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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  D06F
審判 全部申し立て 特174条1項  D06F
管理番号 1024035
異議申立番号 異議1999-72697  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-07-15 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-12 
確定日 2000-05-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2849372号「洗濯機」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2849372号の特許を維持する。 
理由 (1)手続の経緯

特許第2849372号に係る発明についての出願は、平成6年8月31日に出願された特願平6-206896号の一部を平成9年2月3日に新たな特許出願である特願平9-20773号とし、平成10年11月6日に設定登録され、その後、株式会社東芝及び花井恭子よりそれぞれ特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その後再度の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年3月22日に訂正請求がなされたものである。

(2)訂正の適否についての判断

ア.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa)及びb)のとおりである。
a)明細書の特許請求の範囲の請求項1を以下のように訂正する。
「【請求項1】外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、
ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、
トップカバーの後ろ側に横置きに、
かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、
前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、
前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、
前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とする洗濯機。」
b)明細書の段落【0012】の記載を次のように訂正する。
「【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水□とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、トップカバーの後ろ側に横置きに、かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とするものである。」

イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記a)の訂正事項のうち、「かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部」の訂正は、明細書の段落【0012】,【0026】,【0027】及び第2図の記載に基づき「注水部」の概念を明りょうにするためのものである。
また、「前記注水部」の訂正は、「前記注水口部」という誤記を訂正するものである。
また、「前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し」の訂正は、明細書の段落【0012】,【0026】の記載に基づき「注水部」の配置個所を明りょうにするためのものである。
また、「注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し」の訂正は、明細書の段落【0044】及び第2図の記載に基づき、許請求の範囲を減縮するものである。
さらに、「前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されている」の訂正は、明細書の段落【0012】,【0026】,【0027】及び第1,2図の記載に基づき、許請求の範囲を減縮するものである。
よって、上記a)の訂正は新規事項の追加に該当しない。
次に、上記b)の訂正は、上記a)の訂正に整合させるためになされたものであり、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明に相当し、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記a)、b)のいずれの訂正も実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

ウ.独立特許要件の判断
訂正明細書の請求項1に係る発明を、以下、本件発明という。
