• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1051380
異議申立番号 異議2000-72935  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-03-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-31 
確定日 2001-09-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3005507号「弾球遊技機」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3005507号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
特許第3005507号の請求項1ないし請求項2に係る発明についての出願は、平成2年7月25日に出願された特願平2-196898号の一部を、平成9年7月25日に新たな特許出願とした特願平9-215940号の一部を、平成9年8月25日に新たな特許出願としたものであって、平成11年11月19日に特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、小室豊および弓桁忠より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年3月9日に訂正請求がなされた後(後日、訂正請求は取り下げられた。)、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年7月9日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア.訂正事項a
特許明細書における特許請求の範囲に係る記載を、
「【請求項1】電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】前記玉切れ検出手段の取付位置を1回の払出動作に対応する景品玉数に応じて自由に変更できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。」と訂正する。
イ.訂正事項b
特許明細書の段落番号【0004】に係る記載を、
「 【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明が採用した解決手段は、図1及び図2に示すように、電気的駆動源としてのステッピングモー夕83の駆動により作動する払出部材としてのスプロケット85によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置70を備えた弾球遊技機において、前記スプロケット85の上流側に配置される供給通路としての供給樋63に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給樋63に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段としての景品玉検出器64を設け、景品玉の払出動作中に前記景品玉検出器64が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記スプロケット85の駆動を停止することを特徴とするものである。このように構成することにより、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。」と訂正する。
ウ.訂正事項c
特許明細書における段落【0047】に係る記載を、
「【0047】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止するので、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じたとしても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
特許明細書の段落番号【0040】に「まず、景品玉検出器64による玉切れであるとの判定は、図14に示すように、通常景品玉の払出動作中において景品玉検出器64は、瞬間的な微小時間T2だけONし、その後微小時間OFFとなる動作を繰り返しているものである。したがって、そのON・OFF動作がなくなってから微小時間T2よりも長い時間T3だけONが継続したときには、景品玉検出器64を通過する景品玉がなくなったことを意味するので、玉切れであると判定される。同様に後述するステップS7にける景品玉検出器64の景品玉装填の判定も微小時間T3だけOFFが継続したか否かで判定される。」との記載に基づいて、特許明細書における特許請求の範囲の請求項1における「景品玉の有無を検出する玉切れ検出手段」を「玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段」と訂正を求めるものであることから、上記訂正事項aによる訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、また、上記訂正事項b、cは、上記訂正事項aとの整合を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項および第3項の規定に第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議の申立についての判断
ア.申立ての理由の概要
(1)特許異議申立人弓桁 忠は、甲第1号証(特開平1-308580号公報)および甲第2号証(特開昭59-203580号公報)を提出し、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証および甲第2証に記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2項の規定により取り消すべき旨主張している。
(2)特許異議申立人小室 豊は、甲第1号証(特開昭59-209371号公報)、甲第2号証(実願昭57-117240号(実開昭59-22185号)のマイクロフィルム)、甲第3号証(特開平2-92382号公報)、甲第4号証(特開昭63-234989号公報)、甲第5号証(実願昭63-131973号(実開平2-53780号)のマイクロフィルム)、甲第6号証(実願昭49-43286号(実開昭50-133280号)のマイクロフィルム)、甲第7号証(実願昭49-52823号(実開昭50-140583号)のマイクロフィルム)および甲第8号証(実願昭51-107457号(実開昭53-25481号)のマイクロフィルム)を提出して、本件請求項1および請求項2に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項に規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2項の規定により取り消すべき旨主張している。
イ.請求項1及び2に係る発明
本件特許第3005507号の請求項1および請求項2に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1および請求項2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止することを特徴とする弾球遊技機(以下、「本件発明1」という)。
