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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G03G
審判 全部申し立て 発明同一  G03G
管理番号 1046843
異議申立番号 異議1999-72351  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-06-16 
確定日 2001-09-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第2838891号「電子写真感光体」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2838891号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2838891号に係る特許発明は、昭和63年4月19日の出願であって、平成10年10月16日に設定登録がなされ、その後、東谷満、山梨電子工業株式会社、富士電機株式会社、福島祐二、及びコニカ株式会社よりそれぞれ特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年12月27日に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、それに対する特許異議意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
2.1 訂正明細書の請求項1に係る発明
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「訂正発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。
「【請求項1】 導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層は浸漬塗布法により塗布され、該感光体が感光体としての量子効率ηと電場Eとの関係を下記式(1)で表された場合にnが0.5以下であり、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μm以上60μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
η=η0En ・・・(1)
(但し、ηは感光体としての量子効率、Eは電場、η0は定数を示す。)」

2.2 訂正拒絶理由の概要
当審は、訂正請求に対して、概略以下のとおりの訂正拒絶理由を通知した。
『 訂正発明は、「引用例1:「日本写真学会誌第50巻第1号」S62.2.28、社団法人日本写真学会発行、第3〜13頁(取消理由2.の刊行物1:申立人東谷満の提出した甲第1号証参照)」、及び、「引用例2:特開昭62-99762号公報」にそれぞれ記載された発明と同一であるから特許法第29条第1項第3号の規定により独立して特許を受けることができない。また、「引用例3:特願昭61-291638号(特開昭63-144359号)(取消理由3.の引用例10:申立人コニカ株式会社の甲第10号証参照)」、及び、「引用例4:特願昭62-148905号(特開昭63-313162号)(取消理由3.の引用例12:申立人コニカ株式会社の甲第12号証参照)」の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であるから特許法第29条の2の規定により独立して特許を受けることができない。
以上のとおり、訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件訂正請求は、特許法第12条の4第3項で準用する特許法第126条第4項に違反するので、当該訂正は認められない。 』

そして、前記訂正拒絶理由には、引用例2〜4に示された感光体の量子効率の電場依存性nが0.5以下であることを示す文献として、『電子写真学会誌 第27巻第4号』p539〜546」(コニカ株式会社の提出した甲第8号証参照)が引用されている。

2.3 特許法第29条第1項第3号違反について
ア.訂正発明と引用例1との対比判断
《引用例1の記載事項》
当審が通知した訂正拒絶理由に引用した引用例1には以下の事項が記載されている。
(a) 電子写真に使用される感光体に関するものである。
(b) 第4頁左欄第3〜5行に「この様にOPCがPPC用感光体として急速に普及したのは、感度や耐刷性の向上と共に塗布による製造が可能で量産性があり、」と記載されている。
(c) 第6頁左欄下から1行〜右欄第9行の「4.3.2積層型感光体」の項に、「積層型感光体はCGMとCTMを別々の層、電荷キャリヤー生成層(CGL)と電荷キャリヤー輸送層(CTL)に分離し、積層した感光体で、単層型感光体に比べて性能面で優れているためOPC感光体の主流となっている。CGLは通常1μm以下、CTLは10〜30μmの膜厚であり、膜厚の薄いCGLを保護するために、導電性支持体上にCGL、CTLの順に積層することが多い。」と記載されている。
(d) また、第9頁右欄第6〜15行に、「注入効率はさらにCGMの粒子の状態、CGLとCTLの界面状態や電場、温度にも依存する。感光体の性能としては、注入効率の電場や温度に対する依存性が小さいことが望ましい。この様なCGMも既に開発されており、例えば図-9に示すようにCGMにアゾ顔料(18)を用いた感光体は、代表的なアゾ系CGMであるクロルジアンブルー(9)を用いた場合に比べ、生成効率も含めた光注入効率の電場依存性と温度依存性が小さく、種々の環境条件下でも安定した感度を示す感光体として使われている。」と記載されている。そして図-9を参照すると、CGM(18)の光注入効率(縦軸)と電場(横軸)とを対数-対数プロットしたグラフが示されており、そのプロットを直線として近似したときの傾きが電場依存性を表している。ここで、CGM(18)は、第7頁左欄の「図-6 ビスアゾ顔料の例」に、構造式が記載されているように、訂正発明の実施例1で用いているビスアゾ化合物I と同じ化合物である。よって、前記傾き(電場依存性)を、感光体として通常使用される電場域であって、訂正発明でも用いられている1×105v/cmから5×105v/cmの範囲で求めると、0.5以下であることがわかる。
これらの記載から、引用例1には、「導電性支持体の上にCGMを含有する電荷キャリヤー生成層(CGL)とCTMを含有する電荷キャリヤー輸送層(CTL)とを積層してなる積層型感光体において、該感光体が生成効率も含めた光注入効率の電場依存性が0.5以下であり、かつ前記電荷キャリヤー輸送層の膜厚が10〜30μmである感光体」(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

