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審決分類 審判 訂正 3号明りょうでない記載の釈明(平成7年12月31日まで) 訂正する E04H
審判 訂正 2号誤記の訂正(平成7年12月31日まで) 訂正する E04H
管理番号 1030091
審判番号 訂正2000-39013  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-01-31 
確定日 2000-10-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第1796888号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第1796888号発明の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第一 請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第1796888号発明(昭和62年8月26日を国際出願日とする出願[優先権主張昭和61年8月26日、昭和62年2月20日、昭和62年3月23日、昭和62年5月20日]、平成5年10月28日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち下記一及び二のとおり訂正することを求めるものである。
一 下記の個所の「方形パネル」を、「方形枠材」と訂正する。
1 平成4年3月13日付け手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項 中9〜10行(本件特許の公告公報[特公平4-54025号公報]1頁 1欄10、11行参照)
2 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中10行(同公報1頁 1欄11行参照)
3 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中11行(同公報1頁 1欄12行参照)
4 同手続補正書2頁15行(同公報2頁4欄12行参照)
5 同手続補正書2頁16行(同公報2頁4欄13行参照)
6 同手続補正書2頁17行(同公報2頁4欄14行参照)
7 同手続補正書3頁1行(同公報2頁4欄18行参照)
8 本件特許明細書3頁14行(同公報3頁5欄5行参照)
9 同明細書3頁14、15行(同公報3頁5欄6行参照)
10 同明細書3頁16行(同公報3頁5欄8行参照)
11 同明細書5頁10、11行(同公報3頁6欄31行参照)
12 同明細書5頁11行(同公報3頁6欄32行参照)
13 同明細書5頁13行(同公報3頁6欄34行参照)
14 同明細書5頁28行(同公報4頁7欄9行参照)
15 同明細書6頁1行(同公報4頁7欄11行参照)
16 同明細書6頁3行(同公報4頁7欄13、14行参照)
17 同明細書6頁13行(同公報4頁7欄26、27行参照)
18 同明細書6頁17行(同公報4頁7欄31行参照)
19 同明細書6頁21行(同公報4頁7欄36行参照)
20 同明細書6頁23行(同公報4頁7欄38行参照)
21 同明細書7頁4行(同公報4頁8欄5行参照)
22 同明細書7頁6行(同公報4頁8欄8行参照)
23 同明細書7頁9、10行(同公報4頁8欄13、14行参照)
24 同明細書7頁14、15行(同公報4頁8欄20行参照)
25 同明細書7頁16行(同公報4頁8欄21、22行参照)
26 同明細書7頁27行(同公報4頁8欄36行参照)

二 下記の個所の「枚」を、「個」と訂正する。
1 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中9行(同公報1頁1 欄10行参照)
2 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中12行(同公報1頁 1欄13行参照)
3 同手続補正書2頁15行(同公報2頁4欄12行参照)
4 同手続補正書2頁18行(同公報2頁4欄15行参照)
5 同明細書7頁10行(同公報4頁8欄14行参照)
6 同上(同上)
7 同上(同公報4頁8欄15行参照)

第二 当審の判断
一 上記一の訂正について
訂正前の明細書の発明の詳細な説明において、「方形パネル50は、特に第9図と第10図に示すように、4本の断面コ字状に形成された枠部材51を方形に溶接して形成されており、各枠部材51のコーナー部には、火打部材52が夫々架設されており、これら枠部材51と火打部材52の構成素材としては、アルミニューム材、合成繊維材あるいはステンレス材等の本来的に軽量な材料、あるいは軽量化が可能な材料が望ましい。」(訂正前明細書5頁13〜18行[本件公告公報6欄34〜41行]を参照)との記載がされており、第9図及び第10図を参照すると、方形パネル(方形枠材)は、面状の板部材の構成ではなく、枠状の部材で構成されていることが認められる。
いっぽう、「パネル」の記載について検討すると、「下地なしで平面が保てる程度の丈夫さを持った板。壁パネル・床パネル・型枠パネルなどがある。・・・小幅板を用いて大型の平板としたもの。」(「建築大辞典〈縮刷版〉」昭和59年2月10日第1版第8刷、発行所株式会社彰国社、1240頁)とか、「鏡板、大型の平板状に形成したもの。」(「建築用語図解辞典」1980.2.25第23版発行、発行所理工学社、321頁)等の記載がされ、「パネル」とは、通常、上記のような意味と解されていることが認められる。
してみると、面状の板部材の構成ではなく、枠状の部材で構成されているものであることを明確にした、上記一の訂正は、明りょうでない記載の釈明に相当するものである。
