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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1073229
異議申立番号 異議2002-70837  
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-03-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-02 
確定日 2002-12-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3215090号「配線基板、多層配線基板、及びそれらの製造方法」の請求項1ないし13に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3215090号の請求項1ないし13に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3215090号は、平成11年5月6日に出願され、平成13年7月27日に設定登録された後、京セラ株式会社より請求項1、3,5,6,7,9,11,12について、石原庸男より請求項1乃至13について特許異議の申立てがなされ、平成14年6月14日付で取消の理由が通知され、平成14年8月26日に意見書の提出とともに訂正請求がなされ、平成14年9月4日付で再度取消の理由が通知され、その指定期間内である平成14年10月29日に意見書とともに訂正請求がなされ、平成14年8月26日付の訂正請求を取り下げたものである。

2.平成14年10月29日付の訂正請求に係る訂正の適否についての判断(1)訂正請求の内容の要旨
<訂正事項a>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項1に係る、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体が充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設されている配線基板。」
という記載を、
「両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に所定パターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項1とする。

<訂正事項b>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項1に係る、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体が充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設されている配線基板。」
という記載を、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項2とする。

<訂正事項c>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項2を削除する。
<訂正事項d>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項9に係る
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続された多層配線基板。」
という記載を、
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項9とする。

<訂正事項e>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項9に係る、
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続された多層配線基板。」
という記載を、
「導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。」
と訂正し、訂正後の請求項10とする。
<訂正事項f>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項10を削除する。
<訂正事項g>
発明の詳細な説明の段落【0006】において、上記請求項1,2における訂正に整合するように明細書を訂正する。

<訂正事項h>
発明の詳細な説明の段落【0019】において、上記請求項9,10における訂正に整合するように明細書を訂正する。

(2)訂正の適法性
上記のとおり、特許権者が上記訂正請求によって求める訂正事項a、bは、請求項1に関する特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内で訂正しようとするものであって、しかも、実質上、特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
また、特許権者が上記訂正請求によって求める訂正事項d、eは、請求項9に関する特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内で訂正しようとするものであって、しかも、実質上、特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
そして、訂正事項c、fは訂正前の請求項2,10を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
更に、特許権者が上記訂正請求によって求める訂正事項g,hは、明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内で訂正しようとするものであって、しかも、実質上、特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項第1号または第3号に規定される事項を目的とするものであって、同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定にも適合する。

(3)訂正請求の認容と本件特許発明の認定
以上のとおり、訂正請求の内容は適法なものであるので、訂正請求書に添付された訂正明細書を本件特許明細書とみて、特許異議申立てに係る本件特許発明は、当該特許明細書における特許請求の範囲の請求項1乃至13に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に所定パターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。
【請求項2】 電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。
【請求項3】 貫通孔は配線層で覆われている請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】 貫通孔の一部が露出するように配線層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】 少なくとも貫通孔に向かい合う配線層表面は粗化処理されている請求項1〜4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】 接着剤層が熱硬化性樹脂である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項7】 配線層が接着剤層部分に埋設されている側の表面が平坦である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項8】 導電体が導電ペーストであり、配線層と電気絶縁性基材との間に前記導電ペーストの樹脂成分が存在している請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項9】 導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。
【請求項10】 導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。
【請求項11】 接着剤層が熱硬化性樹脂である請求項9又は10に記載の多層配線基板。
【請求項12】 配線層が接着剤層部分に埋設されている側の表面が平坦である請求項9又は10に記載の多層配線基板。
【請求項13】 導電体が導電ペーストであり、配線層と電気絶縁性基材との間に導電ペーストの樹脂成分が存在している請求項9又は10に記載の多層配線基板。」

3.特許異議申立てについて
3-1.異議申立ての理由の概要
特許異議申立人京セラ株式会社は、請求項1,3,7の発明は、甲第1号証(特開平10-84186号公報)又は甲第2号証(特開平7-312468号公報)に記載された発明であり、請求項9,12は、甲第1号証に記載された発明であることから特許法第29条第1項3号の規定に該当し、また、請求項1,3,5,6,7,9,11,12の発明は、甲第1号証乃至甲第3号証(特開平7-263828号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、当該各請求項の特許は、同法第113条第2項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
特許異議申立人石原庸男は、請求項1〜4及び6〜13の発明は、甲第1号証(特開平10-84186号公報)に記載された発明であり特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、請求項5の発明は、甲第1号証、甲第2号証(特開平7-115280号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定に該当し、当該各請求項の特許は、取り消すべきものである旨の主張をしている。

3-2.各刊行物記載の発明
(1)各刊行物
刊行物1:特開平10-84186号公報(異議申立人「京セラ株式会社」、「石原庸男」が提出した甲第1号証)
刊行物2:特開平7-312468号公報(異議申立人「京セラ株式会社」が提出した甲第2号証)
刊行物3:特開平7-263828号公報(異議申立人「京セラ株式会社」が提出した甲第3号証」)
刊行物4:特開平7-115280号公報(異議申立人「石原庸男」が提出した甲第2号証)
刊行物5:特開平6-268345号公報(異議申立人「石原庸男」が提出した甲第3号証)

