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審決分類 |
審判 全部申し立て 特174条1項 F21V |
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管理番号 | 1067580 |
異議申立番号 | 異議2001-70406 |
総通号数 | 36 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-09-09 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-02-07 |
確定日 | 2002-10-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3073691号「道路またはトンネル用照明器具」の請求項1乃至3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3073691号の請求項1乃至3に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3073691号(請求項の数3)に係る発明についての出願は、平成8年2月29日に特許出願され、平成12年6月2日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、全請求項に係る特許について、申立人・村野浩より特許異議の申立がなされ、平成13年6月28日付けで取消理由の通知がなされ、その指定期間内である平成13年9月10日に訂正請求(後日取下)がなされた後、平成13年10月15日付けで2回目の取消理由の通知がなされ、その指定期間内である平成13年12月21日に再度の訂正請求がなされた後、平成14年2月19日付けで3回目の取消理由の通知(訂正拒絶理由通知を兼用)がなされ、それに対し平成14年4月26日付けで意見書が提出されたものである。 2.訂正の適否 ア.訂正の内容 特許権者が求めている訂正の内容は、平成13年12月21日付けの訂正請求書及びそれに添付された訂正明細書の記載からみて、以下のとおりのものと認められる。 ・訂正事項A 特許請求の範囲の請求項1において 「該透光性カバー(12,28,48)に略均一な膜厚で形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、を具備しており」とあるのを、 「該透光性カバー(12,28,48)の少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面に略均一な膜厚で焼成により形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、を具備しており」と訂正する。 ・訂正事項B 明細書の段落【0012】において 「該透光性カバーに略均一な膜厚で形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜を具備している。」とあるのを、 「該透光性カバーの少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面に略均一な膜厚で焼成により形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜を具備している。」と訂正する。 イ.当審の判断 上記訂正事項A及びBにおける、「少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面」という表現は、願書に添付した明細書又は図面(以下、「特許明細書」という。)に記載若しくはその定義付けがなされていないため、該表現により特定される透光性カバーの具体的な光触媒膜の形成領域については曖昧である。 つまり、透光性カバーの表面領域としては、一般的に、次の(a)乃至(h)の場合が想定される。 (a) 透光性カバーの内外両表面全体 (b) 透光性カバーの内表面全体(同カバーの外表面を除く) (c) 透光性カバーの外表面全体(同カバーの内表面を除く) (d) 透光性カバーの内表面全体及び外表面の一部 (e) 透光性カバーの外表面全体及び内表面の一部 (f) 透光性カバーの内表面の一部及び外表面の一部 (g) 透光性カバーの内表面の一部のみ (h) 透光性カバーの外表面の一部のみ ところで、「透光性カバーの少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面」に光触媒膜を形成するということは、「透光性カバーの排気ガスに含まれる汚れ成分が付着しない表面」には光触媒膜を形成しない場合もあるということになる。 そうすると、上記(a)乃至(h)の内のいずれが、「透光性カバーの排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面」に該当し、同じくいずれが、「透光性カバーの排気ガスに含まれる汚れ成分が付着しない表面」に該当するのかが、特許明細書に記載されていない以上、光触媒膜の形成領域については曖昧であると言わざるをえない。 このように、透光性カバーにおける光触媒膜の形成領域を、上述した曖昧な概念で捉えるような技術思想、或いは、「少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面」との条件の下に特定するという技術思想は、特許明細書に記載されていなかったことである。 したがって、上記訂正事項が、特許明細書の記載から直接的かつ一義的に導き出せる事項であるとは認められず、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面の範囲内においてなされたものに該当しない。 