これに対して、当審が通知した取消理由で引用した刊行物1(特開昭57-192595号公報)には、全自動洗濯機に関するものであって、その第3図には、浴槽水等の水圧のない水源から自動的に給水することのできるポンプ20から構成される給水装置について、一方、第4図には、給水装置として、水道による給水を行なう電磁給水弁6と前記した水圧のない水源から給水するポンプ20の双方から給水が可能な構成について開示されており、本体1の内側に置かれる洗濯脱水槽11、洗濯脱水槽11の内側に回転自在に設けられるパルセータ12、洗濯脱水槽11の下方に備えられ、かつ前記パルセータ12を回転駆動するモータ14、本体1の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁給水弁6が備わる天板2、風呂水吸水ホース(図示なし)を通じて吸い上げる風呂水を洗濯脱水槽11の上から洗濯脱水槽11内に注ぐポンプ20、天板2の後ろ側に設けられ、かつ洗濯用の水を洗濯脱水槽11内に注ぐ注水口9,9’が形成されている注水部とを有する洗濯機であると共に、該ポンプ20に関し、天板2の後ろ側に、ポンプを示す直方体の縦横比から見て明らかに横置きに設置され、ポンプ20に連通するように形成される吸込口21が天板2の上方に向かって上向きになるように配置され、吐出口22と注水口9’とを連通するポンプ用注水管8’を有し、天板2の後ろ側にポンプ20等を覆い隠す着脱自在な操作板4を設け、この操作板4の上端に吸込口21の上端を臨ませた構成が開示されている(第2頁左下欄第15行〜第3頁右上欄第7行、第1図、第3図及び第4図)。
また、同刊行物2(特開平2-75792号公報)には、電気ポンプに関するものであって、ケーシングカバー12の上端に外部に開放する吐出口14を設けたポンプ部5と、このポンプ部5の羽根車8に連結される駆動モータ2により構成されるモータ部1から成り、そのポンプ部5には吸引時にポンプ部内で気水分離された空気のみを大気に放出する空気抜き弁19を配設することにより、ポンプ室内の空気を空気抜き弁19を経由して大気に無理なくスムーズに放出することができ、もってポンプの吐出圧を高めることができ、水を順調に循環させることができるものであり、さらに、ポンプ室内において残存する空気を気水分離できるように構成し、羽根車8の吐出側が連通する気水分離室を兼ねるポンプ室、および羽根車8の吸込み側に連通する吸引通路15を備えるポンプ部5と、羽根車8を回転駆動するモータ部1を各長手方向に配置して有するものが開示されている(第2頁右下欄第8行〜第3頁左上欄第1行、第1図乃至第3図)。
また、同刊行物3(特開平4-220296号公報)には、湯水混合式洗濯機に関するものであって、それぞれの給水弁を通過した水と湯は、洗剤入れケースの水側給水口18と湯側給水口19から流入し、さらに、洗剤入れケース上部20に流入し、流入した水と湯は、洗剤入れケース上部20と洗剤投入部22を隔てた壁23にあげられた複数の孔24から洗剤投入部に噴射し、そこで水と湯が混合した後に水槽内に供給されるというものが開示されている(第3頁左欄段落【0019】、第2図及び第4図)。
また、同刊行物4(特開昭60-45790号公報)には、自吸式ポンプに関するものであって、ポンプランナ4、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室6、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部(ケーシング1)と、ポンプランナ4を回転駆動するモータ部15と、吸水室に連通する吸水口9を有し、かつポンプ部をモータ部の端側に結合配置しているモータ式吸水ポンプ(ポンプ本体)が開示されている。
また、同刊行物5(特開昭57-69896号公報)には、自動洗濯機の給水装置に関するものであって、後ろ側中央に配置した注水部は洗濯槽12の上部開口端近傍に配設した給水口14で、給水電磁弁7および給水パイプ11の出口側がそれぞれ連通しているものが開示されている。
(対比・判断)
本件発明と上記刊行物1乃至5に記載の発明とを対比すると、上記各刊行物に記載の発明は、本件発明を特定する事項である、「水道水給水用電磁弁より供給される水道水およびモータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部」と「注水部の両隣に水道水給水用電磁弁とモータ式吸水ポンプを振り分けて配置」した構成を備えていない。
そして、かかる事項により本件発明は、トップカバーの収納部が収納深さの浅い狭い空間になっているにもかかわらず、比較的スペース的な余裕をもって配置することができ、共用の注水部を中央部に置くことができるという顕著な効果を奏するものである。
確かに、上記刊行物1には、水道水給水用電磁弁とモータ式吸水ポンプをトップカバーの後ろ側に設けたものが開示されているが、注水部は、水道水給水用電磁弁用とモータ式吸水ポンプ用とが別々に設けられており、しかも、注水部の両隣に水道水給水用電磁弁とモータ式吸水ポンプを振り分けて配置したものではない。
また、上記刊行物3及び5には、共用の注水部を設けたものが開示されているが、これらのものは、トップカバーの後ろ側にモータ式吸水ポンプを有しておらず、トップカバーの収納部の有効利用を図るものとはなっていない。
そうすると、本件発明が上記各刊行物に記載のものから容易に発明をすることができたものとは到底いえない。
したがって、本件発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
エ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

(3)特許異議の申立てについての判断

ア.申立ての概要