そして、上記の発明の詳細な説明の記載を参照すると、上記一の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、上記一の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

二 上記二の訂正について
訂正前の明細書によると、「支持枠12は、第8図乃至第15図に示すように、複数個の方形パネル50と、水平方向に相隣接して配設された方形パネル50を連結する複数個の連結部材60と、から構成されている。」(訂正前明細書5頁10〜12行[本件公告公報6欄30〜33行]を参照)との記載があり、部材(「方形枠材」)に対して、「個」の用語が用いられており、上記以外の箇所では「枚」の用語が使用されている。
さらに、上記二の訂正は、「方形パネル」を「方形枠材」に訂正することに関連してなされたものであることをも考慮すると、「枚」との記載は、「個」の誤記に相当することは明白であり、上記二の訂正は誤記の訂正に該当する。
そして、上記二の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

第三 結び
本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則6条1項の規定により、訂正についてはなお従前の例によるとされる、特許法126条1項ただし書き2号及び3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条2項及び3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
プール等の床装置
(57)【特許請求の範囲】
〔請求項1〕 プールなどの開口面積と略同一に形成された昇降床と、該昇降床を上下方向に沿って昇降させる昇降装置と、上記昇降床を所望の高さ位置に保持する手段と、を有して構成されてなるプール等の床装置において、上記昇降床を、水中における該昇降床の浮力が略零となるように空気を密封する複数本の床材と、この床材を所要本数平行に並べた状態で固着する支持枠と、から構成すると共に、該支持枠を、所定寸法からなる複数個の方形枠材と、これら各方形枠材を連結する連結部材と、から構成し、上記方形枠材は、上記床材の平面面積に対応して所要個数並べられた状態で上記連結部材を介して組構されることを特徴とするプール等の床装置。
〔請求項2〕 前記昇降床を所望の高さ位置に保持する手段は、前記プールの内側平面に対設された鋸歯状の爪係止体と、常態において上記爪係止体と係合する方向へ付勢された係止爪と、を有して構成されていると共に、上記爪係止体は、上記昇降床が最上昇位置に到達したときに、上記係止爪との係合状態を解除し、かつ、最下降位置において再び上記係止爪と係合するように付勢されて構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のプール等の床装置。
〔請求項3〕 前記昇降装置は、プール等の内側面に固着されたハウジングと、該ハウジング内に若干離間して対設された光照射用ファイバーおよび受光用ファイバーと、上記各ファイバー間に進退自在に配設され上記昇降床の昇降動作によって作動する遮断スイッチ板と、から構成されてなるスイッチ手段を介して、その昇降作動がオン・オフ制御されることを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項のいずれかに記載のプール等の床装置。
【発明の詳細な説明】
技術分野
この発明は、プール等の床を、所望の高さ位置に堅牢かつ確実にセットすることができるプール等の床装置に関する。
背景技術
近年、健康管理意識の高揚に伴ない、幼児から老人に至るまで行うことができるスポーツとして水泳が盛んとなり、スイミングクラブ等多くの施設が発達してきている。
しかし、従来、これらの施設に備えられているプールは、大人が泳げる深さに形成されているものが殆どであり、これを中人用或は幼児用として使用する場合には、その深さを可変調整して浅くする必要があることから、近年では、プールの深さを任意の深さに調整することができる各種の装置が提案されている。
その一例を第42図に基き説明すると、プール1の固定床面2に、脚3を有する台4を多数並べ、大人が使用するときにはこの台4を撤去する方法がある。
しかし上記従来の手段にあっては、深さ変更に際して、台4の搬入・撤去作業に多くの時間を要するとともに、当該作業が非常に煩雑であるという問題を有していた。
これを解決するため従来では、第43図に示すように、プール1の床5を肉厚に形成し、この床5に複数本の空気圧送路6を設け、この空気圧送路6に夫々多数のジャバラ式支柱7を取り付けて簣子状の可動床8を支持するように形成し、各空気圧送路6を夫々コンプレッサー9に接続することで、該コンプレッサー9から圧縮空気をジャバラ式支柱7へ挿入して可動床8の高さ調整を行うことができるように構成されてなるプール1の昇降床装置が提案されている。
しかしながら上記従来のプール1の昇降床装置にあっては、これを既存のプールに設置する場合には、既存のプール1の固定床5を壊して設置しなければならず、その工事費が嵩むとともに、工事期間中は当該プール1の使用ができない等の問題を有していた。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、プール等の床を、所望の高さ位置に容易かつ迅速にセットすることができ、しかも、既設プールの固定床を破壊することなく設置することができ、工期が非常に短く、工費も廉価であるプール等の床装置を提供しようとするものである。
発明の開示
