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審決分類 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G11B
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  G11B
審判 一部申し立て 2項進歩性  G11B
管理番号 1041195
異議申立番号 異議2000-71375  
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-07-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-06 
確定日 2001-01-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2957827号「光ディスク及び識別情報を有する光ディスクの製造方法並びに光ディスクの恒久的マーキング方法」の請求項1、6、9ないし11、22ないし25に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2957827号の請求項1ないし22に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
特許第2957827号の請求項1〜25に係る発明は、平成4年12月17日に特許出願され、平成11年7月23日にその特許の設定登録がなされ、その後異議申立人祖田邦夫により、そのうちの請求項1,6,9、10,11、22、23、24、25に係る発明に対して特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年11月6日に訂正請求がなされたものである。
II.訂正の適否についての判断
(II-1)訂正明細書の請求項1〜22に係る発明
訂正明細書の請求項1〜22に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜22に記載された次の事項によって特定されるとおりのものである。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明な支持基板層と、前記支持基板層に近接し、データを記憶するとともに選択された領域に破壊パターンを有する記憶層と、前記記憶層を覆う保護層と、を有する光ディスクであり、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成前に付加され、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成後に硬化され、前記破壊パターンはレ一ザビームが前記光ディスクに作用することによって形成され、識別可能なマーキングとして機能することを特徴とする光ディスク。
【請求項2】 透明な支持基板層と、前記支持基板層に近接し、データを記憶するとともに選択された領域に破壊パターンを有する記憶層と、前記記憶層を覆う保護層と、を有する光ディスクであり、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成後に、前記選択された領域に付加され、前記破壊パターンはし一ザビームが前記光ディスクに作用することによって形成され、識別可能なマーキングとして機能することを特徴とする光ディスク。
【請求項3】 請求項2記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンは、人間または機械による判読が可能であることを特徴とする光ディスク。
【請求項4】 請求項2記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができる光学バーコードであることを特徴とする光ディスク。
【請求項5】 請求項4記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンは、ディスク中心からの距離に比例する角幅を有する光学バーコードで構成されることを特徴とする光ディスク。
【請求項6】 請求項2記載の光ディスクにおいて、前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、あるいは消去可能な光ディスクから成る光ディスクのグループから選択され、前記記憶層のうち、前記データが記憶されない領域であるミラー領域に書き込まれた情報は、前記破壊パターンによって識別されることを特徴とする光ディスク。
【請求項7】 請求項2記載の光ディスクにおいて、前記記憶層は色素ポリマー層を含むことを特徴とする光ディスク。
【請求項8】 請求項1、2のいずれかに記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンは、前記光ディスクの製造に関する情報を含んでいることを特徴とする光ディスク。
【請求項9】 記憶層およびボリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域に破壊パターンを形成するステップと、ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、を含み、
前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、または消去可能な光ディスクであり、前記保護するステップは、前記形成するステップに先だってラッカーオーバコートで前記選択された領域をおおうステップと、前記形成するステップの後に前記ラッカーオーバコートを硬化するステップと、を含むことを特徴とする識別情報を有する光ディスクの製造方法。
【請求項10】 記憶層およびボリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域に破壊パターンを形成するステップと、フッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、を含み、
