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審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  E21D
管理番号 1049971
異議申立番号 異議2000-72951  
総通号数 25 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-03-03 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-28 
確定日 2001-08-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3010021号「ビーム型トンネル掘削機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3010021号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第3010021号は、平成8年8月26日の出願であって、平成11年12月3日に特許の設定登録がされ、平成12年7月28日に石井健治より特許請求の範囲の請求項1に係る発明に対して特許異議の申立がされ、平成13年3月16日付けで取消理由通知がなされたところ、その指定期間内である平成13年5月30日付けで特許異議意見書とともに訂正請求書が提出されたものである。

第2 訂正の適否について

1.訂正の内容
上記訂正請求書によって、特許権者が求める訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、明細書の特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、
中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。」を、
「【請求項1】前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、
該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベアを設け、
中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。」と訂正する。
(2)訂正事項2
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の発明の詳細な説明の欄の段落番号0007の項を、次のように訂正する。
「【発明の実施の形態】
この出願発明に係るビーム型トンネル掘削機の実施形態としては、前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベアを設け、中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したものである。」

2.訂正の適否について
(1)上記訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1のメインビームの構造を限定するものであり、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものである。
そして、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)上記訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1の訂正に伴って、それとの整合を図るために発明の詳細な説明を訂正したもので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)よって、平成13年5月30日付けの訂正請求は、特許法第120条の4第2項並びに同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び同条第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて

1.本件発明
上記「第2」に記載したように平成13年5月30日付けの訂正は認められることから、本件発明は、上記「第2」の「1.訂正の内容」、「(1)訂正事項1」で訂正された請求項1に記載された事項により特定されるものである。

2.特許法第17条の2第3項について
(1)本件特許については、拒絶査定を不服とする審判請求時の平成11年8月3日付けの手続補正書により、明細書及び図面の図4、図5が補正された。
上記手続補正書により、発明の詳細な説明の欄においてカッターヘッドの首振りに関して次のとおり補正された(以下、平成11年8月3日付け手続補正書による補正を本件補正という。)。
(ア)発明の詳細な説明の段落番号0016及び0018