(2)各刊行物の記載事項
(2-1)刊行物1の記載事項(ア〜オ)
ア)「【請求項2】 配線層のパターンに対応した位置に設けた孔に導電体を埋め込んだ接着性絶縁体の表面に、離型性支持板の表面に形成された導電性配線パターンを転写して前記接着性絶縁体の表面に配線層を形成すると同時に、バイア接続を行なって作った配線基板の上に更に、配線層のパターンに対応した位置に設けた孔に導電体を埋め込んだ他の接着性絶縁体を積層し、積層した接着性絶縁体層の外層の表面に、離型性支持板の表面に形成された他の導電性配線パターンを転写して前記接着性絶縁体層の表面に他の配線層を形成すると同時に、バイア接続を行い、その後、離型性支持板をはがす工程を順次繰り返して多層配線を形成する配線基板の製造方法。」(請求項2)
イ)「【請求項13】 接着性絶縁体に転写された導電性配線パターンが接着性絶縁体に埋め込まれた導電体に電気的に接続され、導電性配線パターンが支持体に埋め込まれていることを特徴とする配線基板。」(請求項13)
ウ)「【発明の属する技術分野】
本発明は両面または内層に複数の配線を有する配線基板の製造方法並びに配線基板に関する。」(【0001】)
エ)「【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)〜(e)は本発明の配線基板の製造方法における第1の実施形態を示す工程断面図であり、図1(a)において111は導電性を有する離型性支持板であり、好ましくは最適状態に粗面化された表面を有する金属板が用いられ、ステンレスが一般的である。離型性支持板111の粗面化された面側にはパターン化されたレジスト112が設けられている。つぎにレジスト112が付いていないところにめっきにより配線パターン113を形成したのち、レジスト112を除去する(b)。つぎに図1(c)において、114は接着性絶縁体であり、アラミド不織布にエポキシを含浸したアラミドエポキシプリプレグが好ましい。多孔性で圧縮性と接着性を有する半硬化状のシートで、本発明の微細パターン形成と信頼性のある同時バイア接続の特徴をあますところなく発揮させ、バイア接続の抵抗値も著しく小さくなる。
【0026】
所定の位置にレーザ加工により開けた微細孔115には導電体116が充填される。孔の径は通常炭酸ガスレーザではおよそ150μ、エキシマレーザを使えば30から50μ径である。また導電体は例えば粘度が1,000から3,000ポアズの銅粉と樹脂並びに硬化剤よりなる流動性の導電性ペーストなどである。この接着性絶縁体114の両面に図1(c)に示すように配線パターン113が形成されている離型性支持板111および他の配線パターン117が形成されている他の離型性支持板118とが所定の位置に配置され、つぎに加熱プレス機等により両面より所定の温度と圧力により一定時間加熱、加圧する(d)。例えばアラミドエポキシの場合、加圧は30Kg/cm2、加熱は180℃で、1時間保持が必要である。この工程において接着性絶縁体114は圧縮されて完全硬化状態となり、また導電体116も高い圧力によってその充填密度が大きくなり極めて高い導電率が得られる。
【0027】
次に図1(e)に示すように、離型性支持板111、118を剥離することにより、絶縁体に埋め込まれて表面が平滑化された配線パターン113、117が導電体116によって層間接続つまりバイア接続された両面配線基板119を得ることができる。
【0028】
なお、前記福富等による配線転写法によれば、離型性支持板の上に一層離型しやすい銅の層を形成する方法もある。この場合は離型性の支持板を剥離した後に表層の銅の層をエッチングして除去しなければならない。工程が増加するが、安定して微細な配線パターを形成することができる。当然この方法も本発明から逸脱するものではない。
【0029】
導電体116は導電性のペーストである必然性はなく、半田ボールや金ボールのような金属体であってもよい。
【0030】
また説明は省略したが配線パターン113、117を導電ペースト等の印刷により形成する場合は離型性支持板としてステンレス板のような導電性基板の他にポリエステル等の絶縁性材料を用いることもできる。表面に離型処理を施すことも好ましい。
【0031】
また接着性絶縁体114として本実施形態ではアラミド不織布にエポキシ樹脂を含浸させたアラミドエポキシプリプレグを例に上げたが、ガラスエポキシプリプレグを用いることも可能である。当然ポリエステルやポリイミドなどのシートに接着剤や粘着剤などを塗布したものも接着性絶縁体として利用可能である。」(【0025】〜【0031】)
オ)「以上から理解できるように、前記接着性絶縁体に転写され、かつバイア接続されている導電性配線パターンのサイズがバイアホールのサイズより小さい部分を有するものとすることにより、配線基板の位置合わせが容易になり、安価に製造可能な配線基板とすることができる。
(実施の形態2)
図3(a)〜(c)は本発明の配線基板の製造方法における第2の実施形態を示す工程断面図であり、図3(a)において119はあらかじめ別工程で作成されたバイアホール320で層間接続つまりバイア接続されているプリント配線321を備える両面配線基板であり、その一方の側に第1の実施形態において説明した、レーザ加工により形成した孔315に導電体316が埋め込まれた接着性絶縁体314を、また他の一方の側には同じく内部の孔315aに導電体316aが埋め込まれた接着性絶縁体314aをそれぞれ配置する。接着性絶縁体は例えばアラミドエポキシプリプレグなどが挙げられる。この場合接着性絶縁体314と314aは構成材料は同じであるが貫通孔315および315aはそれぞれ対応する配線パターンの位置に従って異なった位置に設けられている。
【0035】
つぎに上記接着性絶縁体314の側に第1の配線パターン322が形成された第1の離型性支持板323を、また接着性絶縁体314aの側に第2の配線パターン324が形成された第2の離型性支持板325をそれぞれ配置し、図2(b)に示すように、第1の実施形態と同じように真空プレス機(図示せず)により両面より所定の温度、圧力で一定時間加圧加熱して、接着性絶縁体314および314aと、孔315および315a内の導電体316および316aを圧縮、完全硬化させて第1の配線パターン322と導電体316を、また第2の配線パターン324と導電体316aとをそれぞれ接続するとともに両面配線基板319上の配線パターン321との接続も行わせる。ここで加圧、加熱処理は例えばアラミドエポキシの場合、加圧は30Kg/cm2、加熱は180℃で、1時間保持する。
【0036】
つぎに図2(c)に示すように、第1の離型性支持板323と第2の離型性支持板325を剥離することにより、表面が平滑化された第1の配線パターン322および第2の配線パターン324を備えた4層の配線層を有する多層配線基板326を得ることができる。」(【0034】〜【0036】)

(2-2)刊行物2の記載事項(カ〜ク)
カ)「【産業上の利用分野】
この発明は転写法等により配線パターンを有利に形成できるフレキシブル配線基板に関する。」(【0001】)
キ)「【0020】
ここではポリイミド樹脂フィルム、好ましくは熱硬化性ポリイミド樹脂フィルム1を芯材として用い、これに熱可塑性樹脂フィルム2を熱圧着にて融着し絶縁基板を形成したものであり、これを回路形成用の基板として供するようにした。
【0021】
上記熱可塑性樹脂フィルムとしては熱可塑性ポリエーテルエーテルケトンが最適であり、他に熱可塑性ポリサルホン又は熱可塑性ポリイミドが適当である。
【0022】
図1,図2に示すように、熱硬化性ポリイミド樹脂フィルム1の一方又は双方の表面にポリエーテルエーテルケトンフィルムから成る熱可塑性樹脂フィルム2を熱圧着にて加熱融着し、この熱可塑性樹脂フィルム2(ポリエーテルエーテルケトンフィルム)の外表面に配線パターン3を密着し、この配線パターン3をフィルム2の熱可塑性を利用し、母材表層部に埋め込み状態に融着し、又は埋め込まずに表面融着し、片面配線基板(図1)又は両面配線基板(図2)を形成する。
【0023】
上記配線パターン3は図1A,図2Aに等に示すように熱可塑性フィルム2に熱圧着し、フィルム2を可塑化しつつ、母材表層に同パターン3を埋め込みフィルム2の可塑化にて母材融着するか、又は図1B,図2Bに示すように母材表面に同フィルム2の可塑化により表面融着する。
【0024】
而して上記フレキシブル配線基板はポリイミド樹脂フィルム1に熱可塑性樹脂フィルム2を母材融着した基板を予め準備し、爾後的に配線パターン3を熱圧着し形成する。又はフィルム1にフィルム2を熱圧着すると同時に配線パターン3を熱圧着して一工程で上記フレキシブル配線基板が形成できる。
【0025】
又図3においては、上記配線パターン3を熱硬化性ポリイミド樹脂フィルム1の一方の表面又は双方の表面に印刷等の手法により形成し、この配線パターン3の表面に熱可塑性樹脂フィルム2を熱圧着し母材融着した。
【0026】
この場合、上記配線パターン3は配線基板の端縁において露出させ端子として用いるか、又は次に述べる方法で熱可塑性樹脂フィルム2の外表面に別の配線パターンを熱圧着し、内表面側の上記配線パターン3と短絡し外部との接続を可能とする。
【0027】
殊に、上記ポリイミド樹脂フィルムとして(株)東レデュポン社製カプトンを用い、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエーテルエーテルケトンを用いた場合が最も親和性が良く密着性を向上できた。
【0028】
別紙化学式1はPMDA型ポリイミドの化学構造を、化学式2はBPDA型ポリイミドの化学構造を夫々示しており、化学式2のものが上記カプトンに相当する。」(【0020】〜【0028】)
ク)「次に図4,図5に基き、図2で示した両面配線基板の製法と併せ、両面配線パターンを互いに接続した基板構造とその製法について説明する。
【0031】
図4Aに示すように、金属板4、適材としてステンレス板を用い、この表面にテフロン(フッ素樹脂)コートを施し、このテフロンコートの表面に印刷等の方法により配線パターン3aを施し、更にこの配線パターン3aの表面の所要位置に導電材から成るバンプ5を印刷等により施し、これを転写板6aとして準備する。
【0032】
他方テフロンコートを施した金属板4例えばステンレス板の表面に配線パターン3bを印刷等したものを転写板6bとして準備する。
【0033】
又熱硬化性ポリイミド樹脂フィルム1には上記バンプ5と対応する位置に貫通孔7を設け、このフィルム1の両表面に熱可塑性樹脂フィルム2a,2bを重ね、更にこのフィルム2a,2bの外表面に転写板6a,6bを重ね、この重ね合せ体を一セットにして熱プレス機内に設置し、所要の加熱時間を経てフィルム2の溶融を促し、所要のタイミングでプレス機を作動させ熱圧着を行ない、熱圧着後、金属板4を除去する。
【0034】
この結果、図4Bに示すように配線パターン3a,3bは熱可塑性フィルム2a,2bが熱可塑化によって融着された状態で溶融層の表層に埋め込まれると共に、前記バンプ5がフィルム2a,2bを貫き、更にフィルム1の貫通孔7を通して配線パターン3bの表面に強く押し付けられ、先端が押しつぶされて同パターン3b表面に接続する。斯くしてパターン3a,3bがバンプ5を介して短絡された二層配線基板が形成される。」(【0030】〜【0034】)

