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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A47H 審判 全部申し立て 特174条1項 A47H |
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管理番号 | 1046777 |
異議申立番号 | 異議2000-73945 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-05-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-10-20 |
確定日 | 2001-06-20 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3036381号「カーテンレール構造」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3036381号の請求項1および2に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3036381号に係る出願は、平成6年11月7日の出願であって、平成12年2月25日に特許の設定登録がなされ、その後、岩田一重と仲井隆史から特許異議の申立がなされ、取消理由通知が通知され、その指定期間内である平成13年3月22日付けで訂正請求がなされたものである。 2.訂正の要旨 訂正事項a:特許請求の範囲の【請求項1】を、次のように訂正する。 「 第1カーテンと第2カーテンとを垂下させ、第1カーテンを電動開閉させるカーテンレール構造であって、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成された遊動ランナであって、前記第1カーテンと第2カーテンとがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナと第2の遊動ランナと、略下端に第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部とが設けられたカーテンレールであって、第1の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第1の遊動ランナの頸部を挟持して案内させ、第2の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第2の遊動ランナの頸部を挟持して案内させるカーテンレールと、前記カーテンレール内に配置され、該カーテンレールの長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、前記磁石列と対向し、該磁石列の永久磁石との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイルを備える駆動ランナであって、下端に掛止部が形成された駆動ランナと、を備え、前記駆動ランナの掛止部が、前記カーテンレールの第3の開口部から突出して前記第1の遊動ランナと係合する通孔を有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレールがアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とするカーテンレール構造。」 訂正事項b:明細書の段落【0009】の記載を、次のように訂正する。 「【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、第1カーテン40と第1カーテン42とを垂下させ、第1カーテン40を電動開閉させる本発明のカーテンレール構造では、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部30a、32aの形成された遊動ランナであって、前記第1カーテン40と第1カーテン42とがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナ30と第1の遊動ランナ32と、略下端に第1の開口部10aと、第2の開口部10bと、第3の開口部10cと、該第3の開口部10cから掛止部15が突出するように駆動ランナ14を収容する凹部とが設けられたカーテンレール10であって、第1の開口部10aに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10dに第1の遊動ランナ30の頸部30aを挟持して案内させ、第2の開口部10bに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10eに第2の遊動ランナ32の頸部32aを挟持して案内させるカーテンレール10と、前記カーテンレール10内に配置され、該カーテンレール10の長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石13を配置して成る磁石列12と、前記磁石列12と対向し、該磁石列12の永久磁石13との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイル62を備える駆動ランナ14であって、下端に掛止部15が形成された駆動ランナ14と、を備え、前記駆動ランナ14の掛止部15が、前記カーテンレール10の第3の開口部10cから突出して前記第1の遊動ランナ30と係合する通孔15aを有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレール10がアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とする。」 