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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) C01B
管理番号 1064902
審判番号 無効2000-35042  
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-08-01 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-01-17 
確定日 2002-05-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2705023号発明「被処理物の酸化方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2705023号の訂正後の請求項1ないし2、7ないし9に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第2705023号の請求項1乃至11に係る発明についての出願は、平成6年11月2日(優先日平成5年11月26日 日本国)に特許出願され、平成9年10月9日にその発明について特許の設定登録がなされたが、その後、本件特許に対し異議の申立てがなされ、平成11年3月25日付け訂正請求がなされ、平成11年8月31日付けで本件特許を維持する旨の異議の決定がなされ、同年9月16日にその異議の決定が確定したものである。
これに対して、ホーヤ・ショット株式会社から平成12年1月14日に請求項1、2及び7乃至10に係る発明の特許に対し無効審判の請求がなされ、平成12年5月12日付け訂正請求がなされ、平成13年1月31日に口頭審理がなされ、その後書面審理とされたものである。
II.訂正の適否
1.訂正の内容
平成12年5月12日付け訂正の内容は、平成11年3月25日付けで訂正された本件特許明細書を訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに、すなわち訂正事項a及び訂正事項bのとおりに訂正するものである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の「請求項7」を削除する。
(2)訂正事項b
特許請求の範囲の請求項7の削除に伴い、「請求項8乃至請求項11」の番号を繰り上げてそれぞれ「請求項7乃至請求項10」とし、かつ請求項8で引用する「請求項7」を「請求項6」に、請求項9で引用する「請求項8」を「請求項7」に、請求項10で引用する「請求項9」を「請求項8」に、それぞれ訂正する。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは、請求項7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当し、また、訂正事項bは、請求項7の削除に伴って請求項の番号を整理するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当する。そして、これら訂正は、特許明細書に記載した事項の範囲内でなされたものであるから新規事項の追加に該当せず、当該訂正によって実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
3.むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号、以下「平成6年改正法」という)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第134条第2項ただし書の規定及び特許法第134条第5項で準用する平成6年改正法による改正前の第126条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.本件訂正後の特許発明
本件審判請求の対象となっている請求項1、2及び7乃至10に係る発明については、請求項7を削除する上記訂正を認容することができるから、訂正後の本件発明は、請求項8以降の番号が繰り上げられた請求項1、2及び7乃至9に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、それぞれ「本件訂正発明1、2及び7乃至9」という)。
「【請求項1】キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項2】キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させるとともに、前記真空紫外光を当該被処理物にも照射させて、それらの協同作用で当該被処理物を酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項7】被処理物を酸化させる際に、被処理物の表層または当該被処理物の酸化物が気体として当該被処理物から除去されるように酸化することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の被処理物の酸化方法。
【請求項8】誘電体バリヤ放電ランプの形状が、二重円筒型もしくは平面型であることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の被処理物の酸化方法。
【請求項9】誘電体バリヤ放電ランプの真空紫外光の取出部は、合成石英ガラス、サファイヤ、アルカリ金属ハライド、もしくはアルカリ土類金属ハライドのうちから選択された材料から成ることを特徴とする、請求項8に記載の被処理物の酸化方法。」
IV.請求人の主張と証拠方法及び記載事項
1.請求人の主張
請求人は、先ず、本件特許発明の特許性判断の基準日について次の(1)に示す主張をすると共に、証拠方法として下記2.の証拠を提出して、訂正前の本件請求項1、2及び7乃至10に係る発明の特許は、次の(2)乃至(3)の理由により、無効とすべきである旨主張している。
(1)本件特許発明の特許性判断の基準日について
本件の請求項1、2及び7乃至10に係る発明に共通する「キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、」という構成の特に、「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」という構成は、国内優先権主張の基礎となった出願(特願平5-319238号、出願日平成5年11月26日)の明細書及び図面には何ら記載がなく、後の出願である特願平6-291999号の明細書及び図面に段落【0034】や図11等として新たに追加された内容のものであるから、当該構成を有する本件特許発明の特許性判断の基準日は、後の出願の出願日である平成6年11月2日である。
(2)無効理由について
(2-1)無効理由1について
本件特許発明の特許性判断の基準日が平成6年11月2日であれば、甲第1号証乃至甲第3号証は本件特許出願前に公然と頒布された刊行物であると云えるから、本件請求項1、2及び7乃至10に係る発明は、これら証拠と下記証拠方法に示す証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(2-2)無効理由2について
仮に本件特許発明の特許性判断の基準日が平成5年11月26日であるとしても、本件請求項1、2及び7乃至10に係る発明は、下記証拠方法に示す甲第4号証乃至甲第8号証、甲第10号証乃至甲第11号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
なお、訂正前の請求項7に係る無効理由については、請求人自らが口頭審理の場で平成12年5月12日付けの上記訂正を認めると共にこの訂正により解消されたことをも認めた(第1回口頭審理調書参照)ので、その内容の記載は省略する。
2.証拠方法及び記載事項
甲第1号証乃至甲第13号証には、それぞれ次の事項が記載されている。
(1)甲第1号証:「光技術コンタクト」Vol.32、No.2、(社)日本オプトメカトロニクス協会、I994年(平成6年)2月20日発行、第30頁乃至第37頁
(a)「われわれは、誘電体バリア放電を励起源としたエキシマランプの実用化を目的にして、種々の検討を行っているが、本報告では、放電用ガスとしてキセノン、クリプトン/塩素およびキセノン/塩素を使用した中空円筒形誘電体バリア放電エキシマランプの特性および応用について報告する。」(第30頁右欄第12行乃至第18行)
(b)「まず、図1を使用して、誘電体バリヤ放電について簡単に説明する。放電ランプの構造は、2枚の誘電体、例えば石英ガラス板によって放電空間を形成し、石英ガラス板の外側に放電用の電極を設けた構成である。ランプとして使用する場合には、光を取り出すために、一つの電極を網状など光透過性にする。」(第30頁右欄乃至第31頁第2行)
(c)「放電ランプの形状としては、2枚の円板状の誘電体を平行に配置することによって円板状の放電空間を形成した円板形、あるいは同軸中空円筒形(図2参照)が主に使用されている。・・・光り取り出し用の窓部材を有さない構造の放電ランプ装置も提案されている。」(第31頁右欄第33行乃至第32頁左欄第6行)
(d)「5.エキシマ光照射装置の特性
20ワット型エキシマ光照射装置の外観を図6に、光出力特性を表2に示す。照射装置は電源部と照射ユニット部に分かれている。照射ユニットにはランプ1本と反射鏡を収納しており、照射口の大きさは100×100mmで、照射ユニット内を窒素パ一ジする構成である。また、真空中や特殊なガス中における試料に照射を行う場合には、上記照射ユニットに別の処理ユニットを接続出来る構造になっている。」(第33頁右欄乃至第34頁左欄第2行)
(e)「6.応用
6.1 光洗浄(UV/O3洗浄)
精密洗浄法の1つとして紫外線とオゾンを使用する光洗浄がある。従来は185nmと254nm光を放射する低圧水銀灯が用いられてきた。原理を下記に示す。185nmは空気中の酸素に吸収されオゾンを発生し、254nm光はオゾンに吸収され、活性な原子状酸素に分解する。一方185nmのような短波長紫外線は有機物の結合を切断し、原子状酸素の酸化作用と切断の作用により、有機物は酸化分解揮発される。キセノンエキシマランプの放射紫外線の波長は中心波長172nmで半値幅は14nmである。やはり大気中の酸素に吸収される。175nmより短波長は直接原子状の酸素に分解すると報告されている。172nmはまた185nm光と同様にO3を生成し、原子状の酸素を生成する経路も有する。172nmでの酸素の吸収係数は185nmでの1桁以上高く空気中で強度が1/eになるのがわずか3mmである。この間でオゾン、原子状酸素を生成するので、いままで光源から数十mmの距離で吸収され、オゾン、原子状の酸素を生成していた、低圧水銀ランプに比較し、管壁数ミリの距離では、本ランプのそれら生成濃度は10倍以上であると考えられる。
この効果と172nm光が185nm光より光子のエネルギーが大きいため、有機物の切断力が高いことと相まって、従来の低圧水銀ランプより、洗浄効果が高いと予想される。」(第34頁右欄乃至第35頁左欄)
(f)「6.2プラスチックの表面改質
プラスチックを大気中または減圧状態での酸素雰囲気で照射し、172nmという短波長でプラスチックの表面の結合を切断し、前章で説明したメカニズムで生成した、O3および原子状酸素の強力な酸化作用により、カルボニル基・・・など極性基をプラスチック表面に導入し、塗装のぬれをよくし、接着強度を上げる手法である。」(第35頁右欄13行乃至第21行)
(2)甲第2号証:特開平6-210286号公報
(a)「被処理物と処理用流体を接触させて該被処理物を処理する方法において、被処理物と処理用流体に誘電体バリヤ放電ランプからの1種の紫外線照射を照射して処理する方法は、処理が不完全であったり、あるいは処理の速度あるいは処理効率が必ずしも十分ではないという問題があった。」(第2頁第2欄第47行乃至第3頁第3欄第3行)
(b)「誘電体バリヤ放電ランプが、気密な放電空間を有し、紫外線を透過する光取り出し窓部材を通して紫外線を放射する場合には、nm単位で表した波長範囲・・・120から190・・・の波長範囲の紫外線を放射させる事により、高効率、高品位の処理方法が達成される。なぜなら上記波長範囲の紫外線は、少なくとも、それぞれ主たる発光用ガスとして、・・・キセノン・・・を使用することにより、それぞれの混合ガスのエキシマ分子によって発光可能であるが、これらのガスを使用することにより、発光用ガスの劣化が少なく、かつ光取り出し窓部材の劣化が少ない状態を実現できるからである。」(第3頁第4欄段落【0008】)
(c)「【実施例】本発明の第1の実施例である水処理方法の概略図を図1に示す。・・・第1の実施例に使用した同軸円筒形誘電体バリヤ放電ランプの概略図を図2に示す。放電容器13は石英ガラス製で内側管14と外側管15を同軸に配置して中空円筒状にしたものである。内側管14と外側管15は誘電体バリヤ放電ランプの誘電体バリヤと光取り出し窓部材を兼任しており、それぞれの外面に光を透過する金属網からなる電極16、17が設けられている。」(第3頁第4欄第44行乃至第4頁第5欄第5行)
(d)「第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a、6bは、発光ガスの主成分としてキセノンガスが封入されており、172nm付近で最大値を有する120から190nmの波長範囲の紫外線を放出する。」(第4頁第5欄第19行乃至第22行)
(e)「処理用流体である酸素1が処理用流体供給口2から多孔質の泡発生器8を通して泡状にして反応容器5に供給され、被処理物供給□4から反応容器5に供給された被処理物である水3に混合される。該被処理物である水と処理用流体である酸素の混合物に、反応空間領域10、11において第2および第1の誘電体バリヤ放電ランプ7a、7bおよひ6a、6bからの紫外線が同時に照射される。第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a、6bから放射される紫外線によって酸素から非常に活性である酸素原子とオゾンとが生成される。該オゾンは第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a、7bから放射される紫外線と第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a、6bら放射される紫外線によって活性酸素原子と酸素分子に分解されるが、第1の紫外線と第2の紫外線のオゾンによる吸収係数が異なるので、反応空間領域10、11の広い範囲において活性酸素原子が生成される。」(第4頁第5欄第26行乃至第42行)
(3)甲第3号証:特開平6-210287号公報
「本発明の第3の実施例は、第1の実施例において第2の誘電体バリヤ放電ランプの発光物質を第1の誘電体バリヤ放電ランプと同一にするか、あるいは第1、第2の誘電体バリヤ放電ランプの放電空間を同一にして、すなわち1個の誘電体バリヤ放電ランプにした構成を特徴とする。この実施例では、反応空間領域8、9において主にオゾンを生成し、被処理物とオゾンの混合ガスに対して反応空間領域10、11において紫外線を照射して、被処理物の処理を行うものである。この実施例の方法では、装置が簡単になるという利点が生じる。」(第5頁第8欄段落【0020】)
(4)甲第4号証:「洗浄設計 UV/O3クリーニング」1981年秋季号、第37頁乃至第46頁
(a)「2.UV/O3クリーニングとは?
