• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  B60J
審判 全部申し立て 2項進歩性  B60J
管理番号 1058114
異議申立番号 異議2001-71137  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-08-01 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-04-13 
確定日 2002-02-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3099162号「リヤードアウエザーストリップ」の請求項1、2に係る発明についての特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3099162号の請求項1、2に係る発明についての特許を維持する。 
理由 1手続の経緯
本件特許第3099162号の発明は、平成6年1月10日(1994.1.10)に特許出願され、平成12年2月14日(2000.2.14)に一部補正がなされ、平成12年8月18日(2000.8.18)にその特許の設定登録がなされ、その後、表記異議申立人より異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年12月4日(2001.12.4)に訂正請求がなされたものである。

2訂正の適否について
(1) 訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
(特許請求の範囲)
a 請求項1の「下方に凸に湾曲させた凸湾曲部」を「下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部」と訂正する。
b 請求項1及び請求項2の「リヤークォーターピラー部(15)」を「リヤークォーターピラー部(16)」と訂正する。
c 請求項2の「室内内側連結壁(h)」を「室外側連結壁(h)」と訂正する。

(発明の詳細な説明)
d 明細書段落番号【0007】,【0008】,【0011】及び【0012】中の記載について上記aと同じ趣旨の訂正をする。
e 明細書段落番号【0007】中の記載について上記bと同じ趣旨の訂正をする。

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(特許請求の範囲)
上記訂正事項aについては、凸の方向をより明確にするため、不明瞭な記載の釈明を目的として訂正しようとするものである。
上記訂正事項b及びcについては誤記の訂正を目的とするものである。
(発明の詳細な説明)
上記訂正事項dについては、上記aと同じく、不明瞭な記載の釈明を目的として訂正しようとするものである。
上記訂正事項eについては、上記bと同じく、誤記の訂正を目的とするものである。

そして、上記訂正は、いずれも新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(3) むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は平成6年改正法附則6条1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法126条1項ただし書、2項及び3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3特許異議の申立ての概要
異議申立の概要は以下のとおりである。
平成12年2月14日付け手続補正書により加入された構成は当初明細書及び図面にない新規な事項であるから、本件出願は特許法17条の規定に違反しているにもかかわらず特許されたものであり、
また、本件発明は、実願平3―71580号(実開平5―16435号)のCD―ROM(刊行物1:甲第3号証)及び実願平2―79252号(実開平4―37053号)のマイクロフィルム(刊行物2:甲第4号証)とそれぞれ同一もしくはそれらから容易に発明できたものであるから、特許法29条の規定に違反しているにもかかわらず特許されたものである。

4新規事項について
異議申立人は、平成12年2月14日付け手続補正書により加入された
A:ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至る構成及び長手方向において連続している構成
B:シール壁(g),室外側連結壁(h)及び室内側連結壁(i)の構成
C:凸湾曲部の位置が、(室内側下面から)室内側連結壁(i)に設けられている構成
D:室内側連結壁(i)とシール壁(g)との境界をリテーナー(22)から離して形成し、ドア閉時のみに、前記凸湾曲部先端付近を前記室内側鈎部(23)に接触させ、しかも、中空シール部(32)が前記リテーナー(22)以外のリヤードアサッシュ(21)には弾接しない構成
は、当初明細書及び図面になく新規事項である旨主張している。
そして、AないしDの構成は、訂正が認められた明細書にも記載されている事項であるが、これらについて、出願当初の明細書の記載を見ると
Aの点に関しては、本件発明が出願当初の第2,3,4図に見られる従来技術の改良であること及び出願当初明細書に湾曲部は、「長手方向に線接触させることが出来る如く」(【0007】,【0008】)形成する点の記載があることから、リヤードアウエザーストリップは、「ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至る」ものであり、且つ「長手方向において連続している」ものである構成は当初明細書及び図面から一義的に導き出せる。
Bの点に関しては、凸湾曲部の位置を明確に示すため中空シール部32を3部分に分けて命名しただけであり、新たな構成を示唆するものではない。
Cの点に関しては、室内側下面を室内側連結壁(i)と言い換えただけである。
Dの点に関しては、8図,12図の例示及び【作用】の項に「コーナー部12下方への潜り込み防止」の記載から、一義的に導き出せる。
したがって、前記手続補正書による補正は、新規事項を加入するものではないと認められる。
よって、異議申立人のこの部分の主張は採用できない。