3.訂正の適否 上記訂正事項aに係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項bに係る訂正は、訂正事項aに関連してなされた明りょうでない記載の釈明に該当し、いずれの訂正も、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項で準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 4.異議の申立てについての判断 (1)本件訂正後発明 本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された下記のとおりのものである(以下、「訂正後発明1」及び「訂正後発明2」という。)。 【請求項1】 第1カーテンと第2カーテンとを垂下させ、第1カーテンを電動開閉させるカーテンレール構造であって、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成された遊動ランナであって、前記第1カーテンと第2カーテンとがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナと第2の遊動ランナと、略下端に第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部とが設けられたカーテンレールであって、第1の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第1の遊動ランナの頸部を挟持して案内させ、第2の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第2の遊動ランナの頸部を挟持して案内させるカーテンレールと、前記カーテンレール内に配置され、該カーテンレールの長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、前記磁石列と対向し、該磁石列の永久磁石との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイルを備える駆動ランナであって、下端に掛止部が形成された駆動ランナと、を備え、前記駆動ランナの掛止部が、前記カーテンレールの第3の開口部から突出して前記第1の遊動ランナと係合する通孔を有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレールがアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とするカーテンレール構造。 【請求項2】 前記第1遊動ランナと前記第2遊動ランナとに同一形状の遊動ランナを用いたことを特徴とする請求項1のカーテンレール構造。 (2)申立ての理由の概要 申立人岩田一重は、証拠として、甲第1号証(実願平1-96940号(実開平3-35787号)のマイクロフィルム)、甲第2号証(実願平4-51847号(実開平6-17580号)のCD-ROM)を提出して、本件請求項1および2に係る特許発明は、甲第1号証および甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件の特許を取り消すべきであると、また、申立人仲井隆史は、平成10年12月21日付けでした手続補正は、明細書の請求項1及び段落【0009】の【課題を解決するための手段】に「該第3の開口部に連通する駆動ランナ収容部と」及び「前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナ収容部の短手方向を開口し、」という記載を追加するものであるが、これらの事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、かつ、願書に最初に添付した明細書又は図面から当業者が直接的かつ一義的に導き出すことができない事項であり、したがって、該手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項に規定する要件を満たしていないから、本件の特許を取り消すべきであると、各々主張している。 (3)特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項に規定する要件について 上記したように、平成13年3月22日付けで、明細書の請求項1及び段落【0009】の「該第3の開口部に連通する駆動ランナ収容部と」及び「前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナ収容部の短手方向を開口し、」は、「該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部と」及び「前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、」と訂正され、これらの事項は、願書に最初に添付した図面に記載されているといえるから、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項に規定する要件を満たすものとなった。 (4)特許法第29条第2項について A.