前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、または消去可能な光ディスクであり、前記保護するステップは、前記形成するステップの後にラッカーオーバコートで前記選択された領域をおおうステップを含むことを特徴とする識別情報を有する光ディスクの製造方法。
【請求項11】 請求項10記載の方法において、前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができる光学バーコードであり、各光学バーコードは前記光ディスクの中心からの距離に比例する角幅を有することを特徴とする方法。
【請求項12】 請求項10記載の方法において、前記破壊パターンはバーコード形式で形成され、書き込み可能、または消去可能な光ディスクに対する記憶層へのデータの書き込み中に光学バーコード読取り装置によって前記バーコード形式の破壊パターンを読み取るステップと、前記光学バーコード読取り装置によって読み取られた情報を、前記書き込み可能、または消去可能な光ディスクの記憶層にデータとして書き込むステップと、
をさらに有することを特徴とする方法。
【請求項13】 ポリカーボネート基板層と、識別マークを与える破壊パターンが形成された記憶層とを有する光ディスクであって、選択された領域にある前記破壊パターンを、硬化を必要とする材料からなる保護層によって保護し、前記破壊パターンの形成後に前記保護層を硬化することによって成ることを特徴とする光ディスク。
【請求項14】 請求項13記載の光ディスクにおいて、前記保護層は硬化を必要とし、前記破壊パターンの形成に先立って前記保護層が前記選択された領域に付加されることをさらに特徴とする光ディスク。
【請求項15】 請求項13記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンの形成後に、前記選択された領域に前記保護層を付加することをさらに特徴とする光ディスク。
【請求項16】 請求項15記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンはバーコード形式であることを特徴とする光ディスク。
【請求項17】 請求項15記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンはバーコード形式であり、前記光ディスクは、書き込み可能な光記憶ディスクであり、前記バーコード形式で示される情報は、前記記憶層上にデータとして複製されることを特徴とする光ディスク。
【請求項18】 請求項15記載の光ディスクにおいて、前記破壊パターンはバーコード形式であり、前記バーコードは、ディスクの回転中に走査することによって読み取られるように配置され、前記バーコードは、ディスク中心からの距離に比例する角幅を有することを特徴とする光ディスク。
【請求項19】 クランプ領域、データ領域、及びミラー領域を有する光記憶ディスクであって、支持基板層と、前記支持基板層に近接し、レーザビームの照射によって前記ミラー領域に形成される破壊パターンを含む記憶層と、前記記憶層を覆う保護層と、を有し、前記保護層は前記破壊パターンの形成後に形成されあるいは硬化され、前記破壊パターンはバーコードを含むことを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項20】 請求項19記載の光記憶ディスクにおいて、前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができるバーコードであることを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項21】 請求項19記載の光記憶ディスクにおいて、前記破壊パターンは、前記ディスクの製造に関する情報を含むバーコードを有することを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項22】 クランブ領域と、データ領域と、ミラー領域とを有する光記憶ディスクの恒久的マーキング方法であって、記憶層及びボリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域上に破壊パターンを形成するステップと、ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、を含み、前記ラッカー層は前記破壊パターンを形成するステップの後に形成しあるいは硬化することを特徴とする方法。」
(II-2)訂正の目的の適否・新規事項の有無及び拡張・変更の存否
特許権者が請求する訂正の内容は以下のa〜nのとおりである。
a.元の請求項1を削除する。
b.元の請求項2を独立形式として請求項1とし、「レーザビームと前記光ディスクとの相互作用」を『レーザビームが前記光ディスクに作用すること』と訂正する。
c.元の請求項3を独立形式として請求項2とし、「レーザビームと前記光ディスクとの相互作用」を『レーザビームが前記光ディスクに作用すること』と訂正する。
d.元の請求項4,5,6,7,8の項数を繰り上げ、それぞれ請求項3,4,5,6,7と訂正する。
e.元の請求項9の項数を繰り上げて請求項8とするとともに、従属先を請求項1,2のいずれかと訂正する。
f.元の請求項10を削除する。
g.元の請求項11を削除する。
h.元の請求項12を独立形式として請求項9と訂正する。
i.元の請求項13を独立形式として請求項10と訂正する。
j.元の請求項14,15,16,17,18,19,20,21の項数を繰り上げてそれぞれ請求項11,12,13,14,15,16,17,18と訂正する。
k.元の請求項22に「前記保護層は前記破壊パターンの形成後に形成されあるいは硬化される」要件を付加して請求項19と訂正する。
l.元の請求項23,24の項数を繰り上げ、それぞれ請求項20,21と訂正する。
m.元の請求項25に「前記ラッカー層は前記破壊パターンを形成するステップの後に形成しあるいは硬化する」要件を付加して請求項22と訂正する。