「【0016】前部メインビーム9Aの軸心線O1に直交し、中折れピン13aの軸心Oを通る直線O2上に左右の枢支ピン14aの軸心がくるようにスラストジャッキ15と前部メインビーム9Aとの連結部を配置する。これは、前部メインビーム9Aの首振りのための力量が小さくて済むからである。かかる構成では、スラストジャッキ15の力点が中折れピン13aを通る直線上にあり、カッターヘッド3は地山に押し付けられているため、カッターヘッドステアリング時の首振り中心は、カッターヘッド3と地山との接触部となる。そのため、カーブ中心と同じ側のスラストジャッキ15を押すと、中折れピン13aは図5上において上方に振れ、前部メインビーム9Aと後部メインビーム9Bとは中折れピン13aの位置で掘削が進むにつれて「く」の字形に大きく屈折する(図4に示すように後部メインビーム9Bは球面座16aを介して揺動自在である)。カッターヘッド3は掘削しながら所定方向に首振りする。」、
「【0018】以上のように構成される本実施例のトンネル掘削機1について、掘削動作を説明する。
A) 通常の直線施工の場合:(省略)
B) 急曲線施工の場合(図5参照):トンネルの掘削方向の制御は、カーブ半径が大きい(ゆるやかな曲線施工)の場合には、両側のメイングリッパ17のグリッパジャッキ17bのストローク差を利用して行うこともできるが、急曲線施工の場合には、グリッパ装置16を地山(トンネル坑壁)に固定した状態で、左右のスラストジャッキ15にストローク差を設けて、例えば図5の如く左に急カーブしたい時には、左のスラストジャッキ15を右のものよりより長く伸ばすことにより中折れピン13aを図5において上方に押してこの位置で屈折させてカッターヘッド3を含む前部メインビーム9Aを左方向に掘削進行の過程で所定の角度θだけ揺動させる。そして左右のストローク差をそのまま保持制御しながら、上記と同様な要領で掘進していくと所望の急カーブの掘削ができる。」と補正された。
(イ)図4において、符号16a及びその引き出し線を追加するように補正された。
(ウ)図5が全面的に補正された。
(2)一方、本件特許の願書に最初に添付した明細書及び図面には、カッターヘッドの首振りに関して次のとおり記載されている。
(ア)特許請求の範囲の記載
「【請求項1】 前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドの後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備えたトンネル掘削機において、前記グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中に中折れピンを有する中折れ機構を設けるとともに、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けたことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。
【請求項2】 前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備えたトンネル掘削機において、前記グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。
【請求項3】 中折れ駆動手段を、中折れピン位置付近の前部メインビーム上に該前部メインビームを挟んで両側に一対のスラストジャッキの一端を連結するとともにその他端をグリッパ装置に連結して構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のビーム型トンネル掘削機。
【請求項4】 中折れピンの軸心を通りメインビーム軸心線に直交する直線上またはこの直線より前にスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とする請求項3記載のビーム型トンネル掘削機。」
(イ)発明の詳細な説明の欄の記載
段落番号0016には、
「【0016】図1、2に示すように、トンネル掘削機1は、バルクヘッド5とフロントサポート7から構成されるフロントボディ2を備えている。フロントボディ2の前端部には、多数の岩盤掘削用のローラーカッター3aを有するカッターヘッド3が、軸受4を介して回動自在に配設されている。軸受4はバルクヘッド5に取り付けられており、バルクヘッド5の後部より取り付けられた駆動ユニット20により回転駆動される。バルクヘッド5は円形の板体と環状のフレームとからなり、その外縁部の下方においてフロントサポート7とネジ止め等の手段で連結されている。また、バルクヘッド5の前面にはカッターチャンバー6が、カッターヘッド3との空間において一体に形成されている。フロントサポート7は、バルクヘッド5の下方に配設されており、坑壁に接地してカッターヘッド3とバルクヘッド5を支承している。」と記載され、
段落番号0019ないし0021には、
「【0019】図1、図2に示すように、メインビーム後部9cにはグリッパ装置16が前後方向に摺動自在に配設され、メインビーム9を前後方向に摺動自在に支持している。このグリッパ装置16がメインビーム9に沿って前後方向に摺動自在する範囲を除いた前方部にメインビーム9の中折れピン13aを有する中折れ機構13が設けられている。メインビーム9はこの中折れピン13aの前後で前部メインビーム9Aと後部メインビーム9Bとに分割され、中折れピン13aを軸にしてカッタヘッド3を含む前部メインビーム9Aが首振り(揺動)可能に枢支連結されている。
