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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
管理番号 1056516
異議申立番号 異議2000-74032  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-02-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-08 
確定日 2002-01-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3038055号「弾球遊技機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3038055号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
特許3038055号(以下「本件発明」という。)は、平成3年7月25日に特許出願され、平成12年2月25日に特許の設定登録がなされた。
これに対して、河井清悦より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年4月3日に訂正請求がなされ、再度の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年11月29日に平成13年4月3日付け訂正請求を取り下げるとともに、新たな訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否の判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa〜fのとおりである。
(i)特許請求の範囲の訂正
a.請求項1を下記のとおりに訂正。
「【請求項1】複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算する遊技制御回路と、前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、前記球検出手段からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段を設けたことを特徴とする弾球遊技機。」
(ii)発明の詳細な説明の訂正
b. 段落【0006】を下記のとおりに訂正。
「【0006】また、遊技制御回路と排出制御回路を一方向の通信手段で接続するようにした場合には、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握して制御するために賞球排出制御に関わる検出手段からの制御信号を遊技制御回路と排出制御回路に入力するようにすることが望ましい。そのようにした場合には、検出器を2個設けなければならないためコストアップになってしまう。」
c. 段落【0007】を下記のとおりに訂正。
「【0007】そこで、本発明は、このような問題点を解決するため、遊技制御回路と排出制御回路との間を一方向の通信手段にて接続することにより、信頼性の高い球排出制御を可能にするとともに、遊技制御回路の制御負担を少なくした低コストな弾球遊技機を提供することを目的とする。」
d. 段落【0008】を下記のとおりに訂正。
「【0008】【課題を解決するための手段】このため、本発明は、複数の入賞領域を有し弾球遊技機(例えば、パチンコ機1)に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤(70)と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置(20)とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置(例えば、変動入賞装置73)などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算遊技制御回路(例えば、遊技盤の制御ユニット100)と、前記入賞領域に入賞した入賞球の流下を規制する入賞球処理装置と、前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路(例えば、球排出装置の制御ユニット200)と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段(例えば、第1賞球数確定手段105)が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、前記球検出手段(例えば、入賞球検出器28)からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段(例えば、入賞球検出信号分割手段111)を設けた。」
e. 段落【0078】を下記のとおりに訂正。
「【0078】以上のように本発明においては、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの検出信号が、球検出信号分割手段により分割され、賞球データの送信側である遊技制御回路と賞球データの受信側である排出制御回路との両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握でき、賞球排出の信頼性が高まる。また、球検出手段は1個で済むので、コストを削減できる。」
f.図8中の説明における、符号100を「遊技制御」と訂正すべく、図8を訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(i)上記訂正事項aについて検討すると、
「前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算する遊技制御回路」とする訂正は、訂正前の請求項1に「前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御する遊技制御回路」と記載されていたものを、実施例の記載に即して、「遊技制御回路」をより下位概念に限定し、
「前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路」とする訂正は、訂正前の請求項1に記載された「前記球排出装置の賞球の排出動作を制御する排出制御回路」と記載されていたものを、実施例の記載に即して、「排出制御回路」をより下位概念に限定し、
「前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段」とする訂正は、訂正前の請求項1に「前記入賞領域に対応して前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段」と記載されていたものを、実施例の記載に即して、「賞球数設定手段」をより下位概念に限定し、
「賞球数に基づく賞球データを」とする訂正は、請求項1に記載された「前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく情報を前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信するように構成して成り」の「賞球数に基づく情報」を、「賞球数に基づく賞球データ」として、「賞球数に基づく情報」をより下位概念に限定し、
「前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、」とする訂正は、訂正前の請求項1に記載された「遊技制御回路」の動作を、実施例の記載に即して、より下位概念に限定し、
「前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフする」とする訂正は、訂正前の請求項1に記載された「排出制御回路」の動作を、実施例の記載に即して、より下位概念に限定し、
「前記球検出手段からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する」とする訂正は、「球検出信号分割手段」について「賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの制御信号を分割して前記遊技制御回路と前記排出制御回路に出力する球検出信号分割手段」と記載されていたものを、「前記球検出手段からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段」として、「球検出信号分割手段」をより下位概念に限定するものであって、いずれも、訂正前の請求項の記載を実施例の記載に即して、より下位概念に限定して特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
(ii)上記訂正事項b、cは、段落【0006】及び【0007】において、「排出制御回路」を「役物制御回路」と誤って記載したものを「排出制御回路」と訂正するもので、誤記の訂正に相当する。
(iii)上記訂正事項d、eは、上記特許請求の範囲の訂正に対応させるために発明の詳細な説明の欄を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明に相当する。
(iv)上記訂正事項fは、図8中の説明における、符号100を「役物制御」と誤って記載したものを「遊技制御」と訂正するもので、誤記の訂正に相当する。
また、上記訂正a〜fは新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法第116号)附則第6条1項の規定によりなお従前の例によるとされる,平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)上記2.で示したように訂正が認められるから、本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2.(1)訂正a参照)
(2)異議申立ての理由の概要