申立人株式会社東芝は、証拠として甲第1号証(取消理由通知で示した刊行物1)、甲第2号証(同刊行物2)及び甲第3号証(同刊行物3)を提出し、本件発明は甲第1乃至3号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定に該当し、本件発明に係る特許は同法第113条第1項第2号の規定により取消されるべきものである旨主張している(以下、「理由1」という。)。
また、申立人花井恭子は、本件特許は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内にない補正をした特許出願に対してなされたものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に反し、特許法第113条第1項第1号の規定により取消されるべきものである旨主張する(以下、「理由2」という。)と共に、証拠として甲第1号証(取消理由通知で示した刊行物1)、甲第2号証(同刊行物4)及び甲第3号証(同刊行物5)を提出し、本件発明は甲第1乃至3号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定に該当し、本件発明に係る特許は同法第113条第1項第2号の規定により取消されるべきものである旨主張している(以下、「理由3」という。)。

イ.判断
A)理由1及び3について
本件発明は、上記(2)ウ.の項で述べたように、取消理由通知で示した刊行物に記載された発明であるとも、これらから容易に推考しうるものでもない。
B)理由2について
次に、本件に係る補正が特許法第17条の2第3項の規定に反するか否かについて以下検討する。
(i)特許請求の範囲の補正
申立人は、「ポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプ」における「長手方向端側」および「モータ式吸水ポンプ」と言う表現、及び、「トップカバーの後ろ側に横置きに」と言う表現は、出願時の明細書及び図面から直接かつ一義的に導き出された表現ではない旨主張しているが、上記の各表現は出願時の第1図乃至第4図とその説明箇所から充分に把握しうる範囲のものである。
(ii)発明の詳細な説明の補正
申立人は、補正された発明の目的、作用及び効果の補正は、出願時の明細書または図面には全く記載されておらず、直接かつ一義的に導かれた表現とは言えない旨主張しているが、補正された発明の目的、作用及び効果は、全て、出願時の明細書または図面の記載に基づいて合理的に把握しうるものにすぎない。
このように、本件に係る補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、特許法第17条の2第3項の規定に反するとは言えない。

ウ.むすび
以上のとおりであって、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
洗濯機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、
ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、
トップカバーの後ろ側に横置きに、
かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、
前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、
前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、
前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯機、さらに詳細には、風呂水吸水ポンプを備える洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
風呂の残り湯を洗濯水に利用して水道水の節水を図ることが従来からおこなわれている。
【0003】
そして、その使用形態の一例として、投げ込み式の風呂水吸水ポンプを浴槽内に入れ、このポンプを介して浴槽内の水を洗濯槽内に吸水するタイプのものがある。
【0004】
また、他の使用形態として、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵し、このポンプを介して浴槽内の水を洗濯槽内に吸水するタイプのものもある。
【0005】
なお、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵し、このポンプを介して浴槽内の水を洗濯槽内に吸水する先行技術としては、例えば特開昭57-117894号,特開昭57-117895号,特開平6-23190号公報等を挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、投げ込み式の風呂水吸水ポンプを利用する場合は、ホースとリード線とが絡み合い、作業性,収納性共に悪いと云う点で難点がある。
【0007】
一方、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵するタイプのものは、従来一般に、洗濯機の下方にポンプを設置するようにしており、呼び水タンクを必要とするばかりでなく、洗濯機下方のポンプから洗濯槽開口部に至る配管長も長くなり、その分コストアップの原因となる。
【0008】