UV/O3クリーニングとは、紫外線(Ultra Violet ray)による有機化合物の化学結合の切断効果とオゾンの強力な酸化効果とを組み合せることにより、有機質汚れを揮発性の物質(たとえば、炭酸ガス、水、窒素など)に分解除去する洗浄方法である。」(第38頁左欄)
(b)「O3とO3の分解生成時に生ずる原子状酸素は非常に強力な酸化剤である。
つまり、UV/O3クリーニングは、極短波長の光(たとえば184.9nm)と酸素との反応によるO3発生と短波長の光(たとえば253.7nm)のもつ化学結合解離効果とを組み合せた、光化学的酸化分解プロセスである。」(第39頁左欄第2行乃至第9行)
(5)甲第5号証:「洗浄設計 紫外放射とオゾンを利用した光洗浄装置」1987年夏季号、第10頁乃至第16頁
「これらから、光洗浄法の原理を要約すれば、紫外放射による有機物の化学結合の切断効果と、紫外放射により発生したオゾンと励起酸素原子の強力な酸化効果の組合わせにより、有機物を分解・気化して除去する方法と言えよう。」(第12頁左欄)
(6)甲第6号証:特開平1-228590号公報
(a)「第1図は、本願発明のオゾン水活性化装置に使用される紫外線ランプ1の断面図を示す。発光管11は、少なくとも150nm乃至180nm・・・の波長域に光の透過域を有する単結晶質もしくは多多晶質セラミックス製であるが、本実施例では、内径が6mmであり、真空紫外域を良く透過する多結晶アルミナ管からなる。・・・この発光管11の両端には、例えば、ニオブからなるキャップ12が嵌着して封止している。キャップ12には電極13が取付けられており、その間隔(放電長)は8cmである。電極13はステンレス筒14とその内部に配置されたタングステンコイル15からなり、コイル15には、エミッターとして、SrO、BaOおよびCaOの三元アルカリ土類酸化物が塗布されている。発光管11内には、希ガスとしてキセノンガスまたはキセノンガスに数%の他の希ガスが混入したガスが封入される。」(第2頁下段右欄第6行乃至第3頁上段左欄第5行)
(b)「次に、第4図は、本オゾン水活性化装置の実施例を示す。・・・ここで生成したオゾンを含む空気がパイプ61で容器3に導かれる。容器3の底面には、微小な噴出孔が多数形成されたノズル6が配置されており、パイプ61で導かれたオゾンはこのノズル6から水中に噴出して溶解し、水をオゾン水に転化する。」(第3頁上段右欄第17行乃至下段左欄第11行)
(7)甲第7号証:「応用物理」第58巻第2号、応用物理学会発行、1989年2月10発行、第298乃至第306頁、第342頁
(a)「光灰化は、紫外線のエネルギーにより有機物の化学結合を切断し、雰囲気の酸素との反応でCO2、H2Oなどの低分子に変化させ、レジストの除去を行うとされているが、これだけでは、レジストの種類による灰化速度の違いなどに、充分な説明ができない。
本論文は、光灰化について、・・・ノボラック系フォトレジストを中心に、若干の検討を行ったので報告する。また、比較的高速にレジスト除去が行えるO3雰囲気での光灰化が、最近報告されているが、本論文では、光灰化の基本的な特性とメカニズムを検討するために、N2およびO2雰囲気での光灰化について報告する。」(第299頁左欄)
(b)「2.1装置概要
Fig.1に実験装置の概要を示す。装置はステンレス製で、反応チャンバーとランプハウスに分かれている。ランプハウスの紫外線光源には、184.9nmなどに輝線を持つ、110およひ500Wの低圧水銀灯を使用した。酸素による紫外線の吸収を防ぐために、ランプハウスにはN2ガスを流した。ランプハウスと反応チャンバーは合成石英板で隔てられ、紫外線は、この合成石英窓を通して反応チャンバー内に導入され、サンプル面に垂直に照射するようにした。反応チャンバーは、ロータリーポンプで排気して、O2ガス、あるいはN2ガスを導入し、マスフローコントローラにより、500ml/min程度の一定流量で流れるようにした。」(第299頁「2.実験」の項)
(c)「同時にレジスト表面では、184.9、253.7nmの紫外線、および熱によって、雰囲気のO2がオゾンO3や酸素ラジカルO*の生成分解を繰り返しているために、レジスト内に生成しているラジカルがこれと結合し、架橋反応を妨げ、相対的に切断反応が増加してレジストが低分子量化し、除去されていくと考えられる。」(第305頁右欄「3.3.4 考察」の項)
(d)「ポジ型ノボラック系フォトレジストの光灰化速度は、O2雰囲気では実用的とは言えない。しかし、レジスト表面の活性な酸素の存在が大きく作用していると考えられるので、O3雰囲気での光灰化のように、活性な酸素を効率よく生成し、効果的にレジスト表面にアタックさせることにより、さらに高速化が可能であると考えられる。」(第306頁「4. むすび」の項)
(8)甲第8号証:特開昭60-212226号公報
(a)「第1図は、本発明の実施例に使用される装置の断面図を示すが、照射室1は図示略の装置箱に内蔵されて二重構造をなし、発生したオゾンが外部に漏洩しないようになっている。照射室1内の上方には紫外線ランプ2としてU字状の350W高出力低圧水銀灯が2本配設され、その背部にミラー3が配設され、紫外線ランプ2の光は下方に向けて照射される。」(第2頁上段右欄19行乃至下段左欄第6行)
(b)「次に、被処理体5の上方の位置に石英ガラス板7が配設されており、被処理体5と紫外線ランプ2とを区画しているが、」(第2頁下段左欄第14行乃至第16行)
(c)「しかして、被処理体5の近傍に処理用ガスが供給され、紫外線ランプ2を含む空間か減圧され、もしくは更に窒素ガスが注入される。そして、紫外線ランプ2が点灯されると紫外線は被処理体5の表面に照射され、表面に付着していた有機汚染物は分解されて洗浄などの処理がなされる。」(第3頁上段左欄第9行乃至第14行)
(d)「窒素ガスのように不活性であって紫外線を吸収しないガスの注入孔14が設けられている。」(第2頁下段右欄第7行乃至第9行)
(9)甲第9号証の1:「広辞苑第三版」岩波書店発行、1988年10月11日、第1137頁
「じゅうてん(充填):つめてふさぐこと。」
(10)甲第9号証の2:「新明解国語辞典第四版」三省堂発行、1996年2月1日、第573頁
「じゅうてん(充填):ある効果が現れるように、空間・(空所)がふさがるほど何かを一杯詰めること。」
(11)甲第9号証の3:「新明解国語辞典第三版」三省堂発行、1987年12月15日、第523頁
「じゅうてん(充填):ある効果が現れるように、空間・(空所)がふさがるほど何かを一杯詰めること。」
(12)甲第9号証の4:「新明解国語辞典第五版」三省堂発行、1997年12月10日、第637頁
「じゅうてん(充填):ある効果が現れるように、空間(空所)がふさがるほど何かを一杯詰めること。」
(13)甲第10号証:特開平5-117061号公報
(a)「この発明は、繊維、不織物、織物或いはシートによって形成される基体2の表面2Sの洗浄及び改良方法に関する。この表面2Sの洗浄或るいは改良のための反応基は、60nmから350nmの波長を有する紫外光線をガス分子に照射することによって形成される。このように形成される反応基は、基体2の表面2Sを反応させる。」(第2頁段落【0006】)
(b)「この発明の表面処理方法によれば、基体表面が耐熱性を持たない材料で形成される場合であっても、基体表面は、この発明の表面処理方法による洗浄或いは改良が可能である。この方法によれば、洗浄作用ばかりでなく、表面の薄い有機体の層を取り除くことも可能である。」(第2頁段落【0007】)
(c)「60nmから100nm、或いは107nmから165nmの波長を有する紫外線は、それぞれ、ヘリウムガスやアルゴンガスにより製造することができる。また、160nmから190nmの波長を有する紫外線は、キセノンガスを充填された高出力放射器3を使って製造することができ、この場合の最大波長は、172nmとなる。フッ化アルゴン或いはフッ化クリプトンガスを充填すると、それぞれ、180nmから200nm、或いは240nmから255nmの波長を有する紫外線を製造することができる。300nmから320nmの波長を有する紫外線は、キセノンガスと塩素ガスの混合ガスを充填した高出力放射器3を使って製造することができ、また、222nmの波長を有する紫外線は、クリプトンガスと塩素ガスとの混合ガスを使用することにより製造することができる。また、この高出力放射器3は、準波動方式で駆動される。」(第3頁段落【0011】)
(d)「反応装置1に配置された基体2が、その全表面にわたって表面処理される場合には、高出力放射器3が基体表面2Sと同じ範囲の放射領域に使用される。空気、酸素、アンモニア、塩素、フッ素、塩化水素、フッ化水素或いは他のガスは、紫外放射による光束によって反応基に粘着されるが、これはフィードパイプから伝えることができる。基体2は、例えばポリカーボネイト/スチレンポリマー混合体(PC/ABS)によって製造される。高出力放射器3には、キセノンガスが充填される。電子の衝撃のために、励起されたキセノン原子によりキセノン放電が起こり、その結果、エキサイマー放射が形成される。製造された紫外線は、172nmの波長を有する。・・・紫外線による酸素分子の分裂の間、とても反応の良い破砕生成物であるO( 3P)及びO( 1D)は、全基体表面或いは表面の吸収層が反応することにより製造される。その上、反応性に富み、基体2表面で反応するオゾンは、酸素分子の酸素原子の反応により形成される。」(第3頁段落【0012】)
(14)甲第10号証の2:欧州特許第0254111号明細書
甲第10号証の記載の中で「高出力紫外線放射器3」を説明するために引用された文献であり、「高出力紫外線放射器3」の説明内容は甲第10号証の3の記載内容と同じ。
(15)甲第10号証の3:米国特許第4、837、484号明細書
(a)「高出力放射器は、一方の側に位置して空冷される金属電極8及び誘電体9に覆われた放電空間12を含み、その放電空間12が不活性ガスで充填され、誘電体9と他方の電極が放電空間12から離間して対面し、無声放電により発生された放射線に対して透光性である。」(フロント頁の「要約」の項訳文)
(b)「紫外線高出力放射器として、プレート4は紫外線に透光性である、例えば水晶又はサファイアからなる。非常に短い波長の放射の場合には、その物質は、例えばフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムが適している。・・・誘電体プレート4と金属電極1は、1〜10mmの典型的な間隙幅を有する放電空間5の境界を形成している。誘電体プレート4の表面上には、放電空間5から離間して、ワイヤ網6を配置している。」(第3欄第30行乃至第41行訳文)
(16)甲第11号証:特開平1-144560号公報
(a)「第1図に示されているパネル形紫外線高出力放射器は実質的に、2つの水晶又はサファイアプレート1と2とから成り、・・・これらの水晶又はサファイアプレート1と2の外側表面は、比較的網目の荒いワイヤ網5と6を備え、ワイヤ網5と6はそれぞれ、パネル形紫外線高出力放射器の第1又は第2の電極を形成している。」(第4頁上段右欄第15行乃至下段左欄第6行)
(b)「フラット形放射器は例えば、ドライクリーニング工場等の排気ガス用煙突の中に紫外線パネルとして吊下げて、溶剤の残留物(例えばクロール炭水化物)を破壊するために使用される。」(第5頁上段右欄第17行乃至第20行)
(17)甲第12号証の1:特開平6-140350号公報
(a)「本発明の半導体製造装置は、複数のウェハを石英ボートに水平に搭載して縦型炉芯管に下方向から入炉させ、ウェハの酸化、拡散処理を行う際、縦型炉芯管の炉口部に窒素ガスパージノズルを設け、入炉中のウェハと平行方向に窒素ガスを吹き出し、ウェハ間に残存する空気を除去する構造を備えている。」(第2頁段落【0004】)
(b)「本実施例の縦型拡散炉は、石英管3の炉口に装備された窒素ガスパージノズル1からウェハ2と水平方向に窒素ガスをパージさせることにより、入炉中のウェハ間に残存する空気を除去することができる。窒素ガスパージノズル1は石英管3の炉口周辺に複数の窒素ガス吹出し口を有し、石英ボート4に水平間隔に搭載されている入炉中のウェハ2に向けて窒素ガスを吹きつける構造となっている。」(第2頁段落【0007】)
(18)甲第12号証の2:特開平6-130030号公報
「この発明によればアンモニアガス電極を検出端とする自動アンモニア測定装置において、測定セル上部の気相部にパージガス流通口を設け、測定セル等の検水流通系統の洗浄液流通による洗浄工程期間中、測定セルの気相部を清浄空気等の活性ガスでパージしてアンモニアガス電極と洗浄液から発生するガスとの接触を遮断しているので、洗浄液として高い洗浄能力をそなえた塩酸または硝酸のような揮発性の酸の濃厚水溶液の使用が可能となる。」(第3頁段落【0015】)
(19)甲第13号証:「エキシマ光照射装置 技術資料」USHIO電機株式会社発行、96-6-2000SE、第1頁乃至第6頁
甲第1号証の第34頁に記載の「型式UER20-172」と型式番号が同じ「エキシマ光照射装置」の外観図が第5頁及び第6頁に示されており、この外観図には「薄型合成石英ガラスからなる光取り出し窓」が図示されている。
V.被請求人の反論と証拠方法及び記載事項
1.被請求人の反論
(1)本件特許発明の特許性判断の基準日に対して
本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」という構成は、国内優先権主張の基礎となった出願(特願平5-319238号)の明細書及び図面の特に段落【0015】と図1に記載されているから、本件特許発明の特許性判断の基準日は、先の出願の出願日である平成5年11月26日である。
すなわち、「光取り出し窓を有する容器」については、先の明細書の段落【0015】に「真空紫外光を良く透過する材料、例えば合成石英ガラスでの板5で電極を覆って」や「前記石英ガラスは、真空紫外光の取出部も兼ねているので、」と記載されているから、図1の「合成石英ガラス5」は「光取り出し窓」を兼ねる部材であることが明らかである。
そうすると、本件特許発明の「合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器」という構成は、少なくとも光取り出し窓の部材が「合成石英ガラス」であることを意味し、その実施態様として図1に示す「合成石英ガラスの板5」からなる容器と、図11に示す「金属容器30に合成石英ガラスからなる光取り出し窓31を設けた平板型容器34」の両者を包含するものであるから、「光取り出し窓を有する容器」は、先の明細書の段落【0015】と図1に記載されている。