申立人は、証拠として甲第1〜7号証を提出し、訂正前の請求項1に記載の発明は、甲第1号証および甲第4〜6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないのものである。
また、甲第1号証に甲第4号証〜甲第6号証の周知技術を付加したに過ぎないものともいえるものであり、何ら特段の効果を奏するものではなく、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、これらにより特許を受けることができないものであるから、本件発明の特許を取り消すべき旨主張している。
(3)甲号各証
甲号各証には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(i)甲第1号証(特開平2-283389号公報)
「ガラス扉枠5の後方であって、前記前面枠3の裏面の遊技盤保持枠44(第2図参照)には、遊技盤12が取付部材45a〜45c(ただし、45cは、図示せず)によって着脱自在に設けられている。」(第2頁右下欄第7〜12行)、
「前記遊技盤12の表面には、発射された打玉を誘導するための打玉誘導レール13aと、該打玉誘導レール13aによって誘導された打玉が落下するための遊技領域14を区画する遊技領域形成レール13bがほぼ円状に植立されている。遊技領域14のほぼ中央には、複数のドラム状の可変表示部16a〜16cを有する可変表示装置15が設けられている。可変表示装置15には、後述する開閉板24の開成回数を表示する開成回数表示器18が設けられるとともに、該開成回数表示器18の左右に前記可変表示部16a〜16cが可変表示中あるいは開閉板24が開成中に後述する始動入賞口28a〜28cに打玉が入賞して記憶したことを表示(最高4個まで)する始動入賞記憶表示器17が設けられている。更に、可変表示装置15の最上部には、通常の入賞口19も設けられている。」(第3頁左上欄第17行〜右上欄第13行)、
「前記可変表示装置15の下方に入賞空間23を有する可変入賞球装置22が設けられている。入賞空間23は、遊技盤12の表面に対して下端を軸にして開放自在な開閉板24によって覆われており、その内部が中央の特定入賞口25と左右の通常入賞口26a、26bとの3つに区画されている。」(第3頁右上欄第19行〜左下欄第5行)、
「また、可変入賞球装置22の下方には、前記可変表示部16a〜16cの可変表示を許容する始動入賞口28a〜28cが設けられている。」(第3頁右下欄第6〜8行)、
「更に、遊技領域14には、前記可変表示装置15の左右側方及び下部側方に通常入賞口29a、29b、30a、30bが設けられている。」(第4頁左上欄第10〜12行)、
「第1の入賞玉集合樋50は、前記した各種の入賞口のうち始動入賞口28aを除く入賞口に入賞した入賞玉が誘導されるもので、機構板46の前面側に形成される。また、第2の入賞玉集合樋51は、始動入賞口28aだけに対応するもので、始動入賞口28aに入賞した入賞玉を誘導するものである。」(第5頁左上欄第4〜10行)、
「第1の入賞玉集合樋50及び第2の入賞玉集合樋51に誘導された入賞玉は、その流下末端に設けられる第1の入賞玉検出器52及び第2の入賞玉検出器53によってそれぞれ検出される。第1の入賞玉検出器52によって検出された検出信号は、記憶され、その検出信号数に「13」を掛けた数の景品玉が払出される。また、第2の入賞玉検出器53によって検出された検出信号も記憶され、その検出信号数に「7」を掛けた数の景品玉が払出される。」(第5頁左上欄第13行〜右上欄第2行)、
「屈曲樋59に下流側には、景品玉払出装置90が接続されている。景品玉払出装置90は、屈曲樋59から誘導される景品玉を1個単位で払出すもので前記第1の入賞玉検出器52及び第2の入賞玉検出器53の検出信号に基づいて、算出される景品玉を連続的に払出すようになっている。なお、景品玉払出し装置90の構造については、後に詳述する。」(第6頁右上欄第1〜8行)、
「また、機構板46には、前記景品玉払出装置90からの配線及び前記満タン検出器72等の配線を中継する中継端子基板76や、前記可変表示装置15及び可変入賞装置22を制御する遊技装置制御回路や後述する景品玉払出装置90を制御する払出装置制御回路を含む回路基板を収納する回路基板収納ケース78や、パチンコ遊技機1の電源を供給するためのターミナルボックス77が取り付けられている。なお、この実施例では、回路基板収納ケース78内に遊技装置制御回路と払出装置制御回路の両方を含むようにしたが、これらを別々に構成するとともに、それぞれのケースに収納して機構板46に取付けてもよい。」(第6頁右下欄第7行〜第20行)、
「マイクロコンピュータ120には、入力信号として、次のような信号が与えられる。まず、始動入賞口28a〜28cのそれぞれに対応して設けられた始動入賞玉検出器42a〜42cの検出信号は検出回路131に与えられ、マイクロコンピュータ120に始動入賞玉検出信号が与えられる。特定入賞玉検出器40で検出された検出信号は検出回路132に与えられ、繰返し判定信号としてマイクロコンピュータ120に与えられる。入賞個数検出器41で検出された検出信号は検出回路133に与えられ、入賞玉数計数信号としてマイクロコンピュータ120に与えられる。」(第9頁左上欄第7〜18行)、
「入賞玉検出器52(以下、入賞玉検出器Aという)及び入賞玉検出器53(以下、入賞玉検出器Bという)の検出信号は、検出回路135に与えられ、得点信号としてマイクロコンピュータ120に与えられる。」(第9頁右上欄第3行〜第8行)、
「次に、第5A図ないし第5C図を参照して、上記制御回路の具体的な動作について説明する。まず、第5A図には、実施例の動作の全体を示すメインルーチンが表わされている。まず、電源が投入されると、マイクロコンピュータ120は、RAM123内にエラーが生じているか否かを判別し(ステップS1)、RAMエラーがあると判別した場合には、初期データをセットする(ステップS2)。なお、ステップS1の処理は、常に行われているので、マイクロコンピュータのプログラム暴走時にもエラー判定がなされ、ステップS2の初期データがセットされる。更に、ステップS1においてエラー判定されなかった場合や、ステップS2で初期データがセットされた場合には、複数ある入賞玉検出器に不正や故障等が生じたときにセットされるアラームフラグがセットされているか否かが判別され(ステップS3)、アラームフラグがセットされていないと判別された場合には、遊技を制御するためのゲーム制御処理が行われる(ステップS4)。次いで、ステップS3でアラームフラグがセットされていると判別された場合や、ステップS4でゲーム制御処理が行われた後には、ゲーム制御処理によって発生した得点に基づく景品玉払出制御処理が行われる(ステップS5)。」(第9頁右下欄第5行〜第10頁左上欄第9行)、
「(2)(丸付き数字)景品玉の払出制御においては、所定個数の払出が終了したら一定時間間隔を置いて次の所定個数の払出を開始するようにしてもよいし、時間間隔を置くことなく、払出未処理玉カウンタが「0」になるまで連続的に払出すようにしてもよい。この場合には、払出景品玉数が複数種類になっているものであっても、払出未処理玉カウンタを共通の1個のカウンタで構成しても良い。」(第11頁左下欄第8〜15行)、
「(4)(丸付き数字)ゲーム制御に用いる入賞玉検出器を景品玉払出制御に兼用するようにしてもよい。例えば、上記実施例において始動入賞玉検出器42aを景品玉払出制御にも用いるようにすれば、第2の入賞玉検出器53は不要になる。」(第11頁左下欄第19行〜右下欄第3行)。
上記の記載および図面からみて甲第1号証に記載された発明は以下のとおりのものであると認められる。
「始動入賞口28a〜c、特定入賞口25、通常入賞口26a、bを有し、遊技盤12が取付部材45a〜cによって着脱自在に設けられている弾球遊技機において、検出信号数に「7」または「13」を掛けた数の景品玉が払出される景品玉払出装置90を有し、可変表示装置15及び可変入賞装置22を制御する遊技装置制御回路と、景品玉払出装置90を制御する払出装置制御回路とを別々に構成し、第1の入賞玉検出器52によって検出された検出信号は、記憶され、その検出信号数に「13」掛けた数の景品玉が払出され、第2の入賞玉検出器53によって検出された検出信号も記憶され、その検で信号数に「7」を掛けた数の景品玉が払出され、払出未処理玉カウンタが「0」になるまで払出すようにしてなる弾球遊技機。」
(ii)甲第2号証(特開昭64-83282号公報)
「また、始動入賞口10a、10bに入賞した入賞玉は、前記した始動入賞玉検出器18a、18bによって検出され、可変入賞球装置13の開閉扉14によって導かれた入賞玉は前記した所定入賞玉数検出器20によって検出される。そして、上記した各検出器17、18a、18b、20、33a〜33eによって検出された検出信号は、後述する制御回路に送られ、所定個数(13個)の景品玉が払出されるようになっている。」(第5頁右上欄第14行〜左下欄第3行)、
「上記した第1実施例から第3実施例のすべての制御回路は、景品玉払出に関する専用基板内に設けられたものを示したが、これに限らず、ゲーム内容を制御する遊技制御回路基板内に設けたり、」(第13頁右下欄第11〜14行)。
(iii)甲第3号証(特許第2821425号公報)
「【請求項1】遊技盤保持枠に着脱自在に取付けられた遊技盤と、該遊技盤上に設けられる電気的遊技装置と、前記遊技盤上に設けられる入賞領域への打玉の入賞に基づいて作動する電気的駆動源の駆動により景品玉を払出す景品玉払出装置と、前記電気的遊技装置と前記景品玉払出装置とを制御する制御手段と、を備えた弾球遊技機において、前記制御手段は、前記電気的遊技装置を駆動制御する遊技装置制御回路と、前記景品玉払出装置を駆動制御する払出装置制御回路とを含むと共に、遊技装置制御回路と払出装置制御回路とを別々の収納ケースに収納して配置し、前記電気的遊技装置の制御に用いる入賞玉検出手段からの検出信号を前記遊技装置制御回路に導出すると共に払出装置制御回路にも導出することを特徴とする弾球遊技機。」(第1欄第2行〜第2欄第2行)、
