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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1070314
異議申立番号 異議2000-73079  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-06-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-14 
確定日 2002-10-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3008101号「パチンコ機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3008101号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1・手続の経緯
特許第3008101号の発明についての出願は、昭和62年5月28日に出願された実用新案登録出願(実願昭62-79990号)の一部が、(旧)実用新案法第9条第1項の規定で準用する特許法第44条の規定により、平成3年5月27日に新たな実用新案登録出願(実願平3-46751号)とされ、この新たな実用新案登録出願が、特許法第46条第1項の規定により、平成3年5月28日に特許出願(特願平3-150907号)に変更され、この特許出願の一部が、特許法第44条の規定により、平成8年3月11日に新たな特許出願(特願平8-82033号)とされ、この新たな特許出願の一部が、同規定により平成9年1月27日に新たな特許出願(特願平9-27188号)とされ、この新たな特許出願の一部が、同規定により、平成10年9月28日に新たな特許出願とされたものであって、平成11年12月3日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人・細江裕実より特許異議の申立てがなされ、平成12年12月22日付け取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年3月12日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、平成13年8月7日付けで再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年10月16日に訂正請求がなされたものである。
2・訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア・訂正事項a
「【請求項1】遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置を設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記制御装置とは別に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の制御をするようにしたことを特徴とするパチンコ機。」とある特許請求の範囲の記載を、
「【請求項1】遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置をパチンコ機の背面側に設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたことを特徴とするパチンコ機。」と訂正する。
イ・訂正事項b
明細書の段落【0004】の記載について、
「・・・遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置を設ける・・・処理部を前記制御装置とは別に設け・・・処理部は・・・所定の制御をする・・・」とあるのを、
「・・・センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置をパチンコ機の背面側に設ける・・・処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け・・・処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする・・・」と訂正する。
ウ・訂正事項c
明細書の段落【0021】の記載について、
「・・・遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置を設ける・・・処理部を前記制御装置とは別に設け・・・処理部は・・・所定の制御をする・・・」とあるのを、