《対比・判断》
引用発明1と訂正発明とを対比すると、
引用例1の前記摘記事項(d) と、本件特許公報第2頁第4欄第48行〜第3頁第5欄第3行「感光体としての量子効率とは、感光体を露光するため入射した光量子1ケに対してその光で励起され発生したキャリアーが移動して中和した感光体表面の電荷の個数の比で表わされるものであり、ゼログラフィー利得、光注入効率とも呼ばれている。」及び第3頁第5欄第35〜39行「積層型感光体の量子効率は電荷発生層での電荷発生効率及び電荷発生層から電荷移動層への注入の効率によって決まるが、」に記載の「感光体としての量子効率η」の説明、とを参酌すると、引用発明1の「生成効率も含めた光注入効率」は、訂正発明の「感光体としての量子効率η」と同義と認められる。
また、本件特許公報の第3頁第5欄第23〜27行には「量子効率の電場依存性の形を一義的に決めることは難しいが、本発明では電場と量子効率を対数-対数プロットし、直線として近似したときの傾きで表すこととする。この傾きは量子効率を電場のベキ乗で表した場合のベキ数に相当する。」と記載されており、このことは、量子効率の電場依存性を前記傾きで表しており、さらに前記傾きが量子効率ηと電場との関係を(1)式で表した場合のnの値に相当することを意味していることから、前記傾き又は前記nの値がいずれも量子効率の電場依存性を表していることを示している。
したがって、引用発明1の「生成効率も含めた光注入効率の電場依存性」が訂正発明の「感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1)で表された場合のn」に相当する。
そして、引用発明1における「導電性支持体」、「CGM」、「電荷キャリヤー生成層(CGL)」、「CTM」、「電荷キャリヤー輸送層(CTL)」、「積層型感光体」、及び「感光体」が、それぞれ訂正発明における「導電性支持体」、「有機電荷発生物質」、「電荷発生層」、「有機電荷移動物質」、「電荷移動層」、「積層型有機電子写真感光体」、及び「電子写真感光体」に相当し、また、引用発明1の膜厚10〜30μmは訂正発明の膜厚25μm以上60μm以下である範囲とは25μm以上30μm以下である範囲で一致するから、両者は、表現は相違するが「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該感光体が感光体としての量子効率ηと電場Eとの関係を式(1)で表された場合にnが0.5以下であり、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μm以上30μm以下である電子写真感光体」で一致し、以下の点で相違する。
相違点1: 電荷移動層が、訂正発明では浸漬塗布法により塗布されているのに対し、引用発明1では電荷移動層の塗布法については明示されていない点。

