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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06T
管理番号 1046713
異議申立番号 異議2000-73261  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-06-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-28 
確定日 2001-05-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3014435号「画像処理装置」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3014435号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 
理由 1 手続の経緯
本件特許第3014435号に係る出願は、平成2年11月6日に出願されたものであって、平成11年12月17日に特許の設定登録がされ、その後その特許請求の範囲における請求項1〜3に係る発明について、異議申立人有限会社オフィッスアテナにより特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年3月13日に訂正請求がなされたものである。
2 訂正の適否
(1)訂正の内容
訂正事項a
明細書における特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに訂正する。
「1)画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリへの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されることを特徴とする画像処理装置。」
訂正事項b
明細書7頁5行〜同頁最下行(特許公報2頁4欄13行〜29行)を以下のとおり訂正する。
「[課題を解決するための手段]
本発明に係る画像処理装置は、画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリへの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるものである。
[作用]
上記の構成を有する本発明では、バスの中途に画像処理手段を備え、図3に記載のように、画像処理された画素を構成する複数色成分(DOUT)を、書き込み信号(MW)に従って、一度に前記画像メモリに格納する。
これによって、画像処理およびデータ転送を、余分な時間を使わずに行うことができ、特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。」
訂正事項c
明細書17頁下から4行目〜18頁下から6行目(特許公報4頁8欄15行〜34行)を以下のとおり訂正する。
「[発明の効果]
以上説明したように本発明によれば、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成する画像データを入力し、画像処理された画素を構成する複数色成分のデータは、書き込み信号に従って、一度に画像メモリに格納されるので、よりデータ量が大きくなる高精彩な画像を用いる場合であっても、画像処理およびデータ転送を余分な時間を使わないで行うことができる。
特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。
また、例えば画像メモリへの書き込み領域に応じて画像処理内容を変えることが容易にでき、従来例に比べて、回路規模を小さくし、且つ、領域数などの制限を少なくすることができる。
さらに、本発明の構成によれば、ホストコンピュータから送られてくる画像データの構成(例えば、RGBタイプ)と画像メモリの構成(例えば、CMYKタイプや圧縮データタイプ)が異なる場合でも、かかる変換をDMA転送の途中で行うこともできやすいため、処理時間を大幅に短縮することができる。」
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張、変更の存否
上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項b、cは、上記訂正事項aに付随的に生じる記載不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、および第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3 特許異議の申立ての概要
異議申立人は、甲第1号証(特開昭61-32159号公報、以下、「刊行物1」という。)、甲第2号証(特開昭62-211784号公報、以下、「刊行物2」という。)、甲第3号証(特開昭63-34658号公報、「以下、「刊行物3」という」)、甲第4号証(特開昭63-244279号公報)、及び甲第5号証(特開平1-170277号公報、以下、「刊行物5」という)を提出し、本件請求項1〜3に係る発明の特許は、特許法第29条第1項3号、または同条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消すべき旨主張している。
4 特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