【0020】前部メインビーム9Aの後端の左右両側にブラケット14が張り出して設けられ、このブラケット14から張り出した上下一対の支持部材14bにスラストジャッキ15の一端が枢支ピン14aを軸として枢着され、その他端がグリッパ装置16の外端部に枢着されている。その結果、左右のスラストジャッキ15がハの字形をなして配設された形になっている。通常の場合、このスラストジャッキ15が中折れ機構13の中折れ駆動手段を構成するものであるが、本来、このスラストジャッキ15は掘進用ジャッキとして働くものである。本願ではこれを中折れ駆動手段として利用して装置を簡便にしている。もっとも、スラストジャッキ15を中折れ駆動手段として利用せずに、中折れピン13aに別途ロータリアクチュエータを接続して、中折れピン13aをロータリアクチュエータによって回動させることにより前部メインビーム9Aを揺動させるようにしてもよい。
【0021】通常、前部メインビーム9Aの軸心線O1に直交し、中折れピン13aの軸心Oを通る直線O2上に左右の枢支ピン14aの軸心がくるようにスラストジャッキ15と前部メインビーム9Aとの連結部を配置するか、或いは、この直線O2より前にその連結部を設けるようにするとよい。これは、この連結部が直線O2より後方にくれば前部メインビーム9Aの首振りのために大きなジャッキ力量が必要となるが、前方であれば力量は小さくて済むからである(これはスラストジャッキ15の作用線と中折れピン13aとのレバーの大小に起因)。」と記載され、
段落番号0025には、
「【0025】B) 急曲線施工の場合(図5参照):
トンネルの掘削方向の制御は、カーブ半径が大きい(ゆるやかな曲線施工)の場合には、両側のメイングリッパ17のグリッパジャッキ17bのストローク差を利用して行うこともできるが、急曲線施工の場合には、グリッパ装置16を地山(トンネル坑壁)に固定した状態で、左右のスラストジャッキ15にストローク差を設けて、例えば図5の如く左に急カーブしたい時には、右のスラストジャッキ15を左のものよりより長く伸ばすことにより中折れピン13aを支軸にしてカッターヘッド3を含む前部メインビーム9Aを左方向に所定の角度θだけ揺動させる(そのために左側の地山を予め余堀りしておく必要がある)。そして左右のストローク差をそのまま保持制御しながら、上記と同様な要領で掘進していくと所望の急カーブの掘削ができる。」と記載されている。
(ウ)図5には、トンネル掘削機の急曲線施工時の動作図(平面図)が示されており、図において、上側のスラストジャッキは、下側のスラストジャッキよりも伸びており、前部メインブーム9Aが後部メインブーム9Bに対して角度θだけ傾いた状態が示されている。
(3)以上より、本件特許の願書に最初に添付した明細書及び図面(特に図5)においては、例えば、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを図5に示されたように(進行方向に向かって)左の方向に傾ける場合には、右側(図面の上側)のスラストジャッキを延ばすことによって、所定の角度θだけ揺動させることになる。ここで、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを左側に揺動させるためには、カッターヘッド3の左側の地山を予め余堀りしておく必要があり(段落番号0025)、そのように余掘りして空間を設けておくことにより、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aは中折れピン13aを中心として何ら抵抗を受けることなく揺動できるのであって、中折れピン13aの位置は移動せず、後部メインビーム9Bはグリッパ装置に対して相対的な移動や揺動はないものと考えられる。
一方、本件補正により、図5とともに発明の詳細な説明における説明が補正され、例えば、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを補正後の図5に示されたように(進行方向に向かって)左の方向に傾ける場合には、左側(図面の下側)のスラストジャッキを右のものよりより長く伸ばすことにより、中折れピン13aを右側(図面の上側)に押して屈折させ、カッターヘッド3を含む前部メインビーム9Aを左方向に所定の角度θだけ揺動させることになった。
ここで、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aの揺動は、カッターヘッド3が地山に接触したまま、その接触部を中心として揺動(段落番号0016)することになり、中折れピン13aが左側のスラストジャッキ15によって右側に押し出され、そのことによって、後部メインビーム9Bはグリッパ装置の内部において相対的に揺動するものと考えられる。