なお、本件特許権者は、上記意見書において、 『(1)請求項1の構成要件として光源を「300nmないし410nmの波長領域内の放射束を可視光線1000lm当たり0.05W以上」と規定した理由が、排気ガスの汚れの分解能力の高さにあること([0016]参照)、(2)他の構成要件である「水密かつ開閉可能に配設された透光性カバー」により排気ガスに含まれる汚れ成分が器具本体内へほとんど進入しないこと、(3)本発明は「透光性カバーの汚れを効率よく分解」することを課題としていることから、透光性カバーの外表面に形成された光触媒膜のみが排気ガスに含まれる汚れ成分を効率よく分解し、メインテナンス費用を削減するという技術事項が本特許明細書及び図面に記載されていることは明白である。このように、光触媒膜を少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する透光性カバーの表面に形成することが、本特許明細書及び図面に記載された事項から直接的かつ一義的に導くことができる技術思想であることは明らかであり、従って本訂正は、訂正の要件を満たしているものと思料する。』(同意見書の『5意見の内容「1」訂正拒絶理由通知について』の項参照)、 と主張している。 しかしながら、 上記(1)の点に関しては、特許明細書の段落【0016】は、光源を規定した根拠が、単に、排気ガスの汚れの分解能力の高さにあることを開示しているにすぎず、透光性カバーにおける光触媒膜の形成領域を特定したものとはなっていないこと、 上記(2)の点に関しては、同段落【0010】に「防雨、防湿構造が設けられた道路またはトンネル用照明器具であっても、・・・照明器具の点灯、消灯に伴う器具内の温度変化によって、器具内外の気圧差が大きくなり、若干量吸気することによって器具内部に水分が侵入する。」とあるところから、排気ガスに含まれる汚れ成分が器具本体内へ侵入しないと断定することはできず、該成分が透光性カバーの内表面に付着するか否かは不明であると言わざるをえないこと、 上記(3)の点に関しては、同段落【0010】に「水分や、器具内部の樹脂部品等から飛散する物質が透光性カバーの内表面に付着する。これによって道路またはトンネル用照明器具の照度を低下させる」とあるところから、「透光性カバーの汚れを効率よく分解」(同段落【0011】参照)するとの課題における「透光性カバーの汚れ」には、樹脂部品等からの飛散物質による汚れが含まれているものであり、必ずしも、排気ガスによる汚れのみを対象としてはいないこと、 等を総合的に勘案すれば、「透光性カバーの少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面」との表現で特定される表面が、或いは、該表現で特定される条件の下に光触媒膜を形成するとの技術思想が、特許明細書に記載された事項から直接的かつ一義的に導くことができるとは到底認められないため、本件特許権者の上記主張を採用することはできない。 ウ.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は特許法第120条の4第3項の規定において準用する同法第126条第2項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。 3.特許異議の申立てについて ア.本件発明 特許第3073691号の請求項1乃至3に係る発明(以下、「本件発明1乃至3」という。)は、特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 300nmないし410nmの波長領域内の放射束が可視光線1000lm当たり0.05W以上である光源(11,27,47)を収納し、該光源(11,27,47)を包囲するように構成された開口(5,23,43)を有する器具本体(3,22,42)と、 300nmないし410nmの波長領域内における少なくとも一部の透過率が80%以上であり、該光源(11,27,47)を覆って該器具本体(3,22,42)の該開口(5,23,43)に水密かつ開閉可能に配設される透光性カバー(12,28,48)と、 該透光性カバー(12,28,48)に略均一な膜厚で形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、 を具備しており、該透光性カバーの閉塞時において、該光源(11,27,47)から該透光性カバー(12,28,48)の内側面に照射される300nmないし410nmの波長領域内の放射照度が0.05mW/cm2以上となる位置関係に該光源(11,27,47)が該器具本体(3,22,42)内に配設され、該透光性カバー(12,28,48)に付着した汚れ物質が該光源(11,27,47)の光照射によって酸化、分解されるように構成されていることを特徴とする道路またはトンネル用照明器具。 【請求項2】 300nmないし410nmの波長領域内の放射束が可視光線1000lm当たり0.05W以上である光源(11,27,47)と、 該光源(11,27,47)を包囲するように構成された開ロ(5,23,43)を有する器具本体(3,22,42)と、 該器具本体(3,22,42)の該開ロ(5,23,43)に取付けられた300nmないし410nmの波長領域内における少なくとも一部の光を透過する透光性カバー(12,28,48)と、該透光性カバー(12,28,48)の内外両面に形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)と、 を具備しており、該透光性カバー(12,28,48)に付着した汚れ物質が該光源(11,27,47)の光照射によって酸化、分解されるように構成されていることを特徴とする道路またはトンネル用照明器具。 