n.特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合をとるため、明細書段落番号0008における「レーザビームと前記光ディスクの相互作用によって生じる」を『レーザビームが前記光ディスクに作用することにより生じる』と訂正する。

上記a、f、gの訂正については、請求項の削除であり、適法なものである。
上記bの訂正については、明細書の段落番号0013や0015に記載されているようにレーザ光を光ディスクに照射することで破壊パターンが形成されるのであり、「レーザビームと光ディスクとの相互作用」とは、「レーザビームが光ディスクに作用すること」を意味するものであることは明らかであり、不明りような記載の釈明を目的とするものである。また、上記訂正事項は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
上記cの訂正についても、上記訂正事項bと同様の理由で適法である。
上記d、h、i、j、1、nの訂正については、形式的なものであり適法なものである。
上記eの訂正については、従属先を元の請求項1から請求項1、2のいずれかとしたものであるところ、請求項1、2は元の請求項1を減縮したものであるから、もとの請求項9の減縮を目的としたものである。また、保護層が「破壊パターン形成後に付加あるいは硬化されるもの」で、かつ「破壊パターンが光ディスクの製造に関する情報を含んでいること」は段落番号0011〜0017等に記載されており願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内である。
上記kの訂正については、元の請求項22に要件を付加することで減縮を目的とするものである。また、上記の付加される要件である「保護層が破壊パターン形成後に形成されあるいは硬化される」ものであることは、段落番号0010等に記載されており願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内である。
上記mの訂正については、元の請求項25に要件を付加することで減縮を目的とするものである。また、上記の付加される要件である「ラッカー層が前記破壊パターンを形成するステップの後に形成されあるいは硬化される」ことは、段落番号0010等に記載されており願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内である。
上記nの訂正は、不めいりょうな記載の釈明を目的とするものである。

以上、上記a〜nの訂正はいずれも特許請求の範囲の減縮もしくは不めいりょうな記載の釈明を目的とするもので、新規事項の追加に該当せず、また実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
(II-3)まとめ
以上のとおりであるから、上記訂正は特許法第120条の4第3項及び第4項において準用する同法第126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.特許異議の申立てについての判断
(III-1)本件発明
上記のように平成12年11月6日付けの訂正が認められた結果、本件発明は上記(II-1)に記載されるとおりの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜22に記載の事項によって特定されるとおりのものである。
(III-2)申立て理由の概要
特許異議申立人祖田邦夫は、特開平2-56750号公報(甲第1号証)、米国特許第4961077号明細書(甲第2号証)、特開昭56-25242号公報(甲第4号証)、特開昭61-248250号公報(甲第5号証)、特開昭61-168148号公報(甲第6号証)、特開平2-33738号公報(甲第7号証)、特開昭58-211343号公報(甲第8号証)、米国特許第5430281号明細書(甲第15号証)、広辞苑第4版(甲第19号証)、特開平3-238681号公報(甲第20号証)等を証拠として提出し、特許第2957827号の(訂正前の)請求項1,6,9、10,11、22、23、24、25に係る発明に対しる特許は特許法第29条第1項及び第2項、並びに特許法第36条第5項に違反してなされたもので特許法第113条第2項及び第4項に基づいて取り消すべきものと主張する。
(III-3)判断
訂正の結果、特許異議申立の対象となった特許第2957827号の請求項すなわち元の請求項1,6,9、10,11、22、23、24、25のうち請求項1,10,11は削除され、請求項1に従属する元の請求項9は請求項1の保護層の形成について減縮し、特許異議申立人も異議申立てしていない元の請求項2,3を新たに独立項とした訂正後の請求項1、2に従属するように訂正して訂正後の請求項8となり、元の請求項22は保護層の形成時期に関し、取消理由のない元の請求項2,3の限定事項「前記保護層は前記破壊パターンの形成後に形成されあるいは硬化された」を付加して訂正後の請求項19となり、元の請求項23、24はこの訂正後の請求項19に従属する訂正後の請求項20、21となり、さらに元の請求項25も保護層となるラッカー層の形成時期について取消理由のない元の請求項2,3と同じ限定を加えたため、これらの取消理由は解消した。
また訂正後の請求項5となった元の請求項6はもともと取消理由のない元の請求項5ひいては元の請求項3に従属しているため取消理由は初めから存在しない。
さらに元の請求項1,6,9の特許法36条第5項違反も上記の訂正により解消した。
(III-4)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明に対しての特許を取り消すことはできない。
また。他に本件発明に対する特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光ディスク及び識別情報を有する光ディスクの製造方法並びに光ディスクの恒久的マーキング方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明な支持基板層と、