5本件発明
上記の如く訂正及び補正が認められたため、本件発明は、訂正明細書の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりの次のものである。
「【請求項1】 ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至るリヤードアウエザーストリップであり、リヤードアサッシュ(21)にリテーナー(22)を介して嵌着する基底部(31)及びその基底部(31)の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁(10)の車内側下内向き傾斜面(11)と弾接させる中空シール部(32)、及び前記基底部(31)の車外側に一体形成してボディパネル開口縁(10)の車外側略水平面(13)と弾接させるシールリップ(33)よりなるリヤードアウエザーストリップにおいて、中空シール部(32)に、前記傾斜面(11)に弾接するシール壁(g)とこのシール壁(g)と基底部(31)とを結ぶ室外側連結壁(h)及び室内側連結壁(i)とを形成し、中空シール部(32)の室内側連結壁(i)にリテーナー(22)の室内側鈎部(23)の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部を形成し、しかも、室内側連結壁(i)とシール壁(g)との境界をリテーナー(22)から離して形成し、ドア閉時のみに、前記凸湾曲部先端付近を前記室内側鈎部(23)に接触させ、しかも、中空シール部(32)が前記リテーナー(22)以外のリヤードアサッシュ(21)には弾接しない構成のリヤードアウエザーストリップ。
【請求項2】 ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至るリヤードアウエザーストリップであり、リヤードアサッシュ(21)にリテーナー(22)を介して嵌着する基底部(31)及びその基底部(31)の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁(10)の車内側下内向き傾斜面(11)と弾接させる中空シール部(32)及び、前記基底部(31)の車外側に一体形成してボディパネル開口縁(10)の車外側略水平面(13)と弾接させるシールリップ(33)よりなるリヤードアウエザーストリップにおいて、中空シール部(32)に前記傾斜面(11)に弾接するシール壁(g)とこのシール壁(g)と基底部(31)とを結ぶ室外側連結壁(h)及び室内側連結壁(i)とを形成し、中空シール部(32)の室内側連結壁(i)にリテーナー(22)の室内側鈎部(23)の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く肉厚凸部(37)を形成し、しかも、室内側連結壁(i)とシール壁(g)との境界をリテーナー(22)から離して形成し、リヤードア閉時のみに、前記肉厚凸部(37)先端付近を前記室内側鈎部(23)に接触させ、しかも中空シール部(23)が前記リテーナー(22)以外のドアサッシュ(21)には弾接しない構成のリヤードアウエザーストリップ。」

6新規性及び進歩性について
(1) 刊行物1(甲第3号証)について
その図1ないし図4において、ウエザストリップ5は、リアドアウエザストリップであって、ルーフ部からリアーコーナー部を経てリアークォーターピラー部に至るものである旨が記載されている。また、ウエザストリップ5はドアサッシ2の外周に形成したリテーナ部20に取付ける取付基部51、取付基部51からドア内方向へ突出する中空状のシール部52、及び、取付基部51からシール部52とは別に伸び出すリップ53を備えている旨が記載されている。
(2) 刊行物2(甲第4号証)について
その第3図において、ドアサッシュにリテーナを介して嵌着する基底部及びその基底部の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁の車内側下内向き傾斜面と弾接させる中空シール部、及び前記基底部の車外側に一体形成してボディパネル開口縁の車外側略水平面と弾接させるシールリップよりなるドアウエザーストリップが記載されている。また中空シール部は、前記傾斜面の弾接するシール壁とこのシール壁と基底部とを結ぶ室外側連結壁及び室内側連結壁とから形成され、中空シール部の室内側連結壁にリテーナーの室内側鈎部の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る斜めの壁が形成され、しかも、室内側連結壁とシール壁との境界がリテーナーから離して形成され、ドア閉時のみに、斜めの壁が室内側鈎部に接触する構成のドアウエザーストリップが記載されている。
また、9頁11行ないし14行において、「なお、前記一実施例においては、車両用のフロントドアにおけるウェザストリップについて説明したが、リアドアにおいても採用できることは勿論である。」と記載されている。

