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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H01L 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H01L 審判 訂正 判示事項別分類コード:865 訂正する H01L |
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管理番号 | 1040286 |
審判番号 | 訂正2000-39132 |
総通号数 | 20 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-03-12 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2000-10-31 |
確定日 | 2001-02-07 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2877997号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2877997号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
【1】 請求の要旨 本件審判請求の要旨は、特許第2877997号(平成3年8月29日出願、平成11年1月22日設定登録)の願書に添付した明細書を当該請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち、次の1ないし5のとおり訂正することを請求するものである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1中の「前記バックグラウンド工程で半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされ た半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 2 訂正事項2 明細書の段落番号【0006】に記載された「前記バックグラウンド工程で半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 3 訂正事項3 明細書の段落番号【0007】に記載された「半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 4 訂正事項4 明細書の段落番号【0016】に記載された「粘着テープ15を介してウエハWをリングフレームFにマウントされたウエハWを吸着テーブル30上に吸着保持する。」を「粘着テープ15を介してウエハWをリングフレームFに支持したウエハマウントフレームを、リングフレームFの下面に貼付けられた粘着テープ15の全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル30上に載置して、粘着テープ15を介してリングフレームFにマウントされたウエハWを吸着テーブル30上に吸着保持する。」と訂正する。 5 訂正事項5 明細書の段落番号【0019】に記載された「保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 【2】 当審の判断 1 訂正の目的の適正、新規事項の有無及び拡張、変更の存否 (1) 訂正事項1による訂正について 特許請求の範囲の請求項1中の「前記バックグラウンド工程で半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」とされた「保護粘着テープに剥離テープを貼付け」の貼付け状態を限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。 そして、この訂正事項における「粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレーム」については、願書に添付された明細書の段落番号【00011】に基づくものである。 また、この訂正事項における「リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して」については、願書に添付された第5図に基づくものである。 さらに、この訂正事項における「粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」は、願書に添付された明細書の段落番号【00016】に基づくものである。 (2) 訂正事項2ないし訂正事項5による訂正について 訂正事項1による訂正に伴って生じる明細書の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 したがって、訂正事項1ないし訂正事項5による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 2 独立特許要件の判断 ア 本件に係るの特許に対する特許異議申立事件である平成11年異議第73696号における特許異議申立人より、本件特許の特許出願の日前の特許出願であって、本件特許の特許出願後に出願公開された特許出願である特願平3-156130号及び特願平3-181484号の願書に最初に添付した明細書及び図面並びに周知慣用の事項を示す刊行物として特開昭61-121334号公報、特開昭61-219138号公報、特開昭62-35637号公報、特開昭63-62328号公報、特開昭63-147325号公報、特開平1-125947号公報、特開平1-272129号公報、カタログ:「全自動ウエハー表面保護テープ剥し機」株式会社タカトリ)、カタログ:「全自動ウエハー表面保護テープラミネート機」、「全自動ウエハー表面保護テープ剥し機」株式会社タカトリ)、カタログ:「IC製造プロセス用工レップシステム」日東電工株式会社)、カタログ:「LSI製造プロセス用工レップシステム」日東電工株式会社、カタログ:「BG用保護テープ貼付装置」、「BG用保護テープ剥離装置」FSK株式会社)及び特開平2-28950号公報が提出されている。 