前記支持基板層に近接し、データを記憶するとともに選択された領域に破壊パターンを有する記憶層と、
前記記憶層を覆う保護層と、
を有する光ディスクであり、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成前に付加され、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成後に硬化され、
前記破壊パターンはレーザビームが前記光ディスクに作用することによって形成され、識別可能なマーキングとして機能することを特徴とする光ディスク。
【請求項2】 透明な支持基板層と、
前記支持基板層に近接し、データを記憶するとともに選択された領域に破壊パターンを有する記憶層と、
前記記憶層を覆う保護層と、
を有する光ディスクであり、
前記保護層は、前記破壊パターンの形成後に、前記選択された領域に付加され、
前記破壊パターンはレーザビームが前記光ディスクに作用することによって形成され、識別可能なマーキングとして機能することを特徴とする光ディスク。
【請求項3】 請求項2記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、人間または機械による判読が可能であることを特徴とする光ディスク。
【請求項4】 請求項2記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができる光学バーコードであることを特徴とする光ディスク。
【請求項5】 請求項4記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、ディスク中心からの距離に比例する角幅を有する光学バーコードで構成されることを特徴とする光ディスク。
【請求項6】 請求項2記載の光ディスクにおいて、
前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、あるいは消去可能な光ディスクから成る光ディスクのグループから選択され、
前記記憶層のうち、前記データが記憶されない領域であるミラー領域に書き込まれた情報は、前記破壊パターンによって識別されることを特徴とする光ディスク。
【請求項7】 請求項2記載の光ディスクにおいて、
前記記憶層は色素ポリマー層を含むことを特徴とする光ディスク。
【請求項8】 請求項1、2のいずれかに記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、前記光ディスクの製造に関する情報を含んでいることを特徴とする光ディスク。
【請求項9】 記憶層およびポリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、
レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域に破壊パターンを形成するステップと、
ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、
を含み、
前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、または消去可能な光ディスクであり、
前記保護するステップは、
前記形成するステップに先だってラッカーオーバコートで前記選択された領域をおおうステップと、
前記形成するステップの後に前記ラッカーオーバコートを硬化するステップと、
を含むことを特徴とする識別情報を有する光ディスクの製造方法。
【請求項10】 記憶層およびポリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、
レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域に破壊パターンを形成するステップと、
ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、
を含み、
前記光ディスクは、一度書き込み用光ディスク、書き込み可能な光ディスク、または消去可能な光ディスクであり、
前記保護するステップは、
前記形成するステップの後にラッカーオーバコートで前記選択された領域をおおうステップ
を含むことを特徴とする識別情報を有する光ディスクの製造方法。
【請求項11】 請求項10記載の方法において、
前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができる光学バーコードであり、各光学バーコードは前記光ディスクの中心からの距離に比例する角幅を有することを特徴とする方法。
【請求項12】 請求項10記載の方法において、
前記破壊パターンはバーコード形式で形成され、
書き込み可能、または消去可能な光ディスクに対する記憶層へのデータの書き込み中に光学バーコード読取り装置によって前記バーコード形式の破壊パターンを読み取るステップと、
前記光学バーコード読取り装置によって読み取られた情報を、前記書き込み可能、または消去可能な光ディスクの記憶層にデータとして書き込むステップと、をさらに有することを特徴とする方法。
【請求項13】 ポリカーボネート基板層と、識別マークを与える破壊パターンが形成された記憶層とを有する光ディスクであって、
選択された領域にある前記破壊パターンを、硬化を必要とする材料からなる保護層によって保護し、前記破壊パターンの形成後に前記保護層を硬化することによって成ることを特徴とする光ディスク。
【請求項14】 請求項13記載の光ディスクにおいて、
前記保護層は硬化を必要とし、前記破壊パターンの形成に先立って前記保護層が前記選択された領域に付加されることをさらに特徴とする光ディスク。
【請求項15】 請求項13記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンの形成後に、前記選択された領域に前記保護層を付加することをさらに特徴とする光ディスク。
【請求項16】 請求項15記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンはバーコード形式であることを特徴とする光ディスク。
