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審決分類 審判 全部申し立て 出願日、優先日、請求日  F21V
審判 全部申し立て 特174条1項  F21V
審判 全部申し立て 2項進歩性  F21V
管理番号 1070534
異議申立番号 異議2001-73333  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-12-11 
確定日 2002-12-25 
異議申立件数
事件の表示 特許第3175739号「液晶デイスプレイのバックライト」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3175739号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。 
理由 〔I〕本件特許及び本件特許異議事件の手続の経緯
本件特許3175739号(以下「本件特許」という。)は、平成6年6月17日に出願された特願平6-134763号(以下「原出願」という。)の分割出願として平成11年11月8日に特許出願され、平成13年4月6日に設定登録がされたものであり、本件特許異議事件に係る手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
1)特許権の設定の登録:平成13年4月6日
2)特許掲載公報の発行:平成13年6月11日
3)特許異議の申立て(異議申立人・井上盛夫):平成13年12月11日付け
4)口頭審理期日呼出状:平成14年2月12日付け(発送日:同月22日)
5)口頭審理陳述要領書(第1回)(異議申立人):平成14年3月27日付け
6)口頭審理陳述要領書(特許権者):平成14年3月27日付け
7)口頭による審尋:平成14年3月27日
7)口頭審理:平成14年3月27日
8)取消理由通知:平成14年4月3日付け(発送日:同年4月26日)
9)特許異議意見書(特許権者):平成14年6月25日付け
10)訂正請求:平成14年6月25日付け
11)口頭審理陳述要領書(第2回)(異議申立人):平成14年8月21日付け
12)訂正拒絶理由通知:平成14年8月21日付け(発送日:同年8月30日)
13)意見書(特許権者):平成14年10月25日付け
14)訂正請求書の手続補正書(特許権者):平成14年10月25日付け

〔II〕訂正請求の適否について
1.特許権者は、平成14年6月25日付けで訂正請求書を提出し、さらに、同年10月25日付けで、同訂正請求書に対する手続補正書を提出した。
ところで、特許法120条の4第3項において準用する同法131条2項本文は、「前項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであってはならない。」と規定しており、訂正請求書の補正は、訂正請求書の要旨を変更しない範囲でのみ許されるものとされている。
ところが、本件訂正請求に対する本件補正は、訂正請求に係る請求項1ないし4に係る発明「液晶ディスプレイのバックライト」を「液晶ディスプレイのバックライト用面状光源」とするものであるから、訂正請求に係る審理の対象となる特許請求の範囲を実質的に変更するものであり、本件訂正請求に係る請求書の要旨を変更するものであることは、明らかであるというべきである。
したがって、本件補正は、本件訂正請求書の要旨を変更するものであり、認められない。
なお、この扱いに関しては、東京高裁平成10年(行ケ)382号判決(平成14年3月19日判決言渡)を参照されたい。

2.次に、特許権者が平成14年6月25日付けでした訂正請求の訂正事項は、特許請求の範囲の請求項1ないし4、発明の詳細な説明の段落【0005】【0006】【0019】【0020】、「発明の名称」中の、各「面状光源」を、「液晶ディスプレイのバックライト」と訂正しようとするものである。
3.請求人は、上記特許請求の範囲の訂正は「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、「面状光源」を、より下位概念に限定しようとするものである旨主張する。
そこで、検討すると、「面(状)光源」とは、大きさを有する面状の光源のことであって、点光源に対する概念であり、一方、「バックライト」とは、背面から照射される光または照明装置のことであり、両者は、上位下位の関係にある概念とはいえない。いわば、「面状光源」は、「バックライト」を構成する一要素(主要素であるとしても)にすぎない。しかも、「バックライト」は、「面状光源」を用いたもののみならず、「点光源」を用いたものも含み得る概念であるから、「面状光源」を、「液晶ディスプレイのバックライト」と訂正することが、発明の対象を限定することにはならない。
そのうえ、本件特許の明細書には、段落【0005】に「・・・主としてバックライトとして利用できる白色発光可能な面状光源を実現する・・・」、段落【0009】に、「図2は本発明の面状光源を例えば液晶パネルのバックライトとして実装した場合の模式断面図である。これは図1に示す面状光源の第二の主面側に、例えばチタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等よりなる散乱反射層7と、例えばAlよりなるベース8とが積層された反射板を設置し・・・」、段落【0017】に、「・・・続いて、発光観測面側には上記のように蛍光層5が形成されたフィルム6を、散乱層3側にはAlベース8上にチタン酸バリウム層7が塗布された反射板を設置して、バックライト用光源とした・・・」、段落【0018】に、「それ以外は実施例1と同様にして本発明の面状光源を得たところ、ほぼ均一な面状発光が観測された。さらに同様にしてバックライト用光源とした・・・」、【0020】に、「本発明の面状光源は、バックライト用光源としてだけでなく、蛍光物質を利用した照光式操作スイッチ等に利用することもできる。」旨が記載されている。これらの記載によっても、「面状光源」と「バックライト」とは、異なる物品として捉えられていることが明らかである。

4.そうすると、本件訂正前の「面状光源」に関する発明と本件訂正後の「液晶ディスプレイのバックライト」に関する発明は、物品を異にするものというべきであって、本件訂正は、発明の対象たる物を変更するものであるから、請求人の言うような、本件特許請求の範囲を減縮するものであるとは言えない。また、上記特許請求の範囲の訂正が、「誤記の訂正」や「明りょうでない記載の釈明」にも当たらない。
なお、「明りょうでない記載の釈明」であったと仮定しても、その場合には、本件訂正は「実質上特許請求の発明を変更する」ものとなる。