【請求項3】 該光触媒膜(18)の酸化チタンはアナターゼ形である請求項1又は2に記載の道路またはトンネル用照明器具。 イ.取消理由 当審が平成14年2月19日付けで通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 理由1.本件出願は、明細書又は図面についてした補正が、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないものと認められるから、本件発明1乃至3についての特許は取り消されるべきものである。 理由2.本件発明1及び3は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特許出願[特願平7-349340号(特開平9-171707号)]の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、本件発明1及び3についての特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。 ウ.理由1について 上記取消理由のうち、まず、理由1について検討する。 平成9年4月24日付け手続補正書、平成10年2月2日付け手続補正書及び平成10年12月7日付け手続補正書によりなされた補正によれば、本件発明1及び本件発明1を引用する本件発明3は、「透光性カバー(12,28,48)に略均一な膜厚で形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)」との記載から、光触媒膜が、透光性カバーの両面に形成されたものの他に、透光性カバーの外表面のみに形成されたもの及び透光性カバーの内表面のみに形成されたものをも含んでいると認められる。 ところで、出願当初の明細書又は図面(以下、「当初明細書」という。)には、【特許請求の範囲】の【請求項1】に『透光性カバー(12,28,48)の両面に形成された酸化チタンを主成分とする光触媒膜(18)』と記載されているのをはじめ、段落【0012】乃至【0025】の【課題を解決するための手段】、段落【0026】乃至【0052】の【発明の実施の形態】、段落【0053】乃至【0055】の【発明の効果】の項には、一貫して、光触媒膜を透光性カバーの両面に形成したものについて記載されている。 そして、特に当初明細書の段落【0024】の『透光性カバーの外表面に形成された光触媒膜には300nmないし410nmの波長領域内の光を到達させなければならない。300nmないし410nmの波長領域内の光は、内表面に形成された光触媒膜がほとんど吸収されずに一部が透過するような放射照度に調整すればよい。放射照度は、光源の選択、光源と透光性カバーとの間の距離などを設定すること等によって調整できる。』との記載によれば、本件発明1を特定する事項である『300nmないし410nmの波長領域内の放射束が可視光線1000lm当たり0.05W以上である光源(11,27,47)』及び本件発明3を特定する事項である『光源(11,27,47)から該透光性カバー(12,28,48)の内側面に照射される300nmないし410nmの波長領域内の照射照度は0.05mW/cm2以上』は、光触媒膜を透光性カバーの両面に形成したものを前提として調整されたものであることは明らかである。 さらに、同段落【0025】の「光源が点灯すると、透光性カバーの両面に形成された光触媒膜に可視光線とともに300nmないし410nmの波長領域内の光がそれぞれ照射される。光触媒膜は、光触媒活性によって透光性カバーの両面の汚れ物質を酸化、分解する。」なる記載、同段落【0053】【発明の効果】の「請求項1の発明では、光触媒作用によって、照明効果を損なうことなく透光性カバーの両面の汚れを確実に除去することができ、清掃作業等に掛かるメインテナンス費用を大幅に削減することが容易にできる。」なる記載によれば、「透光性カバーの両面の汚れを確実に除去すること」によって、メインテナンス費用の大幅な削減が図られるものと認められる。 このように、上述した当初明細書の記載によれば、光触媒膜が透光性カバーの両面に形成されたものを対象としているのであって、光触媒膜が、透光性カバーの外表面のみ、あるいは、透光性カバーの内表面のみに形成されたものまでを想定していないことは明らかであり、また、これらの記載から、光触媒膜を透光性カバーの片側面のみに形成するとの概念が直接的かつ一義的に導き出せるものであるとも認められない。 したがって、上記各補正書による補正が、願書に最初に添付された明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるとは到底認めることができない。 エ.特許権者の主張について 以下、上記理由1に対する特許権者の主な主張を検討する。 (1) 特許権者は、『本特許の願書に最初に添付した明細書に、透光性カバーの内外両面に光触媒膜を形成されたものが記載されているが、これは、出願当時の技術水準から考えて最も実用化の可能性が高い「光触媒膜を透光性カバーの両面に形成したもの」を実施形態の中心として記載したためであり、「外面及び内面の双方」に限定することを意図するものではない。その根拠として、例えば[0016]には、請求項1の構成要件として光源を「300nmないし410nmの波長領域内の放射束を可視光線1000lm当たり0.05W以上」と規定した理由が、排気ガスの汚れの分解能力の高さにある旨が記載されているにも拘わらず、内面の汚れ成分(器具内部の樹脂部品等から飛散する物質:[0010]参照)の分解能については明記されていないことを挙げることができる。