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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) B65G
管理番号 1066691
審判番号 無効2001-35503  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-07-09 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-11-14 
確定日 2002-08-26 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2783026号発明「可動体使用の搬送設備」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2783026号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 【1】手続の経緯
本件特許第2783026号の出願は、平成3年12月19日に出願されたものであって、その特許請求の範囲の請求項1に係る発明に対して、平成10年5月22日に特許権の設定がなされたものである。
そして、この請求項1に係る特許に対して、中西金属工業株式会社から特許の無効の審判がなされ、その後、被請求人(特許権者)より平成14年2月4日に訂正請求がなされ、さらに、訂正拒絶理由がなされ、その指定期間内である平成14年6月6日に手続補正書が提出された。
また、本件審判については、平成14年6月20日(午後2〜3時)に特許庁審判廷において第1回口頭審理が開催された。

【2】訂正請求書の補正の適否
(1)補正の内容
a.補正事項a
訂正請求書の「6.訂正の理由」の「(3)訂正の要旨」欄の第2頁第17行記載の「レベル上」、同頁第24行記載の「連接」を、それぞれ、「レベル状」、「連設」に補正する。
b.補正事項b
訂正請求書の「6.訂正の理由」の「(4)請求の原因」欄の第3頁第7、11行記載の「レベル上」、同頁第25、28行記載の「連接」を、それぞれ、「レベル状」、「連設」に補正する。
c.補正事項c
訂正請求書に添付された訂正明細書の第1頁第5〜6行記載の「レベル上」、同頁第13行記載の「連接」、第3頁第2行記載の「レベル上」、同頁第10行記載の「連接」を、それぞれ、「レベル状」、「連設」に補正する。
(2)補正の適否
上記補正事項a〜cは、「レベル上」及び「連接」が、「レベル状」及び「連設」であることは明らかであるから、いずれも、軽微な瑕疵の補正と認められるので、平成14年6月6日付けの手続補正による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではない。
また、この点について両当事者間に争いはない。(第1回口頭審理調書参照)
(3)むすび
したがって、当該補正は、特許法第131条第2項の規定に適合するので、これを認める。

【3】訂正の適否についての判断
(1)訂正の要旨
【2】の箇所において述べたように、訂正請求書に対する平成14年6月6日付けの補正は、これを認めることができるから、平成14年2月4日付けの訂正請求による訂正の要旨は、以下のとおりのものである。
a.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の記載を、「床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設したことを特徴とする可動体使用の搬送設備。」と訂正する。
b.訂正事項b
上記訂正事項aに伴い、明細書の段落【0008】の「レールに支持案内されて」以下の記載を、
「床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設している。」と訂正する。
(2)新規事項の有無、拡張・変更の存否
a.訂正事項aに関する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当し、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、かつ、新規な事項を含まない。
b.上記訂正事項bは、上記訂正事項aに伴って、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、かつ、新規の事項を含まない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、平成6年法改正前の特許法第134条第2項ただし書き及び同第5項で準用する平成6年法改正前の第126条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
なお、訂正を認めることについては、訂正請求書の補正を認めることを含めて、両当事者間に争いはない。(第1回口頭審理調書参照)

【4】本件発明
本件特許の請求項1に係る発明は、平成14年6月6日付け手続補正書により補正された訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】