(2-3)刊行物3の記載事項(ケ〜シ)
ケ)「【請求項1】 基材の両表面に、熱硬化型樹脂層が存在し、前記熱硬化型樹脂層の表層にパターニングされた回路電極が形成され、かつ前記基材と前記熱硬化型樹脂層とを貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔に前記両表面の回路電極どうしを電気的に接続するための導電性物質が充填されているプリント配線基板。
【請求項2】 請求項1のプリント配線基板の少なくとも片面に、基材の両表面に熱硬化型樹脂層が存在し、前記熱硬化型樹脂層の一方の表層にパターニングされた回路電極が形成された層が外側になるように積層され、かつ前記基材と前記熱硬化型樹脂層とを貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔に前記一表面の回路電極に電気的に接続するための導電性物質が充填されているプリント配線基板。」(請求項1、請求項2)
コ)「【産業上の利用分野】
本発明は、LSIや受動部品などの電子部品を登載し、回路配線を設けた電子機器用プリント配線基板の製造方法に関するものである。」(【0001】)
サ)「(実施例1)
図1(a)〜(h)は本発明の第1の実施例における両面プリント配線基板の製造工程を示す工程断面図である。まず図1(a)に示すようなポリエステルなどの離型性フィルム1(厚み約12μm)を準備する。つぎに図1(b)に示すように熱硬化型樹脂2を塗布し、溶剤分を除去するための乾燥をする。熱硬化型樹脂にはエポキシ樹脂を主成分とするFR-5相当の耐熱性を有する樹脂が選択できる。またその塗布方法は、ドクターブレード法やコーターによる方法などが有効であるが本実施例ではドクターブレード法で塗布厚みを20μmとした。次に基材3を図1(c)のように配して接着させる。用いる基材は、紙、アラミド(芳香族ポリアミド)のような有機質の繊維、またはガラスの織布または不織布が使用できる。本実施例ではアラミド繊維(12μm径で長さ3mm)を不織布として用いたアラミドペーパー(坪量72g/cm2 )を用いた。このアラミドペーパーに前記と同様の熱硬化型樹脂であるエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを耐熱離型フィルムに挟んで熱硬化(170℃-60kg/cm2 真空中)させ、離型フィルムを剥離したものを基材3とした。この様にして作製した基材(厚み約450〜700ミクロン)と前記熱硬化型樹脂を塗布した離型フィルムを図のように張り合わせる。張り合わせの条件は、前記離型フィルムに塗布された熱硬化樹脂の硬化温度以下の温度で加圧して行われる。本実施例ではその硬化開始温度が約130℃であったため、105℃の温度で図1(c)のような形で20kg/cm2 の圧力で加圧して行った。これにより熱硬化樹脂層はやや軟化し、基材と離型フィルムの接着に寄与する。この時その離型フィルムと基材との接着強度は、あまり弱すぎると後の穴加工で剥離してしまうので良くなく、また強すぎると離型フィルムが剥せなくなるので注意を要する。
【0036】
次に図1(d)に示すように、離型フィルム接着後の基材の所定の箇所にレーザ加工法またはドリル加工などを利用して貫通孔4(穴径約250ミクロン)を形成する。次に図1(e)に示すように、貫通孔4に導電性ペーストを充填する。導電性ペースト5を充填する方法としては、貫通孔4を有する基材を印刷機(図示せず)のテーブル上に設置し、直接導電性ペーストを離型性フィルム1の上から印刷する。このとき、上面の離型性フィルム1は印刷マスクの役割と、基材3の表面の汚染防止の役割を果たしている。このとき使用した導電性ペーストは、導電性のフィラーとして平均粒径2μmの球状銀粉末を用い、樹脂としては前記基板材料と同様の熱硬化エポキシ樹脂(無溶剤型)、硬化剤として酸無水物系の硬化剤をそれぞれ85重量%、12.5重量%、2.5重量%となるよう3本ロールにて十分に混練して得たものである。
【0037】
導電性ペーストを充填した基材を次は図1(f)に示す様に離型フィルムのみを剥離する。このように作製されたものに片面を粗化処理した35μm厚みの片面粗化銅箔(回路電極)6を粗化面を内側にして図1(g)に示す様に積層圧着する。条件は170℃-1時間真空中で行った。これにより、基材表面のエポキシ熱硬化樹脂が硬化接着し銅箔と基材の接合が行われる。そしてさらに、図1(h)に示す様に周知の技術であるフォトリソ法(ドライフィルムレジストラミネートDFR、紫外線硬化、DFR現像、エッチング、DFR剥離)によって銅箔のパターニングを行う。この後必要に応じてソルダーレジスト形成、文字形成、基板加工などを行い両面プリント基板が得られる。この様にして作製された両面プリント基板を各種の信頼性評価を行った結果、それぞれの層間接続抵抗は、4端子法で測定したところ各ビア当たり1.5mΩであった。銅箔ピール強度は、1.8kg/cm幅以上であり充分使用可能である。またその接続抵抗の信頼性は、500個のビアが直列に接続されている回路で評価したところ、オイルディップ試験、半田フロー試験、半田リフロー試験のいずれにおいてもその接続の抵抗変化は1ビア当たり0.5mΩ上昇する程度であった。このことから本実施例の両面プリント基板は中空の貫通孔がなく、表面が平滑な高信頼性、高密度基板といえる。」(【0035】〜【0037】)
シ)「(実施例2)
本発明の第2の実施例は、実施例1に示した両面プリント配線基板を用い多層プリント配線基板を作製する1例を示す。
【0039】
まず内層用の両面板の作製方法は、実施例1と同様、ポリエチレンテレフタレートの離型性フィルム(厚み約12ミクロン)に熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂を主成分とするFR-5相当の耐熱性を有する樹脂)を塗布し、溶剤分除去のため乾燥したものである(厚みは20μm)。次に基材の両面に前記離型フィルムを実施例1と同様に配して接着させる。用いる基材として、本実施例ではガラス織布を用いたガラスエポキシ基板材料を用いた。このガラスエポキシ基板材は実施例1と同様の熱硬化型樹脂であるエポキシ樹脂をガラス織布に含浸させたプリプレグ(厚み110μm)であり、同プリプレグを4枚重ね合わせ耐熱離型フィルムに挟んで熱硬化(170℃-60kg/cm2 真空中)させ、離型フィルムを剥離したものを基材とした。この様にして作製した基材(厚み約0.4mm)と前記熱硬化型樹脂を塗布した離型フィルムを張り合わせる。張り合わせの条件は、前記と同様離型フィルムに塗布された熱硬化樹脂の硬化温度以下の温度で加圧して行われる。本実施例ではその硬化開始温度が約130℃であるため、105℃の温度で20kg/cm2 の圧力で加圧して行った。
【0040】
次に離型フィルム接着後の基材の所定の箇所にドリル加工法を利用して貫通孔(穴径約0.4mm)を形成する。この貫通孔に導電性ペーストを充填する。導電性ペーストを充填する方法としては、貫通孔を有する基材を印刷機(図示せず)のテーブル上に設置し、直接導電性ペーストを離型性フィルムの上から印刷する。このとき印刷下面は焼結金属を介して真空吸引される様にし、かつペーストが吸引され焼結金属内に取り込まれないよう紙を前記基材と焼結金属の間に設置する。また上面の離型性フィルムは印刷マスクの役割と、基材の表面の汚染防止の役割を果たしている。このとき使用した導電性ペーストは、導電性のフィラーとして平均粒径1.2μmの球状銅粉末を用い、樹脂としては前記基板材料と同様の熱硬化エポキシ樹脂(無溶剤型)、硬化剤として粉末の潜在性硬化剤を用いた。配合比はそれぞれ85重量%、12.5重量%、2.5重量%となるよう3本ロールにて十分に混練して得たものである。
【0041】
導電性ペーストを充填した基材を実施例1と同様に離型フィルムのみを剥離する。このように作製されたものに両面を粗化処理した18μm厚みの両面粗化銅箔で挟み込み積層圧着する。条件は170℃1時間真空中で行った。これにより、基材表面のエポキシ熱硬化樹脂が硬化接着し銅箔と基材の接合が行われる。このようにして作製された銅張り積層基材を、配線を形成するためフォトリソ法にて回路パターンを形成する。以上の様にして作製されたガラスエポキシ両面板を内層配線用中間材として用い多層配線基板を作製する。以下本実施例の多層化の方法を図2に示す。本実施例で示した両面板と別途本実施例と同様に導電性ペーストを充填し、離型フィルムを剥離した図1(f)に示した状態の基材(以下中間板という)を用い、図2(a)のように組み合わせ、片面粗化銅箔(回路電極)7を最外層になるように位置合わせして重ね合わせる。さらに加熱加圧して積層一体化する。積層の条件は、両面板と同一の条件化で行った。このようにして作製された銅張り積層基材を、配線を形成するためフォトリソ法にて回路パターンを形成する。これにより図2(b)に示すように4層プリント配線基板が得られる。」(【0038】〜【0041】)

