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審決分類 |
審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する C12N |
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管理番号 | 1030092 |
審判番号 | 訂正2000-39077 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1987-09-12 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2000-07-19 |
確定日 | 2000-10-02 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2138898号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2138898号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
I.本件審判請求の要旨は、特許第2138898号の明細書の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものである。 その訂正の内容は、次のとおりである。 「【請求項1】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに、胞子形成率が10%以上、菌体内トレハロース量が5%以上で、かつ冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシェ。 【請求項2】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項1記載のサッカロミセス・セレビシェ。 【請求項3】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに、胞子形成率が10%以上、菌体内トレハロース量が5%以上で、かつ冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシェを含有する生地。 【請求項4】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項3記載の生地。」を、 「【請求項1】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシエ。 【請求項2】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項1記載のサッカロミセス・セレビシエ 【請求項3】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシエを含有する生地。 【請求項4】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項3記載の生地。」と訂正する。 II.そこで、この訂正事項について検討するに、訂正前の請求項1乃至3の「胞子形成率が10%以上」に関し、本件明細書には、「(A)胞子形成率の測定」として、「活性スラントより菌体を一白金耳とり、これを25ml容試験管中の3.0mlのYPD培地(2%グルコース、1%イーストエキス、2%ペプトン、pH5.0)に植菌した後、28℃で1日間振盪(240rpm)培養する。ついで、該培養菌体を25ml容試験管中の3.0mlのYPA培地(1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトン、pH7.0)に約107cells/mlになる様に植菌した後、28℃で4日間振盪(240rpm)培養する。該培養液を適宜希釈してトーマ氏血球計数器により単位区画当たりに存在する子嚢および栄養細胞の個数を双方合わせて少なくとも200個以上測定する。胞子形成率は子嚢及び栄養細胞の総数に対する子嚢の個数の割合とする。」(特許公報2頁3欄25〜37行)との記載があり、この記載によると、「胞子形成率」は、YPD培地(2%グルコース、1%イーストエキス、2%ペプトン、pH5.0)で培養し、ついで、YPA培地(1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトン、pH7.0)で培養した後、測定するものであると解される。 しかるに、訂正前の請求項1乃至3は、「2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに、胞子形成率が10%以上」とあるだけで、「YPA培地」で培養することは記載されていないから、胞子形成率を特定する記載としては不明瞭であるといわざるを得ない。 しかして、訂正後の請求項1乃至3の「2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上」という記載は、「胞子形成率」を特定する記載として、不明瞭であったものを正に明瞭にするものである。 