【請求項2】前記玉切れ検出手段の取付位置を1回の払出動作に対応する景品玉数に応じて自由に変更できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。」(以下、「本件発明2」という。)」
ウ.本件発明1について
当審が通知した取消理由で引用した刊行物1(特開平1-308580号公報、異議申立人弓桁 忠提示の甲第1号証)には、「なお、上記実施例においては、パルス信号によってステッピングモー夕41を所定角度づつ回転させて所定個数の景品玉を払い出すように構成したが、より正確性を増すために、払い出される景品玉数を計数する計数手段を付加し、この計数手段とステッピングモー夕41とを関連付けて構成しても良い。」(第5頁左下18行〜右下欄4行)と記載され、「ところで、取付板30には、前記供給樋28に連続する供給通路31が形成され、該供給通路31の下流側に景品玉の方向を後述する玉載置部37に向けて変化させる流路変更部32が形成されている。」(第4頁左下第8行〜第12行)が第1図及び第2図と共に記載され、「カーブ樋25には、景品玉欠乏感知板26が配置されている。この景品玉欠乏感知板26は、前記景品玉不足感知板23が作動したにも拘らず景品玉が補給されない状態で景品玉が払い出されたときに動作して、その下方に配置された景品玉欠乏検出器27をOFFさせることにより後述する景品玉払出装置29の駆動モ-夕であるステツピングモータ41の動作を停止させ、以って遊技を中断させるようにしたものである。カーブ樋25の下流側は、垂直状の供給樋28を横成し、この供給樋28には、1回の払出動作によって払い出される景品玉数よりもやや多い数の景品玉が貯留されるようになっている。」(第3頁右下欄4行〜17行)と記載されている。
同じく引用した刊行物2(特開昭59-203580号公報、異議申立人弓桁 忠提示の甲第2号証)には、「それから、上記誘導路の25の略垂直に降下する部分の途中には、各列宛にそれぞれ流路内へ臨む検出板57aとマイクロスイッチ57bとから成る流下異常検出器57が設置され、誘導路25内の玉止りやゴミ等の混入による予備球の流動の異常を監視し、制御装置50に指令信号を出力するようにしている。誘導路25に連設された電動式の賞品球排出装置40は、一実施例として後で詳述するようにスブロケット42と駆動源のパルスモー夕41で構成し、裏面セット盤21の背面且つ-側に配設可能に小型化してある。賞品球排出装置40は、上記入賞領域への打球の入賞に伴ない遊技者に所定数の賞品球を払い出す装置であって、上記入賞球分離器60内の入賞球検出器55からの信号に基づいて形成される駆動指令信号によって、一個宛順次、所定数に達するまでスブロケット42を回動させるものである。そこで、誘導路25内において前記のような予備球の流動異常を検知すると、制御装置50が、その時点で賞品球の排出を停止させるか、その排出動作が終了するまで、つまり所定数の賞品球の排出を待って次回からの排出を停止させるようにしておいて、制御装置50によってLED表示素子等の警報ランプ58(第12図参照)を点灯させて、機能停止の原因がすぐ分るようにし、且つ迅速な処置がとれるようにすると共に、不正確な排出動作による賞品球の不足や、排出タイミングのずれによるスブロケット42への玉の噛み込みを確実に防止させるようになっている。」(第4頁左下13行〜第5頁左上1行)と記載されている。
異議申立人小室 豊の提出した甲第1号証には、「該入賞検知信号に基づいて前記賞品球排出装置を作動させるとともに上記賞品球排出装置における排出状態を検出する手段からの信号に基づいて排出球が所定数に達したことを判別して排出動作を停止させる制御手段と、」(第1頁左下欄16行〜右下欄1行)と記載され、「上記賞品球排出装置40は、前記入賞球検出器55から出力された入賞検知信号が制御装置50に供給されると、制御装置50から出力される駆動信号によってモータ41が駆動され、排出を開始する。このとき、制御装置50は、排出球検出器45からの検出信号に基づいて予備球が誘導路25の出口に存在することを確認してから排出を開始し、同じく排出球検出器45から賞品球ごとに出力される排出確認信号を受けて排出状態を検知し、賞品球が所定数に達したことを判別して排出終了信号を賞品球排出装置40に出力し、モータ41の回転を停止させるようになっている。」(第6頁左下欄3行〜右下欄4行)と記載され、「誘導路25は、・・・さらに、踏板レバー26の傾動動作と関連して、球不足検出器56が臨ませてある。これは、予備貯留部24内の玉の有無を検出し、無くなると玉不足信号を発し、総合管理室(図示せず)に連絡し、玉補給を促すものである。」(第4頁右上欄15行〜左下欄5行)と記載され、「それから、上記誘導路25の路垂直に降下する部分の途中には、各列宛にそれぞれ流路内に臨む検出板57aとマイクロスイッチ57bとから成る流下異常検出器57が設置され、誘導路25内の玉止りやゴミ等の混入による予備球の流動の異常を監視し、制御装置50に指令信号を出力するようにしてある。」(第4頁右下欄11行〜17行)と記載され、「そこで、誘導路25内において前記のような予備球の流動異常を検知すると、制御装置50が、その時点で賞品球の排出を停止させるか、その排出動作が終でするまで、つまり所定数の賞品球の排出を待って次回からの排出を停止させるようにしておいて、・・・不正確な排出動作による賞品球の不足や、排出タイミングのずれによるスプロケツト42への玉の噛み込みを確実に防止させるようになっている。」(第5頁左上欄第9〜20行)と記載されている。
甲第2号証には、「次にセーフ球によってソレノイド14が励磁された時に作用杆19が引き込んでケース本体1が第3図鎖線のように枢軸18を支点として回動し、下面開口は景品球排出樋17と連通してケース本体1内の景品球22が排出され、」(第5頁9行〜13行)と記載され、第3図には、背面から見て前後方向に屈曲される景品球供給樋15が、景品球供給装置としてのケース本体1の上流に設けられていることが示されており、景品玉供給通路の屈曲部について記載されている。この前後方向の屈曲部は、ケース本体とその関連設備の設置状態を示す斜視図である第1図、ケース本体とその関連設備の設置状態を示す縦断面図である第2図にも明確に示されている。
甲第3号証には、「該入賞玉処理機構の作動に対応して所定個数の景品玉を払い出す景品玉払出機構と、を備えた弾球遊技機」(第1頁左上欄8行〜10行)と記載され、「景品玉誘導樋64の下流側には、屈曲樋71a〜71cが接続されるように取り付けられている。この屈曲樋71a〜71cは、景品玉誘導樋64を流下してきた景品玉の流下方向を180度転換させるとともに、連続して流下している景品玉の玉圧を弱めるためにある。」(第5頁右下欄14行〜19行)と記載され、「また、屈曲樋71a〜71cの下流部には、ほぼ垂直状に形成され、その末端には、段差部が形成されている。この段差部は、後述する景品玉払出装置90の上部玉ストッパー94a,94bがスムーズに動作するように玉圧を弱めるように作用しているものである。」(第6頁左上欄20行〜右上欄5行)と記載されている。
