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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1043008
審判番号 審判1999-12810  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-08-12 
確定日 2001-08-01 
事件の表示 平成 5年特許願第137377号「画像信号送信方法及び装置と画像信号受信方法及び装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年12月22日出願公開、特開平 6-351017]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は平成5年6月8日の出願であって、その特許請求の範囲に係る発明は、平成10年6月26日付け、平成10年12月24日付、平成11年9月10日付、平成12年1月17日付、および平成12年4月28日付けの各手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、請求項1〜4記載の画像信号送信方法、請求項5〜8記載の画像信号送信装置、請求項9〜13記載の画像信号受信方法、請求項14〜17記載の画像信号受信装置、および請求項18記載の画像信号送受信システムであると認められるところ、上記請求項1記載の画像信号送信方法(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「複数のチャンネルに対応した画像信号及び音声信号と、この複数のチャンネルに対応した画像信号を含んだ信号から多画面表示用に合成されたマルチ画像信号と、このマルチ画像信号によって多画面表示された複数の画面の中から、所定の画面を選択操作により画面上の位置で指定可能であることを示す第1の情報、及び前記所定の画面とチャンネルとの対応を示す第2の情報を含む制御信号とを送出することを特徴とする画像信号送信方法」
2.前置審査での拒絶理由
これに対して、前置審査において平成12年2月25日付けで通知した拒絶理由(前置審査で2回目に通知した拒絶理由)は、その1番目の理由として、本願発明は先願である特願平4-305532号(特開平6-165178号、平成12年2月25日付けで特許査定済)の請求項1に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができないとするものである。
3.先願発明
上記先願の請求項1に係る発明(以下「先願発明」という。)は、先願明細書の請求項1に記載された次のとおりのものとして特許査定され、特許第3048479号として登録されたものである。
「複数のチャンネルに対応した画像信号と、この複数のチャンネルに対応した画像信号を含んだ信号から多画面表示用に合成されたマルチ画像信号と、このマルチ画像信号によって多画面表示された複数の画面の中から、所定の画面を選択操作により画面上の位置で指定可能であることを示す第1の情報、及び前記所定の画面とチャンネルとの対応を示す第2の情報を含む制御信号とを送出することを特徴とする画像信号送信方法」
4.対比、判断
(1)上記本願発明と先願発明とを対比すると、両発明は、いずれも画像信号送信方法に係るものであって、本願発明では「複数のチャンネルに対応した画像信号及び音声信号」の送出がなされるのに対し、先願発明では「複数チャンネルに対応した画像信号」の送出がなされる点で一応相違するものの、その余の点、すなわち「この複数のチャンネルに対応した画像信号を含んだ信号から多画面表示用に合成されたマルチ画像信号と、このマルチ画像信号によって多画面表示された複数の画面の中から、所定の画面を選択操作により画面上の位置で指定可能であることを示す第1の情報、及び前記所定の画面とチャンネルとの対応を示す第2の情報を含む制御信号とを送出する」点で全く変わりがないものであることが明らかである。
(2)そこで上記相違について検討すると、本願発明でいう「複数のチャンネルに対応した画像信号及び音声信号」と先願発明でいう「複数のチャンネルに対応した画像信号」とは、いずれも画像信号送信方法として本来送信すべき送信対象信号を規定するもので、これらの規定自体はいずれも画像信号送信方法としての常套事項をいうにすぎないものであることが明らかである。また、両発明が要件とする上記マルチ画像信号と制御信号の送出との関連でみても、上記送信対象信号の規定の違いによって発明としての技術的意義に格別の違いが生ずるものとも認められない。
そうすると、本願発明と先願発明との上記相違は、発明として格別のものではなく、画像信号送信方法として常套の送信対象信号についての単なる規定の違いというべきものであるから、かかる違いにおいて両発明が別の発明であるとすることはできない。
また、見方を変えると、上記送信対象信号についての先願発明での規定は、必ずしも上記送信対象信号を画像信号のみに限定するものと解することはできない。かえって、先願明細書の説明では、発明の利用分野としてCATV等の多チャンネル放送システムが挙げられ、実施例として専らCATV放送システムに適用した例が示されているにすぎないことに照らすと、上記先願発明での送信対象信号についての規定は、画像信号と共に音声信号をも送信することを特に排除するものではないと解され、そうすると先願発明と本願発明との間に相違はないこととなるから、この点からも両発明は同一の発明であるとするのが相当である。
(3)請求人は、本願発明が画像信号と音声信号の両方を送信するものであることの技術的意義について、上記前置審査での拒絶理由通知に対する平成12年4月28日付け意見書において、受信側で音声チャンネルの選局に画像を利用できるという格別の効果を奏するものである旨主張する(上記意見書3頁2〜5行)。
しかしながら、同主張は、受信側において上記マルチ画像信号による多画面表示を行いつつそれら表示画面中の指定画面に対応する音声チャンネルを選局できるようにした構成が採用されることを前提とするものであるところ、本願発明はそのような受信側での音声チャンネルの選局を可能とする構成の採用を要件とするものではないから、上記請求人の主張は当を得ない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、先願発明と同一であり、したがって特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない。それ故、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶さるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-05-23 
結審通知日 2001-06-01 
審決日 2001-06-12 
出願番号 特願平5-137377
審決分類 P 1 8・ 4- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 達也  
特許庁審判長 谷川 洋
特許庁審判官 山本 章裕
橋本 恵一
発明の名称 画像信号送信方法及び装置と画像信号受信方法及び装置  
代理人 鈴江 武彦  

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