また、「この容器内に窒素ガスを流し」についても、先の明細書に「空所4には窒素ガスを充填してある。」と記載されており、そして「窒素ガスを流す」ことは、乙第1号証や乙第2号証から明らかな如く、「窒素ガスを充填する」ための一実施の形態として自明の事実であるから、先の明細書の「空所4に窒素ガスを充填してある」とは「空所4に窒素ガスを流す」ことを含むことは明らかである。
(2)無効理由に対して
(2-1)無効理由1に対して
本件特許発明の特許性判断の基準日が仮に後の出願の出願日である平成6年11月2日であるとしても、少なくとも本件請求項1に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第10号証等から容易に発明をすることができないものであるから、その他の本件発明も容易に発明をすることができないものである。
すなわち、甲第1号証に記載の「エキシマ光照射装置」には、「合成石英ガラスからなる光取り出し窓部材」は存在しない。また請求人は、甲第1号証の「光取り出し用の窓部材を有さない構造の放電ランプ装置も提案されている」との記載を根拠に、光取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置が提案されている事実は「光取り出し用の窓部材を有する放電ランプ装置」が一般的であることを意味していることであると主張しているが、甲第1号証の上記記載で引用する文献、すなわち光取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置に関する乙第3号証乃至乙第5号証の記載に基づいて「取り出し用の窓部材を有する放電ランプ装置」を想定したとしても、想定される「放電ランプ装置」は本件訂正発明1のランプ構造と全く相違するものであるから、本件訂正発明1は、甲第1号証や甲第2号証、甲第10号証から当業者が容易に発明をすることができたものではなく、その他の本件訂正発明も当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2-2)無効理由2に対して
本件特許発明の特許性判断の基準日は、先の出願の出願日である平成5年11月26日であることが明らかであり、また本件訂正発明1、2及び7乃至9は、甲第4号証乃至甲第8号証、甲第10号証乃至甲第11号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2.証拠方法及び記載事項
乙第1号証乃至第5号証には、それぞれ次の事項が記載されている。
乙第1号証:特開昭61-248249号公報
(a)「窒素ガスを充填するためのチャンバ」(第1頁左欄)
(b)「窒素ガスを窒素ガスチャンバ1内に流す。」(第4頁下段右欄)
乙第2号証:特開昭53-71570号公報
(a)「上記容器内及び筒体部内に窒素N2ガス等の不活性ガスを充填せしめ、」(第1頁左欄)
(b)「そして、上記供給口4から窒素N2ガス等の不活性ガスを供給し、・・・上記不活性ガスで充満して、」(第2頁下段右欄)
乙第3号証:P.Bergonzo et al.,Appl.Surface Science,54(1992)p424〜429
「Development of a novel large area excimer lamp for direct photo deposition of thin films」
「したがって、光成膜プロセスをセンシテイブにするのではなく、直接成膜する目的でウインドウレス放電ランプが開発された。しかしながら、光子生成に使われるイオン化した原子が成膜した薄膜中に存在することがある。エキシマレーザ技術の近年の進歩は、成膜に新しい技術を引き起こしている。しかしながら、エキシマレーザは極めて高価で、動作させるにもコストを要する。そして、極めて限られた範囲しか処理できない。この論文では、誘電体バリア放電ランプに基づいて、新規な大面積可変波長エキシマランプを記述する。」(第425頁左欄第11行乃至第23行訳文)
乙第4号証:H.Esrom,Appl..Surface science,54(1992)p440〜444
「Metal deposition with a windowlessVUV excimer source」
「2.窓なし真空紫外光光源
2.1.電極の構成
真空紫外光の放射は、特殊な不平衡状態のガス放電中における希ガス、すなわち、アルゴン、クリプトン、キセノンのエキシマ形成に基づいておこる。何人かによって報告されているように、これら希ガスエキシマが、瞬間的に連続して、約0.1〜1バールの圧力範囲において、無声放電(誘電体バリア放電)の中で得られる。波長は172nmにピークを有するキセノンエキシマ放射は、まだ高純度石英窓を通して透過可能であるけれども、もっと短い波長にピークを有するクリプトン、アルゴンからのエキシマ放射は、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、弗化リチウムのようなより高価な窓材を使わなければならない。このような窓材は高価であり、所望の大きさで利用することはできない。そして、最も重要なことは、放射のダメージを受けるということである。このことは、カラーセンターの形成を招き、結果としてUV透過率を低下させてしまう。
このような問題は、図1に示す構造により解決できる。断面円筒状のガラス容器の中に1.5cm径の2つのガラスチューブが平行に配置する。これらのガラスチューブは、チューブ間に無声放電を形成するための誘電体として機能する。2つの金属電極は、各々ガラスチューブの中に埋設され、1.25kHzで動作する交流高電圧電源に接続される。ガラスチューブ間は約0.4cmである。電極を冷却することなしに、長さ15cmの2つのガラスチューブ間に20Wまで消費することができた。
照射される基板は、同じ容器の中に仕切窓を設けることなしに配置される。そして、真空紫外光は減衰することなく、また、窓汚れという問題を伴うことなく照射を達成することができる。」(第440頁右欄下から第15行乃至第441頁右欄第9行訳文)
乙第5号証:U.kogelschatz,Appl.Surface science,54(1992)p410〜423
「Silent‐discharge driven excimerUV sources and their applications」
「完全に異なる電極形態がこの会議において初めに紹介される。
多くの放電ギャップが、ガラス、石英、セラミックスのチューブの中に埋設され、平行に配置された円筒状電極間で生じる(図6)。すべての電極は、隣り合った電極間で交流高電圧が供給されるよう交流高圧電源の一の極性に接続される。そして、エキシマ形成ガスの中で放電が生ずると、多数の放電ギャップがかなり広い範囲にわたって、平面UV光源を実現する。大きな弗化マグネシウム窓を使った反応容器か、あるいは窓を使わない内部ランプの形態は、特別な用途で使われる。反応ガスとして、アルゴン、クリプトン、キセノンを使うと、基板は、図7に示すようなスペクトルのエキシマ放射を直接受けることができ、中間の窓部材を使う必要がなくなる。」(第414頁左欄下から第15行乃至右欄第4行訳文)
VI.当審の判断
(1)本件特許発明の特許性判断の基準日について
本件特許発明の特許性判断の基準日について検討するに、先ず本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」という事項に関する後の明細書及び図面すなわち本件特許明細書及び図面の記載箇所と、これら事項に関連する国内優先権主張の基礎となった出願(特願平5-319238号)の明細書及び図面(以下、「先の明細書及び図面」という)の記載箇所とを摘示すると、次のとおりである。
(本件特許明細書及び図面の記載箇所)
(i)「光取り出し窓を有する容器」に関する記載箇所
(a)「図11には、誘電体バリア放電ランプを含むランプ装置について示す。このランプ装置は、図1における平行平板型の放電容器1の替わりに、図7に示した誘電体バリヤ放電ランプと類似の構造の二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ33a、33b、33cを内蔵して、図1における合成石英ガラスの板5で覆う替わりに、光反射板を兼ねた金属容器30に合成石英ガラスからなる光取り出し窓31を設けた平板型容器34を設置した構成である。」(段落【0034】)
(b)「この実施例においては、高価な合成石英ガラス板を多数使用することがないので、安価に平板状光源装置が得られるという利点が生じる。」(段落【0034】)
(ii)「この容器内に窒素ガスを流し」に関する記載箇所
(c)「また、空所4に1分間あたり数リットルの窒素ガスを流すことにより、電極20a、20b、20cの保護に加えて、空所4における真空紫外光の吸収が無くなるので、実質的な平板状光源装置が得られた。」(段落【0034】)
(iii)関連の図面は「図11」
(先の明細書及び図面の記載箇所)
(i)「光取り出し窓を有する容器」に関連する記載箇所
(a)「真空紫外光の取出部の全部もしくは一部が、合成石英ガラス、サファイヤ、アルカリ金属ハライドもしくはアルカリ土類金属ハライドのうちから選択された材料が良いことが言える。」(段落【0008】)
(b)「図1は、本発明に使用する誘電体バリヤ放電ランプの一例の説明図である。図において、1は、合成石英ガラスで作られた放電容器であって、寸法形状は、内寸法で10cm×10cm×0.6cmの平行平板形である。」(段落【0015】)
(c)「前記石英ガラスは、真空紫外光の取出部も兼ねているので、」(段落【0015】)
(d)「本発明においては、上記ランプを酸化雰囲気中で使用することになるので、特に、真空紫外光を良く透過する材料、例えば合成石英ガラスでの板5で電極を覆って、」(段落【0015】)
(e)「したがって、少なくとも当該光の取出部が前記波長域の光を透過する構造になっていれば良く、かつその取出部の材料としては、合成石英ガラスに限定されることなく、サファイヤ、アルカリ金属ハライドやアルカリ土類金属ハライドの単結晶でも良い。そして、放電容器の当該紫外光を取り出さない部分には、反射コートを設けたり、反射コートを兼ねた電極を設けても良い。」(段落【0032】)
(ii)「この容器内に窒素ガスを流し」に関連する記載箇所
(f)「空所4には窒素ガスを充填してある。」(段落【0015】)
(iii)関連の図面は「図1」
(対比・判断)
本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」という事項は、これら事項に関する本件特許明細書及び図面と先の明細書及び図面との上記記載箇所を対比すれば明らかな如く、後の出願明細書及び図面(本件特許明細書及び図面)に追加された「新たな実施例」(段落【0034】や図11に記載された実施例)によって導入された技術的事項である。また、図11と図1に示された実施例同志を対比しても、両者はその構造が別異のものであるから、「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」については、さらに次の理由からみても先の明細書及び図面には示唆されていないと云うべきである。
「光取り出し窓を有する容器」について
「光取り出し窓」という用語は、先の明細書及び図面にはなく、本件特許明細書の段落【0034】で用いられた用語であり、そして、この「光取り出し窓」の「窓」とは、一般には「採光または通風の目的で、壁または屋根を貫いて設けた孔」(「広辞苑」(株)岩波書店発行)という意味であると認められる。
ところで、本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」については、本件特許明細書の段落【0034】に「図1における合成石英ガラスの板5で覆う替わりに」(上記(a)参照)設けられたと明記されており、その構造も、図11から明らかな如く、窓の部分以外の構造が「光反射板を兼ねた金属容器30」であると共に「光取り出し窓31」の部分が容器の一部を貫いて設けられた「孔」に合成石英ガラスが嵌め込まれた構造であるから、図1に示された板5が兼用するような構造のものではない。そして、「光取り出し窓を有する容器」がこのような構造であるからこそ、本件特許明細書の段落【0034】には「高価な合成石英ガラス板を多数使用することがないので、安価に平板状光源装置が得られるという利点が生じる。」(上記(b)参照)という新たな効果が記載されているものと認められる。
然るに、先の明細書及び図面の上記記載を総合すれば、先の明細書及び図1には、「合成石英ガラスの板5で電極を覆う」こと、また電極を覆う合成石英ガラス製板5が「真空紫外光の取出部も兼ねている」ことが記載されているだけであり、そこには容器の一部に「孔」すなわち「窓」を設けるという技術思想は示唆されていない。
そうすると、本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」は、段落【0034】や図11によって、合成石英ガラス板5で覆う図1に示された実施例に替わるものとして新たに追加されたいわゆる「新たな実施例」というべきものである。そして、本件特許発明はこの新たな実施例の追加によって「高価な合成石英ガラスの使用を制限することができる」という先の明細書及び図面の記載から予想することができない新たな効果を奏することと認められるから、「光取り出し窓を有する容器」については、先の明細書及び図面には何ら示唆されていないとするのが相当であると云える。
「この容器内に窒素ガスを流し」について
本件特許発明の「窒素ガスを流し」について、その意味するところを口頭審理の場で被請求人に確認したところ、「窒素ガスを流し続ける」ことであるとの回答が得られている(口頭審理調書参照)から、「空所を充填するために窒素ガスを流す」という意味とは異なり、「空所が充填された後も窒素ガスを流し続ける」という意味と解するのが相当と認められる。