甲第4号証には、「パチンコ機の入賞球に応じて所定数の景品球を排出するパチンコ機の景品球排出制御装置」(第1頁左下欄5行〜6行)と記載され、「上記景品球貯留タンク2の底面には、景品球が排出される流路である景品球流路4が連通され、この景品球流路4は景品球が自重でころがり落ちることができる程度の傾斜をもった傾斜部4aと、この傾斜部4a下端に続くL字型の屈曲部4bと、この屈曲部4bの下端に続く垂直部4cとで形成されている。景品球流路4の垂直部4cの流路内には、後述する景品球排出装置100が組込まれている。」(第3頁左上欄2行〜10行)と記載され、「次のステップ180では景品球の排出に先だち、景品球の補給状態が判断される。つまり第1の景品球マイクロスイッチ10と分割された各景品球流路毎に取付けた景品球近接スッチ12のいづれかひとつによって景品球が補給されていないと判断されると後述するトラブル処理に移行する。一方景品球の補給状態に異常がなければ次の処理へと進む(ステップ180)。」(第6頁左下欄20行〜右下欄7行)と記載され、「ステップ200では、ステップ170で演算された景品球排出ソレノイドの組合せの並び[4]の最前列要素で表わされる組合せの景品球排出ソレノイドに駆動信号が所定時間出力されステップ160で演算された球数の景品球が排出される。」(第6頁右下欄13行〜18行)と記載されている。
さらに、甲5号証〜甲第8号証には、排出機構より上流側で景品玉流路が「前後方向に屈曲される」ことが記載されている。
エ.対比・判断
本件発明1(前者)と刊行物1に記載の発明(後者)とを対比すると、両者は、「電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉切れ検出手段を設けた」構成において一致するが、前者は、「玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止する」の構成(以下、「特定事項」という。)であるのに対し、後者は、そのような構成を備えていない点で、両者は相違する。
さらに検討すると、刊行物2及び異議申立人小室 豊の提出した甲第1号証ないし甲第8号証には、前記特定事項の構成は記載も示唆もされていない。そして、本件発明1の構成は、刊行物1、刊行物2、上記甲第1号証ないし甲第8号証に記載のものから当業者が容易に想到することはできないものであり、かつ、本件請求項1の発明は、前記特定事項を含む構成により明細書に記載のとおりの効果を奏するものと認める。
よって、本件発明1は、刊行物1、刊行物2、上記甲第1号証ないし甲第8号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
オ.本件発明2
本件発明2は、本件発明1の構成をさらに限定したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、刊行物1、刊行物2、甲第1号証ないし甲第8号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4.むすび
以上のとおりであることから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認められない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、
前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、
景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】 前記玉切れ検出手段の取付位置を1回の払出動作に対応する景品玉数に応じて自由に変更できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的駆動源の駆動により回転する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気的駆動源の駆動により回転する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機が市場に提供されていた。このような弾球遊技機においては、1個の入賞玉によって払い出されるべき最大の景品玉数を収納する位置より上流側に景品玉の有無を検出する玉切れ検出器を設け、この玉切れ検出器によって供給されるべき景品玉数が不足したことが検出されたときには、電気的駆動源の駆動を直ちに停止して払出部材による景品玉払出動作をその途中であっても停止するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように途中で払出動作を停止したときには、払い出される景品玉数が通常よりも少なくなるので、その後、再開したとしても遊技者に不信感を与えることにもなり、また、点検作業時に誤って払出数の記憶をリセットしてしまう虞れもあるという欠点があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、景品玉の払出動作の途中で玉切れが生じても本来の景品玉数を確実に払い出すことができる景品玉払出装置を備えた弾球遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明が採用した解決手段は、図1及び図2に示すように、電気的駆動源としてのステッピングモータ83の駆動により作動する払出部材としてのスプロケット85によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置70を備えた弾球遊技機において、前記スプロケット85の上流側に配置される供給通路としての供給樋63に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給樋63に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段としての景品玉検出器64を設け、景品玉の払出動作中に前記景品玉検出器64が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記スプロケット85の駆動を停止することを特徴とするものである。このように構成することにより、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。まず、図5を参照して、この実施形態が適用される遊技機の一例としてのパチンコ遊技機について説明する。図5は、パチンコ遊技機の正面図である。
【0006】
図において、パチンコ遊技機1の額縁状に形成された前面枠2の開口には、扉保持枠3が周設され、該扉保持枠3には、ガラス板を有するガラス扉枠4及び前面扉板5が一側を軸支されて開閉自在に取り付けられている。ガラス扉枠4の後方には、遊技盤10が着脱自在に設けられている。また、前面扉板5の表面には、排出された景品玉を貯留し、かつ打玉の発射位置に一個宛供給する打球供給皿6が固定されている。打球供給皿6の上流側の内部空間には、遊技に関連する効果音を発生するスピーカ7が内蔵されている。また、前面枠2の下方部には、打球発射機構の一部を構成する操作ハンドル8や、前記打球供給皿6に貯留しきれなかった景品玉を貯留するための余剰玉受皿9が設けられている。
【0007】
次に、図5及び図7、図8を参照して、遊技盤10の構成について説明する。遊技盤10の表面には、発射された打玉を誘導するための誘導レール11がほぼ円状に植立され、該誘導レール11で区画された領域が遊技領域12を構成している。遊技領域12のほぼ中央には、複数の回転ドラム14a〜14cを有する可変表示装置13が設けられている。この可変表示装置13の回転ドラム14a〜14cは、ステッピングモータ15a〜15c(図9参照)によって回転駆動され、その停止位置を検出するために位置検出器16a〜16c(図9参照)も設けられている。なお、可変表示装置13には、後述する大当り状態となったときの開閉部材19a,19bの開放繰り返し回数を表示する継続回数表示器17が設けられている。
