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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1061110 |
異議申立番号 | 異議2001-71002 |
総通号数 | 32 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-04-03 |
確定日 | 2002-04-17 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3093266号「画像信号符号化方法」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3093266号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3093266号の請求項1ないし3に係る発明についての出願は、1992年4月14日(パリ条約による優先権主張1991年4月25日、独国)を国際出願日とする出願であって、平成12年7月28日にその特許の設定登録がなされ、その後、異議申立人桜井小夜子、及び申立人株式会社東芝より特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成14年1月7日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、再度取消理由が通知され、その指定期間内である平成14年3月28日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否について (1)訂正の内容 特許権者が平成14年3月28日付け訂正請求により求めている訂正の内容は、以下の訂正事項aないしfのとおりである。 ア.訂正事項a 特許請求の範囲に記載の 「【請求項1】画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング又はデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換して、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、当該の所定の大きさ(サイズ)の正方形ブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、当該符号化前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々所定の正方形サイズの2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11〜14,21〜24)のブロックの走査線セクションを分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシングするようにし(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのような分類し直し、又は、再アドレス指定は行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングが行なわれたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の方形のサイズを有する各4つの輝度ブロックが、そのつど1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたことを特徴とする画像符号化方法。 【請求項2】上記ブロックは8×8の画素の所定の大きさを有するようにした請求項1記載の方法。 【請求項3】上記走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングを運動検出器(24)の出力信号により、および/又はハイブリッドエンコーダ(25)にて生成された運動ベクトルにより制御されるようにした請求項1または2記載の方法。 【請求項4】各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して動き(運動)検出のため2つの順次連続する同じ空間位置のブロックからの画像の絶対値差が形成され、ここで、当該のブロック又はダブルブロックに対する当該絶対値-差の瞬時の和が所定閾値を越えると、走査線セクションの分類し直し、又は、再アドレス指定であるリアドレッシングが行われるようにした請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。」を、 「1.所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11-14,21-24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたことを特徴とする画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行う方法。 2.上記走査線セクションのソートし直しを運動検出器(24)の出力信号により、および/又はハイブリッドエンコーダ(25)にて生成された運動ベクトルにより制御されるようにした請求項1記載の方法。 3.各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して動き(運動)検出のため2つの順次連続する同じ空間位置のブロックからの画像の絶対値差が形成され、ここで、当該のブロック又はダブルブロックに対する当該絶対値差の瞬時の和が所定閾値を越えると、走査線セクションのソートし直しが行われるようにした請求項1又は2項記載の方法。」と訂正する。 イ.訂正事項b 発明の名称の「画像信号符号化方法」を「画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法」と訂正する。 