【請求項17】 請求項15記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンはバーコード形式であり、
前記光ディスクは、書き込み可能な光記憶ディスクであり、
前記バーコード形式で示される情報は、前記記憶層上にデータとして複製されることを特徴とする光ディスク。
【請求項18】 請求項15記載の光ディスクにおいて、
前記破壊パターンはバーコード形式であり、
前記バーコードは、ディスクの回転中に走査することによって読み取られるように配置され、前記バーコードは、ディスク中心からの距離に比例する角幅を有することを特徴とする光ディスク。
【請求項19】 クランプ領域、データ領域、及びミラー領域を有する光記憶ディスクであって、
支持基板層と、
前記支持基板層に近接し、レーザビームの照射によって前記ミラー領域に形成される破壊パターンを含む記憶層と、
前記記憶層を覆う保護層と、
を有し、前記保護層は前記破壊パターンの形成後に形成されあるいは硬化され、前記破壊パターンはバーコードを含むことを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項20】 請求項19記載の光記憶ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、光学バーコード読取り装置によって読み取ることができるバーコードであることを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項21】 請求項19記載の光記憶ディスクにおいて、
前記破壊パターンは、前記ディスクの製造に関する情報を含むバーコードを有することを特徴とする光記憶ディスク。
【請求項22】 クランプ領域と、データ領域と、ミラー領域とを有する光記憶ディスクの恒久的マーキング方法であって、
記憶層及びポリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、
レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域上に破壊パターンを形成するステップと、
ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップと、
を含み、前記ラッカー層は前記破壊パターンを形成するステップの後に形成しあるいは硬化することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学情報の記憶および検索ユニットにおける、情報記憶用のメディアに関し、特にメディアヘの消去不可能な識別情報の供給に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の技術状況では、光記憶ディスクが多量の情報の読み出し専用の好適な記憶用メディアである。このメディアにおいては、情報は、光ビームと記憶メディアの相互作用によって検索される。現在、3つのタイプの主要な光記憶ディスクが一般的に使われている。第1のタイプの光記憶ディスクは、すでに情報が記憶された状態で製造される。この情報は通常ポリカーボネート基板上に窪みを形成することによって記憶される。反射コーティングがポリカーボネート基板上に設けられ、光ビームが反射層上に集束される。このタイプの光ディスクは一般にCDオーディオ・ディスクあるいはROM(読み出し専用メモリ)ディスクと呼ばれるものである。第2のタイプの光記憶ディスクは、ディスク製造の少し後にディスク上に情報を記録する(書き込む)ことができる。このような光記憶ディスクは一般に書き込み可能な光記憶ディスクと呼ばれるものである。第3のタイプの光記憶ディスクは、製造後にディスクに情報を記録することができる。さらに、この記憶された情報は、後から削除または修正することができる。このタイプの光記憶ディスクは一般に消去可能または、再書き込み可能な光記憶ディスクと呼ばれるものである。各タイプの光記憶ディスクにおいて、記憶層は、ポリカーボネート支持基板によって支持され、保護(ラッカー)オーバコート層によって保護される。しかしながら、記憶層は、書き込み可能なディスク、および消去可能なディスク中においては修正される。書き込み可能なディスクの記憶層は、ラッカーオーバコート層側に反射層(通常金で製造される)を、さらにポリカーボネート層の側に記録層(通常、色素ポリマー層)を含んで構成される。新たに製造される書き込み可能な光記憶ディスクは、特定のパラメータを有する光に反応する記録層が含まれる。その光によって、記録層の光学特性が変化する。記録層の光学特性の差異は、照射する光ビームと層の相互作用によって検知することができ、光学特性変化によって記録された情報は読み出すことができる。説明の都合上、書き込み可能な光ディスクの記録層、記憶層および反射層をまとめて記憶層と呼ぶことにする。
【0003】
ディスクの製造プロセス中、および製造プロセス後に、ディスク上に永久的な識別を提供する技術が必要である。この方法によって、製造プロセスで起こりうるいかなる問題も、同じ期間に、あるいは同じバッチで製造されたディスクと関連付けることができる。同様に、識別情報が記録されていれば、ディスクのアクセス時にこれまでのディスクの使用についての情報を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術においては、識別情報は、ディスク表面の機械的な破壊により、または表面に読取り可能な材料を供給することにより、ディスク表面に付加された。しかしながら、この識別情報はディスクの表面上にあるため、偶然にまたは故意に損傷される可能性がある。
【0005】