イ 訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、訂正発明という)は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「半導体ウエハの表面に保護粘着テープを貼付けて裏面を切削・研磨するバックグラインド工程と、バックグラインドされた半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントし、前記マウントされた半導体ウエハをカッテイングして個々の素子を分断するダイシング工程とを順に処理していく半導体ウエハの処理方法において、 前記ダイシング工程で半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントした後に、前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープを介して前記保護粘着テープを剥離することを特徴とする半導体ウエハの処理方法。」 ウ 訂正発明と特願平3-156130号又は特願平3-181484号の願書に最初に添付した明細書及び図面に記載されたものとを比較すると、バックグラインド工程でウエハのパターン形成面に貼付けられた前記保護テープに剥離テープを貼付けるにあたり、訂正発明においては、粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付けているのに対して、前記明細書及び図面には、この点について記載がない。 そこで、前記の点について検討する。 前記特願平3-156130号の明細書には、「【0007】ダイシング工程において、保護テープ3の剥離テープ6による剥離は、ダイシング前でもダイシング後であってもよく、保護テープ剥離後はパターン形成面2aに付着したテープ糊等を除去する洗浄を施した後乾燥し、ダイシング又は組立て工程へ移す」と記載されている。 また、半導体ウエハの表面に貼付けられた保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープを介して保護粘着テープを剥離することについては、前記周知慣用の事項を示す刊行物に記載されている。 前記した剥離を行う場合にさらに、吸着テーブルに半導体ウエハを吸着しながら行う点についても周知慣用の事項(例として、実開昭60-187541号公報、実開平3-67442号公報、特開昭59-174677号公報、特開昭60-250642号公報、特開平3-85745号公報参照)である。 そして、ダイシング工程は、ダイシングテーブルを用いて行うことが通常であり、かつ、ダイシングテーブルについて、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さを持った吸着テーブルに載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持するものについても周知である。 しかし、ダイシングテーブルには、前記のものばかりでなく、多数の種類があり、リング状のフレームの下面までは支持しない種類もある。 そして、訂正発明は、多数の種類のダイシングテーブルの内の特定のものを選択することによって剥離テープを貼付けるときなどにリング状のフレームに反りが生じることがなく、また粘着テープが弾性変形しないので、半導体ウエハの破損を防止することができ、また、粘着テープに伸びが発生しないので、次のダンシング工程で粘着テープが回転刃で切断されることがなく、さらに、リング状のフレームへの糊付着も回避することができるという目的を達成し、所期の目的を達成できるものである。 したがって、上位の概念であるダイシングテーブルを用いるものが前記明細書又は図面に記載されいても、訂正発明に記載されている特定のダイシングテーブルを用いるものが記載れていることにはならない。 よって、訂正発明が、前記明細書又は図面に記載された発明と同一の発明であるとすることができない。 また、その他に訂正発明を特許出願の際、独立して特許を受けることができない発明とすべき理由を発見しない。 【4】 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の審判の請求は、特許法第126条第1項第1号及び第3号に掲げた事項を目的とし、同法同条第2項ないし第4項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 半導体ウエハの処理方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 半導体ウエハの表面に保護粘着テープを貼付けて裏面を切削・研磨するバックグラインド工程と、バックグラインドされた半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントし、前記マウントされた半導体ウエハをカッティングして個々の素子を分断するダイシング工程とを順に処理していく半導体ウエハの処理方法において、 前記ダイシング工程で半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントした後に、前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープを介して前記保護粘着テープを剥離することを特徴とする半導体ウエハの処理方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、半導体ウエハ(以下、単にウエハともいう)の処理方法に係り、特には、ウエハの表面にIC素子等の回路パターンが形成された後の処理工程に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 回路パターン形成後の処理工程には、ウエハの裏面を切削・研磨して所要の厚みに仕上げるバックグラインド工程,ウエハをカツテングして個々の素子を分断するダイシング工程等がある。これらの各工程ではウエハに機械的な応力を加えるので、ウエハ表面の回路パターンを保護したり、あるいはウエハを固定するのに粘着テープを貼付ける工程を別途設けている。 【0003】 これらの各工程の流れは、およそ以下のようである。 まず、バックグラインド工程は、(1)回路パターンが形成されたウエハ表面に弱粘性の保護粘着テープを貼付ける。(2)保護粘着テープが貼付けられたウエハ表面を吸着部材で保持し、ウエハを位置固定してから裏面の切削・研磨を行う。(3)ウエハ表面の保護粘着テープを剥離する。 次のダイシング工程は、(4)ウエハ裏面に強粘性の粘着テープを貼付け、この粘着テープを介してウエハをリング状のフレームにマウントする。(5)高速回転するダイヤモンド・カッタでウエハをカッティングし、個々の素子を分断する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記のような工程中には次のような不都合が生じる。 すなわち、バックグラインド工程で裏面を切削・研磨されたウエハの厚みはかなり薄くなっており(大体300μm以下)、機械的な強度はかなり低い状態にある。特に、8インチ以上の大口径のウエハでは割れやすい状態になる。このような状態のウエハに対して、次のダイシング工程では上記の(4)に記載したように粘着テープを貼付けている。この貼付け方法であるが、一般的には当接した上下一対の回転ローラに粘着テープとウエハとを挟み込むことによってウエハ裏面と粘着テープとを貼合わせている。このときにウエハに加わる外圧によって、薄く削られたウエハが割れたり、ウエハ表面の回路パターンが損傷を受けたり、汚染されたりするおそれがある。 【0005】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ダイシング工程における粘着テープの貼付けの際に、ウエハを保護することができる半導体ウエハの処理方法を提供することを目的とする。 【0006】 本発明は、このような目的を達成するために次のような方法をとる。 すなわち、本発明は、半導体ウエハの表面に保護粘着テープを貼付けて裏面を切削・研磨するバックグラインド工程と、バックグラインドされた半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントし、前記マウントされた半導体ウエハをカッティングして個々の素子を分断するダイシング工程とを順に処理していく半導体ウエハの処理方法において、 前記ダイシング工程で半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントした後に、前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープを介して前記保護粘着テープを剥離することを特徴とする。 【0007】 本発明の方法によれば、半導体ウエハの表面に保護粘着テープを貼付けた状態でダイシング工程に進み、半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントする。半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付ける際に外圧が加えられても、半導体ウエハの表面には保護粘着テープが貼付けられているので、回路パターンの損傷や汚染が防止される。また、保護粘着テープの貼付けにより、半導体ウエハの機械的強度も高くなって、半導体ウエハも比較的割れにくくなる。さらに、半導体ウエハの表面に貼付けられた保護粘着テープを剥離する際には、粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープを介して保護粘着テープを剥離するので、保護粘着テープが無理なく剥離される。 【0008】 【実施例】 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。なお、以下の例では本発明に係るウエハのバックグラインド工程とダイシング工程とについて説明する。図1はバックグラインド工程とダイシング工程における処理流れを示したフローチャートで、ステップS1とステップS2とがバックグラインド工程を、ステップS3ないしステップS5がダイシング工程を示している。また、図2ないし図7はフローチャートの各ステップの処理を実行する装置の構成を簡単化した図である。 【0009】 まず、ステップS1で、回路パターンが形成されたウエハの表面に保護粘着テープを貼付ける。図2を参照して説明する。ウエハWは回路パターン形成面を上向きにしてテーブル1上に吸着保持される。