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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1057984
異議申立番号 異議2001-70971  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-05-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-03-30 
確定日 2001-11-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3093370号「画像処理システム」の請求項1、2、5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3093370号の請求項1ないし2、5に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3093370号に係る出願は、平成3年10月24日に出願されたものであって、平成12年7月28日に特許の設定登録がされ、その後、その特許請求の範囲の請求項1、2、5に係る発明について、異議申立人溝呂木寛により特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年8月30日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1) 訂正の内容
訂正事項a
明細書における特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに訂正する(下線部が訂正箇所)。
「カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像処理システム。」

訂正事項b
明細書における特許請求の範囲の請求項5を以下のとおりに訂正する(下線部が訂正箇所)。
「カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有するものであって、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムの制御方法であって、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択するステップと、白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御するステップと、を有することを特徴とする画像処理システムの制御方法。」

訂正事項c
明細書の詳細な説明中の段落【0011】を以下のとおりに訂正する(下線部が訂正箇所)。
「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、を有する。」

訂正事項d
明細書の詳細な説明中の段落【0088】の一部を以下の通りに訂正する(下線部が訂正箇所)。
「【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、を有し、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御することで、」

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更の存否
上記訂正事項a、bは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項c、dは、上記訂正事項a、bにより付随的に生じる記載不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3) むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、および第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立ての概要
異議申立人は、甲第1号証(特開昭63-206093号公報)を提出し、本件請求項1、5に係る発明の特許は、特許法第29条第1項3号、または同条第2項の規定に違反してなされたものであり、また、本件請求項2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消すべき旨主張している。

4.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上記のとおり、平成13年8月30日付の訂正請求は認容されるので、本件の請求項1、2、5に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲に記載された請求項1、請求項2及び請求項5に記載の次のとおりのものと認める。
「【請求項1】省略(上記2.(1)訂正事項a参照)

【請求項2】前記入力手段は撮像装置からのカラー画像を入力し、前記制御手段は、入力された前記カラー画像または前記変換手段により変換された白黒画像をシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。

【請求項5】省略(上記2.(1)訂正事項b参照)」

(2)引用刊行物
当審が通知した取消しの理由に引用した刊行物1(前記甲第1号証)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「本発明はビデオプリンタに係り、特に使用者が好みの単色でプリント画像を得るのに好適なビデオプリンタの色操作装置に関するものである。」(1頁右下欄14行ないし16行)
「第1図において、破線で囲んだ11の部分が本発明による色操作装置であり、その他の部分はビデオプリンタの主要構成部である。すなわち、1a、1b、1cはプリント画像のRGB信号で、5はA/D変換器、6はRGB信号を、RGB信号の補色であるCy、Mg、Ye信号に変換する色変換回路、7はヘッド駆動回路、8はヘッド、9はドラム、である。色操作装置11は、輝度信号合成回路2、減衰回路3a,3b,3cそしてスイッチ回路4から構成される。
さて、第1図に示したようにスイッチ回路4がRGB入力側に倒れている場合は、通常の高忠実度なビデオプリンタとしての動作が行われる。すなわち、プリントすべき画像のRGB信号を、スイッチ回路4を通過させてA/D変換回路5に入力し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、光の3原色であるRGBを、印刷の3原色であるCy,Mg,Yeに色変換回路6において変換する。そして、プリンタのヘッド8は、通常、感熱ラインヘッドで面順次でプリントするので、色変換されたCy,Mg,Ye信号はヘッド駆動回路7において、シリアルデータで面順次のヘッド8を駆動する信号に変換され、そして、ヘッド8を駆動する。それにより、ヘッド8は、ドラム9により搬送されるインク紙(図示せず)を発熱させ、印画紙(図示せず)上に画像をプリントする。
次に、スイッチ回路4の各スイッチが図とは反対側に倒れている場合、すなわち、本発明による色操作装置が働く場合について説明する。
先ず、輝度信号合成回路2では、入力されるRGB信号から、次式で示すように輝度信号を合成する。即ち、輝度信号をYで表わすと、
Y=0.30R+0.59G+0.11B…(1)である。この輝度信号Yは、RGB3色に対応する3つの減衰回路3a,3b,3cにそれぞれ入力され、各々減衰されて、スイッチ回路4に入力される。減衰回路3a,3b,3cの減衰比はビデオプリンタの使用者により設定される。設定に際しては、色操作した画像をモニタテレビ10でモニタできるので、好みの単色になるように減衰回路3a,3b,3cを各々操作してから、プリントを指令する。」(2頁左下欄2行ないし3頁左上欄3行)
「次に、第2図に、本発明による色操作装置を構成する輝度信号合成回路2と、減衰回路3a,3b,3cの具体的な回路例を示す。
第2図において、RGB信号は、高帯域なオペアンプ12の入力抵抗13a,13b,13cにそれぞれ入力され、その際、これら入力抵抗と帰還抵抗14の比は(1)式の係数が得られるよう選定してあるので、反転された輝度信号-Yとして、オペアンプ12から出力される。尚、15はバイアス抵抗である。そして、次段のオペアンプ16の入力抵抗17と帰還抵抗18を同じ値にすることにより、ゲイン1で反転され、輝度信号Yが合成されたことになる。そして、減衰回路3a,3b,3cとしての3つの可変抵抗器24a,24b,24cを通ってスイッチ回路4に伝達される。可変抵抗器24a,24b,24cの各抵抗値を変えるためのつまみは、たとえはビデオプリンタ筐体の前面に取付けられ、使用者は前述したようにモニタテレビ10で色画像を見ながら、そのつまみを操作して、好みの単色の画像を得る。」(3頁左上欄4行ないし3頁右上欄3行)

(3) 対比・判断
(訂正請求項1に係る発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下「訂正請求項1に係る発明」という。)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
(あ)刊行物1に記載された発明は、プリントすべき画像のRGB信号が入力される入力端子1a、1b、1cを備えており、該入力端子1a、1b、1cが本件訂正請求項1に係る発明における「入力手段」に相当する。
(い)刊行物1に記載された発明の輝度信号合成回路2及び減衰回路3a、3b、3cは、入力されたRGB信号から輝度信号を合成し、該信号を好みの単色になるように減衰して出力するものであるから本件訂正請求項1に係る発明における「変換手段」に相当する。
(う)刊行物1に記載された発明のスイッチ回路4は、プリントすべき画像のRGB信号(本件訂正請求項1に係る発明のカラー画像に相当)と単色画像(本件訂正請求項1に係る発明の白黒画像に相当)を選択するものであり、また、画像の選択はプリンタの使用者が行うことは明らかであるので、当該スイッチ回路4は本件訂正請求項1に係る発明における「選択手段」に相当する。
(え)刊行物1に記載された発明は、スイッチ回路による単色画像の選択に応じて、輝度信号合成回路、減衰回路からの単色画像をモニタテレビ(本件訂正請求項1に係る発明の表示装置に相当)に出力し、表示させ、スイッチ回路による画像のRGB信号の選択に応じて、入力端子からのRGB信号を、輝度信号合成回路、減衰回路を介さずにモニタテレビに出力し、表示させている(第1図参照)から、上記構成は本件訂正請求項1に係る発明における「表示制御手段」に対応する。
(お)刊行物1には、「設定に際しては、色操作した画像をモニタテレビ10でモニタできるので、好みの単色になるように減衰回路3a,3b,3cを各々操作してから、プリントを指令する。」との記載があることから、刊行物1に記載された発明は、少なくとも、スイッチ回路4で単色画像が選択された際には、モニタテレビに単色画像を印画紙上にプリントすることなく表示させる表示制御が行われ、また、当該表示させた画像を、指令に応じて印画紙上にプリントする制御が行われていることは明らかであり、上記構成は本件訂正請求項1に係る発明における「制御手段」に対応する。
(か)刊行物1に記載された発明は、上記(お)で述べたように、表示させた画像を、指令に応じて印画紙上にプリントするというプリンタの制御を行っていることから、プリンタ(本件訂正請求項1に係る発明の画像形成装置に相当)を制御可能な画像処理システムである。