「・・・センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置をパチンコ機の背面側に設ける・・・処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け・・・処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする・・・」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、発明を特定する事項である「・・・遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置を設ける・・・処理部を前記制御装置とは別に設け・・・処理部は・・・所定の制御をする・・・」をこれに含まれる事項である「・・・センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置をパチンコ機の背面側に設ける・・・処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け・・・処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする・・・」に変更し、しかも、「センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ」については、明細書の段落【0011】の「メインMCU17にはセンター役物18・・・電子音発生回路23,ランプ表示器24などパチンコ遊技の制御を受け持たせる」に、「制御装置をパチンコ機の背面側に設ける」点については、図面の【図9】に、「処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け」る点については、明細書の段落【0011】の「表示装置1に第2の制御装置となる表示処理部6を形成して、第1の制御装置16におけるメインMCU17の負担を軽減させる」並びに図面の【図7】及び【図9】に、「処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする」する点については、明細書の段落【0011】の「表示処理部6・・・には・・・表示基板4に配列した各LED素子9の制御を受け持たせて、表示装置1に所定の図柄、文字などの表示態様を表示させる」に、それぞれ記載されているものと認められるので、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、又、上記訂正事項b及びcは、上記訂正事項aと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、何れも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3・特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上記2・で示したように上記訂正が認められるから、本件発明の要旨は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2・(1)ア・訂正事項a参照)
(2)引用刊行物に記載された発明
当審が平成13年8月7日付けで通知した取消しの理由で引用した、本件出願前に国内において頒布された刊行物である特開昭60-96277号公報(以下、「刊行物1」という)には、
特に、
(ア)「打込球が遊技機の盤上に形成された特定の領域を通過したことに応じて複数種類の識別情報を可変表示する可変表示器を備えた電気可変表示器付遊技機に関する」(第1頁右下欄第10乃至13行)、「停止した識別情報が特定の識別情報であれば、遊技者に或る利益が与えられる」(第5頁左上欄第13乃至15行)及び「遊技機を制御する制御回路のブロック線図を示すもので、プログラムに従う順次の制御命令によって各種の演算、データの一時記憶、判断処理及び入力、出力の制御を行う中央演算処理装置(CPU)25と、遊技条件に従って回路動作を行うように定められた制御プログラムデータが格納された読み出し専用のメモリ(PROM)26と、CPU25からの入出力制御信号によってスイッチ、ランプ、ソレノイド及び発光ダイオード等の入出力を並列処理する入出力制御装置(PIA)27と、PIA27に接続された各種の回路とから構成され」(第4頁右上欄第20行乃至左下欄第11行)の記載、
(イ)上記(ア)の第4頁右上欄第20行乃至左下欄第11行及び「電気的可変表示器3によって表示される数字等の識別情報がCPU25のプログラムに従って順次・周期的に可変することになり」(第5頁左上欄第6乃至9行)の記載から、
制御回路が所定の識別情報の表示に関する制御をするものと認められること、
からみて、
「打込球が遊技機の盤上に形成された特定の領域を通過したことに応じて識別情報を可変表示させ、停止した識別情報が特定の識別情報であれば遊技者に或る利益が与えられるパチンコ遊技機において、
遊技盤に配設した電気的可変表示器3を備えた中央入賞球装置4、ランプなど遊技の制御を行う中央演算処理装置(CPU)25及び読み出し専用のメモリ(PROM)26を備える制御回路を設け、制御回路は所定の識別情報の表示に関する制御もするパチンコ遊技機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に国内において頒布された刊行物である実願昭59-162330号(実開昭61-77078号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という)には、
特に、
「バーグラフ10が最も長い状態で停止された時には・・・遊戯上での最も有利な特典が与えられ」(明細書第4頁第16乃至19行)及び図面第2図の記載、
からみて、
「バーグラフ10が最も長い状態で停止された時に遊戯上での最も有利な特典が与えられるパチンコ機において、