本件訂正明細書の請求項1〜3に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された次のとおりのものである。
「1)省略(上記2(1)訂正事項a参照)
2)前記画像処理手段へ入力されるカラー画像データの構成と出力されるカラー画像データの構成が異なることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
3)入力される前記カラー画像データはレッド,グリーン,ブルーの3原色の色成分データとなっていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置」
(2)引用刊行物
当審が通知した取消しの理由に引用した刊行物1(前記甲第1号証)には、「DMA制御装置」の発明に関し、図面とともに次の事項が記載されている。
ア「本発明は、高速処理を行なうためにデータ転送処理を中央処理装置(CPU)にかわって高速に行なうDMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)制御装置に関する。」(2頁右上欄20行〜左下欄3行)
イ「本発明は、汎用性が高く、画像データ等の処理を中央処理装置を介在することなく自動的に行ないうるDMA制御装置を提供することを第1の目的とし、2次元情報を1回の指示で処理しうるDMA制御装置を提供することを第2の目的とし」(第3頁左上欄5行〜9行)
ウ「上記目的を達成するため、本発明においては、DMA制御装置自体に、データを保持してそのデータを論理処理しうるデータ加工手段を備え、転送途中のデータ処理を可能にする。論理処理は、反転,論理和,論理積,排他的論理和,消去等である。」(第3頁左上欄14行〜19行)
エ「第1図に、後述する表示情報処理装置に用いるDMA制御装置の構成を示す。概略でいうと、このDMA制御装置は、2次元の領域のデータ転送を行なうのと、データ転送の途中でデータに処理を加えることが可能な点が特に通常のDMA制御装置と異なっている。」(3頁右下欄16行〜4頁左上欄1行)
オ「第3図に、一形式の表示情報処理装置を示す。第3図を参照して説明する。この表示情報処理装置には、第1図に示したDMA制御装置がダイレクトメモリアクセスユニットDMAPとして備わっている。この装置のシステムバスには、マイクロプロセッサMPU及びダイレクトメモリアクセスユニットDMAPの他に、アドレスデコーダADD,メインメモリRAM1,読出し専用メモリROM1,I/0ポートIOP,ビットマップメモリRAM2,キャラクタメモリRAM3,外部メモリインタフェースIF1,スキャナインタフェースIF2,キーボードユニット,表示信号合成ユニットDSPU等が接続されている。表示信号合成ユニットDSPUは、ブラウン管表示ユニットCRTUに所定の画像を表示するための信号を生成する。この信号は、ビットマップメモリRAM2に書き込まれた各画素対応データと、キャラクタメモリRAM3に書き込まれた文字コードに応じた画素データとの論理和によって生成される。この例では、多数の文字パターンの画素データがキャラクタジェネレータROM2に予め書き込んであり、キャラクタメモリRAM3が所定の文字コードデータを出力すると、それに応じて文字パターンデータが表示信号合成ユニットDSPUに出力される。なお、CRT表示ユニットCRTUはカラー表示器である。外部メモリインタフェースIF1にはフロッピーディスクユニットFDU及びレーザディスクユニットRDUが接続され、スキャナインターフェースIF2にはイメージスキャナIMSが接続されている。第4図に、第3図のビットマップメモリRAM2の構成を示す。第4図を参照する。このメモリRAM2はそれぞれ512Kバイトの読み書きメモリバンクを備えている。マイクロプロセッサMPUに接続されるシステムバスには、4バンクのうちの1つが接続されるようになっている。しかし、表示信号合成ユニットDSPUは4つのバンクを同時にアクセスできる。ビットマップメモリRAM2のメモリアドレスとCRT表示ユニットCRTUに表示される情報との対応関係を、第9図及び第10を参照して説明する。この例ではビットマップメモリの各データビットを2048X2048の2次元座標の各画素に割り当ててあり、そのうちの1024X768の領域が一度にCRT表示ユニットCRTUの表示面に表示可能になっている。1バイトのデータの各々のビットは横方向の連続する8画素に対応しており、横方向の1ラインの画素群は、アドレスが連続する256バイトのメモリに対応している。なお、2048X2048の2次元座標の内横方向の数画素(Δx)と縦方向の数画素(Δy)の領域は、後述するスクロールのために、表示しない領域として割り当ててある。各々の座標の画素データは、各々のメモリバンクから得られる4ビットのデータで構成されている。この4ビットデータの構成に応じて、CRT表示ユニットCRTUに表示される画素の色が決定される。」(7頁左上欄12行〜右下欄10行)
カ「「窓表示セット」サブルーチンでは、フラグF5をチェックし、それが0なら、メモリバンク1,2,3,及び4の各々に対して、「表示反転処理」サブルーチン及び「窓識別マーク表示」サブルーチンを実行する。「表示反転処理」においては、ダイレクトメモリアクセスユニットDMAPに対してデータ固定モード及び論理反転演算モードをセットし、レジスタRSA,RXB,RYL及びRXMに各々レジスタBCA,BCX,BCY及び固定値XMの値をセットしてDMA要求を発生し、DMA転送が終了するのを待つ。レジスタBCA,BCX及びBCYには、それぞれ、その窓の開始アドレス(左上の座標),窓の横方向長さ(ライン数)の値が格納されている。従って、「表示反転処理を実行すると、窓領域に対応する2次元メモリ領域に対して、各々のメモリに元のデータをビット毎に反転したデータを書き込む。つまり、最も単純な白/黒の表示の場合でいえば、窓にセットされる2次元領域は、それまでの表示内容を白黒反転した表示内容に書き換えられる。」(8頁左下欄1行〜右下欄1行)