したがって、両者は、
「カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させる表示制御手段と、前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた白黒画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像処理システム。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

〈相違点1〉
前記「表示制御手段」及び前記「制御手段」が、本件訂正請求項1に係る発明においては、カラー画像の選択に応じて、表示装置上にカラー画像を表示させる際、画像形成装置により像形成させること無く表示させ、当該カラー画像を指示に応じてシート上に形成するよう制御しているのに対して、刊行物1に記載された発明には、この点について特に記載されていない点。

以下、相違点1について検討する。
モニタを備えたカラー画像プリンタ装置において、カラー画像をプリントする前に、プリンタにより画像をプリントすることなくモニタ画面上に表示し、当該画像をモニタ画面で確認した後に、プリントすることは周知の技術である(例えば、特開昭62-84680号公報、特開昭63-283967号公報参照のこと)。
また、刊行物1に記載された発明においては、スイッチ回路4で単色画像が選択された際には、モニタテレビに単色画像を印画紙上にプリントすることなく表示させ、当該表示装置に表示させた単色画像を、指示に応じてシート上に形成するよう制御している。
そうすると、上記周知技術を勘案すると、刊行物1に記載された発明において、表示制御手段を、カラー画像の選択に応じて、表示装置上にカラー画像を表示させる際にも、画像形成装置により像形成させること無く表示させるように構成し、制御手段を、当該表示されたカラー画像を、指示に応じてシート上に形成する構成とすることは、当業者が格別の創意工夫を要することなくなし得ることである。
そして、本件訂正請求項1に係る発明によって奏される効果は、刊行物1に記載された発明、及び前記周知技術から当業者が容易に予測可能であって、格別のものではない。

(訂正請求項2に係る発明)
本件訂正請求項2に係る発明(以下「訂正請求項2に係る発明」という)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、上記相違点1に加え、次の点でさらに相違する。
〈相違点2〉
「入力手段」に入力するカラー画像が、本件訂正請求項2に係る発明は、撮像装置からのカラー画像であるのに対し、刊行物1に記載された発明には、この点について特に記載されていない点。

そこで、前記各相違点について検討すると、相違点1については、前記訂正請求項1に係る発明の判断で示したとおりである。
次に、相違点2については、撮像装置からのカラー画像信号をプリンタでプリントすることは当業者において周知の事項であるから、刊行物1に記載された発明において、入力手段に入力するカラー画像を、撮像装置からのカラー画像とすることは、当業者が格別創意工夫を要することなくなし得ることである。
そして、上記相違点に基づく本件訂正請求項2に係る発明の効果に格別顕著なものは認められない。

(訂正請求項5に係る発明)
本件訂正明細書の訂正請求項5に係る発明(以下「訂正請求項5に係る発明」という)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
(き)刊行物1に記載された発明は、プリントすべき画像のRGB信号が入力される入力端子1a、1b、1cを備えており、該入力端子1a、1b、1cが本件訂正請求項5に係る発明における「入力手段」に相当する。
(く)刊行物1に記載された発明の輝度信号合成回路2及び減衰回路3a、3b、3cは、入力されたRGB信号から輝度信号を合成し、該信号を好みの単色になるように減衰して出力するものであるから本件訂正請求項5に係る発明における「変換手段」に相当する。
(け)刊行物1に記載された発明のスイッチ回路4は、プリントすべき画像のRGB信号(本件訂正請求項1に係る発明のカラー画像に相当)と単色画像(本件訂正請求項1に係る発明の白黒画像に相当)を選択するものであり、また、画像の選択はプリンタの使用者が行うことは明らかであるので、当該スイッチ回路4による画像の選択は、本件訂正請求項5に係る発明における「選択するステップ」に相当する。
(こ)刊行物1に記載された発明は、スイッチ回路による単色画像の選択に応じて、輝度信号合成回路、減衰回路からの単色画像をモニタテレビ(本件訂正請求項1に係る発明の表示装置に相当)に出力し、表示させ、スイッチ回路による画像のRGB信号の選択に応じて、入力端子からのRGB信号を、輝度信号合成回路、減衰回路を介さずにモニタテレビに出力し、表示させており(第1図参照)、
また、刊行物1には、「設定に際しては、色操作した画像をモニタテレビ10でモニタできるので、好みの単色になるように減衰回路3a,3b,3cを各々操作してから、プリントを指令する。」との記載があることから、刊行物1に記載された発明は、少なくとも、スイッチ回路4で単色画像が選択された際には、モニタテレビに単色画像を印画紙上にプリントすることなく表示させる表示制御が行われ、また、当該表示させた画像を、指令に応じて印画紙上にプリントする制御が行われていることは明らかである。したがって、これらの制御は、本件訂正請求項5に係る発明における「表示させるステップ」及び「制御するステップ」に相当する。
(さ)刊行物1に記載された発明は、上記(こ)で述べたように、表示させた画像を、指令に応じて印画紙上にプリントするというプリンタの制御を行っていることから、プリンタ(本件訂正請求項5に係る発明の画像形成装置に相当)を制御可能な画像処理システムの制御方法である。

したがって、両者は、
「カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有するものであって、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムの制御方法であって、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択するステップと、白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させるステップと、カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた白黒画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御するステップと、を有することを特徴とする画像処理システムの制御方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

〈相違点3〉
前記「表示させるステップ」、「制御するステップ」が、本件訂正請求項1に係る発明においては、カラー画像の選択に応じて、表示装置上にカラー画像を表示させる際、画像形成装置により像形成させること無く表示させ、当該カラー画像を指示に応じてシート上に形成するよう制御しているのに対して、刊行物1に記載された発明には、この点について特に記載されていない点。

以下、相違点3について検討する。
モニタを備えたカラー画像プリンタ装置において、カラー画像をプリントする前に、プリンタにより画像をプリントすることなくモニタ画面上に表示し、当該画像をモニタ画面で確認した後に、プリントすることは周知の技術である(例えば、特開昭62-84680号公報、特開昭63-283967号公報参照のこと)。
また、刊行物1に記載された発明においては、スイッチ回路4で単色画像が選択された際には、モニタテレビに単色画像を印画紙上にプリントすることなく表示させ、当該表示装置に表示させた単色画像を、指示に応じてシート上に形成するよう制御している。
そうすると、上記周知技術を勘案すると、刊行物1に記載された発明において、表示させるステップを、カラー画像の選択に応じて、表示装置上にカラー画像を表示させる際にも、画像形成装置により像形成させること無く表示させるようにし、制御するステップを、当該カラー画像を指示に応じてシート上に形成するよう制御することは、当業者が格別の創意工夫を要することなくなし得ることである。
そして、本件訂正請求項5に係る発明によって奏される効果は、刊行物1に記載された発明、及び前記周知技術から当業者が容易に予測可能であって、格別のものではない。