(3) 対比・判断
本件発明と刊行物1及び2に記載の発明とを対比すると、刊行物1及び2には、本件発明の構成要件である「室内側鈎部の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部(請求項2では肉厚凸部)を形成し」の構成と「凸湾曲部(請求項2では肉厚凸部)先端付近を前記室内側鈎部に接触させ」の構成が記載されていない。
そして該構成により、本件発明は、特許明細書に記載されているように、リヤーコーナー部での中空シール部の転び、潜り込みを防止しながら中空シール部断面の巨大化、複雑化を回避することが出来る効果を奏するものと認められる。
なお、甲第5号証は、中空シールを室外側に倒すものであり、くびれ部を備えてはいるが、凸湾曲部あるいは肉厚凸部を有するものではない。
したがって、本件発明が、上記各刊行物に記載のものと同一もしくはそれらから当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

7むすび
以上のとおりであるから、本件発明の特許については、異議申立の理由及び提出された証拠からは取り消すことができないし、また、他に取り消すべき理由も発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、平成6年改正法附則14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令205号)4条2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
リヤードアウエザーストリップ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至るリヤードアウエザーストリップであり、リヤードアサッシュ(21)にリテーナー(22)を介して嵌着する基底部(31)及びその基底部(31)の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁(10)の車内側下内向き傾斜面(11)と弾接させる中空シール部(32)、及び前記基底部(31)の車外側に一体形成してボディパネル開口縁(10)の車外側略水平面(13)と弾接させるシールリップ(33)よりなるリヤードアウエザーストリップにおいて、中空シール部(32)に、前記傾斜面(11)に弾接するシール壁(g)とこのシール壁(g)と基底部(31)とを結ぶ室外側連結壁(h)及び室内側連結壁(i)とを形成し、中空シール部(32)の室内側連結壁(i)にリテーナー(22)の室内側鈎部(23)の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部を形成し、しかも、室内側連結壁(i)とシール壁(g)との境界をリテーナー(22)から離して形成し、ドア閉時のみに、前記凸湾曲部先端付近を前記室内側鈎部(23)に接触させ、しかも、中空シール部(32)が前記リテーナー(22)以外のリヤードアサッシュ(21)には弾接しない構成のリヤードアウエザーストリップ。
【請求項2】 ルーフ部(15)からリヤーコーナー部(17)を経てリヤークォーターピラー部(16)に至るリヤードアウエザーストリップであり、リヤードアサッシュ(21)にリテーナー(22)を介して嵌着する基底部(31)及びその基底部(31)の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁(10)の車内側下内向き傾斜面(11)と弾接させる中空シール部(32)及び、前記基底部(31)の車外側に一体形成してボディパネル開口縁(10)の車外側略水平面(13)と弾接させるシールリップ(33)よりなるリヤードアウエザーストリップにおいて、中空シール部(32)に前記傾斜面(11)に弾接するシール壁(g)とこのシール壁(g)と基底部(31)とを結ぶ室外側連結壁(h)及び室内側連結壁(i)とを形成し、中空シール部(32)の室内側連結壁(i)にリテーナー(22)の室内側鈎部(23)の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く肉厚凸部(37)を形成し、しかも、室内側連結壁(i)とシール壁(g)との境界をリテーナー(22)から離して形成し、リヤードア閉時のみに、前記肉厚凸部(37)先端付近を前記室内側鈎部(23)に接触させ、しかも中空シール部(23)が前記リテーナー(22)以外のドアサッシュ(21)には弾接しない構成のリヤードアウエザーストリップ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、リヤードアサッシュに取付け、ボディパネル開口縁と弾接させ、リヤードアサッシュ・ボディパネル開口縁との間をシールするリヤードアウエザーストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 図1乃至図6を参考にして説明する。