そこで、このような解釈に立って、先の明細書の段落【0015】の記載をみると、そこには「空所4には窒素ガスを充填してある。」と記載されているだけであり、そしてこの「充填」の意味は、甲第9号証の1乃至甲第9号証の4から明らかなように「空間・(空所)がふさがるほど何かを一杯詰めること」と解するのが常識であるから、先の明細書には「窒素ガスを空所に一杯詰める」ことが記載されているのであって、「窒素ガスを空所に流し続ける」ことまで示唆されているとは云えない。このことは、同じ段落【0015】中で「容器の内部にはキセノンを充填し」と表現されている(なお、他の段落【0024】でも「放電空間21にキセノンが充填されている」と表現されている)ことからも裏付けられていると云える。何故なら、キセノンガスは高価なガスであるから、「キセノンを充填し」については「キセノンを一杯詰める」と解するのが自然であってこれを「キセノンを流し続ける」と解することに技術上無理があるからであり、そして同一段落中で使われている「充填」という用語の意味を「一杯詰める」と「流し続ける」とに使い分ける合理的な理由も見当たらないからである。
してみると、本件特許発明の「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」については、先の明細書及び図面には何ら示唆されていないとするのが相当であると云える。
(被請求人の主張について)
被請求人は、先の明細書の段落【0015】の「前記石英ガラスは、真空紫外光の取出部も兼ねているので、」という記載を根拠に、図1の「合成石英ガラス5」は「光取り出し窓」を兼ねる部材であるならば、「合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器」という構成は、少なくとも光取り出し窓の部材が「合成石英ガラス」であることを意味しその実施態様として図1に示す「合成石英ガラスの板5」からなる容器と、図11に示す「金属容器30に合成石英ガラスからなる光取り出し窓31を設けた平板型容器34」の両者を包含するものであるから、「光取り出し窓を有する容器」は、先の明細書の段落【0015】と図1に記載されていると主張している。
しかしながら、被請求人の上記主張は、先の明細書の段落【0015】の記載の「真空紫外光の取出部」が「光取り出し窓」を意味するという前提に立つもののようであるが、先の明細書や図1に示された「取出部」は、容器の一部の板5を意味するだけであり、容器の一部に孔を設けたいわゆる「窓」構造を意味するとする何らの示唆もないから、被請求人の上記主張は採用することができない。
また、被請求人は、「この容器内に窒素ガスを流し」についても、先の明細書の段落【0015】の「空所4には窒素ガスを充填してある。」という記載を根拠に、「窒素ガスを充填する」とは、乙第1号証や乙第2号証から明らかな如く、充填のための一実施の形態として「窒素ガスを流す」ことを含むことも自明の事実であるから、先の明細書の「空所4に窒素ガスを充填してある」という記載には「空所4に窒素ガスを流す」ことが含まれることは明らかであると主張している。
しかしながら、先の明細書の「充填」という用語が充填のために「窒素ガスを流す」ことを含むとしても、この場合の「窒素ガスを流す」とは、せいぜい空所4の充填が完了するまで窒素ガスを流すという意味だけであり、空所が充填された後も「窒素ガスを流し続ける」ことまで意味するとは解せないことは上述したとおりであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
因みに、被請求人が根拠とする乙第1号証及び乙第2号証を検討すると、乙第1号証に記載された窒素ガス、酸素ガスの「充填」の例は、窒素ガス、酸素ガスによる「処理チャンバ内の充填」に関するものであり、これは、本件特許発明では窒素ガス源14や酸素ガス源15から流れる窒素ガスと酸素ガスの混合ガスによる「処理室7内の充填」に関する場合に該当し「空所4の充填」の場合には該当しない。そして、先の明細書でも、この酸素含有混合ガスによる「処理室7内の充填」の場合には、「処理室7には、酸素もしくは酸素を含有するガスの酸化性流体入口10と排出口11とが設けられており」(段落【0016】及び図2参照)という記載中の「流体」という表現から明らかなように、酸素含有混合ガスは「ガスを流す」という意味合いで表現されており、空所4の窒素ガスによる「充填」の場合とは明らかに区別されていると云えるから、乙第1号証は、「処理室7内の充填」の解釈の根拠となり得ても「空所4の充填」の解釈の根拠とはなり得ないと云うべきである。
また、乙第2号証について検討すると、乙第2号証の第2頁下段右欄第7行乃至第11行の記載によれば「ランプ1を収納する容器2及び光の通過する筒体部3」の特に「筒体部3」は、その下端部6が開口7となっており、窒素ガス等の不活性ガスを開口7から吹出すように構成されているから、このような構成のランプ1の場合には「不活性ガスで充満して」とは、ランプ1を収納する容器2及び光の通過する筒体部3を不活性ガスで充満するために「不活性ガスを流し続ける」と解することができるが、しかしながら、先の明細書及び図1に記載の放電ランプの場合には、ガスを吹出す開口部に相当するものが見当たらないから、乙第2号証は、本件のランプの「空所4の充填」の解釈の根拠とはなり得ないと云うべきである。
(むすび)
以上のとおり、国内優先権主張の基礎となった出願(特願平5-319238号)の明細書及び図面には、「光取り出し窓を有する容器」や「この容器内に窒素ガスを流し」という事項について示唆されているとは云えないから、これら事項を構成要件とする本件特許発明の特許性判断の基準日は、これら事項が追加された後の出願の出願日である平成6年11月2日であると認める。
(2)無効理由について
(2-1)無効理由1について
(対比・判断)
本件訂正発明の特許性の判断に際しては、上述したとおり、その判断の基準日が平成6年11月2日であると認められるから、請求人が提出した証拠方法の甲第1号証乃至甲第3号証は、本件出願前に頒布された刊行物であると認められる。
そこで、これら証拠を検討すると、甲第1号証には、「キセノンガスを使用した誘電体バリヤ放電エキシマランプの特性と応用」に関し、
(イ)「キセノンエキシマランプの放射紫外線の波長は中心波長172nmで半値幅は14nmである。やはり大気中の酸素に吸収される。175nmより短波長は直接原子状の酸素に分解すると報告されている。172nmはまた185nm光と同様にO3を生成し、原子状の酸素を生成する経路も有する。」(上記(e)参照)と記載されているから、「放射紫外線を酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾン(O3)と活性酸化性分解物(原子状の酸素)を生成せしめ」ることが記載されていると云える。
(ロ)また、甲第1号証の上記(e)の記載によれば、「光洗浄」の応用例として「185nmのような短波長紫外線は有機物の結合を切断し、原子状酸素の酸化作用と切断の作用により、有機物は酸化分解揮発される。」と記載され、キセノンエキシマランプの放射紫外線は「洗浄効果が高いと予想される。」とも記載されている。そして、この「光洗浄」とは酸化作用を利用したものであるから、甲第1号証には、キセノンエキシマランプの放射紫外線によって生成された「オゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させる」ことが記載されていると云える。
(ハ)さらに、上記(d)の記載と図6によれば、その具体的なエキシマ光照射装置では、照射口を有する照射ユニットに放電ランプが収納され、その照射ユニット内が窒素でパージされていることが明らかである。
そうすると、甲第1号証には、上記(イ)乃至(ハ)の記載を総合すれば「キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが照射ユニットの容器の中に収納され、この照射ユニット内が窒素でパージされ、この誘電体バリヤ放電ランプから照射ユニットの照射口を通して放射される真空紫外光を酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。」の発明(以下、「甲第1発明」という)が記載されていると云える。
(i)本件訂正発明1について
本件訂正発明1と甲第1発明とを対比すると、両者は、「被処理物の酸化方法」に係る点で共通し、その構成をみても「キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが容器の中に内蔵され、この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。」の点で一致し、次の相違点1乃至相違点3の点で相違するだけであると云える。
相違点1:本件訂正発明1は、放電ランプが内蔵される「容器」が「合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器」であるのに対し、甲第1発明は、「照射口を有する照射ユニットの容器」である点
相違点2:本件訂正発明1は、容器内に「窒素ガスを流す(流し続ける)」のに対し、甲第1発明は、容器内を「窒素でパージする」点
相違点3:本件訂正発明1は、真空紫外光を「光取り出し窓を通して」照射するのに対し、甲第1発明は「照射ユニットの照射口を通して」照射する点
次に、これら相違点1乃至相違点3について検討する。
(相違点1について)
「合成石英ガラスからなる光取り出し窓」については、例えば甲第7号証のFig.1や甲第8号証の第1図に示されているとおり、紫外線放電ランプにおける周知の手段である。また、甲第1号証の上記(c)の「光取り出し用の窓部材を有さない構造の放電ランプ装置も提案されている」という記載によれば、取りも直さず「光取り出し窓を有する放電ランプ」は既に提案されていることが明らかである。
そうすると、紫外線放電ランプ装置において、「合成石英ガラスからなる光取り出し窓」自体は周知の手段であると云えるから、誘電体バリヤ放電ランプに係る甲第1発明の場合でもその「照射口」を「合成石英ガラスからなる光取り出し窓」とする程度のことは当業者が容易に想到することができた設計的な事項と云うべきである。
(相違点2について)
本件訂正発明1の「窒素ガスを流す」目的は、真空紫外光の吸収防止や電極の保護であるが、甲第1発明の「窒素でパージ」の目的も紫外光の吸収防止であることは例えば甲第7号証や甲第8号証等の記載からも明らかである。また、一般に「窒素でパージ」する場合には、窒素ガスを流し続けることも通常行われていることであり(要すれば甲第12号証の1及び甲第12号証の2参照)、このことは例えば甲第7号証のFig.1の紫外線放電ランプ装置のランプハウス内に窒素ガスが流し続けられている事実からも窺い知ることができる。そして、窒素ガスを流せば容器内に収納されている電極が保護されることも当業者が容易に予想することができる効果であるから、この相違点2も、格別の創作力を要することなく周知事項に基づいて当業者が容易に想到することができたことと云うべきである。
(相違点3について)
この相違点3は、上記相違点1に付随したものであり、「合成石英ガラスからなる光取り出し窓」を設けることが容易であれば、この「光取り出し窓」を通して真空紫外光を照射することも当然の成り行きであるから、この点には実質的な差異はないと云える。
してみると、相違点1乃至相違点3は、いずれも例えば甲第1号証、甲第7号証及び甲第8号証にみられる周知事項に基づいて当業者が容易に想到することができたものであると云える。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(ii)本件訂正発明2について
本件訂正発明2は、本件訂正発明1の構成に加え「前記真空紫外光を当該被処理物にも照射させて、それらの協同作用で当該被処理物を酸化させること」という構成を有するものである。
そこで、この構成について検討すると、甲第2号証の上記(a)や(e)の記載によれば、誘電体バリヤ放電ランプからの紫外線を被処理物と処理用流体の両方に照射させそれらの協同作用で酸化処理することは本件出願前公知の事項であるから、上記構成も甲第2号証の記載から当業者が容易に想到することができたことであると云える。
してみると、本件訂正発明2は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(iii)本件訂正発明7について
本件訂正発明7は、本件訂正発明1又は2の酸化方法に関し、「被処理物を酸化させる際に、被処理物の表層または当該被処理物の酸化物が気体として当該被処理物から除去されるように酸化する」と限定するものである。
そこで、この構成について検討すると、甲第1号証の上記(e)の「短波長紫外線は有機物の結合を切断し、原子状酸素の酸化作用と切断の作用により、有機物は酸化分解揮発される。」という記載によれば、「光洗浄(UV/O3洗浄)」では酸化物が気体として分解揮発されることが明らかである。また、この事実については、例えば甲第4号証、甲第5号証及び甲第7号証にも記載されているから、上記構成は、紫外光を利用した周知の酸化処理を限定したにすぎないものであると云える。
してみると、本件訂正発明7は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(iv)本件訂正発明8について
本件訂正発明8は、本件訂正発明1、2又は7の「誘電体バリヤ放電ランプ」に関し、その形状が「二重円筒型もしくは平面型」であると限定するものであるが、この形状も周知のものである(要すれば甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第10号証の3、甲第11号証等参照)。
してみると、本件訂正発明8は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(v)本件訂正発明9について
本件訂正発明9は、本件訂正発明1、2、7又は8の「誘電体バリヤ放電ランプの真空紫外光の取出部」に関し、その材料を「合成石英ガラス、サファイヤ、アルカリ金属ハライド、もしくはアルカリ土類金属ハライドのうちから選択された材料から成る」と限定するものであるが、この材料が紫外光の透過性材料として周知のものである(要すれば甲第1号証、甲第7号証、甲第8号証、甲第10号証の3、甲第11号証等参照)。
してみると、本件訂正発明9も、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(被請求人の主張について)