表示装置7の制御を行う制御回路33をパチンコ機の背面側に設けると共に、液晶駆動回路16を前記制御回路33とは別に遊戯盤1に配設した前記表示装置7の上部に設け、該液晶駆動回路16は前記制御回路33から信号を受け取ることにより所定の図柄表示をするようにしたパチンコ機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に国内において頒布された刊行物である特開昭62-26088号公報(昭和62年2月4日公開;以下、「刊行物3」という)には、
特に、
「発射装置によって遊技領域内に打ち込まれた打球が特定入賞口7または8に入賞すると、可変表示装置4が変動駆動され・・・数字もしくは絵柄が・・変化される。そして・・・可変表示が停止され、そのとき・・・現われた数字もしくは絵柄の組合せによって特定態様が発生される・・・すると、変動入賞装置5が開状態に変換されてそこへの入賞確率がゼロから非常に高い状態に移行される」(第4頁右下欄第3乃至15行)、「CPU等からなる制御回路を搭載した制御基板98」(第10頁左上欄第10,11行)及び「各パチンコ遊技機ごとにその背部等に設けられる制御基板98へ電気的に接続される」(第10頁左下欄第13,14行)の記載、
からみて、
「発射装置によって遊技領域内に打ち込まれた打球が特定入賞口7または8に入賞すると可変表示装置4が変動駆動され数字もしくは絵柄が変化され、特定態様の発生により入賞確率が非常に高い状態に移行されるパチンコ遊技機において、
可変表示装置4、音階発生手段257、記憶表示ランプLED1〜LED4など遊技の制御を行うCPU210及びROM220を備える制御装置をパチンコ遊技機の背部に設けたパチンコ遊技機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に国内において頒布された刊行物である実願昭58-198863号(実開昭60-106670号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物4」という)には、
特に、図面第1図乃至第3図の記載からみて、
「電気回路ボックス26をパチンコ機の背面側に設けたパチンコ機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に米国内に置いて頒布された刊行物である米国特許第4363485号明細書(クラス273)(以下、「刊行物5」という)には、
特に、Fig.10A及び10B(シート8)の記載からみて、
「プレイヤーがボールシュータ50で弾発した打球でゲームを行うピンボールゲーム機において、
ゲームの制御を行うCPU128及びROM130を備えるコンピュータシステム120を設けると共に、前記CPU128とは異なるCPU128’を備えるピンボールゲーム機の音発生システムを設け、該ピンボールゲーム機の音発生システムは前記コンピュータシステム120からデータ及び信号を受け取ることにより所定の音に関する制御をするようにしたピンボールゲーム機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に米国内に置いて頒布された刊行物である米国特許第4517654号明細書(クラス364)(以下、「刊行物6」という)には、
特に、
(ア)「例えば、ピンボールマシンは今やビデオゲームであり、スロットマシンは今やビデオゲーム装置である」(第1欄下から第48,47行)の記載から、
ビデオプロセシングアーキテクチャがピンボールゲーム或いはスロットゲーム等のゲーム用のものであるものと認められること、
(イ)「本発明は、入力バスから供給されるデータを受け取り、供給されたデータから画像を形成する技術に関する。そして、データがゲーム回路から供給されることを特徴とする。ゲームの動画と、ゲームの画像表示のためのデータは、図1に示すように、ビデオ中央処理装置(CPU)10に供給される。CPUは、ゲームの操作信号に基づいて、ビデオに関する全ての制御を行う」(第3欄下から第19ないし11行)及び「ビデオプロセッサはゲームプロセッサアドレス線を含み、それによってビデオプロセッサはゲームプロセッサデータバスに接続される。ゲームプロセッサ(図示されていない)からのデータは、ビデオプロセッサ10によってデータバスを介して受取られる。さらに、ビデオプロセッサはゲームプロセッサから割込みを受け、それによって、ビデオプロセッサはデータ処理サイクルの途中でゲームプロセッサのコマンドに応答することができる。ビデオプロセッサはゲームプロセッサデータバスにデータ出力信号を与えてビデオプロセッサの状態を示す。ビデオプロセッサがゲームプロセッサから命令を受取ると、プログラムメモリ19はアドレスラッチ12を介してアドレス指定される。プログラムメモリ19はビデオプロセッサを動作するための命令及びゲームプロセッサコマンドに従って図形画像を形成するための命令を含む。一旦アドレス指定されると、プログラムメモリによってビデオプロセッサが他のビデオプロセッサ回路に与えられるデータの形でコマンドを発生することができる」(第4欄第63乃至第5欄第14行)の記載から、
ビデオプロセシングアーキテクチャに、ゲームの制御を行うゲームプロセッサを備えるゲーム回路と、前記ゲームプロセッサとは異なるビデオ中央処理装置(CPU)10を備えるビデオプロセッサ回路とが設けられており、ビデオプロセッサ回路のビデオ中央処理装置(CPU)10はゲーム回路からデータ及び信号を受け取ることにより所定の画像表示に関する制御をするものと認められること、