このように、願書に最初に添付した明細書及び図面に記載された技術的事項と、本件補正による技術的事項とでは、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを揺動させるための原理が全く異なり、しかも、願書に最初に添付した明細書及び図面には、本件補正のように、中折れピン13aを右側(図5の上側)に押して屈折させ、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを揺動させる技術的事項は全く記載されておらず、そのことを示唆する記載も認められない。
したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものとすることはできず、特許法第17条の2第3項の要件を満たしていない。
(4)特許権者は、平成13年5月30日付け特許異議意見書において、本件発明の場合、どのスラストジャッキを伸ばせばどの方向にくの字形に屈曲するかといった程度のことは当業者であれば自明であり、当初の記載は単なる誤記であった旨主張するが、願書に最初に添付した明細書及び図面に記載されたように、例えば、カッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを左に傾ける場合に、カッターヘッド3の左側を余掘りしておき、右側のスラストジャッキ15を伸ばすことによりカッターヘッド3を含む前部メインブーム9Aを中折れピン13aを中心として揺動させることに何ら不都合、不自然な作動はなく、この点が誤記であったとは考えられない。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本件特許は、特許法第17条の2第3項の要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであり、同法第113条第1項第1号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ビーム型トンネル掘削機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、
該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベヤを設け、
中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願に係る発明は、急曲線施工に適したビーム型(オープン型ともいう)トンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、岩盤におけるトンネル掘削用として、例えば、特公昭62-32319号公報に従来技術として記載されている図6のようなビーム型トンネル掘削機が知られている。これによれば、前端にカッターヘッド31を備えたビーム32に沿って、前後に間隔をあけ且つ一体に連結された前後一対のグリッパ33を前後方向に摺動自在に配設し、後側グリッパ33bとビーム32後端部をスラストジャッキ36で連結した構造からなる。ビーム32の後端には駆動ユニット37を備え、ビーム32の中心部を軸方向に貫通する回転軸38を介してカッターヘッド31を回転させる。また、ビーム32の後端にはサポート39を下向きに伸縮自在に備えている。そして、前後のグリッパ33を伸長させてトンネル坑壁に押し当てて掘進時の反力をとり、カッターヘッド31を回転しながらスラストジャッキ36収縮して前進させ、掘削作業を行って所定距離前進した後、前後のグリッパ33を収縮し、スラストジャッキ36を伸長させグリッパ33をビーム32に沿って前方へ戻す。こうした作業を繰り返し行うことにより、トンネルを掘削するものである。
【0003】
また、従来のビーム型トンネル掘削機としては、これとは別に図8のようなものも知られている。これは、岩盤掘削用のローラーカッター43a有するカッターヘッド43が軸受44を介して回転自在に配設されている。軸受44は、バルクヘッド45に取り付けられており、カッターヘッド43の駆動ユニット47もその前端部がバルクヘッド45に固定されている。バルクヘッド45は、その外周縁部の下方部分において、フロントサポート(図示せず)とボルト止め等の手段で結合され、一体としてフロントボディ42を構成する。メインビーム49は、バルクヘッド45の中心付近に固設され、フロントボデイ42から後方へ延びている。メインビーム49に隣接して掘削土の搬出用ベルトコンベヤ(図示せず)がカッターチャンバー46から後方へ延設されているが、このベルトコンベヤは、メインビーム49を中空構造としてその内部に配設してもよい。メインビーム49の後端には一対のグリッパ装置50が前後方向に摺動自在に配置されている。メインビーム49の前部とグリッパ装置50はスラストジャッキ51によって連結されている。メインビーム49の後端は、一対のリヤサポート52が下方に配設されている。このトンネル掘削機41は、グリッパ50を伸長させ、トンネル坑壁に押し当てて掘削時の反力をとり、カッタヘッド43を回転させつつ、スラストジャッキ51を伸長して前進させ、掘削作業を行って所定距離前進した後、リヤサポート52を伸長してメインビーム49の後端側を支承し、グリッパ装置50のグリッパーシュー50aを収縮した状態で、スラストジャッキ51を収縮することにより、グリッパ装置50をメインビーム49に沿って前方へ引き寄せ、元の状態に戻す。こうした作業を繰り返すことによって。トンネルを掘削するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した前者(図6)の従来のビーム型トンネル掘削機では、図7に示すようにカーブ掘削施工時に掘削機の後部を左右に移動してカッターヘッドの向きを変えるが、せいぜい実線で示すカーブ程度の掘削しかできず、仮想線で示すような急曲線施工には対応できない。なぜなら、