ウ.訂正事項c 明細書第1頁第3行目に記載の「本発明は画像信号符号化方法に関する。」を、「本発明は画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法に関する。」と訂正する。 エ.訂正事項d 明細書第1頁第11行中に記載の「画像符号化」を、「画素ブロックのコーディング及びデコーディング」と訂正する。 オ.訂正事項e 明細書第1頁下から第15行目から第2頁第13行に記載の 「上記課題の解決のため、本発明によれば、画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダを用いて、直交変換及びこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング又はデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックは当該の直交変換処理を受け、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換処理を受けるようにして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ここで、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、当該の所定の大きさ(サイズ)の正方形ブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容の場合、当該符号化前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々所定の正方形サイズの2つのブロック内にてインターレース走査される画素のブロックの走査線セクションを分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシングするようにし、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列されるようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのような分類し直し、又は、再アドレス指定は行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングが行なわれたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の方形のサイズを有する各4つの輝度ブロックが、そのつど1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたのである。」を、 「上記課題の解決のため、本発明によれば、 所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11-14,21-24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたものである。」と訂正する。 カ.訂正事項f 明細書第3頁第8ないし9行中に記載の「ソート(分類し直し)又はアドレッシングし直し」、明細書第3頁第17行中「ソート(分類)し直し」及び明細書第4頁第25行中「分類し直しであるリソーティング」を、「ソートし直し」と訂正する。 キ.訂正事項g 明細書第3頁第26ないし28行に記載の「8*8の大きさの代わりに、当該ブロックは一般に(2*n)*(2*m)の大きさを有し得る。但し、n=1,2,3,・・・,m=1,2,3,・・・。」とあるのを削除する。 ク.訂正事項h 明細書第5頁第14行ないし第6頁第11行を削除する。 (2)訂正内容の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (訂正事項aについて) 訂正事項aは、訂正前の請求項2の要件であった画素のブロックが所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックであるという事項を請求項1に包含させることにより、請求項1を限定するとともに訂正前の請求項2を削除し、訂正前の請求項3,4を請求項2,3に繰り上げ、また「符号化」を「コーディング」に記載を統一し、さらに「分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシングするようにし」、「分類し直し、又は、再アドレス指定」、「分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシング」及び「分類し直し、又は、再アドレス指定であるリアドレッシング」とあるのを出願当初の明細書に記載されていた「ソートし直し」に用語を統一し、また請求項1に記載の「コーディング又はデコーディングを行う方法」を「コーディング及びデコーディングを行う方法」と限定し、これにあわせて請求項の末尾も「画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行う方法」と一致させるよう訂正したものである。したがって、当該訂正は特許請求の範囲の減縮、もしくは明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (訂正事項bないしhについて) 訂正事項bないしhは、特許請求の範囲の記載との整合をとるための訂正であり、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3)むすび 以上、上記訂正は特許法第120条の4第3項で準用する第126条第1項ただし書および第2項の規定に適合するものであるから、上記訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 (1)申立ての理由の概要 また、申立人株式会社東芝は、証拠として甲第1号証:特開平3-1688号公報、甲第2号証:特許第3093266号の登録公報、甲第3号証:特開昭63-234788号公報、甲第4号証:特開平3-91045号公報を提出し、特許第3093266号の請求項1ないし4に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、また、請求項1は特許法第36条第6項第1号、第2号、及び同法第17条の2第3項にも違反するものであるから、特許を取り消すべきと主張している。 (2)本件発明 上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件特許第3093266号の請求項1ないし3に係る発明は、平成14年3月28日付け訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次に掲げるとおりのもの(以下「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)である。 「(上記2.(1)アのとおり)」 (3)引用刊行物に記載された発明 a.当審が通知した取消理由で引用した特開平3-1688号公報(申立人桜井小夜子が提出した甲第1号証、申立人株式会社東芝が提出した甲第1号証。以下「刊行物1」という。)には、「高能率画像符号化装置」に関し、以下の事項が記載されている。 「2:1飛越し走査された画像信号は、入力端子より入力され、マクロブロック化回路2で第2図(A)に示すとおり8画素×16ラインのマクロブロックよりなる複数のマクロブロックに分割される。なお図中の黒丸は第1フィールドの画素を表わし、白丸は第2フィールドの画素を表わす。静動判定回路3では各マクロブロック内の映像が動いているか静止しているかを判定する。静止していると判定された場合にはスイッチ4およびスイッチ7をフィールド間ブロック化回路5に接続する。映像が静止ししている領域では、フィールドにまたがってフレーム内で隣接するライン間の相関の方がフィールド内で隣接するライン間の相関より強いと考えられる。そこでフィールド間ブロック化回路5では、マクロブロックを第2図(B)に示すとおりに、1ないし8ライン目までのブロックと9ないし16ライン目までのブロックとに分割する。ブロックの大きさはともに8画素×8ラインとなる。 一方、マクロブロック内の映像が動いていると判定された場合にはスイッチ4およびスイッチ7をフィールド内ブロック化回路6に接続する。映像が動いている領域では、フィールド内で隣接するライン間の相関の方がフィールドにまたがってフレーム内で隣接するライン間の相関より強いと考えられる。そこでフィールド内ブロック化回路6では、マクロブロックを第2図(C)に示すとおり、奇数ライン目のみの画素からなるブロックと偶数ライン目のみの画素からなるブロックとに分割する。ブロックの大きさはともに8画素×8ラインとなる。スイッチ4およびスイッチ7の切換えがどのように行われたかの切換え情報は付加情報として出力端子16より出力される。 離散コサイン変換回路8では、フィールドブロック化回路5またはフィールドプロック化回路6で形成された各ブロック毎に画像信号が離散コサイン変換され、8×8個のコサイン変換係数が得られる。」(3頁左上欄17行ないし左下欄16行) b.当審が通知した取消理由で傍証として引用した特許第3093266号の登録公報(本件登録公報。以下「刊行物2」という。)(申立人株式会社東芝が提出した甲第2号証)には、従来技術の説明として「ISO-MPEG(ISO:International Organisation for Standardization,MPEG:Motion Picture Expert Group)により提案、提示されている画像信号のハイブリッド符号化のための方法では順次走査される入力信号が、ブロックごとにDCTにより処理され、その際そのつど、8*8の画素のブロックが符号化ないし復号化され、フレーム間符号化画像が、規則的間隔をおいてフレーム内符号化画像により置換されている。」(2頁4欄34行ないし41行)と記載されている。 c.当審が通知した取消理由で引用した特開昭63-234788号公報(異議申立人株式会社東芝が提出した甲第3号証。以下「刊行物3」という。)には、「符号化局から復号化局へ変換符号化されたデジタル画像信号を転送するテレビジョンシステム」に関し、以下の事項が記載されている。 「ピクセルx(i、k)のブロックは、フィールド内変換またはフレーム内変換をうける。また、指示ビットMDは、その係数のブロックがどちらの変換モードで得られたかを示す。」(5頁右上欄16行ないし20行) 「この動き検出器8310は、画像内の対象物が2個の連続するフィールドの間の機関で動いたか否か、そしてこの動きの何かが8×8個のピクセルのブロック内で知覚出来るか否かを決定する。」(7頁右上欄2行ないし6行) 「動き検出器8310が2個の連続するフィールドの内の一つでしか動きを検出しないであろうことを意味する。この特別な場合には、この変換回路83はユーザによってフレーム内変換モードに設定されるか、あるいは自動的にこのモードに設定されるようにすればよい。」(10頁左上欄4行ないし9行) 「画像表示を行なうために、フィールド内逆変換に基づいて得られた画像信号標本値またはフレーム内逆変換に基づいて得られた画像信号標本値が、受信されたスイッチング信号MDに応じて選択される」(11頁左上欄15行ないし19行) d.当審が通知した取消理由で引用した特開平3-91045号公報(異議申立人株式会社東芝が提出した甲第4号証。以下「刊行物4」という。)には、CCITTのテレビ電話機標準化案に関し、マクロブロックが、8×8のブロックを水平垂直方向各々2ブロック集めた計4ブロックにより構成されることが記載されている。 e.