「(4)(丸付き数字)ゲーム制御に用いる入賞玉検出器を景品玉払出制御に兼用するようにしてもよい。例えば、上記実施例において始動入賞玉検出器42aを景品玉払出制御にも用いるようにすれば、第2の入賞玉検出器53は不要になる。」(第17欄第16行〜第20行)。
(iv)甲第4号証(特開平2-203883号公報)
「そして、その入賞球500に対する賞球排出がなされた時点で、制御装置300からの指令によりセーフソレノイド181が作動(励磁)されて、入賞球処理装置180がその先端側が上昇した状態に復帰され、それと連動して係止部材190が入賞球導出樋240中から退出する。その退出により、係止部材190によって入賞球導出樋240中に係止されていた入賞球500の係止が解かれて入賞球導出樋240の下方へ導出されることとなる。」(第7頁右下欄第11〜20行)、
「第10図には、上記のように構成されたパチンコ遊技機に設置された役物制御装置600の制御回路図の一例を示す。同図において、符号600Aを付して示すものは制御装置としてのコンピュータシステムを構成する演算制御手段としての中央処理装置(CPU)である。」(第8頁右上欄第15行〜左下欄第1行)、
「また、遊技中(通常遊技、特別遊技共)、変動入賞装置50の一般入賞口55中に入賞した遊技球はセーフセンサ1(129)に検出されその検出信号が中央処理装置600Aに入力されてカウントされた後、そのカウント数がRAM602中に記憶される。その記憶があるときにはROM601中の固定データとしての賞球数設定手段により多い排出数(例えば、13個)にセットされる。それがラッチ回路651にラッチされ、賞球数出力手段としての賞球数出力器663により裏メカ制御装置300に出力されて、賞品球排出装置220による通常数の排出が行われる。それ以外の入賞部56、108、109、120、121(変動入賞装置50の入賞空間51中以外の入賞部)に入賞したときには賞球数設定器により少ない排出数(例えば、7個)にセットされて賞品球排出装置220による少数の排出が行われる。」(第11頁右上欄第6行〜左下欄第3行)。
(v)甲第5号証(特開平2-102686号公報)
「そして、その入賞球500に対する賞球排出がなされた時点で、制御装置300からの指令によりセーフソレノイド181が作動(励磁)されて、入賞球処理装置180がその先端側が上昇した状態に復帰され、それと運動して係止部材190が入賞球導出樋240中から退出する。その退出により、係止部材190によって入賞球導出樋240中に係止されていた入賞球500の係止が解かれて入賞球導出樋240の下方へ導出されることとなる。」(第8頁右上欄第5〜14行)、
「第11図には、上記のように構成されたパチンコ遊技機に設置された役物制御装置600の制御回路図の一例を示す。同図において、符号600Aを付して示すものは制御装置としてのコンピュータシステムを構成する演算制御手段としての中央処理装置(CPU)である。」(第8頁右下欄第9〜15行)、
「また、遊技中(通常遊技、特別遊技共)、変動入賞装置50の一般入賞口55中に入賞した遊技球はセーフセンサ1(129)に検出されその検出信号が中央処理装置600Aに入力されてカウントされた後、そのカウント数がRAM602中に記憶される。その記憶があるときにはROM601中の固定データとしての賞球数設定手段により多い排出数(例えば、13個)にセットされる。それがラッチ回路651にラッチされ、賞球数出力手段としての賞球数出力器663により裏メカ制御装置300に出力されて、賞品球排出装置220による通常数の排出が行われる。それ以外の入賞部56、108、109、120、121(変動入賞装置50の入賞空間51中以外の入賞部)に入賞したときには賞球数設定器により少ない排出数(例えば、7個)にセットされて賞品球排出装置220による少数の排出が行われる。」(第11頁右下欄第1〜18行)。
(vi)甲第6号証(特開平3-123577号公報)
「電気的制御装置49内のCPU58は、ROM66、RAM67、サウンドジェネレータ68、論理演算回路69、割り込みタイマー回路70、入力ポートバッファ71、第1出力ポートラッチ72、第2出力ポートラッチ73、第3出力ポートラッチ74等からなる。ROM66はプログラムデータ、可変表示装置17へ表示する図柄データ、音声データ、割数データ等を記憶するメモリである。RAM67はワーキング用のデータメモリであり、割数を制御するデータ等、役物制御に必要なデータを記憶している。サウンドジェネレータ68は音譜データを入力することにより、この音譜データを周波数変換するための回路である。」(第5頁右上欄第18行〜左下欄第12行)、
「上記したCPU58の入力ポートバッファ71には、入力信号として、始動スイッチ19からの始動信号、ストップスイッチ80からの表示停止信号、セーフ球センサ53からのセーフ球信号、回収球セン56サからの回収球信号、賞球数設定スイッチ63からの賞球数信号、割数設定スイッチ61からの割数信号が、ローパスフィルタ81を介して入力される。」(第5頁右下欄第18行〜第6頁左上欄第5行)、
「また、第3出力ポートラッチ74からは、第2半導体リレー84′を介して賞球排出装置48へ賞球データが送信される。」(第6頁左上欄第15〜17行)、
「賞球制御装置87内のCPU88は、ROM89、RAM90、割込みタイマー回路91、入力ポートバッファ92、出力ポートラッチ93等からなる。ROM89には賞球排出装置48を動作させるプログラム等が記憶されており、RAM90にはワーキングデータが記憶される。」(第6頁右上欄第10〜15行)、
「上記した入力ボートバッファ92には、入力信号として、電気的制御装置49からの賞球データ、後述する排出センサ99からの排出球データ等が、ローパスフィルタ100を介して入力される。一方、出力ポートラッチ93からは、ドライバ101を介して後述する排出ソレノイド102や排出ランプに駆動信号が送られる。」(第6頁左下欄第13〜19行)、
「賞球数設定手段107は、変動入賞装置18への入賞球に対して排出する賞球数を設定する特定賞球数設定手段と、変動入賞装置18以外の入賞口への入賞球に対して排出する賞球数を設定する一般賞球数設定手段である賞球数設定スイッチ63からなる。この賞球数設定手段107では、判定部106からの判定結果と、セーフ球センサ53からの信号と、10カウントスイッチからの信号とを受信して、変動入賞装置18への入賞球に対して排出する賞球数を設定するとともに、変動入賞装置18以外の入賞口への入賞球に対して排出する賞球数を設定する。そして、該設定値に基づき賞球排出装置48を駆動して、選択した賞球数に対応する球を排出する。」(第7頁左上欄第4〜17行)。
(vii)甲第7号証(特開昭63-24971号公報)
「さらに、裏機構盤1には、上記賞品球排出装置20やオーバフロー検出器92からの検出信号による打球発射停止、各種表示装置の駆動などパチンコ遊技機全体の電気的な制御を行なうための制御装置200及び遊技盤前面の各種変動入賞装置や可変表示型補助遊技装置等に内蔵された検出器からの信号に基づいてそれらの遊技動作を制御する遊技内容制御装置210が設けられている。」(第5頁右上欄第7〜14行)。
(3)対比・判断
本件発明1と上記甲第1号証に記載の発明とを対比すると、甲第1号証に記載の発明における、
「始動入賞口28a〜c、特定入賞口25、通常入賞口26a、b」、「遊技盤12が取付部材45a〜cによって着脱自在に設けられている」、「検出信号数に「7」または「13」を掛けた数の景品玉」、「景品玉払出装置90」、「可変表示装置15及び可変入賞装置22を制御」、「遊技装置制御回路」、「景品玉払出装置90を制御する払出装置制御回路」、「別々に構成」、「第1の入賞玉検出器52によって検出された検出信号は、記憶され、その検出信号数に「13」掛けた数の景品玉が払出され、第2の入賞玉検出器53によって検出された検出信号も記憶され、その検で信号数に「7」を掛けた数の景品玉が払出され」、
「払出未処理玉カウンタが「0」になるまで払出す」は、
本件発明1の
「複数の入賞領域」、「着脱分離可能に設けられた遊技盤」、「所要数の賞球」、「球排出装置」、「電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御」、「遊技制御回路」、「排出制御回路」、「個別に分離構成」、「入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する」、「賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算する」にそれぞれ相当し、また「第1の入賞玉検出器52によって検出された検出信号は、記憶され、その検出信号数に「13」掛けた数の景品玉が払出され、第2の入賞玉検出器53によって検出された検出信号も記憶され、その検で信号数に「7」を掛けた数の景品玉が払出されて払出未処理玉カウンタが「0」になるまで払出」していることから遊技装置制御回路が、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算するものと認められるから、
両者は、
「複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算する遊技制御回路と、排出制御回路と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段が設けられ、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成した弾球遊技機。」である点で一致するが、下記の各点で相違する。
(a)本件発明1では、遊技制御回路が「球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する」ものであるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのように構成されていない点、
