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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 H05K
管理番号 1054767
審判番号 不服2000-6702  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-06-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-05-08 
確定日 2002-03-26 
事件の表示 平成6年特許願第303611号「分割可能なプリント基板」〔平成8年6月21日出願公開、特開平8-162728、請求項の数(3)〕拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は、平成6年12月7日に出願され、平成11年9月22日及び平成12年6月7日付で手続補正され、平成12年6月7日付手続補正が却下された後、平成14年2月25日付で再度手続補正されたものであって、その請求項1〜3に係る発明は、上記平成11年9月22日及び平成14年2月25日付手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された、以下のとおりのものである。
「 【請求項1】 親プリント基板と、この親プリント基板内に連結部で分割可能に連結された複数の子プリント基板と、この子プリント基板上に設けられるとともに電子部品が実装される銅箔パターンとを備え、前記連結部はプレス金型で切断すると共に、この連結部上にはグランドパターンに接続された銅箔パターンが成形された分割可能なプリント基板。
【請求項2】 連結部の表面と裏面とに銅箔パターンが成形された請求項1記載の分割可能なプリント基板。
【請求項3】 連結部に成形されたレジストは隣接した子基板上に設けられたレジストに連続して設けられた請求項1記載の分割可能なプリント基板。」

2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、
実願昭60-184199号(実開昭62-92672号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物1」という。)、
実願昭53-123447号(実開昭55-40566号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という。)、
実願昭57-168364号(実開昭59-72754号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という。)、
実願昭63-1017号(実開平1-107165号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物4」という。)を提示し、出願当初明細書及び平成11年9月22日付手続補正に係る請求項1,2,4記載の発明は、いずれも刊行物1〜4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないというものである。

3.当審で通知した拒絶の理由
当審で通知した拒絶の理由は、平成12年6月7日付手続補正が却下されたことに基づき、平成11年9月22日付の手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において補正するものでなく、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定により適用される、同法律による改正前の特許法第17条の2第2項の規定により準用する同改正前の特許法第17条第2項に規定する要件を満たしていないというものである。

4.当審の判断
本願の請求項1に係る発明は、出願当初明細書及び平成11年9月22日付手続補正に係る請求項3に実質的に記載された技術的事項である、「この連結部上にはグランドパターンに接続された銅箔パターンが成形された」という構成(以下、「特徴構成」という。)を有するものであるが、当該特徴構成は、上記刊行物1〜4には記載も示唆もないし、また、自明のものともいえない。
そして、本願請求項1に係る発明は、当該特徴構成を有することにより、平成14年2月25日付意見書記載のとおり、「連結部に設けられた銅箔パターンはグランドパターンと接続されており」、「この連結部を切断してシールドケースに組み込む場合、連結部上の銅箔パターンと、この連結部に隣接したグランドパターン上のレジストを剥がしておけば、銅箔パターンは切断部の端部まで設けられているため、前記シールドケースとグランドパターンとは容易にかつ信頼性良く半田付けすることができ」、「これを高周波機器に使用される回路などに適用すれば、基板のグランドは強化され、高周波特性が向上する」という効果を期待し得るものであるが、上記刊行物1〜4には、このような効果に係る示唆も存在しない。
したがって、本願請求項1に係る発明、及び当該請求項1に係る発明を引用する本願請求項2〜3に係る発明は、いずれも、上記刊行物1〜4記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものということはできない。
また、平成11年9月22日付の手続補正により補正された事項は、いずれも、平成14年2月25日付手続補正により再度補正され、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものとなった。

5.むすび
以上のとおり、原査定及び当審で通知した拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-03-12 
出願番号 特願平6-303611
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H05K)
P 1 8・ 55- WY (H05K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 落合 弘之中川 隆司亀ヶ谷 明久  
特許庁審判長 神崎 潔
特許庁審判官 刈間 宏信
藤井 昇
発明の名称 分割可能なプリント基板  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 坂口 智康  
代理人 岩橋 文雄  

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