からみて、
「ゲームの制御を行うゲームプロセッサを備えるゲーム回路を設けると共に、前記ゲームプロセッサとは異なるビデオ中央処理装置(CPU)10を備えるビデオプロセッサ回路を設け、該ビデオプロセッサ回路のビデオ中央処理装置(CPU)10は前記ゲーム回路からデータ及び信号を受け取ることにより所定の画像表示に関する制御をするようにしたピンボールゲーム或いはスロットゲーム等のゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャ」を構成とする発明が、
それぞれ記載されているものと認められる。
(3)対比及び判断
そこで、本件発明(前者)と刊行物1に記載された発明(後者)とを対比するに、
後者の
「打込球が遊技機の盤上に形成された特定の領域を通過したことに応じて」、「識別情報」、「可変表示」、「停止した識別情報が特定の識別情報であれば」、「遊技者に或る利益が与えられる」、「パチンコ遊技機」、「電気的可変表示器3を備えた中央入賞球装置4」、「ランプ」、「中央演算処理装置(CPU)25」、「読み出し専用のメモリ(PROM)26」及び「制御回路」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて」、「図柄」、「変動」、「所定条件の成立により」、「遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行う」、「パチンコ機」、「センター役物」、「ランプ表示器」、「マイクロコンピュータ」、「ROM」及び「制御装置」
に相当するものと認められから、
両者は、
「遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
遊技盤に配設したセンター役物、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置を設け、所定の図柄表示に関する制御をするパチンコ機」である、
点において一致し、
(1)制御装置が、
前者は、電子音発生回路の制御も行っている、
のに対し、
後者は、電子音発生回路の制御も行っているのか否か明らかではない、
(2)制御装置が、
前者は、パチンコ機の背面側に設けられている、
のに対し、
後者は、何処に設けられているのか明らかではない、
(3)所定の図柄表示に関する制御を、
前者は、遊技の制御を行う制御装置のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備え前記制御装置とは別にセンター役物の背面側に設けられた処理部が、前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより行う、
のに対し、
後者は、制御装置が、行う、
点において相違しているものと認められる。
しかし、上記相違点(1)についてみるに、
パチンコ機において、制御装置が電子音発生回路の制御も行うことは、従来周知の構成であるものと認められる(必要なら、特開昭61-259685号公報の第5頁右下欄第11,12行の「効果音は・・・電子的に発生され」、特開昭61-265161号公報の第6頁右上欄第20行、左下欄第1行の「効果音は・・・電子的に発生され」、特開昭61-284278号公報の第5頁左下欄第19,20行の「効果音は・・・電子的に発生され」を参照されたい)から、
後者に従来周知の構成を適用し、後者の制御装置によって電子音発生回路の制御も行うようにすることは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
又、上記相違点(1)の前者の効果が、後者及び従来周知の構成の各効果の総和以上の格別なものとも認められない。
上記相違点(2)についてみるに、
上記相違点(2)の前者の構成である、「制御装置がパチンコ機の背面側に設けられている」という構成は、
刊行物2に記載された発明の
「バーグラフ10が最も長い状態で停止された時に遊戯上での最も有利な特典が与えられる」、「制御回路33」及び「遊戯盤1」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行う」、「制御装置」及び「遊技盤」
に相当するものと認められ、
又、
刊行物3に記載された発明の
「発射装置によって遊技領域内に打ち込まれた打球が特定入賞口7または8に入賞すると可変表示装置4が変動駆動され数字もしくは絵柄が変化され」、「特定態様の発生」、「入賞確率が非常に高い状態に移行される」、「パチンコ遊技機」、「音階発生手段257」、「記憶表示ランプLED1〜LED4」、「CPU210」及び「背部」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ」、「所定条件の成立」、「遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行う」、「パチンコ機」、「音発生回路」、「ランプ表示器」、「マイクロコンピュータ」及び「背面側」
に相当するものと認められ、
更に、
刊行物4に記載された発明の
「電気回路ボックス26」
がその機能に照らし、
前者の
「制御装置」