キ「DMAデータ移動」サブルーチンにおいては、DMA制御装置を次のようにセットしてから、DMA要求を発し、DMA転送を終了を待つ、動作モードは、データ移動モードおよび論理和演算モードに設定する。そしてレジスタRSA,RDA,RXB,RYLおよびRXMに、それぞれレジスタBCA,BCD,BCX,BCYおよび所定値XMの値をセットする。このような設定にしてDMAが要求を発すると、DMA制御装置は、まず転送先のデータを読んでそれをラッチし、次に転送先のデータを読んでそれとラッチしたデータとの論理和とを演算し、次にその結果を、転送先のアドレスのメモリに格納する、という処理を、窓の2次元領域のすべてに対して行なう。つまり、窓の移動先の2次元領域では、その移動を行なう前のデータと移動前に窓の位置にあったデータとが表示される。」(10頁左上欄11行〜右上欄7行)
同じく当審が通知した取消しの理由に引用した刊行物2(前記甲第2号証)には、「表示制御装置」の発明に関し、図面とともに次の事項が記載されている。
ク「VRAM6は、4面の表示領域7A,7B,7C,7Dと1面の作業領域8とからなる。これらの各面は、CRT表示面状の各画素に対応しており、各面が同一のメモリ容量を持っている。そして、4面の表示領域7A,7B,7C,7Dには、画素の色を決定するためのカラー・データ(各画素あたり4ビット)が格納される。」(2頁左下欄6行から12行)
ケ「次に、転送コントローラ23は、VRAM6内でのデータ転送、CPU1のデータエリアからVRAM6へのデータ転送、あるいはその逆方向のデータ転送を、1画素単位あるいは4画素単位で行うもので、転送方向の制御やデータフォーマットの変換等を行う。」(4頁左上欄20行〜右上欄5行)

(3)対比・判断
(訂正請求項1に係る発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「訂正請求項1に係る発明」という。)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
(あ)刊行物1に記載された発明は、イメージスキャナIMSを備えており(上記オ参照)、該イメージスキャナIMSは、画像データを入力する機能を有することが明らかであるから、本件訂正請求項1に係る発明における「画像データを入力する画像入力手段」に相当する。
(い)刊行物1に記載された発明におけるシステムバスは、スキャナインターフェースIF2を介して画像入力手段(イメージスキャナIMS)の出力側に接続されるものである(第3図参照)から、本件訂正請求項1に係る発明における「前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバス」に相当する。
(う)刊行物1に記載されたDMA制御装置(ダイレクトメモリアクセスユニットDMAP)は、データを保持してそのデータを反転、論理和、論理積、排他的論理和、消去等の論理処理をするデータ加工手段を備えており、このデータ加工手段は転送途中のデータ処理を可能とするものであり(上記ウ〜オ参照)、また、このデータ加工手段を備えたDMA制御装置は、データバス(システムバス)の中途に接続されている(第3図参照)ことから、データ加工手段もデータバスの中途に接続されているものといえるので、かかるデータ加工手段は、本件訂正請求項1に係る発明における「前記データバスの中途に挿入された画像処理手段」に相当する。
(え)刊行物1に記載された発明のビットマップメモリRAM2は、画像メモリであり、データバス(システムバス)に接続されており(第3図参照)、また、DMA制御装置内に備えられた画像処理手段(データ加工手段)により加工(画像処理)されたデータを格納するものである(上記カ、キ参照)から、かかるビットマップメモリRAM2は、本件訂正請求項1に係る発明における「前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリ」に相当する。
(お)刊行物1に記載された発明におけるDMA制御装置(ダイレクトメモリアクセスユニットDMAP)は、データバス(システムバス)を介して画像メモリ(ビットマップメモリRAM2)にダイレクトメモリアクセス転送を行わせるものであり(上記ア、エ、オ、カ、キ参照)、その転送に際し、DMA制御装置は、画像メモリへの画素の書き込み信号を指示する書き込み信号を出力することが当業者に明らかであるから、かかるDMA制御装置は、本件訂正請求項1に係る発明における「前記画像メモリへの画素の書き込み信号を指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリアクセス転送を行わせる制御手段」に相当する。
