ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部無効 発明同一 訂正を認める。無効としない C09J 審判 全部無効 1項3号刊行物記載 訂正を認める。無効としない C09J 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない C09J |
---|---|
管理番号 | 1055726 |
審判番号 | 審判1999-35784 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-03-08 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-12-24 |
確定日 | 2002-01-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2644140号発明「剥離部の構造」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1.手続の経緯 (1)本件特許第2644140号の請求項1ないし2に係る発明についての出願は、平成4年6月5日に出願され、平成9年5月2日にその発明についての特許の設定登録がされたものである。 (2)これに対して請求人は、本件請求項1ないし2の発明に係る特許は、甲第1号証に記載された発明であるか、又は甲第1号証及び甲第3乃至6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるか、あるいは、甲第7号証に記載された発明と同一であるから、特許法29条第1項、同条第2項又は特許法第29条の2の規定に違反してされたものであるから、本件請求項1ないし2の発明に係る特許を無効にすべき旨主張している。 (3)被請求人は、平成12年4月24日付けで、答弁書を提出すると共に、訂正請求書を提出して訂正を求めた。 (4)これに対して、請求人は、平成13年3月16日付けで、上申書を提出し、本件無効審判の終結及び審決を求めている。 2.訂正の適否に対する判断 (1)訂正の内容 a.特許請求の範囲の請求項1の「前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物」とあるのを「長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物」と訂正する。 b.段落番号【0008】(特許公報第4欄4〜5行)の「前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物」とあるのを「長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物」と訂正する。 c.段落番号【0032】(特許公報第7欄31行)、段落番号【0029】(特許公報第8欄9行)、段落番号【0030】(同15行)、段落番号【0034】(同32行)の「実施例」とあるのを「参考例」と訂正する。 d.段落番号【0031】(特許公報第8欄22行)の「実施例3」とあるのを「実施例1」と訂正する。 e.段落番号【0035】(特許公報第7欄及び8欄の表1)の「実施例1」、「実施例2」、「実施例3」とあるのをそれぞれ「参考例1」、「参考例2」、「実施例1」と訂正する。 f.【図面の簡単な説明】の【図7】および【図8】(特許公報第10欄18行、20行)の「本発明の実施例」とあるのを、「参考例」と訂正する。 g.図7を一括訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 訂正事項aは、シリコーン系剥離層の場合、接着剤層がゴムを主成分とする粘着剤組成物の態様を除いたものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 訂正事項bないしgは上記訂正事項aに整合させて明細書あるいは図面を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 そして、訂正事項a〜gは、新規事項の追加には該当しないし、特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものでもない。 (3)独立特許要件の判断 a.訂正明細書に記載の発明 訂正明細書の請求項1ないし2に係る発明(以下、「訂正発明1ないし2」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】その境界面が感圧性接着剤層と、長鎖アルキル系又はシリコーン系剥離処理層とから構成され、かつ剥離自在に接着固定する剥離部において、長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物であって、かつ該接着剤層と前記剥離処理層とを剥離する場合、剥離速度102mm/minで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が200g/25mm以下であると共に、少なくとも102mm/min以上の剥離速度で剥離した時の音圧レベルが80dB以下であり、かつ剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きいと共に、剥離力が102mm/min以上の剥離速度においてピークを有することを特徴とする剥離部の構造。 