なお、前掲特開昭57-117894号および同第57-117895号公報には、呼び水タンクを不要とした風呂水吸水ポンプ付の洗濯機が提案されているが、その場合であってもポンプは洗濯機の下方に設けられている。
【0009】
また、前掲特開平6-23190号公報にも呼び水タンクを不要とした風呂水吸水ポンプ付の洗濯機が提案されている。
【0010】
しかし、同公報には、非常に簡略化された図が掲載されているのみであって、またその文中にもポンプが洗濯機のどの部分に組み込まれているかの具体的説明がない。
【0011】
本発明の目的は、大量の呼び水量を呼び水タンクに蓄えておかなければならない自動呼び水式ポンプに代えて、トップカバーの後ろ側の狭い空間に納めることができ、さらに洗濯機のコンパクト化、組立作業の簡便化、設置スペースの小スペース化を図ることのできる風呂水吸水ポンプを搭載した改良された洗濯機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、トップカバーの後ろ側に横置きに、かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面の一実施例にもとづいて説明すると、図1において、1は洗濯機のトップカバー、2は洗濯機の運転を制御するコントローラで、コントローラ2は、トップカバー1の前方に内蔵され、タイマーを含むマイクロコンピュータ等で構成されている。
【0014】
3は洗濯機の運転内容を作業者が外部から指示するメンブレンスイッチである。
【0015】
4は蓋で、支点5を軸にして上方に開く。
【0016】
6は洗濯物投入口、7は洗濯兼脱水槽(以下、洗濯槽と略称する)8と外槽9との間に洗濯物が落下するのを防止するカバーで、外槽9の上部に設けられている。
【0017】
10は洗濯槽8の壁面に穿設された脱水孔である。
【0018】
11はバランスリングで、脱水運転時洗濯槽8の回転を円滑におこなう。
【0019】
12は吊り棒で、バネ13を介して外槽9を懸垂する。
【0020】
14は撹拌翼で、洗濯槽8の底部に設置される。
【0021】
15はモータで、モータ15の動力をモータプーリ16,ベルト17,従動プーリ18,クラッチ・減速部19を介して、洗濯,すすぎ時には撹拌翼14を、また脱水時には洗濯槽8と撹拌翼14とを共に駆動する。
【0022】
20は外枠21を支承する脚部、22は外槽9の底部に設けた排水孔で、排水孔22の下流側には、コントローラ2からの指令で開閉する排水電磁弁23と排水ホース24とを有する。
【0023】
25はバックパネルである。
【0024】
26はケーシングを抗菌剤入りの合成樹脂で成形した、風呂水を洗濯槽8の上から洗濯槽8内に注ぐ風呂水吸水ポンプ(モータ式自動吸水ポンプ)で、トップカバー1に内蔵されている。
【0025】
27は抗菌剤入りの風呂水吸水ホースで、その後端はOリング28を介してポンプ26の上面に設けた風呂水吸水口26aに装着される。
【0026】
図1に符号25で示すバックパネルを取り除いてトップカバー1の内部構造を示す図2において、1aはトップカバー1に設けた、水道水を洗濯槽内に供給する注水口と風呂水吐出口とを共用化した水道水注水口兼風呂水吐出口で、この水道水注水口兼風呂水吐出口1aからはソフナーも投入される。
【0027】
4が蓋、26がポンプ、26aが風呂水吸水口、26bは風呂水吐出管、29は蓋スイッチ、30は水道水蛇口、31は水道水を洗濯槽8内に供給する給水用電磁弁である。
【0028】
図2のトップカバー1にバックパネル25を取り付けてX-X方向から見た図3において、1がトップカバー、25がバックパネル、26がポンプ、26aがポンプ26の風呂水吸水口、25aはバックパネル25のハブを示し、ポンプ26は防振ゴム32を介し、トップカバー1とバックパネル25間に挟み込まれており、トップカバー1とバックパネル25とは、バックパネル25に設けた爪をトップカバー1の係合部に引っ掛け、図示を省略したネジによって固定される。
【0029】
モータ式自動吸水ポンプ26の内部構造を示す図4において、26aがポンプ26の風呂水吸水口、26bが風呂水吐出管、26cはケーシング、26dはポンプ駆動用モータ、26eはうンナ、26fはメカニカルシール、26gは吸水室、26hは気水分離室、26iは仕切板を示し、ポンプ26の上面に設けた風呂水吸水口26aを呼び水給水口として兼用している。
【0030】
26jは風呂水吸水口26aの出口に設けた逆止弁を示しており、なお風呂水吸水口26aの上端面は、風呂水吐出口26kの下面よりも上位としてある。
【0031】
そして、ポンプ26の吸水室26gに吸水された風呂水は、従来のこの種ポンプと同様の送水方法によりうンナ26eを介して気水分離室26hに送られ、気水分離室26hに送られた風呂水は、その後、風呂水吐出管26bを介して洗濯槽8内に供給される。
【0032】
トップカバー1に設けられた操作パネルを示す図5において、33は電源スイッチ、34は水道水スタート・一時停止ボタン、35は風呂水スタート・一時停止ボタン、36は節水量目安表示部で、本実施例においては、風呂水使用、節水すすぎ等、通常の運転と比較して節水できる工程を実施した場合にその節水量を、電源スイッチ33の投入時に例えばキロリットル単位で節水量目安表示部36に表示する。
【0033】
なお、この表示は、表示部36のカウンタがオーバーフローするとゼロクリアされ、再びカウントを開始する。
【0034】