当審が通知した取消理由で引用したDRAFT REVISION OF RECOMMENDATION H.261 VIDEO CODEC FOR AUDIOVISUAL SERVICES AT p×64 kbit/s 1990年(平成2年3月30日発行)第1頁および第14頁(異議申立人桜井小夜子が提出した甲第2号証。以下「刊行物5」という。)には、マクロブロックは4つの輝度ブロックと、2つの色差ブロックからなり、上下左右に配列された4つのブロックを結合して1つのマクロブロックとすることについて記載されている。 f.当審が通知した取消理由で引用した「動画像の符号化とその標準化」PCSJ90画像符号化講演会-符号化アルゴリズムの基礎から標準化動向まで-平成2年11月13日(火)、第35頁ないし第41頁(異議申立人桜井小夜子が提出した甲第3号証。以下「刊行物6」という。)には、1つのマクロブロックは4つの輝度ブロックと、2つ色差ブロックからなり、各ブロックが8×8画素からなることについて記載されている。 (4)本件発明と刊行物発明との対比・判断 (本件発明1について) 本件発明と刊行物1ないし6に記載された発明とを対比・検討すると、刊行物1ないし6に記載された発明は、本件発明1における次に掲げる主要な事項を具備していないし、刊行物1ないし6には、この主要な事項を示唆する記載もされていない。 「コード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにした点」 刊行物4ないし6には、4つのブロックにより1つのマクロブロックを形成する点については示唆があるものの、4つのブロックに対して共通の付加情報を追加される点については何らの示唆もされていない。そして、上記の主要な事項により、本件発明は1マクロブロックあたり必要な付加情報を少なくすることができ、コーディングにおいて格別な効果を奏するものである。 したがって、本件発明1は、刊行物1ないし6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (本件発明2及び3について) 本件発明2及び3は、何れも、本件発明1を直接あるいは間接に引用して、その構成を更に限定したものであるから、上記(本件発明1について)と同じ理由により、上記刊行物1ないし6に記載された発明から容易に発明をすることができたものともいえない。 (5)特許法第36条第6項及び第17条の2第2項違反について 申立人株式会社東芝が指摘している記載不備について検討する。 ア.「ハイブリッドエンコーダの技術的意味が不明りょう」であるとする点は、上記訂正によりハイブリッドエンコーダが、デコーディングにも用いられる点が明りょうとなり、技術的意味が不明りょうであるとはいえない。 イ.「当該画像内容における動きに無関係に」なる記載は、直交変換を行う時点では、既に走査線セクションのソートし直しが必要に応じて行われているので、直交変換そのものは画像内容における動きにより影響を受けることがないという意味に理解でき、不明瞭であるともいえない。 ウ.用語が統一的に用いられていない点の不備については、上記訂正により解消された。 エ.「分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシング」という表記が不明りょうであると主張する点は、上記訂正による該当記載の訂正により解消された。 オ.申立人が特許法17条の2第2項違反を主張している点については、上記訂正により、特許請求の範囲中の「分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシング」なる表記を「ソートし直し」と改め、さらに明細書中の該当する記載については削除されたため、特許法17条の2第2項に違反するものともいえない。 (6)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし3に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法 【発明の詳細な説明】 本発明は画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法に関する。 技術分野 DE3642664において示されている変換回路を用いて8*8-は2*(4*8)-DCT-変換が行なわれ得る(DCT=discrete cosine transformation)。制御線路上のロジックレベルの選定により8*8-と2*(4*8)-DCTとの間で切換えを行ない得る。 発明の開示 本発明の基礎を成す課題とするところはインターレース走査された入力信号をも処理し得る、順次走査される画像信号に適するコーデックを用いて画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法を提供することにある。 上記課題の解決のため、本発明によれば、 所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11-14,21-24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたものである。 本発明の方法の有利な発展形態は当該の引用請求項に記載されている。 ISO-MPEG(ISO:International Organisation for Standardization,MPEG:Motion Picture Expert Group)により提案、提示されている。画像信号のハイブリッド符号化のための方法では順次走査される入力信号が、ブロックごとにDCTにより処理され、その際そのつど、8*8の画素のブロックが符号化ないし復号化され、フレーム間符号化画像が、規則的間隔をおいてフレーム内符号化画像により置換されている。その場合、符号化効率はまたそのようなブロック内の画素の比較的高い相関に基づく。インターレース走査されたソース信号をそのようなハイブリッドエンコーダで処理しようとする際には、ダイナミック画像内容の場合においてコード化効率が低下し、ないしコード化のために必要なデータレートが上昇する、それというのは夫々2番目毎の走査線が、異なった動きフェーズのブロックに由来し、それにより、当該画素の相関が、そのようなブロック内で低下するからである。