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審決分類 |
審判 全部申し立て 特39条先願 A01F |
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管理番号 | 1027491 |
異議申立番号 | 異議1999-74502 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-11-17 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-12-01 |
確定日 | 2000-06-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2900031号「コンバインの脱穀装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2900031号の特許を維持する。 |
理由 |
1.本件発明 本件特許第2900031号(昭和63年5月9日出願の実願昭63-60904号を出願変更した特願平5-212345号の一部を新たな出願とした特願平9-82365号の一部を更に新たな出願とした特願平9-278226号の一部を重ねて新たな出願とした特願平10-189677号出願に係り、平成11年3月19日設定登録。)の請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載から次のとおりのものと認める。 「扱胴及びクリンプ網を内設させる脱穀部一側で前後方向にフイードチェンと挟扼杆を張設させて穀稈を挾持搬送させるコンバインにおいて、フイードチェンに対して反対側の脱穀部他側の支点軸回りに扱胴上部カバーと挾扼杆を上方に回動自在に取付け、前記フイードチェンとチエンレールと扱胴側部カバーを水平方向に回動自在に縦軸に設けたことを特徴とするコンバインの脱穀装置。」 なお、請求項1中に記載された「クリンブ網」は、「クリンプ網」の誤記と認め、上記のとおり認定した。 2.申立ての理由の概要 特許異議申立人井関農機株式会社は、証拠として甲第1号証(特許第2729614号特許公報)、甲第2号証の1(実開昭59一172525号公報)、甲第2号証の2(特開昭60一153715号公報)、甲第3号証の1(特開昭61一12213号公報)および甲第3号証の2(実公昭62-28840号公報)を提出し、甲第2号証の1ないし甲第3号証の2を考慮すると、本件請求項1に係る発明は、本件出願人と同一人により、本件出願の出願日と同一日に出願された甲第1号証の発明と同一であるから、この特許は特許法第39条第2項の規定に違反して特許されたものであり、取り消すべきである旨主張している。 3.特許異議申立人が提出した甲第1号証の発明 甲第1号証の特許第2729614号発明は、昭和63年5月9日に出願された実願昭63-60904号の一部を新たな出願とした特願平5-212345号の一部を新たな出願とた特願平9-82366号に係り、その特許は平成9年12月19日に設定登録され、この特許に対し、井関農機株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、訂正請求がなされ、訂正を容認する特許異議の決定がされ、その決定が確定した。 確定した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、これを甲第1号証の発明という。)は、次のとおりである。 「脱穀部一側で前後方向にフィードチェンを張設させるコンバインの脱穀装置において、前記フィードチェンを張設するチェンレールを上部チェンレールと下部チェンレールで構成し、駆動スプロケットを下部チェンレール前端に備えると共に、従動スプロケットを、下部及び上部チェンレールの後端に固設する巻付防止用の上部枢着板に備え、各スプロケットにフィードチェンを張設させ、かつ前記上部枢着板の下方に支柱を介して連結固定する下部枢着板を設け、前記上部枢着板と前記下部枢着板とに上下の水平回動支点軸をそれぞれ固設し、前記フィードチェンを水平方向に回転自在に上下の水平回動支点軸を介して脱穀部側面に取付けると共に、脱穀部内部のクリンプ網一側外方に配置させる扱胴側部カバーを前記フィードチェンのチェンレール内側に取付け、前記フィードチェン及び扱胴側部カバーを一体的に側方に回動させるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀装置。」 4.対比・判断 本件請求項1に係る発明と甲第1号証の発明とを対比すると、甲第1号証の発明が、少なくとも、「従動スプロケットを、下部及び上部チェンレールの後端に固設する巻付防止用の上部枢着板に備え、かつ前記上部枢着板の下方に支柱を介して連結固定する下部枢着板を設け、前記上部枢着板と前記下部枢着板とに上下の水平回動支点軸をそれぞれ固設する」ことを構成要件とするものであるのに対し、本件請求項1に係る発明は、前記のことを構成要件としていない点で相違する。 そして、上記の相違点は、周知事項ではなく、また、当業者が適宜にできる程度の設計事項でもないから、本件請求項1に係る発明と甲第1号証の発明とが同一であるとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-05-31 |
出願番号 | 特願平10-189677 |
審決分類 |
P
1
651・
4-
Y
(A01F)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 高橋 三成、吉田 英一 |
特許庁審判長 |
木原 裕 |
特許庁審判官 |
鈴木 寛治 新井 重雄 |
登録日 | 1999-03-19 |
登録番号 | 特許第2900031号(P2900031) |
権利者 | ヤンマー農機株式会社 |
発明の名称 | コンバインの脱穀装置 |
代理人 | 藤原 忠治 |