甲各号証記載の発明 甲第1号証には、第8頁第7行〜第9頁第9行、第10頁第5行〜第12頁第13行及び第1,2図の記載を参照すると、「上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成されたカーテンランナであって、手動カーテンが吊下される手動のカーテンランナと電動カーテンが吊下される従動カーテンランナと、下端に、開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に手動のカーテンランナの頸部を挟持して案内させる第1のランナ案内溝が設けられ内部にリニアモータが組込まれ、アルミ材の押出形材により形成された第1のレールと、開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に電動カーテンランナの頸部を挟持して案内させる第2のランナ案内溝が設けられ、アルミ材の押出形材により形成された第2のレールとを、第1のレールの底壁と第2のレールの底壁との間にリニアモータが組込まれた第1のレール内部に連通する間隙が生ずるように組合わせたレール本体と、第1のレール内部に長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石片を配列して成る磁石列と、磁石列と対向し、永久磁石片の極性に応じた極性の電流が供給されるコイルを備え長手方向に駆動される可動コイルとを備え、可動コイルの端部に一体に成形された駆動カーテンランナが間隙から下方に突出して従動カーテンランナと当接可能にされているカーテンレール構造」が記載されていると認められる。 刊行物2には、段落【0007】〜【0009】及び図1の記載を参照すると、「長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、磁石列と対向し、切り換え給電により永久磁石との間で磁気作用して走行する可動子コイルとからなるリニアモータをアウターレール内に収納し、可動子コイルの端部に一体成型されカーテンフックの一端部を保持する押し引き用カーテンランナがアウターレールの断面の短辺方向の開口から突出しているアウタレールと、リニアモータにより開閉されるカーテンのカーテンライナの走行を案内するガイドレールがアルミニュウムの形材により一体成型されているカーテンレール」が記載されていると認められる。 B.対比・判断 訂正後発明1と、甲第1号証に記載された発明とを比較すると、甲第1号証に記載された発明の「カーテンランナ」、「手動カーテン」、「手動のカーテンランナ」、「電動カーテン」、「従動カーテンランナ」、「第1のランナ案内溝」、「第1のレール内部」、「第2のランナ案内溝」、「第1のレール内部に連通する間隙」、「レール本体」、「永久磁石片」、「可動コイル」、「当接可能にされている」及び「駆動カーテンランナ」は、それぞれの機能に照らし、各々、訂正後発明1の「遊動ランナ」、「第2カーテン」、「第2の遊動ランナ」、「第1カーテン」、「第1の遊動ランナ」、「第2の開口部」、「駆動ランナを収容する凹部」、「第1の開口部」、「第3の開口部」、「カーテンレール」、「永久磁石」、「駆動ランナ」、「係合する」及び「掛止部」に相当するから、両者は、第1カーテンと第2カーテンとを垂下させ、第1カーテンを電動開閉させるカーテンレール構造であって、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成された遊動ランナであって、第1カーテンと第2カーテンとがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナと第2の遊動ランナと、略下端に第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部とが設けられたカーテンレールであって、第1の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第1の遊動ランナの頸部を挟持して案内させ、第2の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第2の遊動ランナの頸部を挟持して案内させるカーテンレールと、カーテンレール内に配置され、該カーテンレールの長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、磁石列と対向し、該磁石列の永久磁石との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイルを備える駆動ランナであって、下端に掛止部が形成された駆動ランナと、を備え、駆動ランナの掛止部が、カーテンレールの第3の開口部から突出して第1の遊動ランナと係合し、カーテンレールがアルミの押し出しにより成形されているカーテンレールの構造の点で一致し、下記の点で相違している。 a.カーテンレールが、訂正後発明1では、一体に成形されているのに対し、刊行物1に記載された発明では、従動カーテンランナを案内する第2の案内溝を設けた第2のレールと、内部にリニアモータを収容し、可動コイルの端部に一体に成形された駆動カーテンランナが下方に突出するための間隙を形成する第1のレールの二部材からなっている点。 b.第3の開口部が、訂正後発明1では、駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口して設けられているのに対し、刊行物1に記載された発明では、そのような限定がない点。 c.駆動ランナの掛止部が、第1の遊動ランナと係合するために、訂正後発明1では、駆動ランナの掛止部が通孔を有しているのに対し、刊行物1に記載された発明では、当接係合しているだけで、駆動カーテンランナが、従動カーテンランナと係合する通孔を有していない点。 