被請求人は、光取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置に関する乙第3号証乃至乙第5号証を提出して、これら証拠に記載の「取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置」から「光取り出し窓を有する放電ランプ」を想定したとしても、導かれる「放電ランプ装置」は本件訂正発明1のランプ構造と全く相違するものである。
そうすると、甲第1号証の上記(c)の「光り取り出し用の窓部材を有さない構造の放電ランプ装置も提案されている。」という記載から「窓部材を有する構造の放電ランプ」が一般的であるとしても、本件訂正発明1を想到することができないことは明らかであると主張している。
しかしながら、「光取り出し窓」の容易想到性については甲第1号証の上記(c)の記載のみを根拠として判断しているわけではなく、甲第7号証及び甲第8号証をも根拠としているから、被請求人の上記主張は採用することができない。
また、被請求人の上記主張は、乙第3号証乃至乙第5号証に記載の「取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置」の図を根拠に、この図示された「窓部材を有さない放電ランプ装置」から直接的に「窓部材を有する構造の放電ランプ」を導こうとするものであるが、乙第3号証乃至乙第5号証に記載された内容は、従来の「窓部材を有する構造」では不都合な問題点があるからそれを改善するために「取り出し用の窓部材を有さない放電ランプ装置」を提案するというものであるから、改善策が施された乙第3号証乃至乙第5号証の記載内容(特に図)からでは、改善前の従来の「窓部材を有する放電ランプ」を直接的に導くことができないのはむしろ当然であると云うべきである。
したがって、被請求人の上記主張は採用することができない。
(請求人の主張について)
請求人は、新たに甲第13号証を提出して、この証拠の第5頁及び第6頁には、甲第1号証の第34頁に記載の「型式UER20-172」と型式番号が同じ「エキシマ光照射装置」の外観図が示されており、この外観図によれば「型式UER20-172」の「エキシマ光照射装置」は「薄型合成石英ガラスからなる光取り出し窓」を備えていることが明らかであるとして、次のような主張をしている。
すなわち、請求人は、「型式UER20-172」のエキシマ光照射装置が甲第1号証に掲載されたということは、甲第1号証が平成6年2月15日印刷され平成6年2月20日発行されたという事実を考慮すれば、「型式UER20-172」のエキシマ光照射装置は、本件訂正発明の特許性判断の基準日である平成6年11月2日以前に公然と販売され公知であったことを窺い知ることができるから、被請求人に尋問すればこの事実が判明するはずであると主張している。
しかしながら、一般的な装置の場合、型式番号が同じであってもマイナーチェンジによって細部が変更されている場合もあり、甲第1号証に記載の「型式UER20-172」のエキシマ光照射装置が甲第13号証に記載のような構造の装置として本件出願前に公然と販売されたとする証拠はない。また、これを裏付ける証拠があればその証拠の提出は請求人側にあると云うべきである。
もっとも、仮にそのような証拠が提出されたとしても、甲第13号証自体は平成13年3月30日付けで提出されたものであり、しかも主引例(甲第1号証)の記載内容の解釈に大きく影響を与えるものであるから、そのような証拠は遅れて提出された証拠として却下されるべきものである。
したがって、甲第13号証を根拠とする請求人の上記主張は、いずれにしても採用することができない。
(2-2)無効理由2について
(対比・判断)
本件訂正発明の特許性判断の基準日については、上述のとおりであるが、請求人は、この基準日を先の出願の出願日である平成5年11月26日であるとした場合の無効理由についても主張しているから、以下、この無効理由2についても検討する。
甲第7号証の特にFig.1には、紫外線光源として低圧水銀灯を使用した「レジストの光灰化」に係る実験装置の概要が図示され、そしてこの装置の概要によれば、
(イ)「紫外線光源の低圧水銀灯が「Quartz window」(合成石英窓)を有するランプハウスの中に内蔵され、このランプハウスに窒素ガスを流し、この低圧水銀灯から放射される紫外光を「Quartz window」を通して、反応チャンバー内に導入させる」装置であることは明らかである。
また、甲第7号証の上記(c)の「同時にレジスト表面では、184.9、253.7nmの紫外線、および熱によって、雰囲気のO2がオゾンO3や酸素ラジカルO*の生成分解を繰り返している」という記載によれば、甲第7号証に記載の「光灰化」でも、紫外線によって酸素がオゾンと酸素ラジカル(活性酸化性分解物に相当)の生成分解が行われているから、
(ロ)「紫外線を酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させている」ことも明らかである。
そうすると、甲第7号証には、上記(イ)及び(ロ)の記載を総合すると、「低圧水銀灯が合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この低圧水銀灯から放射される紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。」の発明(以下、「甲第7発明」という)が記載されていると云える。
(i)本件訂正発明1について
本件訂正発明1と甲第7発明とを対比すると、両者は、共に「紫外光を利用した被処理物の酸化方法」に係り、紫外光を酸素に照射させてオゾンと活性酸化性分解物を生成する点を特徴とするものであるから、「紫外光の光源が合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この紫外光の光源から放射される紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。」という点で一致し、次の点で相違するのみである。
相違点:本件訂正発明1は、紫外光の光源が「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」であるのに対し、甲第7発明は、その光源が「低圧水銀灯」である点
次に、この相違点について検討すると、「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」については、例えば甲第10号証、甲第10号証の3及び甲第11号証に記載されているとおり、本件出願前に既に公知のものである。
また、この「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」から放射される紫外光は、甲第10号証の上記(d)の「電子の衝撃のために、励起されたキセノン原子によりキセノン放電が起こり、その結果、エキサイマー放射が形成される。製造された紫外線は、172nmの波長を有する。・・・紫外線による酸素分子の分裂の間、とても反応の良い破砕生成物であるO( 3P)及びO( 1D)は、全基体表面或いは表面の吸収層が反応することにより製造される。」という記載によれば、本件訂正発明1と同様、酸素に照射されて「オゾンと活性酸化性分解物」を生成させることが明らかであり、この「オゾンと活性酸化性分解物」が「とても反応の良い」破砕生成物であることも明示されている。
さらに、この「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」から放射される紫外光は、甲第10号証の上記(a)及び(b)や甲第11号証の上記(b)の記載によれば、「光洗浄」や「表面の薄い有機体の層を取り除くこと」(甲第10号証の上記(b)参照)にも利用されることが明らかであるから、これら記載を総合すれば、甲第10号証乃至甲第11号証には、本件特許明細書の段落【0014】に示す本件訂正発明1の第1の特徴について記載されていると云える。また、本件特許明細書の段落【0014】や段落【0037】に記載された本件訂正発明1のいわゆる「処理スピードの加速化」という効果についても、172nmの紫外線による破砕生成物が「とても反応の良い」ものであれば「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」から放射される紫外光を酸化処理や光洗浄に使用すると処理スピードが速くなることも当業者であれば容易に予想することができることと云える。
そうであるならば、甲第7号証の記載内容も、そのランプの紫外光に違いはあるものの、紫外光を酸素に照射させてオゾンと活性酸化性分解物を生成させ、これら生成物を酸化処理に利用するという「被処理物の酸化方法」に係る点では甲第10号証乃至甲第11号証の記載内容と共通するものであり、またこれら証拠の間にその適用を阻害する何らの要因も見当たらないから、甲第7発明の紫外光の光源である「低圧水銀灯」に替えて、その処理スピードの向上が予想される「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」を使用することは当業者であれば容易に想到することができたと云うべきである。
してみると、本件訂正発明1は、甲第7発明の「低圧水銀灯」に替えて甲第7号証、甲第10号証乃至甲11号証に記載された「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」を使用することにより当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(ii)本件訂正発明2について
本件訂正発明2は、本件訂正発明1の構成に加え「前記真空紫外光を当該被処理物にも照射させて、それらの協同作用で当該被処理物を酸化させること」という構成を有するものである。
そこで、この構成について検討すると、甲第7号証の上記(b)の「紫外線は、この合成石英窓を通して反応チャンバー内に導入され、サンプル面に垂直に照射するようにした。」という記載によれば、甲第7発明でも紫外光は被処理物(サンプル面)に照射されていることが明らかである。
また、光灰化と共通する処理として周知の「光洗浄」でも、例えば甲第4号証の上記(a)や甲第5号証の記載から明らかなように、紫外線の照射とオゾンや活性酸化性分解物との協同作用で処理することは周知の事項であるから、低圧水銀灯に替えて「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」を導入した場合でも、「真空紫外光を被処理物にも照射させて、それらの協同作用で被処理物を酸化させる」ことは当業者であれば容易に想到することができたことと云える。
してみると、本件訂正発明2は、甲第7号証、甲第10号証乃至甲11号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(iii)本件訂正発明7について
本件訂正発明7は、本件訂正発明1又は2の酸化方法に関し、「被処理物を酸化させる際に、被処理物の表層または当該被処理物の酸化物が気体として当該被処理物から除去されるように酸化する」とさらに限定するものである。
そこで、この構成について検討すると、甲第7号証に記載の「光灰化」でも「高分子の主鎖構造が切断され、低分子量化し、熱によって揮発する光分解灰化型のレジストと考えられる。」(第301頁右欄)と記載されているように、気体として除去されていることが明らかである。また、甲第4号証の上記(a)の記載や甲第5号証の記載にも「UV/O3クリーニングとは揮発性の物質に分解・気化して除去する洗浄法」と記載されているように、紫外光による光灰化や光洗浄では、気体として除去することは周知の事項であり、「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」からの真空紫外光の場合でも同様の処理を行うことができることは当業者であれば容易に予想することができるから、低圧水銀灯に替えて「キセノンを封入した誘電体バリヤ放電ランプ」を導入した場合でも、その酸化処理を「気体として被処理物から除去されるように酸化する」ことは当業者であれば容易に想到することができたことと云える。
してみると、本件訂正発明7は、甲第7号証、甲第10号証乃至甲11号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(iv)本件訂正発明8及び9について
これら発明は、誘電体バリヤ放電ランプの形状や真空紫外光の取出部の材料をさらに限定するものであるが、このような限定の形状については、例えば甲第10号証の3及び甲第11号証によって公知である。また、真空紫外光の取出部の材料についても、例えば甲第11号証にも例示されているし、一般の紫外光放電装置の材料としても周知である。
してみると、本件訂正発明8及び9も、甲第7号証、甲第10号証乃至甲11号証に記載された発明と周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとするのが相当であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(3)結論
以上のとおり、本件訂正後の請求項1、2及び7乃至9に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
VII.むすび
したがって、本件訂正後の請求項1、2及び7乃至9に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
被処理物の酸化方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、
この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項2】 キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、
この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させるとともに、前記真空紫外光を当該被処理物にも照射させて、それらの協同作用で当該被処理物を酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項3】 キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、