最近、D.L.ウィルソンおよびその他に対し発行された米国特許第4,961,077号において、ディスクの永久的なラベリングのための技術が記述された。詳細には、永久的識別情報はパルスレーザによってマークされた金属反射層上に反射率が変化する領域として記憶される。パルスレーザは、反射層上に消去不可能なマーキングを生じ、マーキングは反射コーティングを保護するのと同じ透明なコーティングによって保護される。ウィルソンの引例に記述されたこのプロセスは、レーザビームのエネルギ準位に非常に敏感である。すなわち、レーザビーム中のエネルギ準位が小さ過ぎる場合、それは識別可能なマーキングを提供しない。しかし、エネルギ準位が高過ぎる場合には、反射層を保護するために使用されるラッカーオーバコート層および(または)ポリカーボネート層を破壊する恐れがある。記憶層の破壊は、光ディスクの周囲の部分への損傷を引き起こす。2つの保護コーティングのより狭い方を通して反射面にレーザビームを供給して、高強度の光が層を通過するために起こるレーザビームの破壊力を最小限にすることが推奨される。
【0006】
光学情報を記憶するディスクに消去不可能な識別情報をマーキングする技術が必要とされている。この技術は、光ビームのエネルギ準位に比較的敏感でなく、光ディスクに対する損傷を抑えるものでなければならない。さらに、ディスク・マーキングの機械読み取り率を向上させる技術が必要とされる。
【0007】
本発明の目的は光ディスクに消去不可能な識別マークを供給する技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスクは、透明な支持基板層と、前記支持基板層に近接し、そこにデータを記憶することができ、選択された領域にレーザビームの照射によって生じるあらかじめ選択されたパターンを有する記憶層と、前記記憶層を覆う保護層とを有する識別可能なマーキングを記憶することのできる光ディスクであり、前記マーキングはレーザビームが前記光ディスクに作用することにより生じることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の識別情報形成方法は、記憶層およびポリカーボネート層を有する光ディスクを製造するステップと、レーザビームによって、前記記憶層の選択された領域上にパターンを供給するステップと、ラッカー層によって、前記記憶層の前記選択された領域を保護するステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明におけるディスクのマーキングは、光ディスクの記憶層上で実行される。しかしながら、マーキングは、保護ラッカーオーバコートの硬化、または保護オーバコートの付加そのものに先だって施される。硬化される前には、ラッカーオーバコートは比較的弾力性がある。従って、レーザと反射層の相互作用によるオーバコートの破壊を最小に抑えることができる。レーザビームによって提供されるマーキングは、あらかじめ選択されたパターンに並べられる。そのパターンには機械読み込み可能な情報および人間の判読可能な情報が含まれる。光学的なバーコード・パターンの場合、ディスクの中心に対する光学のバーコード読取り装置の位置が無関係になるような方法で作成される。
【0011】
【実施例】
以下、図面を用いながら本発明の一実施例について説明する。図8には、従来のディスクと相互に作用する光ビームによって読み出すことができるデータを記憶する、読みだし専用の光記憶ディスク10の断面が示されている。透明なポリカーボネートまたは基板層12、あるいは、類似した材料は特定の光伝送特性を有する。この特性のために、光ディスクの記憶層と相互に作用する光は層を通過することができる。ポリカーボネート層は、さらに光ディスクの残りの部分の支持および保護層としても用いられる。ポリカーボネート層12の次にはアルミニウム反射層11が設けられる。ポリカーボネート層12は、表面構造としての記憶された情報を備えて製造される。反射層は、ポリカーボネート層の表面構造を保持するための表面を提供するように設けられる。ラッカーまたはその他の保護オーバコート層13は硬化されない状態でアルミニウム反射層11に付加される。ラッカーあるいは保護層は、通常、紫外線によって硬化され、硬化されたラッカー層13はアルミニウム反射層11を支持し保護する。従来においては、識別マーキング14は通常ラッカーオーバコート層13の表面上にプリントされたか、または、ラッカーオーバコート層13の表面に機械的に刻み付けられた。
【0012】
図9には、従来の情報の記憶に使用される書き込み可能な光記憶ディスク20が示される。このタイプの光記憶ディスクでは、ディスクが製造された後、データをディスク上に「書き込む」ことができる。図1の光記憶ディスクと同様に、書き込み可能な光ディスクは、支持層22のポリカーボネート基板を含んでいる。ディスクの記憶層5は、記録層21(色素ポリマー層)、および反射層25(金で製造される)から成る。反射層25の次はラッカーオーバーコート層23で、これは付加されて、その後硬化される。最終段階として、ディスクの表面上のマーキング14が付加され、人間および機械読み込み可能な情報を提供する。
【0013】
図3には、本発明の実施例におけるディスクに消去不可能な識別情報を提供するためのプロセスが示される。ステップ31では、光ディスクの複数の層が重ねられる。ステップ32では、光ディスクの記憶層および反射層に、その表面の領域を破壊するためのレーザ光を用いて識別情報が供給される。ステップ33は本発明による光ディスク製造の最終ステップであり、ラッカーオーバコート層が硬化される。
【0014】
図4には、本発明の実施例における光ディスクに消去不可能な識別情報を提供するための別のプロセスが示される。ステップ35では、光ディスクの複数の層が重ねられる。しかしながら、ラッカーまたは保護層は書き込みが行われることになる記憶層及び反射層の表面領域には供給されない。ステップ36では、記憶層の表面にマーキングが行われる。このマーキングは、集束レーザ光のような集束された高強度の光によってなされるのが好適である。ステップ37では、新しく付加される保護オーバコートがマークされた領域に付加され、必要ならば保護コーティングは硬化される。
【0015】
図1は、ディスク製造後に情報を書き込むことのできる光ディスク上の識別マークを現象的に示したものである。ディスク20は、ポリカーボネート層22、反射層25およびラッカーオーバーコート層23で製造される。レーザ光によって生じた破壊4は、反射層25にあるが、光の強度に依存して、この破壊はポリカーボネート層まで届くことも、またはポリカーボネート層内に入り込むこともある。