(b)本件発明1では、「賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを遊技制御回路から排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信」するものであるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのように構成されていない点、
(c)本件発明1では、「球検出手段が球無しを検出すると」賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するものであるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのように構成されていない点、
(d)本件発明1では、「排出制御回路は、賞球排出が終了すると入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成」るものであるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのように構成されていない点、
(e)本件発明1では、「球検出手段からの検出信号を分割して、賞球データの送信側である遊技制御回路と賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段を設けた」ものであるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのように構成されていない点。
そして、甲第2〜7号証にも上記相違点に係る記載及び示唆はない。
これに対して、本件発明1は上記構成により「賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの検出信号が、球検出信号分割手段により分割され、賞球データの送信側である遊技制御回路と賞球データの受信側である排出制御回路との両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握でき、賞球排出の信頼性が高まる。また、球検出手段は1個で済むので、コストを削減できる。」という、顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1〜7号証に記載された発明から当業者が容易に想到し得たということもできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、甲第1号証〜甲第7号証によっては、本件発明1についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と、
所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機において、
前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算する遊技制御回路と、
前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路と、
を個別に分離構成し、
前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段が設けられ、
前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、
前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、
前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、
前記球検出手段からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機に関する。
【0002】
パチンコ機における遊技の過程で、発生した賞としての賞球を遊技者に払い出す場合、遊技制御回路(遊技盤の制御ユニット)は遊技球の入賞に対して予め入賞口毎に定めた排出賞球数データを備え、例えばある入賞口への遊技球の入賞を検出すると、これを一旦入賞数記憶に納めるとともに排出賞球数データからその入賞口に対応する賞球数を求め、この賞球数信号を球排出装置の制御を行う排出制御回路(制御ユニット)に送信する。
【0003】
球排出装置は、パチンコ機の裏側の補給タンクにある遊技球を球排出装置に案内する誘導樋(シュート)下流側に設けられ、誘導樋から案内された遊技球を、前面側の供給皿(下皿)あるいは発射装置へ遊技球を案内する上皿へ所要数排出するものであり、前記排出制御回路により制御される。
【0004】
遊技制御回路と排出制御回路は双方向通信で信号の授受を行い、排出制御回路は、遊技制御回路から賞球数信号を受信すると要求数に応じた賞球を排出するように球排出装置の作動を制御する。また、ノイズなどの影響で賞球数信号が正常に受信できないときにデータの再送信を要求する再送要求信号を送信する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遊技制御回路は遊技球の人賞に基づく賞球の排出指令を制御する機能のほかに、遊技盤に設けられた電動役物の動作を制御する(遊技盤で行われる遊技を制御する)重要な機能を備えるものであり、既述のように遊技制御回路と排出制御回路との間で頻繁に信号の授受を行う(双方向の通信)制御システムだと、排出制御回路からの信号の返送を利用して遊技制御の誤動作を誘う不正が考えられる。また、信号の授受のタイミング制御が煩雑になってしまい、遊技制御回路の負担が大きくなってしまう。
【0006】
また、遊技制御回路と排出制御回路を一方向の通信手段で接続するようにした場合には、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握して制御するために賞球排出制御に関わる検出手段からの制御信号を遊技制御回路と排出制御回路に入力するようにすることが望ましい。そのようにした場合には、検出器を2個設けなければならないためコストアップになってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点を解決するため、遊技制御回路と排出制御回路との間を一方向の通信手段にて接続することにより、信頼性の高い球排出制御を可能にするとともに、遊技制御回路の制御負担を少なくした低コストな弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、複数の入賞領域を有し弾球遊技機(例えば、パチンコ機1)に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤(70)と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置(20)とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置(例えば、変動入賞装置73)などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算遊技制御回路(例えば、遊技盤の制御ユニット100)と、前記入賞領域に入賞した入賞球の流下を規制する入賞球処理装置と、前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路(例えば、球排出装置の制御ユニット200)と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段(例えば、第1賞球数確定手段105)が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、前記球検出手段(例えば、入賞球検出器28)からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段(例えば、入賞球検出信号分割手段111)を設けた。
【0009】
【作用】
遊技制御回路は、遊技球が入賞した入賞領域に対応して賞球数を決定し、排出制御回路に賞球数情報を送信する。排出制御回路は賞球数情報により球排出装置を作動させて遊技球の排出を実行させる。このような賞球排出制御において、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの制御信号は、球検出信号分割手段により分割され、遊技制御回路と排出制御回路の両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握できる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【実施例】
図2はパチンコ機1の前面側の斜視図で、パチンコ機1の右側(図上左側)にはその機専用のカード式の球貸し機2が付設される。パチンコ機1の前面枠3には遊技盤(図示せず)の前面を覆うカバーガラス4の上方に賞球の排出表示ランプ5などが、カバーガラス4の下方にパチンコ球の供給皿6ならびに受け皿7と、供給皿6からのパチンコ球を1個ずつ打ち出す打球発射装置の操作部8が配設される。
【0014】
供給皿6外周のカット面には球貸し機2の挿入カードから読み取る残高の表示器9と、貸し球の排出を促す球貸しボタン10と、カードの返却を指示するカード返却ボタン11と、これらのボタン10,11の操作が有効のときに点灯するボタン操作有効表示器12が配置される。球貸し機2には磁気カードの挿入部13(リーダ)と、カードの挿入時に点灯するリーダ作動の表示LED14と、球貸し機2の正常時に点灯する確認用の表示ランプ15が配設される。
【0015】
そして、球貸し機2の挿入部13にカードを挿入した状態で球貸しボタン10を押すと、カードの残高の範囲でボタン10の1回のオンにつき所定数の貸し球が後述する球排出装置を介して供給皿6もしくは受け皿7に排出され、カード返却ボタン11を押すと、球貸し機2の挿入カードが排出されるのである。また、供給皿6の取付パネルには貸し球ならびに賞球の排出時にこれらの球数を表示する排出球数表示器16が設けられる。17は挿入カードの残高を最小球貸し変換金額(例えば100円)単位の度数表示と1度数未満の桁を含む金額表示に切り替える表示変換ボタンである。
【0016】