(か)刊行物1に記載された発明は、画像メモリ(ビットマップメモリRAM2)から読み出されてCRT表示ユニットCRTUに表示される各々の画素を、メモリバンク1〜4から得られる4ビットのデータで構成し、この4ビットのデータは表示画素の色を決定するものであり(上記オ参照)、また、画像メモリ(ビットマップメモリRAM2)には、書き込み信号により、画像処理装置(データ加工手段)で画像処理された前記4ビットの色データが格納されることが当業者に明らかであるから、1画素を構成するカラー画像データが「各色複数ビットで表現される複数の色成分」で構成される点、前記複数色成分のデータは、「一度」に前記画像メモリに格納される点は別として、「前記画像データは、複数ビットで表現される色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記色成分データは、前記書き込み信号に従って、前記画像メモリに格納される」点で、本件訂正請求項1に係る発明と一致する。
(き)刊行物1に記載された発明は、画像処理装置であるDMA制御装置に関するものである(上記ア参照)から、「画像処理装置」である点で、本件訂正請求項1に係る発明と一致する。
したがって、両者は、
「画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリへの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、複数ビットで表現される色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、前記画像メモリに格納される画像処理装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(a)本件訂正請求項1に係る発明は、1画素を構成するカラー画像データが「各色複数ビットで表現される複数の色成分」で構成され、また、前記複数色成分のデータは、「一度」に前記画像メモリに格納されるのに対して、刊行物1に記載された発明は、1画素を構成するカラー画像データが、4ビットで構成され、「一度」に画像メモリに格納されることが明記されていない。
そこで、前記相違点(a)について検討すると、
刊行物2には、カラー画像データを1画素単位で(一度に)画像メモリ(VRAM)に転送(記憶)する技術が記載され(上記ク、ケ参照)、また、カラー画像データの処理においては、1画素を構成するカラー画像データを、各色複数ビットで表現される複数の色成分で構成し、この複数色成分のデータを1単位として一度に画像メモリに格納することが当業者に周知である(必要であれば、特開平2-39278号公報参照)から、これらの技術を勘案すると、刊行物1に記載された発明において、1画素を構成するカラー画像データを「各色複数ビットで表現される複数の色成分」で構成し、また、前記複数色成分のデータを、「一度」に前記画像メモリに格納するようにして、本件訂正請求項1に係る発明を構成することは、当業者が格別の創意工夫を要することなくなし得ることである。
そして、本件訂正請求項1に係る発明によって奏される効果は、刊行物1、2に記載された発明、及び前記周知技術から当業者が容易に予測可能であって、格別のものではない。
(訂正請求項2に係る発明)
本件訂正明細書の請求項2に係る発明(以下、「訂正請求項2に係る発明」という。」)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、前記相違点(a)に加え、次の(b)の点でさらに相違する。
(b)本件訂正請求項2にかかる発明は、「前記画像処理手段へ入力されるカラー画像データの構成と出力されるカラー画像データの構成が異なる」のに対して、刊行物1に記載された発明は、この点について明記されていない点。
そこで、前記各相違点について検討すると、相違点(a)については、前記(訂正請求項1に係る発明)の判断で示したとおりである。
次に、相違点(b)については、画像処理手段へ入力されるカラー画像データの構成と出力されるカラー画像データの構成を異なるものとすることは、当業者に周知である(必要であれば、当審が通知した取消しの理由に引用した刊行物3における4頁右下欄20行〜5頁左上欄8行、及び同刊行物5における2頁右下欄8行〜3頁左上欄6行参照)から、刊行物1に記載された発明において、「前記画像処理手段へ入力されるカラー画像データの構成と出力されるカラー画像データの構成が異なる」ものとし、本件訂正請求項2にかかる発明を構成することは、当業者が格別の創意工夫を要することなくなし得ることである。
そして、本件訂正請求項2に係る発明によって奏される効果は、刊行物1、2に記載された発明、及び前記周知技術から当業者が容易に予測可能であって、格別のものではない。
(訂正請求項3に係る発明)
本件訂正明細書の請求項3に係る発明(以下、「訂正請求3に係る発明」という。)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、前記相違点(a)に加え、次の(c)の点でさらに相違する。
(c)本件訂正請求項3にかかる発明は、「入力される前記カラー画像データはレッド、グリーン、ブルーの3原色の色成分データとなっている」のに対して、刊行物1に記載された発明は、この点について明記されていない点。
そこで、前記相違点について検討すると、相違点(a)については、前記(訂正請求項1に係る発明)の判断で述べたとおりである。
次に、相違点(c)については、カラー画像データを、レッド、グリーン、ブルーの3原色の色成分データで構成することは、当業者に周知の事項である(必要であれば、前記刊行物3における3頁左上欄12行〜4頁右下欄19行、及び前記刊行物5における2頁右下欄8行〜3頁左上欄6行参照)から、刊行物1に記載された発明において「入力される前記カラー画像データはレッド、グリーン、ブルーの3原色の色成分データとなっていること」とし、本件訂正請求項3に係る発明を構成することは、当業者が格別の創意工夫を要することなくなし得ることである
