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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C07K
管理番号 1047720
審判番号 訂正2001-39076  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1987-10-08 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-05-17 
確定日 2001-06-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2705791号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2705791号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第2705791号発明(昭和61年(1986)4月21日(パリ条約による優先権主張:1985年4月29日、米国(US)、同年8月19日、米国(US)、1986年3月26日、米国(US))国際出願、平成9年10月9日設定登録)の明細書を、審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち下記aおよびbのとおり訂正することを求めるものである。
a.特許請求の範囲第1項
「1.サンプルを、LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドと混合し、それによって抗体がそのようなペプチドと結合し、特異的結合対複合体を形成し、そして複合体形成の量を決定することを含んで成る、LAV/HTLV-IIIウイルス又はLAV/HTLV-IIIウイルスに対する抗体を検出するための方法において、アッセイ培地中に、8〜50個アミノ酸から成り、
(A)そして下記のアミノ酸配列:
(I)(15)
Asp‐Cys-Lys-Thr-Ile-Leu-Lys-Ala-Leu-Gly-Pro-Ala-Ala-Thr-Leu-Glu-Glu-Met‐Met-Thr-Ala-Cys,

(II)(17)
Leu-Lys-Glu-Thr-Ile-Asn-Glu-Glu-Ala-Ala-Glu-Trp-Asp-Arg-Val-His-Pro-Val-His-Ala,
(IV)(90)
Tyr-Ser-Pro-Thr-Ser-Ile‐Leu-Asp-Ile-Arg-Gln-Gly-Pro-Lys-Glu-Pro-Phe-Arg-Asp-Tyr‐Val‐Asp‐Arg-Phe-Tyr‐Lys‐Thr-Leu‐Arg,
(VI)(97)
Arg‐Glu‐Leu-Glu-Arg-Phe‐Ala-Val-Asn-Pro-Gly-Leu-Leu-Glu-Thr-Ser-Glu-Gly-Cys-Arg-Gln-Ile-Leu-Gly-Gln-Leu-Gln-Pro-Ser-Leu-Gln-Thr,
(VII)(71)
Asp-Thr-Gly-His‐Ser-Ser-Gln‐Val-Ser-Gln-Asn-Tyr,
(VIII)(36)
Val-Lys-Ile-Glu-Pro‐Leu-Gly-Val-Ala-Pro‐Thr-Lys-Ala-Lys-Arg-Arg-Val-Val-Gln‐Arg-Glu-Lys-Arg‐Ala,
(X)(39)
Arg-Ile‐Leu-Ala-Val-Glu-Arg-Tyr-Leu-Lys-Asp-Gln-Gln‐Leu-Leu-Gly-Ile‐ Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile‐Cys,
(XI)(40)
Lys-Ser-Leu-Glu-Gln‐Ile-Trp-Asn-Asn-Met‐Thr-Trp-Met‐Glu-Trp-Asp-Arg-Glu-Ile‐Asn 、又は
(XII)(23)
His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp,
からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチドであるか、あるいは
(B)上記アミノ酸配列(I),(II),(IV),(VI),(VII),(VIII),(X),(XI)又は(XII)において、1〜数個のアミノ酸の付加、失欠及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列であって且つLAV/HTLV-IIIに対する抗体と反応性を有するか又は巨大分子と結合した場合に該反応性を有するペプチドであって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドを使用することを特徴とする方法。」
を、
「1.サンプルを、LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドと混合し、それによって抗体がそのようなべプチドと結合し、特異的結合対複合体を形成し、そして複合体形成の量を決定することを含んで成る、LAV/HTLV-IIIウイルス又は LAV/HTLV-IIIウイルスに対する抗体を検出するための方法において、アッセイ培地中に、8〜50個のアミノ酸から成り、
(I)(15)
Asp‐Cys-Lys-Thr-Ile-Leu-Lys-Ala-Leu-Gly-Pro-Ala-Ala-Thr-Leu-Glu-Glu-Met‐Met-Thr-Ala-Cys,
(II)(17)
Leu-Lys-Glu-Thr-Ile-Asn-Glu-Glu-Ala-Ala-Glu‐Trp-Asp-Arg-Val-His‐Pro‐Val-His‐Ala,
(IV)(90)
Tyr-Ser-Pro-Thr-Ser-Ile‐Leu-Asp-Ile-Arg-Gln-Gly-Pro-Lys-Glu-Pro-Phe-Arg-Asp-Tyr‐Val‐Asp‐Arg-Phe-Tyr‐Lys‐Thr-Leu‐Arg,
(VI)(97)
Arg‐Glu‐Leu-Glu-Arg-Phe‐Ala-Val-Asn-Pro-Gly-Leu-Leu-Glu-Thr-Ser-Glu-Gly-Cys-Arg-Gln-Ile-Leu-Gly-Gln-Leu-Gln-Pro-Ser-Leu-Gln-Thr,
(VII)(71)
Asp-Thr-Gly-His‐Ser-Ser-Gln‐Val-Ser-Gln-Asn-Tyr,
(VIII)(36)
Val-Lys-Ile-Glu-Pro‐Leu-Gly-Val-Ala-Pro‐Thr-Lys-Ala-Lys-Arg-Arg-Val-Val-Gln‐Arg-Glu-Lys-Arg‐Ala,
(X)(39)
Arg-Ile‐Leu-Ala-Val-Glu-Arg-Tyr-Leu-Lys-Asp-Gln-Gln‐Leu-Leu-Gly-Ile‐ Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile‐Cys,
(XI)(40)
Lys-Ser-Leu-Glu-Gln‐Ile-Trp-Asn-Asn-Met‐Thr-Trp-Met‐Glu-Trp-Asp-Arg-Glu-Ile‐Asn 、又は
(XII)(23)
His‐Ser‐Leu‐Ile‐Glu-Glu-Ser-Gln-Asn-Gln-Gln‐Glu‐Lys‐Asn‐Glu‐Gln‐Glu‐Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp,
からの LAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するべプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:
(a)Met-Leu-Lys-Glu‐Thr-Ile‐Asn-Glu-Glu-Ala-Ala-Glu-Trp-Asp-Arg-Val‐His-Pro‐Val-His-Ala;
(b)Gly-Pro-Lys-Glu-Pro‐Phe-Arg-Asp‐Tyr-Val-Asp-Arg-Phe-Tyr-Lys-Thr-Leu-Arg-Ala-Glu-Gln-Ala-Ser-Gln‐Glu-Val-Lys‐Asn-Trp-Met‐Thr-Glu-Thr-Leu-Leu‐Val‐Gln‐Asn‐Ala-Asn-Pro-Asp-Cys-Lys;
(c)Ala-Ser-Arg-Glu-Leu-Glu-Arg-Phe-Ala-Val;
(d)Pro-Thr-Lys-Ala‐Lys-Arg‐Arg-Val-Val-Gln-Arg-Glu-Lys-Arg;
(e)Ala-Val-Glu-Arg-Tyr-Leu-Lys-Asp-Gln-Gln;及び
(f)Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys‐Asn‐Glu‐Gln‐Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala
から成るべプチド並びにこれらのべプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないべプチドを使用することを特徴とする方法。」
に訂正する。

b.特許請求の範囲第7項
「7.LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドを含んで成る試薬であって、前記ペプチドが8〜50個アミノ酸から成り、
(A)そして下記アミノ酸配列:
(I)(15)
(アミノ酸配列記載 省略)
(II)(17)
(アミノ酸配列記載 省略)
(IV)(90)
(アミノ酸配列記載 省略)
(VI)(97)
(アミノ酸配列記載 省略)
(VII)(71)
(アミノ酸配列記載 省略)
(VIII)(36)
(アミノ酸配列記載 省略)
(X)(39)
(アミノ酸配列記載 省略)
(XI)(40)
(アミノ酸配列記載 省略)、又は
(XII)(23)
(アミノ酸配列記載 省略),
からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチドであるか、あるいは
(B)上記アミノ酸配列(I),(II),(IV),(VI),(VII),(VIII),(X),(XI)又は(XII)において、1〜数個のアミノ酸の付加、失欠及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列であって且つLAV/HTLV-IIIに対する抗体と反応性を有するか又は巨大分子と結合した場合に該反応性を有するペプチドであって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドであることを特徴とする試薬。」

「7.LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドを含んで成る試薬であって、前記ペプチドが8〜50個アミノ酸から成り、
(I)(15)
Asp‐Cys-Lys-Thr-Ile-Leu-Lys-Ala-Leu-Gly-Pro-Ala-Ala-Thr-Leu-Glu-Glu-Met‐Met-Thr-Ala-Cys,
(II)(17)
Leu-Lys-Glu-Thr-Ile-Asn-Glu-Glu-Ala-Ala-Glu‐Trp-Asp-Arg-Val-His‐Pro‐Val-His‐Ala,
(IV)(90)
Tyr-Ser-Pro-Thr-Ser-Ile‐Leu-Asp-Ile-Arg-Gln-Gly-Pro-Lys-Glu-Pro-Phe-Arg-Asp-Tyr‐Val‐Asp‐Arg-Phe-Tyr‐Lys‐Thr-Leu‐Arg,
(VI)(97)
Arg‐Glu‐Leu-Glu-Arg-Phe‐Ala-Val-Asn-Pro-Gly-Leu-Leu-Glu-Thr-Ser-Glu-Gly-Cys-Arg-Gln-Ile-Leu-Gly-Gln-Leu-Gln-Pro-Ser-Leu-Gln-Thr,
(VII)(71)
Asp-Thr-Gly-His‐Ser-Ser-Gln‐Val-Ser-Gln-Asn-Tyr,
(VIII)(36)
Val-Lys-Ile-Glu-Pro‐Leu-Gly-Val-Ala-Pro‐Thr-Lys-Ala-Lys-Arg-Arg-Val-Val-Gln‐Arg-Glu-Lys-Arg‐Ala,
(X)(39)
Arg-Ile‐Leu-Ala-Val-Glu-Arg-Tyr-Leu-Lys-Asp-Gln-Gln‐Leu-Leu-Gly-Ile‐ Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile‐Cys,
(XI)(40)
Lys-Ser-Leu-Glu-Gln‐Ile-Trp-Asn-Asn-Met‐Thr-Trp-Met‐Glu-Trp-Asp-Arg-Glu-Ile‐Asn 、又は
(XII)(23)
His‐Ser‐Leu‐Ile‐Glu-Glu-Ser-Gln-Asn-Gln-Gln‐Glu‐Lys‐Asn‐Glu‐Gln‐Glu‐Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp,
からの LAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するべプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:
(a)Met-Leu-Lys-Glu‐Thr-Ile‐Asn-Glu-Glu-Ala-Ala-Glu-Trp-Asp-Arg-Val‐His-Pro‐Val-His-Ala;
(b)Gly-Pro-Lys-Glu-Pro‐Phe-Arg-Asp‐Tyr-Val-Asp-Arg-Phe-Tyr-Lys-Thr-Leu-Arg-Ala-Glu-Gln-Ala-Ser-Gln‐Glu-Val-Lys‐Asn-Trp-Met‐Thr-Glu-Thr-Leu-Leu‐Val‐Gln‐Asn‐Ala-Asn-Pro-Asp-Cys-Lys;
(c)Ala-Ser-Arg-Glu-Leu-Glu-Arg-Phe-Ala-Val;
(d)Pro-Thr-Lys-Ala‐Lys-Arg‐Arg-Val-Val-Gln-Arg-Glu-Lys-Arg;
(e)Ala-Val-Glu-Arg-Tyr-Leu-Lys-Asp-Gln-Gln;及び
(f)Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys‐Asn‐Glu‐Gln‐Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala
から成るべプチド並びにこれらのべプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドであることを特徴とする試薬。」
に訂正する。

2.当審の判断
そこで、これらの訂正事項について検討すると、上記a、bの訂正は、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記各訂正は、願書に添付した明細書の記載の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、訂正後における特許請求の範囲に記載された発明は、本件特許に対する特許異議の取消決定において引用された先願、特願昭60-504853号(パリ条約による優先権主張(1984年10月18日、フランス)、1985年10月18日国際出願、特表昭62-500592号公報、国際公開WO86/02383号参照)に記載された発明とは、同一である部分が削除され、区別することができるものとなったものであるから、特許出願の際独立して特許を得ることができない発明でもない。

3.むすび
したがって、本件審判請求は、平成6年改正前の特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第1項ただし書き、第2項ないし第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
AIDS関連病の検出のための合成抗原
(57)【特許請求の範囲】
1.サンプルを、LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドと混合し、それによって抗体がそのようなペプチドと結合し、特異的結合対複合体を形成し、そして複合体形成の量を決定することを含んで成る、LAV/HTLV-IIIウィルス又はLAV/HTLV-IIIウィルスに対する抗体を検出するための方法において、アッセイ培地中に、8〜50個のアミノ酸から成り、


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:

から成るペプチド並びにこれらのペプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドを使用することを特徴とする方法。
2.前記ペプチドが、下記一般式:


で示されるアミノ酸配列を含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。
3.前記ペプチドを固体表面に接合せしめる請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。
4.LAV/HTLV-IIIに対する抗体の存在が生理学的流体において決定される請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項記載の方法であって、
前記ペプチドの少なくとも1つにより少なくとも部分的に被覆されたサンプル容器中にヒト生理学的サンプルを導入し;
免疫複合体形成が生じるのに十分な時間インキュベートし;そして
免疫複合体の形成を決定することを含んで成る方法。
5.前記免疫複合体形成が、前記複合体に結合し、そして検出可能なシグナルを提供するラベルされた特異的結合タンパク質を用いることによって決定される請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項記載の方法。
6.前記生理学的流体が、ヒト血清、血漿、唾液又は血液である請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載の方法。
7.LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドを含んで成る試薬であって、前記ペプチドが8〜50個のアミノ酸から成り、


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:

から成るペプチド並びにこれらのペプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドであることを特徴とする試薬。
8.前記ペプチドが、下記一般式:

で示されるアミノ酸配列を含んで成る請求の範囲第7項記載の試薬。
9.生理学的サンプル中のLAV/HTLV-IIIに対する抗体の決定のためのキットに含まれる請求の範囲第7項又は第8項記載の試薬。
10.前記キットが、ヒト血清、血漿、唾液又は血液中のLAV/HTLV-IIIに対する抗体の決定のために使用される請求の範囲第7項〜第9項のいずれか1項記載の試薬。
【発明の詳細な説明】
発明の背景
発明の分野
リンパ節症候群及び後天性免疫不全症候群(AIDS)がリンパ節症ウィルス(LAV)、ヒト-T細胞リンパ栄養ウィルス-III(HTLV-III)、AIDS-関連ウィルス(ARV)又は免疫不全関連ウィルス(IDAV)と呼ばれる伝染性レトロウィルスによって引き起こされるという発見に従って、疾病の潜在ベクター、たとえば疾病個人からの血液(輸血のために使用され得又はこれから特定の血液要因が単離され得る)を検出できることが直ちに必要になって来た。
疾病の潜在ベクターを検出するためには、ウィルスタンパク質及び/又はそのようなタンパク質に対する抗体を有することが必要である。LAV/HTLV-IIIレトロウィルスを増殖することに関しては危険であるので、ウィルスタンパク質又はそれらの免疫同等体を得るための手段を確立することに有意な興味が存在し、そしてこの手段は多量の生きている、潜在的な伝染性ウィルスを操作する必要がない。他方、そのウィルスは、レトロウィルスが変遷するにつれて頻繁に変化する、高い多形性であると報告されている事実に関心があるにちがいない。
関連文献の簡単な説明
レトロウィルスの種々の抗原がSaxingerなど.,Science(1985)227:1036〜1038によって記載されている。また、Galloなど.,前記.(1984)224:500;Sarangadharnなど.,前記.224:506;Barresinoussiなど.,前記.(1983)220:868;Montagnierなど.,In Human T-Cell Leukemia/Lymphona Virus,Gallo,Essex,Gross、出版(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York),1984,363ページを参照のこと。これらはp13,p18,p25,p36,gp43,p55,gp65,gp110等を含むが(ここでその数字は、報告者によって異なる)、しかしこれだけに限定されない。
Hopps and Woods,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1981)78:3824は、それらの比較的親水性に基づいて、ポリペプチドの潜在的エピトープとしてペプチドを選択するための基準を説明する。これらの基準を用いる1つの研究においては、活性タンパク質によって誘発された抗体の9%を結合する、12個のアミノ酸ペプチドを合成した〔Hopp,Molec.Immunol.(1981)18:869〕。一般的に、Hopp/Woodsの基準は、高い予言的な値を有することを示さなかった。さらに、親水性でないエピトープが報告された〔Kazimなど.,Biochem.J.(1982)203:201〕。ポリペプチドの抗原性の他の研究は、Greenなど.,Cell(1982)28:477、ここで抗体を誘発するペプチドが使用され、そして該抗体は活性タンパク質に結合することができ、ところが逆に、活性タンパク質によって誘発された抗体はペプチドに結合できず;及びTrainerなど.,Nature(1984)312:127〔Greenなどのそれらに類似するミオヘムエリトリンに起因する〕を含む。
LAVの完全なヌクレオチド配列がWain-Hobsonなど.,Cell(1985)40:9によって報告されている。HTLV-IIIのための完全な配列は、Muesingなど.,Nature(1985)313:450によって報告され、そしてARVのための完全な配列はSanchez-Pescadorなど.,Science(1985)227:484によって報告されている。すべての3種のウィルスは、実質的なヌクレオチド相同性を示し、そして形態学、細胞病理学、最適な逆転写酵素活性のための必要条件及び少なくともいくつかの抗原特性に関して類似し〔Levyなど.,Science(1984)225:840;Shupbachなど.,Science(1984)224:503〕、そして従って、同じウィルスの単離物が考慮されるべきである。また、Changなど.,Science(1985)228:93も参照のこと。
発明の要約
LAV/HTLV-IIIレトロウィルスのgag及び/又はenv領域にコードされているタンパク質を免疫学的にまねることができるペプチド配列が、レトロウィルスヘの暴露の前、血液及び血液生成物のスクリーニングに使用するための試薬として提供される。そのペプチドは少なくとも5個のアミノ酸のものであり、そしてLAV/HTLV-IIIウィルスに対する抗体の検出、LAV/HTLV-III抗原の検出のための種々の特異的結合アッセイに又は免疫原として使用され得る。
特定の態様の説明
この開示のためには、ウィルスは、下記の基準を実質的に満たす場合、LAV/HTLV-IIIに同じか又は同等であると思われる:
(a)ウィルスがT-リンパ球、特にヘルパ-細胞(CD4+,Bernarclなど.,Leucoyte Typing、ニューヨーク:Springer Verlag,1984に定義された国際命名法に従えば)のために栄養的であり;
(b)ウィルスが感染されたCD4+細胞のために細胞変性的であり(HTLV-I及び-IIの場合、むしろ形質転換的である);
(c)ウィルスが、Mg2+依存性である(最適濃度5mM)、7.8の最適pHを有し、アクチノマイシンDによって抑制できずそしてその3′LTRから逆転写のためのプライマーとしてオリゴ(dT)12〜18を使用することができるRNA-依存性DNAポリマラーゼ(逆転写酵素)をコードし;
(d)ウィルスが約1.16の密度でスクロースグラジェントにバンドを形成し;
(e)ウィルスが〔3H〕-ウリジンによりラベルされ得;
(f)ウィルスが、LAV/HTLV-IIIのgag及びenv領域によってコードされるタンパク質と免疫学的に実質的に交差反応し;そして
(g)ウィルスがLAV又はHTLV-IIIとヌクレオチド相同体(約75〜100%)及びアミノ酸配列相同体(約75〜100%)を実質的に共有する。
LAV/HTLV-IIIレトロウィルスによってコードされるタンパク質、特にウィルスゲノムのgag及び/又はenv領域によってコードされるタンパク質に免疫学的に似ている新規のペプチドが提供される。異なった単離体の間で種と種の変動を調節するために、二者択一的に、保存性置換及び選択のための調整(ここで、非保存性置換が関与される)を、行なうことができる。これらのペプチドは、生理学的サンプルにおいてウィルス又はウィルスに対する抗体の検出のために個々に又は一緒に使用され得る。試験案の種類に依存して、ペプチドは、ラベル又は非ラベルされ、固形表面に結合され、担体又は他の化合物に接合され又は同様にされる。
対象のペプチドは、gag領域又はenv領域によってコードされるペプチドから誘導されるであろう。これらのペプチドは、最初に、p55又はそのフラグメント、たとえばp25及びp18又はgp150及びそのフラグメント、たとえばgp41から誘導されるであろう。これらのペプチドは、ローマ数字を与えられるが、しかしそれらが生成される方法に任意に関連される、数による名称もまた与えられるであろう。
gag領域に関しては、LAV/HTLV-IIIレトロウィルスの塩基対(bp)450〜bp731、特に約bp450〜bp545(97)及びbp696〜bp731(71);約bp900〜bp1421、特に約bp921〜bp1016、並びにbp921〜bp1010;bp972〜bp1016(92);及びbp936〜bp995(17);又は約bp1158〜約bp1400、特にbp1164〜bp1250(90);bp1278〜bp)1385(88)及びbp1320〜bp1385(15)を延長するコード領域が特に興味の対象である(Wain-Hobsonなど.,前記による番号づけ)。
env領域に関しては、特定の興味の領域は、bp7210〜bp7815領域、特にbp7231〜bp7794内、より特別には約bp7246〜bp7317(36)内、bp7516〜bp7593(39)、特にbp7543〜bp7593(79)及びbp7561〜bp7593(78),bp7708〜bp7779(23),bp7636〜bp7689(40),bp7498〜bp7554(56)内にコードされたこれらのポリペプチダーゼであろう。
対象のペプチドは、LAV/HTLV-IIIレトロウィルスによってコードされる配列内に含まれる、少なくとも5個、時々6個、8,12個のアミノ酸、普通約50個よりも少ない、より一般的には約35個よりも少ない、そして好ましくは約25個よりも少ないアミノ酸を含むであろう。おのおのの場合、そのオリゴペプチドは、大きなペプチドの感受性のすべてを実質的に保持しながら、できるかぎり小さい方が好ましい。ある場合、親と同等の感受性を単独に又は一緒に提供する、同じペプチド構造体において又は個々のペプチドとしてオーバーラップしない、2又はそれ以上のオリゴペプチドを連結することが好ましい。
そのペプチドは、普通20数%(20number percent)よりも少ない、より一般的には10%よりも少ない、交換されるペプチドを、ペプチドにおける保存性又は非保存性置換法を導入することによって変性され得る。領域が、多形的であることが見出された場合、異なったレトロウィルス株の異なったエピトープをより効果的に模倣するために、1又は複数の特定のアミノ酸を変えることが好ましいであろう。多くの場合、化学的及び物理的安定性を付与するために、メチオニンがノルロイシン(Nor)によって交換され得る。
本発明に使用されるポリペプチドは、この対象化合物が、LAV/HTLV-IIIレトロウィルスの少なくとも1つの株のタンパク質との免疫学的競争を提供することができるかぎり、いづれか特定のLAV/HTLV-IIIポリペプチド配列に同一である必要はないことが理解されるべきである。従って、その対象ポリペプチドは、種々の変化、たとえば挿入、欠失及び保存性又は非保存性置換(ここで、そのような変化は、それらの使用にある利点を提供するかも知れない)にゆだねることができる。保存性置換によって、次の組み合せ、たとえばgly,ala;val,ile,leu;asp,glu;asn,gln;ser,thr;lys,arg;及びphe,tyrが予期される。普通、その配列は、LAV/HTLV-IIIレトロウィルスの少なくとも1つの株の配列と20%以上異ならないであろう。但し、付加アミノ酸が、“アーム(arm)”を付与するためにいづれかの末端で付加される場合、異なり、そしてそれによって本発明のペプチドが便利に固定され得る。そのアームは普通、少なくとも1個のアミノ酸であり、そして50又はそれよりも多くのアミノ酸、たいてい1〜10個のアミノ酸であろう。
さらに、1又は2個のアミノ酸が、オリゴペプチド又はペプチドの末端に付加され、1つのペプチドのもう1つのペプチドヘの結合の容易さ、支持体又は大きなベプチドヘのカップリング、次に討論されるべき理由のためには、物理的又は化学的性質の修飾又は同様のことを提供することができる。
アミノ酸、たとえばチロシン、システイン、リシン、グルタミン酸又はアスパラギン酸又は同様のものが、結合のために有用な官能価を提供するために、ペプチド又はオリゴペプチドのC-又はN-末端で導入され得る。支持体への結合のためにはC-又はN-末端で1〜3個のシステインの存在が特定の興味の対象である。そのシステインは、活性化されたオレフィン支持体へのチオエーテル結合に基づいて、ジチオ-又はチオ-機能化支持体にジスルフィド結合によって結合され得る。
さらに、ペプチド又はオリゴペプチド配列は、末端のNH2のアシル化、たとえばアセチル化、又はチオグルコール酸のアミド化、末端のカルボキシル基のアミド化、たとえばアンモニア、メチルアミン等によって修飾される配列によって天然の配列と異なる。いくつかの場合、これらの修飾は、支持体又は他の分子への結合のための部位を提供することができる。
対象のペプチド及びオリゴペプチドが、今、考慮されるであろう。対象の第1ペプチドはgag領域、特にP25及びP18として言及されたタンパク質に由来されるであろう。
p25のためのペプチドは、次のとおりである:領域bp1320〜bp1385にコードされるペプチドI(15)は、次のアミノ酸配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、XはOH又はNH2であり、そして存在するなら、アミノ末端基Y、たとえばTyr又はCysがタンパク質担体への該ペプチドの結合を促進せしめるために添加される〕。
次のペプチドII(17)は、約bp936〜bp995を延長する領域によってコードされ、そして次の配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内に線状エピトープを含むであろう:


〔配列中、XはOH又はNH2であり、そしてアミノ末端基Yは前に定義されたとおりである〕。
次のオリゴペプチド:

〔配列中、X及びYは前に定義されたとおりであり、そしてZは結合、すなわち結合の手段、たとえばシステイン、チロシン等を提供し、又はXと一緒に考える場合、結合のために使用され得る官能基、たとえばアリル又はマレイミジル、ジチオ、等における場合のオレフィンを提供するアミノ酸である〕が特に興味の対象である。
次の興味あるペプチド、III(92)は、bp972〜bp1016を延長する領域によってコードされ、そして次の配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内で線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、X,Y及びZは前に定義された通りである〕。
好ましくは、このペプチドは、LAV/HTLV-IIIのゲノムによってコードされた、約15個より多くなりアミノ酸を有するであろう。
次のペプチド、IV(90)は、bp1164〜bp1250を延長する領域によってコードされ、そして次の配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドはそのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、X,Y及びZは前に定義された通りである〕。
好ましくは、このペプチドは、LAV/HTLV-IIIのゲノムによってコードされた、約29個よりも多くなりアミノ酸を有するであろう。
ペプチド、V(88)は、bp1278〜bp1385を延長する領域によってコードされ、そして次の配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドはそのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、X及びYは前に定義された通りである〕。
次の対象のペプチドは、P18として言及されたgagタンパク質領域から誘導されるであろう。
次の対象のペプチド、VI(97)は、bp450〜bp545を延長する領域によってコードされ、そして次の配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、X及びYは前に定義された通りである〕。
次の対象のペプチド、VII(71)は、bp696〜bp731を延長する領域によってコードされるであろう。このペプチドは、線状エピトープをコードするいづれかのオリゴペプチドを含み、そして次のアミノ酸配列:

〔配列中、Yは前に定義された通りである〕を有する。
次の対象のポリペプチドは、env領域、すなわちgp110(110Kドルトン)から誘導されるものであろう。
次の対象のペプチド、VIIIは、bp7246〜bp7317を延長する毎域によってコードされ、そして前に指摘された一般的な制限内にある場合、好ましくは、LAV/HTLV-IIIのゲノムによってコードされた、24個よりも多くないアミノ酸を有するであろう。
対象のペプチドは、一般的に次のアミノ酸配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドはそのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔式中、XはOH又はNH2であり、そしてカルボキシ末端基Zは、存在するなら、タンパク質担体への該ペプチドの結合を促進するために添加されたアミノ酸、たとえばCysである〕。
6個、便利には4個までの、天然に存在するC-末端アミノ酸が欠失又は置換されることが特別な興味の対象である。
特別に興味ある上の配列内に含まれるオリゴペプチドは、次の配列:

を含む。
次の対象のペプチドは、gp41として知られているenv領域から誘導されるであろう。
次のペプチド、IX(56)は、bp7498〜bp7554を延長する領域によってコードされ、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、X,Y及びXは前に定義された通りである〕。
特に興味ある上記配列内に含まれるオリゴペプチドは、次の配列:


を含む。
次の対象のペプチド、X(39)は、bp7516〜bp7593を延長する領域によってコードされ、そして次のアミノ酸配列を有し、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドは、そのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、XはOH又はNH2である〕。
次のペプチド、XI(40)は、bp7630〜7689を延長する領域によってコードされ、ここで次の配列内に含まれるオリゴペプチドはそのような配列内に線状エピトープを含むであろう:

〔配列中、Y,X及びZは前に定義された通りである〕。
次の対象のペプチド、XII(23)は、bp7708〜bp7779を延長する領域によってコードされるであろう。このペプチドは、次のアミノ酸配列:

〔配列中、X,Y及びZは前に定義した通りである〕内に線状エピトープをコードするいづれかのオリゴペプチドを含むであろう。
次の対象のペプチド、XIII(79)は、bp7543〜bp7593を延長する領域によってコードされるであろう。このペプチドは、次のアミノ酸配列:

〔配列中、X及びYは前に定義した通りである〕内に線状エピトープをコードするいづれかのオリゴペプチドを含むであろう。
次の対象のペプチド、XIIIa(78)は、bp7561〜bp7593を延長する領域によってコードされるであろう。このペプチドは、次のアミノ酸配列:

内に線状エピトープをコードするいづれかのオリゴペプチドを含むであろう。
ジスルフィド結合又は長い結合によって、2つのペプチド又はオリゴペプチドもしくはその組合せを結合するために、システイン又はアミノ末端基をアシル化するために使用されるチオグリコール酸もしくは同様のもののメルカプタン基の使用が特別な興味の対象である。これを達成するために、ビス-ハロアセチル基、ニトロアリルハリド又は同様のものを有する化合物を、使用することができ、ここでその試薬は、チオ基に対して特異的である。従って、異なったペプチド又はオリゴペプチドの2つのメルカプト基の間の結合は、単結合又は少なくとも2個、普通少なくとも4個、そして16個よりも多くない、普通約14個よりも多くない炭素原子の結合基である。gag領域からの配列のメンバーはenv領域からのメンバーに連結されることが特に興味の対象である。非アミノ酸結合を含むことができるこれらのキメラペプチドは、そのペプチド及びオリゴペプチドについて記載されるであろう場合、さらに変性され得る。
この対象ペプチドは、可溶性巨大分子(たとえば、≧5Kドルトン)担体に結合され、使用され得る。便利には、その担体は、天然に存在するか又は合成のポリ(アミノ酸)であり、そしてヒト血清中において、抗体は、これに見出されそうもない。ポリペプチドの例は、ポリ-L-リシン、ウシ血清アルブミン、キイホールリンペット(keyhole limpet)のヘモシアニン、ウシγ-グロブリン、等を含む。主として、その便利さ及び有効性の1つを基に選択される。
そのような接合体に関しては、巨大分子当り少なくとも1つの対象ペプチド分子、及び巨大分子0.5Kドルトン当り多くとも約1つのペプチド分子、普通巨大分子2Kドルトン当り多くとも約1つのペプチド分子が存在するであろう。1又は複数の異なったペプチドが同じ巨大分子に結合され得る。
結合は、試薬、たとえばp-マレイミド安息香酸、p-メチルジチオ安息香酸、無水マレイン酸、無水琥珀酸、グルタルアルデヒド、等を用いて、従来の方法によって行なわれる。その結合は、N-末端、C-末端又は分子の末端の中間部位で生じる。対象のペプチドは、連結のために誘導体化され、支持体に結合されながら連結され得る。
化合物が、それらの使用に依存して、ラベルされた又はラベルされていない化合物として使用され得る。(直接的又は間接的に検出可能なシグナルを提供する分子がラベルによってもたらされる。)種々のラベル、たとえば放射性核種、酵素、フルオレスサー、化学ルミネセンサ、酵素基質、補因子もしくは阻害剤、粒子たとえば、磁気粒子、リガンド及び受容体、たとえばビオチン及びアビジンの組合せ、又は同様のものが使用され得る。さらに、ペプチドは、たとえばミクロタイタープレート、ガラスビーズ、クロマトグラフィーの表面、たとえば紙、セルロース、シリカゲル、又は同様のものへの結合のために種々の方法で変性され得る。ポリペプチドを、他の化合物又は表面に連結する特定の方法は、従来通りであり、そして文献中に十分に例示されている。たとえば、アメリカ特許第4,371,515号;第4,487,715号を参照のこと。この開示を引用によりこの明細書中に組み入れる。
種々のアッセイ法が、レトロウィルス性タンパク質に対する抗体又はレトロウィルス性タンパク質自体の存在を検出するために使用され得る。ラベルされた試薬としてペプチドを用い(ここで、ラベルは、検出できるシグナルをもたらす)、又は直接的又は間接的に表面にペプチドを結合することが(ここで、サンプル中において、ペプチドに対する抗体が表面上でペプチドに結合するようになるであろう)、興味の対象である。次に、ペプチドに結合されたヒト抗体の存在は、ヒト免疫グロブリン、通常ヒトIgM及びIgGの両者に対して特異的な異種移植性抗体、又は免疫複合体、たとえばRf因子又はS.アウレウス(S.aureus)のプロテインAに対して特異的なラベルされたタンパク質によって検出され得る。
種々の不均一法(コンペティティブ又は非コンペティティブアッセイ)を使用することができる。ペプチドは、表面又は支持体(″support″)に結合され、そしてラベルされた抗体は、結合されたペプチドの限定量のためにサンプル中において抗体と競争することを可能にされる。支持体に結合されるラベルの量は、サンプル中の競争的抗体の量に関係するであろう。
抗体は、支持体に結合され、そしてサンプルはラベルされたペプチドと共に混合される。反応混合物と結合された抗体との接触の後、支持体に結合されたラベルの量は、サンプルの同種の抗体の量に関係するであろう。
異種移植抗-ヒト抗体、たとえばIgG及びIgM(免疫グロブリン)のFcに対する抗体が支持体に結合される。サンプルは、免疫グロブリン及びラベルされたペプチドと共に接触され、それによって、支持体に結合された、ラベルされたペプチドの量が同種抗体の存在を指摘するであろう。
他方、ペプチドが酵素、フルオレサー又は他のラベルに結合される均一アッセイが使用され得、ここでペプチドヘの抗体の結合が、特定の結合対複合体に関与するラベルと複合体に包含されないラベルとを識別することができることをもたらす。そのような技法に関与するアッセイについては、たとえばアメリカ特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,901,654号;第3,935,074号;第3,984,533号;第3,996,345号;第4,034,074号;及び第4,098,876号を参照のこと。この開示を引用によって本明細書に組入れる。
本発明の例示として、対象ペプチドは、蛍光分子、たとえばフルオレセイン、ローダミン又はウンベリフェロンに接合され得る。種々の技法、たとえば蛍光偏光法が、抗体と共に形成される複合体を検出するために使用され得る。このアッセイにおいては、蛍光偏光は、複合化された及び複合化されていないペプチド接合体の間で異なる。装置、たとえばAbbott Laboratories,Chicago、イリノイによって供給されたTDXが、蛍光偏光における変化を測定するために利用できる。
サンプル容器、たとえばマイクロタイタープレートウェルの使用がアッセイ技法の例であり、そしてそこで、対象ポリペプチド又はその接合体が共有的に又は非共有的に容器底部及び/又は壁に付着される。サンプル、通常、適切な緩衝培地中に希釈されたヒト血液又は血清が該容器に添加され、そしてポリペプチドとサンプル中の同種の抗体との間で複合体が形成するのに十分な時間、保持される。上清液を除去し、そして容器を洗浄し、非特異的に結合したタンパク質を除去する。
複合体に特異的に結合する、ラベルされた特異的結合タンパク質が検出のために使用される。容器に、ヒト免疫グロブリンに対する異種移植性抗血清、特に適切な緩衝培地中における抗-(ヒトIgM及びIgG)を添加することができる。その異種移植性抗血清は、通常、検出可能なラベル、たとえば放射性核種又は酵素によりラベルされるであろう。抗血清の代わりに、免疫複合体に対して特異的なタンパク質、たとえばS.アウレウスプロテインAを使用することができる。たとえば、非特異的に結合した酵素ラベルの除去の後、酵素と共に展開溶液を添加する。その展開溶液は、酵素基質及び多分、酵素補因子、クロモゲン、等を含み、そして該クロモゲンは、反応後、それぞれ比色分析的に又は蛍光定量的に検出され得る着色された又は蛍光生成物を提供する。
ペプチドは、広範囲の種類の方法で製造され得る。ペプチドは、比較的短いサイズなので、それらは、従来の技術に従って、溶液中で又は固形支持体上で合成され得る。種々の自動合成機が今日商業的に利用可能であり、そして既知方法に従って使用され得る。たとえば、Stewart and Young,Solid Phase Peptide Synthesis、第二版、Pierce Chemical Co.,1984;及びTamなど.,J.Am.Chem.Soc.(1983)105:6642を参照のこと。
他方、ハイブリッドDNA技法を使用することができ、ここで、合成遺伝子を、ポリペプチドをコードする単鎖又は実質的にその相補的鎖を使用することによって製造することができ、そしてここで該単鎖はオーバラップし、そしてハイブリッド化するためにアニーリング培地中に導びかれ得る。次に、そのハイブリッド化した鎖を連結し、完全な遺伝子を形成し、そして適切な末端の選択によって、その遺伝子を、発現ベクター中に挿入し、そしてこの事は今日容易に利用できる。たとえば、Maniatisなど.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,CSH,Cold Spring Harbor Laboratory,1982を参照のこと。また、そのペプチドをコードするウィルスゲノムの領域を、従来の組換えDNA技法によってクローン化し、そして発現することができる(Maniatis、前記を参照のこと)。
ペプチドI〜XIIIを発現するために使用され得るDNAコード配列は、次のものである:


これらの配列からのフラグメントは、ペプチドフラグメントの発現のために使用され得、保存性塩基変化を行なうことができ、ここで変性されたコドンは同じアミノ酸をコードし、又はコード配列における非保存性塩基変化を行なうことができ、ここで得られるアミノ酸は保存性又は非保存性変化体である。
そのコード配列を、5′-又は3′-末端又は両末端のいづれかで延長することができ、その結果、そのエピトープ部位を保持しながら、ペプチドを延長することができる。その延長は、同じ鎖中に2つの又はすべてのペプチドを連結し、抗原性活性を供与し、又は同様のことのために、たとえばラベル(たとえば酵素)への結合のためのアームを提供することができる。
発現に関しては、そのコード配列は、出発コドン及び停止コドン、プロモーター領域及びターミネーター領域並びに普通複製システムにより供給され、細胞宿主、たとえば原核生物、真核生物、細菌、酵母、哺乳類、等において発現のための発現ベクターを提供する。
普通少なくとも15個の塩基、好ましくは少なくとも18個の塩基を有する、その配列自体、そのフラグメント又はより大きな配列が、レトロウィルスRNA又は原ウィルスDNA(Proviral DNA)の検出のためのプローブとして使用され得る。多くの技法、たとえばGrunstein-Hogness技法、サウザーン技法、ノーザーン技法、Dot-blot法、それらの改良法、及び他の方法論が記載されている。たとえば、WO83/02277及びBerentなど.,Biotechniques(1985)3:208を参照のこと。
ポリペプチドは、融合タンパク質として便利に製造され得、そしてここで該ポリペプチドは、該融合ポリペプチドのN-又はC-末端である。その得られる融合タンパク質を、試薬として単独で直接的に使用することができ、又はその対象ペプチドを、融合タンパク質の残存配列のすべて又は一部から分離することができる。内部にメチオニンが存在しないポリペプチドに関しては、融合部位でメチオニンを導入することによって、ポリペプチドは、臭化シアンを用いて分離され得る。内部にメチオニンが存在する場合、タンパク質分解分離部位、たとえばポリ-リシン及び/又はポリ-アルギニン又はその組合せを供与することが必要であり、又はその内部メチオニンを、アミノ酸、たとえばロイシン及び臭化シアン分離のために添加されたN-末端メチオニンと交換することができる。広範囲の種類のプロテアーゼ及びジペプチダーゼが良く知られていて、そして適切なプロセシングシグナルが適切な部位で挿入され得る。そのプロセシングシグナルは、分離を確保するためにタンデム反復を有することができる。なぜならば、1又は複数の外来性アミノ酸の存在は、対象ポリペプチドの実用性を妨げないであろうからである。
アッセイの性質に依存して、生理的サンプル、たとえば唾液、血液、血漿又は血清がアッセイ培地中に希釈することによって前処理され、ここで、該培地は普通、種々の緩衝液、たとえばリン酸、トリス又は同様のものの1つを使用する水性緩衝培地であろう。好ましい希釈剤は、ブロトオ(blotto)〔5%w/v非脂肪性ドライミルク、0.01%チメロサール、0.01Mリン酸ナトリウム中0.01%アンチフォームA(pH=7.2)及び0.15MのNaCl〕である。普通、そのpHは、約6〜9の範囲内にあるであろう。次に、そのサンプルは、適当な方法に従って、試薬と共に混合され、そして結合のために十分な時間、保持されるであろう。不均一システムが使用される場合、次に、普通、洗浄し、非特異的結合を最少にするであろう。その過程の最後で、ラベルが従来の方法に従って検出されるであろう。
アッセイにおける対象ペプチド及びそれらの類似体の他に、その対象ペプチドはまた、ワクチンに独自で又は混合して使用され得る。そのペプチドは、便利な方法、一般的に1μg〜20mg/宿主のkgの範囲の濃度で配合され得る。生理学的に許容できる培地、たとえば消毒された水、生理的食塩水、リン酸緩衝溶液及び同様のものは、担体として使用され得る。アジュバント、たとえば水酸化アルミニウムゲル又は同様のものが使用され得る。投与は、たとえば筋肉内、腹膜内、皮下、静脈内、等に注射によって行なわれ得る。投与は、普通1〜4週間隔で、1回又は数回行な得る。
次の例は例示的であって、限定的ではない。
実験
ペプチド15,71,88,90,92及び97を、t-ブチルオキシカノレボニノレ(BOC)-メチルベンジル-システイン-フェニル-アセトアミドメチル(PAM)のポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂(Appliecl Biosystems,Inc.,FosterCity,CA)上にアセンブルした。カルボキサミドペプチド78及び79のためには、P-メチルベンゾヒドリルアミンのポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂を用いた。対称的な無水物カップリング(symmetrical anhydride couplings)を、Applied Biosystems 430A合成機で行なった。但し、グルタミン及びアプパラギンを、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとしてカップルした、ベンジル基材の側鎖の保護及びBOC α-アミン保護を行なった。トリプトファンを、ホルミル成分によって保護し、メチオニンをそのスルホキシドによって保護し、そしてジニトロフェノールを、ヒスチジンを保護するために使用した。保護基は、従来の方法によって除去された。
ペプチド36を、Beckman990ペプチド合成機(Beckman Instruments,La Brea,CA)で、ベンゾヒドリルアミンのポリエチレン/ジビニルベンゼン樹脂上にアセンブルした。ベンジル基材の側鎖の保護及びBOC α-アミン保護を行なった。すべての残基を、直接的ジシクロヘキシルカルボジイミド法によって付加した。但し、グルタミンを、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとしてカップルした。
ペプチド39を、ペプチド36について記載したようにして、ベンゾヒドリルアミン上で合成し、そしてまた、アスパラギンを、エステルとしてカップルした。
ペプチドを放射性ラベルする場合、3H-酢酸及び過剰のジシクロヘキシルカルボジイミドによりアミノ末端をアセチル化することによって、それを行なった。
ペプチドを脱保護し、そしてTamの″low-high″HF法(Tamなど.,前記)によって樹脂から分離した。ペプチド36,39,79,78,88,90,92及び97を、5%酢酸により樹脂から抽出し、そして5%酢酸によりゲル濾過クロマトグラフィーにかけた。ペプチド15及び71を、0.5M炭酸アンモニウム/0.001Mジチオエリトール(DTT)により抽出し、そして0.05M炭酸アンモニウム/0.005Mβ-メルカプトエタノールによりクロマトグラフィー処理した。ペプチドを含む画分をプールし、そして凍結乾燥せしめた。合成生成物の結合性を、おのおののカップリングの後、ニンヒドリン制御によって、並びに分析用逆相クロマトグラフィー及びアミノ酸分析によって確めた。
ペプチド90,92及び97を、それらのスルフヒドリルの酸化により分子間ジスルフィドヘと重合せしめた。手短に言えば、凍結乾燥された還元ペプチドを、最少の6MグアニジンHCl/0.1Mリン酸ナトリウム(pH=9.0)中に溶解し、そして室温で1晩、酸化せしめた。
上記合成されたペプチド15,23,36,40,49,50及び56を、Ishikawaなど.,J.of Immunoassay(1983)4:209によって本質的に記載しているようにして、N-スクシニミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロ-ヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)により誘導体化されたウシ血清アルブミン(BSA)に接合した。
BSA溶液(0.1Mリン酸カリウム中において20mg/ml、pH7.0)2ml中に、30℃でSMCC溶液(ジメチルホルムアミド中において8mg/ml)1.5mlを添加した。その混合物を、1時間、磁気撹拌し、その後それを遠心分離し、沈殿したアルブミンを除去した。次に、透明な混合物を、pH6.0の0.Mのリン酸カリウムにより平衡化されたSephadex G-25を充填するゲル濾過にゆだねた。 280nmでのそれらの吸光度によって決定されるようなタンパク質含有性画分をプールし、そして必要なまで-70℃で凍結保存した。
上記合成されたペプチドを、0.1Mリン酸ナトリウム(pH8.0)中に溶解し、それぞれの濃度を5mg/ml(ペプチド36)、8mg/ml(ペプチド15)又は1.6mg/ml(ペプチド39)にした。おのおのの溶液1.5mlに、固形DTT2mgを添加した。その溶液を、30℃で30分間撹拌し、その後それらを、0.Mリン酸カリウム(pH6.0)により平衡化されたSephadex G-10を充填するゲル濾過クロマトグラフィーにゆだねた。アリコートのシンチログラフィーによって決定されるようなトリチウム含有性画分を、プールし、そしてSMCCにより誘導体化されたBSA 1ml(ペプチドVのためには0.5ml)と共に混合した。得られた混合物を、30℃で12時間撹拌し、そして次に水に対して徹底的に透析した。
他のペプチドを、上記方法に従って調製し、そして上記方法に従ってBSAに接合せしめた。BSAに対するペプチドの比率を、従来の方法に従って放射能トレーサーを用いて決定した。
モルペプチド/モルBSA
I(15) 14
II(17) 5
VIII(36) 9
IX(56) 17
X(39) 6
XI(40) 18
XII(23) 30*
*は、誤であり、そして55であろう。
ELISAによる分析
凍結乾燥されたペプチド又はタンパク質/ペプチドの接合体を、6MグアニジンHCl中に溶解した。そのグアニジン溶液を、0.05M炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液(pH9.6)中に希釈し、8〜40μg/mlの最終ペプチド濃度にし、すぐその後、96-ウェルプレート中プレートした。50μlのペプチド溶液を、マイクロタイターウェル当りにアリコートし、そして4℃で1晩インキュベートした。次にプレートを、BLOTTO(5%〔w/v〕非脂肪性ドライミルク/0.01%チメロソール/0.01Mリン酸ナトリウム中0.01%アンチフォームA、pH7.2/0.15M塩化ナトリウム)により37℃で1時間、ブロックした。血清を、BLOTTO:PBS(0.01Mリン酸ナトリウム、pH7.3/0.15MのNaCl)の1:1混合物により1:100に希釈し、そして希釈された血清50μlを、おのおののウェルに添加し、そして37℃で1時間、インキュベートした。その血清を除去し、そしてプレートを、緩衝液(0.15MのNaCl/0.05%〔w/v〕Tween20)により3度洗浄し、その後ヤギ抗-ヒトIgG/ホースラディシュペルオキシダーゼ接合体(50mMクエン酸ナトリウムにより1:10,000に希釈された50%ストック/0.05%Tween20/1%熱不活性化された正常なヤギ血清;Antiboclies,Inc.,Davis,CAから得られた)100μlを添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。その接合体を除去し、そしてそのプレートを、0.15MのNaCl/0.05%(w/v)Tween20により3度洗浄した。ELISAを、室温で30分間、ウェル当り基質溶液(0.05Mクエン酸ナトリウム50ml中3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン10mg、pH7.0)100μlを添加することによって展開せしめた。反応を、ウェル当り3NのH2SO4100μlにより停止せしめ、そして450nmで光学濃度を、自的化されたELISAリーダーによって決定した。
第1表の要約
第1表は、免疫反応性であるすべてのペプチドについてのELISA結果を与える ペプチド49及び50はペプチド36の一部である。
ペプチド56はペプチド39と一部オーバーラップする。
ペプチド49-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド50-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド56-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド40-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド23-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド15-BSAは、10/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
ペプチド36-BSAは、9/10陽性血清と反応する;2/2陰性血清とは反応しない。
大きなパネルにおいて、一部ペプチド39とオーバーラップするペプチド56は、ペプチド39と反応するすべての血清と反応しない。これは、ペプチド39内に少なくとも2つのエピトープが存在し又はペプチド39及び56は、オーバーラップしない反応エピトープを有することを示唆する。
ペプチド23(BSAに接合した及びBSAに接合しなかった)を、大きなパネルの血清(23陽性、8陰性)に対してさらに試験し、そして80〜90%の感受性を示す。
第2表の要約
第2表は、gag領域から誘導されたペプチドのうち2つ(#15及び#17)は、ペプチド39とかろうじて反応するか又は反応しないLAV血清陽性(セロポジティブ)血清と反応することを示す。これは、gag及びenvペプチドの組合せの使用が一層敏感なアッセイを作り出すことを示唆する。
第3表の要約
第3表は、ペプチド15-BSA及び39により得られた結果と物理的に混合された(15-BSA+39)又は化学的に結合された(チオール-酸化の15+39)これらのペプチドにより得られた結果とを比較する。
陽性サンプルがペプチド15及び39の物理的又は化学的組合せによりアッセイされる場合に得られた結果は、一般的に、いづれかのペプチドのみにより得られた結果よりもより高い。これは、サンプル126,131,135,138及び1296により明らかに例示される。
第4表の要約
第4表は、ELISAアッセイにおいて、ペプチド71,78,79,88,90,92及び97により得られた結果を比較する。1つを除くすべてのペプチドは、陽性のために70%以上の相関関係を提供し、そして2つのペプチドは100%の相関関係を持った。







第1表〜第3表の注
1:1983年9月15日に出願されたイギリス特許出願継続番号83/24800に記載しているようにして調製した。
2:放射性ラベルされたLAV抗原を、RIPA緩衝液により崩壊し〔Gileadなど.,Nature(1976)264:263〕、そして次にヒト血清と反応せしめた。その得られた免疫複合体を、スタフィロコーカス アウレウス(Staphylococcus aureus)吸着剤に結合することによって分離し〔Kessler,J.Immunology(1975)115:1617〕、次に数回洗浄した。
免疫沈殿された抗原を、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し〔Laemmli,Nature(1970)227:680)、次にフルオログラフィー処理した。p25又はgp43バンドの存在は、血清陽性としてサンプルを確証するために必要且つ十分であると考えられた。
3LAS=リンパ節症候群。
4N.D.=決定されなかった。
1個又は組合せの本発明のペプチドを用いて、AIDSに対する抗体の存在についての敏感且つ正確な試験を提供することは前述の結果から明らかである。本発明のペプチドは、単独で又はスクリーニングアッセイ又は確認アッセイと共に使用され得、ここで完全な溶解物又は完全な抗原が独立した方法として使用され得る。さらに、ペプチドの特異性のために、ペプチドをコードするDNA配列はまた、DNAハイブリダイゼーションアッセイにおいて類似する特異性を有するであろうことを、だれでもが予想できるであろう。従って、本発明は、リンパ節症候群及び/又はAIDSのレトロウィルス病因体にさらされている患者の検出を可能にする。
前述の発明は、明確に理解するために例示的及び例的にいくらか詳細に記載されているけれども、特許請求の範囲内で修飾及び変更を行うことができる。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
a.特許請求の範囲第1項
「1.サンプルを、LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドと混合し、それによって抗体がそのようなペプチドと結合し、特異的結合対複合体を形成し、そして複合体形成の量を決定することを含んで成る、LAV/HTLV-IIIウイルス又はLAV/HTLV-IIIウイルスに対する抗体を検出するための方法において、アッセイ培地中に、8〜50個アミノ酸から成り、
(A)そして下記のアミノ酸配列:


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチドであるか、あるいは
(B)上記アミノ酸配列(I),(II),(IV),(VI),(VII),(VIII),(X),(XI)又は(XII)において、1〜数個のアミノ酸の付加、失欠及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列であって且つLAV/HTLV-IIIに対する抗体と反応性を有するか又は巨大分子と結合した場合に該反応性を有するペプチドであって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドを使用することを特徴とする方法。」
を、
「1.サンプルを、LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドと混合し、それによって抗体がそのようなペプチドと結合し、特異的結合対複合体を形成し、そして複合体形成の量を決定することを含んで成る、LAV/HTLV-IIIウイルス又はLAV/HTLV-IIIウイルスに対する抗体を検出するための方法において、アッセイ培地中に、8〜50個のアミノ酸から成り、


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:


から成るベプチド並びにこれらのベプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないベプチドを使用することを特徴とする方法。」
に訂正する。
b.特許請求の範囲第7項
「7.LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドを含んで成る試薬であって、前記ペプチドが8〜50個アミノ酸から成り、
(A)そして下記アミノ酸配列:


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチドであるか、あるいは
(B)上記アミノ酸配列(I),(II),(IV),(VI),(VII),(VIII),(X),(XI)又は(XII)において、1〜数個のアミノ酸の付加、失欠及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列であって且つLAV/HTLV-IIIに対する抗体と反応性を有するか又は巨大分子と結合した場合に該反応性を有するペプチドであって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドであることを特徴とする試薬。」

「7.LAV/HTLV-IIIエピトープ部位と免疫学的に競争するエピトープ部位を有するペプチドを含んで成る試薬であって、前記ペプチドが8〜50個アミノ酸から成り、


からのLAV/HTLV-IIIの少なくとも8個の隣接するアミノ酸を有するペプチド
〔但し、次のアミノ酸配列:


から成るベプチド並びにこれらのベプチドの等価物を除く〕であって、
巨大分子(それに対する抗体はヒト血清中に実質的に存在しない)に結合しているか又は結合していないペプチドであることを特徴とする試薬。」
に訂正する。
審決日 2001-06-19 
出願番号 特願昭61-502443
審決分類 P 1 41・ 856- Y (C07K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 一色 由美子  
特許庁審判長 後藤 千恵子
特許庁審判官 植野 浩志
伊坪 公一
登録日 1997-10-09 
登録番号 特許第2705791号(P2705791)
発明の名称 AIDS関連病の検出のための合成抗原  
代理人 石田 敬  
代理人 西舘 和之  
代理人 西山 雅也  
代理人 石田 敬  
代理人 西舘 和之  
代理人 西山 雅也  

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