そこで、前記相違点1について検討する。
引用例1の前記摘記事項(b) に「この様にOPCがPPC用感光体として急速に普及したのは、感度や耐刷性の向上と共に塗布による製造が可能で量産性があり、」と記載されているように、引用発明1においても周知のいずれかの塗布方法が用いられているものとして理解すべきである。そして、浸漬塗布法は周知の塗布方法であって、しかも特殊な塗布方法ではなく塗布方法の代表的なものの1つであるから、浸漬塗布法を排除すべき特段の事情があるものとはいえない以上、引用発明1においても浸漬塗布法が用いられている場合も含まれるものとして理解するのが妥当である。
よって、電荷移動層の塗布方法が引用例1に明示されていないことが実質的な相違とは認められない。
したがって、訂正発明は、引用例1に記載された発明であると認められるから、特許法第29条第1項第3号の規定により独立して特許を受けることができないものである。

イ.訂正発明と引用例2との対比判断
《引用例2の記載事項》
当審が通知した訂正拒絶理由に引用した引用例2には以下の事項が記載されている。
(e) 第1頁左下欄第15行〜右下欄第1行に「本発明は…電子写真感光体に関する。」、
(f) 第1頁右下欄第15〜16行に「有機感光体は導電性支持体、電荷発生層および電荷移動層の順に積層して構成される」、
(g) 第4頁左上欄第10行目に、「電荷移動層の厚さは5〜30μ程度である。」、
(h) 第4頁右上欄第2行〜第5頁左上欄には実施例1が記載されており、アルミニウムシリンダーの上に第4頁右上欄に示された構造式で表される有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と第4頁左下欄に示された構造式で表される有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層し、電荷移動層を浸漬塗工により膜厚24μmに形成した電子写真感光体が記載されている。
なお、前記実施例1には膜厚の24μmという数値のものが示されているものの、摘記事項(g) に記載されるごとく電荷移動層の厚さは5〜30μm程度に形成することを前提とするものであって、引用例2における発明を24μmという数値のものに限定すべきものとはいえない。
よって、これらの記載から、引用例2には「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる電子写真感光体において、該電荷移動層は浸漬塗布法により塗布され、かつ前記電荷移動層の厚さが5〜30μm程度である電子写真感光体。」(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

《対比・判断》
引用発明2と訂正発明とを対比すると、
引用発明2における「電子写真感光体」が訂正発明における「積層型有機電子写真感光体」及び「電子写真感光体」に相当し、また、引用発明2の膜厚5〜30μmは訂正発明の膜厚25μm以上60μm以下である範囲とは25μm以上30μm以下である範囲で一致するから、両者は、「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層は浸漬塗布法により塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μm以上30μm以下である電子写真感光体。」で一致し、以下の点で相違する。
相違点2: 訂正発明では、感光体が感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1) で表された場合にn(電場依存性)が0.5以下であるのに対し、
引用発明2では前記nの値については記載されていない点。

そこで、前記相違点について検討すると、
本件特許公報の第3頁第5欄第23〜27行には、「量子効率の電場依存性の形を一義的に決めることは難しいが、本発明では電場と量子効率を対数-対数プロットし、直線として近似したときの傾きで表すこととする。この傾きは量子効率を電場のベキ乗で表した場合のベキ数に相当する。」と記載されており、このことは、量子効率の電場依存性を前記傾きで表しており、さらに前記傾きが量子効率ηと電場との関係を(1)式で表した場合のnの値に相当することを意味していることから、前記傾き又は前記nの値がいずれも量子効率の電場依存性を表していることを示している。
また、訂正拒絶理由で引用した「『電子写真学会誌 第27巻第4号』p539〜546」(コニカ株式会社の提出した甲第8号証参照)には、第539頁右欄下から4行〜第540頁左欄第2行に、量子効率が積層型感光体では慣用的に Photoinjection efficiency(PIE)と称されることが記載されており、第542頁Fig.5に、引用例2の実施例1に記載された感光体と同一の電荷発生物質(CG-3)、電荷移動物質(CT-4)を用いて形成された積層型有機感光体の Photoinjection efficiency(PIE)と電界との両対数プロット図が示されている。そして、訂正発明と同様の電場域1×105v/cmから5×105v/cmの範囲で、PIEと電場との対数-対数プロットを直線近似してその傾きを求めると、明らかに0.5以下であることが読みとれる。
ここで、PIEが訂正発明の量子効率に相当し、前記の傾きが量子効率の電場依存性に相当するから、前記の傾きが本件発明のnの値に相当する。
それ故、これらのことから引用例2の実施例1の感光体の量子効率の電場依存性nは0.5以下であるものと認められるから、相違点2は実質的な相違点とは言えない。
よって、訂正発明は引用例2に記載された発明であると認められるから、特許法第29条第1項第3号の規定により独立して特許を受けることができないものである。