(2-4)刊行物4の記載事項(ス)
ス)「これを真空熱プレスを用いてプレス温度200〜210℃、圧力50〜60kg/cm2で60分間加熱加圧して両面粗化銅箔をアラミド-エポキシシート12に接着させる。この工程において、導電性ペースト14とアラミド-エポキシシート12が圧縮されるが、そのときに導電物質間からバインダ成分が押し出され、導電物質同士及び導電物質と銅箔間の結合が強固になり層間の電気的接続が安定なものとなる。」(第3頁右欄第45行〜第4頁左欄第3行)

(2-5)刊行物5の記載事項(セ)
セ)「【作用】
このように被圧縮性を有し不織布と熱硬化性樹脂の複合材からなる多孔質基材を使用することによって、導電物質の含有量が比較的少なく印刷適性に優れた導電性ペーストを使用して貫通孔に容易に導電性ペーストを充填することができ、さらに製造工程中において導電性ペースト中のバインダ成分の一部が不織布の空孔に浸透し、導電性ペースト中の導電物質の構成比が増大する。
【0015】
また、被圧縮性を有し不織布と熱硬化性樹脂の複合材からなる多孔質基材を使用することによって、多孔質基材が加熱加圧によって圧縮される工程において導電性ペーストも圧縮されるが、そのときに導電物質間からバインダ成分が押し出され、導電物質同士および導電物質と金属箔間の結合が強固になり、導電性ペースト中の導電物質が緻密化される。
【0016】
また、被圧縮性を有する多孔質基材を使用することによって、貫通孔に充填された導電性ペーストのバインダ成分が多孔質基材側に浸透するため充填量が減少し、多孔質基材とその両面に張り付けられた金属箔との間に導電性ペーストが侵入することがなくなり、近接する回路パターン間の短絡不良の発生を防止できる。」(【0014】〜【0016】)

3-3.発明の対比・判断
(1)請求項1に係る発明について
請求項1に係る発明(以下、「前者」という。)と上記刊行物1に記載されたもの(以下、「後者」という。)とを対比すると、後者は上記(エ)【0031】に「ポリエステルやポリイミドなどのシートに接着剤や粘着剤などを塗布したものも接着性絶縁体として利用可能である。」なる記載があることから、後者における「ポリエステルやポリイミドなどのシート」が、シートからなる「電気絶縁性基材」を構成し、これに接着剤を塗布した接着性絶縁体は、前者の「接着剤層が形成された電気絶縁性基材」に相当する。
また、後者の上記(エ)【0025】〜【0027】の記載および図1(c)〜(e)の記載からみて、後者には、「接着性絶縁体114に厚さ方向に開けられた微細孔115に導電体116が充填され」たもの、「この接着性絶縁体114の両面に図1(c)に示すように配線パターン113が形成されている離型性支持板111および他の配線パターン117が形成されている他の離型性支持板118とが所定の位置に配置され、加熱プレス機等により両面より所定の温度と圧力により一定時間加熱、加圧する」こと、及び「接着性絶縁体114の両面に所定パターンに形成された配線パターン113、117間が導電体116によって電気的に接続された両面配線基板119」が記載されるとともに、上記(イ)、上記(エ)【0027】および図1(c)〜(e)の記載からみて、「配線パターン113、117は接着性絶縁体114に埋め込まれた配線基板」が記載されている。そして、後者の「微細孔115」、「配線パターン113,117」は、それぞれ前者の「貫通孔」、「配線層」に相当する。
そして、後者における上記の「配線基板」は両面に配線パターンが形成されるところから、接着剤層も両面に形成されるとみるべきであるし、「両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材」であれば、上記の「配線基板」は、「電気絶縁性基板の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体が充填され」たものになるとともに、「少なくとも一方の配線層が接着剤層部分に埋設された配線基板」になる。
そうすると、両者は、
「両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に所定パターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続された配線基板。」
で一致し、以下の点で相違する。
<相違点A>
接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板において、前者は、電気絶縁性基材がフィルムからなり、導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいのに対して、後者は、電気絶縁性基材がシートからなるものの、それ以上の言及がない点。
上記相違点について検討する。
<相違点A>について
後者の「電気絶縁性基材のシート」は、「フィルム」を含むものと解されるから、「電気絶縁性基材」を「フィルム」で形成することに格別の技術的意義は認められない。
しかし、「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に充填された導電体の高さを、電気絶縁性基材であるフィルムの厚みよりも大きく」した構成(以下、「相違点の構成」という。)は、上記刊行物2の図4(B)に示されてはいるものの、上記刊行物2に記載されたものは、配線パターン3aに印刷されたバンプ5が、接着剤層であるフィルム2a,2bと電気絶縁性基板としてフィルム1の貫通孔を貫くことによって導電体を形成し、該導電体と裏側の配線パターン3bとを電気的に接続するものであって、相違点2の前提となる「接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した」という工程をなすものではないことから、上記相違点の構成は、当業者が容易に想到し得るものではない。また、刊行物3以下にも、上記相違点の構成を開示、あるいは示唆するものがない。
そして、前者は、上記相違点の構成により、「プレスによる圧力の大部分は貫通孔内に垂直方向に作用して、」「貫通孔内の導電体に充分な圧縮がかかるため、高信頼性を有した微細ビアホールを形成することができる。」という独自の作用効果を奏するものと認められる。
したがって、請求項1に係る発明は、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることはできない。

(2)請求項2に係る発明について
請求項2に係る発明と後者とを対比すると、上記3-3.(1)の発明の対比に加えて、後者には、導電体が導電性ペーストであることが記載されており(【0036】を参照のこと)、該「導電性ペースト」は、前者の「導電ペースト」に相当する。
そうすると、両者は、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、前記電気絶縁性基材に接着剤層が形成され、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設された配線基板。」
で一致し、以下の点で相違する。
<相違点B>
電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板において、請求項2に係る発明は、電気絶縁性基材がフィルムからなり、導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいのに対して、後者は、電気絶縁性基材がシートからなるものの、それ以上の言及がない点。
上記相違点について検討する。
<相違点B>について
請求項2に係る発明における「導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい」という構成は、上記の「相違点の構成」と実質上同じことを意味しており、当該相違点の構成は、上述のように、当業者が容易に想到し得るものではない。
したがって、請求項2に係る発明は、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることはできない。

(3)請求項3乃至8に係る発明について
請求項3乃至8に係る発明は、上記請求項1又は2に係る発明を、引用する発明であるから、上記3-3.(1)又は(2)で説示したものと同様の理由により、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることができない。

(4)請求項9に係る発明について
上記3-3.(1)の対比に加えて、後者には、上記ア(請求項2)、上記オ(【0034】〜【0036】)、図3に多層配線基板が示されている。
そうすると、請求項9に係る発明と後者とを対比すると、両者は、下記<相違点C>で相違し、残余の点で一致する。
<相違点C>
導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板において、請求項9に係る発明は、電気絶縁性基材がフィルムを備え、導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいのに対して、後者は、電気絶縁性基材がシートからなるものの、それ以上の言及がない点。
上記相違点Cについて検討すると、
請求項9に係る発明の「導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい」という構成は、実質上上記の「相違点の構成」と同じことを意味しているから、請求項9に係る発明も、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることはできない。