そして、本件訂正請求項3に係る発明によって奏される効果は、刊行物1、2に記載された発明、及び前記周知技術から当業者が容易に予測可能であって、格別のものではない。
(4)むすび
したがって、本件訂正明細書の請求項1〜3に係る発明は、刊行物1、2に記載された発明、及び前記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件訂正明細書の請求項1〜3に係る発明についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める制令(平成7年制令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像処理装置
(57)【特許請求の範囲】
1)画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、
前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、
前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、
前記画像メモリヘの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、
前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されることを特徴とする画像処理装置。
2)前記画像処理手段へ入力されるカラー画像データの構成と出力されるカラー画像データの構成が異なることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
3)入力される前記カラー画像データはレッド,グリーン,ブルーの3原色の色成分データとなっていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、画像データを入力して所定の処理を施す画像処理装置に関する。
更に詳述すれば、本発明はSCSI(Small Computer System Interface)などの外部インタフェースから画像データを受けとり、それに所定の画像処理を施して出力する場合などに好適な、画像処理装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、SCSIなどの外部インタフェースからカラー画像データを受けとり、それを画像処理してプリントを行う装置(第1の従来例)は、第8図(1)のように構成されている。本図において、装置25はSCSIなどの外部インタフェース2によりホストコンピュータ1と接続され、外部インタフェースユニット3を介してカラー画像データを受けとる。ここで、入力画像はRed,Green,Blueの3色成分データで構成されている(これをRGBタイプと呼ぶ)。入力された画像データは、DMAC(Direct Memory Access Controller)6の制御の下にCPUバス4を介して画像メモリ14にDMA転送される。
このDMA転送とは、CPU5を介在しない高速なデータ転送方式であり、第9図の(A)に示すタイミングチャートのように、外部インタフェースユニットからの読み出し(IOR)と、画像メモリヘの書きこみ(MW)が同時に実行される。また、転送数は予めDMACにセットしておけば良い。なお、DMA転送の代わりにCPU5を介して転送する方式もあるが、第9図の(B)に示すようなプログラムを実行することになり、外部インタフェース(IFU)からの読み出しと画像メモリ(MEM)への書き込みを別々に行ったり、転送数(TC)をチェックするなど、DMA転送に比べて極端に遅くなる。
第8図(1)に示す14-1,14-2,14-3はそれぞれカラー画像の3原色(Red,Green,Blue)の各色成分に対応した画像メモリである。この画像メモリに書き込まれた画像データは信号線15を介して画像処理回路16に送られ、ここでカラープリンタ13が画像形成を行うのに必要な色成分データ(例えば、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックであり、これをCMYKタイプと呼ぶ)に変換される。このカラープリンタ13として、例えば面順次のフルカラープリンタが用いられ、各色成分画像の形成に対応して、画像処理回路16から各色成分画像が出力される。
また、第8図(2)は第2の従来例を示す図である。本図に示す従来例において、画像メモリ9-1,9-2,9-3,9-4は、カラープリンタ13が画像形成を行うのに必要な色成分(例えば、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)に対応しており、各メモリから読み出された画像データは、プリンタの各色成分画像の形成に対応してカラーセレクタ11で選択され、カラープリンタ13に送られる。
ホストコンピュータ1から外部インタフェースユニット3を介して送られた画像データがRGBタイプである時、受けとった画像データは、まずDMA転送により画像メモリ9に送られる。次に、第1の従来例の画像処理回路16で行っているような、RGBからCMYKへの変換を、CPU5によりソフトウェア的に行い、画像メモリ9の内容をCMYKタイプへ書き替えていく。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、第8図(1)に示した第1の従来例では、画像処理回路16により画像メモリ14からの読み出し時に画像処理が適用されるため、読み出された画像のある領域のみ別の画像処理を施したい場合は、画像処理回路16内に付加回路が必要になり、領域の形,領域数,画像処理の種類も制限を受けてしまうという欠点があった。