2.4 特許法第29条の2違反について
《引用例3の記載事項》
当審が通知した訂正拒絶理由に引用した引用例3には以下の事項が記載されている。
(i) 第3頁左上欄第1〜6行に、「本発明の電子写真感光体の層構成は、第1図に示すとおり、支持体1、ニッケルよりなる導電層2、…電荷発生層4および電荷輸送層5よりなるものである。」
(j) 第3頁左上欄第13〜19行には、「電荷発生層4は下記構造式(I)の有機顔料を、結着樹脂と有機溶剤中に分散して得られた液を塗布乾燥して得られる。」と記載されており、構造式(I)が示されている。
(k) 第3頁左下欄第15行〜右下欄末行には、実施例1が示されており、前記構造式(I)の有機顔料を含有する電荷発生層と構造式(II′)の化合物を含有する電荷輸送層をディッピング法により塗布乾燥し、25μmの電荷輸送層を形成した電子写真感光体が示されている。
これらの記載から、引用例3には実施例1として、「導電性支持体の上に構造式(I)の有機顔料を含有する電荷発生層と構造式(II′)の化合物を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型電子写真感光体において、該電荷移動層はディッピング法により塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μmである電子写真感光体。」(以下、「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。

《対比・判断》
引用発明3と訂正発明とを対比すると、
引用発明3における「構造式(I)の有機顔料」、「構造式(II′)の化合物」、「積層型電子写真感光体」、及び「ディッピング法」が、それぞれ訂正発明における「有機電荷発生物質」、「有機電荷移動物質」、「積層型有機電子写真感光体」、及び「浸漬塗布法」に相当し、引用発明3の膜厚25μmは、本件発明の膜厚25μm以上60μm以下の範囲に含まれるものであるから、両者は「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層は浸漬塗布法により塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μmである電子写真感光体。」で一致し、以下の点で相違する。
相違点3: 訂正発明では、感光体が感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1)で表された場合にn(電場依存性)が0.5以下であるのに対し、引用発明3では前記nの値については記載されていない点。

そこで、前記相違点について検討すると、
本件特許公報の第3頁第5欄第23〜27行には、「量子効率の電場依存性の形を一義的に決めることは難しいが、本発明では電場と量子効率を対数-対数プロットし、直線として近似したときの傾きで表すこととする。この傾きは量子効率を電場のベキ乗で表した場合のベキ数に相当する。」と記載されており、このことは、量子効率の電場依存性を前記傾きで表しており、さらに前記傾きが量子効率ηと電場との関係を(1)式で表した場合のnの値に相当することを意味していることから、前記傾き又は前記nの値がいずれも量子効率の電場依存性を表していることを示している。
また、訂正拒絶理由で引用した「『電子写真学会誌 第27巻第4号』p539〜546」(コニカ株式会社の提出した甲第8号証参照)には、第539頁右欄下から4行〜第540頁左欄第2行に、量子効率が積層型感光体では慣用的に Photoinjection efficiency(PIE)と称されることが記載されており、第542頁Fig.5に、引用例3の実施例1に記載された感光体と同一の電荷発生物質(CG-3)、電荷移動物質(CT-2)を用いて形成された積層型有機感光体の Photoinjection efficiency(PIE)と電界との両対数プロット図が示されている。そして、訂正発明と同様の電場域1×105v/cmから5×105v/cmの範囲で、PIEと電場との対数-対数プロットを直線近似してその傾きを求めると、明らかに0.5以下であることが読みとれる。
ここで、PIEが訂正発明の量子効率に相当し、前記の傾きが量子効率の電場依存性に相当するから、前記の傾きが訂正発明のnの値に相当する。
それ故、これらのことから引用例3の実施例1の感光体の量子効率の電場依存性nは0.5以下であるものと認められるから、相違点3は実質的な相違点とは言えない。
よって、訂正発明は引用発明3と同一と認められる。
したがって、訂正発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例3の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、訂正発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をしたものと同一であるとも、また、訂正発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、訂正発明は特許法第29条の2の規定により独立して特許を受けることができない発明である。