A.床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、
B.この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、
C.前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、
D.前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、
E.前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設したことを特徴とする
F.可動体使用の搬送設備。」
(当審註;分説を表す上記「A.」〜「F.」の各文字は、被請求人が答弁書で記載したのと同じように附記したものであって、原文の記載にはない。)

【5】請求人の主張および提示した証拠方法
(1)請求人の主張
請求人は、「特許第2783026号の特許を無効にする、審判請求費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由として、「本件特許の訂正後の請求項1に係る発明は、甲第3号証〜甲第6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。よって、上記請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。」旨主張している。(第1回口頭審理調書参照)
(2)請求人の提示した証拠方法
請求人は上記主張を立証するために、以下の証拠方法を提示している。
・甲第1号証;特許第2783026号登録原簿謄本
・甲第2号証;特許第2783026号公報
・甲第3号証;米国特許第5,012,917号明細書
・甲第4号証;特開平3-276861号公報
・甲第5号証;独国特許出願公開第3100159号明細書
・甲第6号証;特開平2-193890号公報

【6】被請求人の主張
被請求人は、「本件発明はその各構成要件A〜Fで特定される作用・機能・効果を奏するよう関連付けられているものであり、特にこの関連付けをもって特定されている構成要件A、C、Eについては、これら各甲号証には何ら開示されておらず、また示唆するものでもなく、そして、本件発明がこの関連付けの下に構成要件A〜Fをもって「可動体使用の搬送設備」を構成するものであることから、たとえ各甲号証に本件発明と類似の一部構成が開示されているからと言って、これらを総合的に結合して本件発明に至ることは、当業者といえども容易に想到し得るものではない。」旨主張している。(答弁書第7頁第6〜13行)

【7】甲第3、5号証記載の発明
(1)甲第3号証:(以下、「刊行物1」という。)
「各組立ライン間で台(8)のすべてが互いに縁(19)で当接しているから、始点ステーンョン(3)(3a)の近くに設けられた駆動装置(9)がすべての台(8)を同時に押す。」(第4欄第10〜14行抄訳)、
「図8および図9に示すように、各組立ラインには、駆動装置のすべての摩擦輪(12)に駆動チェーン(11)手段によって連結されたブレーキモータ(10)がある。各駆動装置(9)は共通の枠内にばね(13)で取り付けられているので、摩擦輪(12)が台(8)の長手方向支持部材(18)に圧接する。組立ライン(1)(2)は、始端に対応して各端に、組立ラインの搬送方向で先頭の台(8)と接触する摩擦輪(16)を備えた停止モー夕(15)を有する。停止モー夕(15)と摩擦輪(16)は一連の台(8)の不測のローリングを防止する。これらの停止モータ(15)の停止力は、駆動モータ(10)の推進力より僅かに小さい。」(第4欄第19〜33行抄訳)、
「図7は、昇降機構(27)との危険な接触を防ぐため保護蛇腹(26)を備えたシザー式昇降台(25)を示す。……(中略)…… 要するに、提供されるものは、例えば可動台上で自動車ボデイを組立てるための組立ライン用搬送装置であって、台(8)が固定支持ロ一ラ(20)上を移動可能でかつ組立ライン(1)(2)の始点に存在し、その付近にある台(8)の少なくとも一側の前後方向支持部材(18)に接する固定駆動輪(9)により駆動されうること、および左右方向支持部材(19)が組立ライン上の前側と後側において当接することを特徴とする。」(第5欄第1〜26行抄訳)
以上の記載、及び、図面の記載等からみて、
刊行物1には、
「敷設された一対の固定支持ローラ20と一つのガイドレール21で支持案内されて組立ライン1,2上を走行自在な本体を有する台8を設け、この台8に、昇降自在な昇降台25と、この昇降台25を昇降させる昇降機構27を設けるとともに、当該台8の本体の両側面に外側方に向く前後方向支持部材18を形成し、前記組立ライン1,2中に、前記前後方向支持部材18に摩擦輪12を作用して台8に走行力を付与する駆動装置9と、前記前後方向支持部材18に摩擦輪16を作用して台8に制動力を付与する停止モータ15とを設けた台8使用の搬送設備」、
という発明が記載されているものと認められる。
(2)甲第5号証:(以下、「刊行物2」という。)