(5)請求項10に係る発明について
請求項10に係る発明と後者とを対比すると、上記3-3.(1)(2)(4)の対比と同様にして、両者は、下記<相違点D>で相違し、残余の点で一致する。
<相違点D>
導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板において、請求項10に係る発明は、電気絶縁性基材がフィルムを備え、導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいのに対して、後者は、電気絶縁性基材がシートからなるものの、それ以上の言及がない点。
上記相違点Dについて検討する。
請求項10に係る発明の「導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい」という構成は、請求項9の発明について上記(4)で指摘した構成と同様であるから、請求項10に係る発明も、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることはできない。

(6)請求項11乃至13に係る発明について
請求項11乃至13に係る発明は、上記請求項9又は10に係る発明を、引用する発明であるから、上記3-3.(4)又は(5)で説示したものと同様の理由により、上記刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
配線基板、多層配線基板、及びそれらの製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。
【請求項2】 電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。
【請求項3】 貫通孔は配線層で覆われている請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】 貫通孔の一部が露出するように配線層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】 少なくとも貫通孔に向かい合う配線層表面は粗化処理されている請求項1〜4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】 接着剤層が熱硬化性樹脂である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項7】 配線層が接着剤層部分に埋設されている側の表面が平坦である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項8】 導電体が導電ペーストであり、配線層と電気絶縁性基材との間に前記導電ペーストの樹脂成分が存在している請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項9】 導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。
【請求項10】 導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。
【請求項11】 接着剤層が熱硬化性樹脂である請求項9又は10に記載の多層配線基板。
【請求項12】 配線層が接着剤層部分に埋設されている側の表面が平坦である請求項9又は10に記載の多層配線基板。
【請求項13】 導電体が導電ペーストであり、配線層と電気絶縁性基材との間に導電ペーストの樹脂成分が存在している請求項9又は10に記載の多層配線基板。
【請求項14】 請求項9又は10に記載の多層配線基板の表層に形成された配線層と、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板の表層の配線層が、両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材を介して電気的に接続されており、前記多層配線基板の表層の配線層及び前記コア基板の表層の配線層のうちの少なくとも一方が前記接着剤層に埋設されていることを特徴とする多層配線基板。
【請求項15】 請求項9又は10に記載の多層配線基板と、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板とが、導電体が充填された貫通孔を備えた基板接合体を介して積層されてなり、前記多層配線基板の表層に形成された配線層と前記コア基板の表層の配線層とが前記導電体を介して電気的に接続されており、積層前の前記基板接合体は被圧縮性を有することを特徴とする多層配線基板。
【請求項16】 前記基板接合体を構成する材料が、ガラス繊維不織布または有機繊維不織布と熱硬化性樹脂との複合材料よりなる樹脂含浸繊維シート材料から選ばれる少なくとも一つの材料である請求項15に記載の多層配線基板。
【請求項17】 両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に導電体を充填する工程と、前記電気絶縁性基材の少なくとも片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、前記支持基材を重ねた前記電気絶縁性基材を加熱加圧して圧縮することにより、前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを有する配線基板の製造方法。
【請求項18】 片面に接着剤層が形成された離型フィルムを電気絶縁性基材の両面に前記接着剤層と前記電気絶縁性基材が当接するように貼り合わせる工程と、前記離型フィルムを備えた電気絶縁性基材に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に導電体を充填する工程と、前記接着剤層を前記電気絶縁性基材に残して前記離型フィルムを剥離する工程と、前記電気絶縁性基材の少なくとも片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、前記支持基材を重ねた前記電気絶縁性基材を加熱加圧して圧縮することにより、前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを有する配線基板の製造方法。
【請求項19】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材が半硬化状態の熱硬化性樹脂とガラス織布の複合材であり、接着剤層が前記熱硬化性樹脂である請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
【請求項20】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材が有機材料を主体とするフィルムであり、接着剤層が半硬化状態の有機樹脂である請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
【請求項21】 導電体が導電ペーストであり、前記支持基材を重ねた前記電気絶縁性基材を加熱加圧して圧縮することにより、前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程において、前記圧縮の際に前記配線層と前記電気絶縁性基材との間に導電ペーストの樹脂成分が流出する請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
【請求項22】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料を収容することができる空間を有する請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
【請求項23】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料が行き来できる微細な孔を有する請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
【請求項24】 配線層を残して支持基材を除去する工程が、前記支持基材を選択的に溶解除去する請求項17〜23のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
【請求項25】 両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材の片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、加熱加圧して圧縮することにより前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを繰り返してなる多層配線基板の製造方法。
【請求項26】 請求項9又は10に記載の多層配線基板を、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板に、両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材を介して重ねる工程と、前記電気絶縁性基材を介して重ねられたコア基板と前記多層配線基板とを加熱加圧することにより、前記多層配線基板の表層に形成された配線層及び前記コア基板の表層の配線層のうちの少なくとも一方を前記接着剤層に埋設する工程を有する多層配線基板の製造方法。