しかしながら、刊行物2には、リニアモータを収納し、可動子コイル(訂正後発明1の「駆動ランナ」に相当)の端部に一体成型されカーテンフックの一端部を保持する(訂正後発明1の「第1カーテンを掛止し」に相当)押し引き用カーテンランナ(訂正後発明1の「掛止部」に相当)が断面の短辺方向の開口から突出しているアウタレール(訂正後発明1の「駆動ランナを収容する凹部」に相当)と、リニアモータにより開閉されるカーテン(訂正後発明1の「第1カーテン」に相当)のカーテンライナ(訂正後発明1の「第1の遊動ランナ」に相当)の走行を案内するガイドレール(訂正後発明1の「第1の開口部」に相当)がアルミニュウムの形材により一体成型されているカーテンレール」が記載されており、これを、刊行物1に記載された発明の第2の案内溝を設けたレールと、内部にリニアモータを収容し、駆動カーテンランナが突出する間隙を形成するレールの二部材からなるものに代えて採用し、上記相違点a及びbにおける訂正後発明1の構成に対応する構成とすることは、当業者が適宜なし得ることにすぎない。 また、上記相違点cにおける訂正後発明1の駆動ランナの掛止部が、第1の遊動ランナと係合する通孔を有しているのは、駆動ランナの動きに第1の遊動ランナを従動させるためであり、同様な技術は、遊動ランナに通孔を設けてカーテンのフックを係合し、ランナの動きにカーテンを従動させているように、周知技術にすぎず、刊行物1に記載された発明の当接係合に代えて駆動カーテンランナが、従動カーテンランナと係合する通孔を有するようにすることは、当業者が適宜なし得ることにすぎない。 したがって、訂正後発明1は、刊行物1および2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、訂正後発明2では、訂正後発明1を引用し、さらに「前記第1遊動ランナと前記第2遊動ランナとに同一形状の遊動ランナを用いた」という限定構成を付加しているが、刊行物1には、第11頁第19,20行に「先頭のカーテンランナ23は横方向に突出した突出部24を有し、・・」と記載されており、第1図を参照すると、先頭のカーテンランナ以外は手動のカーテンランナ26も同一形状のランナを用いていると解されるから、訂正後発明1の検討を加味すると、訂正後発明2も、刊行物1および2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正後発明1及び2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件訂正後発明1及び2の特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 カーテンレール構造 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1カーテンと第2カーテンとを垂下させ、第1カーテンを電動開閉させるカーテンレール構造であって、 上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成された遊動ランナであって、前記第1カーテンと第2カーテンとがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナと第2の遊動ランナと、 略下端に第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部とが設けられたカーテンレールであって、第1の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第1の遊動ランナの頸部を挟持して案内させ、第2の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第2の遊動ランナの頸部を挟持して案内させるカーテンレールと、 前記カーテンレール内に配置され、該カーテンレールの長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、 前記磁石列と対向し、該磁石列の永久磁石との間で磁気作用して画線駆動されるように通電されるコイルを備える駆動ランナであって、下端に掛止部が形成された駆動ランナと、を備え、 前記駆動ランナの掛止部が、前記カーテンレールの第3の開口部から突出して前記第1の遊動ランナと係合する通孔を有し、 前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、 前記カーテンレールがアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とするカーテンレール構造。 【請求項2】 前記第1遊動ランナと前記第2遊動ランナとに同一形状の遊動ランナを用いたことを特徴とする請求項1のカーテンレール構造。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、第1のカーテンと第2のカーテンとを支持し、第1のカーテンをリニアモータにより電動開閉させると共に、第2のカーテンを手動開閉させるカーテンレール構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車の窓に外部からの日光と視線とを遮るためカーテンが設けられることがある。この中には、外部からの日光及び視線を完全に遮るための厚手のカーテンと、外部からの日光を弱めるためのレース等の薄手のカーテンとの2種類のカーテンを備え、この厚手のカーテンについてはリニアモータを用いて電動開閉するタイプのものがある。 【0003】この2枚のカーテンを開閉するカーテンレール構造の従来の構成について図5を参照し説明する。