【0016】
図2では、ディスク20が、ポリカーボネート層22、反射層25、およびラッカーまたは保護オーバコートの層23で製造される。しかしながら、領域25’はラッカーオーバコートによって覆われない。光は反射層25の選択された領域内に破壊を生じさせる。ポリカーボネート基板上に与える衝撃が比較的小さくなるように、光パラメータを調節することができる。ラッカーオーバコートのない領域にはさらに印刷を施すことができる。さらにラッカーオーバコートを付加することにより、破壊された領域および(または)プリントされた領域が保護される。したがって、破壊した領域および(または)プリントされた領域によって表される識別情報は損傷されない。
【0017】
図5は、光記憶ディスク50の平面図を示す。同図には、特に、コンパクトディスク(CD)として知られるタイプのディスクが示される。光ディスク50は、通常次のように定義することができる4つの領域を有している。それぞれの領域の半径は、徐々に増加する。開口56は、ディスクを回転させる軸を嵌め込む構造を提供する。次の領域はクランプ領域53である。クランプ領域53は通常、関連する記憶層を有していない。クランプ領域は、ディスク上に記憶されたデータヘのアクセスを妨害せずに、ディスクに軸を機械的に連結するために使用される。ミラー領域52は関連する記憶層を有するが、この記憶層には、データが組み込まれていないので、鏡のような外観である。ディスク50のデータ領域51は、関連する反射層を含む記憶層上に記憶されたデータを有している。従って、データ領域51は、ミラー領域52の鏡のような外観に比較すると不透明である。図3および図4に記述され、図1および図2によって図示されたプロセスによって、ミラー領域52は、機械読み込み可能なコード59および(または)人間の判読可能な識別ラベルを形成することができる。ディスク50は次の方法でラベリング、すなわちマークすることができる。第1の方法は、クランプ領域53のプラスチックを炭化し、ラッカーオーバコート層23が硬化されない状態で、光ディスク50のミラー領域52をマークし、前述のように、ラッカーオーバコート層を硬化する方法である。第2の方法は、保護オーバコート41の付加に先だって、ディスクのミラー領域52をマークし、保護コーティングの付加後にラッカーオーバコート領域41を硬化する方法である。第3の方法は、保護層23が硬化された後に、ミラー領域52をマークする方法である。実施例では、英数字57のグループがクランプ領域中にプリントされ、製造の情報を識別する。英数字58は人間の判読可能なフォーマットで提供され、ミラー領域52の表面上にプリントされる。コード文字59は、機械読み込み可能な(つまりバーコード)フォーマットでミラー領域52に提供される。
【0018】
図6には、たとえ読取り装置を通過する光学のコードの線速度が半径の関数でも、ディスクの中心からの読取り装置の距離が重要でない方法で、光学のバーコード読取り装置によって読み取ることができる識別情報を書き込むための技術を示す拡大図が示されている。光学のバーコード・マーキング61は、2つの半径ライン61と62の間の領域を、第1の放射距離(R1)64から第2の放射距離(R2)65までマークすることによって形成される。このバーコードの構成では、ディスクの一定の角速度に対して、ディスクの中心からのバーコード読取り装置の距離は無関係である。各バーが、記憶装置から識別情報を検出する光学のバーコード読取り装置の検知器と光学的に相互作用する時間は、ディスクの中心からの距離とは独立している。
【0019】
図7には、光ディスク70上の機械読み込み可能なマーキングを読み取るための装置が示される。リード/ライトヘッド75は、ディスクマーキングから情報を読みとるのに必要な光をディスクに照射する。反射した光は、識別マーキング72によって変調された強度を有している。リード/ライトヘッド75は、反射信号の強度を識別することができる。また、検出器76は伝送された光を識別することができる。リード/ライトヘッド75または検出器76からの信号は、分析及び記憶装置77に供給され、そこで、データは処理され、必要ならば、記憶される。光ディスク70が情報を書き込むことができるディスクである場合、分析及び記憶装置77はディスク上に書き込まれた情報を制御するために、使用することができる。この方法で、光ディスクを識別する情報はコード化され、ディスク上に書き込まれた他のデータに矛盾しないフォーマットで、ディスクのデータ部分に書き込まれる。
【0020】
簡単に要約すると、ディスクのマーキングは記憶層に施される。しかしながら、マーキングは、保護オーバーコート層の硬化に先だって、または保護オーバコート層の付加に先だって行われる。マーキングの前に保護オーバーコートを付加しなかった場合は、マーキング操作の後に付加される。その後、ラッカーオーバコート層は紫外線に露光され、硬化される。記憶層がラッカーオーバコート層の硬化に先だってマークされる場合、ラッカーオーバーコート層は柔軟なままである。このため、ラッカーオーバーコートに弾力性がなければポリカーボネート層の破壊によって起りこうる損傷を吸収することができる。
【0021】
ディスク製造後に情報を書き込むこと、または記憶することができる光ディスクにおいて、本発明は効果的に適用される。光ディスクの読み取りだけが可能な装置では、通常光学的バーコードを読み取ることはできない。自動的に読み取りかつ解釈できなければ、バーコード情報は不適当なディスク上に記憶されていることになる。したがって、製造されたディスクにデータを供給する装置においては、光学のバーコード読取り装置を使用し、光学バーコード情報を識別し、その情報をディスク上に書き込まれた、または記憶されたデータ内に自動的に組み込むことができる。言いかえれば、バーコード化され符号化された情報と、情報のフォーマットで記憶された情報が光ディスクに書き込まれ、同時に存在するということにより、ディスクは損傷されていないことが保証される。
【0022】