上記目的を達成するため、この発明に係るプール等の床装置にあっては、プール等の開口面積と略同一に形成された昇降床と、該昇降床を上下方向に沿って昇降させる昇降装置と、上記昇降床を所望の高さ位置に保持する手段と、を有して構成されてなるプール等の床装置を技術的前提とし、上記昇降床を、水中における該昇降床の浮力が略零となるように空気が密封される複数本の床材と、この床材を所要本数平行に並べた状態で固着する支持枠と、から構成すると共に、該支持枠を、所定寸法からなる複数個の方形枠材と、これら各方形枠材を連結する連結部材と、から構成し、上記方形枠材は、上記床材の平面面積に対応して所要個数並べられた状態で上記連結部材を介して組構することで、25mプールや50mプール等のような開口面積が異なるプールであっても、方形枠材と連結部材の数を対応させて用意するだけで、昇降床を容易に組構できるように構成したことを特徴とするものである。
また、この発明にあっては、昇降床を所望高さ位置に自動的に保持させるため、該保持装置を、前記プールの内側平面に対設された鋸歯状の爪係止体と、常態において上記爪係止体と係合する方向へ付勢された係止爪と、を有して構成すると共に、上記爪係止体は、上記昇降床が最上昇位置に到達したときに、上記係止爪との係合状態を解除し、かつ、最下降位置において再び上記係止爪と係合するように付勢させて構成したことを特徴とするものである。
さらに、この発明にあっては、水中においても昇降床を誤作動なく昇降させるため、スイッチ手段を、プール等の内側面に固着されたハウジングと、該ハウジング内に若干離間して対設された光照射用ファイバーおよび受光用ファイバーと、上記各ファイバー間に進退自在に配設され上記昇降床の昇降動作によって作動する遮断スイッチ板と、から構成し、該スイッチ手段を介して、昇降床の昇降作動をオン・オフ制御するように構成したことを特徴とするものである。
図面の簡単な説明
第1図はこの発明の第1実施例に係るプール等の床装置を示す断面図、第2図は昇降手段を示す断面図、第3図は昇降床の平面図、第4図は支持枠の平面図、第5図は昇降床の側面図、第6図は床材と支持枠との連結状態を拡大して示す断面図、第7図は床材の端部の連結状態を示す側面図、第8図は支持枠の他例を示す平面図、第9図は同支持枠を構成する方形枠材の平面図、第10図は同方形枠材の断面図、第11図は十字状連結部材の平面図、第12図は同十字状連結部材の正面図、第13図は上記方形枠材と十字状連結部材の連結状態を一部切欠して示す平面図、第14図はT字状連結部材の平面図、第15図はL字状連結部材の平面図、第16図は昇降床の他の支持構造を示す断面図、第17図はキャップの他例を示す正面図、第18図は床材の他例を示す正面図、第19図は同床材とキャップとの連結状態を示す正面図、第20図は係止爪と爪係止体との係合状態を拡大して示す断面図、第21図は係止爪とガイドレールとの滑動状態を示す説明図、第22図は係止爪と爪係止体との他の係合状態を示す断面図、第23図はアーム部材の配設状態を示す平面図、第24図は昇降装置のガイドレールの構成を示す平面図、第25図は同ガイドレールの構成を示す縦断面図、第26図は第27図のA-A線断面図、第27図は第26図のB-B線断面図、第28図は第26図のC-C線断面図、第29図は第28図のD-D線断面図、第30図は支持枠に取り付けられたプーリーを示す部分拡大平面図、第31図は第30図のB-B線断面図、第32図は変速機に設けた巻取りプーリーからガイドレールの上端のプーリーまでの索条の配置状態を示す概略平面図、第33図は第32図の側面図、第34図は昇降装置の他例を示す断面図、第35図は同昇降装置のアーム部材の取付状態を示す平面図、第36図はアーム部材の先端部に配設された重錘体を一部切欠して示す斜視図、第37図は同昇降装置のスイッチ手段を示す説明図、第38図は昇降装置の他のスイッチ手段の取付状態を示す斜視図、第39図は同スイッチ手段の構成を示す側断面図、第40図は同スイッチ手段の平面断面図、第41図は光ファイバーの透光原理を示す説明図、第42図及び第43図は異なる従来例を夫々示すプールの側断面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。
この実施例に係るプールの床装置Aは、プール1に配設される昇降床10と、この昇降床10側に配設される係止爪20と、この係止爪20が係止される爪係止体30と、上記昇降床10を昇降させる昇降装置40と、から構成されている。
昇降床10は、第3図乃至第7図に示すように、多数の各筒材よりなるアルミニウム製、ステンレス製あるいは合成樹脂製の床材11と、その床材11の下に配置されて床材11を固定支持する矩形に組立られた支持枠12とから構成されている。
多数の床材11は互いに平行に並べられて、例えば、横幅5m×長さ15mプールの場合には、これに対応して多数の床材11を矩形に組み立ててボルトナット13等により支持枠12の上面に固着される。
角筒状の各床材11の中空内部には空気が充填されてその両端に嵌合されたゴムキャップ等の栓体15により密封されうるように構成されている。このように構成することで、水中で昇降床10に浮力を与えてその重量を軽減することができ、特に、床材11の一部にのみ空気を充填して栓体15により密封するとともに、残部の床材11の栓体15を外しておくことで、昇降床10の水中重量を適宜調節することができる。この場合、昇降床10の全体重量と浮力とが釣り合うようにすればその水中重量が零になり、昇降床10を水中で昇降させる際に要する駆動力を最小にすることができる。
支持枠12は、第8図乃至第15図に示すように、複数個の方形枠材50と、水平方向に相隣接して配設された方形枠材50を連結する複数個の連結部材60と、から構成されている。
方形枠材50は、特に第9図と第10図に示すように、4本の断面コ字状に形成された枠部材51を方形に溶接して形成されており、各枠部材51のコーナー部には、火打部材52が夫々架設されており、これら枠部材51と火打部材52の構成素材としては、アルミニューム材、合成樹脂材あるいはステンレス材等の本来的に軽量な材料、あるいは軽量化が可能な材料が望ましい。