この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物に遠紫外光を照射させて活性度を高めて、当該活性度の高まったオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項4】 キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、
この誘電体バリヤ放電ランプから光取り出し窓を通して放射される真空紫外光と、遠紫外光光源から放射される遠紫外光とを、酸素を含む流体に同時に照射させて、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて酸化させることをを特徴とする被処理物の酸化方法。
【請求項5】 被処理物を酸化させる際に、当該被処理物が、真空紫外光もしくは遠紫外光の少なくとも一方の照射を受けていることを特徴とする、請求項3もしくは請求項4記載の被処理物の酸化方法。
【請求項6】 遠紫外光光源は、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、クリプトン沸素エキシマランプ、もしくはクリプトン沸素エキシマレーザであることを特徴とする、請求項3から請求項5のいずれかに記載の被処理物の酸化方法。
【請求項7】 被処理物を酸化させる際に、被処理物の表層または当該被処理物の酸化物が気体として当該被処理物から除去されるように酸化することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の被処理物の酸化方法。
【請求項8】 誘電体バリヤ放電ランプの形状が、二重円筒型もしくは平面型であることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の被処理物の酸化方法。
【請求項9】 誘電体バリヤ放電ランプの真空紫外光の取出部は、合成石英ガラス、サファイヤ、アルカリ金属ハライド、もしくはアルカリ土類金属ハライドのうちから選択された材料から成ることを特徴とする、請求項8に記載の被処理物の酸化方法。
【請求項10】 キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから光取り出し窓を通して放射される真空紫外光と、遠紫外光光源から放射される遠紫外光とを、酸素を含む流体に照射して、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させるとともに前記両紫外光を当該被処理物にも照射させて、これらの協同作用で当該被処理物を酸化させる際に、当該被処理物の表面における遠紫外光光源との間で光吸収のない時の遠紫外光の放射照度をI(mW/cm2)として、誘電体バリヤ放電ランプと当該被処理物の間に存在する酸素を含む流体に対して、前記ランプから放射される真空紫外光の透過最短距離をd(cm)、酸素分圧をp(気圧)とした時、(p×d)/(1+I1/2)の値を、0.33より小さく規定してなることを特徴とする被処理物の酸化方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は被処理物の酸化方法に関し、特に、金属や半導体物質の表面を酸化被膜する方法、あるいは、これら被処理物をドライ精密洗浄等の酸化除去する方法に関する。後者の酸化除去する方法は、具体的には、金属やガラス板の表面に付着した有機化合物の汚れを除去する方法や、半導体製造工程においてシリコンウエハ上の不要になったフォトレジストを除去する方法がある。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属やガラス等の被処理物を傷めることなく、その表面に付着した有機汚染物質を除去する方法や、その表面に酸化膜の層を形成する方法として、紫外光とオゾンの協同作用を利用した処理技術が開発され実用化に至っている。この技術は、例えば単行本「オゾン利用の新技術」(三▲ゆう▼書房発行、昭和61年11月20日)の第9章(第301頁から第313頁、以下文献甲という。)に、原理、装置、洗浄効果、用途などが詳細に解説されている。それによると、低圧水銀ランプから放射される真空紫外光である185nmの光を、酸素を含む空気、あるいは酸素ガスに照射してオゾンを発生させている。そして、同じ低圧水銀ランプから放射される遠紫外光である254nmの光で前記オゾンの一部を分解し、オゾンの分解ガスである活性酸化性分解物を発生させ、これを被処理物の表面に接触させるものである。そして、有機汚染物の洗浄について言えば、この接触によって被処理物の表面に付着した有機汚染物を酸化させて二酸化炭素や水などの低分子酸化物に変化させ、これを被処理物の表面上から除去することによって、当該被処理物の表面をドライ精密洗浄することができる。
【0003】
また、他の方法として、真空紫外光である185nmの光によりオゾンを発生させるのではなく、オゾン発生機で作ったオゾンを直接処理室へ導き、低圧水銀ランプから放射される遠紫外光である254nmの光をオゾンに照射してオゾンを分解し、オゾンと活性酸化性分解物を被処理物の表面に接触させ、当該表面上の有機汚染物を酸化除去するものがある。
【0004】
上記の文献甲に記載された技術では、オゾン発生機を使用しない場合は、オゾン濃度が低くなってしまうので、生成するオゾンの絶対量を多くするには185nmの光が透過する距離d(cm)の値と、酸素分圧p(気圧)の値により決まる(d×p)の値をある一定値以上にしなければならなかった。具体的にいえば、酸素分圧pが0.2気圧の時には、距離dは10cm以上が必要となってしまう。このように一般的には(d×p)の値を、2より大きいものとしなければならないのが現実であった。このため、装置が大型化してしまう欠点があると同時に、高濃度のオゾンが得られないため、有機汚染物の酸化除去等では処理スピードが遅かった。また、オゾン発生機を使う場合は、それ自体が高価な装置であり、経済的な問題が発生し、使用できる条件をせばめていた。
【0005】
他方、紫外線とオゾンの共同作用の技術は、例えば照明学会研究会資料(LS-90-8〜13)(社団法人 照明学会 1990年10月21日、第36頁から第41頁、以下文献乙という。)に紹介されているように、「光アッシャ」と呼ばれるシリコンウエハ上の不要フォトレジスト除去装置が開発されている。この文献でも文献甲に記載された技術と同様、オゾン発生機を使用する場合と使用しない場合の2通りの方法が説明されているが、通常の厚さ、例えば約1μm程度、を有するフォトレジストの除去を速やかに行うためには、結局は、低圧水銀ランプとオゾン発生機の組み合せが必要になる。従って、装置自体が高値になるとともに、処理工程のコスト増大、設置床面積の増大等の欠点が指摘されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、オゾン発生機を使わなくても高濃度オゾンが得らることができて、このオゾンから活性酸化性分解物を効率良く発生させることにより被処理物の酸化処理をスピードの速いものとすることである。また、処理装置自体も安くで小さくできる処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記発明の目的を達成するために、次のような酸化方法を採用する。
(1)キセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を光取り出し窓を通して、酸素を含む流体に照射し、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触せしめて、当該被処理物を酸化させるものである。
(2)また、上記(1)記載の酸化方法を行いつつ、誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光を被処理物体にも直接照射し、それらの協同作用で当該被処理物を酸化させるものである。
(3)また、上記(1)記載の酸化方法により発生したオゾン及び活性酸化性分解物に遠紫外光で照射して、さらに活性酸化性分解物を生成するとともにその活性度を高めた後、被処理物に接触させて当該被処理物を酸化させるものである。
(4)キセノンガスを封入した誘電体バリア放電ランプが合成石英ガラスからなる光取り出し窓を有する容器の中に内蔵され、この容器内に窒素ガスを流し、この誘電体バリヤ放電ランプから光取り出し窓を通して放射される真空紫外光と、遠紫外光光源から放射される遠紫外光とを、酸素を含む流体に同時に照射し、光化学反応によってオゾンおよび活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾンおよび活性酸化性分解物を被処理物に接触させて、当該被処理物を酸化させるものである。
(5)また、上記(4)記載の酸化方法において、被処理物の物質面における遠紫外光の放射照度をI(mW/cm2)、誘電体バリヤ放電ランプと被処理物との間に存在する酸素を含む流体に対して、前記ランプから放射される真空紫外光の透過最短距離をd(cm)、酸素分圧をp(気圧)とした時、(p×d)/(1+I1/2)の値を0.33より小さく規定する。
【0008】
ここで、誘電体バリヤ放電ランプの形状としては、特に、二重円筒型もしくは平面型が使い易いこと、および、真空紫外光の取出部の全部もしくは一部が、合成石英ガラス、サファイヤ、アルカリ金属ハライドもしくはアルカリ土類金属ハライドのうちから選択された材料が良いことが言える。
【0009】
また、遠紫外光光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、クリプトン沸素エキシマランプもしくはクリプトン沸素エキシマレーザが使用でき、更に、被処理物の酸化させる際、当該被処理物は、真空紫外光もしくは遠紫外光の少なくとも一方の照射を受けていると更に良い。
【0010】
実用上は、誘電体バリヤ放電ランプと被処理物との間に存在する酸素を含む流体に対して、前記ランプから放射された真空紫外光の透過最短距離をd(cm)、酸素分圧をp(気圧)とした時、処理速度を現状の方法より速くし、より経済効果を高めるために、d×pを0.6より小さく規定するのが良いし、不要フォトレジストの除去の場合であれば、被処理物を酸化せしめる際、当該表面の表層または当該物質の酸化物が気体として当該表面から遊離もしくは除去されるように酸化する。
【0011】
【作用】
誘電体バリヤ放電ランプは、放電容器内にエキシマ分子を形成する放電用ガスを充満し、誘電体バリヤ放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改訂新版(放電ハンドブック)平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、該エキシマ分子から放射される光を取り出すものである。誘電体には石英ガラス等が使われ、放電路に介在させることによってアーク放電の発生を抑え、また特定の場所に放電が集中することもないので発生する紫外線の密度もほぼ一様なものにできる。また、この誘電体バリヤ放電ランプは、172nmという短波長の紫外線を放射し、しかも線スペクトルに近い単一波長の光を選択的に高効率に発生するという、従来の低圧水銀ランプや高圧アーク放電ランプにはない種々の特徴を有している。誘電体バリヤ放電ランプについては、例えば、特開平2-7353、アメリカ特許4,837,484等に開示されている。本発明では、放電容器に封入する放電用ガスとして、キセノンを有するガスが適用され、特に、キセノンガス、もしくはキセノンを主成分とするガスが使われる。
【0012】
誘電体バリヤ放電ランプは、キセノン原子が励起されてエキシマ状態となり(Xe2*)、このエキシマ状態から再びキセノン原子に解離する時に波長約172nmの光を発生する。この波長172nmの光を酸素に照射すると、従来の低圧水銀ランプから放射される波長185nmの光を酸素に照射する場合よりも高濃度のオゾンが得られることがわかり、さらにまた、この高濃度のオゾンから活性酸化性分解物が得られることも分かった。さらに、当該誘電体バリヤ放電ランプとは別に設けた高圧水銀ランプや低圧水銀ランプから放射される波長254nmの光によっても高濃度オゾンから活性酸化性分解物を得ることができる。
【0013】
この原理を化学反応式で記載すると以下のようになる。まず、酸素からオゾンO3を生成する反応は、
O2+hγ1→O3
そして、このオゾンO3から活性酸化性分解物O、O*の生成する反応は、
O3+hγ1→O*+2O3
O3+hγ2→O*+O2となる。いずれも1個のフォトンで1個の反応が生ずる。この式におけるhγ1、hγ2はいずれも特定波長の光を意味して、この場合は酸素、あるいはオゾンが特定波長の光を吸収するという意味である。オゾンO3の生成反応は、波長200nmよりも短い真空紫外域の光を酸素O2が吸収して起こるものである。この吸収の度合いは、一般的に、吸収係数と呼ばれ、波長の変化に応じて連続的に変化するものであるが、この連続的な変化の中でさらに急激な変化を有する。この急激な変化は、波長150nmよりも大きい領域において顕著に起こり、特に、波長172nmの光に対する吸収係数は波長185nmの光の吸収係数より1桁以上大きい。結果として、波長185nmの光を放射するランプを使う場合と、前記ランプと同じ放射光強度の波長172nmの光を放射するランプを使う場合とを比較すると、同じオゾン量を得るのに、前者では20cm程度の透過距離を必要をするのに対し、後者は1cm程度の透過距離を必要とする。言い替えれば、同じ放射光強度でも波長172nmの光を放射するランプによる被処理物の表面上におけるオゾン濃度(ppm)は、紫外光185nmの光を放射するランプによる場合よりも約一桁高いことになる。他方、活性酸化性分解物を生成するためのオゾン分解反応は、真空紫外光や遠紫外光に対するオゾンO3の吸収によるものであるが、このオゾンO3の吸収は、波長172nmや波長185nmの光に比べ、波長250nmの光の方が数倍大きい。さらに、活性酸化性分解物であっても、その活性度はO*の方がOよりも大きいと考えられ、活性酸化性分解物に遠紫外光を照射することによって、活性度の高い分解物を増やすことができるので全体としては活性度を高めることができるといえる。
【0014】