2.5 むすび
以上のとおりであるから、訂正明細書の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号及び同第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。

3.特許異議の申立についての判断
3.1 本件発明
本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのつぎのものと認める。
「【請求項1】 導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層はスプレー塗布以外の方法で塗布され、該感光体が感光体としての量子効率ηと電場Eとの関係を下記式(1)で表された場合にnが0.5以下であり、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μm以上60μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
η=η0En ・・・(1)
(但し、ηは感光体としての量子効率、Eは電場、η0は定数を示す。)」

3.2 取消理由通知の概要
当審で通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
『1.〈特許法第36条違反について〉
請求項1の記載は、発明の詳細な説明に記載された発明の構成に欠くことのできない事項のみを記載したものとは認められないから、請求項1に係る特許は特許法第36条第4項の規定に違反してなされたものである。
2.〈特許法第29条第1項第3号違反について〉
刊行物1:「日本写真学会誌第50巻第1号」S62.2.28、社団法人日本写真学会発行、第3〜13頁(申立人東谷満の提出した甲第1号証参照)、
本件発明は刊行物1に記載された発明を包含していることから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。
3. 本件請求項1に係る特許は以下の理由により特許法第113条第1項第2号又は第4号の規定により取り消されるべきものである。
引用例1:特開昭63-4264号公報
引用例2:実験成績証明書
引用例3:特開昭57-96345号公報
引用例4:THE PHYSICS AND TECHNOLOGY OF XEROGRAPHIC PROCESSES
引用例5:ゼログラフィーの原理と最適化 コロナ社
引用例6:電子写真学会誌 第25巻第3号 p70〜76
引用例7:実願昭62-154366号(実開平1-59241号)
引用例8:電子写真学会誌 第27巻第4号 p539〜546
引用例9:実験成績証明書
引用例10:特願昭61-291638号(特開昭63-144359号)
引用例11:特願昭62-76036号 (特開昭63-243961号)
引用例12:特願昭62-148905号(特開昭63-313162号)
参考資料1:Uポリマー U-シリーズ 技術資料(I)、ユニチカ(株)
参考資料2:平成7年審判第21441号審決

(1) 本件発明は、引用例1に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。
(2) 本件発明は、引用例3に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。
(3) 本件発明は、引用例4〜6及び引用例1、3から、当業者が容易に達成できた発明と認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(4) 本件発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例7(実願昭62-154366号(実開平1-59241号))の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された考案と同一であると認められ、しかも、本件発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の考案をしたものと同一であるとも、また、本件発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記実用新案登録出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件請求項1に係る特許は特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。
(5) 本件発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例10〜12の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、本件発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をしたものと同一であるとも、また、本件発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件請求項1に係る特許は特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。 』

3.3 特許法第29条第1項第3号違反について
《刊行物1の記載事項》
本件発明に対し、当審が通知した取消理由に引用した刊行物1は、訂正拒絶理由に引用した引用例1と同じものであって、前出の「2.3 ア.《引用例1の記載事項》」で摘記した事項が記載されている。
これらの記載から、刊行物1には、「導電性支持体の上にCGMを含有する電荷キャリヤー生成層(CGL)とCTMを含有する電荷キャリヤー輸送層(CTL)とを積層してなる積層型感光体において、該感光体が生成効率も含めた光注入効率の電場依存性が0.5以下であり、かつ前記電荷キャリヤー輸送層の膜厚が10〜30μmである感光体」(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