ここで、カバーガラス4はガラス枠を介して前面枠3に開閉可能に取り付けられ、前面枠3は機枠18に同じくヒンジ結合される。遊技盤は前面枠3のフレーム内に着脱可能に取り付けられる。
【0017】
前面枠3の裏面には図3、図4のように上部から右側部および下部にかけて球排出装置20が、フレーム21の下部に入賞球処理装置22が配設される。また前面枠3裏面の右側下部には球供給機構、発射レバー、モータなどからなる打球発射装置23が取り付けられる。
【0018】
入賞球処理装置22は遊技盤裏面の集合樋からの入賞球を処理するもので、集合樋に接続する案内樋24と、案内樋24に連続する整流樋25と、整流樋25に連続する導出樋26と、整流樋25に設置するストッパ機構27および入賞球の検出器28とから構成される。これらの樋24〜26は緩急に差はあるが、入賞球の自然流下を促す下り傾斜に形成される。
【0019】
ストッパ機構27(払出し機構)は図5のように整流樋25の側方より樋25内に進入して入賞球の流下を規制する2つの係止爪30a,30bと、係止爪30a,30bの駆動手段としてのソレノイド31を備える。
【0020】
係止爪30aは鈎状に形成され、検出器28の下流部側方にて支軸32を介して揺動自由に支持される。爪30aの先端部は揺動軌跡と一致する円弧状の球阻止面に形成され、その近傍(支軸32に対してオフセットする位置)にソレノイド31がピン結合される。係止爪30bは後部に係止爪30a外周との係合部を備える半円状に形成され、係止爪30aの斜め上方で支軸33を介して揺動自由に支持される。爪30bの先端部は揺動軌跡と一致する円弧状の球阻止面に形成され、支軸33より後端側に開き方向へ付勢するウェイト34が取り付けられる。
【0021】
整流樋25の側壁には係止爪30a,30bに対応するスリットが形成され、スリット相互の間隔は係止爪30a,30bの進入状態においてこれらの間に入賞球が1個だけ挟まれるように設定される。
【0022】
ソレノイド31の非通電状態では図5(A)のように係止爪30aが整流樋25内に進入する一方、係止爪30bがウェイト34によって樋25から後退し、樋25内の入賞球は係止爪30aの球阻止面により流下を阻止される。この状態からソレノイド31に通電されると、図5(B)のように係止爪30aが樋25から後退すると共に、係止爪30bを進入側に押動させるのであり、これにより樋25内の先頭の入賞球は係止爪30aから解放される一方、後続の入賞球は係止爪30bの球阻止面によって流下が阻止される。
【0023】
そして、ソレノイド31の通電が断たれると、リターンスプリング35の付勢力により係止爪30aが初期状態に戻り、樋25内に進入する一方、これに伴って係止爪30bがウェイト34により樋25から後退し、後続の入賞球は係止爪30aまで転がり流下を阻止される。
【0024】
入賞球の検出器28は整流樋25の上下スリットの中間で樋25に一体形成した収納部36に設置され、検出器28内に入賞球があればオン信号を、なければオフ信号を出力する。
【0025】
球排出装置20は遊技盤の各入賞口への入賞に基づく賞球および球貸し機2からの指令に基づく貸し球の排出などを行うもので、前面枠3裏面のフレーム21上部にパチンコ球を貯留する賞球タンク40と、タンク40からのパチンコ球を前面側の供給皿6および受け皿7へと導く排出樋42と、排出樋42の上流側で球の流下を規制するストッパ機構41などから構成される。
【0026】
補給タンク40の傾斜底壁の最下部には誘導樋43の上流部に臨む開口が形成され、誘導樋43の下流側は排出樋42の上部に接続される。誘導樋43は補給タンク40からのパチンコ球を2列に整流しながら流下させるもので、樋43の下流側には球ナラシを兼ねる球留め装置44が配置される。
【0027】
球留め装置44は樋43の上に架設した支軸にて回動自由に支持される反り板を備え、通常時には反り板が先端側の重みで樋43内を流下するパチンコ球にかぶさるように降下して球の重なりを防止する一方、パチンコ球の保守点検時や故障時には反り板をほぼ直立状態に起こすとバネ力で保持され、今度は反り板の後端側が樋43内に浸入してパチンコ球の流下を阻止するようになっている。誘導樋43の一部底壁は反り板の球留め位置の直下流にて球の重みで揺動する可動板により構成され、可動板の揺動から球切れを検出する検出器45が設けられる。
【0028】
排出樋42は上流側が誘導樋43に対応して2系統の並列路に、下流側はこれらに接続する合流路に形成される。並列路は誘導樋43に接続する導入樋46と、導入樋46にUターン路47を介して連続する整流樋48と、整流樋48を合流路に開口する所定角度の傾斜樋49などとからなり、傾斜樋49にストッパ機構41が設置される。
【0029】
合流路は並列路からの排出球の落下速度を緩和する蛇行樋50と、蛇行樋50に連続する分配樋51を備え、分配樋51の上流側にパチンコ機1前面の供給皿6につながる導出口52が形成される。分配樋51の下流側は緩やかな傾斜樋53を介して同じく受け皿7に接続される。分配樋51の導出口52直下の樋壁には樋51内が排出球で一杯になるとその押圧力で傾動する可動壁54が設けられ、可動壁54の傾動から樋51内の排出球のオーバーフロー状態を検出する検出器55が設置される。56は排出球に当たって鈴音を発するベルである。
【0030】
ストッパ機構41(排出機構)は図6のように傾斜樋49の平行路内に対してそれぞれ進退可能な1対の係止部材60a,60bと、これらをおのおの進退させるソレノイド61a,61bなどから構成される。係止部材60a,60bは扇状に形成され、樋の下流部側方にてその要部を介して支軸62により揺動自由に支持される。係止部材60a,60bの外周は揺動軌跡と一致する円弧状の球阻止面に形成され、その近傍(支軸62に対してオフセットする位置)にリンク63a,63bを介してソレノイド61a,61bがピン結合される。
【0031】
傾斜樋49の側壁には係止部材60a,60bに対応するスリットが形成される。なお、係止部材60a,60bおよびスリットの樋49に対する位置関係であるが、係止部材60a,60bの進入状態において樋49内に2個のパチンコ球が並ぶように設定される。
【0032】
ソレノイド61a,61bの非通電状態では係止部材60a,60bが傾斜樋49内に進入してその球阻止面によってパチンコ球の流下を規制する。この状態からソレノイド61a,61bに通電されると、リンク63a,63bを介して係止部材60a,60bが樋49内から後退し、パチンコ球の流下を許容する。そして、ソレノイド61a,61bの通電が断たれると、リターンスプリング64a,64bの付勢力により係止部材60a,60bが初期状態に戻り、樋49内に進入して再びパチンコ球の流下を規制するのである。
【0033】
平行路内の賞球を検出するのが検出器65a,65bで、係止部材60a,60bの進入状態において先頭に続く2番目のパチンコ球のほぼ中央を囲う位置にて傾斜樋49に一体形成した収納部66に設置され、賞球の排出に伴ってオンーオフ信号を出力する。
【0034】
排出樋42の合流路には図4のように蛇行樋50下部から分岐するように球抜き樋67が形成され、その分岐部に開閉扉68が配設される。開閉扉68はソレノイド(図示せず)により駆動され、閉じ状態で球抜き樋67を遮断する一方、開き時に球抜き樋67を蛇行樋50に接続すると共に蛇行樋50の下流側を遮断するようになっている。なお、球抜き樋67を流下するパチンコ球は入賞球処理装置22の払出し入賞球ならびにアウト球導出樋69からのアウト球と同じく、パチンコ機後方の回収樋(図示せず)へと排出される。
【0035】
ここで、パチンコ機1の前面枠3に取り付けられる遊技盤70は図7のように、ガイドレール71で囲われる遊技域のほぼ中央に複数の記号(例えば0〜9の数字)を可変的に表示する可変表示装置72と、その下方に遊技球を受け入れやすい開き状態に変換可能な変動入賞装置73(電動役物)を備える。
【0036】
可変表示装置72と変動入賞装置73との間には第1の特定入賞口74が、また変動入賞装置73の左右には第2の特定入賞口75が配設され、これらの特定入賞口74,75にはそれぞれ入賞球を検出する検出器76,77が設置される。78は遊技域の上部左右の一般入賞口、79は同じく下部左右の一般入賞口(機械的に作動する開閉翼を備え、遊技球の入賞毎に閉じ状態と開き状態に変換する)である。
【0037】
そして、パチンコ球が遊技域に打ち出され、第1の特定入賞口74に入賞すると、可変表示器72が表示変換すると共に、これらの停止時の表示記号の組み合わせが特定の大当たり態様のときに特別遊技の権利が発生し、特別遊技の権利発生中に別の遊技球が第2の特定入賞口75に入賞すると、変動入賞装置73が開き状態に変換して、入賞率の高い特別遊技を行わせるようになっている。なお、入賞球はすべて遊技盤70裏側の集合樋に入り、その下方の入賞球処理装置22へと導かれる。
【0038】
この場合、例えば第1の特定入賞と第2の特定入賞と変動入賞装置73への入賞を含む一般入賞とで賞球数が異なるように設定される。
【0039】
図8はパチンコ機1の制御系全体のブロック構成を示すもので、100は遊技盤70の制御ユニット、200は球排出装置20の制御ユニット、300は球貸し機2の制御ユニットである。
【0040】
遊技盤の制御ユニット100は遊技制御回路として機能し、遊技盤70の第1と第2の特定入賞検出器76,77および各種検出器(変動入賞装置73の入賞カウンタなど)とセーフ球払出機構としての入賞球処理装置22の入賞球検出器28からの信号に基づいて、遊技盤70の可変表示器72および変動入賞装置73の作動と、後述する排出制御回路としての制御ユニット200に入賞に対する賞球数信号の出力などを制御する。
【0041】
球排出装置の制御ユニット200は遊技盤の制御ユニット100からの賞球数信号あるいは球貸し機の制御ユニット300からの貸し球の排出要求信号に応じて、排出球検出器65a,65bの信号に基づきパチンコ球の排出などを制御する。
【0042】