このカーテンレール構造では、カーテンレールが、第1カーテンレール110と第2カーテンレール120とから構成される。第1カーテンレール110には、極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列112と、該磁石列112の永久磁石との間で磁気作用して駆動される駆動ランナ114とが収容されている。この第1カーテンレール110の下端には第1開口部110aが形成されて、この第1開口部110aから、該駆動ランナ114の下端に取り付けられた掛止部115が突出されている。また、該第1開口部110aには、内側を指向し対向する一対の凸部110b、110bが形成され、該凸部110b、110bに第1遊動ランナ130の頸部130aを挟持させることにより該第1遊動ランナ130を案内させている。第1遊動ランナ130には、駆動ランナ114により搬送される厚手の第1カーテン140が取り付けられている。 【0004】他方、第2カーテンレール120の略下端には、上記第1カーテンレール110の第1開口部110aと並列に第2開口部120aが設けられ、該第2開口部120aに形成された内側を指向し対向する一対の凸部120bに第2遊動ランナ132の頸部132aを挟持させることにより、該第2遊動ランナ132が案内されている。この第2遊動ランナ132には、手動で開閉される薄手の第2カーテン142が取り付けられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記構成に係るカーテンレール構造では、第1カーテン140の引き残し量を抑えるために第1開口部110aの開口巾を小さくする必要があった。即ち、第1カーテンレール110に設けられた第1開口部110aには、駆動ランナ114の掛止部115を通すと共に、第1遊動ランナ130の頸部130aを挟持させるため、該第1開口部110aの開口巾(図中に示すα)を大きくすると第1遊動ランナ130を大きくしなければならないため、第1カーテン140の引き残しが大きくなるという問題があった。更に、この第1遊動ランナ130による第1カーテン140の引き残しについて図6を参照して説明する。図6は自動車の窓ガラス70に取り付けられたカーテンレール110を示し、ここでは該カーテンレール110に支持される第1遊動ランナ130に吊り下げられた第1カーテン140と、第2遊動ランナ132に吊り下げられた第2カーテン142とが開放された状態を表している。ここで第1遊動ランナ130には摺動径(頸部130aの直径)が7mmのものが、また、第2遊動ランナ132には摺動径が4mmのものが用いられている。図に示すように第1遊動ランナ130の摺動径を大きくして第1遊動ランナ130を大きくすると、第1カーテン140の全開状態において、隣接する第1遊動ランナ130の幅に相当する量引き残しが生じることになる。このため従来の構成では、第1遊動ランナ130の摺動径を約7mmに設定していた。 【0006】他方、上記要請とは反対にカーテンレールを成形する上では第1開口部110aの開口巾を大きくすることが要求された。即ち、第1遊動ランナ130を案内する第1開口部110aと、第2遊動ランナ132を案内する第2開口部120aとを有するカーテンレールを、アルミ押し出しにより一体に成形するためには、型強度の関係から少なくとも第1開口部110aの開口巾αを10mm以上にする必要がある。しかしながら、上述したように第1カーテン140の全開状態における引き残しを小さくするよう、第1遊動ランナ130に摺動径が7mmのものを選択し、これに合わせて第1開口部110aの開口巾を7mmに設定してあるため、上記構成ではカーテンレールを一体に成形することができなかった。このため従来の構成では、第1開口部110aと嵌合部110cとを有する第1カーテンレール110と、第2開口部120aと嵌合部120cとを有する第2カーテンレール120とを別々に成形し、上記嵌合部110c及び嵌合部120cを嵌め合わせることにより、カーテンレールを形成していた。 【0007】また更に、上述したように第1開口部110aの開口巾を可能な限り小さくすることにより、第1遊動ランナ130の摺動径を小さくし、第1カーテン140の引き残し量を少なくしているものの、第1開口部110aの開口巾は、型強度の関係から第2開口部120aの開口巾よりも大きくする必要があった(上記構成では、第2開口部120aが約4mmであるのに対して第1開口部は7mmに設定されている)。このように、第1開口部110aが第2開口部120aの開口巾よりも大きく設定されているため、必然的に第1遊動ランナ130が第2遊動ランナ132よりも大きくなり、図6に示すように第1カーテン140の方が第2カーテン142に比して引き残しが大きくなり、窓を広く開けることができないばかりか、第1カーテン140と第2カーテン142との引き残し量が異なるため、ユーザに余り良い印象を与え得なかった。 【0008】本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、第1カーテン及び第2カーテンを吊り下げるカーテンレールが押し出しによる一体成形可能なカーテンレール構造を提供することにある。