一方、図外の供給源から繰り出された保護粘着テープ2は繰り出しガイドローラ3部においてセパレートフィルム6と分離され、貼付け用の可動ガイドローラ4および可動貼付けローラ5を介してウエハWの上に供給される。そして、可動カイドローラ4および可動貼付けローラ5を図上左方から右方へ移動させて保護粘着テープ2をウエハWの表面(回路パターン形成面)に貼付ける。 【0010】 次に、ステップS2に進んでウエハWの裏面を切削・研磨する。すなわち、図3に示すように、ウエハWの表面(保護粘着テープ2面)を吸着パッド7で吸着保持し、ウエハWの下方に設置されている回転グラインダー8にウエハWの裏面を接触させて裏面を研磨し、ウエハWを所要の厚みにする。なお、保護粘着テープ2は吸着パッド7の吸着保持力からウエハWの回路パターン形成面を保護するとともに、研磨屑による汚染から回路パターン形成面を保護している。 【0011】 ステップS3では、ウエハWを粘着テープを介してリング状のフレームに貼付けてウエハマウントフレームを得る。以下、図4を参照しながら説明する。 裏面が研磨されたウエハWは表面に保護粘着テープ2が貼付けられた状態のままで、ウエハ送り込みベルト10によって、ウエハ貼付けローラ11と押付けローラ12との間に送り込まれる。ウエハ貼付けローラHから剥離ローラ13と引き込み口ーラ14とその他のローラとにわたって粘着テープ15が巻き掛けられており、粘着テープ15は図の矢印Y方向に送られる。 【0012】 押付けローラ12は、ウエハ貼付けローラ11の真上に位置して下方に付勢されている。ウエハWは、押付けローラ12とウエハ貼付けローラ11との問を通過するときに、押付けローラ12の付勢力によって粘着テープ15に貼付けられる。このとき、ウエハWの表面には保護粘着テープ2が貼付けられたままなので、押付けローラ12とウエハWの回路パターン形成面(表面)とが直接に接触することなく、回路パターン面の損傷や汚染が防止される。また、保護粘着テープ2の貼付けによってウエハW自体の機械的強度も高くなり、押付けローラ11の付勢力から保護される。 【0013】 ウエハWは、粘着テープ15の送りによってマウント箇所Qまで搬送されて、ここで一旦停止する。マウント箇所Qにあるフレーム位置決め機構16は、リングフレームFを吸着保持するもので、マウント箇所Qに停止したウエハWの中心に対してリングフレームFの中心が一致するように位置決めを行ったのち、下降して粘着テープ15の上方から僅かに離れた位置に止まる。 【0014】 マウント箇所Qにおいて粘着テープ15の下方には、フレーム貼付けローラ18とテープカッタ19とを周辺部に装着して縦軸周りに回転する回転テーブル17が待機している。フレーム貼付けローラ18とテープカッタ19とは互いに独立して昇降されるように構成されている。まず、フレーム貼付けローラ18が上昇して粘着テープ15を押し上げてリングフレームFに接触させる。この状態で回転テーブル17が回転し、フレーム貼付けローラ18がリングフレームFに沿って転動し粘着テープ15を貼付けていく。次いで、テープカッタ19を上昇させてリングフレームFに接触させ、リングフレームFと粘着テープ15の貼付け領域を外側と内側とに二分するように切り目を入れる。 【0015】 そして、フレーム位置決め機構16によるリングフレームFの吸着保持を解除し、フレーム位置決め機構16の上昇,回転テーブル17の下降の後、粘着テープ15が送り出される。粘着テープ15が剥離ローラ13によって鋭角的に引き取られる際に、前記の切り目によってリングフレームFと粘着テープ15とが分離され、リングフレームFは水平に送られて、送り出しベルト20に受け渡される。 【0016】 第1図のフローチャートに戻ってステップS4に進み、ウエハWの表面の保護粘着テープ2を剥離する。以下、図5,図6,図7を参照しながら説明する。 まず、図5に示すように、粘着テープ15を介してウエハWをリングフレームFに支持したウエハマウントフレームを、リングフレームFの下面に貼付けられた粘着テープ15の全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル30上に載置して、粘着テープ15を介してリングフレームFにマウントされたウエハWを吸着テーブル30上に吸着保持する。図外の供給源から繰り出される剥離テープ31を巻き掛けた引き取りローラ32とピンチローラ33および貼付けローラ34とをウエハWの端部位置の若干上方に移動させる。次いで、図6に示すように、貼付けローラ34をウエハWの端部上に下降させて付勢し、剥離テープ31と保護粘着テープ2とを貼付け合わせる。そして、図7に示すように、ピンチローラ33を引き取りローラ32上に下降させて、元の位置に3本のローラ32,33,34を移動させる。このとき、貼付けローラ34が保護粘着テープ2に剥離テープ31を圧着しながら移動し、引き取りローラ32が剥離テープ31を介して保護粘着テープ2を剥離する。 【0017】 次のステップS5では、保護粘着テープ2が剥離されたウエハWに高速回転するダイヤモンド・カッタを作用させてこれをカッティングし、個々の回路パターンを分断する。 【0018】 なお、上述の実施例では、各工程における処理を理解しやすくするために、具体的な処理方法を例示したが、本発明はこれらの処理方法に限定されるものではない。 【0019】 【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発明の半導体ウエハの処理方法は、バックグラインド工程で半導体ウエハの回路パターン形成面(表面)に貼付けられた保護粘着テープを、次のダイシング工程で半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付けてリング状のフレームにマウントした後に剥離するようにしたから、半導体ウエハの裏面に粘着テープを貼付ける際には半導体ウエハの表面は保護粘着テープで保護された状態にある。