一方、第8図(2)に示した第2の従来例では、CPUにより画像処理を行うため、任意の領域に対応して画像処理を変えることができることから、第1の従来例のような欠点はなくなる。
しかしながら、CPUによる画像処理は、通常非常に多くの時間を要し、スループットが落ちるという欠点がある。
よって本発明の目的は上述の点に鑑み、簡易な構成にも拘らず、汎用性ある画像処理を高速にて行い得るよう構成した画像処理装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る画像処理装置は、画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリヘの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるものである。
〔作 用〕
上記の構成を有する本発明では、バスの中途に画像処理手段を備え、図3に記載のように、画像処理された画素を構成する複数色成分(DOUT)を、書き込み信号(MW)に従って、一度に前記画像メモリに格納する。
これによって、画像処理およびデータ転送を、余分な時間を使わずに行うことができ、特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
第1の実施例
第1図は、本発明の第1の実施例によるカラープリンタ装置を示すブロック図である。本図において、装置25はSCSIなどの外部インタフェース2により、ホストコンピュータ1と接続され、外部インタフェースユニット3を介してRGBタイプのカラー画像データを受けとる。受けとった画像データはDMAC6の制御の下に、CPUバス4を介してDMA転送され、画像処理回路7を通った後、画像メモリ14に書き込まれる。この時、RGBタイプの画像データは、画像処理回路7を通る時にCMYKタイプに変換される。画像メモリ9-1,9-2,9-3,9-4は、CMYKタイプに対応している。次に、カラープリンタ13で画像形成を行うのに必要な量の画像データが画像メモリ9に書き込まれると、カラープリンタ13は動作を開始する。
カラープリンタ13は面順次のフルカラープリンタであり、各色成分画像の形成に対応して、画像メモリ9から読み出された画像がカラーセレクタ11で選択され、カラープリンタ13に送られ、各色成分に対応したトナーにより画像形成が行れる。
一般に、DMA転送を行う時、画像メモリ9のどの領域に書き込むかはCPU5からDMAC6を制御することに行われる(プログラマブル制御)。よって、ホストコンピュータ1から送られた画像は、画像メモリ9の任意の領域に書き込むことができる。また、画像処理回路7の各パラメータは、後述するようにCPU5によりプログラマブルになっているので、画像メモリ9の各領域にDMA転送を行う前に、その領域に対応したパラメータをセットしておくことで、領域ごとに処理を変えることができる。
第2図(1)および第2図(2)は、画像処理回路7の一例を示したものである。画像処理回路7へ接続されているCPUバス4は、32ビットのデータバスDIN0〜31を持っている。データバスDIN0〜31は、4つのグループに分けられる。すなわち、DIN0〜7はRi(Red)成分データ、DIN8〜15はGi(Green)成分データ、DIN16〜23はBi(Blue)成分データ、DIN24〜31はAi(Attribute)データとして使用されている。Ri,Gi,Bi成分データによって画像データが構成される。Aiデータは各画素の属性を表わすための8ビットのデータであるが、本実施例では使用していない。
第2図(1)の50は、輝度情報であるRi,Gi,Bi成分データを、濃度情報であるCi′,Mi′,Yi′成分データに変換するための対数変換用のLUT(ルックアップテーブル)である。
第2図(2)は、Ci′,Mi′,Yi′成分データからカラープリンタ13に適した色補正を行い、さらにK(ブラック)成分データも加えたCi,Mi,Yi,Ki成分データを生成(スミ入れ)する回路である。色補正を行うために、入力データCi′,Mi′,Yi′に対して

なる各色の一次式を算出し、色補正(マスキング補正)を行う。更にYi′,Mi′,Ci′によりMin(Yi′,Mi′,Ci′)(Yi′,Mi′,Ci′の最小値)を算出し、これをスミ(黒)として後に黒トナーを加える(スミ入れ)操作と、加えた黒成分に応じて各色トナーの量を減じる下色除去(UCR)操作も行われる(本実施例では、第2図(2)に示す回路で、これを実現していいる)。
第2図(2)において、16はMin(Yi′,Mi′,Ci′)を得るための回路であり、その値は演算回路17で係数が乗じられた後、減算器19で下色除去が行れる。すなわち、Ci″,Mi″,Yi″(24-1〜3)は、
t=a×Min(Yi′,Mi′,Ci′)-b
Ci″=Ci′-t
Mi″=Mi′-t
Yi″=Yi′-t
となる。
20-1〜9は、上式(1)におけるマトリクス演算の各係数をセットするためのラッチ回路であり、各係数はDMA転送に先立ち、CPU5により設定される。下色除去されたCi″,Mi″,Yi″は、これらの各係数について乗算器20-1〜9及び加算器22-1〜3で式(1)のマトリクス演算が施され、その結果として、色補正されたCi,Mi,Yi画像データ8-1〜3が得られる。