図6は図1に示す洗濯機の電気回路図、図7は同じく図1に示す洗濯機の動作フローチャートで、図5の電源スイッチ33を入れ(図7のステップ101)、風呂水スタート・一時停止ボタン35を押して風呂水コースをスタートさせる(ステップ102)。
【0035】
そして、最初にポンプ駆動用モータ電流1pが1アンペア以上であるか否かを検出し(ステップ103)、1アンペア以上であればロック電流が流れたと云うことでポンプモータをオフし、水道水の給水用電磁弁31をオンし(ステップ104)、15秒間合成音あるいは合成音と文字との併用等適宜の手段によって異常報知をおこない(ステップ105)、その後異常内容をメモリーに記憶して(ステップ106)、水道水による給水処理工程に移行し(ステップ107)、通常のプログラムにもとづき一連の洗濯工程を実施する。
【0036】
そして、一連の洗濯工程が終了したならば電源スイッチ33が自動的に切られる(ステップ108)。
【0037】
また、次回洗濯機の使用に際しては(ステップ109)、電源スイッチ33を入れると同時に再度ポンプ駆動用モータ26dの異常報知をおこなう(ステップ110)。
【0038】
ステップ101において、ポンプ駆動用モータ26dの電流が1アンペア以下の場合は、次にポンプ駆動用モータ電流Ipが0.3アンペア以上であるか否かを検出する(ステップ111)。
【0039】
なお、ポンプ駆動用モータ26dのスタート開始直後はまだ空気を巻き込んでいるため0.3アンペア以下となっているから、その場合はステップ112において、ポンプ駆動用モータ26dの運転開始後2分を経過したか否かを検出し、まだ2分を経過していない場合はステップ103に戻る。
【0040】
そして、ステップ112において、ポンプ駆動用モータ26dの運転開始後2分を経過してもポンプ駆動用モータ電流Ipが0.3アンペア以下の場合は、浴槽内に水がないとか、ホース27の先端を浴槽内に入れ忘れたとか、ホース27の先端が浴槽の水面から浮き上がっているとか、吸水途中で風呂水がなくなったものとみなしてポンプ駆動用モータ26dへの通電をオフし、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンして(ステップ113)、水道水による給水処理工程に移行する(ステップ114)。
【0041】
ステップ111において、ポンプ駆動用モータ26dの運転開始後2分以内にポンプ駆動用モータ電流Ipが0.3アンペア以上となった場合は、ステップ115で洗濯槽8内の水位が規定水位に達したか否かを検出し、規定水位に達している場合は洗い撹拌の工程に移行し、規定水位に達していない場合はステップ103に戻る。
【0042】
なお、洗濯のコースには洗い,排水,脱水,シャワーすすぎ,排水,脱水,溜めすすぎ,排水,脱水と云った標準コースと、それ以外の手造りコースとがあるが、風呂水コースを選択した場合は、標準コース,手造りコースのいずれも、「洗い」に風呂水を使用し、また「すすぎ」工程が2回以上ある場合は、最終回の「すすぎ」以外に風呂水を利用して水道水の節水効果をさらに高めることもできる。
【0043】
大量の呼び水を蓄えておかなければならない自動呼び水式ポンプを備えるものでは、その呼び水タンクの大きさからトップカバーに収納することができず、したがってトップカバー内に自動吸水ポンプを組み込んだ洗濯機が実際の製品として中々実現できなかったが、気水分離室26hを有する本構成によりはじめてそれが可能になり、その結果トップカバー1の後ろ側の狭い空間に自動呼び水式ポンプ26を備えて水道水と風呂水とを任意に切替使用可能な装置を合理的に収納した洗濯機が実現可能になった。
【0044】
ポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置したモータ式吸水ポンプ26は、注水部を有するトップカバー1の後ろ側に横置きに置かれるので、竪置きに置くものと違ってモータ式吸水ポンプ26のところだけが隆起することはなく、洗濯機全体の丈を低く抑えることができる。
【0045】
ポンプランナ26eの吸込み側に通じる風呂水吸水口のホース接続口が上向きになっているので、後向きに設けるものと違って風呂水吸水ホース27の着脱がしやすく、接続した風呂水吸水ホース27が後側に突き出ることもないので、洗濯機を家屋の壁から離さずに据えることができる。
【0046】
注水部を後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に水道水給水用電磁弁31とモータ式吸水ポンプ26を振り分けて別々に離して配置することにより、トップカバー1の収納部が収納深さの浅い狭い空間になっているにもかかわらず、比較的スペース的な余裕をもって配置することができ、共用の注水部を中央部に置くことができる。
【0047】
トップカバー1に取り付けられるバックパネル25を設け、モータ式自動吸水ポンプ26をトップカバー1とバックパネル25で挾持することにより、その取付作業の簡略化を図ることができる。
【0048】
モータ式自動吸水ポンプ26を防振ゴム32を介してトップカバー1に取り付けることにより、水揚げによって振動しようとする傾向にあるポンプ26を極力安定的に保持し、ひいてはポンプ26の振動が洗濯機本体側に伝播して発生する騒音を極力抑えることができる。
【0049】
モータ式自動吸水ポンプ26の吸水口26aがトップカバー1の上側を向くようモータ式自動吸水ポンプ26を配置することにより、吸水口26aの上部から風呂水吸水ホース27を360。全方向に取り出すことができ、使い勝手の点で優れている。
【0050】
モータ式自動吸水ポンプ26の吸水口26aを呼び水給水口と兼用することにより、別呼び水口や呼び水口塞ぎ用のキャップ等が不要となり、その分部品を少なくすることができる。
【0051】
モータ式自動吸水ポンプ26の吸水口の上端をモータ式自動吸水ポンプ26の吐出口26kよりも高い位置に配置することにより、たとえポンプ室内の逆止弁26jに微少水漏れが生じても呼び水が減少するようなことはない。
【0052】
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dへの通電をオフする制御手段を備えれば、風呂水の有無や吸水ホース27の先端部の水面からの浮き上がり等をモータ26dの電流検知で知ることができ、従来のように一定水位までの給水時間で風呂水の有無や吸水ホース先端部の水面からの浮き上がり等を検知する方式に比べてその検知を短時間でできると共に、水位検知スイッチや排水バルブ23の故障も検知できるため、ポンプモータ26dの無駄な運転時間を極力短くし、ポンプ26の寿命を延ばすことができる。
【0053】
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dへの通電をオフすると共に、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする制御手段を備えれば、前記効果に加えて、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができる。
【0054】
ポンプ26の運転を開始して一定時間経過後定格電流に達しない場合、ポンプモータ26dに通電したまま、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする手段を備えれば、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができると共に、吸水ホース27の先端が一旦風呂水の水面より出た後再び水面下に沈んで風呂水吸水が可能となったような場合に、再度風呂水を洗濯水として利用することができ、水道水の節水に役立つ。
【0055】
ポンプモータ26dのロック電流を検知した場合、そのポンプモータ26dへの通電をオフする手段を備えれば、ポンプモータロック時のモータ焼損を防止できると共に、従来PTCによりおこなわれていたポンプモータロック検知に比べてその検知を瞬時におこなうことができ、ポンプモータ26dの寿命を長くすることができる。
【0056】
ポンプモータ26dのロック電流を検知した場合、そのポンプモータ26dへの通電をオフすると共に、水道水供給のための吸水電磁弁31をオンする手段を備えれば、前記効果に加えて、一連の洗濯工程を途中で中断することなく、最後まで遂行することができる。
【0057】
ポンプモータ26dのロック電流検知と同時に異常報知すると共に、次回洗濯機の使用時、電源スイッチ33の「入」に際してもポンプモータ26dの異常報知をおこなう手段を備えれば、前記効果に加えて、ポンプモータ26dのロック状態を即使用者に知らせることができる。
【0058】
ポンプ26のケーシング26cを抗菌剤入りの合成樹脂で成形すれば、自吸のための呼び水がポンプケーシング26c内に長時間残水した状態で放置された場合であっても、その残水内に細菌が繁殖して腐敗するのを防止することができる。
【0059】
風呂水吸水ホース27を抗菌剤入りのゴムホースまたは合成樹脂ホースとすれば、長期間繰返し使用されるホースに細菌が付着するのを防止することができる。
【0060】
風呂水使用、節水すすぎ等通常の運転と比較して節水できる工程を実施した場合はその節水量を記憶し、その積算量を表示する手段を備えれば、一定期間内にどの程度水道水が節水されたかを使用者に直覚的に知らせることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口が形成されている注水部とを有する洗濯機であって、ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、トップカバーの後ろ側に横置きに、かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、前記吐出室の吐出口と前記注水口部を連通する吐出水連通路を備え、前記注水部を後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプを振り分けて配置したことを特徴とする洗濯機にある。
【0062】
この構成によれば、次のような良さがある。
【0063】
(1)大量の呼び水を蓄えておかなければならない自動呼び水式ポンプを備えるものでは、その呼び水タンクの大きさからトップカバーに収納することができず、したがってトップカバー内に自動吸水ポンプを組み込んだ洗濯機が実際の製品として中々実現できなかったが、気水分離室を有する本構成によりはじめてそれが可能になり、その結果トップカバーの後ろ側の狭い空間に自動呼び水式ポンプを備えて水道水と風呂水とを任意に切替使用可能な装置を合理的に収納した洗濯機が実現可能になった。
【0064】
(2)ポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置したモータ式吸水ポンプは、注水部を有するトップカバーの後ろ側に横置きに置かれるので、竪置きに置くものと違ってモータ式吸水ポンプのところだけが隆起することはなく、洗濯機全体の丈を低く抑えることができる。
【0065】
(3)ポンプランナの吸込み側に通じる風呂水吸水口のホース接続口が上向きになっているので、後向きに設けるものと違って風呂水吸水ホースの着脱がしやすく、接続した風呂水吸水ホースが後側に突き出ることもないので、洗濯機を家屋の壁から離さずに据えることができる。
【0066】
(4)注水部を後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に水道水給水用電磁弁とモータ式吸水ポンプを振り分けて別々に離して配置することにより、トップカバーの収納部が収納深さの浅い狭い空間になっているにもかかわらず、比較的スペース的な余裕をもって配置することができ、共用の注水部を中央部に置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明洗濯機の一実施例を示す全体的内部構造説明図である。
【図2】
図1に符号25で示すバックパネルを取り除いてトップカバー1の内部構造を示した平面図である。
【図3】
図2のトップカバー1にバックパネル25を取り付けてX-X方向から見た場合の断面図である。
【図4】
風呂水吸水ポンプ(モータ式自動吸水ポンプ)26の内部構造を示す一部破断斜視図である。
【図5】
図1に符号1で示すトップカバーに設けられた操作表示パネルの平面図である。
【図6】
図1に示す洗濯機の電気回路図である。
【図7】
同じく図1に示す洗濯機の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1…トップカバー、8…洗濯槽(洗濯兼脱水槽)、25…バックパネル、26…風呂水吸水ポンプ(モータ式自動吸水ポンプ)。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
a)明細書の特許請求の範囲の請求項1を以下のように訂正する。
「【請求項1】外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水口とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、
ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、
トップカバーの後ろ側に横置きに、
かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、
前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、
前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、
前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とする洗濯機。」
b)明細書の段落【0012】の記載を次のように訂正する。
「【0012】
【課題を解決するための手段1
前記目的を達成するため、本発明は、外枠の内側に置かれる洗濯槽、この洗濯槽の内側に回転自在に設けられる回転翼と、洗濯槽の下方に備えられ、かつ前記回転翼を回転駆動する洗濯用モータと、外枠の上側に設けられ、かつ水道水給水用電磁弁が備わるトップカバーと、風呂水吸水ホースを通じて吸い上げる風呂水を洗濯槽の上から洗濯槽内に注ぐモータ式吸水ポンプと、トップカバーの後ろ側に設けられ、かつ前記水道水給水用電磁弁より供給される水道水および前記モータ式吸水ポンプから吐出する風呂水が流れ込む壁面で囲まれた空間部とこの空間部に流れ込む洗濯用の水を洗濯槽内に注ぐ注水□とが形成されている注水部とを有する洗濯機であって、ポンプランナ、このポンプランナの吐出側が連通する気水分離室を兼ねる吐出室、および前記ポンプランナの吸込み側に連通する吸水室を備えるポンプ部と、ポンプランナを回転駆動するモータ部とを有し、かつポンプ部をモータ部の長手方向端側に配置しているモータ式吸水ポンプは、トップカバーの後ろ側に横置きに、かつ前記吸水室に連通するように形成される風呂水吸水口のホース接続口が前記トップカバーの上方に向かって上向きになるように配置し、前記吐出室の吐出口と前記注水部を連通する吐出水連通路を備え、前記注水部をトップカバーの後ろ側中央に配置し、注水部の両隣に前記水道水給水用電磁弁と前記モータ式吸水ポンプをポンプ部を注水部に向けて振り分けて配置し、前記モータ式吸水ポンプ及び水道水給水用電磁弁の設置面より上で前記注水部に前記水道水給水用電磁弁の下流口側から出た給水通路と前記モータ式吸水ポンプの吐出水連通路が接続されていることを特徴とするものである。」
異議決定日 2000-03-31 
出願番号 特願平9-20773
審決分類 P 1 651・ 121- YA (D06F)
P 1 651・ 55- YA (D06F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 塩澤 克利金丸 治之  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 藤本 信男
大里 一幸
登録日 1998-11-06 
登録番号 特許第2849372号(P2849372)
権利者 株式会社日立製作所
発明の名称 洗濯機  
代理人 田中 恭助  
代理人 田中 恭助  
代理人 小川 勝男  
代理人 外川 英明  
代理人 小川 勝男  

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