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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A61M 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する A61M 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A61M 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A61M 審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する A61M 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A61M |
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管理番号 | 1054229 |
審判番号 | 訂正2001-39153 |
総通号数 | 28 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1991-08-16 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2001-09-06 |
確定日 | 2001-11-14 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2528011号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2528011号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1、手続きの経緯 本件特許第2528011号に係る発明は、平成1年12月20日に特許出願され、平成8年6月14日に特許権の設定登録がされ、平成12年5月2日に本件の特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る特許について特許無効の審判(無効2000-35241号)が請求され、これに対して、平成12年8月21日に訂正請求書が提出されたものである。 その後、上記特許無効の審判については、 「訂正を認める。 特許第2528011号の請求項1に係る発明についての審判請求は、成り立たない。 特許第2528011号の請求項2、3に係る発明についての特許を無効とする。」旨の審決がされ、その審決は、平成12年8月2日に送達された。 そして、上記特許無効の審判についての審決に対して、東京高裁に出訴がなされ、その裁判中である平成13年9月6日に本件訂正審判請求がなされたものである。 2、訂正の適否 イ、訂正事項 上記特許無効の審判についての審決は確定していないが、上記認容された平成12年8月21日付けの訂正は、仮に平成5年特許法第126条の規定に適合しないものであったとしても、特許法第123条第1項第8号の規定からみて特許無効理由になるに止まり、訂正自体がないものとされることはない。 したがって、本件に係る願書に添付した明細書は、上記平成12年8月21日付けの訂正請求書に添付された全文訂正明細書(以下、「特許明細書」という。)である。 そして、本件訂正審判請求において、請求人が訂正を求める訂正事項は、本件訂正審判請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲に記載された以下のとおりのものである。 A,訂正事項a 特許明細書の請求項2の記載、 「【請求項2】内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有する超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。」 を、 「【請求項2】内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。」 と訂正する。(下線部は訂正個所を示す。以下、同じ。) B,訂正事項b 特許明細書の請求項3の記載、 「【請求項3】本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。」 を、 「【請求項3】本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。」 と訂正する。 ロ、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の有無 (1)これらの訂正事項について検討すると、訂正事項aは、請求項2に係る発明の本体部が、「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された」と、本体部の機能的要件を限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、特許明細書の第14頁第9〜11行に記載されている、「本体部が、超弾性金属管により形成されているので、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、」との記載から直接的かつ一義的に導き出せる記載であるから特許明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、請求項2に係る発明の、特許明細書の第2頁第25〜28行に記載されている、「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルを十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能なカテーテルを提供するものである。」という課題に変更を及ぼすものでもないから実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)また、訂正事項bについては、請求項3に係る発明の本体部は、「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されている」と、本体部の機能的要件を限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、特許明細書の第14頁第9〜11行に記載されている、「本体部が、超弾性金属管により形成されているので、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、」との記載から直接的かつ一義的に導き出せる記載であるから特許明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、請求項3に係る発明の、特許明細書の第2頁第25〜28行に記載されている、「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルを十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能なカテーテルを提供するものである。」