また、Min(Yi′,Mi′,Ci′)は演算回路18で別の係数が乗じられ、Ki画像データが生成される。すなわち、
Ki=c×Min(Yi′,Mi′,Ci′)-d
となる。
第3図は、本実施例におけるDMA転送のタイミング図である。画像データDINは読み出し信号IOR25により、外部インタフェースユニット3から読み出され、画像処理回路7で画像データDOUTに変換され、書き込み信号MW26により、画像メモリ9に書き込まれる。
第3図において、実際は、DOUT信号はDIN信号に比べて画像処理回路7の処理時間分だけ遅延する。この遅延量が多くなりすぎると、MW信号26と整合しなくなるので、必要に応じて画像処理回路7に高速のSRAMやECLチップを使用することにより、遅延量を軽減する。あるいは、この遅延量の分だけ、画像メモリに対するMW信号26を遅らせても良い。
また第3図において、10R信号,MW信号はDIN信号,DOUT信号との関係を示せれば良いので略記してある(以下同様)。
第4図は、画像処理回路7を経由せずに、画像メモリ9をアクセス可能にした場合のブロック図である。画像処理回路7を経由してアクセスする場合、ゲート27-1,27-2を接続し、ゲート27-3,27-4は切り離す。一方、経由せずにアクセスする場合は、ゲート27-3,27-4の方を接続する。後者の場合は、メモリからの読み出しも可能となる。
第2の実施例
第5図は、本発明の第2の実施例におけるカラープリンタ装置を示すブロック図である。
第1の実施例では、CPUバス4を用いてDMA転送を行っているが、第5図に示す第2の実施例では、CPUバス4の他に画像バス28を設け、それを用いてDMA転送を行い、その途中に画像処理回路38を設けることにより、DMA転送と同時に画像処理を行う。本実施例は、第1の実施例に比べて回路が複雑になるが、DMA転送時にCPUバス4を占有してしまわないため、全体のスループットが向上する。
バスセレクタ29,30,31は、各ユニットがCPUバス4もしくは画像バス28のどちらに接続されるのかを切り替えるもので、通常はCPUバス4側になっている。画像処理回路38を通すべきDMA転送を行う時には、CPU5はCPUバス4を介して外部インタフェースユニット3,DMAC6,画像処理回路38の設定を行った後、バスセレクタ29,30,31を画像バス側に接続してDMA転送を行う。
本実施例において、画像処理回路38はカラー画像圧縮を行う。第6図は、カラー画像圧縮回路の構成を示す。画像圧縮については従来から種々の方法が知られているが、本実施例では16画素(4画素×4画素)を1ブロックとし、これを32ビットのデータに圧縮する方式を採る。この方式の場合、もとのデータは16(画素)×8(ビット)×3(色)であるため、圧縮率は

により、1/12となる。なお、本願の目的は圧縮方法についてではないため、具体的な圧縮方法についての説明は省略する。
第6図において、35-1〜3は少くとも1ライン分の画像データを保持しうるFIFOメモリである。DMA 転送が第1ライン,第2ライン…というように行われる時、第4n-3ラインは第7図(1)に示した書き込みイネーブル信号EN1によりFIFOメモリ35-1に書き込まれる。次に、第4n-2ラインは書き込みイネーブル信号EN2によりFIFOメモリ35-2に転送される。次に、第4n-1ラインは書き込みイネーブル信号EN3によりFIFOメモリ35-3に転送される。
次に、第4nラインのDMA転送が行われる時、それに同期して読み出しイネーブル信号EN4によりFIFOメモリ35-1,35-2,35-3から第4n-3,第4n-2,第4n-1ラインが読み出され、MW信号26に同期してラッチ回路36-1〜36-12にラッチされる。この回路により、DMA転送のある時点(第7図(2)のP1,P2)では、ある注目画素に対し、その周辺16画素の画像データが圧縮回路37に与えられ、圧縮回路37からは、この16画素の画像データを圧縮した32ビットの画像データDOUTが出力される。このDOUTは、第7図(1)および第7図(2)に示すように、4ラインに1ライン、及び、4画素に1画素につき出力されるMW′信号41により画像メモリ40に書き込まれる。MW′信号40は図示しない回路により、MW信号26を間引くことで作られる。
第3の実施例
画像処理回路としては、他に
▲1▼色変換回路:カラー画像データ中の特定の条件を満たす画素のみを別の色に変換する。
▲2▼色着色回路:白黒濃度データDiに対し、
Ri=aDi
Gi=bDi
Bi=cDi
なる式により、着色を行う。
▲3▼パレットデータ変換回路:入力されたパレットデータPiに対し、パレットテーブルRT1,GT,BTにより
Ri=RT[Pi]
Gi=GT[Pi]
Bi=BT[Pi]
により、RGBデータに変換する。
等がある。
また、カラー画像データの構成としては、以上述べてきたRGBタイプ,CMYKタイプ,圧縮データタイプの他にYIQ等がある。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成する画像データを入力し、画像処理された画素を構成する複数色成分のデータは、書き込み信号に従って、一度に画像メモリに格納されるので、よりデータ量が大きくなる高精彩な画像を用いる場合であっても、画像処理およびデータ転送を余分な時間を使わないで行うことができる。
特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。
また、例えば画像メモリヘの書き込み領域に応じて画像処理内容を変えることが容易にでき、従来例に比べて、回路規模を小さくし、且つ、領域数などの制限を少なくすることができる。