(4) むすび
以上のとおり、本件訂正明細書の請求項1ないし2、5に係る発明は、刊行物1に記載された発明、及び前記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正明細書の請求項1ないし2、5に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件訂正明細書の請求項1ないし2、5に係る発明の特許は、いずれも拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像処理システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、
入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、
オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、
前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】 前記入力手段は撮像装置からのカラー画像を入力し、前記制御手段は、入力された前記カラー画像または前記変換手段により変換された白黒画像をシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】 画像の色分解を行う色分解手段と、
モノクロ用の撮像手段と、
前記撮像手段からの画像を入力するものであり、前記色分解手段を介して撮像することに応じて、前記撮像手段から色分解された画像を入力し、前記色分解手段を介さずに撮像することに応じて、白黒画像を前記撮像手段から入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された色分解された画像を合成してカラー画像とする合成手段と、
前記合成手段からのカラー画像及び前記入力手段からの白黒画像を出力する出力手段と、
カラー画像の出力と白黒画像の出力の何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段によりカラー画像の出力が選択されたことに応じて、前記色分解手段を介した画像の撮像を行い、前記撮像手段からの色分解された画像を入力し、前記合成手段からのカラー画像を出力するよう制御し、前記選択手段により白黒画像の出力が選択されたことに応じて、前記色分解手段を介さずに画像の撮像を行い、前記撮像手段からの白黒画像を入力し、前記入力手段からの白黒画像を出力するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】 前記出力手段からの白黒画像及びカラー画像を表示する手段を更に有し、前記制御手段はカラー画像の出力を行うときカラー画像を表示させ、白黒画像の出力を行うとき白黒画像を表示させることを特徴とする請求項3記載の画像処理システム。
【請求項5】 カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有するものであって、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムの制御方法であって、
オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択するステップと、
白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、
カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、
カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御するステップと、
を有することを特徴とする画像処理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被写体を撮影し、撮影した画像を印刷する画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、身分証明書やパスポートなどのための写真を、金銭を投入することにより自動で撮影できるフォトブース装置があり、その構成として、カメラ、写真現像部、フラッシュなどを備えた光学的銀塩写真技術を用いる装置が知られている。
【0003】
しかし、このような装置は、写真の現像に化学薬品を用いるため、公害問題があるとして設置される場所を制限されたり、装置のメンテナンスなども手間のかかるものであった。
【0004】
又、このような装置では現像のためのケミカル処理に時間を要し、使用者は撮影してから写真を得るまで5分程待たされていた。
【0005】
又、このような装置では、撮影結果は現像されるまでわからず、撮影を失敗したときにはすでに用紙にプリントされているので用紙を無駄使いしてしまったり、失敗したにもかかわらず金銭を徴収されてしまう欠点があった。
【0006】
又、このような装置は、白黒用の装置とカラー用の装置が別々であったため、所望の写真を撮影するためには所望の写真が得られる装置を捜し歩かなければならなかった。
【0007】
又、このような装置は様々な機能を載せるとコスト高になってしまう欠点があった。
【0008】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決するものであり、本発明の目的は、利用者の望みの撮影結果を出力することを可能とした画像処理システムを提供することにある。
【0010】
更に、本発明の目的は、様々な機能を低コストで実現できる画像処理システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、を有する。
【0012】
又、本発明は、画像の色分解を行う色分解手段と、モノクロ用の撮像手段と、前記撮像手段からの画像を入力するものであり、前記色分解手段を介して撮像することに応じて、前記撮像手段から色分解された画像を入力し、前記色分解手段を介さずに撮像することに応じて、白黒画像を前記撮像手段から入力する入力手段と、前記入力手段により入力された色分解された画像を合成してカラー画像とする合成手段と、前記合成手段からのカラー画像及び前記入力手段からの白黒画像を出力する出力手段と、カラー画像の出力と白黒画像の出力の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段によりカラー画像の出力が選択されたことに応じて、前記色分解手段を介した画像の撮像を行い、前記撮像手段からの色分解された画像を入力し、前記合成手段からのカラー画像を出力するよう制御し、前記選択手段により白黒画像の出力が選択されたことに応じて、前記色分解手段を介さずに画像の撮像を行い、前記撮像手段からの白黒画像を入力し、前記入力手段からの白黒画像を出力するよう制御する制御手段と、を有する。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】
以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例の画像処理システムのブロック構成図である。11はビデオカメラからなる撮像部、12はビデオカメラ11からの画像情報を記憶するたとえば半導体メモリなどで構成した画像記憶部、13はモニタ出力画面切替スイッチ、14はモニタ、15は各部に電力供給を行う電源部である。16は各部の動作を制御するシステム制御部で、CPU、RAM、ROM(図示せず)で構成されている。RAMはCPUのワークエリアとして用い、ROMには制御動作の内容やモニタに表示するメッセージデータが書きこまれている。17はシステム制御部16を操作する操作部で、画像の記憶を開始させるシャッタボタン17aと、記憶した画像の印刷を開始させるプリントボタン17bと、画像を記憶した後、その記憶画像を取り消し、再度撮影待ち状態にさせる取消しボタン17cを持つ。18はビデオプリンタで、たとえばサーマルプリンタや、熱により気泡を発生させ、その圧力によりインクを吐出させるバブルジェットプリンタ等である。19はコイン投入を検知する検知部である。
【0018】
図2は本実施例の外観図である。20は被写体を照明する照明で、たとえば蛍光灯などである。21はコイン投入口である。
【0019】
上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図3に示す。コイン検知部19がコインを探知すると、コイン投入信号をシステム制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けたシステム制御部16は電源部15へ信号を送り、各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。次に、スイッチ13をカメラ側に切り換え、ビデオカメラ11で現在撮像している画像を直接モニタ14に表示する(ステップS3)。操作部17のシャッタボタン17aが押されると(ステップS4)、その時に撮像している画像を静止画として画像記憶部12に記憶する(ステップS5)。
【0020】
次に、スイッチ13を記憶部側に切り換え、これから印刷する画像を撮影者に確認させる為に記憶した画像をモニタ14に表示する(ステップS6)。操作部17のプリントボタン17bが押されると(ステップS7)、記憶した画像をビデオプリンタ18により印刷する(ステップS8)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)、終了する。ステップS7でプリントボタン17bが押されずに、取消しボタン17cが押された場合はステップS3へ進み、記憶操作待ち状態となり取消しボタン17cが押されなかった場合はステップS6へ進み、印刷操作待ち状態となる(ステップS10)。
【0021】