という課題に変更を及ぼすものでもないから実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)したがって、本件訂正審判請求に係る訂正は、平成5年特許法第126条第1項第1号に掲げる事項を目的とし、同法同条第1項ただし書および同法同条第2項の規定に適合する。 ハ、独立特許要件 (1)本件発明 本件発明は、特許明細書の特許請求の範囲の欄に記載された次のとおりのものである。(なお、請求項1、2、3に係る発明を以下、それぞれ「本件発明1、2、3」という) 【請求項1】本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本体部が、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。 【請求項2】内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。 【請求項3】本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。 (なお、請求項1については訂正がなされていないが、平成5年特許法第126条第3項及び同法第185条の規定から独立特許要件の判断を行う。) (2)刊行物記載の発明 上記無効審判により当審が知るところとなった、 刊行物1;特開昭60-100956号公報 刊行物2;PCT国際公開パンフレットWO89/08472号(なお、記載事項の認定はこのパンフレットの特許法第184条の4に規定する翻訳文に係る特表平3-504204号公報によった。) にはそれぞれ以下の事項が記載されている。 刊行物1; その特許請求の範囲の欄には、 「1.生体温度で応力誘導マルテンサイトを示す合金要素を有して成り、器具が実質的に体温になるように哺乳類生体に接近してまたは哺乳類生体内において使用する医用器具。」 「3.器具はカテーテルであり、合金要素はカテーテルを屈曲形状にするカテーテルまたはその一部分である第1項記載の器具。」 と記載されており、 第6頁左上欄第17行〜左下欄第17行には、 「カテーテルの除去の問題は特に重要であるが、該特許には記載されていない。例えば、気管穿刺カテーテルを考えていただきたい。これは、首の前方の穴から気管へ容易に挿入できるように真直でなければならない。しかし、挿入後、カテーテルを通る空気の流れが気管表面に突きあたり気管に損傷を与えないように気管の軸方向へ流れるように、湾曲しなければならない。該特許で企図するように形状記憶カテーテルを用いる場合、形状記億カテーテルは挿人後にオーステナイトになり、湾曲する(該特許の第la図および第lb図、ならびに明細書参照。)。しかし、除去には、転移温度より軽い温度に冷却すること(これは気管組織が損傷を受ける程度に低い温度に冷却することを単に意味する。)、湾曲形状を取り去ること(これは組織へ損傷を与えると考えられる。)、または直接に除去できるようにオーステナイトSMAを真直にすること(これは、(例えばNi/Tiの)オーステナイト合金が690MPa(100ksi)またはそれ以上の降伏強度を有し、塑性変形させるに十分な力が必要となるので、満足できるものであると考えられない。)が必要である。 しかし、代わりにSIM要素を使用する場合、除去は押入と同様に容易に行われる。カテーテルは、(該特許のように)湾曲形状に製造されている場合、カチーテル軸へ真直なピンを挿入することによって真直にでき、応力誘導マルテンサイトの形成によって変形する。カテーテルの気管への挿入は、カテーテルが真直な時に、(容易かつ正確に設置できる)あらゆる望ましい速度で行うことができる。マルテンサイトがオーステナイトへ戻るとともに、カテーテルが所望形状をとるようにピンは徐々に引出される。使用温度での合金の応力-歪み曲線は第2図の形であるので、ピンによる応力の除去によって自発的な戻りが生じる。除去を望む場合、ピンを徐々に挿入することによって除去でき、カテーテルを真直にし、容易に引き出すことができる。生体へのカテーテルの挿入およびピン除去は、ピンの挿人および生体からのカテーテルの除去と同様に、所望ならば同時に行ってよいことは当然である。」 と記載されている。 刊行物2; その請求の範囲の欄には、 「近端から遠端まで内部を延長するルーメンを有し細長中空薄壁の管と、 第1端を金属管の遠端に接続し管のルーメンに連通する内部連通流通ルーメンを有する中空可撓性トルク伝達軸と、 軸の第2の端部から遠端方向に延長するコアと、 近端を軸の第2の端部に接着し遠端をコアに接着しコアを囲む膨張可能バルーンとを含み、バルーンの内部を流通ルーメンに連通させたことを特徴とするバルーンカテーテル。」 と記載され、 第3頁左上欄第第18行〜第20行には、 「主軸14は細長の可撓性の薄壁の管であり、好適な例でステンレス鋼とし外被は低摩擦材料例えばポリ四弗化エチレンを被覆する。」 と記載されている。 (3)対比・判断 [本件発明1について] 本件発明1と刊行物1記載の発明とを対比すると、カテーテルの通常の形状から本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有することは明らかであり、刊行物1記載の「カテーテル」が上記の通常の形状のカテーテルを含まないものであるとできる理由は見出せないから、刊行物1記載の「カテーテル」は本件発明1の「本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテル」に相当し、「生体温度で応力誘導マルテンサイトを示す合金要素」は生体温度という限定は付されているもののその温度範囲内において応力誘導マルテンサイトを示すものであり、応力誘導マルテンサイトを示すものは超弾性金属と称されるものである(この点については、上記無効審判における第1回口頭審理調書の請求人の陳述3及び被請求人の陳述7参照。)から「超弾性金属管」に相当する。 また、「カテーテルまたはその一部分」とはカテーテルの「少なくとも本体部」を含む部分と解される。 したがって、本件発明1と刊行物1記載の発明とは、 「本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本体部が、超弾性金属管により形成されているカテーテル。」 である点で一致し、本件発明1が、超弾性金属管について「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために」という限定をしているのに対し、刊行物1記載の発明においては超弾性金属管についてこのような限定がなされていない点で相違する。 そこで、この相違点について検討すると、本件発明1は、その特許明細書の[発明が解決しようとする問題点]の欄の、 「上記のカテーテル[剛性付与体として、金属線(例えば、ステンレス線)からなる剛性付与体を設けた拡張体付カテーテル]に用いられている剛性付与体では、カテーテルの折れ曲がり、つぶれの抑制およびトルクの伝達性をある程度向上させることが可能である。