【0008】
また、可変表示装置13の下方には、ソレノイド20によって駆動される開閉部材19a,19bを有する可変入賞球装置18が設けられている。可変入賞球装置18内には、特定入賞口21と該特定入賞口21に付設される特定入賞玉検出器22と、後述する大当り状態中に開閉部材19a,19bに受入れられた入賞玉数を検出するための入賞玉検出器23とが設けられている。この入賞玉検出器23によって検出された入賞玉数が入賞個数表示器24に表示されるようになっている。
【0009】
また、可変入賞球装置18の上方及び下方左右には、始動入賞玉検出器26a〜26cを内蔵する始動入賞口25a〜25cが配設されている。更に、可変表示装置13の上部及び左右両側と可変入賞球装置18の左右両側には、打玉を通常の入賞とする通常入賞口27、28a,28b,29a,29bが配置されている。
【0010】
しかして、打玉が始動入賞口25a〜25cに入賞することにより可変表示装置13の回転ドラム14a〜14cが回転開始し、所定時間経過後、あるいは遊技者によるストップスイッチの操作により、その回転を停止し、その停止時の表示態様が予め定められた組み合せであるときに大当り状態と判定されて可変入賞球装置18の開閉部材19a,19bが一定時間(例えば、30秒)あるいは所定個数(例えば、10個)入賞するまで開放状態を続け、開閉部材19a,19b内に設けられた特定入賞口21に入賞すると再度上記した開放状態を繰り返すようになっている。
【0011】
なお、上記した各入賞口や入賞球装置に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数は、すべて同一(例えば、13個)であってもよいし、特定の入賞口への入賞によるものだけ異なるように設定しても良い。本実施形態の場合には、上記始動入賞口25a〜25cのうち中央の始動入賞口25aに入賞した入賞玉によって払い出される景品玉数を7個と設定し、他の始動入賞口25b,25c及び開閉部材19a,19bに入賞した入賞玉によって払い出される景品玉数を13個と設定し、上記以外の他の入賞口27、28a,28b、29a,29bへの入賞玉によって払い出される景品玉数を10個と設定している。つまり、3種類の景品玉数に分類されている。
【0012】
更に、前記遊技盤10の遊技領域12の下方には、前記したいずれの入賞口、あるいは入賞球装置に入賞しなかった打玉を取り入れるアウト口30が形成されていると共に、前記した大当り状態となったときにその旨を報知する遊技効果ランプ31a,31bが設けられている。この遊技効果ランプ31a,31bと同じ作用を奏するものとしてパチンコ遊技機1の上部前面にも遊技効果ランプ32が設けられている。また、遊技領域12の外側であって、遊技盤10の上部には、その一側に後述する景品玉払出装置70によって景品玉が払出されている旨を報知する払出動作中表示器33、及び後述する玉欠乏検出器55の検出信号に基づいて払出すべき景品玉が欠乏した旨を報知する玉切れ表示器34が設けられている。なお、払出動作中表示器33は、入賞記憶がある状態で、景品玉検出器64からの玉切れ信号又は後述する満タン検出器93がONしたときに点灯して玉切れとなった旨又は払い出された景品玉が余剰玉受皿9内にも満杯となった旨を報知するためにも使用される。
【0013】
一方、遊技盤10の背面には、図7に示すように入賞玉集合カバー体35a,35bが取着されている。この入賞玉集合カバー体35a,35bは、前記入賞口あるいは入賞球装置に入賞した入賞玉を下方に誘導する誘導通路がその前面側に形成されるものであり、この実施形態においては、上下2つに分割されて形成されている。また、上部の入賞玉集合カバー体35aの後面には、中継端子板36が取着されており、この中継端子板36に遊技盤10に設けられる電気的部品であって前記可変表示装置13に設けられる電気的部品を除く電気的部品(例えば、ソレノイド20、特定入賞玉検出器22、入賞玉検出器23、始動入賞玉検出器26a〜26c等)からの配線が集約して接続されるようになっている。
【0014】
上記中継端子板36の上方には、遊技盤10に設けられる可変表示装置13や可変入賞球装置18等の遊技動作を制御する遊技制御基板37(図9参照)を収納する遊技制御基板ボックス38が配置されている。この遊技制御基板ボックス38は、遊技盤10の裏面に取り付けられるボックス取付部材39に開閉自在に取り付けられるものである。具体的には、ボックス取付部材39の一側上下に形成された軸支部41a,41bに遊技制御基板ボックス38の一側上下に突設された支軸40a,40bを回動自在に軸支し、遊技制御基板ボックス38の他側の上方をボックス取付部材39に回動自在に設けられる回動押え片42によって係止し、遊技制御基板ボックス38の他側下方に穿設された嵌合穴43に下部の入賞玉集合カバー体35bに突設される嵌合突片44を嵌合させて取り付けられるようになっている。なお、遊技制御基板37は、配線45を介して前記中継端子板36と接続され、また、図示しない配線によって可変表示装置13と直接接続されるようになっている。更に、後述するように遊技制御基板37は、景品玉の払出動作を制御する景品玉払出制御基板97とも接続されている。
【0015】
次に、図6を参照してパチンコ遊技機1の背面構造について説明する。前記遊技盤10の裏面全体を覆うように機構板50が配設されている。この機構板50は、周知のように、入賞玉を1個づつ処理し、その入賞玉に対応して所定個数の景品玉を払い出すための各種の機構が設けられるものである。しかして、図示の機構板50においては、その中央に正方形状の窓開口51が開設され、該窓開口51に前記入賞玉集合カバー体35a,35bが対応している。そして、この窓開口51から前記遊技制御基板ボックス38及び前記可変表示装置13の駆動部が後方に突出している。また、機構板50の前面側に前記遊技盤10の入賞口あるいは入賞球装置から落下する入賞玉を受け止めて一側に集合せしめる入賞玉集合樋52が形成されている。この入賞玉集合樋52は、入賞玉を一列に整列して流下させるようになっているが、その流下通路の途中には、通過する入賞玉を検出する2つの入賞玉検出センサ53a,53bが設けられている。入賞玉検出センサ53a,53bからの信号は、後述する景品玉払出制御回路基板97に送られて後述する景品玉払出装置70の動作を制御する。
【0016】
一方、機構板50の後面側には、その上部に図示しない補給機構から補給される景品玉を貯留する景品玉タンク54が設けられ、該景品玉タンク54の下方に景品玉を整列させて流下させる景品玉誘導樋57が設けられている。ところで、景品玉タンク54の出口部分には、景品玉タンク54内に貯留される景品玉量が少なくなったことを検出する玉欠乏検出器55、56が設けられている。そして、一方の玉欠乏検出器55は、前記玉切れ表示器34を点灯させる機能を有し、他方の玉欠乏検出器56は、図示しない管理コンピュータに補給指令信号を送り、景品玉タンク54に景品玉を補給する機能を有している。
【0017】
