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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する H01L
審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正する H01L
管理番号 1026630
審判番号 訂正2000-39086  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1989-05-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-08-03 
確定日 2000-10-23 
事件の表示 特許第2133860号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2133860号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第2133860号(昭和62年11月18日出願、平成9年12月12日登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記の(a)〜(d)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1における、
「粘度数百CPS以上のフォトレジスト膜を」という記載を、
「粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を」と訂正する。
(2)訂正事項b
明細書第6頁第16行〜第7頁第19行の[問題点を解決するための手段]の欄(特許公報第3欄第41行〜第4欄第4行参照)における、
「粘度数百CPS以上のフォトレジスト膜を」という記載を
「粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を」と訂正する。
(3)訂正事項c
明細書第8頁第1行〜第9頁第16行の[作用]の欄(特許公報第4欄第5行〜第27行参照)における、
「粘度数百CPS以上のフォトレジスト膜を」を
「粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を」に訂正する。
(4)訂正事項d
明細書第19頁第10行〜第20頁第12行の[発明の効果]の欄(特許公報第8欄第4行〜第26行参照)における、
「粘度数百CPS以上のフォトレジスト膜を」を
「粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を」に訂正する。
2.当審の判断
2-1.訂正の目的、新規事項禁止、拡張・変更禁止の各要件についての判断 (1)訂正事項aについて
この訂正は、「フォトレジスト膜」について、それが「粘度数百CPSのフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングにより」形成されるものであることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、明細書第12頁第16行〜第13頁第5行には、粘度数百CPS以上のフォトレジスト液を滴下してスピンコ-ティングによりレジスト膜を形成することが記載されている。
したがって、この訂正は、本件特許の願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。
(2)訂正事項b〜dについて
これらの訂正は、訂正事項aによって特許請求の範囲を訂正することに併せて、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させようとするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、これらの訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。
2-2.独立特許要件についての判断
(1)訂正明細書の特許請求の範囲に記載された発明の要旨
訂正明細書の特許請求の範囲に記載された発明の要旨は、次のとおりのものである。
「中央部分が絶縁膜の開口より露出し、かつこの絶縁膜により周縁部分が被覆された接続用電極上に高さ約10μm以上の柱状のバンプ電極を形成する半導体装置のバンプ電極の形成方法において、前記絶縁膜および前記絶縁膜の開口から露出された前記接続用電極上に中間接続膜を形成し、この中間接続膜上に粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を形成すべきバンプ電極の高さよりも厚く設けるとともに、このフォトレジスト膜を前記絶縁膜の開口と前記接続用電極の周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチングし、このフォトレジスト膜のエッチングした部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面がフォトレジスト膜の上面と同一面、もしくはそれよりも低い位置まで形成することを特徴とする半導体装置のバンプ電極の形成方法。」(以下、「訂正発明」という。)
(2)判断
本件特許の出願公告時に特許異議申立てがなされているので、その特許異議申立ての理由及び証拠方法について、以下検討する。
本件特許の出願公告時にされた特許異議申立ての理由の概要は、本件特許発明は、特願昭62-40606号(特開昭63-207156号)の願書に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない、というものである。
そこで、検討するに、本件訂正発明は、「中間接続膜上に粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティングによりフォトレジスト膜を形成すべきバンプ電極の高さよりも厚く設ける」点を構成要件として備えている。
これに対して、先願明細書には、フォトレジスト液の粘度及びフォトレジスト膜をスピンコ-ティングによって形成する点についても具体的な記載はない。
また、同じく証拠方法として提出されている、東京応化工業の製品パンフレット「E・P・P・R ETCHING & PLATING PHOTO RESIST」には、粘度850CPSのフォトレジストが示されているが、フォトレジスト液として粘度850CPSのものが周知のものであるからといって、先願明細書に、「粘度数百CPS以上のフォトレジス卜液を滴下してスピンコ-ティング」することまでもが記載ないし示唆されているとすることはできない。
上記のとおりであるから、訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとすることはできない。
3.むすび
したがって、本件審判の請求は特許法第126条第1項第1号および第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項ないし第4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2000-09-29 
出願番号 特願昭62-289257
審決分類 P 1 41・ 811- Y (H01L)
P 1 41・ 813- Y (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 内野 春喜阿波 進  
特許庁審判長 酒井 正己
特許庁審判官 伊藤 明
中西 一友
登録日 1997-12-12 
登録番号 特許第2133860号(P2133860)
発明の名称 半導体装置のバンプ電極の形成方法  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 福原 淑弘  

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