【請求項27】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材が半硬化状態の熱硬化性樹脂とガラス織布の複合材であり、接着剤層が前記熱硬化性樹脂である請求項25又は26に記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項28】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材が有機材料を主体とするフィルムであり、接着剤層が半硬化状態の有機樹脂である請求項25又は26に記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項29】 導電体が導電ペーストであり、加熱加圧することにより前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程において、前記加熱加圧の際に前記配線層と前記電気絶縁性基材との間に導電ペーストの樹脂成分が流出する請求項25又26に記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項30】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料を収容することができる空間を有する請求項25又26に記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項31】 加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料が行き来できる微細な孔を有する請求項25又26に記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項32】 請求項9又は10に記載の多層配線基板を、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板に、貫通孔に導電体が充填された被圧縮性を有する基板接合体を介して重ねる工程と、前記基板接合体を介して重ねられた前記多層配線基板とコア基板とを加熱加圧することにより前記多層配線基板の表層に形成された配線層と前記コア基板の配線層とを前記導電体を介して電気的に接続する工程とを有する多層配線基板の製造方法。
【請求項33】 導電体が導電ペーストであり、加熱加圧する前の基板接合体において、基板接合体の貫通孔に充填された導電ペーストが基板接合体表面から突出している請求項32に記載の多層配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電ペースト等の導電体により層間の電気的接続を行う配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、導電ペーストにて層間の電気的接続を行う多層配線基板を、本出願人は提案している(特許第2601128号)。図5に前記多層配線基板の製造方法を示す。まず図5(a)に示すように、芳香性ポリアミド繊維に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた多孔質基材502の両面にポリエステル等の離型フィルム501をラミネートする。次に図5(b)に示すように、多孔質基材502の所定の箇所にレーザー加工法により貫通孔503を形成する。次に図5(c)に示すように、貫通孔503に導電ペースト504を充填する。充填する方法としては、貫通孔503を有する多孔質基材502をスクリーン印刷機のテーブル上に設置し、直接導電ペースト504を離型フィルム501の上から印刷する。この際、印刷面の離型フィルム501は印刷マスクの役割と多孔質基材502表面の汚染防止の役割を果たしている。次に多孔質基材502の両面から離型フィルム501を剥離する。次に、多孔質基材502の両面に銅箔等の金属箔505を貼り付ける。この状態で加熱加圧することにより、図5(d)に示すように、多孔質基材502と金属箔505とが接着される。この工程において、多孔質基材502は圧縮され、その厚さは薄くなる。その際、貫通孔503内の導電ペースト504も圧縮されるが、そのときに導電ペースト中のバインダ成分が押し出され、導電成分同士および導電成分と金属箔505間の結合が強固になり、導電ペースト504中の導電物質が緻密化され、層間の電気的接続が得られる。その後、多孔質基材502の構成成分である熱硬化性樹脂および導電ペースト504が硬化する。最後に図5(e)に示すように、金属箔505を所定のパターンに選択エッチングして両面配線基板が完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成および製造方法において、貫通孔503を微細にすると、初期接続抵抗値が高くなり、そのばらつきも大きくなる。また、温度サイクル試験やプレッシャークッカー試験等の信頼性試験により接続抵抗値が変動するという課題があった。これは、貫通孔503を微細にすると、貫通孔503の径と多孔質基材502の厚さの比であるアスペクト比が1に近づき、電気的接続を安定化させるために必要な圧縮率が得られなくなるためである。
【0004】
また、離型フィルム501を剥離する工程でも、貫通孔径が小さくなると貫通孔端部での離型フィルムの影響が無視できなくなり、離型フィルムを剥離する際に導電ペースト504が離型フィルムによりとられ、結果として貫通孔内への導電ペーストの充填が阻害されるという問題を有していた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み、導電ペースト等の導電性物質を用いて、微細で高い信頼性を有するビアホール(Via Hole)を実現することを可能とする配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の配線基板は、両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいことを特徴とする。あるいは、電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、かつ少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいことを特徴とする。このような構成をとることにより、貫通孔内の導電体は充分圧縮され、高信頼性を有した微細ビアホールを形成することができる。すなわち、少なくとも一方の配線層が接着剤層に埋設されることにより、貫通孔内の導電体に充分な圧縮がかかり、その結果、導電体の導体成分が緻密化され、初期接続抵抗値が低く、高信頼性を有するビアホール接続が可能になる。
【0007】
また、導電体が導電ペーストであると、貫通孔内の導電ペーストに圧縮がかかった際、導電ペースト中の樹脂成分が貫通孔内より排出され導電ペースト中の導体成分が緻密化され、初期接続抵抗値が低く、高信頼性を有するビアホール接続が得やすくなるので好ましい。
【0008】
また、最表層の貫通孔が配線層で覆われていると、充填された導電体が表面に露出することがない。従って、このような貫通孔を基板の表層に設けると有効である。
【0009】
また、貫通孔の一部が露出するように配線層が形成され、これを内層に使用すると、ビアホール径よりも小さい配線でビアホールを圧縮するランドレスビアを実現でき、さらに微細な配線を形成することができる。
【0010】
また、少なくとも貫通孔に向かい合う配線層表面は粗化処理されていると、配線層と導電体との接触面積が増え、また、配線層と接着剤層との密着性も向上するので、微細ビアホールの信頼性をさらに高めるのに有効である。
【0011】
次に本発明の第1の構成にかかる配線基板の製造方法は、両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に導電体を充填する工程と、前記電気絶縁性基材の少なくとも片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、前記支持基材を重ねた前記電気絶縁性基材を加熱加圧して圧縮することにより、前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを有するものである。これにより、支持基材によりパターニングした配線層を支持しておき、積層プレス後に支持基材を除去するという簡便な方法で、微細な配線層との高い接続信頼性を備えたビアホールを有する配線基板を提供できる。
【0012】
また、本発明の第2の構成にかかる配線基板の製造方法は、片面に接着剤層が形成された離型フィルムを電気絶縁性基材の両面に前記接着剤層と前記電気絶縁性基材が当接するように貼り合わせる工程と、前記離型フィルムを備えた電気絶縁性基材に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に導電体を充填する工程と、前記接着剤層を前記電気絶縁性基材に残して前記離型フィルムを剥離する工程と、前記電気絶縁性基材の少なくとも片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、前記支持基材を重ねた前記電気絶縁性基材を加熱加圧して圧縮することにより、前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを有する。この方法によれば、電気絶縁性基材の両面に薄い半硬化状態の接着剤層を同時に形成するといった製造上の困難を回避することができる。また、配線層が形成された支持基材を積層プレスした後、支持基材を除去するという簡便な方法で、微細な配線層との高い接続信頼性を備えたビアホールを有する配線基板を提供することができる。
【0013】
上記の第1又は第2の製造方法において、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が半硬化状態の熱硬化性樹脂とガラス織布の複合材であり、接着剤層が前記熱硬化性樹脂であると、従来のガラスエポキシ複合材を用いることができ、接着剤層を特別に付与する工程が不要となるので、配線基板を容易に製造できる。
【0014】
また、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が有機材料を主体とするフィルムであり、接着剤層が半硬化状態の有機樹脂とすることもできる。フィルム材料に高耐熱、高剛性のものを選ぶことにより、半導体実装に適した性質を持たせることができる。また接着剤層の材料にも電気絶縁性や埋め込み性を考慮したものを自由に選ぶことができ、高性能の配線基板を実現できる。さらにフィルムは均一な組成を有した薄いものを作成することができるので、微細径のビアホールを形成するには好都合である。
【0015】
また、加熱加圧する前の電気絶縁性基材の表面に設けられた接着剤層の厚さが、前記接着剤層に埋設される配線層の厚さとほぼ等しいか薄いと、ほぼ電気絶縁性基材まで配線層を埋め込むことができ、圧縮時に接着剤層が横方向に拡がることによる導電ペーストの圧縮力の低下を最小にすることができる。
【0016】
また、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が、接着剤層の構成材料を収容することができる空間を有すると、加熱加圧時に溶融した接着剤層の構成材料を電気絶縁性基材中に収容することにより、配線層が埋め込まれることによる電気絶縁性基材の歪みを抑制することができる。