さらに、本発明の構成によれば、ホストコンピュータから送られてくる画像データの構成(例えば、RGBタイプ)と画像メモリの構成(例えば、CMYKタイプや圧縮データタイプ)が異なる場合でも、かかる変換をDMA転送の途中で行うこともできやすいため、処理時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例であるカラー画像処理装置を示すブロック図、
第2図(1)および第2図(2)は画像処理回路の詳細なブロック図、
第3図はDMA転送のタイミングを示す図、
第4図は画像処理回路の別の構成図、
第5図は第2の実施例であるカラー画像処理装置を示すブロック図、
第6図は画像処理回路の詳細なブロック図、
第7図(1)および第7図(2)は第2の実施例の動作を示すタイミング図、
第8図(1)および第8図(2)は従来例を示す図、
第9図は従来例のタイミングチャート及びサンプルプログラムを示す図である。
3…DMA転送の入力元である外部インタフェースユニット、
9,40…DMA転送の出力先である画像メモリ、
4,28…DMA転送を行うためのデータバス、
6…DMA転送を制御するDMAコントローラ、
7,38…画像処理回路。
 
訂正の要旨 訂正事項a
明細書における特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに訂正する。
「1)画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、別記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリヘの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されることを特徴とする画像処理装置。」
訂正事項b
明細書7頁5行〜同頁最下行(特許公報2頁4欄13行〜29行)を以下のとおり訂正する。
「[課題を解決するための手段]
本発明に係る画像処理装置は、画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力側に接続されたデータバスと、前記データバスの中途に挿入された画像処理手段と、前記データバスに接続され、前記画像処理手段で画像処理された画像データを格納する画像メモリと、前記画像メモリヘの画素の書き込みを指示する書き込み信号により、前記データバスを介して、前記画像データのダイレクトメモリ転送を行わせる制御手段とを備え、前記画像データは、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成するカラー画像データであり、前記画像処理手段で画像処理された画素を構成する前記複数色成分のデータは、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるものである。
[作用]
上記の構成を有する本発明では、バスの中途に画像処理手段を備え、図3に記載のように、画像処理された画素を構成する複数色成分(DOUT)を、書き込み信号(MW)に従って、一度に前記画像メモリに格納する。
これによって、画像処理およびデータ転送を、余分な時間を使わずに行うことができ、特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。」
訂正事項c
明細書17頁下から4行目〜18頁下から6行目(特許公報4頁8欄15行〜34行)を以下のとおり訂正する。
「[発明の効果]
以上説明したように本発明によれば、各色複数ビットで表現される複数の色成分により1画素を構成する画像データを入力し、画像処理された画素を構成する複数色成分のデータは、書き込み信号に従って、一度に画像メモリに格納されるので、よりデータ量が大きくなる高精彩な画像を用いる場合であっても、画像処理およびデータ転送を余分な時間を使わないで行うことができる。
特に、画像処理された画素を構成する前記複数色成分は、前記書き込み信号に従って、一度に前記画像メモリに格納されるので、色成分それぞれを順に転送して画像処理する場合よりも、はるかに高速に処理を行うことが可能となる。
また、例えば画像メモリヘの書き込み領域に応じて画像処理内容を変えることが容易にでき、従来例に比べて、回路規模を小さくし、且つ、領域数などの制限を少なくすることができる。
さらに、本発明の構成によれば、ホストコンピュータから送られてくる画像データの構成(例えば、RGBタイプ)と画像メモリの構成(例えば、CMYKタイプや圧縮データタイプ)が異なる場合でも、かかる変換をDMA転送の途中で行うこともできやすいため、処理時間を大幅に短縮することができる。」
異議決定日 2001-04-05 
出願番号 特願平2-299045
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (G06T)
最終処分 取消  
前審関与審査官 加藤 恵一  
特許庁審判長 田辺 寿二
特許庁審判官 東 次男
江頭 信彦
登録日 1999-12-17 
登録番号 特許第3014435号(P3014435)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 画像処理装置  
代理人 谷 義一  
代理人 阿部 和夫  
代理人 阿部 和夫  
代理人 谷 義一  

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