しかし、カテーテル全体として剛性が低く、特に、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が悪く、またトルクの伝達性も十分なものではなかった。 そして、カテーテルの導入が必要となる部位は、年々より細径な血管に発展してきており、より細径な血管、より末梢の血管部位まで導入できるカテーテルが望まれるようになってきている。 しかし、上記のカテーテルでは、カテーテルの本体が合成樹脂チューブにより形成されているため、ある程度の肉厚が必要となり外径が肉厚分大きくなる。このため、導入できる血管部位は、カテーテル外径により制限され、カテーテルの外径より十分大きい血管部位にしか導入することができなかった。 そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルを十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能なカテーテルを提供するものである。」(特許明細書第2頁第12行〜第28行) という課題を達成するために、上記相違点に係る構成を採用しているのに対し、刊行物1記載の発明は、上記の、 「カテーテルは、(該特許のように)湾曲形状に製造されている場合、カチーテル軸へ真直なピンを挿入することによって真直にでき、応力誘導マルテンサイトの形成によって変形する。カテーテルの気管への挿入は、カテーテルが真直な時に、(容易かつ正確に設置できる)あらゆる望ましい速度で行うことができる。マルテンサイトがオーステナイトへ戻るとともに、カテーテルが所望形状をとるようにピンは徐々に引出される。使用温度での合金の応力-歪み曲線は第2図の形であるので、ピンによる応力の除去によって自発的な戻りが生じる。除去を望む場合、ピンを徐々に挿入することによって除去でき、カテーテルを真直にし、容易に引き出すことができる。」 との記載からみて、超弾性金属管より成るカテーテルをピン等の拘束手段で強制的に変形拘束し、生体内に挿入後にピン等の拘束手段を除去し変形を除去するものである。(この点は、方法に関する記載ではあるが、刊行物1の特許請求の範囲11、12、13の記載参照。) したがって、刊行物1記載の発明は、超弾性金属と拘束手段を用いて温度変化等を要しない形状の変形・復元を利用したものと解され、超弾性金属の柔軟性やプラスチックに比べての座屈応力の大きい点を利用したものではない。 また、刊行物2記載の発明について検討すると、刊行物2には、本件発明1との関連においては「主軸14は細長の可撓性の薄壁の管であり、好適な例でステンレス鋼とし外被は低摩擦材料例えばポリ四弗化エチレンを被覆」したカテーテルを開示するものにすぎず、カテーテル本体部をステンレス鋼で作る点を示唆するものにすぎない。 ここで、ステンレス鋼と超弾性金属とは、金属である点で一致するものにすぎず、応力が加わった場合の超弾性金属の独特の応力-歪の関係はステンレス鋼とは全く異なるものである。 したがって、周知のステンレス鋼の強度等から、刊行物2記載のカテーテルが、周知の合成樹脂製のカテーテルと対比した場合、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めることは確かではあるが、刊行物2には合成樹脂製のカテーテルと対比した場合の柔軟性(湾曲の容易性)については考慮されていないか、或いは、押し込み力の伝達性を高めるために合成樹脂製のカテーテルと対比した場合の柔軟性を犠牲としているものであると解される。 そして、上述のように刊行物1記載の発明は、超弾性金属と拘束手段を用いた形状の変形・復元を利用したものと解され、超弾性金属の柔軟性を利用したものではないから、刊行物1記載の発明と、カテーテルの柔軟性(湾曲の容易性)については考慮されていないか、押し込み力の伝達性を高めるために犠牲としている刊行物2記載の発明とを組み合わせる理由は生じようがなく、組み合わせることが容易であるとする根拠も見出せない。 したがって、同じカテーテルの技術分野のものとはいえ、発明の解決すべき課題が全く相違する刊行物1記載の発明と刊行物2記載の発明とを結びつけ、本件発明1の上記相違点に係る構成を想到することは、当業者の通常の創作能力の発揮であるとは認められない。 以上のとおりであるから、本件発明1は、刊行物1及び刊行物2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 [本件発明2、3について] 本件発明2、3における本件発明1に対する技術的限定事項を確認すると、請求項2、3の記載からみて、 【請求項2】については、 「該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有する拡張体付カテーテル。」 である点が限定的に付加されたものであり、 【請求項3】については、 「本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有したカテーテル。」 である点が限定的に付加されたものであり、本件発明2は誘導部付きの拡張体を付加し、本件発明3は外管と内管とから成る二つのルーメンと拡張体を付加したもので、それらの限定事項は当業界において周知のものと認められるものである。(この点については、上記無効審判における第1回口頭審理調書の請求人の陳述5及び被請求人の陳述9参照。) しかしながら、本件発明2は、「カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された本体部」を構成要件として含むものであり、本件発明3は、「本体部は、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されている」点を構成要件として含むものであるから、実質的に上記[本件発明1について]において述べた理由と同じ理由により、本件発明2、3は、刊行物1及び刊行物2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (4)したがって、本件訂正審判請求に係る訂正は、平成5年特許法第126条第3項の規定に適合する。 3、むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判請求に係る訂正事項は、請求項2、3について特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものでもなく、かつ、当初明細書及び特許明細書に記載した事項の範囲内の訂正である。 また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 カテーテル (57)【特許請求の範囲】 (1) 本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本体部が、カテーテルの基端部で与えた押し込みカの伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。 (2) 内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。 (3) 本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。 【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カテーテル、例えば、血管造影用カテーテル、血管拡張用カテーテルなどの血管挿入用カテーテルに関する。 [従来の技術] 従来より、血管内に挿入される血管造影用カテーテルとして、ある程度柔らかい熱可塑性樹脂を用いてカテーテルを形成し、さらにそのカテーテルの外周に金属線(一般的にはステンレス線)よりなる剛性付与体を設けて、柔軟性が高い状態を維持し、かつ、折れ曲がりや押しつぶされることを抑制し、さらにはトルクの伝達性を向上したカテーテルが考えられるようになつた。 また、血管内の狭窄部を治療するために、狭窄部を拡張し狭窄部末梢側における血流の改善を図るための拡張体付カテーテルとしては、例えば、国際公開WO88/6465号公報に示されるような、内管と、この内管と同軸的に設けられた外管と、先端部および基端部を有し、基端部が外管に取り付けられ、先端部が内管に取り付けられた折り畳み可能な拡張体を有し、さらに、内管または外管を形成する可撓性合成樹脂製チューブに、剛性付与体として、金属線(例えば、ステンレス線)からなる剛性付与体を設けた拡張体付カテーテルがある。 [発明が解決しようとする問題点] 上記のカテーテルに用いられている剛性付与体では、カテーテルの折れ曲がり、つぶれの抑制およびトルクの伝達性をある程度向上させることが可能である。しかし、カテーテル全体として剛性が低く、特に、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が悪く、またトルクの伝達性も十分なものではなかった。 そして、カテーテルの導入が必要となる部位は、年々より細径な血管に発展してきており、より細径な血管、より末梢の血管部位まで導入できるカテーテルが望まれるようになってきている。 しかし、上記のカテーテルでは、カテーテルの本体が合成樹脂チューブにより形成されているため、ある程度の肉厚が必要となり外径が肉厚分大きくなる。このため、導入できる血管部位は、カテーテル外径により制限され、カテーテルの外径より十分大きい血管部位にしか導入することができなかった。 そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルを十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能なカテーテルを提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本体部が、超弾性金属管により形成されているカテーテルである。 そして、前記本体部は、前記超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂層とを有していることが好ましい。また、前記超弾性金属管は、前記本体部の基端より前記先端部まで伸びているものであってもよい。さらに、前記超弾性金属管の先端部は、柔軟な先端部となっていることが好ましい。また、前記本体部は、超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂チューブとを有し、該合成樹脂チューブは、前記超弾性金属管の先端部より突出し、カテーテルの先端部を形成しているものであってもよい。 また、上記目的を達成するものは、内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有する超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有する拡張体付カテーテルである。 そして、前記誘導部が、超弾性金属線により形成されていることが好ましい。また、前記本体部は、前記超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂層とを有していることが好ましい。 また、上記目的を達成するものは、本体部と先端部と有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部と有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、超弾性金属管により形成されているカテーテルである。 そして、前記外管は、超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂層とを有していることが好ましい。そして、前記内管は、前記超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂層とを有していることが好ましい。また、前記外管は、超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆する合成樹脂チューブとを有し、該合成樹脂チューブは、前記超弾性金属管の先端部より突出し、外管の先端部を形成しているものであってもよい。また、前記外管は、超弾性金属管と、該超弾性金属管の表面を被覆あるいは内表面に固着された合成樹脂チューブとを有し、該合成樹脂チューブは、前記超弾性金属管の先端部より突出し、内管の先端部を形成しているものであってもよい。 本発明のカテーテルのを図面に示す実施例を用いて説明する。 本発明のカテーテル1は、本体部4aと先端部4bとを有し、内部にルーメン6を有し、少なくとも本体部4aが、超弾性金属管2により形成されているため、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルを十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能である。 そこで、第1図に示した本発明の実施例のカテーテルについて説明する。 この実施例のカテーテル1は、本発明のカテーテルを血管造影用カテーテルに応用した実施例であり、本体部4aと先端部4bとを有しており、さらに、カテーテル1の基端より先端まで連続するルーメン6と先端開口5を有している。 本体部4aは、超弾性金属管2とこの超弾性金属管2の表面を被覆する合成樹脂チューブ3とを有し、合成樹脂チューブ3は、超弾性金属管2の先端部より突出し、カテーテルの先端部4bを形成している。 超弾性金属管2としては、49〜58原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu-Zn合金、1〜10重量%XのCu-Zn-X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi-Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。そして、超弾性金属管2は、外径0.5〜6mm、好ましくは、0.9〜5.5mm、肉厚50〜200μm、好ましくは80〜150μmのものであり、長さは、500〜4000mm、より好ましくは800〜3000mm、座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kg/mm2(22℃)、より好ましくは8〜180kg/mm2、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2(22℃)、より好ましくは、5〜160kg/mm2である。また、超弾性金属管2の先端は、第1図に示すように、細径化していることが好ましい。このように細径化することにより、超弾性金属管2の先端が合成樹脂チューブ3と剥離することを防止できる。 また、超弾性金属管の外径はすべて上述の寸法である必要はなく一部分であってもよい。 そして、合成樹脂チューブ3は、第1図に示すように、超弾性金属管2の全体を被覆し、さらに、超弾性金属管2の先端部より突出し、屈曲したカテーテルの先端部4bを形成することが好ましい。このようにすることにより、この実施例のカテーテル1は、柔軟な先端部4bを有するものとなる。屈曲部の形状は、挿入される目的血管部位に適した形状となっている。 合成樹脂チューブ3としては、例えば、ポリオレフィンエラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、エチレン-プロピレン共重合体などを用いたエラストマー等)、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、ポリアミドエラストマーあるいはポリウレタンである。そして、合成樹脂チューブ3は、超弾性金属管2の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。さらに、合成樹脂チューブ3を形成する合成樹脂中に、Ba、W、Bi等の金属単体もしくは化合物による微粉来状のX線造影性物質を混練することが好ましく、このようにすることにより血管内に導入中のカテーテル1の全体の位置確認が容易となる。 合成樹脂チューブ3の外径は、0.9〜7.0mm、好ましくは、1.0〜6.0mm、超弾性金属管2の上での肉厚は、0.005〜0.3mm、好ましくは、0.01〜0.2mmである。 さらに、合成樹脂チューブ3の外側に生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよく、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA-St-HEMAブロック共重合体)などが使用できる。特に、合成樹脂チューブ3にX線不透過物質を混合した材料を用いた場合は、X線不透過物質による外表面のざらつきを解消するために、上記のコーティングを行うことが好ましく、生体適合性樹脂であることが好ましいが、合成樹脂チューブ3の形成に用いた材料を薄くコーティングしたものでもよい。 また、合成樹脂チューブ3外面に血液等と接触した時に、潤滑性を呈するようにするために親水化処理を施すことが好ましい。このような親水化処理としては、例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーをコーティングする方法などが挙げられる。 そして、カテーテル1の先端(合成樹脂チューブ3の先端)は、血管壁の損傷の防止、さらにカテーテル1の操作性向上のために、第1図に示すように半球状等の曲面となっていることが好ましい。 次に、第2図に示した本発明の実施例のカテーテルについて説明する。 この実施例のカテーテル1は、本発明のカテーテルを血管造影用カテーテルに応用した実施例であり、本体部4aと先端部4bとを有しており、さらに、カテーテル1の基端より先端まで連続するルーメン6と先端開口5を有している。そして、本体部4aおよび先端部4bは、超弾性金属管2とこの超弾性金属管2の表面を被覆する合成樹脂層3により形成されている。 超弾性金属管2としては、上述のものが好適に使用できる。また、超弾性金属管2は、本体部4aに位置する部分の剛性が高く、先端部4bに位置する部分はより柔軟なものとすることが好ましく、例えば、超弾性金属管2の本体部および先端部の熱処理条件を変化させて、超弾性金属管2の本体部4aの降伏応力は大きく、また先端部2bは降伏応力が小さく柔軟になるよう本体部4aと先端部4bの熱処理を分離することにより形成することができる。また、先端部4bを柔軟なものとするために、第3図に示すように、超弾性金属管2の先端部の外面に複数の環状の溝を設けてもよい。また、環状の溝に限らず、螺旋状の溝であってもよい。また、第4図に示すように、超弾性金属管2の先端部4bを細径としてもよい。 そして、合成樹脂層3は、第2図に示すように、超弾性金属管2の全体を被覆している。合成樹脂層3としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマーあるいはポリウレタンである。そして、合成樹脂層3は、超弾性金属管2の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。さらに、合成樹脂チューブ3を形成する合成樹脂中に、Ba、W、Bi等の金属単体もしくは化合物による微粉末状のX線造影性物質を混練することが好ましく、このようにすることにより血管内に導入中のカテーテル1の全体の位置確認が容易となる。合成樹脂層の外径は、0.9〜7.0mm、好ましくは、1.0〜6.0mm、超弾性金属管2の上での肉厚は、0.005〜0.3mm、好ましくは、0.01〜0.2mmである。そして、カテーテル1の先端(合成樹脂チューブ3の先端)は、血管壁の損傷の防止、カテーテル1の操作性向上のために、第1図に示すように半球状等の曲面となっていることが好ましい。また、合成樹脂層3に、上述のように、抗血栓性を有する樹脂を被覆してもよく、また、潤滑性を呈するように親水化処理してもよい。 次に、第5図に示す本発明のカテーテルを血管拡張用カテーテルに応用した実施例について説明する。 このカテーテル20は、内部にルーメン26を形成し、先端部に開口30を有する超弾性金属管22により形成された本体部24と、本体部24の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部29と、先端部および基端部を有し、基端部が本体部24に取り付けられ、先端部が誘導部29に取り付けられ、開口30にてルーメン26と連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体28とを有している。 本体部24は、超弾性金属管22とこの超弾性金属管22の表面を被覆する合成樹脂層32とを有している。また、合成樹脂層23は、必ずしも設ける必要はないが、超弾性金属管22の表面への血液の付着の抑制、さらには、後述する拡張体の固着を容易なものとするために設けることが好ましい。 超弾性金属管22としては、49〜58原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu-Zn合金、1〜10重量%XのCu-Zn-X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi-Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。そして、超弾性金属管22は、外径0.2〜5mm、好ましくは、0.3〜4mm、肉厚50〜200μm、好ましくは、80〜150μmのものであり、長さは、500〜4000mm、より好ましくは1000〜3000mm、座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜20kg/mm2(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm2、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mm2である。そして、超弾性金属管22の先端は、第5図に示すように、細径化していることが好ましい。また、超弾性金属管22の先端部の側面には、開口30が複数設けられている。そして、合成樹脂層23は、超弾性金属管22の全体を被覆している。合成樹脂層23としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマーあるいはポリウレタンである。そして、合成樹脂層23は、超弾性金属管22の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。合成樹脂層23の肉厚は、5〜300μm、好ましくは、10〜200μmである。 さらに、合成樹脂層23の外側に生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよく、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA-St-HEMAブロック共重合体)などが使用できる。 さらに、本発明の拡張体付カテーテルにおいて、血管内さらにはガイドカテーテル内の挿入を容易にするために、使用時に血液と接触するおそれのある本体部24の外面、拡張体28の外面に血液等と接触した時に、潤滑性を呈するようにするために親水化処理を施すことが好ましい。このような親水化処理としては、例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーをコーティングする方法などが挙げられる。 そして、本体部24の先端には、誘導部29が、固定されている。誘導部29は、カテーテル1の先端を目的の血管部位に誘導する、いわゆるガイドワイヤーとして機能する。誘導部29としては、超弾性金属線、弾性金属線の外側に細い金属線を巻き付けたものなどが使用でき、好ましくは超弾性金属線である。そして、誘導部29は、外径が0.2〜1.0mm、長さが2〜150mm程度が好ましい。また、誘導部29は、座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kg/mm2(22℃)、より好ましくは8〜150kg/mm2、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2(22℃)、より好ましくは5〜150kg/mm2である。 誘導部29は、第5図に示すように、その基端部にフランジ部を有し、本体部44の先端に挿入され、ハンダ付あるいはろう付されることにより固定されている。ろう材としては、銀ろうまたは金ろうなどの硬ろうが好適に使用できる。また、誘導部29の固定は、本体部24の先端に挿入した後、本体部24の先端をかしめることにより行ってもよい。 拡張体28は、収縮あるいは折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、本体部24および誘導部29の外周に折りたたまれた状態となることができるものである。そして、拡張体28は、血管の狭窄部を容易に拡張できるように少なくとも一部が略円筒状となっているほぼ同径の略円筒部分を有する折りたたみ可能なものである。上記の略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、拡張体28は、その基端部が本体部の先端部に接着剤または熱融着などにより液密に固着され、先端部は、誘導部29の先端部に同様に液密に固着されている。この拡張体28は、拡張体28の内面と本体部24の外面との間に拡張空間を形成する。この拡張空間は、本体部24に設けられた開口30を介して、ルーメン26と連通している。拡張体28の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレ-酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは、上記の熱可塑性樹脂、ポリエステルあるいは架橋型エチレン-酢酸ビニル共重合体である。 さらに、拡張体28は、円筒部分の前方および後方に上述した本体部24および誘導部29との固着部分に至るまでの部分はテーパー状となっている。拡張体28の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分の外径が、1.50〜35.00mm、好ましくは2.00〜30.00mmであり、長さが10.00〜80.00mm、好ましくは15.00〜75.00mmであり、拡張体3の全体の長さが15.00〜120.00mm、好ましくは20.00〜100.00mmである。 次に、第6図に示す本発明のカテーテルを血管拡張用カテーテルに応用した実施例について説明する。 このカテーテル40は、内部にルーメン46を形成し、先端部に開口40を有する超弾性金属管により形成された本体部44と、本体部44の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部49と、先端部および基端部を有し、基端部が本体部44の開口40より基端側の位置に取り付けられ、先端部が本体部44の先端部に取り付けられ、開口40にてルーメン46と連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体48とを有している。 この実施例のカテーテル40と第5図に示し上述した実施例のカテーテル20との相違は、拡張体48の先端部が固着されている位置と、本体部44の形状である。上記以外の点については、第5図に示し、上述したものと同じである。 このカテーテル40では、本体部44は、その全体がほぼ同一の外径を有しており、先端部が縮径していない。そして、拡張体48は、基端部が本体部44の開口40より基端側の位置に取り付けられ、先端部が本体部44の先端部に取り付けられている。さらに、拡張体48の先端部は、本体部44の先端部を完全に被覆し、誘導部49のまで延びている。このようにすることにより、本体部44の先端が露出することを防止でき、血管挿入時に血管内壁に損傷を与えることを少なくする。 次に、第7図に示す本発明のカテーテルを血管拡張用カテーテルに応用した実施例について説明する。 このカテーテル60は、本体部64aと先端部64bとを有し、先端が開口する第1のルーメン66を有する内管61と、内管61に同軸的に設けられ、本体部64aと先端部64bと有し、内管61の先端より所定長後退した位置に設けられ、内管61の外面との間に第2のルーメン67を形成する外管63と、先端部および基端部を有し、基端部が外管63に取り付けられ、先端部が内管61に取り付けられ、基端部付近にて第2のルーメン67と連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体68と、内管の基端部に設けられた、第1のルーメン66と連通する第1の開口部と、外管63の基端部に設けられた第2のルーメン67と連通する第2の開口部とを有し、内管61および外管63の少なくとも一方の本体部64aは、超弾性金属管により形成されている。 このカテーテル60は、内管61と、外管63と、拡張体68と分岐ハブ70とにより構成されている。 そして、カテーテル60の本体部64aは、超弾性金属管62を有している。そして、外管63は、この超弾性金属管62の表面を被覆し、超弾性金属管62の先端部より突出し、先端部64bを形成している。この構成により、カテーテル60の本体部64aは、超弾性金属管62を有しているので比較的剛性であり、先端部64bは、超弾性金属管62を有しておらず比較的柔軟な外管63および内管61で構成されているので、柔らかく、血管の追従性がよい。さらに、最先端は内管61と拡張体68で構成されており、拡張体68は肉厚が薄く形成され実質的に内管61のみの曲げ強度となり、最も柔軟な部分となっている。また、超弾性金属管62は、外管63の先端まで延びていてもよい。 超弾性金属管62としては、49〜58原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu-Zn合金、1〜10重量%XのCu-Zn-X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi-Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。そして、超弾性金属管62は、外径0.40〜2.00mm、好ましくは、0.50〜1.60mm、肉厚30〜200μm、好ましくは、50〜150μmのものであり、長さは、500〜4000mm、より好ましくは1000〜3000mm、座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜20kg/mm2(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm2、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mm2である。 外管63としては、外径が0.50〜2.00mm、好ましくは、0.60〜1.60mmであり、内径が0.04〜1.90mm、好ましくは、0.50〜1.40mmであり、特に内管61の外径と、外径63の内径との差が0.05〜0.20mm、好ましくは0.1〜1.20mm、肉厚は0.05〜0.75mm、好ましくは0.1〜0.3mmである。 外管63の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体など)、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、上記の熱可塑性樹脂、ポリエステルあるいはポリオレフィンである。 さらに、外管63の外面は、生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよく、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA-St-HEMAブロック共重合体)などを被覆してもよい。 内管61は、外管63の内部に挿通され、その先端部が外管63より突出している。内管61としては、外径が0.30〜1.60mm、好ましくは0.40〜1.30mmであり、内径が0.20〜1.50mm、好ましくは0.25〜1.10mmである。 内管61の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体など)、ポリエステル、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、上記の熱可塑性樹脂、より好ましくは、ポリオレフィンあるいはポリイミド系樹脂である。 この内管61の外面と外管63の内面により第2のルーメン67が形成されている。よって、十分な容積を有するルーメンとすることができる。そして、第2のルーメン67は、その先端において拡張体68内と連通し、第2のルーメン67の後端は、拡張体を膨張させるための流体(例えば、血管造影剤)を注入するためのインジェクションポートを形成する分岐ハブ70の第2の開口部71と連通している。 また第7図に示したカテーテルのように外管63に超弾性金属管を設けるのではなく、第8図に示すように、内管61に、超弾性金属管62を設けたものでもよい。この場合、超弾性金属管62は、内管の外面に設けてもよい。 拡張体68は、収縮あるいは折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管61の外周に折りたたまれた状態となることができるものである。そして、拡張体68は、血管の狭窄部を容易に拡張できるように少なくとも一部が略円筒状となっているぼぼ同径の略円筒部分を有する折りたたみ可能なものである。上記の略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、拡張体68は、その基端部が外管63の先端部に接着剤または熱融着などにより液密に固着され、先端部17は、内管61の先端部に同様に液密に固着されている。この拡張体68は、拡張体68の内面と内管61の外面との間に拡張空間を形成する。この拡張空間は、後端部ではその全周において第2のルーメン67と連通している。このように、拡張体68の後端に比較的大きい容積を有する第2のルーメンを連通させたので、第2のルーメンより拡張体68内への膨張用流体を注入するのが容易である。 拡張体68の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するのが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン-酢酸ビニル共重合体など)、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは、上記の熱可塑性樹脂、より好ましくは、ポリエステルあるいは架橋型エチレン-酢酸ビニル共重合体である。 拡張体68の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分の外径が、1.50〜35.00mm、好ましくは2.00〜30.00mmであり、長さが10.00〜80.00mm、好ましくは15.00〜75.00mmであり、拡張体68の全体の長さが15.00〜120.00mm、好ましくは20.00〜100.00mmである。 さらに、本発明の拡張体付カテーテルにおいて、血管内さらには後述するガイドカテーテル内の挿入を容易にするために、使用時に血液と接触するおそれのある部位、すなわち外管63の外面、拡張体68の外面に血液等と接触した時に、潤滑性を呈するようにするために親水化処理を施すことが好ましい。このような親水化処理としては、例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーをコーティングする方法などが挙げられる。 分岐ハブ70は、第1のルーメン66と連通しガイドワイヤーポートを形成する第1の開口部72を有し、内管61に固着された内管ハブ73と、第2のルーメンと連通しインジェクションポートを形成する第2の開口部71を有し、外管63に固着された外管ハブ74とからなっている。そして、この2つの部材は固着されている。 この分岐ハブの形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。また、分岐ハブを設けず、第1ルーメン、第2ルーメンそれぞれに、例えば後端に開口部を形成するポート部材を有するチューブを液密に取り付けるようにしてもよい。 [発明の効果] 本発明のカテーテルは、本体部と先端部とを有し、内部にルーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本体部が、超弾性金属管により形成されているので、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルの本体部が超弾性金属管により形成されているため、本体部の肉厚を十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能である。 また、本発明のカテーテルは、内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有する超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有する拡張体付カテーテルであるので、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルの本体部が超弾性金属管により形成されいるため、本体部の肉厚圧を十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能である。 また、本発明のカテーテルは、本体部と先端部と有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部と有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、超弾性金属管により形成されているので、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性(押し込み性、プッシャビリティ)が高く、またトルクの伝達性も高く、さらに、カテーテルの本体部が超弾性金属管により形成されているため、本体部の肉厚を十分に肉薄にすることができ、より細径のカテーテルを形成することが可能である。 【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明のカテーテルの一実施例の部分断面図であり、第2図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第3図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第4図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第5図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第6図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第7図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図であり、第8図は、本発明のカテーテルの他の実施例の部分断面図、第9図は、本発明の一実施例の基端部を示す図である。 1,20,40,60…カテーテル、 2,22,42,62…超弾性金属管、 4a,24,44,64a…本体部、 4b,64b…先端部、 29,49…誘導部、28,48,68…拡張体、 61…内管、63…外管、 70…分岐ハブ、 |
訂正の要旨 |
A,訂正事項a 特許明細書の請求項2の記載、 「【請求項2】内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有する超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。」 を、 「【請求項2】内部にルーメンを形成し、先端部に開口を有し、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成された本体部と、該本体部の先端に取り付けられたカテーテルを誘導するための誘導部と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記本体部に取り付けられ、該先端部が前記誘導部または前記本体部の先端部に取り付けられ、前記開口にて前記ルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体とを有することを特徴とする拡張体付カテーテル。」 と訂正する。(下線部は訂正個所を示す。以下、同じ。) B,訂正事項b 特許明細書の請求項3の記載、 「【請求項3】本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。」 を、 「【請求項3】本体部と先端部とを有し、先端が開口する第1のルーメンを有する内管と、該内管に同軸的に設けられ、本体部と先端部とを有し、前記内管の先端より所定長後退した位置に設けられ、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体と、該内管の基端部に設けられた、前記第1のルーメンと連通する第1の開口部と、前記外管の基端部に設けられた前記第2のルーメンと連通する第2の開口部とを有し、前記内管および前記外管の少なくとも一方の本体部は、カテーテルの基端部で与えた押し込み力の伝達性を高めるために超弾性金属管により形成されていることを特徴とするカテーテル。」 と訂正する。 |
審理終結日 | 2001-10-17 |
結審通知日 | 2001-10-22 |
審決日 | 2001-11-02 |
出願番号 | 特願平1-330198 |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(A61M)
P 1 41・ 856- Y (A61M) P 1 41・ 851- Y (A61M) P 1 41・ 832- Y (A61M) P 1 41・ 854- Y (A61M) P 1 41・ 841- Y (A61M) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 多喜 鉄雄 |
特許庁審判長 |
佐藤 洋 |
特許庁審判官 |
岡田 和加子 岩崎 晋 |
登録日 | 1996-06-14 |
登録番号 | 特許第2528011号(P2528011) |
発明の名称 | カテ―テル |
代理人 | 向山 正一 |
代理人 | 向山 正一 |