ボディパネル開口縁、特にルーフ部・クォーターピラー部に対応するリアドアサッシュに取付け、ボディパネル開口縁10と弾接させ、リヤードアサッシュ21・ボディパネル開口縁10との間をシールさせる従来のリヤードアウエザーストリップ30として、まず図2乃至図4に示すように、リヤードアサッシュ21にリテーナー22を介して嵌着する基底部31及びその基底部31の車内側に一体形成して内下向きの段状のボディパネル開口縁10の車内側下内向き傾斜面11と弾接させる中空シール部32、前記基底部31の車外側に一体に形成した、ボディパネル開口縁10の車外側水平面13と弾接させるシールリップ33よりなるものが使用されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のリヤードアウエザーストリップ30は、リヤードア20を閉じる際、ルーフ部15とリヤークォーターピラー部16とでは、ドア20の進入軌跡が異なり、図3に矢印Zでドア20の進行方向を示す如く、リヤークォーターピラー部16では中空シール部32がボディパネル開口縁10の車外側水平面13と干渉し合わない如く中空シール部32上面とボディパネル開口縁10の車外側水平面13との隙間Sを若干大きくしている。
【0004】
そのため、リヤーコーナー部17において、中空シール部32の転び・他部品の精度等に起因して、リヤードア20を閉めた時、図4に示すように、中空シール部32のコーナー部12下方への潜り込みが発生し、シール性が悪化することがあると言う問題点がある。
【0005】
その対策として、図5に示すように、中空シール部32の下面をリヤードアサッシュ21の室内側の面に直接当接させたり、図6に示す如く突起36を設け、その突起36をリヤードアサッシュ21の室内側の面に当接させたりして、中空シール部32の潜り込みを防止しているが、リヤードアウエザーストリップ30の断面が巨大化・複雑化すると言う問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする問題点は、上記従来のリヤードアウエザーストリップ30は、リヤコーナー部17においてドア20の閉時に中空シール部32の転びにより、中空シール32のコーナー部12下方への潜り込みが発生しシール性が悪化することがあることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 図1及び図7乃至図10を参考にして第1の発明を説明する。第1の発明は、ルーフ部15からコーナー部17を経てリヤークォーターピラー部16に至るリセードウエザーストリップであり、リヤードアサッシュ21にリテーナー22を介して嵌着する基底部31、及びその基底部31の車内側に一体形成し、ボディパネル開口縁10の車内側下内向き傾斜面11と弾接させる中空シール部32及び前記基底部31の車外側に一体形成してボディパネル開口縁10の車外側略水平面13と弾接させるシールリップ33よりなるリヤードアウエザーストリップ30において、中空シール部32に、前記傾斜面11に弾接するシール壁gとこのシール壁gと基底部31とを結ぶ室外側連結壁h及び室内側連結壁iとを形成し、中空シール部32の室内側連結壁iにリテーナー22の室内側鈎部23の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部を形成し、しかも、室内側連結壁iとシール壁gとの境界をリテーナー22から離して形成し、リヤードア閉時のみに、前記凸湾曲部先端付近を前記室内側鈎部23に接触させ、しかも、中空シール部32が前記リテーナー22以外のりヤードアサッシュ21には弾接しないものである。
【0008】
図1及び図11乃至図14を参考にして第2の発明を説明する。第1の発明における中空シール部32の室内側下面を下向きに凸に湾曲させる代わりに、リヤードア20のリテーナー22の室内側鈎部23の室内側の面に少なくとも長手方向に線接触させることが出来る如く肉厚凸部37を形成してある。
【0009】
【実施例】 第1の発明の実施例について図1及び図7乃至図10を参考にして説明する。10は下内向きの段状のボディパネル開口縁、11はボディパネル開口縁10の室内側下内向きの傾斜面、12は傾斜面11とその下端から内向き水平に延びる水平面14とによって形成されるコーナー部、20はリヤードア、21はリヤードアサッシュ、22はそのリヤードアサッシュ21に取付けたりテーナー、23はそのリテーナー22の室内側鈎部である。
【0010】
30は前記ボディパネル開口縁10とリヤードアサッシュ21との間をシールするドアウエザーストリップであって、次のように構成される。
【0011】
31は前記リテーナー22に嵌着する基底部である。32,33はそれぞれ前記ボディパネル開口縁10の傾斜面11及び該傾斜面11の車外側水平面13と弾接させる中空シール部及びシールリップであって、それぞれ基底部31の室内側及び室外側に一体に形成してある。そのうえ、中空シール部32の室内側下面をリヤードア20のリテーナー22の室内側鈎部23の少なくとも室内側の面に線接触(好ましくは、図10のEの範囲を面接触)させることが出来る如く下向きに凸に湾曲させ凸湾曲部を形成してある。なお、挿入作業性の悪化を回避するため、リテーナー22との間に隙間Tを設けることも可能である。
【0012】
第2の発明の実施例について、図1及び図11乃至図14を参考にして説明する。第2の発明は、第1の発明における中空シール部32の室内側下面を下向きに凸に湾曲させる代わりに、リヤードア20のリテーナー22の室内側鈎部23の室内側の面に線接触(好ましくは、図14のFの範囲を面接触)させることが出来る如く肉厚凸部37を形成してある。なお、その他の構成は第1の発明と同じである。
【0013】
【作用】 リヤードア20を閉じ、中空シール部32を変形させた時、第1の発明では、中空シール部32の室内側下面の凸湾曲部が、第2の発明では、肉厚凸部37が、それぞれリテーナー22の室内側鈎部23の少なくとも室内側の面に線接触(好ましくは、図10のE、図14のFの範囲に面接触)するため、リヤーコーナーコーナー部17における中空シール部32の転びを防止することが出来、中空シール部32のコーナー部12下方への潜り込みを防止し、シール性を向上させることが出来る。また、以上のように構成することにより、断面の巨大化・複雑化を回避することが出来る。
【0014】
【発明の効果】 本発明は以上のように構成されるため、中空シール部32のリヤーコーナー部17における中空シール部32の転び、及び中空シール部32のコーナー部12下方への潜り込みを防止し、シール性を向上させることが出来る。しかも、断面は従来並に小さく、単純である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車の側面図である。
【図2】 第1従来例を示す図1のA-A断面図である。
【図3】 第1従来例のボディパネル開口縁との干渉状態を示す図1のB-B断面図である。
【図4】 第1従来例のボディパネル開口縁コーナー部への潜り込みの状態を示す図1のC-C断面図である。
【図5】 第2従来例を示す図1のC-C断面図である。
【図6】 第3従来例を示す図1のC-C断面図である。
【図7】 第1の発明の実施例を示す断面図である。
【図8】 第1の発明の実施例のリヤードアを閉じた状態を示す図1のC-C断面図である。
【図9】 図7のものの転び対策の効果を示す断面図である。
【図10】 図7のものの中空シール部の下面をリテーナーの鈎部へ当接させる範囲を示す要部断面図である。
【図11】 第2の発明の実施例を示す断面図である。
【図12】 第2の発明の実施例のリヤードアを閉じた状態を示す図1のC-C断面図である。
【図13】 図11のものの転び対策の効果を示す断面図である。
【図14】 図11のものの中空シール部の下面をリテーナーの鈎部へ当接させる範囲を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 ボディパネル開口縁
11 傾斜面
12 コーナー部
13 外水平面
14 内水平面
15 ルーフ部
16 リヤークォーターピラー部
17 リヤーコーナー部
20 リヤードア
21 ドアサッシュ
22 リテーナー
23 鈎部
30 リヤードアウエザーストリップ
31 基底部
32 中空シール部
33 シールリップ
35 シール面
36 突起
37 肉厚凸部
E,F 範囲
S,T 隙間
Z ドア進入方向
g シール壁
h 室外側連結壁
i 室内側連結壁
 
訂正の要旨 (特許請求の範囲)
a 請求項1の「下方に凸に湾曲させた凸湾曲部」を不明瞭な記載の釈明を目的として「下向きに凸に湾曲させた凸湾曲部」と訂正する。
b 請求項1及び請求項2の「リヤークォーターピラー部(15)」を誤記の訂正を目的として「リヤークォーターピラー部(16)」と訂正する。
c 請求項2の「室内内側連結壁(h)」を誤記の訂正を目的として「室外側連結壁(h)」と訂正する。
(発明の詳細な説明)
d 明細書段落番号【0007】,【0008】,【0011】及び【0012】中の記載について上記aと同じ趣旨の訂正をする。
e 明細書段落番号【0007】中の記載について上記bと同じ趣旨の訂正をする。
異議決定日 2002-02-01 
出願番号 特願平6-13238
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B60J)
P 1 651・ 55- YA (B60J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 川村 健一  
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 鈴木 法明
ぬで島 慎二
登録日 2000-08-18 
登録番号 特許第3099162号(P3099162)
権利者 西川ゴム工業株式会社
発明の名称 リヤードアウエザーストリップ  
代理人 古田 剛啓  
代理人 古田 剛啓  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