「とりわけ自動車の組立では、支持装置が自動車を任意の高さに加減できる持ち上げ装置であるのが好ましい。すると自動車のあらゆる部分が手に届くようになる。その結果、他のシステムと違って、特に下から行う組立作業が容易となる。」(第5頁第23〜29行抄訳)、
「(1)は自動車組立工場の床を示す。そこに設けた溝(2)に平行な2本のレール(3)が敷設され、後で述べるように、プラットホーム(4)を持つ台車が確実に案内される。プラットホーム(4)の表面が工場の床(1)と密接している。隣接する台車のプラットホームは互いに密接した連続面となる。台(4)には4つの垂直支柱(6)を昇降しかつ自動車(8)を支持する支持アーム(7)を有する昇降装置(5)が設けられている。台(4)は組立足場として使われうるもので、作業者が工具と組付部品を使って同乗する。支持アームを上昇させると下からの作業もできる。台車の正確な案内機構および台車上での自動車の支持機構のお陰で、図示しないハンドリング装置即ち組立ライン脇に据え付けられるか、あるいは台車と同期して動く加工装置による処理の完全自動化が達成できる。台が工場の床と密接した連続面を形成するので、作業者のつまずきそうな部分がないし、駆動装置の可動部の露出もないから、作業の危険性を少なくする。各台の昇降装置が通常は電動モータで駆動される。昇降台では普通の種類のものであるが、4本の支柱のすべてに支持アームが同時に正しく垂直方向に動く。モータのスイッチが手で操作できる。高さの調整も可能である。台車が関係場所に着いた時、組立ライン沿いの関係場所にモータのスイッチを入にする滑り接点が備えられる。」(第6頁第23行〜第7頁30行抄訳)、
「台車(10)にはローラ(13)と(14)が備えられ、これらのローラによって台車はレール(3)上を走行する。」(第8頁第10〜12行抄訳)

【8】対比・判断
(対比)
そこで、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明における「組立ライン1」、「台8」、「昇降台25」、「昇降機構27」、「前後方向支持部材18」、「摩擦輪12」、「駆動装置9」、「摩擦輪16」、「停止モータ15」は、それぞれ、本件発明の「一定経路」、「可動体」、「被搬送物支持部」、「昇降動装置」、「受圧部」、「送りローラ」、「送り装置」、「制動ローラ」、「制動装置」に相当するから、両者は、
「敷設されたレールに支持案内されて一定経路上を走行自在な本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設けた可動体使用の搬送設備」、
の点で一致し、以下の相違点1〜3で相違する。
(相違点)
・相違点1:
本件発明の可動体は、床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されるものであって、しかも、本体の上面が作業床板と同じレベル状であるのに対し、刊行物1に記載された発明では、床側に形成した一対の固定支持ローラ20と一つのガイドレール21で支持案内されるものであり、また、作業床板があるのかどうかが不明であるので、本体の上面と作業床板との間の高低の関係は不明である点。
・相違点2:
本件発明の昇降動装置が電動式であるのに対し、刊行物1に記載された発明の昇降動装置は、電動式であるのかどうか、明らかでない点。
・相違点3:
本件発明は、可動体が集電装置を有し、この集電装置は可動体に搭載した制御盤を介して昇降動装置に接続するものであり、さらに、ピット内の一定経路に沿って給電装置が配置され、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設したものであるのに対し、刊行物1に記載された発明は、集電装置や給電装置に関するこれらの構成を備えるものであるのかどうか、明らかでない点。
そこで、上記各相違点について検討する。
(各相違点についての検討)
・相違点1について:
刊行物2に記載された「溝2」、「プラットホーム4」、「台車」、「支持アーム7」、「昇降装置5」は、それぞれ、本件発明の「ピット」、「本体」、「可動体」、「被搬送物支持部」、「昇降動装置」に相当するから、
刊行物2には、「床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けた搬送設備」という技術事項が記載されているものと認められる。
そして、刊行物1に記載された発明、及び、刊行物2に記載された上記技術事項は、共に、「昇降動装置を設けた可動体使用の搬送設備」という同一の技術分野に属する発明であるから、刊行物1記載の発明に刊行物2に記載された技術事項を適用し、もって、相違点1における本件発明のように構成することは、当業者が容易になし得るものと認められる。
・相違点2について:
被搬送物を昇降させる昇降動装置を「電動式」とすることは、本件出願前、当業者にとって常套手段にすぎないので、刊行物1に記載された発明の昇降動装置を電動式とすることは、当業者が必要に応じてごく普通に選択し得る程度の設計的事項にすぎない。
・相違点3について:
可動体使用の搬送設備において、一定経路に沿って給電装置を配置し、可動体の下部に、給電装置に対して摺接自在な集電装置を設けると共に、可動体の上面に被搬送物を昇降したり、出し入れしたりする被搬送物の「取扱い手段」を設け、前記集電装置を可動体に搭載した制御装置(コントローラ)を介して前記「取扱い手段」に接続させることは、例えば、特開平3-200465号公報、特開平2-182612号公報、特開平2-182611号公報……等に記載されるように、本件出願前、当業者にとって周知の事項である。
また、被搬送物の上記「取扱い手段」が電動式であることは、この「取扱い手段」が集電装置に接続されるものであることから、当業者にとって明らかな事項にすぎない。
それゆえ、刊行物1に記載された発明の昇降動装置を、当業者の常套手段である「電動式」にすれば、刊行物1に記載された発明の昇降動装置が何らかの集電装置や給電装置を必要とすることは、当業者が容易に想到し得る程度の事項にすぎないから、刊行物1に記載された発明に上記周知事項を適用し、もって、刊行物1に記載された発明の「一定経路に沿って給電装置を配置し、可動体の下部に、給電装置に対して摺接自在な集電装置を設けると共に、前記集電装置を可動体に搭載した制御装置(コントローラ)を介して昇降動装置に接続する」ことは、当業者が容易になし得るものというべきである。
そして、集電装置は可動体の下部に設けられ、しかも、給電装置は集電装置と摺接するものであるから、刊行物1に記載された発明に刊行物2に記載された技術事項を適用し、もって、刊行物1に記載された発明の本体上面を作業床板と同じレベル状のものとなし、床側にピットを形成するならば、このピット内に給電装置と集電装置が配置されることは、当業者が容易に想到し得るものと認められる。
また、(a)制御装置(コントローラ)を、作業者による人的操作や、地上側からの信号による遠隔操作などの操作ができるような「制御盤」とすることは、制御装置としての制御盤が、当業者にとって周知の事項にすぎないことからみて、当業者が必要に応じて適宜選択し得る程度の設計上の選択的事項にすぎないものであり、
さらに、(b)可動体の下部に設けられる集電装置を、「本体の下部から連設したブラケットに配設する」ことも、給電装置が可動体と離れたところに設けられる場合には、中間支持部材(例えば、ブラケット)を設けることにより、(給電装置に摺接する)集電装置を該中間支持部材を介して可動体に接続することが、当業者にとって常套手段であることからみて、当業者が必要に応じて適宜選択し得る程度の設計上の選択的事項にすぎないものと認められる。
したがって、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載された技術事項及び上記周知事項を適用し、もって、相違点3における本件発明のように構成することは、当業者が容易になし得るものと認められる
それゆえ、被請求人の、【6】の箇所において記載した主張は採用できない。
(効果について)
そして、本件発明の構成によってもたらされる効果も、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された技術事項及び上記周知事項から当業者であれば当然予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。
(むすび)
したがって、本件発明は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された技術事項及び上記周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

【9】まとめ
以上のとおりであるから、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、特許法第123項第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
また、本件審判費用の負担については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して被請求人の負担とする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
可動体使用の搬送設備
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ローラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設したことを特徴とする可動体使用の搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえば床側の一定経路上で被搬送物を搬送するのに利用される可動体使用の搬送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非駆動式の台車を一定経路上で搬送するものとして、たとえば特開平2-209309号公報に見られる構成が提供されている。
【0003】