つまり、この発明にかかる被処理物の酸化方法は、真空紫外光である波長172nmの光を効率良く放射する誘電体バリヤ放電ランプを使うという画期的な方法により高い濃度のオゾンO3を生成できることを第1の特徴として、さらに遠紫外光である波長254nmの光を放射するランプを併用することで、高い濃度のオゾンO3から効率良く活性酸化性分解物を生成でき、かつその活性度を高めることを第2の特徴とする。これらの特徴を利用して被処理物の酸化を行うことで従来方法に比べて処理スピードを大きく上げることができる。具体的には、従来の方法である波長185nmの光によりオゾンO3を生成させて、その際に波長254nmの光によるオゾンO3の吸収を併用させた場合に比べて、この発明によれば活性酸化性分解物の濃度(ppm)は1桁前後高いものとでき、従って、被処理物の酸化処理を速くできることになる。ここで被処理物の酸化とは、被処理物自体表面を酸化する場合と当該被処理物に付着した物質を酸化する場合の両方を含む。
【0015】
【実施例】
図1はこの発明に使う誘電体バリヤ放電ランプ(以下「ランプ」とも称する)の一例の説明図である。放電容器1は合成石英ガラスで平行平板型の形状をなす。一般に被処理物は板状の物が多いので、この形状は被処理物の表面をバッチ処理するのに都合が良い。寸法形状は、例えば、内寸法で縦10cm×横10cm×高さ0.6cmのものが適用される。網状電極2は、放電容器1の上部と下部に設けられたモネル線からなる。放電容器1の内部にはキセノンガスが充填され、電源3により網状電極2に電力が供給されると、石英ガラスを誘電体として放電容器1の内部において、例えばプラズマ長0.6cmの誘電体バリヤ放電が発生する。石英ガラスは、真空紫外光の取出部も兼ねており、かかる放電によって得られるエキシマ状態から真空紫外光である波長172nmの光が放電容器1の外へ放出される。この発明が対象とする有機汚染物を除去する処理は、一般的には酸素雰囲気中で行われるので、ランプとしては、特に、真空紫外光を良く透過する材料、例えば合成石英ガラス板5で網状電極2を覆うことが好ましく、放電容器1と石英ガラス板5の間にできる空所4には窒素ガスを充填している。放電容器1の内部には、前述のごとく、キセノンガスのみを封入する場合の他に、キセノンガスを主成分としてネオン、アルゴン等を封入したものが用いられる。また、キセノンガスの封入量は、例えば300Torrである。また、網状電極2からは、例えば4V20KHzの電圧が印加される。
【0016】
図2は上記誘電体バリヤ放電ランプを使った被処理物の表面洗浄装置を示す。処理室7の内部には、試料台8とその上に載せられた被処理物9、および誘電体バリヤ放電ランプ100(以下、単にランプともいう)を有する。被処理物9は、例えば1cm×1cmのスライドガラスである。さらに、処理室7には、酸素を含むガスの流入口10と排出口11が設けられ、入口10には、例えば、混合室12とバルブ13を介して、窒素ガス源14と酸素ガス源15が連結している。また、排出口11には、必要に応じて、排出されるオゾンのための分解装置を取り付けることができる。ここで窒素ガスを混入する理由は、酸素の分圧Pを変えて、洗浄効率を調整するためである。このような装置によって、被処理物9であるスライドガラスに対して、ランプ100からの波長172nmの光を照射すると、前記した原理により活性酸化性分解物を発生させて、スライドガラスに付着した有機汚染物を酸化除去することができる。かかる活性酸化性分解物の発生量と有機汚染物に対する洗浄効果は、ランプ100の表面とスライドガラス表面との距離d(cm)と処理室7内における酸素の分圧p(気圧)の影響を大きく受けるので、混合室12において酸素の分圧pを調整できるようにするとともに、図示略ではあるが試料台8に上下動機構を有する。この装置では、例えばランプは電気入力20W、ランプ表面における光出力は30mW/cm2で点灯される。
【0017】
次に、図2に示した装置を使って、ランプ100の表面とスライドガラス表面との距離d(cm)と、処理室7内における酸素の分圧p(気圧)とを変化させて、有機汚染物の洗浄速度を調べた実験例について紹介する。実験では、ランプ100は前述の電気入力(W)と光出力(mW/cm2)で点灯させた。また、この実験において洗浄時間とは次のように定義した。スライドガラスを、イソプロピルアルコール(以下IPAという。)中で、5分程度の超音波洗浄を施し、水に対する接触角が20度であるものを作成する。そして、かかるスライドガラスに対して、この発明にかかる洗浄方法を実施することによって、その角度が3度になるまでの時間を洗浄時間T(秒)とした。ここで水に対する接触角とは、図12に示すように、スライドガラス上に有する水滴が成す角度θであって、この角度θは、スライドガラス表面の洗浄の度合いと大きな関連性を有する。このことは前述の文献甲の第308〜第313ページに詳しく記載される。ここで設定した3度という接触角度は、前記文献甲の第309頁によると、有機汚染物の層の厚さが0.1分子層以下のものであって、スライドガラス上に数個の分子が島上にところどころ付着している程度のものと推定され、十分に洗浄されたものと見做すことができる。一方、実験前の設定角度である20度とは、有機汚染物の層の厚さは1分子以上のものであり単分子層がスライドガラス上の全面に付着して広がっている程度のものである。
【0018】
図3は実験の結果を表したもので、表中の数値は洗浄時間T(秒)を示す。図におけるpとは、処理室7における酸素の分圧であり、処理室7の全圧を1気圧としての、(1-p)N2+pO2におけるp(気圧)を示す。尚、比較のため、誘電体バリヤ放電ランプ100に代えて電気入力450Wの低圧水銀ランプで同様の実験を行ったところ、この低圧水銀ランプに対しては最適条件である、酸素の分圧pが0.2気圧、距離d(cm)が12cmであっても、洗浄時間Tは約200秒もかかった。そして、図3に示されている酸素の分圧pが0.1〜0.6、距離d(cm)が0.5〜5.0の範囲においては洗浄時間Tは200秒以上かかっている。
【0019】
一般に、洗浄時間Tが、著しい経済効果を生ずるを考えられているのは60秒以下である。従って、洗浄時間Tが60秒以下の場合を許容洗浄処理時間とすると、図3に示した結果から、距離(d)×酸素の分圧(p)の値が、0.6以下において許容洗浄処理時間内に処理できることが分かる。なお、この実験では、酸素とともに混入するガスをして窒素ガスを用いたが、窒素ガスの代わりに、アルゴンAr,クリプトンKr等の不活性ガスを用いて同様の実験を行っても、洗浄時間Tの値は実験データのバラツキの範囲内で一致した。
【0020】
図4は同じく誘電体バリヤ放電ランプを使った被処理物の表面洗浄装置の別の一例を示す。この装置は、誘電体バリヤ放電ランプ100の他にその四辺に沿ってミラーと低圧水銀ランプからなる遠紫外光光源セット101を配置している。従って、スライドガラス9の近傍に流れる酸素ガスは、誘電体バリヤ放電ランプ100からの真空紫外光と遠紫外光光源セット101からの遠紫外光とを受けることになる。更に、同図からは省略したが、誘電体バリヤ放電ランプ100とスライドガラス9との距離dが変えられるように、前記誘電体バリヤ放電ランプは上下動できるような機構に取り付けられている。ここで、誘電体バリヤ放電ランプ100から放射される真空紫外光とは、波長1nm〜200nmの光をいい、遠紫外光光源セット101から放射される遠紫外光とは波長200nm〜370nmの光をいう。
【0021】
次に、この装置を使って前述と同様にスライドガラスの洗浄実験を行った。実験は、遠紫外光である波長254nmの光に対するスライドガラス9の面上における照度を70mW/cm2、25mW/cm2、8mW/cm2と変化させて、各々の照度において、距離dと酸素分圧pを変化させて洗浄時間T(秒)を測定した。尚、誘電体バリヤ放電ランプ100からの真空紫外光の放射強度は、真空紫外光の取出部、すなわちランプ100の下部における面で30mW/cm2に設定した。ここにおいて、遠紫外光254nmの照度は、p=0の状態であらかじめ測定しておいた値である。これは酸素分圧Pの値によってスライドガラスに到達する光量が変化するのでかかる状態にて照度を測定している。
【0022】
この実験の結果を図5に示す。結果より、洗浄時間Tが許容洗浄処理時間である60秒以下となるためには、(d×p)/(1+I1/2)の値が、0.1より小さいことが良いと導かれる。ここで、Iとは被処理物体表面または当該表面上の物質面における遠紫外光光源とその間で光吸収のない時の遠紫外光の放射強度をいう。しかしながら、この実験では、誘電体バリヤ放電ランプ100を、ランプ表面における照度が30mW/cm2で点灯させているが、現実には自然空冷の場合でも、真空紫外光172nmの照度は300mW/cm2まで上げることができる。そして、本発明者らは、このような高出力で上記ランプを点灯させた場合は、上述の(d×p)/(1+I1/2)の値が、0.33より小さい関係で洗浄処理をした場合でも、十分に許容時間内に処理できることを見出している。
【0023】
図6は、請求項1もしくは請求項2に記載された酸化方法のうち、金属表面上に付着した有機汚染物を酸化除去する方法を示す説明図である。すなわち、誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光である172nmの光によりオゾン及び活性酸化性分解物を生成せしめ、このオゾン及び活性酸化性分解物により金属表面上に付着した有機汚染物を酸化除去する方法について説明して、さらに、真空紫外光である172nmの光を直接金属表面に照射することによって、これらの共同作用により有機汚染物を酸化除去する方法についても説明する。まず、装置の構成を説明すると、誘電体バリヤ放電ランプ102は、沸化マグネシウムを表面にコートしたアルミニウムミラー16の中に配置され、ランプ102の下方には被処理物であってその表面に有機汚染物が付着されたアルミニウム板17が配置される。このアルミニウム板17とランプ102との距離は、例えば10cmである。ここで、ランプ102は、図1に示したものを用いることもできるが、後述する二重円筒型のものを用いることもできる。ミラー16内での雰囲気は、ミラー16の上方から空気を流し込み、ランプ102やミラー16等全体を冷却しながらアルミニウム板17に向かうようにする。そして、雰囲気の全圧は約1気圧であり、酸素分圧は、例えば、約0.25気圧である。このような構成によって、キセノンガスを有するランプ102からは真空紫外光である172nmの光が効率良く放射される。そして、流入される空気の中のうち酸素ガスに当該光が照射されることによって光化学反応によってオゾンが発生して、このオゾンにも当該真空紫外光の光が照射されることによって活性酸化性分解物が生成される。そして、活性酸化性分解物がアルミニウム板17に接触することによって、アルミニウム板17上に付着した有機汚染物を良好に洗浄することができる。この実施例においては、ミラー16を使って酸素ガスをアルミニウム板17上に効率良く配送できるとともに、ミラー16による反射光とランプ102からの直射光によってアルミニウム板17を直接照射あるいは、その近傍を照射して光化学反応を起こさせるので洗浄効果を格別に高いものとすることができる。この方法による効果の一例を示すと、ランプ102を電気入力20Wで点灯し、その放射される真空紫外光である172nmの光をアルミニウム板17に40秒照射すると、アルミニウム板の水に対する接触角は、初期には40度であったものが10度まで小さくなった。この程度にまで有機汚染物を洗浄できると、洗浄されたアルミニウム板17の表面に印刷インキを接着させても実用上充分な強度をもっことができる。また、このアルミニウム板17とランプ102との距離dを0.3cmまで近づけると、真空紫外光である172nmの光の照射は13秒程度で同様の効果を得ることができた。
【0024】
図7には二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ102の一例を示す。放電容器18は、石英ガラス製の内側管23と外側管24を同軸にした中空円筒状であって、略竹輪型の形状をなす。外側管24は誘電体バリヤ放電ランプの誘電体と光取出部を兼任しており、内側管23の外面には反射膜を兼ねたアルミニウム膜電極19が設けられ、外側管24の外面に光を透過ために金属製の網状電極20が設けられている。放電空間21には放電用ガスキセノンが充填されている。尚、網状電極20には電極酸化防止コート22が設けられており、図示はしていないが、電極19の方にも設けておくと良い。このような形状をなす二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプは、一般的に、ロール巻きされたフィルムの表面を処理する場合、フィルムを、ランプ管軸と直交する方向へ移動せしめることによって、その表面を連続作業的に処理するのに都合が良い。尚、かかるランプの一例を示すと、放電容器18の全長約100mm、内側管23の外径D1は6mm、外側管24の内径D2が8mmであり、これらは、例えば、OH基が重量で700ppm以下を含む石英ガラスからなる。
【0025】
図8は、請求項3に記載された酸化方法のうち、金属表面上に付着した有機汚染物を酸化除去する方法を示す説明図である。すなわち、誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光である172nmの光によりオゾン及び活性酸化性分解物を生成させて、このオゾン及び活性酸化性分解物に遠紫外光である波長254nmの光を照射して活性酸化性分解物を生成するとともにその活性度を高めて金属表面上の有機汚染物を酸化除去するものである。まず、装置の構成を説明すると、反応ダクト25は、全体的に偏平な形状をしており、その中に、二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ102と低圧水銀ランプ103とが、管軸を平行にして離間して配置する。そして、反応ダクト25には、ランプ102の方から流入した空気がランプ103の方へ流れるように構成され、ランプ103の下流側には被処理洗浄物であるアルミニウム板17が配置される。このアルミニウム板17には、ランプ102及びランプ103からの放射光を直接照射しなくてもよい、が、その位置によっては、低圧水銀ランプ103からの遠紫外光を受けるようにすることもできる。ランプ102とランプ103の離間距離は、例えば15cmであり、流入される空気は約1気圧である。また、ランプ102は電気入力20Wで点灯され、ランプ103は電気入力450Wで点灯される。このような構成において、反応ダクト25に流入された空気は、ダクト内の上流側においてランプ102から放射される真空紫外光である波長172nmの光を受ける。そして、酸素が光化学反応を起こすことによって、オゾンを発生させ、このオゾンから活性酸化性分解物も発生する。これらオゾン及び活性酸化性分解物は、下流側に向かって送風されるとともに、ランプ103から放射される遠紫外光である波長254nmに光を受けてより一層活性度が強められる。そして、さらに下流側に配置されたアルミニウム板17と接触することによって、その表面に付着された有機汚染物を酸化除去することができる。この方法による効果の一例を示すと、約36秒間の処理によって、アルニムウム板17は水に対する接触角が最初40度のものが10度にまで小さくすることができた。そして、この洗浄処理後のアルミニウム板17によれば、その表面に印刷インク等を接着させても、実用上十分な強度を保つことができた。