【請求項2】感圧性接着剤層と剥離処理層の形成面がオムツ又はナプキンの構成部材である請求項1記載の剥離部の構造。」 b.甲第1号証ないし甲第7号証に記載された事項 甲第1号証(国際公開第92/07042号パンフレット) 甲第1号証には、 「1.その境界面が感圧性接着層とシリコーン系剥離処理層とから構成される剥離部において、前記接着剤層がゴムを主成分とする粘着性物質で、前記剥離処理層が3次元化オルガノポリシロキサンを1〜80重量%含有するシリコーン系処理剤で夫々構成されていることを特徴とする剥離部の構造。 2.粘着性物質のゴム成分がABA型又はAB型ブロック共重合体(Aは熱可塑性ブロック、Bはラバーブロック)を主体とするものである請求項1記載の剥離部の構造。 3.シリコーン系剥離処理層及び感圧性接着剤層の形成面がオムツの構成部材である請求項1又は2記載のオムツの剥離部の構造。」(請求の範囲)、「【技術分野】本発明は、剥離音を軽減した剥離部の構造に関し、主として紙オムツ用接着テープの剥離部に利用され、補強フィルムおよびリリーステープの背面にファスナーテープを剥離自在に接着固定する剥離部を提供することを目的とする。」(第1頁5〜9行)、「【背景技術】一般にオムツ用テープ、例えばファスナーテープが固定されたオムツの剥離部の構造は、オムツの装着時の洩れやズレの防止上、固定時にファスナーテープが外れにくいことが必要であり、他方、オムツの装着、脱着を容易にするためには、ファスナーテープがオムツから剥がし易いことが必要である。このため、従来から・・・ファスナーテープの固定時に該テープが外れない高保持性を有する長鎖アルキル系の剥離処理剤が塗布されていた。この長鎖アルキル系剥離処理剤は・・・ファスナーテープを補強フィルムより剥がそうとする時に「バリバリ」と大きい音を立てて剥がれるという欠点があった。・・・シリコーン系剥離処理剤を用いると、剥離に際してこのような音をたてることはない。しかし、シリコーン系剥離処理剤を用いると、テープの接着剤層との剪断接着力が極度に低下するため、オムツのファスナー部などに使用した場合にテープが外れ易いという欠点があり、かかる固定用途では余り使用されないのが現状である。」(第1頁14行〜第2頁14行)、「本発明で剥離部を構成する感圧性接着剤層としてゴムを主成分とする粘着性物質が使用されるのは、粘着性物質を構成するするゴムの高凝集性によって剪断荷重に対する高い自己保持性が得られ、後述するシリコーン系剥離処理剤との剪断特性が良好であると考えられるからである。・・・実験によれば、ゴムを主成分とする粘着性物質を使用した場合には、1kg/25mm幅以上の剪断接着力が得られたのに対し、汎用されているアクリル系の感圧性接着剤では200g/25mm幅未満の剪断接着力しか得られなかった。」(第3頁24行〜第4頁7行)、「比較例2はシリコーン系剥離処理剤に代えて長鎖アルキル系剥離処理剤(一方社油脂株式会社製ピーロイル1010)の2%トルエン溶液を0.5g/m2塗布し、80℃×30秒加熱処理して剥離処理層側の試料片としたものである。比較例3、4、5は実施例1、2、3において、接着テープ側の試料片としてゴムを主成分とする粘着性物質に代えてアクリル系の感圧接着剤(2エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸との共重合体:重量比100対2)を塗布したものである。これらの結果を第1表に示した。」(第9頁14〜23行、第10頁第1表参照)と記載されている。 甲第2号証(実験成績証明書) 甲第2号証は、甲第1号証記載の発明を再現し、剥離力、音圧レベルを測定したとする実験成績証明書である。 甲第3号証(「物理化学大辞典」、物理学大辞典編集委員会編、丸善株式会社、平成1年6月25日発行、第109〜111頁) 甲第3号証には、音及び強度について記載されている。 甲第4号証(特開平1-162804号公報) 甲第4号証には、「(1)感圧接着剤がABブロックコポリマーと粘着性付与樹脂とのブレンドから成る固着用感圧接着テープ及びおむつ等の使い捨て衣料品の固着領域を形成するポリオレフィン層から成る該使い捨て衣料品用の感圧接着クロージャーであって、・・・30cm/分及び1250cm/分の両速度において少なくとも175N/分の平均剥離力を与えることを特徴とする前記の使い捨て衣料品用の感圧接着クロージャー。」(特許請求の範囲、請求項1)、「例えば約500〜1250cm/分の速度ではずすときにはずすのに過度に大きな衝撃を与えてはがれてしまう場合、おむつを再調整し、あるいは取り除く人はそのクロージャーは品質がよくないと判断するだろう。」(第3頁左上欄10〜14行)、「本発明は高低両速度において高剥離抵抗性を与え、同時に高速度でスムースに剥離可能である、おむつのような使い捨て物品用の感圧接着クロージャーを初めて提供するものである。」(第4頁左上欄19行〜同頁右上欄2行)、「好ましくは、1250cm/分における瞬時剥離力が実質的に平均剥離力の20%以内に止まることである。」(第4頁右上欄13〜15行、第13頁右上欄第III表参照)と記載されている。 