この従来構成は、可動体が走行自在な一定経路の上手に可動体搬送装置を設けるとともに、下手にブレーキ装置を設け、さらにブレーキ装置の下手に次工程への可動体搬送装置を設けている。そして可動体搬送装置を、可動体の側面に当接自在な左右一対の送りローラと、これら送りローラに連動する回転駆動装置とから構成している。またブレーキ装置を、可動体の側面に当接自在な左右一対のブレーキローラと、これらブレーキローラに逆送り回転力を付与するトルクモータとから構成し、さらに送り回転力を逆送り回転力よりも大に設定している。
【0004】
このような従来の構成によると、可動体の両側面に当接している両送りローラを回転駆動装置により強制回転させることで、可動体に大きな推進力を与えることになり、以て可動体を一定経路上で搬送し得る。その際に可動体は、先行し停止している可動体群を後押しして搬送することになる。
【0005】
一定経路の下手においては、逆送り回転されているブレーキローラが可動体の両側面に当接していることから、この可動体に逆搬送方向の推進力が作用し、ここで送り回転力が逆送り回転力よりも大であることから、その差に相応してブレーキローラが送り回転側に回転される。これにより下手の可動体は、ブレーキ作用を受けた状態で搬送されることになり、したがって可動体群は前後端間に隙間を生じめることなく密な後押し状態で搬送される。そしてブレーキ装置から押し出された可動体は次の可動体搬送装置により次工程へと搬出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の構成によると、可動体により支持された被搬送物は可動体上に常に一定レベルであることから、作業箇所によっては作業者は無理な姿勢を取って作業しなければならない。
【0007】
本発明の目的とするところは、可動体間に隙間が生じることなく可動体群を密な列車状にして効率よく搬送し得る形式でありながら、可動体上の被搬送物に対する作業は無理なく安全に行える可動体使用の搬送設備を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明の可動体使用の搬送設備は、床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ローラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設している。
【0009】
【作用】
かかる本発明の構成によると、一定経路の一端部において可動体を送り装置に対向して位置させた状態で、強制回転させている送りローラを受圧部に当接させることで、送り装置により可動体に大きな推進力を与えることになり、以て可動体を一定経路上で走行し得る。その際に一定経路の他端部においては、制動装置により可動体に制動力が付与されていることから、下手の可動体は、制動作用を受けた状態で搬送されることになり、したがって一定経路上において可動体群は、前後端間に隙間を生じめることなく、密な後押し状態で搬送される。
【0010】
このような状態で一定経路上を搬送される可動体群は、その集電装置を給電装置に摺接させており、昇降動装置に通電されている。したがって希望する位置において人的操作や遠隔操作、あるいはカム操作などにより昇降動装置に指示を与え、この昇降動装置を作動させることで、支持部、すなわち被搬送物を昇降させて任意なレベルにし得る。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
左右一対のレール1は、床側に形成したピット2内に敷設されており、これらレール1によって一定経路3を形成している。そしてピット2内には、前記一定経路3に沿って給電装置4が配設されている。
【0012】
可動体10は、本体11の下部両側にそれぞれ前後複数の車輪12を有し、これら車輪12を介して前記レール1上に載置することで、一定経路3上を走行自在となる。前言己本体11の一側下部から連設したブラケット13に、前記給電装置4に対して下方から摺接自在な集電装置14が設けられる。ここで本体11の上面は作業床板5と同レベル状にしてあり、また本体11の両側面は受圧部15に形成され、さらに本体11の前面と後面は当接面16に形成される。
【0013】
前記可動体10上には、昇降自在な被搬送物支持部20と、この被搬送物支持部20を昇降させる電動式の昇降動装置25とが設けられる。すなわち被搬送物支持部20は平枠状であって、その上面の四隅からは支持具21が立設され、これら支持具21を介して被搬送物の一例である車体6を下方から支持する。前記電動式の昇降動装置25は、本体11と支持部20との間に配設したパンタグラフ機構26と、このパンタグラフ機構26を作動させるボール螺子形式の電動シリンダー27とからなる。この電動シリンダー27は本体11に搭載した制御盤28に接続し、また制御盤28は前記集電装置14に接続している。
【0014】
前記一定経路3は直線状であって、その始端部に、可動体10に走行力を伝達する送り装置30を設け、そして終端部に制動装置50を設けるとともに、前記送り装置30の少し上手に送り込み装置55を設けている。なお各装置30,50,55は、それぞれ左右一対が対称的に配設される。
【0015】