これに反しスタチック(静的)な画像内容の場合コード化効率は維持される。ダイナミックな画像内容の場合2つの相互に上下に位置する8*8の画素ブロックからの、最初の(第1の)フィールドに属する走査線が1つの第1の(最初の)8*8ブロックにまとめられ、そして、当該の2つの相互に上下に位置する8*8ブロックからの、第2のフィールドに属する走査線が1つの第2の8*8ブロックにまとめられて、当該の形態でハイブリッドエンコーダに供給される。入力信号の再構成(再編成)により、インターレース信号の場合、DE3642664におけるように8*8-と2*(4*8)-DCT変換との間で、ハイブリッドエンコーダにて切換える必要がなく、ダイナミック画像内容の場合にも8*8DCTを有利に実施し得る。動き検出によって検出されるのは静的(スタチック)な又は動的(ダイナミック)な画像内容が生じているか否か、そしてそれに相応して当該走査線のソートし直しが行なわれるか否か、ということである。ブロックごとないし2重ブロックごとのビットにより当該情報は夫々のブロックのコード化データに付加され得る。 当該のデコーディングの際相応の走査線が、再びもとの順序にもたらされ、その際当該の動き情報が評価される。上記の規格提案内容によれば夫々4つの正方形に配置されたルミナンス(輝度)-画素-ブロックが1つのマクロブロックにまとめられている。有利にはそのような1つのマクロブロックの相互に上下に位置する各2つのブロックが、1つの対を成す。その際各マクロブロックごとの1ビットがソートし直しを指示し得る。 図面 次に図を用いて本発明の実施例を説明する。 図1はスタチック及びダイナミックな画像内容の場合のブロック内部での走査線配置状態を示し、図2はコーデックに対する本発明の付加回路のブロック接続図である。 実施例 図1a及び図1bはX-Y平面内のルミナンス-又はクロミナンス画素の各2つの相互に位置するブロックを示す。上記ブロックはわかり易い表示のため8*8の大きさの代わりに、夫々4*4の大きさを有する。それらの数値の最初(第1)の数字はブロック番号を示し、第2の数字は1つのブロック内の走査線番号を示す。 順次走査される形態での公知ハイブリッドエンコーダのコード化されるべきないしデコード化された画素は図1aに示すように配置されている。このことは同様にインターレース走査される画素の場合におけるスタチック(静止)画像内容を有する画素についても成立つ。ダイナミックな画像内容の場合は当該符号化前に2つの相互に上下に位置するブロックの走査線が図1bに示すように入替えられ、デコーディングの後再び図1aに示すように配置される。 図2は上記の規格提案に相応するハイブリッドエンコーダ25を示す。当該入力側21には画像nのインターレース走査された画像信号が供給されこれは画像メモリ22と動き検出器24内に供給される。画像メモリ22からは動き検出器24により必要とされる画像n-1のデータ(2つの相互に上下に位置するブロック)及び2つの夫々関与するブロックの走査線セクションが読出されてブロックメモリ23内に読込まれ、該ブロックメモリからはハイブリッドエンコーダは夫々8*8ブロックを取出し得る。ブロックメモリ23においてはスタチックな画像内容の場合における画素が、図1aに相応して、そして、ダイナミックな画像内容の場合における画素が、図1bに相応して中間記憶される。 当該動き検出器は種々の手法に従って実現され得る。例えば各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して、画像nとn-1の同じ空間位置のブロックからの画素の絶対値差が形成され得る。選択的に、動き検出器の代わりにハイブリッドエンコーダ25により形成された動きベクトル(例えば夫々2つの相互に上下に位置するブロックに対して)使用され得る。当該絶対値差の夫々の和および又は相応の動きベクトルの大きさ(当該ブロック又は複数ブロックに対して)が所定閾値を越える(換言すればダイナミック画像内容が存在する)と、当該画素は図1bに相応して、そしてそうでない(ダイナミックでない)場合は図1aに相応してブロックメモリ23中に中間記憶される。 当該ソートし直しは次の指示事項に相応して行なわれ得る。 DO y=1,N/2 DO x=1,N Bout1(x,y)=Bin1(x,2*y-1) Bout2(x,y)=Bin1(x,2*y) ENDDO ENDDO DO y=1,N/2 DO x=1,N Bout1(x,y+N/2)=Bin2(x,2*y-1) Bout2(x,y+N/2)=Bin2(x,2*y) ENDDO ENDDO, 但し、Bin1は位置的に比較的に高いブロックであり、そしてNは偶数である。上記の例においてNは値“4”である。Bin1は図1a中上方ブロックを表わし、Bin2は図1a中下方ブロックを表わし、Bout1は図1b中上方ブロックを表わし、Bout2は図1b中下方ブロックを表わす。 (57)【特許請求の範囲】 1.所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11-14,21-24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたことを特徴とする画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行う方法。 2.上記走査線セクションのソートし直しを運動検出器(24)の出力信号により、および/又はハイブリッドエンコーダ(25)にて生成された運動ベクトルにより制御されるようにした請求項1記載の方法。 3.