なお、撮影の際、操作部17のシャッタボタン17aが押されると、システム制御部16内に有するカウンタでカウントして、予め決められたカウント値になると現在撮像している画像を記憶するようシステム制御部16で制御して、正しい姿勢で撮影できるようにしてもよい。
【0022】
また、操作部17のシャッタボタン17aを撮影者の足もとに配置して足でシャッタボタン17aを押せるようにして正しい姿勢で撮影できるようにしてもよい。さらに、照明20をフラッシュランプとし、フラッシュ撮影をできるようにしてもよい。
【0023】
これにより、公害対策に有効で、メンテナンスが容易になり、写真が完成するまでの時間が短縮され、印刷費用やプリント紙の節約になり、気に入った写真が得られる。
【0024】
次に別の態様の実施例について説明する。
【0025】
図4は本発明の別の実施例の画像処理システムの動作を示すフローチャートである。本実施例のブロック構成図は図1と同じである。本実施例は同一の写真を複数枚印刷することを可能にしたものである。ステップS1〜S10は図3と同様なので説明を省略する。ステップS8で記憶した画像の印刷終了後、システム制御部16内のタイマーをオンし(ステップS11)、現在記憶している画像をさらに印刷するかどうか知らせるメッセージ(例:「もう一枚プリントする場合、コインをいれてください。」)をモニタ14に表示する(ステップS12)。コインを探知するとステップS6へ進み、印刷操作待ち状態となる(ステップS13)。ステップS13でコインを探知しなかった場合、システム制御部16内にあるタイマーにより所定時間経過したかどうか調べる(ステップS14)。ステップS14で所定時間に経過していない場合はステップS12へ進み、コインの投入を待ち、所定時間に経過している場合はシステム制御部17から電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS15)、終了する。
【0026】
ステップS13でコインが投入されたことを探知した場合は記憶している画像をモニタ14で表示し(ステップS6)記憶している画像の印刷指示待ちの状態になる(ステップS7)。
【0027】
この構成により、一度記憶された好みの画像の写真を複数枚得ることができる。
【0028】
なお、撮影をして操作部17のプリントボタン17bが押されると、予め決められた枚数を印刷するようシステム制御部16で制御して、好みの画像の写真を複数枚得られるような動作にしてもよい。
【0029】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0030】
図5は、本発明の別の実施例を示す画像処理システムのブロック構成図である。11〜19は図1と同様である。30は給紙部、31は異常時に電話回線を用い管理センター等と通話を行う通信部、32は電話回線である。
【0031】
図6は複数の画像処理システムを集中監視する集中監視装置のブロック構成図である。40は電話回線32を用い複数の画像処理システムと通信を行う通信部、41は集中監視装置の制御を行う制御部である。42は各画像処理システムの状態や、画像処理システムに異常があった際に最寄の使用可能な画像処理システムの場所を示す地図のデータなどを記憶しておく記憶部である。43は制御部41からの各画像処理システムの状態を表示するモニタである。
【0032】
上記構成からなる画像処理システムの制御部16の動作のフローチャートを図7に示す。コイン検知部19がコインを検知すると、コイン投入信号を制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けた制御部16は電源部15へ信号を送り、各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。制御部16はプリンタ18から図8に示すような状態信号を一定時間ごとに受け、プリンタ18が正常に動作しているか判断する(ステップS20)。ステップS20で紙切れや紙詰まり等の異常がなければ、そのまま通常時の制御を続け、その後も一定時間ごとに異常を検出する。通常時はビデオカメラ11で撮像している画像をモニタ14に表示し(ステップS3)、シャッタボタン17aが押されると(ステップS4)、押された時点の撮像画像を静止画として記憶する(ステップS5)。そして、記憶した記憶画像をモニタ14に表示する(ステップS6)。操作部17のプリントボタン17bが押されると(ステップS7)、記憶した画像をビデオプリンタ18により印刷する(ステップS8)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)、終了する。ステップS7でプリントボタン17bが押されずに、取消しボタン17cが押された場合はステップS20へ進み記憶操作待ち状態となり、取消しボタン17cが押されなかった場合はステップS6へ進み、記憶操作待ち状態となる(ステップS10)。ステップS20で紙切れや紙詰り等の異常があった場合、投入されていたコインを返却し(ステップS21)、通信部31から管理センター内の集中監視装置(図3)へ画像処理システムの固有コード、地名コード、異常内容のコードを送信する(ステップS22)。
【0033】
異常内容を受信した集中監視装置の制御部41は、モニタ43に異常の発生した画像処理システムの固有コードと地名と異常内容を表示させる。そして、記憶部42内の画像処理システムの状態の内容を使用不可に書き替え、最寄りの使用可能な状態の画像処理システムを検索する。検索結果に基づいて、記憶部42内に予め記憶してある画像処理システムが設置されている場所を示す地図のデータを通信部40より異常の発生した画像処理システムへ送信する。
【0034】
図9に通信部31の具体的な回路構成を示す。55は制御部16からの異常報知制御信号で、この信号がオンになるとCPU53は回線接続制御信号54をオンにしてネットワークコントロールユニット(NCU)50に回線接続を指令する。次にCPU53はEEPROM56等の不揮発性メモリに予め書き込まれている管理センターの電話番号を読み出し、その番号に相当するDTMF(dual tone multi freguency)コードを番号順に回線規格に合わせて出力するようにDTMF発生器54に指令する。回線が管理センターと接続すると集中監視装置は自動的に応答し、1KHzの正弦波信号を送信側に送る。通信装置31のバンドパスフィルタ(BPF)58は1KHzの正弦波を抜き取り、A/D変換器59はその検知レベルをデジタル化する。CPU53はこのデジタル値が所定値以上になったら回線が管理センターと接続したと判断し、この画像処理システムの固有コード、設置されている地名コード、異常内容のコードを順次EEPROM56から順に読み出し最後にエラー訂正コードをつけて前記のDTMFコードで送る。管理センターで正しく受信されると集中監視装置は1KHzの正弦波を発生し、送信側に正しく受信されたことを知らせる。通信装置31はこの1KHz信号が検知されると回線をオフする。集中監視装置はブース番号、設置地名、故障内容等をモニタ43に表示して管理者に知らせる。
【0035】
画像処理システムの通信部16は集中監視装置からの最寄りの使用可能な画像処理システムの地図のデータを受信して、画像記憶部12に記憶させる(ステップS23)。そして、地図をモニタ14に表示させ(ステップS24)、操作部17のプリントボタンが押されると(ステップS25)、プリントされる印刷紙があるかどうかチェックし(ステップS26)、印刷紙があれば受信データの印刷を行う(ステップS27)。画像処理システムが異常である間はステップS24〜S27の制御動作を続け、正常に戻った場合はリセットされステップS1から制御を行う。
【0036】
尚、他の使用可能な画像処理システムの場所を言葉で表現したものを出力するようにしてもよい。
【0037】
このように、画像処理システムに異常があった場合は管理センターに報知することができるので、定期的に画像処理システムの巡回点検を行う手間が省ける。又、他の使用可能な画像処理システムの地図を表示するので、利用者は探しまわることなく、使用できる画像処理システムを見つけることができる。又、制御の途中で異常が発生してもコインを返却するので、金銭管理上の不具合がない。
【0038】
次に別の態様の実施例について説明する。
【0039】
図10は本発明の別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。11はビデオカメラからなる撮像部、12はビデオカメラ11からの被写体情報の読み書きが可能なたとえば半導体メモリなどで構成した画像記憶部で、画像記憶部はX方向に640点、Y方向に480点の画素を記憶できる。また、印刷のための読み出し領域はS点(XS,YS)、E点(XE,YE)を対角とする長方形で表わされる。XS,YS,XE,YEはそれぞれ画像記憶部における番地を表わす。13〜19は図1と同じである。17dは画像中の印刷領域を移動させる領域移動ボタンである。領域ボタンを押すことにより前述のXS,YS,XE,YEを増減する。XS,YS,XE,YEは電源投入時は初期値が与えられる。XS,XEは領域移動ボタン52dの右方向が押されると1ずつ増加し、左方向が押されると1ずつ減少する。YS,YEは領域移動ボタン52dの上方向が押されると1ずつ減少し、下方向が押されると1ずつ増加する。61は印刷する領域を示すマークを発生し、モニタ14に画像と合成表示させるマーク発生部である。
【0040】