次に前記送り装置30の詳細を説明する。前記レール1の側外方においてピット2内に配設したベース体31から、取り付け部材32を介して縦軸33が立設されている。そして縦軸33には軸受34を介して支持部材35が縦軸心36の周りに揺動自在に取り付けられる。前記支持部材35には、回転駆動装置の一例である減速機付きのサーボモータ37が配設され、このサーボモータ37から上方に取り出した出力軸38に、たとえばウレタン製の送りローラ39が固定される。なおサーボモータ37は前記送りローラ39に送り回転力Aを付与する。前記支持部材35は前方に伸びるブラケット40を一体に有し、このブラケット40とベース体31との間に支持部材35を揺動させるシリンダ装置41を設けている。
【0016】
したがってシリンダ装置41を作動させることで支持部材35を縦軸心36の周りに揺動させ、送りローラ39を受圧部15に対して当接離間動し得る。その際に、最大接近位置を規制するために、前記支持部材35から被ストッパ体42を連設するとともに、これら被ストッパ体42が当接自在なストッパ体43を前記ベース体31に位置調整自在に設けている。
【0017】
前記制動装置50は前記送り装置30と同様の構造であって、前記本体11における受圧部15に対して側方から当接離間自在で、かつたとえばウレタン製の制動ローラ51と、これら制動ローラ51に連動し、かつ制動ローラ51に逆送り回転力Bを付与する逆回転駆動装置52などから構成される。なお逆回転駆動装置52はトルクモータなどからなり、その逆送り回転力Bは前記サーボモータ37の送り回転力Aよりも小に設定してある。また前記送り込み装置55は前記送り装置30と同じ構造のものが採用される。
【0018】
次に上記の実施例において車体6の搬送作業を説明する。
車輪12がレール1に支持案内されることで移動してきた可動体10は、一定経路3の始端部に達して前端が送り込み装置55に入ることで停止される。次いで送り装置30側が受入れ態勢になった状態で、この送り込み装置55を、後述する送り装置30と同様に作動させて可動体10を搬送する。その際に一定経路3に密な列車状で位置している可動体10群の最後尾の可動体10における後部当接面16に、この送り込まれた可動体10の前部当接面16が当接し、以て送り込み装置55の送り込み力で可動体10群を搬送させる。
【0019】
この送り込み装置55による送り込みは、該当する可動体10の前端が送り装置30に入ることで停止される。このとき送り装置30におけるシリンダ装置41は伸展され、支持部材35を縦軸心36の周りで外方に揺動させ、以って送りローラ39は図3の仮想線で示すように受圧部15から離間している。したがって可動体10の搬入(走行)は何んら支障なく行われる。
【0020】
そして搬入後、上述とは逆作用によって送りローラ39を接近動させて図3の実線で示すように受圧部15に圧接させるのであるが、このとき両送りローラ39はサーボモータ37によって回転駆動されている。したがって強制回転されている送りローラ39を受圧部15に圧接させることで、その送りの回転力Aにより可動体10に走行力を与えることになり、以って可動体10は一定経路3上において所望の速度で搬送Cされ、一定経路3に密な列車状で位置している可動体10群を後押し搬送することになる。
【0021】
この送り装置30による可動体10の送り量はエンコーダなどにより検出され、所定の或る送り量を検出したときに送りローラ39が離間して搬送作業が停止される。一定経路3の終端側に達した可動体10に対して制動装置50によって制動がかけられている。すなわち送り装置30による可動体10の搬送作業が停止しているとき、制動装置50におけるシリンダ装置は収縮され、以って制動ローラ51は互いに離間している。そして送り装置30の搬入動に連動して、上述とは逆作用によって両制動ローラ51を互いに接近動させ、受圧部15に圧接させるのであるが、このとき制動ローラ51は、送りローラ39とは反対側に回転駆動されている。
【0022】
すなわちトルクモータの駆動により両制動ローラ51を互いに逆方向に強制回転させている。したがって強制回転されている制動ローラ51を受圧部15に圧接させたとき、その逆送り回転力Bによって可動体10に逆搬送方向Dの推進力が作用するが、ここで送り回転力Aが逆送り回転力Bよりも大であることから、その差に相応して制動ローラ51が送り回転側に回転され、そのときの負荷はトルクモータにより吸収される。
【0023】
これにより下手の制動装置50に対応した可動体10は、制動作用を受けた状態で搬送されることになり、したがって送り装置30から制動装置50の間では、複数台の可動体10が、その前後端間に隙間を生じめることなく密に後押し状態で整列されることになる。このような制動装置50による制動作用は、送り装置30による搬送停止に相前後して停止される。
【0024】
このように一定経路3において可動体10が間欠搬送している間に、また停止している間に、作業床板5上の作業者や本体11上に乗り移った作業者は、車体6に対して各種の作業を遂行する。その際に作業床板5と本体11とが同じレベル状にあることから、作業者の乗り移りを含めた歩行は常に安全に行える。
【0025】