に相当するものと認められるから、
刊行物2乃至4に記載された各発明にも備わっているところ、
そもそも「制御装置」を「パチンコ機」のどの面側に設けるにしろ、その面は、「パチンコ機」の上下左右前後(背)の6つの内にしかなく、前側に設けては遊技者の邪魔になり、且つ、防犯上も好ましくないのは明白であるから、上下左右後(背)の5つの内から選ばれることは技術常識であると認められる。しかして、「制御装置」を「パチンコ機の背面側」に設けるにつき、これを困難乃至不可能にする技術的理由があって、前者がこれを解決したとか、或いは、「制御装置」を「パチンコ機の背面側」に設けるにつき、発明力を要する工夫をしたということであれば別であるが、「制御装置」を「パチンコ機の背面側」に設けること自体は、前記技術常識である上下左右後(背)の5つの内から単に背面側を選択した単なる設計事項にすぎない。
してみると、後者において、上記相違点(2)の前者の構成を採用することは、刊行物2乃至4に記載された各発明にも備わっているような、当業者が適宜なし得る単なる設計事項であるというべきである。
上記相違点(3)についてみるに、
刊行物5に記載された発明の
「プレイヤー」、「ボールシュータ50」、「ゲーム」、「CPU128」、「コンピュータシステム120」、「CPU128’」及び「ピンボールゲーム機の音発生システム」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者」、「発射装置」、「遊技」、「マイクロコンピュータ」、「制御装置」、「(異なる)マイクロコンピュータ」及び「処理部」
に相当するものと認められるから、
刊行物5に記載された発明には、
「遊技者が発射装置で弾発した打球で遊技を行うピンボールゲーム機において、
遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置を設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の音に関する制御をするようにしたピンボールゲーム機」という構成が、
又、
刊行物6に記載された発明の
「ゲーム」、「ゲームプロセッサ」、「ゲーム回路」、「ビデオ中央処理装置(CPU)10」、「ビデオプロセッサ回路」及び「画像」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技」、「マイクロコンピュータ」、「制御装置」、「(異なる)マイクロコンピュータ」、「処理部」及び「図柄」
に相当するものと認められるから、
刊行物6に記載された発明には、
「遊技の制御を行うマイクロコンピュータを備える制御装置を設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたピンボール遊技或いはスロット遊技等の遊技用ビデオプロセシングアーキテクチャ」という構成が、
それぞれ備わっているものと認められる。
すなわち、刊行物6に記載された発明には、
「処理部を制御装置とは別にセンター役物の背面側に設ける」点を除くと、
上記相違点(3)の前者の構成と一致する、
「遊技の制御を行う制御装置のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部が、前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をする」という構成が備わっているものと認められる。
しかして、「処理部」が「制御装置」と一緒に設けられねばならないとする技術的理由はなく、むしろ、不正手段の防止、メンテナンスの容易性の確保、部品交換の便宜等の理由から、これらを別別にして設けることの意味も認められるのであるから、刊行物6に記載された発明において、これらが別別に設けられているとみても一向に差し支えが無く、それゆえ、「処理部を制御装置とは別に設ける」点は、実質的な相違ではないというべきであり、又、「処理部」が「図柄表示に関する制御」を行うものである以上、これを「図柄表示」を行う表示装置の近傍に設けることは、当業者が適宜なし得る単なる設計事項にすぎず、そして、後者においては、表示装置に相当する電気的可変表示器がセンター役物に設けられており、且つ、上記相違点(2)に記したと同じ理由で、「背面側に設ける」ことは、単なる設計事項にすぎないから、「処理部をセンター役物の背面側に設け」る点は、当業者が適宜なし得る単なる設計事項であるというべきであり、したがって、上記相違点(3)の前者の構成は、刊行物6に記載された発明に備わっているものと認められる。
そうすると、
(ア)刊行物6に記載された発明の「ビデオプロセシングアーキテクチャ」は、これがピンボール遊技或いはスロット遊技等の遊技用のものである以上、所定条件の成立により遊技者に有利となる遊技を行うものであることは自明であり、したがって、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行う後者の「パチンコ機」と同様の技術分野のものであると認められること、(イ)ビデオ遊技機ではない遊技機において、「遊技の制御を行うマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を設ける」という構成が刊行物5に記載された発明にも備わっているように公知であると認められること、(ウ)上記相違点(3)の前者の構成が、刊行物6に記載された発明に備わっているものと認められること、を勘案すると、