また、本発明の目的は、第1カーテンの全開時の引き残し量を小さくし得るカーテンレール構造を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、第1カーテン40と第1カーテン42とを垂下させ、第1カーテン40を電動開閉させる本発明のカーテンレール構造では、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部30a、32aの形成された遊動ランナであって、前記第1カーテン40と第1カーテン42とがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナ30と第1の遊動ランナ32と、略下端に第1の開口部10aと、第2の開口部10bと、第3の開口部10cと、該第3の開口部10cから掛止部15が突出するように駆動ランナ14を収容する凹部とが設けられたカーテンレール10であって、第1の開口部10aに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10dに第1の遊動ランナ30の頸部30aを挟持して案内させ、第2の開口部10bに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10eに第2の遊動ランナ32の頸部32aを挟持して案内させるカーテンレール10と、前記カーテンレール10内に配置され、該カーテンレール10の長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石13を配置して成る磁石列12と、前記磁石列12と対向し、該磁石列12の永久磁石13との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイル62を備える駆動ランナ14であって、下端に掛止部15が形成された駆動ランナ14と、を備え、前記駆動ランナ14の掛止部15が、前記カーテンレール10の第3の開口部10cから突出して前記第1の遊動ランナ30と係合する通孔15aを有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレール10がアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とする。 【0010】 【作用】従来、カーテンレールに設けられた第1の開口部(第1遊動ランナ案内部)に、第1の遊動ランナと駆動ランナの掛止部とを通しているため、第1の遊動ランナの大型化を避けるように該開口部の開口巾を小さくしていた。このため、第1の開口部(第1遊動ランナ案内部)と第2の開口部(第2遊動ランナ案内部)とを有するカーテンレールを一体に形成することができなかった。これに対して、上記のように構成されたカーテンレール構造では、第1の開口部10a(第1遊動ランナ案内部)と第2の開口部10b(第2遊動ランナ案内部)とは別に、カーテンレール10に駆動ランナ14の掛止部15を通すための第3の開口部10cを更に設け、この第3の開口部10cから突出させた駆動ランナ14の掛止部15に第1の遊動ランナ30を掛止させる。そして、駆動ランナ14のコイル62に選択的に通電することにより駆動ランナ14を駆動し、第1遊動ランナ30に吊り下げられた第1カーテン40を電動開閉する。この第3の開口部10cは、第1の遊動ランナ30を挟持させないので開口巾を大きくすることができるため、カーテンレール10をアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形することが可能となる。 【0011】 【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図を参照して説明する。図4は、自動車の窓ガラス70に取り付けられた本実施例のカーテンレール10を示している。カーテンレール10には、厚手の第1カーテン40を吊り下げる第1遊動ランナ30と、薄手の第2カーテン42を吊り下げる第2遊動ランナ32とが案内されるようになっている。そして、第1カーテン40を吊り下げる第1遊動ランナ30は、後述するリニアモータにより駆動され、他方、第2カーテン42を吊り下げる第2遊動ランナ32は、手動により送られるように構成されている。このカーテンレール10の構造について更に図1を参照して説明する。 【0012】図1は、本発明のカーテンレール10の断面を示している。カーテンレール10は、アルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されている。該カーテンレール10の下端には、第1開口部10aと第2開口部10bと第3開口部10cとが形成されている。該第1開口部10aには、内側を指向し対向する一対の凸部10d、10dが形成され、これら凸部10d、10dに第1遊動ランナ30の頸部30aを挟持させることにより該第1遊動ランナ30を案内させている。第1遊動ランナ30は、S字状の金具44を介して第1カーテン40を吊り下げている。同様に、第2開口部10bには、一対の凸部10e、10eが形成され、これら凸部10e、10eに頸部32aを挟持させることにより第2遊動ランナ32を案内させている。第2遊動ランナ32は、S字状の金具46を介して第2カーテン42を吊り下げている。他方、第3開口部10cは、駆動ランナ14の下端に取り付けられた掛止部15を突出させるようになっている。なお、この実施例では、第1遊動ランナ30及び第2遊動ランナ32に摺動径(頸部30a、32aの直径)4mmの同一形状のものが用いられており、これに合わせて第1開口部10a及び第2開口部10bの開口巾を4mmに設定している。なお、図4に示す複数の第1遊動ランナ30の内の左端のもの(図1中に示す第1遊動ランナ30)には、頸部30aの下の鍔部30bが側方へ延在するように形成されており、上記駆動ランナ14の下端に取り付けられた掛止部15と係合されている。これにより、遊動ランナ14が移動する際に、これと連動して当該第1遊動ランナ30が送られる。 【0013】他方、カーテンレール10の左側壁10fには、側方を指向する鍵状の係止部10g、10gが形成され、この係止部10g、10gと係合するコ字状の保持部材52によって磁石列12が保持されている。また、この磁石列12とカーテンレール10の左側壁10fとの間にはヨーク54が介挿されている。他方、このコ字状の保持部材52の外側には、断面がコ字状に形成された駆動ランナ14が配置され、該駆動ランナ14は、該保持部材52の上を図の垂直方向に摺動するように構成されている。一方、カーテンレール10の右側壁10hには側方を指向する鍵状の係止部10i、10iが形成され、この係止部10i、10iにより駆動ランナ14への通電を制御する制御基板80が保持され、該制御基板80に取り付けられた一対のブラシ82、82を介して駆動ランナ14側へ電力が供給されるようになっている。 【0014】ここで、磁石列12及び駆動ランナ14について図2及び図3を参照して更に詳細に説明する。図2(A)は駆動ランナ14の側面図であり、図2(B)は図2(A)のC-C断面図であり、また、図3は図1に示す磁石列12及び駆動ランナ14のD矢視図である。図2(A)に示すように駆動ランナ14の内部には一対のコイル62、62が配置され、該コイル62、62のほぼ中央位置にはホール素子から成る磁性センサ64、64が配設されている。図2(B)に示すように駆動ランナ14の側面には受電端子66、66が配置され、図1を参照して上述した制御基板80に取り付けられた一対のブラシ82と接触して、該駆動ランナ14側への受電を可能にしている。コイル62、62の裏面にはヨーク68が配置され、図1を参照して前述した磁石列12及び磁石列側ヨーク54と、該ヨーク68との間で磁気回路が構成されるようになっている。他方、該駆動ランナ14の下端には、左下方向に突出する掛止部15が取り付けられており、該掛止部15の略中央位置には第1遊動ランナ30と係合するための通孔15aが穿設されている。 【0015】図3に示すように磁石列12は、カーテンレール10の長手方向に沿って極性が交互になるよう配置された永久磁石13から成る。一方、図2(B)に示すコ字状に形成された駆動ランナ14では、上側の側方突出部の下面14aと、下側の側方突出部の上面14bとが、図1を参照して前述した磁石列12の保持部材52の上端面及び下端面を摺動可能に挟持し、該駆動ランナ14が当該保持部材52上を摺動するよう構成されている。このとき、図3に示すよう該駆動ランナ14によってコイル62、62は、それぞれの永久磁石13と対向するよう位置決めされる。 【0016】次に、本実施例のカーテンレール構造の動作について図1、3、4を参照して説明する。図4に示す第1カーテン40の全開状態から開閉スイッチ(図示せず)を閉側に切り換えることにより、図1に示す制御基板80からブラシ82、82を介して駆動ランナ14の受電端子66、66へ電流が供給される。駆動ランナ14の磁性センサ64、64は、コイル62、62と対向する永久磁石13の磁性を検出しており、この検出した永久磁石13の磁性に従い上記電流は切り換えられて該コイル62、62へ給電される。これにより当該コイル62、62と永久磁石13との間にフレミング左手の法則に従い駆動力が発生して、該駆動ランナ14を図3中の左方向へ駆動し、第1カーテン40を全閉させる。他方、上記開閉スイッチを開側に切り換えることにより、駆動ランナ14が右方向へ駆動され、第1カーテン40が図4に示すように全開される。 【0017】この実施例では、第1遊動ランナ30を案内する第1開口部10aとは別に、カーテンレール10に駆動ランナ14の掛止部15を通すための第3開口部10cを設け、第1開口部10aには第1遊動ランナ30のみを案内する構成としたため、該第1開口部10aの開口巾を小さくすることが可能となった。これに伴い第1開口部10aに案内される第1遊動ランナ30を小型化できる。更に、第1遊動ランナ30と第2遊動ランナ32とに同形状の遊動ランナを用いることによって、図4に示すように第1カーテン40と第2カーテン42との引き残し量を同じにして全開時のカーテンの外観を良くしてある。 【0018】また本実施例のカーテンレール構造では、上述したように第1開口部10aと第2開口部10bとは別に、カーテンレール10に駆動ランナ14の掛止部15を通すための第3開口部10cを更に設け、この第3開口部10cには第1遊動ランナ30を挟持させないようにした。このように構成することにより、該第3開口部10cの開口巾を10mmと大きくし、カーテンレールのアルミ押し出しによる一体成形を可能にした。このため、カーテンレールを2分割して成形して接合した従来のものに対して、本実施例では、カーテンレールを一体成形するため製造コストを低減させ得る。 【0019】なお、上述した実施例では、本発明のカーテンレール構造を車両に適用する例について説明したが、本発明は、ビル等の他の用途のカーテンレール構造にも適用し得ることは言うまでもない。 【0020】 【効果】以上記述したように本発明のカーテンレール構造では、第1遊動ランナの外寸を小さくできるため、第1カーテンの引き残し量が少なくなり、窓ガラスを大きく開口させることが可能となる。また、第1遊動ランナと第2遊動ランナとに同じ形状の遊動ランナを用いることにより、第1カーテンと第2カーテンとの引き残し量を同じにすることができるため、カーテンの外観を良くすることが可能となる。更に、本発明ではカーテンレールをアルミ又はアルミ合金で一体成形するため、製造コストを低減できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例に係るカーテンレール構造の断面図である。 