各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して動き(運動)検出のため2つの順次連続する同じ空間位置のブロックからの画像の絶対値差が形成され、ここで、当該のブロック又はダブルブロックに対する当該絶対値差の瞬時の和が所定閾値を越えると、走査線セクションのソートし直しが行われるようにした請求項1又は2項記載の方法。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 a.請求項1にかかる記載 「 【請求項1】画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング又はデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換して、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、当該の所定の大きさ(サイズ)の正方形ブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容(24)の場合、当該符号化前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々所定の正方形サイズの2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11〜14,21〜24)のブロックの走査線セクションを分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシングするようにし(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのような分類し直し、又は、再アドレス指定は行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングが行なわれたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の方形のサイズを有する各4つの輝度ブロックが、そのつど1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたことを特徴とする画像符号化方法。」を 「 【請求項1】所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 ・当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 ・ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11・14,21・24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 ・スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 ・コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 ・所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたことを特徴とする画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行う方法。」 と訂正する。なお下線部分が訂正事項である。これに伴い請求項1の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的として明細書第1頁下から第15行目から第2頁第13行の 「 上記課題の解決のため、本発明によれば、画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダを用いて、直交変換及びこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング又はデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックは当該の直交変換処理を受け、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換処理を受けるようにして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ここで、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 -当該画像内容における動きに無関係に、当該の所定の大きさ(サイズ)の正方形ブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 -ダイナミック画像内容の場合、当該符号化前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々所定の正方形サイズの2つのブロック内にてインターレース走査される画素のブロックの走査線セクションを分類し直しであるリソーティング、ないし再アドレス指定であるリアドレッシングするようにし、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列されるようにし、 -スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのような分類し直し、又は、再アドレス指定は行われないようにし、 -コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングが行なわれたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 -所定の方形のサイズを有する各4つの輝度ブロックが、そのつど1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたのである。」