《対比・判断》
引用発明1と本件発明とを対比すると、
本件発明は訂正発明と比べて電荷移動層がスプレー塗布以外の方法で塗布されている点で相違するのみであるから、前出の「2.3 ア《対比・判断》」で述べた引用発明1と訂正発明との対比と同様に、両者は、表現は相違するが「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該感光体が感光体としての量子効率ηと電場Eとの関係を式(1)で表された場合にnが0.5以下であり、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μm以上30μm以下である電子写真感光体」で一致し、以下の点で相違する。
相違点4: 電荷移動層が、本件発明では、スプレー塗布以外の方法により塗布されているのに対し、引用発明1では電荷移動層の塗布法については明示されていない点。

そこで、前記相違点4について検討する。
刊行物1の前記摘記事項(b) に「この様にOPCがPPC用感光体として急速に普及したのは、感度や耐刷性の向上と共に塗布による製造が可能で量産性があり、」と記載されているように、引用発明1においても周知のいずれかの塗布方法が用いられているものとして理解すべきである。そして、塗布方法の代表的なものとして、スプレー塗布法及び浸漬塗布法等が用いられていることは周知であるから、スプレー塗布法に限定すべき特段の事情が存在しない以上、引用発明1においても浸漬塗布法等のスプレー塗布法以外の方法が用いられている場合も含まれるものとして理解するのが妥当である。
よって、電荷移動層の塗布方法が引用発明1で明示されていないことが実質的な相違とは認められない。
したがって、本件発明は、刊行物1に記載された発明であると認められるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。

3.4 特許法第29条の2違反について
ア.本件発明と引用例10との対比判断
《引用例10の記載事項》
本件発明に対し、当審が通知した取消理由に引用した引用例10は訂正拒絶理由に引用した引用例3と同じものであって、前出の「2.4 《引用例3の記載事項》」で摘記した事項が記載されている。
これらの記載から、引用例10には実施例1として、「導電性支持体の上に構造式(I)の有機顔料を含有する電荷発生層と構造式(II′)の化合物を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型電子写真感光体において、該電荷移動層はディッピング法で塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μmである電子写真感光体。」(以下、「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。

《対比・判断》
引用発明3と本件発明とを対比すると、
引用発明3における「構造式(I)の有機顔料」、「構造式(II′)の化合物」、「積層型電子写真感光体」、及び「ディッピング法」が、それぞれ本件発明における「有機電荷発生物質」、「有機電荷移動物質」、「積層型有機電子写真感光体」、及び「スプレー塗布以外の方法」に相当し、引用発明3の膜厚25μmは、本件発明の膜厚25μm以上60μm以下の範囲に含まれるものであるから、両者は「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層はスプレー塗布以外の方法で塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μmである電子写真感光体。」で一致し、以下の点で相違する。
相違点5: 本件発明では、感光体が感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1)で表された場合にn(電場依存性)が0.5以下であるのに対し、引用発明3では前記nの値については記載されていない点。

そこで、前記相違点について検討すると、
本件発明は訂正発明とは電荷移動層の塗布法に関する構成が相違するのみであって、その相違する構成に係る本件発明の「電荷移動層はスプレー塗布以外の方法で塗布され、」の構成についても引用発明3は有しているから、本件発明と引用発明3との相違点5は訂正発明と引用発明3との相違点3と同じものである。
よって、本件発明と引用発明3との相違点5の検討は、訂正発明と引用発明3との相違点3の検討と同じものとなり、前出の「2.4 《対比・判断》」で述べたと同じ理由により、本件発明は引用発明3と同一であると認められる。
したがって、本件発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例10の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、本件発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をしたものと同一であるとも、また、本件発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件発明は特許法第29条の2の規定により独立して特許を受けることができない発明である。