球貸し機の制御ユニット300はカードリーダ制御装置301と球貸し制御装置302とからなり、球貸しボタン10が押されると挿入カードの残高の範囲でボタンの1回のオンにつき所定数の貸し球の排出を指令すると共に、その排出終了時にカード残高度数の減算処理などを制御する。
【0043】
ここで、遊技盤の制御ユニット100内のブロック構成を図9に示す。役物制御手段101は第1の特定入賞の検出をもとに可変表示装置72の表示変換を制御すると共に、その停止時の表示記号の組み合わせが特定の大当たり態様かどうかを判定し、大当たりの判定時に特別遊技の権利を発生する一方、その権利発生中に第2の特定入賞の検出をもとに変動入賞装置73を開き、所定時間の経過もしくは遊技球の所定カウントの入賞を検出すると閉じるように制御するのであり、変動入賞装置73の作動回数が規定値に達しない場合でも第2の特定入賞の検出回数が所定数になるか、あるいは可変表示装置72の停止記号の組み合わせ態様の大当たりを判定すると発生権利を消滅する。
【0044】
また、第1の特定入賞と第2の特定入賞と、変動入賞装置73への入賞を含む一般入賞とで異なる賞球数の排出を指令するため、第1と第2の特定入賞数をそれぞれ記憶する第1と第2の特定入賞計数手段102,103と、入賞球処理装置22の入賞球検出器28の球有り検出時にこれらの特定入賞記憶の有無に応じあらかじめ定めた優先順位にしたがってそのときの優先第一位の賞球数の排出を指令する排出優先制御手段104と、同じく入賞球検出器の球有り検出時に優先第一位の排出指令を受けて送信データの排出賞球数を確定する賞球データ確定手段105と、賞球データ送信制御手段106などが設けられる。
【0045】
この場合、第1と第2の特定入賞記憶があれば第1の特定入賞に対する賞球数からこれを賞球データとして順次確定し、第2の特定入賞記憶もなく入賞球検出器28の球有り検出のみの場合には一般入賞に対する賞球数を賞球データとして確定するのである。なお、各入賞口に対する設定賞球数であるが、図6のストッパ機構41では係止部材60a,60bとの位置関係から検出器65a,65bにより最初の排出球が検出できないので、あらかじめその分を引いて設定される。
【0046】
また、第1と第2の特定入賞計数手段102,103はそれぞれこれらの入賞記憶に対応する排出処理の終了毎に、入賞球の払出しに伴う入賞球検出器28の球無し検出を受けて入賞記憶のカウント値を減算(-1)する。
【0047】
賞球データ送信制御手段106は図10のように役物制御系のリセットパルスに基づいて賞球数のデータセット・リードのタイミング信号(クロックパルス)を発生する同期信号発生手段108と、送信データ間に所定の間隔(例えば1キャラクタ分の間)を空けるためのクロック制御パルスを出力する送信間隔制御手段109と、これらのパルス信号に同期して賞球数データをシリアルデータに繰り返し変換するシリアル変換制御手段110とからなり、入賞球検出器28の球有り検出中にシリアルデータをその同期信号に併せて連送すると共に、入賞検出器28の球無し検出を条件にその回のデータ送信処理を終了する。
【0048】
入賞球検出信号分割手段111は入賞球検出器28からの球有り、球無しの検出信号(オンーオフ信号)を賞球データの送信側と受信側に分割して入力するもので、図11にその具体的な回路構成を示す。この例では受信側つまり球排出装置の制御ユニット200への信号の出力レベルを増幅するようになっている。
【0049】
107は球排出装置の制御ユニット200へ入賞球検出信号と賞球数データ(シリアルデータ)およびその同期信号を送信するための、112は同じく役物制御手段101からの遊技状況に対応する遊技音データを送信するための送信手段(ドライバ)である。
【0050】
さらに、図12は球排出装置の制御ユニット200内のブロック構成を示すもので、遊技盤の制御ユニット100の送信手段107,112にそれぞれ対応する受信手段201,202(レシーバ)のほかに、球貸し機の制御ユニット300からの貸し球の排出要求信号ならびにその排出作動信号の受信手段203(レシーバ)と、同じく制御ユニット300へ貸し球の排出処理可能信号ならびにその排出終了信号の送信手段204(ドライバ)を備える。
【0051】
賞球数データ受信制御手段205は賞球の排出要求の発生時(入賞球検出器28の球有り検出時)に受信データ(シリアルデータ)からその同期信号に合わせて賞球数を読み取り、排出処理などを指令する。貸し球の排出数記憶手段206は球貸し機2からの排出要求信号を受けると、あらかじめ定めた貸し球数データを出力する。そして、これらの排出数データは排出処理の優先制御(賞球の排出処理中以外では貸し球の排出を優先する)を行う排出優先制御手段207を介して排出制御手段208に入力される。なお、排出優先制御手段207は排出数データと併せて賞球と貸し球の排出を区別するための制御音(排出音)指令を出力する。
【0052】
排出制御手段208は賞球数データ受信制御手段205もしくは貸し球の排出数記憶手段206からの入力データに基づくパチンコ球の排出を制御するもので、賞球の排出時には球排出装置20のソレノイド61a,61bを駆動すると共に検出器65a,65bからの信号をもとに排出数を計数し、これが要求数に達するとソレノイド61a,61bの駆動を停止する。また、この賞球の排出終了時に入賞球の払出し指令を出力するのであり、これにより入賞球の払出し制御手段209が検出器28からの信号に基づいて入賞球処理装置22の入賞球を1個排出するようにソレノイド31を制御する。
【0053】
貸し球の排出時には同じく要求数に応じて球排出装置のソレノイド61a,61bの駆動を制御すると共に、この排出終了時に球貸し機の制御ユニット300にカード残高度数の減算処理などを指令する排出終了信号を出力するのである。
【0054】
また、排出制御手段208は賞球および貸し球の排出に伴ってパチンコ機1前面の排出球数表示器16の作動を、さらに賞球排出中の表示ランプ5の点灯を制御する。なお、球排出装置20のソレノイド61a,61bに対して排出要求数の多少に応じ片側の係止部材60aまたは60bのみからの順次交互または両側の係止部材60aと60bからの同時併用の排出制御を行うようにすると良い。
【0055】
制御音記憶手段210は賞球ならびに貸し球の排出音とエラー音などのデータを格納するもので、排出優先制御手段207からの排出区別信号と受信監視手段211からの受信エラー信号などに対応する制御音データを出力する。受信監視手段211は遊技盤の制御ユニット100からの賞球データの受信を監視するもので、入賞球検出器28からの球有り検出の受信があるとその時点から所定時間内に賞球数データ受信制御手段205から受信完了信号の入力のないときに受信エラー信号を出力する。音優先制御手段212は遊技盤の制御ユニット100からの効果音データと制御音記憶手段210からの制御音データとの優先処理(排出音データの処理を優先する)を行うもので、効果音発生手段213を介してスピーカ214の駆動を制御する。なお、受信エラー信号は排出制御手段208にも入力され、受信エラー中に賞球の排出表示ランプ5を点灯させるようになっている。215はスピーカ214への出力の増幅手段を示す。
【0056】
さらに、賞球数データ受信制御手段205は図13のように遊技盤の制御ユニット100からの受信データ(シリアルデータ)からその同期信号に合わせて賞球数を読み取るデータ読取り制御手段216と、読取りデータを順次記憶する複数(この例では3個)の受信データ記憶手段217〜219と、これらの記憶手段217〜219のデータ内容(賞球数)を比較して同じデータ内容が所定回数(例えば3回)連続すると賞球データの受信完了信号と共にその賞球数データを出力する受信データ確定手段220とからなり、入賞球検出器28の球無し検出時に受信データ記憶などをクリアにする。
【0057】
図3において、遊技盤の制御ユニット100は集合樋の背面に、また排出装置の制御ユニット200は前面枠3の裏面にそれぞれ取り付けられ、これらの間はシリアル回線などで接続される。80は排出装置20の制御ユニット200と球貸し機2の制御ユニット300をつなぐ信号回線などの中継盤である。
【0058】
次に、賞球の排出制御を図14〜図22のフローチャートに基づいて説明する。図14は遊技盤の制御ユニット100側のメインフローを示すもので、第1または第2の特定入賞検出器76,77が遊技球の入賞を検出するとそれぞれの入賞記憶を加算(+1)する(1.01〜1.04)。そして、入賞球検出器28が球有りを検出すると賞球数の確定処理に続いて送信開始処理に入る(1.10〜1.12)。賞球データの送信開始に伴って送信処理を行い、入賞球検出器28が球無しを検出すると送信の終了処理に移り、その回の送信処理が入賞記憶に基づくものであれば処理に対応する入賞記憶の減算処理(-1)を行う(1.05〜1.09)。
【0059】
賞球数の確定処理は入賞球検出器28の球有り検出時に、図15のように第1の特定入賞記憶があれば第1の特定入賞に対する賞球数を、第1の特定入賞記憶がなく第2の特定入賞記憶があれば第2の特定入賞に対する賞球数を、さらに第1と第2の特定入賞記憶が共になければ一般入賞に対する賞球数を賞球データとして確定する(2.01〜2.05)。
【0060】
送信の開始処理は図16のように賞球数を4ビット(D3〜D0)のシリアルデータに変換する場合、賞球数の確定と同時にD3のデータセットを出力すると共に、役物制御系のリセットパルスのリセットカウンタとデータセット・リードのクロックパルスのクロックカウンタをそれぞれクリアにする(3.01〜3.03)。
【0061】
賞球データの送信処理は図17のように送信開始処理の終了後にリセットカウンタを起動させ、リセットカウンタが“2”になるとリセットカウンタをクリアにすると同時にクロックカウンタを起動させる(4.01〜4.04)。そして、クロックカウンタが8以下のときにクロック出力を反転すると共に、クロックカウンタの“2”、“4”、“6”のときにそれぞれD2、D1、D0のデータセットを出力する(4.05〜4.12)。クロックカウンタが“8”になるとデータ出力“H”に固定して送信データの間隔を1キャラクタ分だけ空け、クロックカウンタが“16”になるとクロックカウンタをクリアにすると同時に、D3のデータセットを出力する(4.13〜4.17)のであり、この賞球数データの送信動作を入賞球検出器の球無し検出時まで繰り返し行う。
【0062】
賞球データの送信終了処理は入賞球検出器28の球無し検出時に、図18のようにクロック出力とデータ出力を共に“H”に固定する(5.01,5.02)。
【0063】
入賞記憶の減算処理は同じく入賞球検出器28の球無し検出時に、図19のように賞球データが第1の特定入賞に対する賞球数のときに第1の特定入賞記憶を、同じく第2の特定入賞に対する賞球数のときに第2の特定入賞記憶をそれぞれ減算(-1)する(6.01〜6.04)。
【0064】
図20は球排出装置の制御ユニット200側のメインフローを示すもので、まず球貸し機2からの排出要求信号の読込み処理を行い、ついで入賞球検出器28が球有りを検出すると遊技盤の制御ユニット100からの賞球データの読込み処理に入る(7.05〜7.07)。そして、貸し球の排出時は貸し球の排出処理を、賞球の排出時には賞球の排出処理を行うのである(7.01〜7.04)。
【0065】
賞球データの読込み処理は図21のようにシリアルデータD3〜D0をクロックの立ち下がりに同期して順次読み取りながら受信カウンタを加算(+1)し、これらのデータを記憶カウンタに対応する記憶部にてその受信カウンタに対応するビット位置に記憶する(8.01〜8.04)。受信カウンタが“5”、すなわち1個の記憶部へのデータD3〜D0の記憶が終了すると受信カウンタを“1”に戻すと共に、記憶カウンタを加算(+1)するのであり、このデータD3〜D0の読取り記憶動作を繰り返し行い、記憶カウンタ1と2のそれぞれに対応する記憶部のデータ内容が同一で、かつ記憶カウンタ1と3のそれぞれに対応する記憶部のデータ内容が同一のときにその賞球数に応じた排出処理を開始する(8.05〜8.12)。なお、記憶カウンタが4のときに記憶カウンタを“1”に戻す(8.09)。
【0066】
賞球の排出処理は排出要求数に応じて排出球検出器65a,65bのオンーオフ信号をカウントしながら排出ソレノイド61a,61bの作動を制御するもので、図22のように賞球の排出が終了すると、入賞球の払出しソレノイド31をオンする(9.05〜9.07)。これに伴って入賞球が1個排出され、入賞球検出器28が球無しを検出すると、入賞球の払出しソレノイド31をオフすると共に、すべての受信データ記憶をクリアにして、受信カウンタを“1”に戻すのである(9.01〜9.04)。
【0067】
図23に賞球データの送信開始および送信処理と同じくデータの読込み処理の一例をタイミングチャートに示す。遊技盤の制御ユニット100では送信の開始に伴いリセットパルスの1/2周波数のクロックパルスが発生する。賞球データのシリアル変換は送信の開始時点にD3の出力が、クロックカウンタの“2”、“4”、“6”に同期してD2,D1,D0の出力がそれぞれデータセットされる。クロックカウンタは“16”になるとクリアにされ、“8”〜“16”間のデータ出力は“H”、つまりデータセットを行わない。そして、クロックカウンタのクリアと同時に再びD3の出力から同様にデータセットされ、このデータセットは送信の終了処理に至るまで繰り返される。例えば、賞球数13個のデータセットはD3の出力がハイ、D2の出力がハイ、D1の出力がロー、D0の出力がハイとなる。
【0068】
球排出装置の制御ユニット200では受信データがクロックパルスに同期してその立ち下がり時に読み込まれ、これらのデータは記憶カウンタに対応する記憶部にて受信カウンタに対応するビット位置に記憶される。そして、各記憶部のデータ内容(この場合、賞球数13個のデータリードを例示する)がすべて同一のときに排出賞球数が確定されるのである。なお、記憶カウンタ3に対応する記憶部については便宜上、図示省略する。
【0069】
次に、全体的な作用を説明する。遊技盤70の各入賞口73〜75、78,79のそれぞれに遊技球が入賞すると、入賞球はすべて遊技盤70裏側の集合樋に入り、その下方の入賞球処理装置22に導かれ、ストッパ機構27でいったん流下が阻止される。
【0070】
遊技盤の制御ユニット100では入賞球検出器28が球有りを検出すると、第1と第2の入賞検出器76,77のオン記憶の有無に応じて入賞口毎にあらかじめ定めた賞球数から所定の優先順位にしたがって賞球データを確定し、この賞球データをシリアルデータに変換すると共に同期信号に併せて連送する。
【0071】
球排出装置の制御ユニット200では受信データから同期信号に合わせて賞球数を読み取り、その読取りデータに応じた作動時間だけ球排出装置20のストッパ機構41を開くようにソレノイド61a,61bを制御する。その場合、ストッパ機構41はソレノイド61a,61bのオンにより開き状態に変換され、賞球検出器65a,65bにて検出される排出球(樋内を流下するパチンコ球)のカウント値が要求数に達すると、ソレノイド61a,61bのオフにより閉じ状態に戻される。また、この賞球の排出が完了すると、入賞球の払出し指令を出力するのであり、これにより入賞球処理装置22のソレノイド31が1回オンーオフ作動すると、ストッパ機構27から1個の入賞球が排出される。
【0072】
そして、遊技盤の制御ユニット100では入賞球の払出しに伴って検出器28が球無しを検出すると、これを受けて賞球データの送信を停止すると共に、排出処理に対応する入賞記憶を減算するのであり、検出器28が次の入賞球により球有りを検出すると、再び賞球の排出要求が発生することになる。
【0073】
なお、球排出装置20のソレノイド61a,61bであるが、球数の多いときには両側のソレノイド61aと61bを、少ないときは片側のソレノイド61aまたは61bのみを作動、つまり球数に応じて併用排出と交互排出を選択的に行うようにすると良い。
【0074】
このように、球排出装置の制御ユニット200は遊技盤の制御ユニット100から賞球データの連送を受けるだけで、データの一部が正常に受信できないときにもあえてデータの再送要求信号を送信する必要性もなく、受信データに対応する排出処理の終了信号も返送しないので、遊技盤の制御ユニット100へのこれら信号の返送を利用して不正を働こうとしてもその余地は全くない。しかも、球排出装置の制御ユニット200への賞球データの送信にシリアル通信を使用したので、賞球データの数(賞球数が異なる入賞の種類)が増えても回線数を多くする必要はなく対応が容易となり、かつ単数のシリアル回線で済むためにノイズ対策の面でも有効となる。
【0075】
また、遊技盤の制御ユニット100では賞球データを所定の間隔を空けて連送する一方、球排出装置の制御ユニット200では賞球データを読み取り、そのデータ内容を比較して同じデータの所定回数の連続を条件に排出賞球数を確定するようにしたので、万一ノイズなどの影響で送信データの一部に乱れが生じることがあっても正確な賞球数の排出処理を確保できる。
【0076】
さらに、入賞球検出器28の球有り検出により賞球の排出要求が発生すると共に、入賞球の払出しに伴う球無し検出により賞球データの送信終了処理および入賞記憶の減算処理を行うようにしたので、これらの処理に別途の指令手段を設ける必要がなく、また賞球の排出終了を適確に捉ることができる。
【0077】
なお、球貸し機の制御ユニット300からの指令に基づく貸し球の排出要求の発生時には球排出装置の制御ユニット200が貸し球の排出数データに基づいてソレノイド61a,61bを前記と同様に制御するのであり、これによりストッパ機構41を介して設定数の貸し球が排出される。貸し球はパチンコ機1前面の球貸しボタン10を押すことで、挿入カードの残高度数の範囲で繰り返し排出可能となる。
【0078】
以上のように本発明においては、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの検出信号が、球検出信号分割手段により分割され、賞球データの送信側である遊技制御回路と賞球データの受信側である排出制御回路との両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握でき、賞球排出の信頼性が高まる。また、球検出手段は1個で済むので、コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の構成図である。
【図2】
パチンコ機前面側の斜視図である。
【図3】
パチンコ機の裏面図である。
【図4】
パチンコ機の一部切断裏面図である。
【図5】
入賞球処理装置のストッパ機構の作動状態説明図である。
【図6】
球排出装置のストッパ機構の構成図である。
【図7】
遊技盤の表面図である。
【図8】
制御系全体のブロック構成図である。
【図9】
遊技盤の制御ユニット内のブロック構成図である。
【図10】
賞球データ送信制御手段内のブロック構成図である。
【図11】
入賞球検出信号分割手段の回路構成図である。
【図12】
球排出装置の制御ユニット内のブロック構成図である。
【図13】
賞球データ受信手段内のブロック構成図である。
【図14】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図15】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図16】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図17】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図18】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図19】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図20】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図21】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図22】
制御内容を説明するフローチャートである。
【図23】