▲1▼ グリッパ33のストロークに限界があり、必要なだけの移動ができず、
▲2▼ ビーム38の後端がトンネル壁に接触し必要な移動量が得られない、
等の理由からであり、従って、施工できるカーブ半径に制約がある。
【0005】
また、後者(図8)の従来のビーム型トンネル掘削機においても同様のことが言える。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願に係る発明は、ビーム型トンネル掘削機におけるビームの途中に中折れ機構を設け、カッターヘッドを含む前部ビームを該中折れ機構の中折れピンを支点として首振り可能にすることにより、急曲線施工に対応できるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この出願発明に係るビーム型トンネル掘削機の実施形態としては、前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベヤを設け、中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したものである。
【0008】
これによって、中折れピンを軸にして前部メインビーム等を曲線施工したい方向に所定量(角度)揺動させることができ、急曲線施工に容易に対応できる。また、中折れピンの軸心を通りメインビームの軸心線に直交する直線上にスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置することで、スラストジャッキの力量を最小にしつつ前部メインビーム等を容易に揺動させることが可能となり、しかも、周囲にある他の設備に干渉することなく、コンパクトにスラストジャッキ等を配置することができる。
【0009】
【実施例】
以下、この出願に係る発明のビーム型トンネル掘削機の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1はビーム型トンネル掘削機の全体を概略的に示す概略平面図、図2は同概略側面図(掘削機の前部は断面して示す)、図3の左半分は図2のA-A線断面図で、右半分は図2のB-B線断面図、図4の左半分は図2のC-C線断面図で、右半分は図2のD-D線断面図、図5はこの出願発明のトンネル掘削機の急曲線施工時の動作図(平面)である。
【0011】
図1、2に示すように、トンネル掘削機1は、バルクヘッド5とフロントサポート7から構成されるフロントボディ2を備えている。フロントボディ2の前端部には、多数の岩盤掘削用のローラーカッター3aを有するカッターヘッド3が、軸受4を介して回動自在に配設されている。軸受4はバルクヘッド5に取り付けられており、バルクヘッド5の後部より取り付けられた駆動ユニット20により回転駆動される。バルクヘッド5は円形の板体と環状のフレームとからなり、その外縁部の下方においてフロントサポート7とネジ止め等の手段で連結されている。また、バルクヘッド5の前面にはカッターチャンバー6が、カッターヘッド3との空間において一体に形成されている。フロントサポート7は、バルクヘッド5の下方に配設されており、坑壁に接地してカッターヘッド3とバルクヘッド5を支承している。
【0012】
メインビーム9は、矩形断面の形状を持ち、中空構造となっている。メインビーム9は、その前端部がバルクヘッド5の中央部付近に固設され、フロントボディ2から後方へ延びている。メインビーム9は、前端から後方にかけて段階的に形状が小さくなっている。メインビーム9の内空部にはベルトコンベヤ10がカッターチャンバー6からトンネル掘削機1の後端まで延設されている。また、メインビーム9の後端部には一対のリヤサポート11が下向きに配設されている。リヤサポート11は、図4のように接地用の断面円弧状シュー11aをジャッキ11bで進退させる構造からなる。
【0013】
メインビーム9の前方部分には、図3のように(図1、2には簡単のため省略)、エレクタ12aが配備される。エレクタ12aは、メインビーム前部9aに配設されたガイドレール12に沿って円周方向に回転自在となっており、地山の支保部材(例えばリング支保等)を組み立てるものである。
【0014】
図1、図2に示すように、メインビーム後部9cにはグリッパ装置16が前後方向に摺動自在に配設され、メインビーム9を前後方向に摺動自在に支持している。このグリッパ装置16がメインビーム9に沿って前後方向に摺動自在する範囲を除いた前方部にメインビーム9の中折れピン13aを有する中折れ機構13が設けられている。メインビーム9はこの中折れピン13aの前後で前部メインビーム9Aと後部メインビーム9Bとに分割され、中折れピン13aを軸にしてカッタヘッド3を含む前部メインビーム9Aが首振り(揺動)可能に枢支連結されている。