また、訂正前の請求項1乃至3の「菌体内トレハロース量が5%以上」に関し、本件明細書には、「(B)菌体内トレハロース量の測定」として、「活性スラントより菌体を一白金耳とり、これを25ml容試験管中の3.0mlのYPD培地に植菌した後、28℃で1日間培養する。ついで、該培養液全量を300ml容三角フラスコの50mlのYDP培地に植菌した後、28℃で1日間振盪(180rpm)培養する。集菌した菌体を水で2回洗浄した後、圧搾する。圧搾物300mgを10%トリクロル酢酸50mlを含む300ml容三角フラスコに入れ振盪(180rpm)しながら30℃で1時間抽出する。抽出液を遠心分離(3000rpm、10分間)して、上清を得る。菌体内トレハロース量は上精中の全糖をアンスロン法によりトレハロース換算で定量し、乾物菌体重量当たりの百分率として算出する。」(同2頁3欄39〜49行)が記載されている。 そうすると、「2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上」とする訂正は、より明瞭な記載にするものである。 以上のとおり、上記訂正は、明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして、この訂正は新規事項に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 III.したがって、本件審判請求は、特許法126条1項3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条2項および3項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 酵母及びそれを含有する生地 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地gあたり1ml以上であるサッカロミセス・セレビシエ。 【請求項2】 該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項1記載のサッカロミセス・セレビシエ。 【請求項3】 2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地gあたり1ml以上であるサッカロミセス・セレビシエを含有する生地。 【請求項4】 該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項3記載の生地。 【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はサッカロミセス・セレビシエに属する冷凍耐性の優れた酵母及びそれを含有する生地に関する。 従来の技術 冷凍生地はパン原料を混合、発酵、-20℃前後で凍結保存され、必要に応じてホイロ発酵を行って焼成される。通常のパン酵母は凍結前の発酵により損傷を受け易いために、その使用は原料の砂糖、油脂、卵、乳製品などが比較的多量に配合されるような所謂リッチな生地において、凍結前の発酵はなしかあるいは短時間のみ行った場合にのみ限られている。凍結前の発酵が短時間の場合に解凍してホイロ発酵直後焼成すると、生地の熟成が不充分となってパン独特の風味が損なわれる。また解凍後に生地を熟成させるならば製パン工程に長時間を要し、焼きたてのパンが直ちに入手できるという冷凍生地の最大の利点が失われることになる。そこで冷凍生地製造に際しては、発酵後凍結保存しても損傷の受けにくい酵母が必要とされる。 冷凍耐性の優れたパン酵母としてはサッカロミセス・ロゼイ(特公昭59-25584号公報)、サッカロミセス・セレビシエFTY(特公昭59-48607号公報)およびサッカロミセス・セレビシエIAM4274(特開昭59-203442号公報)が知られている。サッカロミセス・ロゼイおよびサッカロミセス・セレビシエFTYは何れもマルトース発酵能が欠損しているため、リーンな生地への応用は困難である。またサッカロミセス・セレビシエIAM4274はマルトース発酵能を有してはいるものの、リーンな生地中での冷凍耐性が不充分である。サッカロミセス・ロゼイは一般のパン酵母と比較して菌径が小さいために、製造工程における酵母の分離、洗浄、脱水操作に長時間を要するという欠点がある。 発明の解決しようとする問題点 マルトース発酵能を有し、リーンな生地にも適用できる優れた冷凍耐性を有するパン酵母は開発されていない。 問題点を解決するための手段 本発明によれば、下記方法により測定された時の胞子形成率が10%以上、菌体内トレハロース量が5%以上で、かつ冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当り1ml以上であるサッカロミセス・セレビシエ及びそれを含有する生地が提供される。 (A) 胞子形成率の測定 活性スラントより菌体を一白金耳とり、これを25ml容試験管中の3.0mlのYPD培地(2%グルコース、1%イーストエキス、2%ペプトン、pH5.0)に植菌した後、28℃で1日間振盪(240rpm)培養する。ついで、該培養菌体を25ml容試験管中の3.0mlのYPA培地(1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトン、pH7.0)に約107cells/mlになる様に植菌した後、28℃で4日間振盪(240rpm)培養する。 該培養液を適宜希釈してトーマ氏血球計数器により単位区画当りに存在する子嚢および栄養細胞の個数を双方合わせて少なくとも200個以上測定する。