イ.本件発明と引用例11との対比判断
《引用例11の記載事項》
本件発明に対し、当審が通知した取消理由に引用した引用例11には以下の事項が記載されている。
第10頁左下欄第13行〜第11頁右上欄第7行には、実施例1として、「導電性支持体上に顔料No1の構造式(第4頁左下欄)のビスアゾ顔料を含有する電荷発生層と第11頁右上欄の構造式のスチルベン系電荷移動剤を含有する電荷移動層とを積層してなる電子写真用感光体が記載されており、電荷移動層はブレード塗布法で塗布され、電荷移動層の膜厚が27μmの電子写真感光体。」(以下、「引用発明4」という)が記載されている。

《対比・判断》
引用発明4と本件発明とを対比すると、
引用発明4における「含量No1の構造式のビスアゾ顔料」、「スチルベン系電荷移動剤」、「電子写真用感光体」、及び「ブレード塗布法」が、それぞれ本件発明における「有機電荷発生物質」、「有機電荷移動物質」、「積層型有機電子写真感光体」、及び「スプレー塗布以外の方法」に相当し、引用発明4の膜厚27μmは、本件発明の膜厚25μm以上60μm以下の範囲に含まれるものであるから、両者は「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層はスプレー塗布以外の方法で塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が27μmである電子写真感光体。」で一致し、以下の点で相違する。
相違点6: 本件発明では、感光体が感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1)で表された場合にn(電場依存性)が0.5以下であるのに対し、引用発明4では前記nの値については記載されていない点。

そこで、前記相違点について検討すると、
本件特許公報の第3頁第5欄第23〜27行には、「量子効率の電場依存性の形を一義的に決めることは難しいが、本発明では電場と量子効率を対数-対数プロットし、直線として近似したときの傾きで表すこととする。この傾きは量子効率を電場のベキ乗で表した場合のベキ数に相当する。」と記載されており、このことは、量子効率の電場依存性を前記傾きで表しており、さらに前記傾きが量子効率ηと電場との関係を(1)式で表した場合のnの値に相当することを意味していることから、前記傾き又は前記nの値がいずれも量子効率の電場依存性を表していることを示している。
また、当審が通知した取消理由に引用した引用例8「『電子写真学会誌 第27巻第4号』p539〜546」(コニカ株式会社の提出した甲第8号証参照)には、第539頁右欄下から4行〜第540頁左欄第2行に、量子効率が積層型感光体では慣用的に Photoinjection efficiency(PIE)と称されることが記載されており、第542頁Fig.5に、引用例11の実施例1に記載された感光体と同一の電荷発生物質(CG-3)、電荷移動物質(CT-2)を用いて形成された積層型有機感光体の Photoinjection efficiency(PIE)と電界との両対数プロット図が示されている。そして、PIEと電界とを両対数プロットし、直線として近似したときの傾きがPIEの電場依存性を表しており、このFif.5において、本件発明と同様の電場域1×105v/cmから5×105v/cmの範囲で、PIEと電場との対数-対数プロットを直線近似してその傾きを求めると、明らかに0.5以下であることが読みとれる。
ここで、PIEが本件発明の量子効率に相当し、前記の傾きが量子効率の電場依存性に相当するから、前記の傾きが本件発明のnの値に相当する。
それ故、これらのことから引用例11の実施例1の感光体の量子効率の電場依存性nは0.5以下であるものと認められるから、相違点6は実質的な相違点とは言えない。
よって、本件発明は引用例11に記載された発明と同一であると認められる。
したがって、本件発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例11の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、本件発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をしたものと同一であるとも、また、本件発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件発明は特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない発明である。

ウ.本件発明と引用例12との対比判断
《引用例12の記載事項》
本件発明に対し、当審が通知した取消理由に引用した引用例12には以下の事項が記載されている。
第4頁右上欄第10行〜右下欄第13行には、電子写真感光体の実施例として、「導電性支持体上に構造式(I)の化合物を含有する電荷発生層と構造式(II)の化合物を含有する電荷輸送層とを積層してなる電子写真感光体が記載されており、電荷輸送層はノズルコート法で塗布され、電荷輸送層の膜厚が25μmの電子写真感光体。」(以下、「引用発明5」という)が記載されている。

《対比・判断》
引用発明5と本件発明とを対比すると、
引用発明5における「構造式(I)の化合物」、「構造式(II)の化合物」、「電子写真感光体」、「電荷輸送層」、及び「ノズルコート法」が、それぞれ本件発明における「有機電荷発生物質」、「有機電荷移動物質」、「積層型有機電子写真感光体」、「電荷移動層」、及び「スプレー塗布以外の方法」に相当し、引用発明5の膜厚25μmは、本件発明の膜厚25μm以上60μm以下の範囲に含まれるものであるから、両者は「導電性支持体の上に有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と有機電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層してなる積層型有機電子写真感光体において、該電荷移動層はスプレー塗布以外の方法で塗布され、かつ前記電荷移動層の膜厚が25μmである電子写真感光体。」で一致し、以下の点で相違する。
相違点7: 本件発明では、感光体が感光体としての量子効率ηと電場との関係を式(1)で表された場合にn(電場依存性)が0.5以下であるのに対し、引用発明5では前記nの値については記載されていない点。

そこで、前記相違点について検討すると、
本件特許公報の第3頁第5欄第23〜27行には、「量子効率の電場依存性の形を一義的に決めることは難しいが、本発明では電場と量子効率を対数-対数プロットし、直線として近似したときの傾きで表すこととする。この傾きは量子効率を電場のベキ乗で表した場合のベキ数に相当する。」と記載されており、このことは、量子効率の電場依存性を前記傾きで表しており、さらに前記傾きが量子効率ηと電場との関係を(1)式で表した場合のnの値に相当することを意味していることから、前記傾き又は前記nの値がいずれも量子効率の電場依存性を表していることを示している。
また、当審が通知した取消理由に引用した引用例8「『電子写真学会誌 第27巻第4号』p539〜546」(コニカ株式会社の提出した甲第8号証参照)には、第539頁右欄下から4行〜第540頁左欄第2行に、量子効率が積層型感光体では慣用的に Photoinjection efficiency(PIE)と称されることが記載されており、第542頁Fig.5に、引用例12の実施例に記載された感光体と同一の電荷発生物質(CG-3)、電荷移動物質(CT-2)を用いて形成された積層型有機感光体の Photoinjection efficiency(PIE)と電界との両対数プロット図が示されている。そして、PIEと電界とを両対数プロットし、直線として近似したときの傾きがPIEの電場依存性を表しており、このFif.5において、訂正発明と同様の電場域1×105v/cmから5×105v/cmの範囲で、PIEと電場との対数-対数プロットを直線近似してその傾きを求めると、明らかに0.5以下であることが読みとれる。
ここで、PIEが本件発明の量子効率に相当し、前記の傾きが量子効率の電場依存性に相当するから、前記の傾きが本件発明のnの値に相当する。
それ故、これらのことから引用例12の実施例の感光体の量子効率の電場依存性nは0.5以下であるものと認められるから、相違点7は実質的な相違点とは言えない。
よって、本件発明は引用例12に記載された発明と同一であると認められる。
したがって、本件発明は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された上記引用例12の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、本件発明の発明者がその出願前の出願に係る上記の発明をしたものと同一であるとも、また、本件発明の出願の時にその出願人がその出願前の出願に係る上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件発明は特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない発明である。

3.5 むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号及び同第29条の2の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-07-19 
出願番号 特願昭63-96144
審決分類 P 1 651・ 161- ZB (G03G)
P 1 651・ 113- ZB (G03G)
最終処分 取消  
前審関与審査官 中澤 俊彦  
特許庁審判長 酒井 進
特許庁審判官 水垣 親房
川上 益喜
登録日 1998-10-16 
登録番号 特許第2838891号(P2838891)
権利者 三菱化学株式会社
発明の名称 電子写真感光体  
代理人 阿部 英樹  
代理人 長谷川 曉司  
代理人 篠部 正治  
代理人 石島 茂男  

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