したがって、粘着テープを貼付ける際に半導体ウエハに外圧が加えられても、半導体ウエハの割れや回路パターン形成面の損傷,汚染等を防止することができる。また、半導体ウエハの表面に貼付けられた保護粘着テープを剥離する際には、粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け、この剥離テープと一体に保護粘着テープを剥離するので、半導体ウエハの回路パターン形成面を傷つけることなく、保護粘着テープを無理なく剥離することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例に係る半導体ウエハの処理方法の要部を示したフローチャートである。 【図2】 保護粘着テープの貼付け方法の一例を説明する図である。 【図3】 ウエハ裏面の切削・研磨方法の一例を説明する図である。 【図4】 ウエハマウントフレームを得る方法の一例を説明する図である。 【図5】 保護粘着テープの剥離方法の一例を説明する図である。 【図6】 図5の続きである保護粘着テープの剥離方法の一例を説明する図である。 【図7】 図6の続きである保護粘着テープの剥離方法の一例を説明する図である。 【符号の説明】 2…保護粘着テープ 15…粘着テープ F…リングフレーム W…ウエハ |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 【1】 訂正事項 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1中の「前記バックグラウンド工程で半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされ た半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 2 訂正事項2 明細書の段落番号【0006】に記載された「前記バックグラウンド工程で半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「前記粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、前記リング状のフレームの下面に貼付けられた前記粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、前記粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、前記半導体ウエハの表面に貼付けられた前記保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 3 訂正事項3 明細書の段落番号【0007】に記載された「半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 4 訂正事項4 明細書の段落番号【0016】に記載された「粘着テープ15を介してウエハWをリングフレームFにマウントされたウエハWを吸着テーブル30上に吸着保持する。」を「粘着テープ15を介してウエハWをリングフレームFに支持したウエハマウントフレームを、リングフレームFの下面に貼付けられた粘着テープ15の全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル30上に載置して、粘着テープ15を介してリングフレームFにマウントされたウエハWを吸着テーブル30上に吸着保持する。」と訂正する。 5 訂正事項5 明細書の段落番号【0019】に記載された「保護粘着テープに剥離テープを貼付け」を「粘着テープを介して半導体ウエハをリング状のフレームに支持したウエハマウントフレームを、リング状のフレームの下面に貼付けられた粘着テープの全体にまで及ぶ範囲の広さをもった吸着テーブル上に載置して、粘着テープを介してリング状のフレームにマウントされた半導体ウエハを吸着テ ーブル上に吸着保持した状態で、半導体ウエハ表面の保護粘着テープに剥離テープを貼付け」と訂正する。 【2】 訂正の目的 1 訂正事項1による訂正について 特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 2 訂正事項2及び訂正事項5による訂正について 明細書の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 |
審理終結日 | 2000-12-26 |
結審通知日 | 2001-01-12 |
審決日 | 2001-01-23 |
出願番号 | 特願平3-244884 |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(H01L)
P 1 41・ 865- Y (H01L) P 1 41・ 853- Y (H01L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小野田 誠、加藤 浩一 |
特許庁審判長 |
小林 武 |
特許庁審判官 |
桐本 勲 中村 達之 |
登録日 | 1999-01-22 |
登録番号 | 特許第2877997号(P2877997) |
発明の名称 | 半導体ウエハの処理方法 |
代理人 | 杉谷 勉 |
代理人 | 杉谷 勉 |