胞子形成率は子嚢及び栄養細胞の総数に対する子嚢の個数の割合とする。 (B) 菌体内トレハロース量の測定 活性スラントより菌体を一白金耳とり、これを25ml容試験管中の3.0mlのYPD培地に植菌した後、28℃で1日間培養する。ついで、該培養液全量を300ml容三角フラスコ中の50mlのYPD培地に植菌した後、28℃で1日間振盪(180rpm)培養する。集菌した菌体を水で2回洗浄した後、圧搾する。圧搾物300mgを10%トリクロル酢酸50mlを含む300ml容三角フラスコに入れ振盪(180rpm)しながら30℃で1時間抽出する。抽出液を遠心分離(3000rpm、10分間)して、上清を得る。菌体内トレハロース量は上清中の全糖をアンスロン法によりトレハロース換算で定量し、乾物菌体重量当りの百分率として算出する。 (C) 冷凍生地の炭酸ガス発生量の測定 強力小麦粉300g、酵母6g、砂糖15g、食塩6g及び水195mlを撹拌機に入れ、62回転/分で5分間及び125回転/分で1分間撹拌する。ついで、該撹拌物を30℃で3時間発酵させる。該発酵物の30gをとり、-20℃で凍結し、該温度で7日間保存する。ついで、30℃で1時間かけて解凍した後、パン用酵母試験法の炭酸ガス測定法(イースト工業会)により、30℃2時間の炭酸ガス発生量を測定する(凍結区)。 又、上記の如く発酵した発酵物を別に30gとり、このものの30℃、2時間の炭酸ガス発生量を測定する(非凍結区)。 本発明に使用される微生物としては、具体的にはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)KYF110(FERM BP-972)(以下、KYF110と称す)があげられる。 この菌学的性質は次の通りである。 A.形態的性質 a.形:短卵型 b.大きさ:3.8〜5.2×4.3〜6.5マイクロメーター c.胞子の形成:あり d.擬菌糸の形成:あり e.増殖の形成:出芽 B.培養的性質 皮膜の形成:なし C.生理学的性質 a.糖の発酵性および質化性 b.硝酸塩およびエチルアミンの質化性:なし 上記菌体及び市販パン酵母より単コロニー分離した菌株について、上記胞子形成率、菌体内トレハロース量及び冷凍生地の炭酸ガス発生量の測定方法に基づいて測定した結果を第1表に示す。 次に乾燥酵母を得る場合について説明する。 例えば、酵母を炭素源(糖蜜,グルコース等)、窒素源(硫安,塩安,尿素等)、リン酸源(リン酸アンモニウム,リン酸カリウム等)を含有する培地に培養した後培養液から菌体を分離し、水で洗浄して懸濁状酵母を得る。さらに脱水、成型して固形状酵母を得る。懸濁状酵母を真空、凍結、スプレードライヤで乾燥する際には、酵母の保護剤として蛋白質(アルブミン,カゼイン等)、糖(グルコース,マルトース,果糖,砂糖等)、アミノ酸(グルタミン酸等)を添加して行うことが望ましい。 固形状酵母を乾燥する場合には乾燥に先だって金網を用いた押し出し造粒機、ペレッター等で造粒しておくことが好ましい。乾燥はできるだけ低温で短時間行うのがよいが、通常は40〜60℃で60〜160分間行い、水分含量6%以下とする。 本発明の生地は、食パン用,菓子パン用,フランスパン用,ブドウパン用等種々のパン生地に適用できる他、中華まんじゅう,イーストドーナツ等にも適用できる。 例えば、食パン用冷凍パン生地の調製について述べると、通常生地配合→混捏→前発酵→本捏→フロアタイム→分割→丸目→発酵→成型→凍結という工程によって調製される。 生地配合の組成としては、小麦粉,砂糖,食塩,ショートニングオイル,イーストフード,酵母,水等が用いられる。小麦粉に対する酵母の使用量は、通常1〜5%(wt)である。 冷凍は一般に常圧、-15〜-85℃で行われる。本発明の生地を冷凍にした後、通常の手法で製造したパンは、通常のパン酵母含有の冷凍パン生地を使用して製造したパンに比べて、外観,比容積,内相,風味ともに優れている。 以下に実施例を示す。 実施例1 KYF110を糖蜜を用いて51ジャーファーメンターで培養した後、遠心分離,洗浄,圧搾して得られた圧搾菌体を用い、第2表に示す配合及び第3表に示す工程により食パンを製造した。 その結果を第4表に示す。 第4表から明らかな如く、本発明の生地は対照のものに比べて、ホイロ所要時間が短く、パン比容積が大である。 実施例2 実施例1と同様にして得た圧搾菌体を用い、第5表に示す配合及び第6表に示す工程により菓子パンを製造した。 その結果を第7表に示す。 第7表から明らかな如く、本発明の生地は対照のものに比べて、ホイロ所要時間が短く、パン比容積が大である。 実施例3 (1)低糖生地 実施例5で得た乾燥酵母1.0gを蒸留水20mlに溶解したものと、蔗糖4gと食塩1.5gを蒸留水40mlにとかしたものとを一緒に小麦粉100gに加えて、ミキサーで2分間ミキシングして低糖生地を得た。対照として実施例5で得た乾燥酵母の代わりに市販乾燥酵母を用いて同様に生地を得た。生地をミキサーよりとり出し、イースト工業会用シリンダー(直径5.7cm、高さ22cm)に充填し、30℃で80分後の発酵力(第一発酵力)を測定した。ついで、ガス抜き(モルダーを使用)を3回行い、再びシリンダーに充填し、30℃で50分後の発酵力(第二発酵力)を測定した。さらに同様の操作を行い、30℃で50分後の発酵力(第三発酵力)を測定した。