【0017】
また、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が両面に設けられた接着剤層の構成材料が行き来できる微細な孔を有すると、加熱加圧時に溶融した接着剤層の構成材料を電気絶縁性基材の上下に流すことができるため、電気絶縁性基材の歪みをさらに抑制することができる。
【0018】
また、配線層を残して支持基材を除去する工程が、前記支持基材を選択的に溶解除去することが好ましい。支持基材を溶解除去することにより、配線層に機械的な外力が加えられることがないので、断線や変形がない微細な配線層を有する配線基板を歩留まり良く製造することができる。また、大面積の配線基板でも容易に製造することができる。
【0019】
次に、本発明の第1の構成にかかる多層配線基板は、導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいことを特徴とする。あるいは、導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きいことを特徴とする。かかる構成により、高信頼性で微細なビアホールを有する多層配線基板を提供できる。
【0020】
また、本発明の第1の構成にかかる多層配線基板の製造方法は、両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材の片面に、所定のパターンでかつ前記接着剤層の厚さとほぼ等しいか厚い配線層が形成された支持基材を重ねる工程と、加熱加圧して圧縮することにより前記接着剤層に前記配線層を埋設する工程と、前記配線層を残して前記支持基材を除去する工程とを繰り返してなることを特徴とする。かかる構成によれば、簡易な多層配線基板の製造方法を提供できる。
【0021】
また、本発明の第2の構成にかかる多層配線基板は、前記の本発明の第1の構成にかかる多層配線基板の表層に形成された配線層と、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板の表層の配線層が、両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材を介して電気的に接続されており、前記多層配線基板の表層の配線層及び前記コア基板の表層の配線層のうちの少なくとも一方が前記接着剤層に埋設されていることを特徴とする。かかる構成により、コア基板の表層の配線層と、複数層からなる微細な配線と微細なビアホールを有する第1の構成にかかる多層配線基板の表層の配線層とが電気的に接続された多層配線基板を提供することができる。
【0022】
また、本発明の第2の構成にかかる多層配線基板の製造方法は、前記の本発明の第1の構成にかかる多層配線基板を、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板に、両面に接着剤層と、導電体が充填された貫通孔とを備える電気絶縁性基材を介して重ねる工程と、前記電気絶縁性基材を介して重ねられたコア基板と前記多層配線基板とを加熱加圧することにより、前記多層配線基板の表層に形成された配線層及び前記コア基板の表層の配線層のうちの少なくとも一方を前記接着剤層に埋設する工程を有することを特徴とする。かかる構成により、簡易な多層配線基板の製造方法を提供できる。
【0023】
上記の第1又は第2の多層配線基板の製造方法において、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が半硬化状態の熱硬化性樹脂とガラス織布の複合材であり、接着剤層が前記熱硬化性樹脂とすることができる。あるいは、加熱加圧する前の電気絶縁性基材が有機材料を主体とするフィルムであり、接着剤層が半硬化状態の有機樹脂とすることもできる。
【0024】
また、上記の第1又は第2の多層配線基板の製造方法において、加熱加圧する前の電気絶縁性基材の表面上に設けられた接着剤層の厚さが、前記接着剤層に埋設される配線層の厚さとほぼ等しいか薄いことが好ましい。
【0025】
また、上記の第1又は第2の多層配線基板の製造方法において、加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料を収容することができる空間を有することが好ましい。また、加熱加圧する前の電気絶縁性基材には、接着剤層の構成材料が行き来できる微細な孔を有することが好ましい。
【0026】
さらに、本発明の第3の構成にかかる多層配線基板は、前記の本発明の第1の構成にかかる多層配線基板と、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板とが、導電体が充填された貫通孔を備えた基板接合体を介して積層されてなり、前記多層配線基板の表層に形成された配線層と前記コア基板の表層の配線層とが前記導電体を介して電気的に接続されており、積層前の前記基板接合体は被圧縮性を有することを特徴とする。かかる構成により、コア基板の表層の配線層と、複数層からなる微細な配線と微細なビアホールを有する第1の構成にかかる多層配線基板の表層の配線層とが接続された多層配線基板を提供することができる。
【0027】
上記において、「基板接合体が被圧縮性を有する」とは、例えば基板接合体が内部に空孔を有する多孔質基材からなることによって圧縮可能な性質を有することを意味する。多孔質基材からなる場合の好ましい空孔率は2〜35体積%である。空孔率がこれより低いと圧縮が困難であり、導電体と配線層との電気的接続抵抗が高くなったり、接続不良を生じたりする。一方、空孔率がこれより高いと、圧縮時に圧縮方向に対して垂直方向の基板接合体の変形が大きくなったり、空孔内に導電性樹脂が侵入したりして、導電性樹脂が十分に圧縮されなくなるので、導電体と配線層との電気的接続抵抗が高くなる。
【0028】
上記の第3の多層配線基板において、前記基板接合体を構成する材料が、ガラス繊維不織布または有機繊維不織布と熱硬化性樹脂との複合材料よりなる樹脂含浸繊維シート材料から選ばれる少なくとも一つの材料であるのが好ましい。かかる好ましい構成によれば、多層配線基板の電気特性と機械特性がさらに向上する。
【0029】
また、本発明の第3の構成にかかる多層配線基板の製造方法は、前記の本発明の第1の構成にかかる多層配線基板を、所定の絶縁層と配線層を有するコア基板に、貫通孔に導電体が充填された被圧縮性を有する基板接合体を介して重ねる工程と、前記基板接合体を介して重ねられた前記多層配線基板とコア基板とを加熱加圧することにより前記多層配線基板の表層に形成された配線層と前記コア基板の配線層とを前記導電体を介して電気的に接続する工程とを有することを特徴とする。かかる構成により、簡易な多層配線基板の製造方法を提供できる。
【0030】
上記の第3の多層配線基板の製造方法において、導電体が導電ペーストである場合は加熱加圧する前の基板接合体において、基板接合体の貫通孔に充填された導電ペーストが基板接合体表面から突出していることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、導電ペーストを介して両配線層の電気的接続を低抵抗かつ確実に行なうことができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0032】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における両面配線基板の製造方法を示す工程断面図である。
【0033】
まず、図1(a)に示すように、その両面に接着剤層101が形成された電気絶縁性基材102を準備した。
【0034】
電気絶縁性基材102としては、寸法安定性に優れ、高耐熱性のものが用いられる。このようなフィルムとしては、ポリイミドフィルムやアラミドフィルム等がある。ポリイミドフィルムには”カプトン”(東レ・デュポン(株)の商標)、”ユーピレックス”(宇部興産(株)の商標)、”アピカル”(鐘淵化学(株)の商標)があるが、グレードにより低吸水であることが特徴である。アラミドフィルムには”アラミカ”(旭化成(株)の商標)、”ミクトロン”(東レ(株)の商標)があるが、ポリイミドフィルムに比較して剛性が強く、延びにくいことが特徴である。
【0035】
接着剤層101としては、熱硬化性樹脂としてエポキシ系接着剤やイミド系接着剤を、熱可塑性接着剤としてはシリコン系の高耐熱グレードの接着剤を用いた。熱硬化性樹脂は配線層の埋め込み性を確保するために半硬化状態にしておくのが好ましい。
【0036】
本実施例では電気絶縁性基材102として12μm厚の”アラミカ”フィルムを、接着剤層101としてゴム変成のエポキシ樹脂を用いた。ゴム変成したのはフィルム基材とのなじみを良くするためである。エポキシ樹脂はパターン埋め込み性を確保するために塗布後乾燥し、半硬化状態にしておいた。接着剤層の厚さは片側5μmずつとした。
【0037】
次に図1(b)に示すように、その両面に接着剤層101が形成された電気絶縁性基材102の両面にポリエステル等の離型フィルム103をラミネートした。ラミネートは80℃程度の温度で行った。これにより接着剤層101の表面がわずかに溶融して離型フィルム103を貼り付けることができた。本実施例では離型フィルムに16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。離型フィルム103を入れた総厚さは54μmとなった。
【0038】
次に図1(c)に示すように離型フィルム103を設けた絶縁性基材102にレーザーにより貫通孔104を形成した。レーザーとしては波長307nmのエキシマレーザーや波長355nmの3倍高調波YAG固体レーザー等の短波長レーザーを用いることができた。上記短波長レーザーにより孔径約50μmの貫通孔104を形成した。
【0039】
次に図1(d)に示すように、貫通孔104に導電ペースト105を充填した。充填方法としては、スクリーン印刷機により、直接導電ペースト105を離型フィルム103上から印刷することで充填した。この際、印刷面と反対側より和紙等の多孔質シートを介して真空吸着することにより、貫通孔104内の導電ペースト105中の樹脂成分を吸い取り、導体成分の割合を増加させることで、導体成分をさらに緻密に充填することができた。また、離型フィルム103は印刷マスクの役割と接着剤層101表面の汚染防止の役割を果たしていた。孔径50μmに対して、総厚さ54μmとアスペクト比は1以下であるが、0.3程度、すなわち、孔径20μm程度までは、上記方法で導電ペーストを充填することができた。