景品玉誘導樋57の下流には、景品玉の流下方向を180度変更すると共に、その玉圧を弱めるカーブ樋58が接続されている。カーブ樋58の屈曲部の側方には、パチンコ遊技機1の前面側方に穿設された玉抜操作穴60(図5参照)から挿入される図示しない操作ピンに押圧されて揺動する玉抜操作レバー59(図1参照)が軸支され、該玉抜操作レバー59に係合するように作動部材61が軸支されている。作動部材61は、図1に示すように一端部が軸支されると共に、その他端部を前記玉抜操作レバー59と係合し、その中央部を玉抜操作検出器62に対応させている。しかして、玉抜操作レバー59が揺動操作されたときに作動部材61が反時計方向に回動して玉抜操作検出器62をONさせ、その信号に基づいて後述する景品玉払出装置70のステッピングモータ83が逆回転するように制御される。この制御動作については、後に詳述する。なお、上記作動部材61は、通常の状態において、自重により玉抜操作検出器62をONさせない方向に付勢されている。また、玉抜操作検出器62は、景品玉の払出動作が行われているときには、不能動化されている。
【0018】
ところで、カーブ樋58の下流側は、垂直状の供給樋63を構成し、この供給樋63には、玉切れ検出器としての景品玉検出器64が取付部材65によって取り付けられ、供給樋63を流下する景品玉を検出している。この景品玉検出器64は、払出信号に基づいて払出されるべき景品玉数を計数する機能と、供給樋63を流下する景品玉の有無を検出する機能とを有している。また、本実施形態において、景品玉検出器64の取付位置は、少なくとも後述する玉載置部79から景品玉検出器64までの距離が1個の入賞玉で払い出されるべき最大の景品玉数を収納する位置(例えば、最大の払出景品玉数が15個の場合には、15個目に対応する位置)に設定されている。これは、本実施形態において、ある入賞玉の記憶に基づいて景品玉の払出が開始されたときであって、途中で景品玉検出器64が景品玉を検出しなくなった場合であっても、当該入賞記憶に基づく所定個数の景品玉をすべて払い出すように考慮したためである。なお、最大の払出景品玉数に対応するように景品玉検出器64の取付位置を自由に変更できるようにしておいてもよい。
【0019】
また、取付部材65は、景品玉検出器64の側面に当接することにより景品玉検出器64を係止するものであるが、その係止位置を正確に規制するために規制突起66が取付部材65の近傍に設けられている。また、上記玉抜操作検出器62及び景品玉検出器64からの配線は、景品玉検出器62の側方で機構板50に取り付けられる中継端子板67に接続されるようになっている。この中継端子板67には、後述するステッピングモータ83からの配線も接続され、その外部接続端子が景品玉払出制御基板97と接続されるようになっている。
【0020】
また、供給樋63の流下端には、この実施形態の要部を構成する景品玉払出装置70が接続されている。なお、供給樋63は、景品玉払出装置70の供給通路の一部を構成している。景品玉払出装置70は、主として供給通路72と、排出通路75と、玉抜通路76と、電気的駆動源としてのステッピングモータ83と、払出部材としてのスプロケット85とから構成されており、ステッピングモータ83の回転により所定個数の景品玉を払い出すようになっている。その構成については、後に詳述する。
【0021】
景品玉払出装置70の下方には、該装置70から払い出された景品玉を誘導する景品玉排出樋87と玉抜樋88とが隣接するように設けられている。景品玉排出樋87の下端には、誘導開口89が開設されて前記打球供給皿6と連通するようになっている。一方、玉抜樋88の流下端は、パチンコ遊技機1の裏側に導かれており、玉抜樋88を落下する玉をパチンコ遊技機1の外に導くようになっている。
【0022】
更に、前記誘導開口89の一側から景品玉が溢れるように連絡樋90が構成され、その溢れた余剰の景品玉を連絡樋90を介して前記余剰玉受皿9に誘導する余剰玉排出樋91に導くようになっている。この余剰玉排出樋91の一側には、満タン検知板92が揺動自在に設けられており、これが余剰玉排出樋91に貯留された余剰玉によって押圧されたときには、後述する打球発射装置94の打球モータ95の駆動が停止されて、遊技が中断されるようになっていると共に、満タン検出器93がONして前記景品玉払出装置70のステッピングモータ83の動作が停止され、それ以上の景品玉の払出を停止するようになっている。
【0023】
上記した構成以外に機構板50には、外部からの電源あるいは外部との情報をやり取りするための接続端子を有するターミナル基板98や前記遊技盤10に設けられる可変表示装置13や前記景品玉払出装置70の動作を制御する景品玉払出制御基板97等が設けられている。前記ターミナル基板98に設けられる接続端子には、例えば、図示しない管理コンピュータからパチンコ遊技機1への玉抜指令信号や打球発射装置停止信号等の信号を伝達するための信号線、及びパチンコ遊技機1から管理コンピュータヘの前記玉欠乏検出器56による玉切れ信号や遊技盤10の前面を覆うガラス扉の不正開放信号等の信号を伝達するための信号線が接続される。また、前記遊技制御基板37と景品玉払出制御基板97の詳細な構成については、後に詳述する。
【0024】
また、パチンコ遊技機1の裏面には、前記操作ハンドル8に対応するように打玉を弾発するための打球発射装置94が設けられている。この打球発射装置94は、駆動源としての打球モータ95と該打球モータ95を安定的に回転するためのコンデンサ96とを含んでいる。
【0025】
次に、図1及び図2を参照して、この実施形態の要部を構成する景品玉払出装置70の構成について詳細に説明する。景品玉払出装置70は、図2に示すように、前記機構板50に取り付ける取付板71と、駆動源としてのステッピングモータ83を取り付けるモータ取付板77によって枠組構成される。取付板71には、前記供給樋63に連続する供給通路72が形成され、該供給通路72の下流側に景品玉の方向を後述する玉載置部79に向けて変化させる流路変更部73が形成されている。流路変更部73のさらに下方には、供給通路72の最先端のパチンコ玉の下部1点を支持する玉支持部81bが形成され、該玉支持部81bの下方に、スプロケット85が収納されるスプロケット収納部74が形成されている。また、スプロケット収納部74の一側には、景品玉の排出通路75が形成され、他側には玉抜通路76が形成されている。そして、排出通路75は、前記景品玉排出樋87に接続され、玉抜通路76は、前記玉抜樋88に接続される。
【0026】
一方、モータ取付板77の上部には、前記供給通路72を流下してきたパチンコ玉を下方に向けてガイドするガイド部78が突設され、このガイド部78の下方にパチンコ玉1個が載置される玉載置部79が構成されている。玉載置部79は、前記ガイド部78の下部側面に形成された玉受壁80と、該玉受壁80の下方であって、前記玉支持部81bと対応するように位置してパチンコ玉の他方の下部1点を支持する玉支持部81aと、パチンコ玉の一方の下部1点を支持する前記玉支持部81bとから構成されている。つまり、玉載置部79は、供給通路72で待機している景品玉の玉圧を受け止める機能と、最先端のパチンコ玉の下部を2点で支持する機能を有するものである。なお、モータ取付板77及び取付板71には、それぞれの玉支持部81a,81bから排出通路75及び玉抜通路76に向けて円弧状のガイドリブ82a,82bが突設され、玉載置部79に載置されていたパチンコ玉が排出通路75に排出されるまでの間、及び玉抜通路76に排出されるまでの間、その流下をガイドするようになっている。
【0027】