上記枠部材51は、各辺の長さがそれぞれ1m弱に形成されており、かつ、その両端部には傾斜面部51a,51aが形成され、全体が略台形状を呈するように形成されている。尚、第10図中符号53は、所定間隔毎に貫通形成されたボルト挿通孔であり、このボルト挿通孔53には、図示していないが、連結用ボルトが挿通される。
火打部材52は、細巾長尺な台形状の板体で構成されており、第9図と第10図に示すように、この長手方向に沿って凸状リブ54が突設され、折り曲げ力に対して適宜の耐力を有すると共に、各火打部材52が前記方形枠材50と溶接等によって固着された場合、上記凸状リブ54の上面が方形枠材50の外表面と面一となるように構成されている。
このように構成された火打部材52は、前記方形枠材50の上縁フランジ50a間及び下縁フランジ5b間に架設される。
連結部材60は、第11図と第12図に示すように、筒状部材61aと、この筒状部材61aの外周面より外方向へ延設された4本の平板部材62により平面略十字状に形成された連結部材60aと、略半割り筒状部材61bと、この半割り筒状部材61bの外周面より外方向へ延設された3本の平板部材62により平面略T字状に形成された連結部材60bと、2本の平板部材62により平面略L字状に形成された連結部材60cと、から構成されている。
平板部材62は、その肉厚寸法が、前記方形枠材50の平面寸法と合算するとき、全体として1mとなるように形成されており、その長さ寸法は、前記枠部材51の長さ寸法の略半分の寸法である50cmとなるように形成されていると共に、その高さ寸法が、前記方形枠材50の高さ寸法と同一となるように形成されている。
また、上記平板部材62には、第12図に示すように、所要数のボルト挿通孔63が貫通して開設されており、これら各ボルト挿通孔63は、前記方形枠材50に貫通形成されたボルト挿通孔53と同心となる位置に開設されている。
筒状部材61aは、前記方形枠材50の隅部と合致するように、平面正八角形状に形成されており、特に第13図に示すように、1面おきに前記平板部材62の基部が溶接等の手段によって連結されていると共に、内周壁面には雌ネジ64が刻設されている。この雌ネジ64には、例えば、第16図に示すように、外周面に雄ネジ65が刻設されてなる支持棒体66が螺合され、前記昇降床10を地表面から所望の高さ位置に支持することができるように構成されている。
連結部材60bは、第14図に示すように、床の外郭縁部を構成する方形枠材50間に配設される。
また、連結部材60cは、特に第15図に示すように、床の外郭縁部を構成する方形枠材50のコーナー部に配設される。
次に、以上のように構成された支持枠12を組構する場合について説明すると、例えば、上記プール1が、巾15m×長さ25mのプールである場合には、1辺が略1m弱に形成された上記方形枠材50を、幅方向に15個、長さ方向に25個の合計375個を用意し、かつ、十字型の連結部材60aを336本、T字型の連結部材60bを76本及びL字型の連結部材60cを4本用意し、第8図に示すように、これらをプールAの開口形状に合致するように並べ、ボルトナット(図示せず)で、各連結部材60と方形枠材50を連結する。この場合、前記したことからも明らかなように、方形枠材50と連結部材60とで、その長さ寸法が丁度1mとなるように構成されているので、寸法誤差が生ずる虞れも生じない。
次に、上記のようにして組構された支持枠12の上面に、所要本数の床材11を平行に並べて組構して載置し、この載置された床材11をボルトナット13で止着する。この場合、上記ボルトナット13の頭部は、後記するキャップ14により被覆されるため、外観品質が損なわれたり、怪我する虞れも生じない。
尚、支持枠12の使用材質を、例えば、アルミニュームや各種強化プラスチック等の合成樹脂とすることで、運動場などの各種建物の床に、或は浴槽等の床などにも適用することができる。
また、方形枠材50も、1辺の長さが略1m弱の正方形となるように形成した場合に限定されるものではなく、適宜の長さ、例えば、二分割形のもの(略1m×略50cm)、四分割形のもの(略50cm×略50cm)或は1辺を1m以上の長さに形成してもよく、その形状も長辺形その他各種の形状に構成することもできる。
さらに、連結部材60の筒状部材を正八角形に限らず、各種の形状にすることもできる。
キャップ14は、第6図に示すように、上記床材11間に形成された凹部16に嵌装されるもので、その脚片14a,14aの下端部には、上記凹部16の両壁下端部に凹設されているフ字状の係合溝16aと係合する突起14bが膨出形成されている。このようにキャップ14を構成することで、床材11と枠部材12とを連結するボルトナット13の頭部を当該キャップ14で隠蔽して床の外観品質を向上させ、かつ、ボルトナット13による怪我を未然に防止することができる。
尚、第17図乃至第19図は、上記キャップ14の形成例を示しており、該実施例に係るキャップ14は、前記床材11間に形成される凹部16の幅寸法Dと略同一の幅寸法dを有する平面部17と、上記凹部16の深さ寸法Hと略同一の高さ寸法hを有する脚片18,18と、で略逆U字状に形成されており、該脚片18,18は、外方へ向けやや拡開した状態で弾性を有して構成されていると共に、該脚片18,18の下端部外面には、係合突起19が『く』字状に連続形成されている。この係合突起19は、前記凹部16に形成された『く』字状の係合溝16bを係合するように構成されている。また、該キャップ14と係合溝16bとの係合状態を解除する場合には、ドライバー等を間隔に差し込むことで容易にこれを解除することができる。