5.したがって、その余について検討するまでもなく、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項の規定に違反する。なお、同条同項ただし書第3号に該当すると仮定した場合でも、同条第3項で準用する同法第126条第3項の規定に違反するものであるから、これを認めることはできない。

〔III〕本件特許に対する当審の判断
1.本件特許に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された以下のものにある。
「請求項1
窒化ガリウム系化合物半導体よりなる青色LED(1)と、該青色LED(1)と端面で光学的に接続されると共に、第一の主面及び第二の主面を持った透明な導光板(2)とを有する面状光源であって、
前記第一の主面上に、青色LED(1)からの発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質が具備されている脱着可能なフィルム(6)を設けており、かつ、導光板(2)の第一の主面側から観測される発光色が、前記青色LED(1)からの発光色と蛍光物質からの光が合成された白色であることを特徴とする面状光源。
請求項2
前記青色LEDの発光波長はその主ピークが500nmよりも短い請求項1に記載の面状光源。
請求項3
前記蛍光物質は前記フィルムの表面に具備されている請求項1に記載の面状光源。
請求項4
前記蛍光物質は前記フィルムの内部に具備されている請求項1に記載の面状光源。」

2.これに対して、本件特許の原特許出願(特願平6-134763号)の願書に最初に添付した明細書・図面には、「散乱層3」を必須の要件とする面状光源がもっぱら記載されており、「散乱層」を有さない発明は一切記載されていない。
そうすると、本件特許は、原特許出願には記載されていない発明であるから、特許法第44条第1項所定の分割出願であるとは認められず、同条第2項の規定に基づく出願日の遡及は認められない。したがって、本件特許の出願日は、本件特許が出願された平成11年11月8日である。
3.これに対して、取消理由通知に引用した本件特許の出願日前に頒布された原特許出願の公開特許公報に係る特開平8-7614号公報(以下「引用文献」という。)には、「透明な導光板2の端面の少なくとも一箇所に青色発光ダイオード1が光学的に接続されており、さらに前記導光板2の主面のいずれか一方に白色粉末が塗布された散乱層3を有し、前記散乱層3と反対側の導光板2の主面側には、透明なフィルム6が設けられており、そのフィルム6の表面あるいは内部には前記青色発光ダイオード1の発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質が具備されていることを特徴とする面状光源。」(請求項1)が記載されており、青色発光ダイオード1が窒化ガリウム系化合物半導体よりなる点(段落0017参照)、導光板2の第一の主面側から観測される発光色が、前記青色LED1からの発光色と蛍光物質からの光が合成された白色である点(段落0017及び図参照)も記載されている。
引用文献には、「散乱層」を有さない発明は記載されておらず、「散乱層」を設けない場合には「散乱層」を設けた場合に比して十分な効果が奏せられないものとは認められるが、「散乱層」を設けないこと自体は、引用文献に記載された知見に基づき当業者には容易になし得ることと認められる。
したがって、本件特許は、引用文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

4.なお、本件特許に係る出願の願書に最初に添付した明細書の特許請求の範囲には、「透明な導光板(2)の端面の少なくとも一箇所に青色発光ダイオード(1)が光学的に接続されており、さらに前記導光板(2)の主面のいずれか一方に白色粉末が塗布された散乱層(3)を有し、前記散乱層(3)と反対側の導光板(2)の主面側には、透明なフィルム(6)が設けられており、そのフィルム(6)の表面あるいは内部には前記青色発光ダイオード(1)の発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質が具備されており、さらに、上記フィルムの導光板と接する表面に微細な凹凸が施されていることを特徴とする面状光源。」(請求項1)が記載されており、明細書及び図面全体を通じて、「散乱層3」を必須の要件とする面状光源がもっぱら記載されていて、「散乱層」を有さない発明は記載されていない。
これに対して、平成12年5月26日付け手続補正書に基づく明細書の補正は、請求項1を「窒化ガリウム系化合物半導体よりなる青色LED(1)と、該青色LED(1)と端面で光学的に接続されると共に、第一の主面及び第二の主面を持った透明な導光板(2)とを有する面状光源であって、前記第一の主面上に、青色LED(1)からの発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質が具備されている脱着可能なフィルム(6)を設けており、かつ、導光板(2)の第一の主面側から観測される発光色が、前記青色LED(1)からの発光色と蛍光物質からの光が合成された白色であることを特徴とする面状光源。」とするものであって(ほかに、請求項2〜5を追加)、「散乱層」を有さない発明に変更するものであって、前記明細書の補正が願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるとは認められない(その後の平成12年9月8日付け手続補正書に基づく明細書の補正によっても変わらない。)。
したがって、本件特許は、特許法第17条の2第2項(平成5年法)の規定によっても特許を受けることができないものである。

〔IV〕まとめ
以上のとおりであるから、本件請求項1ないし4に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、特許を取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2002-11-01 
出願番号 特願平11-316909
審決分類 P 1 651・ 03- ZB (F21V)
P 1 651・ 55- ZB (F21V)
P 1 651・ 121- ZB (F21V)
最終処分 取消  
前審関与審査官 柿崎 拓  
特許庁審判長 青山 紘一
特許庁審判官 和泉 等
平上 悦司
登録日 2001-04-06 
登録番号 特許第3175739号(P3175739)
権利者 日亜化学工業株式会社
発明の名称 液晶デイスプレイのバックライト  
代理人 豊栖 康司  
代理人 豊栖 康弘  
代理人 岩田 弘  
代理人 松原 等  
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