さらに一定経路3中では、給電装置4に対する集電装置14の摺接により制御盤28へ通電されており、したがって希望する位置において、本体11上などの作業者による人的操作や、地上側からの信号による遠隔操作や、地上側に設けたカム操作などにより制御盤28を操作することで、この制御盤28からの指示で電動シリンダー27を作動させ得、これによりパンタグラフ機構26を介して支持部20を昇降させ、以て支持具21を介して支持している車体6を昇降させて任意なレベルにし得る。
【0026】
前述したような後押しによって制動装置50から押し出された可動体10は、次工程へと移動される。なお各送り装置30や送り込み装置55において、対応するサーボモータ37間、ならびに制動装置50において、対応する逆回転駆動装置52間は電気的に同期される。
【0027】
上記実施例では、送り装置30や送り込み装置55や制動装置50において、送りローラ39や制動ローラ51の全てを強制駆動形式としたが、これは、たとえば一側の送りローラ39や制動ローラ51を強制駆動形式とし、そして他側の送りローラ39や制動ローラ51を遊転形式としてもよい。
【0028】
【発明の効果】
上記構成の本発明によると、一定経路の一端部において送り装置に対向して位置し、かつ非駆動の可動体の受圧部に対して、強制回転させている送りローラを当接させることで、送り装置により可動体に大きな推進力を与えることができ、以て可動体を一定経路上で搬送できる。その際に可動体は、一定経路の他端部において制動装置により制動力が付与されることから、制動作用を受けた状態で搬送することになり、したがって一定経路上において可動体群は、前後端間に隙間を生じめることなく、密な後押し状態で効率よく搬送できる。
【0029】
このような状態で一定経路上を搬送される可動体群は、その集電装置を給電装置に摺接させて昇降動装置に通電していることから、希望する位置において人的操作や遠隔操作などにより昇降動装置を作動させることで、支持部、すなわち被搬送物を昇降させて任意なレベルにすることができ、したがって可動体上の被搬送物に対する作業は、その作業内容に関係なく常に無理なく安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示し、可動体使用の搬送設備の正面図である。
【図2】
同可動体使用の搬送設備の要部の一部切欠側面図である。
【図3】
同送り装置部の平面図である。
【図4】
同可動体使用の搬送設備の概略平面図である。
【符号の説明】
1 レール
2 ピット
3 一定経路
4 給電装置
6 車体(被搬送物)
10 可動体
11 本体
14 集電装置
15 受圧部
16 当接面
20 被搬送物支持部
25 昇降動装置
27 電動シリンダー
28 制御盤
30 送り装置
37 サーボモータ
39 送りローラ
41 シリンダ装置
50 制動装置
51 制動ローラ
55 送り込み装置
A 逆送り回転力
B 送り回転力
 
訂正の要旨 (訂正の要旨)
a.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設したことを特徴とする可動体使用の搬送設備。」と訂正する。
b.訂正事項b
上記訂正事項aに伴い、明細書の段落【0008】の「レールに支持案内されて」以下の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「床側に形成したピット内に敷設された一対のレールに支持案内されて一定経路上を走行自在でかつ集電装置を有し上面が作業床板と同じレベル状にある本体を有する可動体を設け、この可動体に、昇降自在な被搬送物支持部と、この被搬送物支持部を昇降させる電動式の昇降動装置を設けるとともに、当該可動体の本体の両側面に外側方に向く受圧部を形成し、前記集電装置を、可動体に搭載した制御盤を介して前記昇降動装置に接続し、前記一定経路中に、前記受圧部に送りローラを作用して可動体に走行力を付与する送り装置と、前記受圧部に制動ロ一ラを作用して可動体に制動力を付与する制動装置とを設け、前記ピット内の前記一定経路に沿って給電装置を配置し、前記集電装置を、当該給電装置に対して摺接自在にかつ前記本体の下部から連設したブラケットに配設している。」と訂正する。
審理終結日 2002-06-28 
結審通知日 2002-07-03 
審決日 2002-07-16 
出願番号 特願平3-335356
審決分類 P 1 112・ 121- ZA (B65G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 深澤 幹朗  
特許庁審判長 舟木 進
特許庁審判官 清田 栄章
亀井 孝志
登録日 1998-05-22 
登録番号 特許第2783026号(P2783026)
発明の名称 可動体使用の搬送設備  
代理人 渡辺 彰  
代理人 森本 義弘  
代理人 岸本 瑛之助  
代理人 日比 紀彦  
代理人 清末 康子  
代理人 森本 義弘  
代理人 板垣 孝夫  
代理人 板垣 孝夫  

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