このように組み立てられた上記昇降床1例の下面には、複数本の係止爪20が配設されており、各係止爪20の先端は、第1図と第20図からも明らかなように、プール1の内側壁面1bに対向して配設されている。
各係止爪20は、前記昇降床10の補強部材11aを構成する芯材11bに固着されてなるホルダー21内に出没自在に収装されている。そして、上記各係止爪20の後端側には、ガイドロッド20aが延設されており、このガイドロッド20aは、ホルダー21の挿通孔21a内に挿通されている。
また、上記各係止爪20は、上記ホルダー21内に収装されているスプリング22を介して常態において前進方向に付勢されている。
尚、上記各ホルダー21は、第3図にも示すように、昇降床10の下面側、周辺部に適宜の間隔で配設されている。
第20図中符号23は、上記各係止爪20に植設されたガイドピンを示しており、このガイドピン23は、ホルダー21のガイド溝21b内に挿通されていて、上記各係止爪20のホルダー21内で出没するように構成されていると共に、各係止爪20のホルダー21からの脱落を防止している。
他方、前記各係止爪20が対向するプール1の内側壁面1bには、上記各係止爪20が係止される爪係止体30が配設されている。
この爪係止体30は、第1図と第20図に示すように、上下方向に多数連続して延設されて係止部群Gを形成しており、前記プール1の内側壁面1bに固着されたボックス32内に収装されている。
上記係止部群Gは、耐摩耗性に優れ、耐蝕性に優れる、例えば、ナイロン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート等の所謂エンプラで形成されたガイドレール31の長手方向に沿って『鋸歯』状に形成されており、各爪係止体30と前記係止爪20とが係合したときに、前記昇降床10の下降が停止されるように構成されている。
このガイドレール31は、第21図に示すように、前記ボックス32の横方向に配設されたガイドロッド33を保持しており、このガイドロッド33に沿って、上記ボックス32内を水平方向(第21図左右方向)に移動し得るように配設されている。
尚、上記ガイドレール31の左側に配設されたガイドロッド33の軸部には、両方向スプリング34が介装されており、このスプリング34が上記ガイドレール31を常態において中立位置に保持している。
このように構成された上記爪係止体30の直線部31aの上端部には、第21図左側上方へ傾斜する傾斜部31bが連設されており、かつ、この傾斜部31bの上端には、再び直線部31cが連設されて構成されている。
それ故、係止爪20が、第21図に示すように、直線部31aにあり、この位置から第21図中矢印dで示すように上昇を開始すると、上記係止爪20は、前記傾斜部31bを滑動する。このとき、係止爪20の昇降移動位置は、垂直方向であるため、前記ガイドレール31は、前記スプリング34の付勢力に抗して、第21図右方向へ強制的に移送される。
この後、前記係止爪20が、前記直線部31cへと滑走し、最上昇位置に到来すると、上記ガイドレール31の上端部に切り欠き形成された切欠(図示せず)から上記係止爪20が離脱して、該係止爪20とガイドレール31との係合状態が解除され、これにより上記ガイドレール31は、前記スプリング34の付勢力により引張されて原位置(中立位置)へと復動する。
次いで、係止爪20が下降を開始すると、上記係止爪20は、前記ガイドレール31の側部(第21図右側部)を摺動しながら下降し、前記傾斜部31bの側部に到達すると、スプリング34の圧縮方向(第21図左側方向)へとガイドレール31を押圧しつつ下降し、この押圧状態を保持したまま直線部31aの側部に沿って下降する。
そして、係止爪20が最下降位置に到来すると、上記ガイドレール31の下端部に切り欠き形成された切欠(図示せず)から上記係止爪20がガイドレール31内に侵入し、該係止爪20とガイドレール31とが係合状態にセットされる。これにより上記ガイドレール31は、前記スプリング34の付勢力により押圧されて原位置(中立位置)へと復動する。
勿論、上記係止爪20が、所望の爪係止体30に係止されるときに、係止爪20の上昇を停止すれば、前記昇降床10が所望の高さ位置にセットされる。この場合、係止爪20が、爪係止体30と爪係止体30との中間位置にセットされた場合でも、昇降床10に荷重が作用した場合には、上記昇降床10が若干下降するものの、スプリング22の付勢力により、所定の爪係止体30と確実、かつ、堅牢に係合するので、安全な支持状態が確実に得られる。
尚、上記実施例にあっては、係止爪20を昇降床10の下面に固着した場合を例にとり説明したが、これに代えて、昇降床10内、即ち、補強部材11a内に一体に配設して構成することもできる。
第22図と第23図は、上記係止爪20と爪係止体3例の他例を示しており、前記係止部群Gを形成する前記ガイドレール31が、前記プール1の床面1cに配設されて構成されている。従って、前記係止部群Gは、プール1の床面1cにおいて、水平方向に複数の爪係止体30が延設されるように構成されている。
一方、本例において前記係止爪20は、昇降床10の下面に上端が枢着され、その立面がハの字状となるように構成されてなる一対のアーム部材35の各下端に、その先端が床面1cに対向して出没自在となるように収装されて構成されている。
上記一対のアーム部材35は、第23図に示すように、適宜の間隔で複数配設されるが、その配設の方向については、図示例のように、各アーム部材35の軸線方向が昇降床10を構成する床材11の軸線方向と直交する方向となるように配設してもよく、或は、図示はしないが、各軸線方向が同一方向となるように配設することができる。
このように係止爪2例と爪係止体30とを上記説明のように配設することで、プール1の開口面積を最大限有効利用することができると共に、外観も向上するという利点がある。