【0015】
前部メインビーム9Aの後端の左右両側にブラケット14が張り出して設けられ、このブラケット14から張り出した上下一対の支持部材14bにスラストジャッキ15の一端が枢支ピン14aを軸として枢着され、その他端がグリッパ装置16の外端部に枢着されている。その結果、左右のスラストジャッキ15がハの字形をなして配設された形になっている。通常の場合、このスラストジャッキ15が中折れ機構13の中折れ駆動手段を構成するものであるが、本来、このスラストジャッキ15は掘進用ジャッキとして働くものである。本願ではこれを中折れ駆動手段として利用して装置を簡便にしている。もっとも、スラストジャッキ15を中折れ駆動手段として利用せずに、中折れピン13aに別途ロータリアクチュエータを接続して、中折れピン13aをロータリアクチュエータによって回動させることにより前部メインビーム9Aを揺動させるようにしてもよい。
【0016】
前部メインビーム9Aの軸心線O1に直交し、中折れピン13aの軸心Oを通る直線O2上に左右の枢支ピン14aの軸心がくるようにスラストジャッキ15と前部メインビーム9Aとの連結部を配置する。これは、前部メインビーム9Aの首振りのための力量が小さくて済むからである。かかる構成では、スラストジャッキ15の力点が中折れピン13aを通る直線上にあり、カッターヘッド3は地山に押し付けられているため、カッターヘッドステアリング時の首振り中心は、カッターヘッド3と地山との接触部となる。そのため、カーブ中心と同じ側のスラストジャッキ15を押すと、中折れピン13aは図5上において上方に振れ、前部メインビーム9Aと後部メインビーム9Bとは中折れピン13aの位置で掘削が進むにつれて「く」の字形に大きく屈折する(図4に示すように後部メインビーム9Bは球面座16aを介して揺動自在である)。カッターヘッド3は掘削しながら所定方向に首振りする。
【0017】
図4に示す如く、上記グリッパ装置16の両側にはメイングリッパ17がそれぞれ配設されている。メイングリッパ17は、断面円弧状のグリッパシュー17aを複数本のグリッパジャッキ17bの先端に連結して取り付け、グリッパジャッキ17bの伸縮動作によりグリッパシュー17aを両側方に進退させ、トンネル坑壁に押付け可能な構造からなる。また、スラストジャッキ15の後端部は、本例では、グリッパシュー17aに摺動自在に当接させたうえで、メイングリッパ17のグリッパシュー17aに鉛直ピン15b(図5)を介して連結されている。なお、スラストジャッキ15の後端部は、グリッパ装置16に当接させて連結することもできる。
【0018】
以上のように構成される本実施例のトンネル掘削機1について、掘削動作を説明する。
A) 通常の直線施工の場合:
岩盤等の硬質地盤におけるトンネル掘削に際しては、メイングリッパ17のグリッパシュー17aを坑壁に押し当て、グリッパ装置16を地山(トンネル坑壁)に固定した状態で、カッターヘッド3を回転させながらスラストジャッキ15を伸長させることによりフロントボディ2を前進させて掘削作業を行う。所定距離の掘削後は、リヤサポート11を伸長してメインビーム9の後端側を支承し、メイングリッパ17のグリッパシュー17aを収縮した状態で、スラストジャッキ15の収縮によりグリッパ装置16をメインビーム9に沿って前方へ引き寄せ、元の状態に戻し、後は上記の作業を繰り返すことにより、掘削作業を遂行する。
B) 急曲線施工の場合(図5参照):
トンネルの掘削方向の制御は、カーブ半径が大きい(ゆるやかな曲線施工)の場合には、両側のメイングリッパ17のグリッパジャッキ17bのストローク差を利用して行うこともできるが、急曲線施工の場合には、グリッパ装置16を地山(トンネル坑壁)に固定した状態で、左右のスラストジャッキ15にストローク差を設けて、例えば図5の如く左に急カーブしたい時には、左のスラストジャッキ15を右のものよりより長く伸ばすことにより中折れピン13aを図5において上方に押してこの位置で屈折させてカッターヘッド3を含む前部メインビーム9Aを左方向に掘削進行の過程で所定の角度θだけ揺動させる。そして左右のストローク差をそのまま保持制御しながら、上記と同様な要領で掘進していくと所望の急カーブの掘削ができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したこの出願発明の実施形態によれば下記の優れた効果が得られる。
▲1▼ 中折れピンの軸にして前部メインビーム等を曲線施工したい方向に所定量(角度)揺動させることができ、急曲線施工に容易に対応できる。
▲2▼ 本来掘進用として使用される左右のスラストジャッキを利用して、これを中折れ駆動手段とすることで装置が簡便となる。この左右のスラストジャッキにストローク差をつけることによって、前部メインビーム等が中折れピンを軸として揺動させることができ、急曲線施工に難無く対応可能となる。