刊行物5に記載された発明の存在の基に、ビデオ遊技機ではない遊技機である後者に、刊行物6に記載された発明を適用し、所定の図柄表示に関する制御を、制御装置で、行う構成、に代え、遊技の制御を行う制御装置のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備え前記制御装置とは別にセンター役物の背面側に設けられた処理部で、前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより行う構成、を採用することは、当業者が格別困難性を要することではないというべきである。
又、上記相違点(3)の前者の効果が、後者、刊行物5及び6に記載された各発明の各効果の総和以上の格別なものとも認められない。
(4)むすび
上記のとおり、本件発明は、上記刊行物1、5及び6に記載された各発明、並びに、従来周知の構成に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パチンコ機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置をパチンコ機の背面側に設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたことを特徴とするパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置に各種図柄や文字などの表示態様を表示することのできるパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、パチンコ機には、遊技者に遊技状態を可視表示するためや装飾のために多くの表示装置が設けてある。従来の表示装置としては、例えば7セグメントの発光ダイオードの発光部位の組合せにより数字または英文字を表示態様として表示するいわゆるデジタル表示器があり、また回転ドラムの外面に複数の図柄や文字などを描き、表示窓に上記図柄などの一つを臨ませ、上記ドラムの回転により図柄などの表示態様を変化させる回転ドラム表示器などがある。更に、表示素子として発光ダイオードを縦横例えば5×7個配設し、発光部位を選択して表示するマトリクス表示器がある。
そして、上記デジタル表示器や回転ドラム表示器あるいはマトリクス表示器を複数個連設して各表示を組合せるようにしたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の表示装置は、マイクロコンピュータを備える制御装置によって表示する表示態様を制御している。しかし、従来の制御装置は、表示装置の表示素子を制御すると共に、センター役物等に設けた継続スイッチや10カウントスイッチ、始動口スイッチ、駆動ソレノイド、或は効果音や表示灯などのパチンコ機全般に亙る制御を行わなければならず、マイクロコンピュータの作業容量は限界に近付いており、複雑な表示態様の表示や高速な処理を実行できない現状にあった。
また、表示装置を含めて一つの制御装置で行うと、制御装置が大型化して取り扱いが面倒になると共に、配線が複雑となり、複雑化した配線が他の部品の邪魔になる。しかも、パチンコ機では一般にセンター役物が後方へ突出しているため、制御装置が大型化すると取付スペースの自由度が小さくなってしまい取付が困難である。
更に、表示装置の制御に関する部分に故障や変更が生じた場合でも、制御装置全体を交換しなければならない。一方、遊技の制御に関する部分に故障や変更が生じた場合には、表示装置に関する部分も含めて交換しなければならない。従って、無駄が多く、コストが嵩んでいる。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、遊技の制御を行う制御装置の負担を軽くすることができると共に、この制御装置の制御下において所定の処理を実行可能なパチンコ機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置をパチンコ機の背面側に設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面の実施の形態について説明する。本発明に係るパチンコ機に用いる表示装置1は、第1基板2と第2基板3とを有し、第1基板2の前面には表示基板4を添設し、第2基板3には、パチンコ遊技の制御を行う第1の制御装置から単一方向にのみ送られるデータに基づいて複数の図柄を変動表示可能な第2の制御装置、即ちサブMCU(マイクロコンピュータユニット)5を有する表示処理部6を形成する。この表示処理部6では、前記第1の制御装置より不可逆的に送られるデータに基づいて図柄に変換する処理が実行される。
【0006】
第1基板2の前後表面にはプリント配線を適宜施すと共に、後面にはトランジスタ、抵抗などのチップ素子7…を配設して電気回路(主としてドライブ回路)を形成し、周縁部には例えば雄型コネクタ8を配置する。
【0007】
表示基板4は、例えば20×20mm程度の基板であって、この表示基板4の表面に縦横10×10個のレンズ部を備えない裸のLED素子9を配列する。尚、図1の実施の形態では表示基板4の前面に透光性のあるカバー部材10を被着している。また、このカバー部材10に着色することもできる。