甲第5号証(「感圧接着剤(粘着剤)-その機能と仕組み-」、遠山三夫著、1991年2月20日、(株)高分子刊行会、第44〜47頁) 甲第5号証には、ピール力とピール速度の関係について記載されている。 甲第6号証(「粘着ハンドブック(初版)」、日本粘着テープ工業会粘着ハンドブック編集委員会編、昭和60年3月2日、日本粘着テープ工業会発行、第50〜52頁) 甲第6号証には、天然ゴム-タッキファイヤー系粘着剤の90°はく離力を測定し、引張速度に重ね合わせてマスターカーブを得た旨記載されている。 甲第7号証(特願平4-126255号(特開平5-329184号公報)) 甲第7号証には、「【請求項1】おむつ本体のバックシートの一部分にフロンタルテープが付着されており、該フロンタルテープの表面とバックシートの他の部分とにわたってファスニングテープを付着することにより装着する方式の使い捨ておむつにおいて、該フロンタルテープの該バックシートに付着した面とは反対側の面にシリコーン系剥離剤が塗布されており、そして該ファスニングテープの付着面にAB型ブロックコポリマーと粘着付与剤とを含んで成りB相のガラス転移点が240K〜260Kである粘着剤が塗布されていることを特徴とする使い捨ておむつ。」(特許請求の範囲請求項1)、「【発明が解決しようとする課題】本発明は、フロンタル部分とファスニングテープとの間の剥離の際に生ずる剥離音を抑制した使い捨ておむつを提供しようとするものである。」(段落番号【0005】)、「フロンタルテープの製造においては、・・・その片面に下記サンプル(1)〜(3)に剥離剤組成物を・・・塗布し、・・・硬化させた。 サンプル(1)・・・ サンプル(2)・・・ サンプル(3)(従来技術) ビーロイル1010(非シリコーン系長鎖アルキル型剥離剤;一方社)1.0部 トルエン 90.0部 メタノール 9.0部 ファスニングテープの製造においては、・・・その片面に下記サンプル(4)〜(7)((7)は(8)の誤記)で示す粘着剤を・・・塗布した。 サンプル(4)(本発明) クレイトンD1107(AB型ブロックコポリマー;シエル化学)60.0部 ・・・ サンプル(7)(比較例) クレイトンD1107(AB型ブロックコポリマー;シエル化学)62.0部 ・・・ サンプル(8)(比較例) クレイトンD1107(AB型ブロックコポリマー;シエル化学)45.0部 ・・・ 上記のように製造したフロンタルテープとファスナーとをそれらの剥離層と粘着剤層とが接するように圧着し、・・・静加重保持力・・・を測定した。・・・この静加重保持力が20分間以上であることが実用上必要がある。」(段落番号【0018】、表1参照)、「また、剥離音を、測定器「サウンド・レベル・メーター」を用いて、剥離速度約1.0m/秒(「秒」は「分」の誤記。)、試料から測定器までの距離30cmにおいて測定した。剥離音はホーン単位で測定し、ホーンは1000Hzにおける音圧として定義される。」(段落番号【0019】、表1参照)と記載されている。 c.対比・判断 イ.特許法第29条1項、2項違反について [訂正発明1について] 訂正発明1と甲第1号証記載の発明と対比すると、訂正発明1には、シリコーン系剥離処理層の場合、接着剤層がゴムのものは含まれないから、訂正発明1記載の長鎖アルキル系剥離処理層と接着剤層がゴムのものは甲第1号証記載の比較例2のものと、また、訂正発明1記載のシリコーン系剥離処理層と接着剤がアクリルを主成分とする粘着剤組成物のものは、甲第1号証記載の比較例3、4、5ものと一致するが、それらの比較例2ないし5のものが、訂正発明1で規定する「接着剤層と前記剥離処理層とを剥離する場合、剥離速度102mm/minで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が200g/25mm以下であると共に、少なくとも102mm/min以上の剥離速度で剥離した時の音圧レベルが80dB以下であり、かつ剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きいと共に、剥離力が102mm/min以上の剥離速度においてピークを有する」ことについて明記されていない点で相違する。 それ故、訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明ではない。 次に、上記相違点を検討すると、甲第1号証記載の表1のモニターテストをみると、比較例2ないし5記載のものは、「剥離時の音の静かさ」あるいは「外れにくさ」で×の評価になっており、これらの点を考慮すると、甲第1号証記載の比較例2ないし5のものが、訂正発明1のような「固定時にテープ等の部材が外れにくい一方で、剥離時においては音を立てずに剥がれ易い」効果があるとする上記数値を満たすものではないと解するのが相当である。また、甲第3ないし6号証の記載をみても訂正発明1に係る剥離処理層及び接着剤層の組合せの記載がないし、甲2号証にも上記比較例2〜5の実験成績の報告がない。 そして、訂正発明1で規定する上記数値を満たすことにより、固定時にテープ等の部材が外れにくい一方で、剥離時においては音を立てずに剥がれ易い効果が生ずることは、明細書に記載されたとおりのものであると認められる。 