【0026】
図9は、請求項4及び請求項5に記載された酸化方法のうち、金属表面上に付着した有機汚染物を酸化除去する方法を示す説明図である。すなわち、誘電体バリヤ放電ランプから放射される真空紫外光である172nmの光によりオゾン及び活性酸化性分解物を生成させて、このオゾン及び活性酸化性分解物を有機汚染物を有する金属表面に接触させるとともに、同時に、誘電体バリヤ放電ランプとは別に設けた低圧水銀ランプより放射される遠紫外光である254nmの光も金属表面に照射するものである。つまり、誘電体バリヤ放電ランプと低圧水銀ランプの2つのランプを用いて酸化処理するとともに、少なくとも一方は、金属表面への直接の照射を行うものである。まず、装置の構成を説明すると、ミラー16の中には、3つの二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ102を略同一平面状に並べて、さらに2つの低圧水銀ランプ103をランプ102により構成される平面と平行に同じく略同一平面状に並べる。この場合の平行とは、各々のランプの管軸同士が平行になるとを意味して、管軸方向から見た時はランプがジクザグ状となるように配置している。ミラー16には図6で説明たものと同様のものを適用できる。さらに、ランプ102と金属の一例であるアルミニウム板17は、例えば0.3cm程度の距離まで接近させて処理することになるが、アルミニウム板17の表面上では、ランプ103から放射される遠紫外光である254nmの光の照射を受ける所と受けない所が発生して、また、ランプ102から放射される真空紫外光である172nmの光でもアルニミウム板17上では照度ムラが生じてしまう。このため、アルミニウム板17を載せる試料台8は、例えば、振巾3cm,4Hzで動かせる構造になっている。そして、ランプ102、ランプ103の配置やこの振巾の選択によって、アルミニウム板17上での真空紫外光の照度の均一化をはかりながら、遠紫外光の受け方を調節する。このような構成によって、試料台8に載せられたアルミニウム板17は、ランプ102から放射される真空紫外光である172nmの光を受けることによって、空気に含まれる酸素に光化学反応を起こさせて、オゾン及び活性酸化性分解物を発生させる。また、同時に、ランプ103から放射される遠紫外光である254nmの光を受けることによって上記オゾン及び活性酸化性分解物の活性度を高めて、アルミニウム板17上の有機汚染物を酸化除去するとができる。この方法による効果は、ランプ102を各々電気入力20Wで、ランプ103を各々電気入力450Wで点灯すると、約6秒間でアルミニウム板17の水に対する接触角は40度から10度に減少することができた。
【0027】
以上説明した実施例はアルミニウム板表面に付着した有機汚染物を酸化除去するものであるが、次に、図9に示した装置とほぼ同様の構成の装置を使って、半導体ウエハ上に塗布されたフォトレジストを酸化除去する、いわゆる光アッシングについて説明する。この場合、試料台8には、ヒータ等の加熱機構や冷却水を流すパイプを装備することにより、半導体ウエハの温度を所定の温度まで加熱させることができ、前述と同様にランプ102、及びランプ103からの放射光をフォトレジストに照射することによってアッシング処理をすることができる。一例をあげれば、半導体ウエハは200℃に加熱して、フォトレジスト(東京応化工業(株)製型式OMR83)を1μmの厚さで塗布した半導体ウエハを処理すると、1秒間に15nmのスピードにてアッシングすることができた。
【0028】
次に、図9に示した装置とほぼ同様の装置を使って、半導体ウエハの表面上に酸化シリコンの膜を形成する方法について説明する。被処理物としてシリコンウエハを試料台8に載せて、誘電体バリヤ放電ランプ102を5本、低圧水銀ランプ103を4本、前述のごとくジグザク状に配置する。そして、試料台8の温度を、例えば400℃に加熱しておき、5Hzで往復運動をさせると、シリコンウエハ上に厚さ10nmの酸化シリコンの緻密な膜を作ることができ、この処理は2時間で達成することができた。前述までの有機汚染物や不要フォトレジストを除去する装置は、図示略ではあるが、かかる排気物を吹き飛ばすような機構が設けられているのに対して、本実施例の酸化膜の形成にかかる装置は、ランプと被処理物との間に存在する流体を安定的に保持制御する機構が有する点で異なる。かかる機構も図9においては省略している。
【0029】
一般には、シリコンウエハの表面に薄い酸化膜を形成することは、半導体装置製造における絶縁層形成工程で普通に行われている。しかし、従来の方法は、高湿電気炉のより、例えば850℃〜1000℃程度の高温加熱で行われるのに対し、本発明の酸化被膜形成方法は、これに比べて、著しく低い湿度、低い温度で良質な酸化被膜を得ることができる。
【0030】
次に、図10にシリコンウエハ上に酸化被膜を形成する方法について、他の実施例を説明する。誘電体バリヤ放電ランプの放電容器1は石英ガラスよりなり、その内部に放電空間21を有する平面型のものである。放電容器21には真空紫外光である172nmの光を発生させるためにキセノンガスが充填されている。放電容器21の外側には電極2を有するが放射光を取り出すのが一方向のみであるため、一方の電極にはミラーを兼ねたアルミニウム膜6が形成され、他方は網状電極であるので効率良く放射光を取り出すことができる。さらに、本装置を酸素雰囲気中で使用するので石英ガラスには酸化防止コート22が設けられている。試料台28は石英ガラスから成り、シリコンウエハ26がその台28の上に載せられて、さらにその内部には加熱用のヒータ27が組み込まれている。このような誘電体バリヤ放電ランプの一例を挙げれば、放電容器1は厚さ1mmの石英ガラスで、内寸法20cm×20cm×0.6cmで形成される。このような装置において、大気中でランプ1とシリコンウエハ26との距離d(cm)を0.2に設定し、ランプから放射される波長172nmの光の強度がランプ表面で約100mW/cm2になるように電源3でランプを点灯制御する。この場合、ランプの電気入力は、例えば400Wである。そして、ヒータ27の制御温度を変えて、シリコンウエハ26上に、厚さ10nmの緻密な酸化シリコンの膜の生成テストをした。尚、ヒータ27の制御温度は最高600℃まで昇湿できるようになっている。
【0031】
結果は、ヒータ27によりシリコンウエハ26を約450℃に保った場合には、約1.5時間で厚さ10nmの酸化シリコンを作ることができ、また、同500℃に保った場合は約40分で同じ酸化シリコンを作ることができる。このことは、従来の高温酸化による方法よりも、著しく低い温度で十分な酸化シリコンの絶縁膜が得られることが分かった。
【0032】
ここにおいて、キセノンガスが封入された誘電体バリヤ放電ランプについて更に詳しく説明する。誘電体バリヤ放電ランプは、波長200nmより短い波長の真空紫外光を放射するものであるから、放電容器は当該波長域の光を透過する誘電体で作られなければならないが、当然に、用途によっては、当該光の取出部がランプの全方向である場合もあれば、特定の一方向である場合もある。したがって、少なくとも当該光の取出部が前記波長域の光を透過する構造になっていれば良く、かつその取出部の材料としては、合成石英ガラスに限定されることなく、サファイヤ、アルカリ金属ハライドやアルカリ土類金属ハライドの単結晶でも良い。そして、放電容器の当該紫外光を取り出さない部分には、反射コートを設けたり、反射コートを兼ねた電極を設けても良い。
【0033】
同様に、波長200nmから波長300nmの遠紫外光を放射する遠紫外光光源としては、前記の低圧水銀ランプに限らず、これらの波長域の光を放射する高圧水銀ランプ、波長240nmから波長255nmを放射するクリプトン沸素エキシマランプ、クリプトン沸素エキシマレーザが利用できる。
【0034】
図11には、誘電体バリヤ放電ランプを含むランプ装置について示す。このランプ装置は、図1における平行平板型の放電容器1の替わりに、図7に示した誘電体バリヤ放電ランプと類似の構造の二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ33a、33b、33cを内蔵して、図1における合成石英ガラスの板5で覆う替わりに、光反射板を兼ねた金属容器30に合成石英ガラスからなる光取り出し窓31を設けた平板型容器34を設置した構成である。二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプ33a、33b、33cは、例えば、外径は26.6mm、放電ギャップ長は5mm、全長は300mmである。放電用ガスは約40kPaのキセノンである。このランプ装置において誘電体バリヤ放電を行ったところ、波長172nmに中心を有する真空紫外光が高効率で放出された。また、空所4に1分間あたり数リットルの窒素ガスを流すことにより、電極20a、20b、20cの保護に加えて、空所4における真空紫外光の吸収が無くなるので、実質的な平板状光源装置が得られた。この実施例においては、高価な合成石英ガラス板を多数使用することがないので、安価に平板状光源装置が得られるという利点が生じる。
【0035】
尚、本発明の被処理物の酸化方法は、金属の表面を酸化処理するものとして、アルミニウムのアルマイト処理、ステンレスヘの印刷の前処理としての表面酸化処理、さらにはガラス板に蒸着した金属酸化物の透明度を向上させるための酸化処理にも利用できる。
【0036】
また、ガラスの表面の洗浄方法としては、液晶表示板のガラスヘの配電極、配線を行う前処理をするための精密洗浄に利用できる。また、この発明の技術は金の熱圧着強度を向上させる場合にも役立つ。
【0037】
【発明の効果】
この発明にかかる被処理物の酸化方法は、波長172nmの光である真空紫外光を放射する誘電体バリヤ放電ランプを使うことにより、被処理物の表面近傍に、高い濃度のオゾンと活性酸化性分解物が生ずることができるので、被処理物を酸化するスピードが著しく速くなる。また、オゾンおよび活性酸化性分解物に対して波長254nmの光である遠紫外光を照射することによって、活性酸化性分解物をより効率良く発生させて、かつ、その活性度を高めることができるので、結果として被処理物の酸化処理が速く行われて、かつ、処理装置が小型に設計できる。更にオゾン発生機を使っていないので安価な処理方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に使用する平面型誘電体バリヤ放電ランプの一例の説明図である。
【図2】
スライドガラスの表面洗浄方法の説明図である。
【図3】
表面洗浄結果のデータの表である。
【図4】
スライドガラスの他の表面洗浄方法の説明図である。
【図5】
他の表面洗浄結果のデータの表である。
【図6】
金属表面上の有機汚染物の酸化除去方法の実施例の説明図である。
【図7】
本発明に使用する二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプの一例の説明図である。
【図8】
金属表面上の有機汚染物の酸化除去方法の他の実施例の説明図である。
【図9】
金属表面上の有機汚染物の酸化除去方法の他の実施例の説明図である。
【図10】
シリコンウエハの低温酸化方法の説明図である。
【図11】
二重円筒型誘電体バリヤ放電ランプを使った光源装置の説明図である。
【図12】
スライドガラス上における水滴の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 放電容器
2 網状電極
3 電源
7 処理室
8 試料台
9 スライドガラス
10 酸化性流体入口
11 酸化性流体排出口
12 混合室
13 バルブ
16 ミラー
17 アルミニウム板
18 放電容器
19 電極
20 電極
21 放電空間
22 酸化防止コート
25 反応容器
100 誘電体バリヤ放電ランプ
101 遠紫外光光源セット
102 誘電体バリヤ放電ランプ
103 低圧水銀ランプ
【図面】












 
訂正の要旨 訂正の要旨
▲1▼訂正事項a
特許第2705023号明細書における「特許請求の範囲」中の請求項7の記載を削除する。
▲2▼訂正事項b
上記訂正事項aに伴い、「特許請求の範囲」中の「請求項8」,「請求項9」,「請求項10」,「請求項11」を、それぞれ繰り上げて「請求項7」,「請求項8」,「請求項9」,「請求項10」と訂正し、かつ、請求項8で引用する「請求項7」を「請求項6」に、請求項9で引用する「請求項8」を「請求項7」に、請求項10で引用する「請求項9」を「請求項8」に、それぞれ訂正する。
審理終結日 2001-07-16 
結審通知日 2001-07-19 
審決日 2001-07-30 
出願番号 特願平6-291999
審決分類 P 1 122・ 121- ZA (C01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前田 仁志  
特許庁審判長 沼沢 幸雄
特許庁審判官 野田 直人
山田 充
登録日 1997-10-09 
登録番号 特許第2705023号(P2705023)
発明の名称 被処理物の酸化方法  
代理人 五十畑 勉男  
代理人 宮越 典明  
代理人 宮越 典明  
代理人 五十畑 勉男  
代理人 中村 静男  
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