▲3▼ 中折れピンの軸心を通りメインビーム軸心線に直交する直線上にスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置することにより、スラストジャッキの力量を最小にしつつ前部メインビーム等を容易に揺動させることが可能となり、しかも、コンパクトにスラストジャッキ等を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この出願発明に係る実施例としてのトンネル掘削機の全体を概略的に示した平面図である。
【図2】
同概略側面図(掘削機の前部は断面して示す)である。
【図3】
左半分は図2のA-A線断面図で、右半分は図2のB-B線断面図である。
【図4】
左半分は図2のC-C線断面図で、右半分は図2のD-D線断面図である。
【図5】
この出願発明のトンネル掘削機の急曲線施工時の動作図(平面)である。
【図6】
従来の一般的なビーム型トンネル掘削機の全体を概略的に示す側面図である。
【図7】
従来の一般的なビーム型トンネル掘削機の曲線施工時の課題を説明するための概略平面図である。
【図8】
従来の一般的なビーム型トンネル掘削機の全体を概略的に示した平面図である。
【符号の説明】
1…トンネル掘削機
2…フロントボディ
3…カッターヘッド
5…バルクヘッド
6…カッターチャンバー
7…フロントサポート
9…メインビーム
9A…前部メインビーム
9B…後部メインビーム
15…スラストジャッキ(中折れ駆動手段)
16…グリッパ装置
17…メイングリッパ
13…中折れ機構
13a…中折れピン
14a…枢支ピン
20…駆動ユニット
 
訂正の要旨 訂正の要旨
1.訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、明細書の特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、
中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。」を、
「【請求項1】前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、
該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベアを設け、
中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したことを特徴とするビーム型トンネル掘削機。」と訂正する。
2.訂正事項2
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の発明の詳細な説明の欄の段落番号0007の項を、次のように訂正する。
「【発明の実施の形態】
この出願発明に係るビーム型トンネル掘削機の実施形態としては、前端部にカッターヘッドを有し、該カッターヘッドを回転自在に支持駆動するカッターヘッド駆動部と、該駆動部から後方へ向けて延びるメインビームと、該メインビームの後部に該メインビームに沿って前後に摺動自在なグリッパ装置とを備え、該グリッパ装置の摺動範囲外の前記メインビームの途中を前部メインビームと後部メインビームとに分割し、この分割部に中折れ機構を構成する中折れピンを設けて前部メインビームと後部メインビームとを連結枢着し、該中折れ機構に中折れ駆動手段を設けて該中折れピンを支点としてカッターヘッドを含む前部メインビームを該中折れ駆動手段により首振り可能に構成したビーム型トンネル掘削機において、該メインビームを中空構造としてその内空部にベルトコンベアを設け、中折れ駆動手段を該前部メインビームを挟んで両側に設けたスラストジャッキで構成し、該スラストジャッキの前端を前部メインビームの後端上に枢支ピンを軸として枢着連結するとともにその後端をグリッパ装置の外端部に枢着し、前記中折れピンの軸心を通り前部メインビーム軸心線に直交する直線上に前記したスラストジャッキと前部メインビームとの連結枢支ピンを配置したものである。」
異議決定日 2001-06-26 
出願番号 特願平8-223444
審決分類 P 1 651・ 55- ZA (E21D)
最終処分 取消  
前審関与審査官 中槙 利明深田 高義  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 中田 誠
鈴木 公子
登録日 1999-12-03 
登録番号 特許第3010021号(P3010021)
権利者 川崎重工業株式会社 清水建設株式会社
発明の名称 ビーム型トンネル掘削機  
代理人 西谷 俊男  
代理人 幅 慶司  
代理人 阪本 英男  
代理人 幅 慶司  
代理人 古川 安航  
代理人 高石 郷  
代理人 西谷 俊男  
代理人 角田 嘉宏  
代理人 古川 安航  
代理人 古川 安航  
代理人 幅 慶司  
代理人 西谷 俊男  
代理人 角田 嘉宏  
代理人 高石 ▲郷▼  
代理人 角田 嘉宏  
代理人 阪本 英男  
代理人 高石 ▲郷▼  
代理人 阪本 英男  

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