【0008】
一方、第2基板3の前後面にはチップ素子7及びサブMCU5や水晶発振子11などを配設して表示処理部6となる電気回路を形成し、周縁には雌型コネクタ12を配置し、この雌型コネクタ12と前記第1基板2の雄型コネクタ8とを接続する。従って、表示処理部6が表示基板4の裏面側に位置し、第2の制御装置が背面側に設けられた表示装置1となる。尚、図面の実施の形態によれば、第1基板2と第2基板3とを背中合せに両コネクタ8、12を接合し、支柱13を介して固定するようになっているが、ケーブルを介して接続するようにしてもよい。
【0009】
また、第2基板3の一縁には外部接続端子14を設けて、この外部接続端子14を介してパチンコ機15の遊技制御を行う第1の制御装置16に接続可能とする。
【0010】
上記のような表示装置1は、表示処理部6を含めて例えば90×45×25mm以内に構成でき、一つの表示基板4について10×10ドットの図柄表示が可能である。
【0011】
本発明において表示装置1は、例えば図4に示すようなブロック回路を有する第1の制御装置16によって制御される。そして、本発明では表示装置1に第2の制御装置となる表示処理部6を形成して、第1の制御装置16におけるメインMCU17の負担を軽減させると共に、配線接続を極めて簡単にしている。即ち、メインMCU17にはセンター役物18などに設けた継続スイッチ19、10カウントスイッチ20、始動口スイッチ21、駆動ソレノイド22、あるいは電子音発生回路23、ランプ表示器24などパチンコ遊技の制御を受け持たせる一方、表示装置1の背面側に設けた表示処理部6のサブMCU5には第1の制御装置16から受信するデータに基づいて、表示基板4に配列した各LED素子9の制御を受け持たせて、表示装置1に所定の図柄、文字などの表示態様を表示させるのである。
【0012】
尚、本実施の形態では、ノイズによる暴走を防ぐためにリアルタイムリセット方式を採用し、タイマ回路を省略してメインMCU17からリセット信号を受け取り、8ビットデータを4ビットに分割して2度転送することにより接続本数を減少している。そして、本発明によれば、データ4本、電源2本、リセット1本、割込1本、制御信号(8ビットの上下、明暗、桁選択)3本の計11本の配線で足りるが、従来のようにメインMCU17に頼る場合には少なくとも40本の配線が必要である。また、表示装置1の各LED素子9をメインMCU17で制御する場合には処理時間が長くなって表示がチラ付いて見難いものになってしまう。
【0013】
そして、表示装置1の背面側に設けた第2の制御装置としての表示処理部6では図5のフローチャートに示すように、I/Oポートを初期化し、リセット信号をパワーオンによるリセットか割込によるリセットかを判定し、ラム(RAM)を初期化し、ノンマスカブルイントラプト(NMI)により入力された上下4ビットデータを8ビットデータに変換し、フリーランニングカウンタをリセットし、上記8ビットデータを図柄データに変換して、各ポートに明暗情報として出力し、各表示基板4のLED行をスキャンするためのデータを更新し、例えば横行を10回スキャンし、フリーランニングカウンタが819より大きい時はジャンプさせて1回の発光時間を819μSとする。一方、NMIでは割込データを対応するメモリに格納して復帰する。
【0014】
尚、LEDスキャン処理を上の行から順番に行なわず、例えば、上段から1-3-5-7-9-2-4-6-8-10と交互に表示すれば、遊技者の目の残像現象により全体の図柄が見易くなる。
【0015】
図6ないし図7は上記のような表示装置を組み込んだセンター役物18の一例である。
【0016】
センター役物18は、取付板25の中程に横に並ぶ3つの表示窓26を有し、各表示窓26には前記表示基板4が臨む。表示窓26と表示基板4との間には、表示基板4側を縮径させた遮蔽板27を上記取付板25から連続して設ける。尚、上記センター役物18の表示窓26の上側には、天入賞口28及び天下入賞口29を設け、該天入賞口28及び天下入賞口29の前面に透光性のある化粧板30を添設し、該化粧板30の裏側にはランプ基板31に取付けたランプ32を臨ませる。また、上記各入賞口28、29には球通路33、34を夫々連設する。
【0017】
表示窓26の下側には、発光ダイオードからなる10カウント表示部35、継続球表示部36、記憶個数表示部37を設ける。
【0018】
上記のようなセンター役物18を配設したパチンコ機15における遊技の一例は、遊技者が発射装置38で弾発した打球が遊技盤15′に設けた始動口39に入賞し、始動口スイッチ21をオンして特別遊技が開始し、センター役物18で表示する図柄が高速で変換し、遊技者がタッチスイッチ40を操作して変換を停止したときの図柄の組み合せにより大入賞口41を開放する。このように、特別遊技の表示に本発明における表示装置1を使用すれば、制御装置16のメインMCU17の負担が軽減されて高速処理が可能になり、従来の表示器に比べきめ細かな表示が可能になると共に配線や制御が簡単になる。
【0019】
また、本発明によれば、表示素子を第1の制御装置から第2の制御装置へ向けて一方向へ送られるデータに基づいて第2の制御装置によって制御するので、表示装置で表示する図柄を流動的に表示することが容易であって、従来にない新鮮な表示が可能となる。