記憶メディアについては、一般的な関点から、および光ディスクに関して記述してきたが、光情報を記憶するための他メディアであっても、それが光ディスクの一般的な層構造を有していれば、本発明を有利に使用することができる。
【0023】
また、実施例では、記憶層は一般に反射層を含んでいるように説明された。記憶ディスクからの光の反射が、ディスク上に記憶された情報を識別するために一般に使用されるためである。しかしながら、伝送された光と記憶メディアの相互作用に依存する光記憶ディスクを使用することによっても、本発明を有利に使用することができる。
【0024】
同様に、本発明について、特定の好適な実施例を参照して説明してきたが、本発明から逸脱することなく、種々の変更が可能であり、上記実施例の要素として等価物の代用が可能であることが、当業者によって了解されるであろう。
【0025】
さらに、本発明の本質的な教示から逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況および材料を適応させるために、多くの修正が可能である。特定の例として挙げれば、記憶層の上部に設けられたラッカー層は、記憶層を保護するために適切な特性を備えていれば、どんな材料でもよい。別の例としては、消去可能な光ディスクにおいては、記憶層は、適切なパラメータを有する照射光ビームが非可逆変化を起こすことができる材料から選択することができる。この非可逆変化は保護オーバコート層によって損傷から保護される。
【0026】
前述の説明から明白なように、本発明は例示された特定の例に制限されるものではない。したがって、他の修正および応用が当業者によって考慮されると思われる。従って、本発明の真の精神および範囲から逸脱しないような、このような修正及び応用のすべてを本発明は包含するものとする。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ビームのエネルギ準位に比較的敏感でなく、光ディスクに対する損傷を抑えることができる識別情報マーキング技術及び光ディスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ディスクのマークの断面図である。
【図2】 光ディスクのマークの断面図である。
【図3】 機械読み込み可能であり、人間の判読可能な情報が光ディスクに消去できないように固定されるプロセスを示した図である。
【図4】 光ディスクに機械読み込み可能であり、人間の判読可能な情報を消去できないように固定することができる他のプロセスを示した図である。
【図5】 ディスク上に印刷された機械読み込み可能であり、人間の判読可能なテキストを有する光ディスクを示した図である。
【図6】 光学のバーコード文字が本発明に従ってどのように形成されるかを示した図である。
【図7】 記憶メディア、および関連する記憶および検索ユニット装置を含むリード/ライトヘッドのブロック図である。
【図8】 一般に読みだし専用の光ディスクと呼ばれるタイプの光ディスクの断面図である。
【図9】 一般に書き込み可能な光ディスクと呼ばれるタイプの光ディスクの断面図である。
【符号の説明】
20 ディスク、22 ポリカーボネート層、23 ラッカーオーバコート層、25 反射層。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項
a.元の請求項1を削除する。
b.元の請求項2を独立形式として請求項1とし、「レーザビームと前記光ディスクとの相互作用」を『レーザビームが前記光ディスクに作用すること』と訂正する。
c.元の請求項3を独立形式として請求項2とし、「レーザビームと前記光デイスクとの相互作用」を『レーザビームが前記光ディスクに作用すること』と訂正する。
d.元の請求項4,5,6,7,8の項数を繰り上げ、それぞれ請求項3,4,5,6,7と訂正する。
e.元の請求項9の項数を繰り上げて請求項8とするとともに、従属先を請求項1,2のいずれかと訂正する。
f.元の請求項10を削除する。
g.元の請求項11を削除する。
h.元の請求項12を独立形式として請求項9と訂正する。
i.元の請求項13を独立形式として請求項10と訂正する。
j.元の請求項14,15,16,17,18,19,20,21の項数を繰り上げてそれぞれ請求項11,12,13,14,15,16,17,18と訂正する。
k.元の請求項22に「前記保護層は前記破壊パターンの形成後に形成されあるいは硬化される」要件を付加して請求項19と訂正する。
l.元の請求項23,24の項数を繰り上げ、それぞれ請求項20,21と訂正する。
m.元の請求項25に「前記ラッカー層は前記破壊パターンを形成するステップの後に形成しあるいは硬化する」要件を付加して請求項22と訂正する。
n.特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合をとるため、明細書段落番号0008における「レーザビームと前記光ディスクの相互作用によって生じる」を『レーザビームが前記光ディスクに作用することにより生じる』と訂正する。
異議決定日 2001-01-05 
出願番号 特願平4-336854
審決分類 P 1 652・ 121- YA (G11B)
P 1 652・ 113- YA (G11B)
P 1 652・ 534- YA (G11B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 蔵野 雅昭  
特許庁審判長 麻野 耕一
特許庁審判官 三友 英二
内藤 二郎
登録日 1999-07-23 
登録番号 特許第2957827号(P2957827)
権利者 イーストマン コダック カンパニー
発明の名称 光ディスク及び識別情報を有する光ディスクの製造方法並びに光ディスクの恒久的マーキング方法  
代理人 金山 敏彦  
代理人 相澤 光江  
代理人 金山 敏彦  
代理人 石田 純  
代理人 吉田 研二  
代理人 石田 純  
代理人 吉田 研二  

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