を 「 上記課題の解決のため、本発明によれば、 所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックをコーディングするハイブリッドエンコーダ(25)を用いて、直交変換ないしこれに対応する逆の変換により所定の大きさの画素ブロックのコーディング及びデコーディングを行なう方法であって、上記コーディングにおいて前記の画素ブロックを当該の直交変換し、上記のデコーディングにおいて対応する当該の逆の変換をして、前記の画素ブロックを生成するようにし、ダイナミックの画像内容の場合に修整変更された処理が行なわれるようにした方法において、 ・当該画像内容における動きに無関係に、前記所定の大きさの正方形の8×8画素のブロックのみを前記コーディングにて直交変換し、前記デコーディングにて直交的に逆変換し、 ・ダイナミック画像内容(24)の場合、前記コーディング前に垂直方向で相互に上下に位置する夫々前記所定の大きさの正方形の8×8画素の2つのブロック内にてインターレース走査される画素(11・14,21・24)のブロックの走査線セクションをソートし直し(図1b)、それにより、上記ブロックの各々内で、当該画像信号の1つのフィールドからの走査線セクションのみが含まれているようにし、そして、当該デコーディング後当該の走査線セクションは再びもとの(最初の)順序に配列される(図1a)ようにし、 ・スタチックな画像内容の場合、走査線セクションにおけるそのようなソートし直しは行われないようにし、 ・コード化された画像信号に所定情報が付加されるようにし該情報は走査線セクションのソートし直しが行われたか否かを表わすものであるようにし、そして、当該情報はデコーディングの際相応に再評価されるようにし、 ・所定の大きさの正方形の8×8画素からなる4つの輝度ブロックが、1つの正方形の形状、形体に結合され、そして、上記の4つの結合されたブロック内部で、夫々、垂直方向に相互に上下に位置するブロックが配置され、当該のコード化された画像信号に追加される付加情報が、夫々、上記4つの結合されたブロックに対して共通に成立つものであるようにしたものである。」 と訂正する。 b.請求項2にかかる記載 「 【請求項2】上記ブロックは8×8の画素の所定の大きさを有するようにした請求項1記載の方法。」を削除する。 c.請求項3にかかる記載 「 【請求項3】上記走査線セクションの分類し直しであるリソーティングないし再アドレス指定であるリアドレッシングを運動検出器(24)の出力信号により、および/又はハイブリッドエンコーダ(25)にて生成された運動ベクトルにより制御されるようにした請求項1または2記載の方法。」を 「 【請求項2】上記走査線セクションのソートし直しを運動検出器(24)の出力信号により、および/又はハイブリッドエンコーダ(25)にて生成された運動ベクトルにより制御されるようにした請求項1記載の方法。」 と訂正する。 d. 請求項4にかかる記載 「 【請求項4】各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して動き(運動)検出のため2つの順次連続する同じ空間位置のブロックからの画像の絶対値差が形成され、ここで、当該のブロック又はダブルブロックに対する当該絶対値-差の瞬時の和が所定閾値を越えると、走査線セクションの分類し直し、又は、再アドレス指定であるリアドレッシングが行われるようにした請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。」を 「 【請求項3】各々のコード化すべきブロックないしダブル(2重)ブロックに対して動き(運動)検出のため2つの順次連続する同じ空間位置のブロックからの画像の絶対値差が形成され、ここで、当該のブロック又はダブルブロックに対する当該絶対値差の瞬時の和が所定閾値を越えると、走査線セクションのソートし直しが行われるようにした請求項1又は2項記載の方法。」 と訂正する。 e.発明の名称の「画像信号符号化方法」を「画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法」と訂正し、明細書第1頁第3行目の「本発明は画像信号符号化方法に関する。」を「本発明は画素ブロックのコーディング及びデコーディング方法に関する。」と訂正し、明細書第1頁第11行中に「画像符号化」とあるのを「画素ブロックのコーディング及びデコーディング」と訂正する。 f.明細書第3頁第8行・第9行中「ソート(分類し直し)又はアドレッシングし直し」、明細書第3頁第17行中「ソート(分類)し直し」及び明細書第4頁第25行中「分類し直しであるリソーティング」と云う各記載を「ソートし直し」と訂正する。 g.明細書第5頁第14行・第6頁第11行を削除する。 h.明細書第3頁第26行・第28行中の「8*8の大きさの代わりに、当該ブロックは一般に(2*n)*(2*m)の大きさを有し得る。但し、n=1,2,3,...,m=1,2,3,...。」とあるのを削除する。 |
異議決定日 | 2002-03-29 |
出願番号 | 特願平4-507990 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H04N)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 國分 直樹 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
石川 伸一 山本 章裕 |
登録日 | 2000-07-28 |
登録番号 | 特許第3093266号(P3093266) |
権利者 | ドイチエ トムソン-ブラント ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング |
発明の名称 | 画像信号符号化方法 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 坪井 淳 |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |