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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1048104
審判番号 不服2000-18267  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-03-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-11-16 
確定日 2001-11-01 
事件の表示 平成11年特許願第273231号「液晶表示パネル」拒絶査定に対する審判事件[平成12年 3月21日出願公開、特開2000- 81634]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯、本願発明
本願は、平成1年2月13日の出願である実願平1-15511号を平成8年8月29日に特願平8-229072号として出願変更したものの一部を平成11年9月12日に新たな特許出願としたものあって、その請求項1に係る発明は、平成12年12月18日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。
「2枚の基板の間に液晶層を狭持する液晶表示パネルにおいて、
前記液晶表示パネルに接続される液晶駆動用半導体素子が前記基板上に実装されてなり、
前記基板上には、前記半導体素子に最外端入力部から入力した電源電圧を供給するための第1の半導体駆動電極端子と、前記半導体素子に最外端入力部から入力信号を供給するための第2の半導体駆動電極端子と、前記半導体素子から前記液晶表示パネルに駆動用信号を供給するためのパネル電極端子とが形成され、
前記第1の半導体駆動電極端子、前記第2の半導体駆動電極端子及び前記パネル電極端子は、前記半導体電極端子の電極と各々接続されてなり、
前記パネル電極端子は、その数が前記第1の半導体駆動電極端子及び前記第2の半導体駆動電極端子よりも多く、
前記第1の半導体駆動電極端子及び前記第2の半導体駆動電極端子の最外端入力部の線巾は、前記半導体素子の電極の直径あるいは辺の長さより広く、且つ前記パネル電極端子の線巾より広く、
前記第1の半導体駆動用電極端子の最外端入力部の線巾は、前記第2の半導体駆動用電極端子の最外端入力部の線巾よりも1.5倍以上広く、
前記第1の半導体駆動電極端子及び前記第2の半導体駆動電極端子の線巾は、
各々が接続された前記半導体素子の前記電極から各々の前記最外端入力部に向かって広がっていることを特徴とする液晶表示パネル。」
2.引用刊行物に記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である実願昭61-4625号(実開昭62-118265号)のマイクロフィルム(以下、引用例1という)には、次のように記載されている。
「本考案の目的とするところは、前記する如き導電性接着剤を用いて液晶表示体のガラス基板と駆動ICとをフェイスダウンボンデイングし、樹脂封止して成る液晶表示装置に於て、工程の増加を伴うことなく、入力電極パターンの低抵抗化を可能ならしめることであり、上記目的を達成するため本考案では、ガラス基板と駆動ICとをボンディングするために導電性接着剤を供給する過程でガラス基板面上に形成された入力パターンのほぼ全面に導電性接着剤を供給しパターン状に膜形成したものである。」(第3頁第5〜15行)
「2枚以上のガラス基板2の空隙部に液晶を封入し、シール材によって封止して成る液晶表示体1の該ガラス基板2面上に、あらかじめITO、SiO2等から成る透明導電膜で画素パターン3の形成と同一工程で、駆動IC6に形成した突起電極群7に対応するパターン電極群4及び電源、信号等の入力パターン5を形成し、前記ガラス基板2面上のパターン電極群4の駆動IC6の突起電極群7対応部及び入力パターン5のほぼ全面に、銀、銅、ニッケル、カーボン等の導電性粉末を混入した導電性接着剤8を印刷、転写等の形成手段にてパターン形成し、前記駆動IC6の突起電極群7とパターン電極群4及び入力パターン5とを導電性接着剤8層を介しフェイスダウンボンディングし、焼成することによって、液晶表示体1と駆動IC6の電気的、機械的接続を成し、同時に入力パターン5の低抵抗化を達成することができる。」(第4頁第1〜18行)
また、第1〜3図に液晶表示装置の、特にガラス基板と駆動ICとをフェイスダウンボンディングした部分が断面図、平面図で示されている。
以上の記載からすれば、引用例1には、「2枚のガラス基板の空隙部に液晶を封入し、シール材によって封止して成る液晶表示体において、液晶表示体のガラス基板面上に、駆動ICに形成した突起電極群に対応するパターン電極群及び電源、信号等の入力パターンを形成し、駆動ICの突起電極群とパターン電極群及び入力パターンとを導電性接着剤層を介しフェイスダウンボンディングし、焼成することによって、液晶表示体と駆動ICの電気的、機械的接続をなした液晶表示体」が記載されているものと認められる。
同じく引用された刊行物である特開昭57-117265号公報(以下、引用例2という)には、次のように記載されている。
「第2図に示した従来の半導体装置に、本発明を適用した例を第3図に示した。・・・・この例では、信号の入力及び出力用のリード5に比べて、接地用のリード5a及び電源電圧供給用のリード5b及びリファレンス電圧供給用のリード5cを幅広に形成し、それぞれ導通抵抗を小さくすることにより電圧降下を防いでいる。」(第2頁左下欄第3〜12行)
また、第3図には、半導体ペレットの各電極をリードに接続してボンディングした半導体装置が示され、この場合、信号の入力及び出力用のリード5及び電源電圧供給用のリード5bは接続される半導体ペレット3のバンプ電極15の側から他の側に向かって拡がった形状になっている。
さらに引用された刊行物である特開昭57-93559号公報(以下、引用例3という)には、次のように記載されている。
「第2図は電源電圧(Vcc)供給用のパッド7a及び接地(GND)用のパッド7bの面積を他の信号用のパッド7の面積よりも約1倍半大きくした例で、・・・・。また、パッド7a及び7bにつながるリードの幅も通常のリードより太めにしてできるだけ導通抵抗を小さくし、電圧降下を防いでいる。」(第2頁右上欄第5〜13行)
また、第2図には、リードフレームに設けられたリードに半導体ペレットが接続されてなる半導体装置が示され、この場合、各リード5は接続される半導体ペレット6の電極の側から他の側に向かって拡がった形状になつている。
3.対比
本願発明と引用例1に記載のものとを対比する。
引用例1に記載のものにおける「ガラス基板」、「液晶を封入し、シール材によって封止」、「液晶表示体」、「駆動IC」、「駆動ICの突起電極群」は、それぞれ本願発明における「基板」、「液晶層を狭持」、「液晶表示パネル」、「液晶駆動用半導体素子」、「半導体素子の電極」に相当し、また、引用例1に記載のものにおける「電源、信号等の入力パターン」である「電源の入力パターン」、「信号の入力パターン」、「パターン電極群」はそれぞれ本願発明における「半導体素子に最外端入力部から入力した電源電圧を供給するための第1の半導体駆動電極端子」、「半導体素子に最外端入力部から入力信号を供給するための第2の半導体駆動電極端子」、「導体素子から液晶表示パネルに駆動用信号を供給するためのパネル電極端子」に相当するものであり、引用例1に記載のものにおける駆動ICはガラス基板上にフェイスダウンボンディングで実装されるものであるから、本願発明と引用例1に記載のものとは、「2枚の基板の間に液晶層を狭持する液晶表示パネルにおいて、前記液晶表示パネルに接続される液晶駆動用半導体素子が前記基板上に実装されてなり、前記基板上には、前記半導体素子に最外端入力部から入力した電源電圧を供給するための第1の半導体駆動電極端子と、前記半導体素子に最外端入力部から入力信号を供給するための第2の半導体駆動電極端子と、前記半導体素子から前記液晶表示パネルに駆動用信号を供給するためのパネル電極端子とが形成され、前記第1の半導体駆動電極端子、前記第2の半導体駆動電極端子及び前記パネル電極端子は、前記半導体電極端子の電極と各々接続されてなる液晶表示パネル」である点において共通するが、次の点において相違する。
a.本願発明において、パネル電極端子は、その数が第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子よりも多いが、引用例1に記載のものにおいては、パターン電極群、電源、信号等の入力パターンの数の関係については明記されていない点。
b.本願発明において、第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子の線巾は、各々が接続された半導体素子の電極から各々の最外端入力部に向かって広がっているのに対して、引用例1に記載のものにおいては、特に電源、信号等の入力パターンが駆動ICの突起電極群の側から他の側に向かって広がるようにはしていない点。
c.本願発明において、第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子の最外端入力部の線巾は、半導体素子の電極の直径あるいは辺の長さより広く、且つパネル電極端子の線巾より広く、第1の半導体駆動用電極端子の最外端入力部の線巾は、第2の半導体駆動用電極端子の最外端入力部よりも1.5倍以上広いのに対して、引用例1に記載のもにおいては、パターン電極群、電源、信号等の入力パターンの線巾について明記されていない点。
4.判断
そこで、上記相違点について検討する。
相違点aについて:
引用例1に記載のものにおけるパターン電極群は駆動ICからの駆動信号を液晶表示体側の各画素列に送るための結線になるので、電源、信号等の入力パターンは液晶表示体の画素数にかかわらず特定された数であるのに対して、パターン電極群は画素列の数に応じて多くなるのは当然である。それゆえ、本願発明においてパネル電極端子の数が第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子より多いというのは、液晶表示パネルの画素列の数が多いという一般的な条件において当然のことを示しているにすぎない。
相違点bについて:
引用例2及び引用例3に示されるように、電源電圧供給用、信号の入力及び出力用のリードをそれが半導体ペレットの電極に接続される側から他の側に向かって拡がる形状にすることは周知の手段であり、引用例1に記載される液晶表示体の駆動ICの突起電極群に接続される電源、信号等の入力パターンをこのような広がる形状のものとすることは適宜考慮し得るところである。
相違点cについて:
相違点aに関して述べたように、パネル電極端子は、その数が第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子より多く、また、流れる電流は同等ないし小さいものであるのは明らかであるから、第1の半導体駆動素子及び第2の半導体駆動電極端子の線巾をパネル電極端子の線巾より広くするのは当然配慮すべきことである。また、相違点bに関して述べたように、最外端入力部に向かって巾が広がる形状の場合、さらに、第1の半導体駆動電極端子及び第2の半導体駆動電極端子の最外端入力部の線巾がパネル電極端子の線巾より広くなるようにすべきであるのは明らかであり、またその巾の広さの程度が半導体素子の電極の直径あるいは辺の長さより広くすることは適宜考慮し得る程度の事項であって、それにより格別な技術的特徴が与えられることはない。また、引用例2において、半導体ペレットに接続される電源電圧供給用リードを信号の入力及び出力用のリードに比べて幅広に形成し、導通抵抗を小さくして電圧低下を防ぐことが示されていることからすれば、本願発明において第1の半導体駆動用電極端子の最外端入力部の線巾は第2の半導体駆動用電極端子の線巾より巾広くすることも容易になし得るところであり、その巾を1.5倍以上とすることも格別臨界的な意義を有するものではなく、適宜考慮し得るところである。
それゆえ、この相違点も何ら格別なところはない。
さらに、相違点a〜cを総合しても、格別な作用効果を奏する技術的特徴が与えられることはない。
5.むすび
したがって、本願発明は、引用例1〜3に各々記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-08-28 
結審通知日 2001-09-04 
審決日 2001-09-17 
出願番号 特願平11-273231
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 橿本 英吾  
特許庁審判長 青山 待子
特許庁審判官 町田 光信
東森 秀朋
発明の名称 液晶表示パネル  
代理人 上柳 雅誉  

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