1の要部側面図、図3は図1の線III-IIIの断面図、図4は図3の一部破断斜視図、図5は図4の線V-Vの断面図、図6は図1のファンを示す斜視図、図7は図1の密閉タンクを示す背面斜視図であり、前記従来のものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。」に訂正する。
l.明細書の段落【0025】を、「実施例2.図8〜図10について説明する。図8は要部の縦断側面図、図9は図8の密閉タンクを示す背面斜視図、図10は図9の底面斜視図であり、前記実施例1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。」に訂正する。
m.明細書の段落【0025】を、「【発明の効果】 請求項1の発明によれば回転ブラシにより掻き上げられた塵埃等が密閉タンクに収納される前にファンを通らないので塵埃等によるファンの羽根板の摩耗が著しく軽減され、ファンの寿命が延びるという効果が得られる。さらに、吸込風量調整機構によりファンヘの吸込風量に外気を取り入れることにより風量の増大が図れるので塵埃等の回収が効率よく行えるという効果が得られる。」に訂正する。
n.明細書の段落【0033】の内容を削除する。
o.明細書の段落【0034】を、「請求項4の発明によれば吸込風量調整機構と共に循環風量調整機構により循環風として戻る風量を調整することにより最大限の風量が得られるので塵埃等,特に湿った芝でも容易確実に回収できるという効果が得られる。」に訂正する。
異議決定日 2000-02-21 
出願番号 特願平7-43444
審決分類 P 1 652・ 121- XA (E01H)
最終処分 決定却下  
前審関与審査官 安藤 勝治  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 小野 忠悦
鈴木 公子
登録日 1998-06-05 
登録番号 特許第2787103号(P2787103)
権利者 初田拡撒機株式会社
発明の名称 スイーパー  
代理人 安達 光雄  
代理人 安達 智  
代理人 安達 光雄  
代理人 安達 智  
代理人 風早 信昭  
代理人 風早 信昭  

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