その結果を第8表に示す。 (2) 高糖生地 実施例5で得た乾燥酵母1.5gを蒸留水20mlに溶解したものと、蔗糖16g及び食塩1.5gを蒸留水30mlにとかしたものとを一緒に小麦粉100gに加えてミキサーで2分間ミキシングし、高糖生地を得た。対照として実施例5で得た乾燥酵母の代わりに市販乾燥酵母を用いて同様に生地を得た。生地をミキサーからとり出し、イースト工業会用シリンダーに充填し、30℃で90分後の発酵力を測定した。その結果を第9表に示す。 実施例4 実施例6で得られた乾燥酵母を用い、第10表に示すパン生地原料配合を行って、配合直後並びに37℃で1.3及び5週間保存した後、各々のパン生地を調製し、その生地膨張力を測定した。 パン生地の調製法 原料→ミキシング(2分間)→ねかし時間(5分間)→ミキシング(2分間)→シリンダー充填(イースト工業会法)→生地膨張力測定(30℃、60分後:第1発酵)→ガス抜き→シリンダー充填→生地膨張力測定(30℃、60分後:第2発酵)測定した生地膨張力の結果を第11表に示す。 実施例5 51ジャーファーメンターを用いて糖蜜11.7%,硫安0.4%,尿素0.4%及び第一リン酸アンモニウム0.06%を含む培地にKYF110を植菌した後、pH5.0、通気量61/分、撹拌数600rpmで30℃で24時間行った。培養終了後、遠心分離(3000rpm)を行い、集菌後、菌体を水に懸濁した後、再び、遠心分離した。ついで同様な処理操作を2回行った後、小型フィルタープレスで圧搾し、圧搾酵母を得た。該酵母を冷却(0℃±2℃)した後、これを0.7×0.7mmの金網から押し出し造粒した。さらに3.0×3.0mmの金網で整粒した後、流動層乾燥機、(熱風の吹き込み:15m3/min)を用いて45℃で15分間乾燥し、乾燥酵母を得た。 実施例6 30Lジャーファーメンターを用いて、糖蜜11.7%,硫安0.4%,塩安0.2%,尿素0.4%及び第一リン酸アンモニウム0.06%を含む培地にKYF110を植菌し、実施例5と同様に培養した。培養終了後、遠心分離(3000rpm)を行い、集菌後、菌体を水に懸濁した後、再び遠心分離した。ついで、同様な処理操作を2回行った後、真空脱水機で酵母ケーキを得た。該ケーキを冷却(0℃±2℃)した後、0.7×0.7mmの金網より押し出し造粒した。ついで該造粒物を棚式乾燥機を用いて55℃で70分間乾燥し、乾燥酵母を得た。 発明の効果 冷凍耐性の優れた酵母を含有する生地を用いることにより、品質の優れたパンを得ることができる。 【図面】 |
訂正の要旨 |
(訂正の要旨) 「【請求項1】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに、胞子形成率が10%以上、菌体内トレハロース量が5%以上で、かつ冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシェ。 【請求項2】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項1記載のサッカロミセス・セレビシェ。 【請求項3】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに、胞子形成率が10%以上、菌体内トレハロース量が5%以上で、かつ冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシェを含有する生地。 【請求項4】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項3記載の生地。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「【請求項1】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシエ。 【請求項2】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項1記載のサッカロミセス・セレビシエ 【請求項3】2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)ついで1%酢酸カリウム、0.5%イーストエキス、1%ペプトンからなる培地(pH7.0)を使用したときに胞子形成率が10%以上、2%グルコース、1%イーストエキスおよび2%ペプトンからなる培地(pH5.0)を使用したときに菌体内トレハロース量が5%以上であって、かつ、冷凍生地の炭酸ガス発生量が生地g当たり1mlであるサッカロミセス・セレビシエを含有する生地。 【請求項4】該酵母が生酵母又は乾燥酵母である請求項3記載の生地。」と訂正する。 |
審決日 | 2000-09-11 |
出願番号 | 特願昭61-67870 |
審決分類 |
P
1
41・
813-
Y
(C12N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 佐伯 裕子、平田 和男 |
特許庁審判長 |
徳廣 正道 |
特許庁審判官 |
田中 久直 田村 明照 |
登録日 | 1998-10-23 |
登録番号 | 特許第2138898号(P2138898) |
発明の名称 | 酵母及びそれを含有する生地 |
代理人 | 廣田 雅紀 |
代理人 | 廣田 雅紀 |