昇降装置40は、第2図及び第25図乃至第33図に示すように、プール1の対向側壁に対向して上下方向に配設され、昇降床10の長手方向両端部に形成された切り欠き10aに摺動自在に嵌合されて昇降床10の昇降を案内する逆L字状の複数(図示例では4個)の中空なガイドレール41と、このガイドレール41と前記支持枠12及びプールサイド1cにそれぞれ設けられたプーリー群Pと、プールサイド1cに設けられた駆動源としての電動モータMと、その電動モータMに連動され、一本の回転軸上に固着された二連のプーリーよりなる巻取りプーリー42を有する変速機としての無段変速機43と、一端を巻取りプーリー42に、他端を昇降床10にそれぞれ結着されるロープ、ワイヤ、ケーブル等の複数条の索条44とから構成されている。
前記プーリー群Pは、プールサイド1cに回転自在に設けられた二連のプーリーからなる方向転換用の第一及び第二プーリー81,82と、それら第一及び第二プーリー81,82の両側に配置された方向転換用の第三プーリー83,83及び第四プーリー84,84と、逆L字状の各ガイドレール41の上端に水平方向に互いに離隔して取り付けられた二連プーリーよりなるテンション用の第五プーリー85及び方向転換用の第六プーリー86と、ガイドレール41の下端に回転自在に取り付けられた第七プーリー87と、支持枠12の切り欠き10a部に固着された複数(図示例では4個)のブラケット45の各々に、水平方向に互いに間隔を存して取り付けられた方向転換用の第八プーリー88及び索条44の結着用の第九プーリー89とからなる。
尚、第32図中、符号80は、巻取りプーリー42と第一及び第二プーリー81,82間に配置された方向転換兼テンション用のプーリーである。
プールサイド1cに設けられた各無段変速機43の巻取りプーリー42と昇降床10とを連結する索条44は、昇降床10を上昇させるための上昇用索条44aと昇降床10を下降させるための下降用索条44bとからなり、巻取りプーリー42に一端を結着された2条の索条44a,44bは、第32図及び第33図に示すように、それぞれ第一及び第二プーリー81,82の手前で二叉に分岐され該第一及び第二プーリー81,82の二連の上下プーリーを懸回してから左右に別れ、一方の下降用索条44bは、第三プーリー83及びガイドレール41の上端の二連の第五及び第六プーリー85,86を通って、第2図に示すようにガイドレール41下端の第七プーリー87でU字状に上方へ曲げられて支持枠12の端縁部に設けた二連の第八プーリー88を懸回して二連の第九プーリー89に他端が結着され、また、他方の上昇用索条44aは、第四プーリー84及びガイドレール41の上端の第四及び第五プーリー84,85を通って支持枠12の端縁部の第七プーリー87を懸回して第八プーリー88に他端を結着されており、電動モータMが一方向(例えば正転方向)へ回転すると、上昇用索条44aが巻取りプーリー42に巻取られると同時に下降用索条44bが巻戻され、また電動モータMが逆方向(例えば逆転方向)へ回転すると、下降用索条44bが巻取りプーリー42に巻取られると同時に上昇用索条44aが巻戻されるようになっている。
従って、プールサイド1cに設けた二つの電動モータMを正・逆回転させることによって、無段変速機43を介して巻取りプーリー42を適当な速度で減速回転させて4条の索条44を巻取ったり、巻戻すことで、前記支持枠12即ち昇降床10を、ガイドレール41に沿って昇降させて、プール1の水深を変更調節することができる。この際、昇降床10を傾かせずに水平に昇降させるため、二つの電動モータMはそれらの回転速度が等しくなるように同期制御される。
第34図乃至第37図は、上記昇降装置40の他例を示しており、この実施例に係る支持枠12の下面には、アーム部材25の上端部が回動可能に軸支されている。そして、このアーム部材25の下端部には、重錘体26が回動可能に軸支されている。
アーム部材25は、例えばチャンネル型の長尺材で形成されている。
重錘体26は、第36図に示すように、断面逆凹状に形成された所要の重量を有するケーシング27と、このケーシング27の下面側に回転可能に軸支された複数対のローラ28と、から構成されており、これらの各ローラ28は、プール1の底面に常に接地するように構成されている。
このように構成された2本のアーム部材25は、その下端部が連結部材29を介して相互に連結されて1組の支持脚を構成しており、第35図に示すように、プール1の大きさに対応して所定間隔毎に前記昇降床10の下面に所要組配設されている。
また、上記連結部材29の略中央部分には、他端がプールサイド1cに設置されたモータ58に連結されてなる牽引索条24の一端が連結されている。
上記モータ58をオンオフ制御するスイッチ46は、第37図に示すように、牽引索条24が嵌合懸架される溝(図示せず)を有するガイドプーリー47と、このガイドプーリー47を回転可能に軸支する略く字条のアーム48と、このアーム48の屈曲部を軸支する軸49と、上記アーム48を常態において第37図反時計方向へと付勢するスプリング55と、上記アーム48の他端に配設された接点56と、該接点56に所定範囲内で接触して前記モータ58をオン作動させる略月形のモータ側接点57と、で構成されている。
それ故、モータ58を回転させて昇降床10を所望高さ位置まで上昇させると、重錘体26の作用によってアーム部材25はプール1の底面1dに接地する方向に回動する。このとき、アーム部材25に連結されている牽引索条24には、アーム部材25の回動に伴って『撓み』が発生し、これにより前記スイッチ46のアーム48は、第37図反時計方向へと回動するので、前記接点56とモータ側接点57とが接触してモータ58がオン作動し、牽引索条24は緊張状態にセットされる。