また、モータ取付板77の後面には、パルス信号がある毎に所定角度回転するステッピングモータ83が取り付けられ、そのモータ軸84は、モータ取付板77の前面に貫通して位置し、その先端には、外周に複数の爪部86を有する合成樹脂製のスプロケット85が固着されている。スプロケット85の爪部86は、パチンコ玉の外周面と係合するように凹状に形成されており、その爪部86が前記玉支持部81a,81bの間に挿入された位置配置となっている。なお、前記ステッピングモータ83は、停止状態において、スプロケット85が常に図2に示される状態となるようにされている。このとき、図2に示されるように、爪部86の凹状の低部が玉支持部81a,81bより低い位置となっているので、玉載置部79に載置されているパチンコ玉は、玉支持部81a,81bで支持された状態となり、スプロケット85には、玉圧が掛からないようになっている。
【0028】
しかして、ステッピングモータ83が正回転することにより、スプロケット85が図1に示す実線矢印方向(反時計回転方向)に回転して景品玉を排出通路75に排出し、ステッピングモータ83が逆回転することにより、スプロケット85が図1に示す二点鎖線矢印方向(時計回転方向)に回転して景品玉を玉抜通路76に排出する。なお、景品玉の払出が終了しステッピングモータ83が停止した場合、前記玉載置部79の下流側の玉(点線で示す)は、爪部86を乗り越えて落下する。なお、本実施形態においては、スプロケット85を合成樹脂で形成した理由は、仮にスプロケット85を鋼等の金属で形成した場合には、パチンコ玉の摩耗が激しくなり、この摩耗によりパチンコ玉の直径が小さくなって入賞口等に入賞し易くなるという欠点を生ずることになり、この欠点を防止するためである。
【0029】
以上、説明したパチンコ遊技機1と景品玉払出装置70は、前記したように、遊技制御基板37と景品玉払出制御基板97とによって駆動制御されるものであるが、この遊技制御基板37と景品玉払出制御基板97とは、図9に示すように配線接続される。遊技制御基板37には、遊技盤10に設けられる可変表示装置13に係る電気的部品(ステッピングモータ15a〜15c、位置検出器16a〜16c、継続回数表示器17)からの配線やスピーカ7からの配線が直接接続され、他の電気的部品(ソレノイド20、特定入賞玉検出器22、入賞玉検出器23、始動入賞玉検出器26a〜26c、遊技効果ランプ31a,31b、32、入賞個数表示器24)からの配線が中継端子板36を介して接続される。ただし、図9には、中継端子板36が省略してある。また、遊技制御基板37には、景品玉払出制御基板97と接続される配線102〜104も導出されている。なお、遊技制御基板37には、ターミナル基板98からの電源線も接続されている。
【0030】
一方、景品玉払出制御基板97には、打球発射装置94の打球モータ95からの配線、入賞玉検出センサ53a,53bからの配線105、満タン検出器93からの配線、機構板50前面であって前記景品玉払出装置70に近い位置に設けられる中継端子板67からの配線、及びターミナル基板98と接続する配線がそれぞれ接続されている。また、景品玉払出制御基板97には、切換スイッチ99、リセットスイッチ100、及び外部出力端子101とが設けられている。切換スイッチ99は、それがONとされているときに、前記景品玉検出器64が玉切れ状態を検出した場合に打球モータ95の駆動を停止させ、それがOFFとされているときに、景品玉検出器64が玉切れ状態を検出しても打球モータ95の駆動を停止させないように切り換えるものである。また、リセットスイッチ100は、制御がエラー状態となって景品玉払出動作が停止した場合にエラーになった原因を解除し、景品玉払出動作制御を復旧させるものである、また、電源OFF時にリセットスイッチ100を一定時間(例えば、5秒)押し続けることで、バックアップコンデンサを放電させ初期状態にすることもできる。更に、外部出力端子101は、外部コンピュータに払出景品玉に係るデータを伝送する配線が接続されるものである。
【0031】
ところで、遊技制御基板37と景品玉払出制御基板97とを接続する配線102〜104は、電源投入時に遊技制御基板37から景品玉払出制御基板97へ払出景品玉数を設定するための設定入力信号(本実施形態の場合には、7個と10個と13個を設定するシリアルデータ)が伝送される配線102、始動入賞玉検出器26aからの入賞信号(7個用;以下入賞信号Bという)が伝送される配線104、始動入賞玉検出器26b,26c及び入賞玉検出器23からの入賞信号(13個用;以下入賞信号Aという)が伝送される配線103である。そして、伝送された入賞信号Aや入賞信号Bは、景品玉払出制御基板97内の記憶手段に記憶される。また、すべての入賞玉を検出する入賞玉検出センサ53a,53bの信号は、配線105を介して伝送され、その2つのセンサ信号を1組として1つの入賞信号(10個用;以下入賞信号Cという)として認識されるようになっている。この入賞信号Cも景品玉払出制御基板97内の記憶手段に記憶される。
【0032】
ところで、入賞玉信号Aを発生した入賞玉は、入賞玉信号Cをも発生させるので、実際には、入賞玉信号A+入賞玉信号Cによって13個の景品玉が排出される。同様に入賞玉信号Bを発生した入賞玉は、入賞玉信号Cをも発生させるので、入賞玉信号B+入賞玉信号Cによって7個の景品玉が払出される。また、入賞玉信号Cだけに基づいては、10個の景品玉が払出されるようになっている。なお、遊技制御基板37から景品玉払出制御基板97に送られる信号としては、入賞玉信号だけとし、払出景品玉数の設定は、景品玉払出制御基板97内で自由に又は固定的に設定するようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態において、入賞玉又は景品玉の通過を検出する入賞玉検出センサ53a,53b又は景品玉検出器64は、図10及び図11に示す構造を有するものが使用されている。図10及び図11には、景品玉検出器64を示す。図において、景品玉検出器64は、長方形状の検出器本体110と該検出器本体110を被覆する蓋体111とから構成されている。検出器本体110及び蓋体111の前方部には、玉が通過し得る通過部112a,112bがそれぞれ形成されている。検出器本体110の通過部112aは、有色透明な合成樹脂によって構成されている。なお、上面を除く外周には、光を遮るための表面加工(塗装でもよい)が施され、通過部112aを構成する側壁のみが透明となるようにされている。
【0034】
また、通過部112aの前方の反射板取付壁114の外周と後述する係合突起117a,117bとの間に光を反射する反射板113が挿入されている。また、通過部112aの後方には、検出基板123を収納する検出基板収容部115が形成されている。検出基板収容部115の一側部には、突部116が突設され、後述する切欠部126と位置合せされることにより検出基板123の収納位置を正確にならしめている。また、検出基板収容部115に連通するように受光器収容部118と透光器収容部119とが前方に向って形成されている。この受光器収容部118と透光器収容部119には、検出基板123の前方に接続される受光器128と透光器127とがそれぞれ収納されるもので、その収納された状態で投光器127と受光器128の先端部分が前記有色透明に構成された通過部112aの外周縁に臨むようになっている。検出器本体110の前方には、蓋体111を取り付けるための係合突起117a,117bが突設され、この係合突起117a,117bに係合する係合穴120a,120bが蓋体111に穿設されている。
【0035】