【図2】 駆動ランナの側面図及びC-C断面図である。 【図3】 図1のD矢視図である。 【図4】 本実施例のカーテンレール10による第1カーテンと第2カーテンとの開放状態を示す側面図である。 【図5】 従来技術に係るカーテンレール構造の断面図である。 【図6】 従来技術のカーテンレール構造による第1カーテンと第2カーテンとの開放状態を示す側面図である。 【符号の説明】 10 カーテンレール 10a 第1開口部 10b 第2開口部 10c 第3開口部 12 磁石列 14 駆動ランナ 15 掛止部 30 第1遊動ランナ 32 第2遊動ランナ 40 第1カーテン 42 第2カーテン |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 特許第3036381号の明細書を、特許請求の範囲の減縮を目的として訂正事項a、のように、また、訂正事項aに関連してなされた明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項bのように訂正する。 訂正事項a:特許請求の範囲の【請求項1】を、次のように訂正する。 「 第1カーテンと第2カーテンとを垂下させ、第1カーテンを電動開閉させるカーテンレール構造であって、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部の形成された遊動ランナであって、前記第1カーテンと第2カーテンとがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナと第2の遊動ランナと、略下端に第1の開口部と、第2の開口部と、第3の開口部と、該第3の開口部から掛止部が突出するように駆動ランナを収容する凹部とが設けられたカーテンレールであって、第1の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第1の遊動ランナの頸部を挟持して案内させ、第2の開口部に形成された内側を指向し対向する一対の凸部に第2の遊動ランナの頸部を挟持して案内させるカーテンレールと、前記カーテンレール内に配置され、該カーテンレールの長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石を配置して成る磁石列と、前記磁石列と対向し、該磁石列の永久磁石との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイルを備える駆動ランナであって、下端に掛止部が形成された駆動ランナと、を備え、前記駆動ランナの掛止部が、前記カーテンレールの第3の開口部から突出して前記第1の遊動ランナと係合する通孔を有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレールがアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とするカーテンレール構造。」 訂正事項b:明細書の段落【0009】の記載を、次のように訂正する。 「【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、第1カーテン40と第1カーテン42とを垂下させ、第1カーテン40を電動開閉させる本発明のカーテンレール構造では、上部鍔部と下部鍔部との間に頸部30a、32aの形成された遊動ランナであって、前記第1カーテン40と第1カーテン42とがそれぞれ吊下される第1の遊動ランナ30と第1の遊動ランナ32と、略下端に第1の開口部10aと、第2の開口部10bと、第3の開口部10cと、該第3の開口部10cから掛止部15が突出するように駆動ランナ14を収容する凹部とが設けられたカーテンレール10であって、第1の開口部10aに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10dに第1の遊動ランナ30の頸部30aを挟持して案内させ、第2の開口部10bに形成された内側を指向し対向する一対の凸部10eに第2の遊動ランナ32の頸部32aを挟持して案内させるカーテンレール10と、前記カーテンレール10内に配置され、該カーテンレール10の長手方向に沿って極性が交互になるよう永久磁石13を配置して成る磁石列12と、前記磁石列12と対向し、該磁石列12の永久磁石13との間で磁気作用して直線駆動されるように通電されるコイル62を備える駆動ランナ14であって、下端に掛止部15が形成された駆動ランナ14と、を備え、前記駆動ランナ14の掛止部15が、前記カーテンレール10の第3の開口部10cから突出して前記第1の遊動ランナ30と係合する通孔15aを有し、前記第3の開口部が前記カーテンレールの前記駆動ランナを収容する凹部の断面の短辺方向を開口し、前記カーテンレール10がアルミ又はアルミ合金の押し出しにより一体に成形されていることを特徴とする。」 |
異議決定日 | 2001-04-17 |
出願番号 | 特願平6-298839 |
審決分類 |
P
1
651・
55-
ZA
(A47H)
P 1 651・ 121- ZA (A47H) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 南澤 弘明、片山 輝伸 |
特許庁審判長 |
佐田 洋一郎 |
特許庁審判官 |
鈴木 憲子 伊波 猛 |
登録日 | 2000-02-25 |
登録番号 | 特許第3036381号(P3036381) |
権利者 | トヨタ車体株式会社 |
発明の名称 | カーテンレール構造 |
代理人 | 加藤 壯祐 |
代理人 | 田下 明人 |
代理人 | 田下 明人 |
代理人 | 加藤 壮祐 |