したがって、訂正発明1が甲第1号証刊行物に記載された発明であるとも、また、甲第1、3ないし6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 [訂正発明2について] 訂正発明2は、訂正発明1の用途を限定したものであるから、請求項1の理由と同一の理由が成立する。 したがって、訂正発明2が甲第1号証刊行物に記載された発明であるとも、また、甲第1、3ないし6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ロ.特許法第29条の2違反について [訂正発明1について] 先願明細書である甲第7号証には、比較例として、サンプル3の長鎖アルキル系剥離処理層とサンプル4、7、8の接着剤層がゴムである剥離部の構造の発明が記載されている(段落番号【0020】表1参照)点で訂正発明1のものと一致するが、訂正発明1で規定する「接着剤層と前記剥離処理層とを剥離する場合、剥離速度102mm/minで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が200g/25mm以下であると共に、少なくとも102mm/min以上の剥離速度で剥離した時の音圧レベルが80dB以下であり、かつ剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きいと共に、剥離力が102mm/min以上の剥離速度においてピークを有する」ことについて明記されていない点で相違する。 その相違する点を検討すると、接着剤層(ファスニングテープ)がサンプル4、8のものは、剥離音が【0019】に記載された30cmの測定条件に代えて、本件の100mm測定距離(段落番号【0039】)で測定した場合80dBを越えると推認されるし、サンプル7のものは、静荷重保持力が基準値の20分間以上に満たないから、訂正発明1のような「固定時にテープ等の部材が外れにくい一方で、剥離時においては音を立てずに剥がれ易い」効果があるとする上記数値を満たすものではないと解するのが相当である。 したがって、訂正発明1が先願明細書に記載された発明と同一とは認められない。 [訂正発明2について] 訂正発明2は、訂正発明1の用途を限定したものであるから、請求項1の理由と同一の理由が成立する。 したがって、訂正発明2が先願明細書に記載された発明と同一とは認められない。 ハ.したがって、訂正発明1ないし2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 d.むすび 以上のことから、本件訂正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年法改正前の特許法第134条第2項ただし書並びに特許法第134条第5項において準用する特許法第126条第2項及び3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許無効についての判断 (1)請求人の主張 請求人は訂正前の本件請求項1ないし2に係る発明の特許を無効にするとの審決を求め、その理由として訂正前の本件請求項1ないし2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるか、甲第1号証、甲第3〜6号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるか、あるいは、先願明細書である甲第7号証に記載された発明と同一であると主張している。 (2)被請求人の主張 これに対して被請求人は、請求人の主張する無効理由を解消する訂正を平成12年4月24日に請求したので、本件審判の請求は成り立たないと主張している。 3)当審の判断 上記2.(3)独立特許要件の判断で示したように、訂正発明1ないし2は、甲第1号証に記載された発明であるとも、甲第1号証及び甲第3〜6号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとも、あるいは、先願明細書である甲第7号証に記載された発明と同一であるとも認められないから、請求人の主張及び証拠方法によっては、訂正発明1ないし2に係る特許を無効にすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 剥離部の構造 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 その境界面が感圧性接着剤層と、長鎖アルキル系又はシリコーン系剥離処理層とから構成され、かつ剥離自在に接着固定する剥離部において、長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物であって、かつ該接着剤層と前記剥離処理層とを剥離する場合、剥離速度102mm/minで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が200g/25mm以下であると共に、少なくとも102mm/min以上の剥離速度で剥離した時の音圧レベルが80dB以下であり、かつ剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きいと共に、剥離力が102mm/min以上の剥離速度においてピークを有することを特徴とする剥離部の構造。 【請求項2】 感圧性接着剤層と剥離処理層の形成面がオムツ又はナプキンの構成部材である請求項1記載の剥離部の構造。