一方、蓋体111は、検出器本体110の上方から検出器本体110を被覆するものであるが、その後端部分に前記検出基板収容部115に収容された検出基板123の後方部分を押える基板押え片121が形成されると共に、そのほぼ中央に遮光板122が下方向に向って突設されている。この遮光板122は、蓋体111が検出器本体に組み付けられたときに並列状に設置される投光器127と受光器128との間に挿入されるもので、投光器127から発せられた光が直接受光器128に到達しないように遮光するものである。
【0036】
また、前記検出基板収容部115に収容される検出基板123には、その前方に投光器127と受光器128とが接続されると共に、検出回路を構成する多数の素子124が設けられている。また、検出基板123の一側部には、前記突部116と合致する切欠部126が形成され、検出基板123が所定の位置に正確に組み付けられるようになっている。また、検出基板123の後端は、検出器本体110から外側に突出する端子部125を形成し、この端子部に配線(図示しない)が接続されるようになっている。
【0037】
上記のように構成される景品玉検出器64は、図11に示すように、投光器127から発せられた光が通過部112aの通過空間を通って反射板113に反射され、再度通過部112aの通過空間を通って受光器128によって検出されるようになっている。したがって、通過する玉があるときには、光を検出しないOFF状態となり、通過する玉が無いときには、光を検出するON状態となる。
【0038】
以上、実施形態に係る景品玉払出装置70を含むパチンコ遊技機1の構成について説明してきたが、この実施形態の要部を構成する景品玉払出装置70の作用について図3、図4、図12、図13、及び図14を参照して説明する。まず、通常の景品玉払出動作中の処理が図12に示されている。すなわち、ステップS1〜ステップS3において、入賞玉信号A又は入賞玉信号B又は入賞玉信号Cのいずれかの記憶値に基づいて景品玉の払出処理が開始されているか否か(換言すれば、ステッピングモータ83が駆動されているか否か)が判別され(ステップS1)、開始されていると判別された場合には、景品玉検出器64が玉切れを検出したか否かが判定され(ステップS2)、景品玉検出器64が玉切れでないと判定した場合には、景品玉払出処理が終了したか否かが判別され(ステップS3)、終了した場合には、次の記憶値に基づく景品玉の払出処理が開始されるべくステップS1に戻る処理を繰り返している。
【0039】
景品玉の払出動作の具体例としては、以下の通りである。すなわち、通常ステッピングモータ83が景品玉を1個払出す速度は、比較的速く、例えば、64mSに設定され、1つの入賞記憶に基づく払出動作と払出動作との間のインターバル時間も比較的短く、例えば、120mSに設定されている。したがって、13個の景品玉が払出されて次の景品玉の払出動作が開始されるまでの時間は、952mSであり、7個の景品玉が払出されて次の景品玉の払出動作が開始されるまでの時間は、568mSであり、10個の景品玉が払出されて次の景品玉の払出動作が開始されるまでの時間は、760mSである。いずれにしても1秒以下である。また、このとき、入賞玉信号Aと入賞玉信号Bとに基づく入賞記憶がある場合には、それらを交互に払い出し、それらの記憶が無くなった後に入賞玉信号Cに基づく景品玉の払い出し動作が行われるように制御される。
【0040】
一方、ステップS2において、景品玉検出器64によって玉切れであると判定された場合には、ステッピングモータ83の回転速度を減速する処理が行われる(ステップS4)。まず、景品玉検出器64による玉切れであるとの判定は、図14に示すように、通常景品玉の払出動作中において景品玉検出器64は、瞬間的な微小時間T2だけONし、その後微小時間OFFとなる動作を繰り返しているものである。したがって、そのON・OFF動作がなくなってから微小時間T2よりも長い時間T3だけONが継続したときには、景品玉検出器64を通過する景品玉がなくなったことを意味するので、玉切れ状態であると判定される。同様に後述するステップS7における景品玉検出器64の景品玉装填の判定も微小時間T3だけOFFが継続したか否かで判定される。
【0041】
次に、ステッピングモータ83の回転速度を減速する理由を説明すると、仮にステッピングモータ83の回転を通常の払出動作における速度と同じにした場合であって、玉欠乏検出器55からの補給指令信号があったにも拘らず、景品玉が補給されないときには、景品玉誘導樋57内の景品玉が払い出され景品玉払出装置70の上流側に滞留される景品玉数が残り少なくなる。このような状態となった場合には、図3に示す先頭の景品玉P1に対して上流側に位置する景品玉の圧力が少なくなると共に、図4に示すように、速い速度で回転しているスプロケット85の爪部86によって上方向に押出され、爪部86と爪部86との間の凹部への景品玉のスムーズな移動が阻害され、以後の景品玉の払出もスムーズに行われなくなる。また、合成樹脂で形成されるスプロケット85の爪部86と鋼球製の景品玉との衝突の繰り返しにより爪部86の摩耗が激しくなる。このような景品玉のスムーズな移動が行われない状態や爪部86の摩耗を防止するために、ステッピングモータ83の回転速度を減速するものである。例えば、景品玉1個を払い出す速度を94mSとし、1つの入賞記憶に基づく払出動作と払出動作との間のインターバル時間も500mSとして、比較的長く設定する。
【0042】
前記ステップS4でのステッピングモータ83の減速処理が開始されると、ステッピングモータ83が所定角度回転したか否かが判別される(ステップS5)。この所定角度は、景品玉検出器64が玉切れを判定した時点で払い出すべき景品玉数のうちの幾つの景品玉の払出を終了していたかによって異なる。例えば、13個記憶に基づく払出動作が行われていたときであって、景品玉検出器64が玉切れを判定した時点で10個の景品玉を払出終えていたときには、残りの3個を払い出す角度までステッピングモータ83を回転させる。そして、所定角度の回転が終了したときには、景品玉の払出処理を不能動化すべくステッピングモータ83の駆動を不能動化する(ステップS6)。なお、景品玉払出処理が不能動化されたときには、パチンコ遊技機1の前面側に設けられるランプやスピーカ7等で遊技者に報知するようにしてもよい。
【0043】
景品玉払出動作の不能動化は、図14に示すように景品玉検出器64が景品玉の充填を検出するまで継続され(ステップS7)、景品玉検出器64が景品玉の充填を検出したときには、景品玉払出処理を能動化すべくステッピングモータ83を能動化する(ステップS8)。この際の能動化は、ステッピングモータ83の減速処理が解除された状態で行われる。ステッピングモータ83の能動化は、自動的に行われるようにしてもよいし、あるいは景品玉が充填されたことを確認してから手動操作によって行ってもよい。
【0044】