・・・内面の汚れを分解する効果は被覆対象の両面に光触媒膜が形成されてしまう当時の技術によって副次的に得られる効果に過ぎない。』(上記意見書第3頁第21行〜第4頁第7行)と主張している。 しかしながら、上記主張は、本特許の出願当時の技術水準からすれば「光触媒膜を透光性カバーの両面に形成したもの」が最も実用化の可能性が高いこと、及び、「被覆対象の両面に光触媒膜が形成されてしまう当時の技術」、を本件特許権者自ら認めているものであり、光触媒膜を透光性カバーの一部の面のみに形成したものが当初明細書に記載されていたとする根拠にはならない。また、当初明細書の段落【0016】の記載からは、光源の放射束に関する数値限定の理由が排気ガスの汚れと関連することは窺えるものの、上記「ウ.」の項で述べたように、同明細書の段落【0024】の記載からすれば、光源の放射束は光触媒膜を透光性カバーの両面に形成したものを前提として調整するものであることは明らかである。 (2) 特許権者は、『放射照度の下限値(0.05mW/cm2以上)を限定した根拠は、透光性カバーの両面に光触媒膜を形成した構成を前提としたものである。しかし、この下限値は、内表面側の光触媒膜が紫外線を吸収することを考慮して選択されたものであり、光触媒膜が外表面のみに形成されている場合には、内表面側の紫外線吸収量が低下して当然に外表面側の光触媒膜に到達する紫外線量が上昇することになるから、この下限値以上の放射照度であれば内表面側の光触媒膜の有無に関わらず十分な汚れ成分の分解効果が得られることを示すものである。一方、紫外線の放射照度の選択については、[0024]に「透光性カバーと外表面に形成された光触媒膜には300nmないし410nmの波長領域内の光を到達させなければならない。300nmないし410nmの波長領域内の光は、内表面に形成された光触媒膜がほとんど吸収されずに一部が透過するような放射照度に調整すればよい。」と記載されていることから、外表面の光触媒膜に到達する紫外線量を多くするために内表面の光触媒膜を選択的に省略することは、上述のように本特許の出願当時における当業者の技術常識から直接的かつ一義的に導き出せる事項である。』(同意見書第4頁第12〜26行)と主張している。 しかしながら、『放射照度の下限値(0.05mW/cm2以上)を限定した根拠は、透光性カバーの両面に光触媒膜を形成した構成を前提としたものである。』と本件特許権者自らが認めているとおりの前提事項に対し、内表面側の光触媒膜が形成されていない構成のものは、明らかに矛盾するものである。また、紫外線の放射照度の選択についての段落【0024】における記載は、内表面に形成された光触媒膜を考慮して放射照度を調整することを述べたものであり、内表面の光触媒膜を選択的に省略することを述べたものではない。 (3) 特許権者は、『本特許の出願後、透光性カバーの少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面に光触媒膜を形成すれば、メインテナンス費用を削減できる充分な効果を得られることが分かった。このような事情に基づき、出願時における実施品に近い記載内容となっている特許請求の範囲を特許の本質により近づける補正をすることは新規事項の追加にはあたらない・・・また、本出願人の意図するものとは離れた事項を表すおそれのある「両面」という記載は誤記であるからその補正は誤記の訂正を目的とするものに相当する』(同意見書第5頁第3〜9行)と主張している。 しかしながら、『本特許の出願後、透光性カバーの少なくとも排気ガスに含まれる汚れ成分が付着する表面に光触媒膜を形成すれば、メインテナンス費用を削減できる充分な効果を得られることが分かった。』と本件特許権者自ら認めているように、透光性カバーにおける光触媒膜の形成領域を、両面に限らず一部の表面とすること及びそれによる効果は、本特許の出願後に分かったことであり、該形成領域をそのように特定すること及びそれによる効果が、本特許の出願時点で認識されていなかったことは明らかである。また、当初明細書において光触媒膜の形成領域を「両面」と記載した点は、実現可能な実施例に基づくものであるから、正しく認識されていたものというべきであり、その後の知見により、「両面」に限らないことが分かったからといって、「両面」が誤記であったと主張することは不合理であり、到底認められるものではない。 したがって、本件特許権者の上記(1)乃至(3)の主張を採用することはできない。 オ.むすび 以上のとおりであるから、理由2について検討するまでもなく、本件発明1乃至3についての特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してなされたものと認められるから、特許法第113条第1号に該当し取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2002-08-12 |
出願番号 | 特願平8-67473 |
審決分類 |
P
1
651・
55-
ZB
(F21V)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 山岸 利治、今関 雅子 |
特許庁審判長 |
田中 秀夫 |
特許庁審判官 |
和泉 等 千壽 哲郎 |
登録日 | 2000-06-02 |
登録番号 | 特許第3073691号(P3073691) |
権利者 | 東芝ライテック株式会社 日本道路公団 |
発明の名称 | 道路またはトンネル用照明器具 |
代理人 | 中村 公達 |
代理人 | 中村 公達 |