上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図11に示す。コイン検知部19がコインを探知するとコイン投入信号をシステム制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けたシステム制御部16は電源部15へ信号を送り、各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。電力の供給が開始されると、ステップ13をカメラ側に切り換え、ビデオカメラ11で現在撮像している画像とマーク発生部61より発生したマーク61とを合成してモニタ14に表示させる(ステップS30)。このとき、マーク発生部は前述のシステム制御部16からの印刷領域を表わすデータ(XS,YS,XE,YE)を受けて図12に示すようにその領域を示すマーク62を発生する。電力供給開始時のマークの位置は、システム制御部16のROMが記憶している初期値によって決められる。撮影者はモニタ14を見ながら領域移動ボタン17dを操作して好ましい構図となる位置にマーク62を移動させる。システム制御部16は領域移動ボタン52dが押されると(ステップS31)、その方向と量に応じて位置データ(XS,YS,XE,YE)を増減させる(ステップS32)。ステップS32で変更されたデータをマーク発生部61へ送りそのデータに応じたマークを発生させ、ステップS30へ進みビデオカメラ11で現在撮像している画像とマーク発生部61より発生したマーク62とを合成してモニタ14に表示させる。ステップS31で領域移動ボタン17dが押されない場合は次のステップへ進む。操作部17のシャツタボタン17aが押されると(ステップS4)、その時に撮像している画像を画像記憶部12に記憶する(ステップS5)。次にスイッチ13を記憶部側に切り換え、これから印刷する画像を撮影者に確認させるために記憶した画像をモニタ14に表示する(ステップS6)。そして操作部17のプリントボタン17bが押されると(ステップS7)、印刷領域内の印刷を行う(ステップS8)。
【0041】
ステップS8の印刷を図13で詳細に説明する。x,yは画像記憶部12から画像データを読み出す番地を表す。始めにxはXS、yはYSとする(ステップS41、S42)。次に番地(x,y)の画像データをビデオをビデオプリンタ18へ送り印刷する(ステップS43)。そしてxを1だけ増加し(ステップS44)、x>XEになったかどうか調べる(ステップS45)。ステップS45でx≦XEの時はステップS43へ進みxを増加する。x>XEの時はビデオプリンタ18へ改行信号を送り(ステップS46)、yを1だけ増加する(ステップS47)。そしてy>YEになったかどうか調べる(ステップS48)。ステップS48でy≦YEのときはステップS41へ進み、xをXSにリセットし、印刷を続ける。y>YEのときはビデオプリンタ18へ印刷終了の信号を送り印刷を終了する。印刷した結果、図14に示すような画像が得られる。
【0042】
印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)終了する。ステップS7でプリントボタン17bが押されずに取消しボタン17cが押された場合はステップS30へ進み、ビデオカメラ11の画像とマーク62の合成表示を行い取消しボタン17cが押されなかった場合はステップS6へ進み、印刷操作待ち状態となる(ステップS10)。
【0043】
なお、マーク発生部61、領域移動ボタン17dは使用せずに印刷領域の位置データは固定してモニタ14の画面の表面にそれぞれの印刷サイズの印刷領域を示す固定のマークを記して、簡単な構成にして写真の構図を確認できるようにしてもよい。
【0044】
又、撮影の際、操作部17のシャッタボタン17aが押されると、システム制御部16内に有するカウンタでカウントして決められた値になると記憶開始信号を発生し、一定時間後に現在撮像している画像を記憶するシステム制御部16で制御して正しい姿勢で撮影できるようにしてもよい。
【0045】
又、印刷領域の位置データの他にサイズデータを入力し、印刷サイズを変えるようにしても良い。
【0046】
このように利用者は写真が印刷される前に撮影結果が確認できるので、写真代やプリント紙の無駄がなくなる、気に入った写真が得られる。さらに、移動可能な印刷領域マークがモニタ上に表示されるので、写真の構図が確認でき、被写体を動かさずに写真の構図が変えられる。
【0047】
次に本発明の別の実施例について説明する。
【0048】
図15は、本発明の一実施例の電子フォトシステムのブロック構成図である。11はビデオカメラからなる撮像部、12はビデオカメラ11からの被写体情報を記憶するたとえば半導体メモリなどで構成した画像記憶部である。画像記憶部12は複数画面記憶でき、例えば本実施例では4画面記憶できるものとする。13はモニタ出力画面切替スイッチ、14はモニタ、15は各部に電力供給を行う電源部である。16は各部の動作を制御するシステム制御部で、CPU、RAM、ROM(図示せず)で構成されている。RAMはCPUのワークエリアとして用い、ROMには制御動作の内容やモニタに表示するメッセージデータが書込まれている。17はシステム制御部16を操作する操作部で、画像の記憶を開始させるシャッタボタン17aと、画像記憶部12に記憶された4つの記憶画像のうち印刷する記憶画像を指定するための印刷画像選択ボタン17eを持っている。18はビデオプリンタで、例えばサーマルプリンタ熱により気泡を発生させ、その圧力によりインクを吐出させるバブルジェットプリンタ等である。19はコイン投入を検知する検知部である。
【0049】
上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図16に示す。コイン探知部19がコインを探知すると、コイン投入信号をシステム制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けたシステム制御部16は電源部15へ信号を送り、各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。次に、スイッチ13をカメラ側に切り換え、ビデオカメラ11で現在撮像している画像を直接モニタ14に表示する(ステップS3)。操作部17のシャッタボタン17aが押されると(ステップS4)、所定時間ビデオカメラ11の撮像画像を表示し(ステップS50、S51)、そして撮像している画像を画像記憶部12に記憶する(ステップS52)。次に、スイッチ13を記憶部側に切り換え、撮影者に確認させるために記憶した画像を所定時間中モニタ14に表示する(ステップS53、S54)。そしてシステム制御部16で画像記憶する度にカウントし、4回カウントしたかどうか、すなわち、4画面記憶したかどうか調べる(ステップS55)。ステップS55において、カウンタが4未満の場合はステップS50へ進み、画像記憶を行いカウンタが4の場合は図17に示すようにモニタを4分割表示にし、画像記憶部12に記憶されている4つの画像をモニタに一括表示する(ステップS56)。一括表示されたモニタを見て撮影者は印刷しようとする画像を選択し、操作部17の印刷画像選択ボタン17cを押す。印刷画像選択ボタン17cが押され、印刷する画像が指定されると、その指定画像を印刷する(ステップS57)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へプリント終了信号を送る。プリント終了信号を受けたシステム制御部17は電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップさせ(ステップS9)、終了する。
【0050】
なお、本実施例では画像記憶部12は4画面記憶できるものとしたが、4画面に限らず、複数画面の記憶ができるものであればよい。
【0051】
又、一連の撮像、記憶、表示の繰り返し動作の途中の記憶画像表示中に印刷ボタンを押すことにより印刷画像を指定できるようにしてもよい。
【0052】
このように、連続してカメラの撮像画像の記憶と記憶画像の表示を行うことにより利用者はポーズの修正ができるので、良いポーズがとれる。さらに、複数の画像を記憶して一括表示し、利用者が指定した画像を印刷するので、写真代やプリント紙の無駄がなくなる、利用者は複数の画像を比較でき、好ましい写真を選択できる。
【0053】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0054】
図18は、本発明の別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。11はカラー画像を撮像し、カラー画像信号を出力するビデオカメラ。12はビデオカメラ11からの画像情報を記憶するたとえば半導体メモリなどで構成した画像記憶部、13はモニタ出力画面切替スイッチ、14はモニタ、15は各部に電力供給を行う電源部である。16は各部の動作を制御するシステム制御部で、CPU、RAM、ROM(図示せず)で構成されている。RAMはCPUのワークエリアとして用い、ROMには制御動作の内容やモニタに表示するメッセージデータが書きこまれている。17はシステム制御部16を操作する操作部で、画像の記憶を開始させるシャッタボタン17aと、記憶した画像の印刷を開始させるプリントボタン17bと、画像を記憶した後、その記憶画像を取り消し、再度撮影待ち状態にさせる取消しボタン17c、白黒プリントを行うかカラープリントを行うか選択する白黒/カラー選択ボタン17fを持つ。18はビデオプリンタで、たとえばサーマルプリンタ、熱により気泡を発生させ、その圧力によりインクを吐出させるバブルジェットプリンタ等である。19はコイン投入を検知する検知部である。
【0055】
70は画像記憶部12から読み出されたカラーの画像情報を白黒の画像情報に変換する画像変換部、71はビデオプリンタ18にカラー画像を印刷させるか白黒画像を印刷させるかを切換えるためのプリント画像切換スイッチである。
【0056】
上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図19に示す。コイン検知部19がコインを探知すると、コイン投入信号をシステム制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けたシステム制御部16は電源部15へ信号を送り、電源部15は各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。次に、スイッチ13をカメラ側に切り換え、ビデオカメラ11で現在撮像している画像を直接モニタ14に表示する(ステップS3)。操作部17のシャッタボタン17aが押されると(ステップS4)、その時に撮像している画像を静止画として画像記憶部12に記憶する(ステップS5)。
【0057】
次に、スイッチ13を記憶部側に切り換え、これから印刷する画像を撮影者に確認させる為に記憶した画像をモニタ14に表示する(ステップS6)。操作部17のプリントボタン17bが押されると白黒印刷の指示であるかカラー印刷の指示であるかを判断する(ステップS60)。ステップS60で白黒/カラー選択ボタン17fにより白黒が選択されると、システム制御部16はプリント画像切換スイッチ71を画像変換部70側に切り換え、画像変換部70は画像記憶部12からのカラー画像情報を白黒画像情報に変換し、この白黒画像情報をビデオプリンタ18へ出力する(ステップS61)。またステップS60で白黒/カラー選択ボタン17fによりカラーが選択されると、システム制御部16はプリント画像切換スイッチ71を直接画像記憶部12とビデオプリンタ18が接続されるように、すなわち画像変換部70と反対側にプリント画像切換スイッチ71を切り換え、画像記憶部12からのカラー画像情報を直接ビデオプリンタ18へ出力させる(ステップS62)。
【0058】
そして、送られてきた画像情報に基づいてカラー又は白黒画像をビデオプリンタ18にプリントさせる(ステップS8)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)、終了する。ステップS7でプリントボタン17bが押されずに、取消しボタン17cが押された場合はステップS3へ進み、記憶操作待ち状態となり取消しボタン17cが押されなかった場合はステップS6へ進み、印刷操作待ち状態となる(ステップS10)。
【0059】
図20は図18を改良したブロック構成図である。図18と異なる点は画像変換部70、プリント画像切換スイッチ71がスイッチ13の前段に接続されていることである。これにより、白黒/カラー選択ボタン17fで白黒が選択されていると白黒画像がモニタ14に表示され、カラーが選択されているとカラー画像がモニタ14に表示される。これにより、カラー及び白黒の画像の印刷が可能となり、利用者の希望に応じた写真を得ることができる。また、モニタにより白黒が印刷されるかカラーが印刷されるか確認することができる。
【0060】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0061】
図21は本発明の別の実施例のブロック構成図である。11はモノクロのビデオカメラであり、画像の読み出しに同期して同期信号を発生する。12〜19は図1と同様である。75は回転フィルター、76はモーター制御部、77はステッピングモーターである。図22に回転フィルターの形状を示す。R,G,Bはそれぞれ赤、緑、青色の透過フィルターが取り付けられた窓で、Tは無色透明な窓である。ビデオカメラ11はこれらの窓を介した像を撮像する。
【0062】
このような構成において、操作部17上の白黒/カラー選択ボタンで白黒が選択されると、システム制御部16はモニタ制御部76へその旨を伝える信号を出力し、モータ制御部76は回転フィルタ75のTの窓がビデオカメラ11の前にくるようにモータ77を駆動制御し、回転フィルタをその状態に保ちT窓を介して撮像を行わせる(ステップS71、S72)。一方、操作部17上の白黒/カラー選択ボタンでカラーが選択されると、システム制御部16はモータ制御部76へその旨を伝える信号を出力する。モータ制御部16はビデオカメラ11から出力される同期信号に同期して回転フィルタを順次、R窓、G窓、B窓がビデオカメラ11の前にくるようにモータ77を駆動制御する。
【0063】
その結果ビデオカメラ11により順次Rフィルター、Gフィルター、Bフィルターを介した画像が読み出され(ステップS73、S74、S75)、システム制御部16はそれぞれのフィルターを介して得た画像情報を合成してカラー画像を得るべく、得られた各色情報を演算させる(ステップS76)。これにより、白黒とカラーの画像の印刷が可能となり、利用者の希望に応じた写真を得ることができる。また白黒ビデオカメラを用いるので、低コストな画像処理システムが実現できる。
【0064】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0065】
図25は、本発明の別の実施例を示すブロック構成図である。11はビデオカメラからなる撮像部、80は外部ビデオ入力端子、81はビデオ入力選択切替スイッチ、82は外部入力端子接続探知部、12はビデオカメラ11からの被写体情報を蓄積するたとえば半導体メモリなどで構成した画像記憶部、13はモニタ出力画面切替スイッチ、14はモニタ、15は各部に電力供給を行う電源部、16は各部の動作を制御するシステム制御部、17はシステム制御部16を操作する操作部、18はプリント出力部であるビデオプリンタ、19はコイン投入を検知する検知部である。
【0066】
上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図25に示す。コイン検知部19がコインを探知すると、コイン投入信号をシステム制御部16に送る(ステップS1)。コイン投入信号を受けたシステム制御部16は電源部15へ信号を送り、各部に電力の供給を開始する(ステップS2)。
【0067】
次に、外部ビデオ入力端子にビデオ入力が接続されているかどうか外部端子接続探知部22が探知する。外部端子が接続されていると(ステップS81)、ビデオ入力選択切替スイッチ81を外部ビデオ入力端子80側に切り替えて、外部ビデオ入力端子80から画像信号を入力するようにする(ステップS82)。又、ステップS81で外部端子が接続されていないと、ビデオ入力選択切替スイッチ81をビデオカメラ11側に切り替えて、ビデオカメラ11からの画像信号を入力するようにする(ステップS83)。そして、ステップS81〜S83において選択された入力画像を表示する(ステップS3)。操作部17のシャッタボタン17aが押されると(ステップS4)、その時に撮像している画像を静止画として画像記憶部12に記憶する(ステップS5)。
【0068】
次に、スイッチ13を記憶部側に切り換え、これから印刷する画像を撮影者に確認させる為に記憶した画像をモニタ14に表示する(ステップS6)。操作部17のプリントボタン17bが押されると(ステップS7)、記憶した画像をビデオプリンタ18により印刷する(ステップS8)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)、終了する。ステップS7でプリントボタン17bが押されずに、取消しボタン17cが押された場合はステップS3へ進み、記憶操作待ち状態となり取消しボタン17cが押されなかった場合はステップS6へ進み、印刷操作待ち状態となる(ステップS10)。
【0069】
尚、図26に示す様に外部ビデオ入力端子80に入力ビデオ信号の同期信号を検知すると検知信号を発生させる同期信号検知部83を設け、システム制御部16は同期信号検知部83からの検知信号を受けるとビデオ入力選択スイッチ81を外部ビデオ入力端子80側に切り替えるように制御するようにしてもよい。
【0070】
又、外部ビデオ入力端子80のかわりにビデオテープデッキにして、ビデオテープに録画された画像をプリントするようにしてもよい。
【0071】
このように、フォトブースシステムで撮影した画像以外のものも印刷できるので、利用者の利用範囲が広がる。
【0072】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0073】
図27は、本発明の別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。11〜19は図1と同じである。85は画像記憶部12に記憶された画像がブレているか否か判別する判別回路、86はモニタ14上にメッセージを表示するために文字を発生する文字発生回路、87はシステム制御部16から出力されたメッセージ用の音声信号を増幅する信号アンプ、88は信号アンプで増幅された音声信号を音声として出力するスピーカである。
【0074】
次に図28〜図32を参照してブレ検出部85による検出方法を説明する。シャッタボタン17aが押されるとビデオカメラ11からの時間t1,t2における映像が画像記憶部12の第1フィールドAと第2フィールドBにそれぞれ記憶されるようシステム制御部16が制御する。
【0075】
被写体が右上方に移動している時にシャッタボタン17aが押された場合、図28に示すように第2フィールドメモリに記憶される画像は第1フィールドメモリに記憶された画像中の被写体が右上方に移動した画像となる。ここで、そのまま画像記憶部12に記憶された画像をモニタ14に出力すると、図29の様にブレた画像が表示される。又、画像記憶部12に記憶された画像をプリンタ18に出力すると、図30の様にブレた画像が印刷される。
【0076】
この様にブレた画像の印刷は使い物にならないので、第1、第2フィールドメモリに記憶された画像に基づいて動きベクトルを検出しブレた画像が印刷されるおそれがあるか判別する。まず、図31、図32に示すように第1フィールドA、第2フィールドBの画像中にm=n×n画素からなるブロックを設定する。
【0077】
そして、第1フィールドAの注目ブロックA内の画素の値Aiと第2フィールドBの注目ブロックB内の画素の値Biから次式により注目ブロックAと注目ブロックBとの相関を表す値Cを得る。(特公平2-52914参照)
C=Σm1|Ai-Bi|
但し、Σm1Xi=X1+X2+X3+…+Xm-1+Xm
上記の式により、注目ブロックAと、注目ブロックAに対応した位置の注目ブロックB、及び注目ブロックBの周囲8ブロックとの相関値Cをそれぞれのブロック毎に求め、相関値Cの大きさが最小となるブロックの位置を記憶し、前記の第2フィールド中の9ブロックのうちで注目ブロックB以外のブロックと注目ブロックAとの相関値Cが最小であった場合、撮影時にブレがあったと判断し、システム制御部16にブレ検出信号を出力する。又、注目ブロックBと注目ブロックAとの相関値Cが最小であった場合、相関値Cと予め設定されている一定値CBと比較し、C>CBのときはブレ検出信号をシステム制御部16にブレ検出信号を出力する。この注目ブロックAと第2フィールド中の9ブロックのうち各ブロックとの相関値Cを求めてブレを検出する作業を、注目ブロックAをA(0,0)ブロックからA(l,k)ブロックまで変えていき、第1フィールドすべてのブロックについて行う。
【0078】
尚、上記動きベクトル検出の演算をするブロックをプリンタの印画範囲のみに行い計算時間を短縮させることも可能である。
【0079】
また、逆に動きベクトルの演算ブロックの整数倍に印画範囲を合わせてプリントすることで無駄のない処理が可能である。
【0080】
次に上記構成からなる電子フォトシステムのシステム制御部16の動作のフローチャートを図33、図34に示す。ステップS1〜S7、S10は図3と同様である。ステップS7でプリントボタン17bが押されると、前述の記憶画像のブレ検出をブレ検出部85で行わせる(ステップS85)。ステップS85でブレ検出部85が記憶画像のブレを検出し、システム制御部16はブレ検出信号をブレ検出部85から受けとると、ブレが発生したことを利用者に伝えるべく文字発生回路86から「ブレがありました。」等のメッセージをモニタ14に出力させる。また、同時にチャイム音や「ブレがありました。」等の音声を信号アンプ87を介して、スピーカ88で出力する(ステップS87)。そして、ブレが有ったことを利用者に伝えた後にプリントボタン17bが押された場合は(ステップS88)、記憶した画像をビデオプリンタ18により印刷する(ステップS8)。印刷終了後、ビデオプリンタ18からシステム制御部17へ印刷終了信号を送り、さらに電源部15へ信号を送り、各部への電力の供給をストップして(ステップS9)、終了する。
【0081】
ステップS88でプリントボタン17bが押されなかった場合はステップS3へ進み、ブレた画像は印刷せずに再度撮影することができる。
【0082】
またステップS86でブレなしの場合はステップS8へ進み通常のプリント動作を行う。
【0083】
このように、撮影時にブレがあった場合、画像をプリントする前に利用者に対し警告するので、撮影に失敗した写真を印刷することがなくなる。
【0084】
次に本発明の別の態様の実施例について説明する。
【0085】
本実施例は図31、図32に示した動きベクトル検出の方法を更に発展させて、記憶画像がブレていてもそのブレを補正するようにしたものである。
【0086】
図27の画像処理システムで前述したように、第1フィールドの各ブロックについて動きベクトル検出を行うと、図35に示すようなブロック毎の動きベクトルが検出され、ブレがあったブロックが検出できる。ブレ検出部85は、図36、図37に示す様に、第1フィールド中のブレが検出されたブロックの画像情報を第2フィールド中の第1フィールドのブロックに対応する位置に書き込む(図中、1は第1フィールド画像、2は第2フィールド画像を表す。)。この結果、図38に示す様に第1フィールドの画像はそのままで、第2フィールドの画像はブレが有るブロックに関しては第1フィールドの画像にし、ブレが無いブロックに関しては第2フィールドの画像にするため、ブレをなくした画像を印刷できる。
【0087】
これにより、撮影時にブレがあった場合でも、ブレを補正するので、ブレのない写真を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白里画像の何れかを選択する選択手段と、を有し、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御することで、カラー画像と白黒画像のどちらでも出力が可能となるので、利用者は望みの画像を出力することができると共に、画像形成装置により印刷が行われる前に、利用者は自分の所望する画像を表示装置を介して事前に確認することができ、尚且つ、カラー画像で入力したものをカラー画像で印刷したいと利用者により要求された場合、カラー画像の状態のまま表示装置に表示させ、一方、カラー画像で入力したものを白黒画像で印刷したいと要求された場合は、カラー画像をそのまま表示装置に表示することなく、白黒画像に変換したものを表示装置に表示させることができるので、利用者が、カラー画像で入力した自分のデータは、カラー画像で印刷されるのか、白黒画像として印刷されるのかが分からなくなってしまう等の不具合を防止し、また、例えば、利用者が、カラー画像で入力したものを白黒画像に変換して印刷するよう装置に対して要求した場合に、変換手段により変換された白黒データは、自分の望む白黒データに正しく変換されたのか否か等を表示装置を介して当該利用者自身で確認出来るので、自分の所望するデータとは異なった白黒データが印刷されてしまう等の不具合を防止し、無駄な印刷を未然に防止することができる。
【0089】
又、請求項3記載の本発明によれば、カラー画像と白黒画像の出力が可能となるので、利用者は望みの画像を出力することができ、例えばカラーの画像が必要なのに白黒しかできなくて困ってしまうようなことがなくなる効果がある。
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図2】
実施例の画像処理システムの外観図である。
【図3】
図1のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図4】
図1のシステム制御部16の別の動作のフローチャートである。
【図5】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図6】
複数の画像処理システムを集中監視する集中監視装置のブロック構成図である。
【図7】
図5のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図8】
図5のプリンタ18の状態を表す信号を示す図である。
【図9】
図5の通信部31の具体的な回路構成図である。
【図10】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図11】
図10のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図12】
モニタ14に表示された印刷領域のマークを示す図である。
【図13】
図10における印刷のフローチャートである。
【図14】
図12に示す領域指定で印刷した結果を示す図である。
【図15】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図16】
図15のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図17】
モニタ14に表示を示す図である。
【図18】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図19】
図18のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図20】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図21】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図22】
図21の回転フィルター75の構成図である。
【図23】
図21における撮像のフローチャートである。
【図24】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図25】
図24のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図26】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図27】
別の実施例の画像処理システムのブロック構成図である。
【図28】
時間方向の画像の動きを表わす図である。
【図29】
モニタ14に表示されたブレ画像を示す図である。
【図30】
プリンタ18で印刷されたブレ画像を示す図である。
【図31】
画像記憶部12の第1フィールドに記憶された画像を示す図である。
【図32】
画像記憶部12の第2フィールドに記憶された画像を示す図である。
【図33】
図27のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図34】
図27のシステム制御部16の動作のフローチャートである。
【図35】
検出された動きベクトルを示す図である。
【図36】
ブレ修正後の第1フィールドの画像を示す図である。
【図37】
ブレ修正後の第2フィールドの画像を示す図である。
【図38】
ブレ修正後に印刷された画像を示す図である。
【符号の説明】
11 ビデオカメラ
12 画像記憶部
14 モニタ
16 システム制御部
18 ビデオプリンタ
70 画像変換部
71 白黒・カラー切り換えスイッチ
75 色分解フィルター
80 外部画像入力端子
85 ブレ検出部
88 報知スピーカー
 
訂正の要旨 訂正の要旨
以下の訂正を認める。
訂正事項▲1▼-1 特許請求の範囲の請求項1の
「 【請求項1】 カラー画像を入力する入力手段と、
入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、
カラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示装置に表示された画像を、指示に応じてシート上に形成するよう画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。」
とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「 【請求項1】 カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、
入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、
オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、
前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。」
とする訂正。
訂正事項▲1▼-2 特許請求の範囲の請求項5の
「 【請求項5】 カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有す画像処理システムの制御方法であって、
カラー画像及び白黒画像の何れかを選択するステップと、
白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を表示させるステップと、
カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させるステップと、
前記表示装置に表示された画像を、指示に応じてシート上に形成するよう画像形成装置を制御するステップと、
を有することを特徴とする画像処理システムの制御方法。」
とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「 【請求項5】 カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有するものであって、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムの制御方法であって、
オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択するステップと、
白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、
カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させるステップと、
カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御するステップと、
を有することを特徴とする画像処理システムの制御方法。」
とする訂正。
訂正事項▲2▼-1 明細書中の段落番号【0011】の
「 【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、カラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させる表示制御手段と、前記表示装置に表示された画像を、指示に応じてシート上に形成するよう画像形成装置を制御する制御手段と、を有する。」とあるのを、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「 【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させる表示制御手段と、前記選択手段によりカラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示制御手段により前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御する制御手段と、を有する。」
とする訂正。
訂正事項▲2▼-2 明細書中の段落番号【0088】の
「 【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、カラー画像を入力する入力手段と、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段とを有し、白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を表示させ、カラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を表示させ、前記表示装置に表示された画像を、指示に応じてシート上に形成するよう画像形成装置を制御することで、カラー画像と白黒画像のどちらでも出力が可能となるので、利用者は望みの画像を出力することができると共に、画像形成装置により印刷が行われる前に、利用者は自分の所望する画像を表示装置を介して事前に確認することができ、尚且つ、カラー画像で入力したものをカラー画像で印刷したいと利用者により要求された場合、カラー画像の状態のまま表示装置に表示させ、一方、カラー画像で入力したものを白黒画像で印刷したいと要求された場合は、カラー画像をそのまま表示装置に表示することなく、白黒画像に変換したものを表示装置に表示させることができるので、利用者が、カラー画像で入力した自分のデータは、カラー画像で印刷されるのか、白黒画像として印刷されるのかが分からなくなってしまう等の不具合を防止し、また、例えば、利用者が、カラー画像で入力したものを白黒画像に変換して印刷するよう装置に対して要求した場合に、変換手段により変換された白黒データは、自分の望む白黒データに正しく変換されたのか否か等を表示装置を介して当該利用者自身で確認出来るので、自分の所望するデータとは異なった白黒データが印刷されてしまう等の不具合を防止し、無駄な印刷を未然に防止することができる。」
とあるのを、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「 【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、カラー画像を入力する入力手段を有し、シート上に画像を形成する画像形成装置を制御可能な画像処理システムであって、入力されたカラー画像を白黒画像に変換する変換手段と、オペレータの選択に従ってカラー画像及び白黒画像の何れかを選択する選択手段と、を有し、前記選択手段による白黒画像の選択に応じて、前記変換手段からの白黒画像を表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記変換手段からの白黒画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、前記選択手段によるカラー画像の選択に応じて、前記入力手段からのカラー画像を前記変換手段を介さずに前記表示装置に出力するよう制御し、前記表示装置上に前記入力手段からのカラー画像を前記画像形成装置により像形成させること無く表示させ、
カラー画像及び白黒画像の選択がなされ前記表示装置に表示させた画像を、指示に応じてシート上に形成するよう前記画像形成装置を制御することで、カラー画像と白黒画像のどちらでも出力が可能となるので、利用者は望みの画像を出力することができると共に、画像形成装置により印刷が行われる前に、利用者は自分の所望する画像を表示装置を介して事前に確認することができ、尚且つ、カラー画像で入力したものをカラー画像で印刷したいと利用者により要求された場合、カラー画像の状態のまま表示装置に表示させ、一方、カラー画像で入力したものを白黒画像で印刷したいと要求された場合は、カラー画像をそのまま表示装置に表示することなく、白黒画像に変換したものを表示装置に表示させることができるので、利用者が、カラー画像で入力した自分のデータは、カラー画像で印刷されるのか、白黒画像として印刷されるのかが分からなくなってしまう等の不具合を防止し、また、例えば、利用者が、カラー画像で入力したものを白黒画像に変換して印刷するよう装置に対して要求した場合に、変換手段により変換された白黒データは、自分の望む白黒データに正しく変換されたのか否か等を表示装置を介して当該利用者自身で確認出来るので、自分の所望するデータとは異なった白黒データが印刷されてしまう等の不具合を防止し、無駄な印刷を未然に防止することができる。」
とする訂正。
異議決定日 2001-10-04 
出願番号 特願平3-277887
審決分類 P 1 652・ 121- ZA (H04N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 松元 伸次  
特許庁審判長 藤内 光武
特許庁審判官 橋本 恵一
小林 秀美
登録日 2000-07-28 
登録番号 特許第3093370号(P3093370)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 画像処理システム  
代理人 西山 恵三  
代理人 西山 恵三  
代理人 内尾 裕一  
代理人 青木 康  
代理人 青木 康  
代理人 内尾 裕一  

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