制御動作の一例を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
20 球排出装置
22 入賞球処理装置
28 入賞球検出器
31 入賞球払出しソレノイド
61a,61b 球排出ソレノイド
65a,65b 排出球検出器
76 第1の特定入賞検出器
77 第2の特定入賞検出器
100 遊技盤の制御ユニット
102 第1の特定入賞計数手段
103 第2の特定入賞計数手段
105 賞球データ確定手段
106 賞球データ送信制御手段
111 入賞球検出信号分割手段
200 球排出装置の制御ユニット
205 賞球データ受信制御手段
208 排出制御手段
209 入賞球払出し制御手段
【図面】

 
訂正の要旨 訂正の要旨
a.特許第3038055号発明の明細書中特許請求の範囲
「【請求項1】複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御する遊技制御回路と前記球排出装置の賞球の排出動作を制御する排出制御回路とを個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく情報を前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信するように構成して成り、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの制御信号を分割して前記遊技制御回路と前記排出制御回路に出力する球検出信号分割手段を設けたことを特徴とする弾球遊技機。」とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】複数の入賞領域を有し弾球遊技機に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤と所要数の賞球を排出可能な球排出装置とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算する遊技制御回路と、前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、前記球検出手段からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段を設けたことを特徴とする弾球遊技機。」と訂正する。
b.特許第3038055号発明の明細書の記載を平成13年11月29日付訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0006】を下記のとおりに訂正。
「【0006】また、遊技制御回路と排出制御回路を一方向の通信手段で接続するようにした場合には、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握して制御するために賞球排出制御に関わる検出手段からの制御信号を遊技制御回路と役物制御回路に入力するようにすることが望ましい。そのようにした場合には、検出器を2個設けなければならないためコストアップになってしまう。」を、
「【0006】また、遊技制御回路と排出制御回路を一方向の通信手段で接続するようにした場合には、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握して制御するために賞球排出制御に関わる検出手段からの制御信号を遊技制御回路と排出制御回路に入力するようにすることが望ましい。そのようにした場合には、検出器を2個設けなければならないためコストアップになってしまう。」と訂正。
c.特許第3038055号発明の明細書の記載を平成13年11月29日付訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0007】を下記のとおりに訂正。
「【0007】そこで、本発明は、このような問題点を解決するため、遊技制御回路と役物制御回路との間を一方向の通信手段にて接続することにより、信頼性の高い球排出制御を可能にするとともに、遊技制御回路の制御負担を少なくした低コストな弾球遊技機を提供することを目的とする。」を、
「【0007】そこで、本発明は、このような問題点を解決するため、遊技制御回路と排出制御回路との間を一方向の通信手段にて接続することにより、信頼性の高い球排出制御を可能にするとともに、遊技制御回路の制御負担を少なくした低コストな弾球遊技機を提供することを目的とする。」と訂正。
d.特許第3038055号発明の明細書の記載を平成13年11月29日付訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0008】を下記のとおりに訂正。
「【0008】【課題を解決するための手段】このため、本発明は、複数の入賞領域を有し弾球遊技機(例えば、パチンコ機1)に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤(70)と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置(20)とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置(例えば、変動入賞装置73)などの遊技動作を主として制御する遊技制御回路(例えば、遊技盤の制御ユニット100)と前記球排出装置の賞球の排出動作を制御する排出制御回路(例えば、球排出装置の制御ユニット200)とを個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段(例えば、第1賞球数確定手段105)が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく情報を前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信するように構成して成り、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段(例えば、入賞球検出器28)からの制御信号を分割して前記遊技制御回路と前記排出制御回路に出力する球検出信号分割手段(例えば、入賞球検出信号分割手段111)を設けた。」を、
「【0008】【課題を解決するための手段】このため、本発明は、複数の入賞領域を有し弾球遊技機(例えば、パチンコ機1)に対して着脱分離可能に設けられた遊技盤(70)と、所要数の賞球を排出可能な球排出装置(20)とを有する弾球遊技機において、前記遊技盤に設けられた電気的遊技装置(例えば、変動入賞装置73)などの遊技動作を主として制御し、遊技球の入賞を検出すると入賞記憶を加算遊技制御回路(例えば、遊技盤の制御ユニット100)と、前記入賞領域に入賞した入賞球の流下を規制する入賞球処理装置と、前記球排出装置の賞球の排出動作を制御して、入賞球に係わる賞球排出が終了すると入賞球処理装置で流下が規制されていた入賞球の払出し指令を出力する排出制御回路(例えば、球排出装置の制御ユニット200)と、を個別に分離構成し、前記遊技制御回路には、前記入賞領域に対応して、前記入賞球処理装置を構成する球検出手段の球有り検出時に排出賞球数を確定して、前記球排出装置で排出される賞球数を設定する賞球数設定手段(例えば、第1賞球数確定手段105)が設けられ、前記賞球数設定手段で設定された賞球数に基づく賞球データを前記遊技制御回路から前記排出制御回路へ向けて単一方向のみに送信し、前記球検出手段が球無しを検出すると、賞球排出処理に対応する入賞記憶を減算するように構成し、前記排出制御回路は、賞球排出が終了すると前記入賞球処理装置に備えられた入賞球の払出しソレノイドをオンし、前記球検出手段が球無しを検出すると入賞球の払出ソレノイドをオフするように構成して成り、前記球検出手段(例えば、入賞球検出器28)からの検出信号を分割して、前記賞球データの送信側である遊技制御回路と前記賞球データの受信側である排出制御回路とに出力する球検出信号分割手段(例えば、入賞球検出信号分割手段111)を設けた。」と訂正。
e.特許第3038055号発明の明細書の記載を平成13年11月29日付訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0078】を下記のとおりに訂正。
「【0078】以上のように本発明においては、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの制御信号が、球検出信号分割手段により分割され、遊技制御回路と排出制御回路の両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握でき、賞球排出の信頼性が高まる。また、球検出手段は1個で済むので、コストを削減できる。」を、
「【0078】以上のように本発明においては、賞球排出制御に関わる所要の球検出手段からの検出信号が、球検出信号分割手段により分割され、賞球データの送信側である遊技制御回路と賞球データの受信側である排出制御回路との両方に入力されるので、賞球排出に関わる進行状態を遊技制御回路と排出制御回路の両方で把握でき、賞球排出の信頼性が高まる。また、球検出手段は1個で済むので、コストを削減できる。」と訂正。
f.図8中の説明における、符号100を「遊技制御」と訂正すべく、図8を訂正する。
異議決定日 2001-12-19 
出願番号 特願平3-186586
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 113- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 松川 直樹
平瀬 博通
登録日 2000-02-25 
登録番号 特許第3038055号(P3038055)
権利者 株式会社ソフィア
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 後藤 政喜  
代理人 後藤 政喜  

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