上記した作用は、通常の景品玉払出動作中においてステッピングモータ83が減速される場合を示したが、本実施形態においては、ステッピングモータ83を逆回転させて玉抜き動作を素早く行うようにしているため、玉抜き動作が終了する間際にも景品玉のスプロケット85へのスムーズな移動が行われなくなったり、景品玉と爪部86との衝突現象が起きたりする。このため、ステッピングモータ83の減速処理は、図13に示す作用によって行われる。すなわち、玉抜き操作検出器62がONされたか否かが判定され(ステップS9)、ONした場合には、ステッピングモータ83が逆方向に比較的速い回転速度で回転される(ステップS10)。例えば、1個の景品玉を玉抜きする時間が70mSと設定される。ステッピングモータ83が逆方向に比較的速い回転速度で回転されると景品玉タンク54又は景品玉誘導樋57に残留していた景品玉が玉抜通路76及び玉抜樋88を介して玉抜きされ、遂には、景品玉検出器64が玉切れ(ON状態)を検出するようになる(ステップS11)。そして、景品玉検出器64が玉切れを検出したときには、ステッピングモータ83の回転速度を減速し(ステップS12)、その後、タイマT1をセットする(ステップS13)。ステッピングモータ83の回転速度の減速は、例えば、通常の玉抜き速度の約1/2とする。また、タイマT1は、景品玉検出器64を通過した最後の玉が完全に玉抜樋88に排出されるに十分な時間が設定され、例えば、4秒程度が設定される。そして、タイマT1が終了したときには(ステップS14)、ステッピングモータ83の回転が停止されて玉抜動作が終了する(ステップS15)。
【0045】
以上、実施形態に係る景品玉払出装置70の作用について説明してきたが、この実施形態によれば、景品玉払出装置70を駆動制御する景品玉払出制御基板97に、外部に払出パチンコ玉に係るデータを出力する外部出力端子101を設けたので、例えば、管理コンピュータからの配線を景品玉払出制御基板97の外部出力端子101に接続するだけで払出パチンコ玉に係るデータを管理コンピュータに伝送することができる。
【0046】
なお、上記した実施形態では、玉切れ信号を導出する景品玉検出器64を供給樋63の中間部分であって最大の払出景品玉数の最後尾に対応する位置に設けたものを示したが、それよりも上流の供給樋63や景品玉誘導樋57のいずれかの位置に設けてもよい。また、景品玉払出装置70に使用されるモータもステッピングモータではなく、通常のモータであってもよい。また、遊技機としてもパチンコ遊技機1を示したが、景品として玉を払い出す形式の遊技機、例えば、アレンジ式パチンコ遊技機や景品玉を払出す形式の回動式遊技機であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止するので、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施形態に係る景品玉払出装置の構造を示す正面図である。
【図2】
図1のA-A′線での断面図である。
【図3】
景品玉払出装置において排出される景品玉が少なくなったときのスプロケットと景品玉の関係を示す正面図である。
【図4】
同じく、景品玉払出装置において排出される景品玉が少なくなったときのスプロケットと景品玉の関係を示す正面図である。
【図5】
実施形態に係る景品玉払出装置が適用される遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の正面図である。
【図6】
そのパチンコ遊技機の背面図である。
【図7】
そのパチンコ遊技機の遊技盤の背面図である。
【図8】
図7のB-B′線での断面図である。
【図9】
パチンコ遊技機に設けられる電気的部品の配線図である。
【図10】
玉を検出する検出器の分解斜視図である。
【図11】
その検出器の分解平面図である。
【図12】
実施形態に係る景品玉払出装置のモータが減速処理を行う場合の動作を示すフロー図である。
【図13】
同じく、実施形態に係る景品玉払出装置のモータが減速処理を行う場合の動作を示すフロー図である。
【図14】
景品玉検出器が玉切れ信号を判定する場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(弾球遊技機)
64 景品玉検出器(玉切れ検出手段)
70 景品玉払出装置
83 ステッピングモータ(電気的駆動源)
85 スプロケット(払出部材)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
ア.訂正事項a
特許明細書における特許請求の範囲に係る記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】前記玉切れ検出手段の取付位置を1回の払出動作に対応する景品玉数に応じて自由に変更できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。」と訂正する。
イ.訂正事項b
特許明細書の段落番号【0004】に係る記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「 【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明が採用した解決手段は、図1及び図2に示すように、電気的駆動源としてのステッピングモータ83の駆動により作動する払出部材としてのスプロケット85によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置70を備えた弾球遊技機において、前記スプロケット85の上流側に配置される供給通路としての供給樋63に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給樋63に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段としての景品玉検出器64を設け、景品玉の払出動作中に前記景品玉検出器64が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記スプロケット85の駆動を停止することを特徴とするものである。このように構成することにより、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。」と訂正する。
ウ.訂正事項c
特許明細書における段落【0047】に係る記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「 【0047】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、電気的駆動源の駆動により作動する払出部材によってパチンコ玉を計数しながら払い出す景品玉払出装置を備えた弾球遊技機において、前記払出部材の上流側に配置される供給通路に背面から見て前後方向に屈曲される屈曲部と左右方向に屈曲される屈曲部とから形成される複数の屈曲部よりもさらに上流側であって少なくとも1回の払出動作に対応する景品玉数を収納する位置の供給通路に対応して玉有り検出が所定時間継続したときに景品玉装填を検出し玉無し検出が所定時間継続したときに景品玉切れを検出する玉切れ検出手段を設け、景品玉の払出動作中に前記玉切れ検出手段が玉切れを検出したときに、その払出動作の終了後に前記払出部材の駆動を停止するので、景品玉の払出動作の途中に玉切れが生じたとしても確実に所定の景品玉数を払い出すことができ、遊技者との間でトラブルが生じることはない。」と訂正する。
異議決定日 2001-08-24 
出願番号 特願平9-244681
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 鈴木 寛治
平瀬 博通
登録日 1999-11-19 
登録番号 特許第3005507号(P3005507)
権利者 株式会社三共
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 今崎 一司  
代理人 今崎 一司  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