【0020】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り適宜実施できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置をパチンコ機の背面側に設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたので、遊技の制御を行う制御装置の負担を軽くすることができると共に、この制御装置により所定の制御を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
前面側から見た表示装置の分解斜視図である。
【図2】
後面側から見た表示装置の分解斜視図である。
【図3】
表示装置に設けた回路のブロック図である。
【図4】
制御装置のブロック図である。
【図5】
表示処理部におけるフローチャートである。
【図6】
表示装置を設けたセンター役物の正面図である。
【図7】
表示装置を設けたセンター役物の縦断面図である。
【図8】
表示装置を設けたセンター役物を配設した遊技盤の正面図である。
【図9】
パチンコ機の背面図である。
【符号の説明】
1 表示装置
5 サブMCU
6 表示処理部
9 表示素子
15 パチンコ機
16 制御装置
17 メインMCU
 
訂正の要旨 訂正の要旨
ア・訂正事項a
「【請求項1】遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置を設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記制御装置とは別に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の制御をするようにしたことを特徴とするパチンコ機。」とある特許請求の範囲の記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】遊技者が発射装置で弾発した打球が遊技盤に設けられた始動口における球の検出に基づいて図柄を変動させ、所定条件の成立により遊技者に有利な入賞態様を付与する遊技を行うパチンコ機において、
センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ及びROMを備える制御装置をパチンコ機の背面側に設けると共に、前記マイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータを備える処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け、該処理部は前記制御装置からデータ及び信号を受け取ることにより所定の図柄表示に関する制御をするようにしたことを特徴とするパチンコ機。」と訂正する。
イ・訂正事項b
明細書の段落【0004】の記載について、
「・・・遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置を設ける・・・処理部を前記制御装置とは別に設け・・・処理部は・・・所定の制御をする・・・」とあるのを、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「・・・センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置をパチンコ機の背面側に設ける・・・処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け・・・処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする・・・」と訂正する。
ウ・訂正事項c
明細書の段落【0021】の記載について、
「・・・遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置を設ける・・・処理部を前記制御装置とは別に設け・・・処理部は・・・所定の制御をする・・・」とあるのを、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「・・・センター役物、電子音発生回路、ランプ表示器など遊技の制御を行うマイクロコンピュータ・・・制御装置をパチンコ機の背面側に設ける・・・処理部を前記遊技の制御を行う制御装置とは別に遊技盤に配設した前記センター役物の背面側に設け・・・処理部は・・・所定の図柄表示に関する制御をする・・・」と訂正する。
異議決定日 2002-08-23 
出願番号 特願平10-272387
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 神 悦彦松川 直樹瀬津 太朗土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 鈴木 寛治
久保 竜一
登録日 1999-12-03 
登録番号 特許第3008101号(P3008101)
権利者 株式会社平和
発明の名称 パチンコ機  
代理人 福田 賢三  
代理人 福田 武通  
代理人 福田 伸一  
代理人 福田 伸一  
代理人 福田 武通  
代理人 福田 賢三  

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