このように牽引索条24が緊張状態にセットされると、前記ガイドプーリー47は牽引索条24に押圧され、前記スプリング55の付勢力に抗して第37図時計方向へと強制的に回動せしめられ、前記接点56とモータ側接点57とが離反してモータ58の作動が停止され、かつ、上記ガイドプーリー47の索条撓み方向への回動がロックされる。
それ故、昇降床10上に多数の人が乗っても、アーム部材25の倒れ方向への回動が、緊張状態にある牽引索条24によって規制されているため、昇降床10がセットされた高さ位置から下降することもなく、かつ、アーム部材25の支持により昇降床10の撓みも有効に防止することができる。
第38図乃至第41図は、昇降装置40のモータMを駆動制御するスイッチSWの他例を示している。
本例に係るスイッチSWは、プール1の底面1dに近い内側壁面1bに、そのハウジング70がボルト71を介して止着されている。
このハウジング70内には、光照射用ファイバー72及び受光用ファイバー73が配設されている。
また、このハウジング70には、その蓋板74がボルト75を介して着脱可能に取り付けられている。
この蓋板74の中央には、縦スリット74aが形成されていて、この縦スリット74a内には遮蔽スイッチ板76が挿通されている。
この遮蔽スイッチ板76は、その他側端部がハウジング70の外方へ突出した状態で配設されており、第39図に示すように、プール1の昇降床10が所定の高さ位置まで下降して、遮蔽スイッチ板76の上記他側端部に接触し、これを押し下げるとスイッチオンの状態となるように構成されている。
即ち、上記ハウジング70内には、第39図及び第40図に示すように、ケーシング77と、このケーシング77をはさむように配設された充填材78が夫々配設されている。
ケーシング77は、前記ボルト75を解除することによって、ハウジング70内から外部に取り出すことができる。
光照射用ファイバー72は、入光用ファイバー90と、この入光用ファイバー90の下端に接続されたプリズム91と、このプリズム91の垂直面に接続された水平ファイバー92と、から構成されている。
受光用ファイバー73は、出光用ファイバー93と、この出光用ファイバー93の下端に接続されたプリズム94と、このプリズム94の垂直面に接続された水平ファイバー95と、から構成されている。
そして、上記水平ファイバー92,95の各対向端部は、第41図に示すように、ハウジング70内で同軸となるように対設されている。
それ故、上記水平ファイバー92と他の水平ファイバー95の対向端部間を遮断したり、開放することで、光を通過させたり、遮断したりすることができる。
尚、第40図中符号96,97は、前記各水平ファイバー92,95の外周面に配設されたカバー体を夫々示している。
遮蔽スイッチ板76は、その略中央部に軸79が挿通されて、その両端が第39図中、時計方向及び反時計方向に回動されるように構成されている。
そして、遮蔽スイッチ板76の一側端部は、ケーシング77の内底面との間に配設されたスプリング98により、下降方向に付勢されていると共に、ストッパ99によって、所定以上の下降が規制されるように構成されている。
尚、遮蔽スイッチ板76の一側端部は、ケーシング77の内壁に形成されたガイド100によって、第40図中左右方向への揺動が阻止されるように構成されている。また、遮蔽スイッチ板76を軸支する軸79は、蓋板74の内壁面に軸受101で定着されている。
遮蔽スイッチ板76の他側端部は、ハウジング70の外部に突出した状態でセットされており、かつ、プラスチック等からなる緩衝材102が装着されている。
ハウジング70内の充填材78は、両プリズム91,94を収装するように形成されていると共に、両プリズム91,94がそれぞれハウジング70内で定位置に定着されるように形成されている。また、この充填材78は、ケーシング77を所定位置に定着させるように形成されている。
以上のように構成されてなるスイッチSWを使用して昇降床10の昇降制御を行う場合には、例えば、光照射用ファイバー72及び受光用ファイバー73が、遮蔽スイッチ板76により『通光状態』にセットされた場合に、前記昇降装置40を『オフ』させるように構成し、光照射用ファイバー72及び受光用ファイバー73が、遮蔽スイッチ板76により『光遮断状態』にセットされた場合に、床の昇降装置40を『オン』させるように構成することができる。この場合、遮蔽スイッチ板76が光照射用ファイバー72と受光用ファイバー73との対向端部間に介在するので、両対向端部に藻等が付着しない。勿論、遮蔽スイッチ板76が光の通過を許容しているときに、昇降装置40を『オン』制御するように構成することもできる。
次に、上記スイッチSWを使用して昇降床10の昇降制御を行う場合には、図示外の始動スイッチにより電動モータMを起動させて正転方向に回転させると、無段変速機43を介して巻取りプーリー42が一方向に減速回転され、索条44を介して昇降床10がガイドレール41に沿って上方に移動され、電動モータMの回転を停止させると、昇降床10の上昇が止まると共に、昇降床10は索条44により停止位置に保持される。一方、図示外の回転方向制御スイッチを操作して電動モータMを逆転方向に回転させると、無段変速機43を介して巻取りプーリー42が逆転方向に減速回転され、索条44を介して昇降床10がガイドレール41に沿って下方に移動される。また、昇降時に昇降床10が上限位置あるいは下限位置に達すると、同各位置にセットされたスイッチSWの遮蔽スイッチ板76が押圧回動されて前記電動モータMの回転が自動的に停止される。
尚、前記したように、予め床材11に充填される空気の量を適宜調節して昇降床10の重量が水中での浮力と等しくなるようにしておけば、小さな駆動力で昇降床10をスムーズに昇降させうるとともに、昇降床10の昇降のために必要な電動モータMのトルクを最小にすることができ、小型の電動モータを用いることができるので経済的である。また、この場合、非常に小さな駆動力で足りるので、電動モータMを用いないで入力により巻取りプーリー42を回転させて昇降床10を昇降させることも可能である。
また、上記実施例では、本発明をプールの床装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、老人ホーム等の風呂場の床面を昇降させる場合にも適用でき、このようにすれば、老人ホーム等の風呂場を脳溢血等で機能障害を起こした老人のリハビリテーション施設としても使用できる。
更に、索条44としてはチェーン等を用いてもよく、この場合にはプーリーに代えてスプロケットを用いる。
産業上の利用可能性
この発明に係るプール等の床装置は、以上説明したように、プール等の昇降床を所望の高さ位置にセッティングする場合、小さな動力で昇降床を所望の高さ位置に容易にセットすることができ、また、昇降床の運搬が極めて容易で、しかもプールの大きさに対応して昇降床を正確な大きさに容易に組立てることができ、プール等の床を特別の設計にしたり、あるいは、プール床の造り直し等の工事を必要としないので、長期に亙ってプールを使用不能状態にするような不都合も生ぜず、短期間のうちに簡単に改装を行うことができる上、工費も安く抑えることができる、等の効果を奏する。
また、この発明にあっては、昇降床を所望高さ位置に自動的に保持させるように構成したので、作業員が昇降床の下面に潜って該昇降床を固定する必要がなく、昇降床を所望高さ位置にきわめて容易にセットすることができ、また、係止爪と爪係止体の係合によって昇降床に荷重が作用しても、堅牢な保持状態が得られるので、安全性が高い、という効果が得られる。
さらに、この発明にあっては、水中に配設されるスイッチを、電気的なスイッチではなく光を利用したスイッチとしたため、昇降床の昇降作動を誤作動なく確実に行なうことができ、しかも、感電などの事故が起こる虞れが全くなく安全性が高い、という優れた効果も得られる。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第1796888号発明の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正する。
すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として下記一のとおりに、誤記の訂正を目的として下記二のとおりに、それぞれ訂正する。
一 下記の個所の「方形パネル」を、「方形枠材」と訂正する。
1 平成4年3月13日付け手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中9〜10行(本件特許の公告公報[特公平4-54025号公報]1頁1欄10、11行参照)
2 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中10行(同公報1頁1欄11行参照)
3 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中11行(同公報1頁1欄12行参照)
4 同手続補正書2頁15行(同公報2頁4欄12行参照)
5 同手続補正書2頁16行(同公報2頁4欄13行参照)
6 同手続補正書2頁17行(同公報2頁4欄14行参照)
7 同手続補正書3頁1行(同公報2頁4欄18行参照)
8 本件特許明細書3頁14行(同公報3頁5欄5行参照)
9 同明細書3頁14、15行(同公報3頁5欄6行参照)
10 同明細書3頁16行(同公報3頁5欄8行参照)
11 同明細書5頁10、11行(同公報3頁6欄31行参照)
12 同明細書5頁11行(同公報3頁6欄32行参照)
13 同明細書5頁13行(同公報3頁6欄34行参照)
14 同明細書5頁28行(同公報4頁7欄9行参照)
15 同明細書6頁1行(同公報4頁7欄11行参照)
16 同明細書6頁3行(同公報4頁7欄13、14行参照)
17 同明細書6頁13行(同公報4頁7欄26、27行参照)
18 同明細書6頁17行(同公報4頁7欄31行参照)
19 同明細書6頁21行(同公報4頁7欄36行参照)
20 同明細書6頁23行(同公報4頁7欄38行参照)
21 同明細書7頁4行(同公報4頁8欄5行参照)
22 同明細書7頁6行(同公報4頁8欄8行参照)
23 同明細書7頁9、10行(同公報4頁8欄13、14行参照)
24 同明細書7頁14、15行(同公報4頁8欄20行参照)
25 同明細書7頁16行(同公報4頁8欄21、22行参照)
26 同明細書7頁27行(同公報4頁8欄36行参照)
二 下記の個所の「枚」を、「個」と訂正する。
1 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中9行(同公報1頁1欄10行参照)
2 同手続補正書に記載された特許請求の範囲第1項中12行(同公報1頁1欄13行参照)
3 同手続補正書2頁15行(同公報2頁4欄12行参照)
4 同手続補正書2頁18行(同公報2頁4欄15行参照)
5 同明細書7頁10行(同公報4頁8欄14行参照)
6 同上(同上)
7 同上(同公報4頁8欄15行参照)
審決日 2000-08-30 
出願番号 特願昭62-505195
審決分類 P 1 41・ 592- Y (E04H)
P 1 41・ 593- Y (E04H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 安田 啓之伊波 猛  
特許庁審判長 幸長 保次郎
特許庁審判官 鈴木 公子
小野 忠悦
登録日 1993-10-28 
登録番号 特許第1796888号(P1796888)
発明の名称 プ―ル等の床装置  
代理人 山口 哲夫  
代理人 山口 哲夫  

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