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、剥離音を軽減した剥離部の構造に関し、その用途は何ら限定されないが、例えば種々の生活関連用品、具体的には主として紙オムツ用粘着テープの剥離部に利用され、補強フィルムおよびリリーステープの背面にファスナーテープを剥離自在に接着固定する剥離部を提供することを目的とする。 さらに、生理用ナプキンなど他の使い捨て吸収物品に利用される剥離部の構造としても、又、医療用テープ、包装用テープなどの種々の生活関連用品における剥離部の構造としても好適に用いられるものである。 【0002】 【従来の技術】一般にオムツ用テープ、例えばファスナーテープが固定されたオムツの剥離部の構造は、オムツの装着時の洩れやズレの防止上、固定時にファスナーテープが外れにくいことが必要であり、他方、オムツの装着、脱着を容易にするためには、ファスナーテープがオムツから剥がし易いことが必要である。 【0003】このため、従来からオムツのファスナー部においては、ファスナーテープの接着剤として容易に高接着が得られる接着剤が使用されたり、剥離を容易にするためにオムツのフロント部に補強フィルムが設けられ、この補強フィルムの面上にファスナーテープの固定時に該テープが外れない高保持性を有する長鎖アルキル系の剥離処理剤が塗布されていた。 【0004】この長鎖アルキル系剥離処理剤は上記の要望に応えるための優れた剥離処理剤としての長所を発揮するが、他方、母親がファスナーテープを補強フィルムより剥そうとする時に「バリバリ」と大きな音を立てて剥がれるという欠点があった。このような剥離音は睡眠中の赤ちゃんを起こしたり、あるいは寝ている周囲の人を起こしたりする等問題となっており、この改良が要望されていた。 【0005】一方、接着テープなどに使用する剥離処理剤として一般に汎用されているシリコーン系剥離処理剤を用いると、剥離に際してこのような音をたてることはなく、また剥離力のチャートパターンもスムーズとなる。しかし、シリコーン系剥離処理剤を用いると、テープの接着剤層との剪断接着力が極度に低下するため、オムツのファスナー部なとに使用した場合にテープが外れ易いという欠点があり、かかる固定用途では余り使用されないのが現状である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に特願平2-278025号(平成2年10月16日出願)で提案したように、上記シリコーン系剥離処理剤に3次元化オルガノポリシロキサンを含有させて、重剥離化することで消音性と高保持性を両立させた。しかし、この方法では、消音効果とともに現行の長鎖アルキル系剥離処理剤の高保持性を追求するあまり、重剥離化が進みすぎ(いきおい、シリコーン系による背面剥離力のみを重視し、結果として、剥離力の高レベルを維持せざるを得なくなり)、十分な消音効果が得られないという問題があった。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は上述の問題点に鑑み、従来の消音剥離性をさらに向上すべく検討した結果、感圧性接着剤層と剥離処理層とを剥離する場合、特に剥離速度と剥離力及び剥離音との関係を検討しかつ特定化することにより、その目的を達成しうることを見出し、本発明に至ったものである。 【0008】即ち、本発明は、その境界面が感圧性接着剤層と、長鎖アルキル系又はシリコーン系剥離処理層とから構成され、かつ剥離自在に接着固定する剥離部において、長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする接着剤組成物であって、かつ該接着剤層と前記剥離処理層とを剥離する場合、剥離速度102mm/minで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が200g/25mm以下であると共に、少なくとも102mm/min以上の剥離速度で剥離した時の音圧レベルが80dB以下であり、かつ剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きいと共に、剥離力が102mm/min以上の剥離速度においてピークを有することを特徴とする剥離部の構造を提供する。 【0009】本発明においては、後述の感圧性接着剤層と剥離処理層とから構成される剥離部において、その境界面で剥離する場合に、少なくとも102mm/min以上、好ましくは102〜5×104mm/minの剥離速度で剥離した時の音圧レベルが、80dB以下、好ましくは55〜75dB程度である。 かかる音圧レベルが上記範囲を超えると、周囲環境への騒音となり他人に迷惑となるので好ましくない。 【0010】さらに本発明においては、剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力を、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きくすることが好ましい。剥離速度と剥離力との関係が逆になる場合は、スリップステック現象(走り現象ともいう)が発生し、剥離力のチャートパターンは上下に激しく振れて、その結果として剥離音が大きくなるため好ましくない。 【0011】また、剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が最大となる、すなわち剥離速度が大きくなるにつれて剥離力が上昇すると、走り現象が生ぜず、結果として剥離力のチャートパターンが穏やかとなり、剥離音も静かとなる。 【0012】また本発明においては、剥離速度102mm/mimで剥離した時の剥離力の最大値と最小値との差が、200g/25mm以下、好ましくは10〜100g/25mmであることが、剥離がスムーズに行なわれ、振動がなくなり消音化に有効であるという理由により好ましい。 【0013】本発明の剥離部の構造において境界面を形成する感圧性接着剤層は、ゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物であれば、その組成などに何ら限定されるものではないが、ゴム系粘着剤組成物としては、例えば、天然ゴム、合成ゴムを主体としたものがいずれも使用され、特にホットメルト塗工による無公害化の点などからは、ABA型又はAB型ブロック共重合体(Aは熱可塑性ブロック、Bはラバーブロックで、例えば、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体もしくはこれらの水素添加物等)を主体としたものが好ましい。 【0014】またアクリル系粘着剤組成物も特に限定されないが、架橋を必要とする場合が多い。 例えば、アクリル系エマルジョン類、ポリアクリル酸エステル類(AA、BA、EA、2EMA)などが用いられる。 【0015】上記の粘着剤組成物を、必要に応じ、例えばテープ支持体等の基材上に塗設することにより、本発明の剥離部の構造における感圧性接着剤層、もしくはその感圧性接着剤層を有する粘着テープを構成することができる。上記感圧性接着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常20〜100μmが好適である。 【0016】本発明の剥離部の構造において境界面を形成するもう一つの剥離処理層は、長鎖アルキル系又はシリコーン系の剥離処理剤にて形成した層である。 かかる長鎖アルキル系剥離処理剤としては、例えば、日東電工株式会社製BPタイプ、アシオ産業株式会社製アシオレジン、一方社油脂株式会社製ピーロイルなどを用いることができる。 また、シリコーン系剥離処理剤としては、ジメチルポリシロキサンを主体とする通常用いられるシリコーン系剥離処理剤が使用可能である。本発明においては、特に、特願平2-278025号に提案したように、上記シリコーン系剥離処理剤に3次元化オルガノポリシロキサンを含有させたものが好ましい。 【0017】上記剥離処理剤の塗布量は、通常、シリコーン系の場合、0.01〜10g/m2、好ましくは0.1〜3g/m2である。 また長鎖アルキル系の場合、0.005〜10g/m2、好ましくは0.02〜0.3g/m2であるが、感圧性接着剤層がアクリル系粘着剤組成物の場合は、塗布量を若干減少させることにより重剥離化して、保持性を満たすことが必要で、その塗布量は、0.01〜0.1g/m2が好ましい。 【0018】一方、上記の剥離処理剤は紙オムツのリリーステープ背面や補強フィルム背面に塗工される他、直接紙オムツのバックシートの面上に塗工して用いることができる。 【0019】また、基材としてのフィルムやテープは何ら限定されないが、例えば、特開昭63-112704号公報に記載のポリプロピレン含有ブラスチックやポリプロピレンとポリプロピレン含有プラスチックとの積層物、或いはポリエステルよりなるものが好適であり、その表面はフラット状でもマット状でもよい。 さらに、発泡体や凹凸表面の基材も用いることができる。また、この基材をオレフィン系、スチレン系、ウレタン系、ポリエステル系エラストマーを主成分としたフィルムとすることで良好なスリップ性を発現し、ソフトである点でも好ましい。 【0020】上記のフィルムやテープには、その表面に塗布する剥離処理剤の脱落を防止するために予めコロナ処理等の表面処理をすることは好ましく、処理強度の指標として少なくとも表面張力38dyne/cm2以上が好ましい。 【0021】本発明の剥離部の構造を利用した用途例を添付図面に基づいて説明する。図1は紙オムツAの各部位を示す説明図であって、Bはバックシート、Cはベルト部のトップシート、Dは補強フィルム、Eはリリーステープ、Fはファスナーテープである。 【0022】図2は、本発明の剥離部の構造を紙オムツAのバックシートB上の補強フィルムDとファスナーテープFとの接合に用いた場合の構造例を示している。バックシートB上に接着剤3によって表面に前述の剥離処理層2を塗設したフィルム1が接合されている。一方、この補強フィルムDの剥離処理層2上にはテープ支持体5上にゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物からなる感圧性接着剤層4を設けたファスナーテープFが層4を介して剥離自在に接着固定され、層2と層4との境界面で本発明の剥離部が構成されている。尚、上記の構成に代えて、表面に剥離処理層2を有するフィルム1を直接バックシートB上に熱接着する構成、或いは、本発明で用いる剥離処理剤を直接紙オムツAのバックシートB上に塗工する構成としてもよい。 【0023】図3は、本発明の固定構造を生理用ナプキンに応用した実例を示している。ナプキンNの一端側内面には粘着剤組成物からなる感圧性接着剤層4が設けられる一方、他端側内面には前記の剥離処理剤からなる剥離処理層2が塗設され、剥離処理層2の上面に感圧性接着剤層4が当接するようにナプキンNが折り畳まれ、層2と層4との境界面で本発明の剥離部が構成されている。 【0024】図4は、本発明の固定構造をロール状テープTに応用した実例を示している。即ち、テープTの内面側には前記の感圧性接着剤層が設けられる一方、背面側には前記の剥離処理層が塗設され(図示省略)、こうしたロール状態においては、各巻層の境界面で感圧性接着剤層と剥離処理層とが当接する剥離部が構成される。 【0025】図5及び図6はロール状テープTを医療用テープあるいは段ボール包装用テープとして使用する実例である。即ち、図5のようにテープTをラップしつつ巻回すれば、ラップ部分で同様に本発明の剥離部の構造が構成され、図6のように予め段ボールの封止部に上記の剥離処理剤を塗設し、テープT(背面の剥離処理は省略可能である)を貼着封止することにより、同様に本発明の剥離部の構造が得られる。 【0026】 【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する。文中「%」は重量%、「部」は重量部を意味する。 〔被着体(補強フィルム)の作成〕ポリエステル(PET)フィルム(厚さ12μm)上に、シリコーン系剥離処理剤として、付加型シリコーン樹脂(信越化学株式会社製、X-62-2378)のトルエン溶液(固形分30%)に3次元化オルガノポリシロキサン(信越化学株式会社製、X-92-140)のトルエン/キシレン溶液(固形分30%)を、3次元化オルガノポリシロキサン含有量が30%となるように混合した溶液を、0.38g/m2となるように塗布した後、120℃×1分間加熱処理して剥離処理層を形成した被着体1を得た。 【0027】また、配向ポリプロピレン(OPP)フィルム(厚さ25μm)上に、長鎖アルキル系剥離処理剤(一方社油脂株式会社製、ピーロイル1010)の2%トルエン溶液を、0.02g/m2となるように塗布し、80℃×1分間加熱処理して剥離処理層を形成した被着体2を得た。 【0028】〔粘着テープ(ファスナーテープ)の作成〕厚さ120μmの低密度ポリエチレンフイルムの片面に、以下に示す粘着剤組成物を各々50μmの厚みに塗布して感圧性接着剤層を形成して、粘着テープを得た。 【0029】参考例1 〔粘着剤の配合〕 合成ゴムSIS(日本合成ゴム株式会社製、JSR-5500) 100部 石油系樹脂(荒川化学株式会社製、スーパーエステル) 100部 老化防止剤(チバガイギー株式会社製、イルガノックス1010) 2部 得られた粘着テープを、被着体1の剥離処理層に貼着して本発明の剥離部の構造を得た。 【0030】参考例2 〔粘着剤の配合〕 合成ゴムSIS(日本合成ゴム株式会社製、JSR-5500) 100部 石油系樹脂(日本合成ゴム株式会社製、クレイトンN-130) 100部 軟化剤(安原油脂株式会社製、YS-レジンTOS) 50部 老化防止剤(チバガイギー株式会社製、イルガノックス1010) 2部 得られた粘着テープを、被着体1の剥離処理層に貼着して本発明の剥離部の構造を得た。 【0031】実施例1(アクリル系粘着剤の場合) 〔粘着剤の配合〕 2エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸との 共重合体(重量比100対2) 100部 イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネート L)1部 得られた粘着テープを、被着体2の剥離処理層に貼着して本発明の剥離部の構造を得た。 【0032】比較例 粘着剤の配合は参考例1と同様の粘着テープを、被着体2の剥離処理層に貼着して剥離部の構造を得た。 【0033】各々について背面剥離力の剥離速度依存性を測定し、その結果を図7に示した。 この図からわかるように、感圧性接着剤層を剥離処理層から剥離する場合、剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が、102mm/min以下で剥離した時の剥離力より大きい場合に、後述の音圧レベルが小さいことがわかる。また、剥離速度102mm/min以上で剥離した時の剥離力が最大となる場合にも、後述の音圧レベルが小さいことがわかる。 【0034】また、各々について種々の剥離速度における背面剥離力チャートパターンを図8(参考例1)及び図9(比較例)に示した。剥離力の最大値存最小値との差を後述の表1に示した。 【0035】また、各々について測定した剥離音の音圧レベルの結果も併せて表1に示す。 【0036】 【表1】 【0037】なお、各測定方法は、以下に従った。 〔剥離力〕ステンレス板の上に固定させた各々の剥離処理層側の試料片の剥離処理層の面上に2kgローラー1往復で粘着テープ側の試料片を貼着し、貼着後3分以内に各剥離速度で剥離接着力を測定した。 【0038】〔チャートパターン〕上記剥離力を測定する際、テンシロンにて記録した。 【0039】〔音圧レベルの測定法〕サンプルとして、市販の紙オムツに前記被着体を貼付け、これに本発明の粘着テープを700gローラーを1往復させて圧着して得た。 圧着後3分以内に、この粘着テープを剥離速度10mm/分〜50m/分、測定距離100mmとして、積分型精密騒音計を用いて、初期剥離時の剥離音を測定した。 なお、その際の周囲のブランクのデシベルを測定したところ、50dBであることを確認した。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の剥離部の構造は固定時にテープ等の部材が外れにくい一方で、剥離時においては音を立てずに剥がし易いという特徴を有する。従って、紙オムツ等の剥離部の形成やその他の剥離固定を目的とした使い捨て吸収物品の剥離部の構造として、又、医療用テープ、包装用テープ等の生活関連用品などの剥離部の構造として有用である。 【0041】特に、紙オムツ固定用として音のしないあるいは消音剥離できる本発明の構造は紙オムツの普及率が増加し、また1日当たりの使用量が多く、さらに深夜に使用頻度の高い今日においては消費者の要望に答えるものとしてその実用上の価値は大きい。 【0042】以上、本発明においては主としてオムツの剥離部の構造として用いた場合について説明したが、本発明は生理用ナプキンなど他の使い捨て吸収物品の剥離部の構造としても用いられるほか、医療用テープを用いた剥離部の構造として病院で深夜に他の患者の睡眠を妨げることなく使用するのに適しており、また量的に多く用いられる包装用テープを用いた段ボール等の剥離部の構造や、その他種々の生活関連用品などにおける剥離部の構造としても、剥離音が軽減されることから有用である。更に、一般にロール状態のテープにおいてもテープ巻層間で剥離部が構成されるが、これに本発明の剥離部の構造を適用すると、テープの巻戻し時の剥離音が軽減されるので、作業場での剥離音に伴う環境改善にも有効である。 【図面の簡単な説明】 【図1】紙オムツの構成を示す説明図である。 【図2】紙オムツのファスナー部における本発明の実例を示す断面説明図である。 【図3】本発明の他の応用例を示す説明図である。 【図4】本発明の他の応用例を示す説明図である。 【図5】本発明の他の応用例を示す説明図である。 【図6】本発明の他の応用例を示す説明図である。 【図7】 参考例における背面剥離力の剥離速度依存性を示すデータ図である。 【図8】 参考例1における種々の剥離速度における背面剥離力チャートを示すパターン図である。 【図9】本発明の比較例における種々の剥離速度における背面剥離力チャートを示すパターン図である。 【符号の説明】 D 被着体 1 フィルム 2 剥離処理層 3 接着剤 F 粘着テープ 4 感圧性接着剤層 5 基材 【図面】 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 a.特許請求の範囲の請求項1の「前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物」とあるのを「長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物」と訂正する。 b.段落番号【0008】(特許公報第4欄4〜5行)の「前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物」とあるのを「長鎖アルキル系剥離処理層の場合前記接着剤層がゴム又はアクリルを主成分とする粘着剤組成物、シリコーン系剥離処理層の場合前記接着剤層がアクリルを主成分とする粘着剤組成物」と訂正する。 c.段落番号【0032】(特許公報第7欄31行)、段落番号【0029】(特許公報第8欄9行)、段落番号【0030】(同15行)、段落番号【0034】(同32行)の「実施例」とあるのを「参考例」と訂正する。 d.段落番号【0031】(特許公報第8欄22行)の「実施例3」とあるのを「実施例1」と訂正する。 e.段落番号【0035】(特許公報第7欄及び8欄の表1)の「実施例1」、「実施例2」、「実施例3」とあるのをそれぞれ「参考例1」、「参考例2」、「実施例1」と訂正する。 f.【図面の簡単な説明】の【図7】および【図8】(特許公報第10欄18行、20行)の「本発明の実施例」とあるのを「参考例」と訂正する。 g.図7を一括訂正する。 |
審理終結日 | 2001-09-03 |
結審通知日 | 2001-09-07 |
審決日 | 2001-09-18 |
出願番号 | 特願平4-171925 |
審決分類 |
P
1
112・
161-
YA
(C09J)
P 1 112・ 121- YA (C09J) P 1 112・ 113- YA (C09J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石井 あき子 |
特許庁審判長 |
花田 吉秋 |
特許庁審判官 |
山田 泰之 佐藤 修 |
登録日 | 1997-05-02 |
登録番号 | 特許第2644140号(P2644140) |
発明の名称 | 剥離部の構造 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 山本 宗雄 |
代理人 | 青山 葆 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 村社 厚夫 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 村社 厚夫 |