【0040】
次に図1(e)に示すように、離型フィルム103を両面より剥離した。このとき、貫通孔104が50μmと微細であるため、端部の影響が無視できず、離型フィルム103の貫通孔内の導電ペーストは離型フィルムとともに取られてしまった。導電ペースト105の残り方は様々であるが、接着剤層101の表面より下にえぐられることはなかった。最悪でも接着剤層101のすり切れ状態(導電ペーストの上面が接着剤層101の表面とほぼ同一高さの状態)であった。このような離型フィルム103により導電ペーストがとられる現象は、孔径が100μm以下から顕著であった。
【0041】
次に図1(f)に示すように、銅箔を所定の形状に形成した配線層107を備えたアルミ箔からなる支持基材106を、少なくとも導電ペースト105が充填された貫通孔104の直上に配線層107がくるように、電気絶縁性基材102の両側から重ね合わせ、加熱加圧した。加熱加圧は真空プレスにより行った。
【0042】
この加熱加圧により、図1(g)に示すように、接着剤層101は流動し、配線層107は接着剤層101内に埋め込まれた。このように配線層107が接着剤層101に埋め込まれることにより、貫通孔104内の導電ペースト105が圧縮され、導電ペースト105内の樹脂成分が接着剤層101に流れ出し、導電ペースト105中の導体成分が緻密化され、電気絶縁性基材102表裏の配線層107間の電気的接続が得られた。その後、接着剤層101と導電ペースト105が硬化した。
【0043】
最後に図1(h)に示すように、接着剤層101に埋め込まれた配線層107を残して支持基材106を除去し、両面配線基板を完成させた。本実施例では、支持基材106にアルミ箔を用い、配線層107には銅箔を用いている。支持基材106の除去はアルミ箔と銅箔の選択エッチングにより、アルミ箔を溶解除去することにより行った。溶解除去により支持基材106を除去することにより、両面配線基板に応力がかかって破壊されることがなかった。また一貫ラインで除去できるため生産性が向上した。選択エッチング液としては過硫酸アンモニウム等を用いることができる。配線層107を所定パターンに形成するのにも同様な方法を用いた。アルミ箔と銅箔の複合材としては、例えば三井金属(株)のアルミキャリア付き銅箔UTC‐Foilがある。本複合材では銅箔厚さが5μmもしくは9μmと薄いため、ファインパターン形成が可能となる。
【0044】
また、アルミ箔上にあらかじめレジストパターンを形成しておき、酸性のジンケート処理後、電解銅めっきを行うことにより同様な複合材を得ることができた。電解めっきによる方法ではファインパターンでなおかつ銅箔厚さの厚いものを得ることができた。本方法でライン幅10μm、スペース10μmで銅箔厚さ15μmのものを試作できた。
【0045】
本実施例で用いた銅箔厚さは9μmのものを用いた。接着剤層101厚さは片側5μmであり、銅箔の厚さよりも薄く設定した。電気絶縁性基材102として12μmの“アラミカ”フィルムを、接着剤層101として片側5μmづつのエポキシ接着剤層を用いたので、埋め込み前の導電ペースト105の厚さは22μmとなった。その接着剤層101に配線層107として9μmの銅箔を埋め込んだので、圧縮率としては18/22=約82%となった。実際には最大で離型フィルム103の厚さ分の導電ペーストが接着剤層101の表面より突出して形成されているから、この厚さ分が付加されて圧縮率はさらに高くなる。導体ペースト105中の樹脂成分と導体成分の体積比率は、印刷性を考慮してほぼ50%に設定しているので、貫通孔104内の導電ペースト105中の樹脂成分はほぼ接着剤層に押し出されることになり、貫通孔104内は導体成分が緻密化され、低抵抗で高信頼性のビアホールを得ることができた。実験では20%以上の体積圧縮率があれば、電気的接続は低抵抗となり、接続信頼性も向上することが判っている。また、接着剤層101と配線層107の厚さはほぼ同じか、配線層107の方を厚く設定してあるので、配線層107を接着剤層101に押し込む際に、接着剤層101の貫通孔径が拡がって圧縮力が横方向に逃げることなく、導電ペースト105を圧縮することができた。なお、圧縮する際、電気絶縁性基材102は、殆ど寸法変化しないので、プレスによる圧力の大部分は貫通孔内に垂直方向に作用して、導電ペースト105が圧縮された。
【0046】
また、配線層107として用いている銅箔の導電ペースト105と接する側は粗面化処理してあるため、接着剤層101と銅箔との密着性が向上し、ピール強度が強くなった。さらに、銅箔と導電ペースト105との接触面積も増えるため、接続信頼性が向上した。
【0047】
また、上記実施例では、電気絶縁性基材102の両面に接着剤層101を設けたものを用いたが、これは、離型フィルム103に接着剤層101を設けたものを電気絶縁性基材102に貼り付けて形成しても良い。このような製造方法をとることにより、離型フィルム103の片側に接着剤層101を塗布し、半硬化状態に乾燥させることができ、電気絶縁性基材102の両面に同時に接着剤層101を塗布し、半硬化状態に乾燥させる工程よりも、より簡便に接着剤層101を電気絶縁性基材102の両面に形成することができた。
【0048】
また、上記実施例の図1では、配線層107は貫通孔104を覆うような構成について示したが、貫通孔104のすべての部分を覆う必要はない。配線層107は貫通孔内の配線層間で所定の圧縮率がとれるように埋め込まれればよいので、貫通孔の一部を覆っていればよい。すなわち、貫通孔の導電ペーストが上下に設けられた配線層にて圧縮されるように重なっておれば、貫通孔の一部は露出していても良い。例えば、本実施例では50μm径の貫通孔と、30μm幅の配線を用いてやれば、導電ペーストは圧縮され、配線層間の電気的接続を得ることができた。このような構成をとることにより、いわゆるランドが不必要となり、より微細な配線を形成することができる。特に上記構成は多層配線基板の内層に適用すると効果的である。
【0049】
なお、上記実施例では電気絶縁性基材102として高耐熱フィルムを、接着剤層101として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いた場合について説明したが、そのかわりに、ガラスエポキシプリプレグを用いても同様な構成を実現することができる。すなわち、電気絶縁性基材としては半硬化状態の熱硬化性樹脂とガラス織布の複合材を、また接着剤層としては含浸してある樹脂と同じ熱硬化性樹脂層を用いることができる。ガラスエポキシプリプレグでは、特別に接着剤層を形成する必要はなく、ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸する際に自然にガラス織布の上下に熱硬化性樹脂層が形成されるため、より簡便に本発明を実施することができる。
【0050】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例における両面配線基板の製造方法について、図2(a)〜(d)を参照しながら説明する。
【0051】
まず図2(a)に示すように、第1の実施例と同様に両面に接着剤層201が形成された電気絶縁性基材202に貫通孔204を設け、導電ペースト205を充填した。次に図2(b)に示すように所定の形状に形成された配線層207を備えた支持基材206を、少なくとも導電ペースト205が充填された貫通孔204の直上に配線層207がくるように、片側から重ね合わせ、もう一方の側に銅箔208を重ね合わせた。その後、真空プレスにより加熱加圧を行った。この加熱加圧により、図2(c)に示すように、接着剤層201は流動し、配線層207は接着剤層201内に埋め込まれた。このように、配線層207が接着剤層201に埋め込まれることにより、電気絶縁性基材202は変形し、貫通孔204内の導電ペースト205が圧縮され、導電ペースト205内の樹脂成分が接着剤層201に流れ出し、導電ペースト205中の導体成分が緻密化され、電気絶縁性基材202の一方の面側の配線層207と他方の面側の銅箔208との間の電気的接続が得られた。その後、接着剤層201と導電ペースト205が硬化した。最後に図2(d)に示すように、接着剤層201に埋め込まれた配線層207を残して支持基材206を除去し、両面配線基板が完成した。第1の実施例と異なるのは、電気絶縁性基材202の片側より圧縮していることである。
【0052】
本実施例では、電気絶縁性基材202としてのフィルム厚さは12μm、接着剤層201の厚さは片側で5μmづつと、第1の実施例と同様に設定している。配線層207の厚さは第1の実施例と同様、9μmとしている。すなわち、接着剤層201の総厚さと配線層207の厚さはほぼ等しく設定している。このようにすることで、配線層207を接着剤層201に押し込む際に、電気絶縁性基材202を充分に変形させ、接着剤層201の貫通孔径が拡がることなく、導電ペースト205を圧縮することができる。本実施例の場合、圧縮率としては9/22=約41%となる。実際には最大で離型フィルムの厚さ分の導電ペーストが接着剤層201の表面より突出して形成されているから、この厚さ分が付加されて圧縮率はさらに高くなった。導体ペースト205の樹脂成分と導体成分の体積比率は、印刷性を考慮してほぼ50%に設定しているので、貫通孔204内の導電ペースト205中の樹脂成分はほぼ接着剤層に押し出されることになり、貫通孔204内は導体成分が緻密化され、低抵抗で高信頼性のビアホールを得ることができた。実験では20%以上の体積圧縮率があれば、電気的接続は低抵抗となり、接続信頼性も向上することが判った。
【0053】
なお、本実施例では、接着剤層201の総厚さと配線層207の厚さがほぼ等しい例について説明したが、配線層の厚さは接着剤層の厚さよりも厚ければ電気的接続はより良好となる。ただし、接着剤は配線層の導体間に収容されるので、あまり配線層が厚いと、導体間を埋めることができなくなる。また、電気絶縁性基材の変形量も大きくなることが予想される。この変形量は配線層の密度、すなわち残銅率により変化する。
【0054】
そこで、電気絶縁性基材として、その両面に設けられた接着剤層の構成材料を収容することができる空間を形成した多孔質の素材を用いれば、加熱加圧して接着剤層が流動した際に、溶融した接着剤層の構成材料を収容することができるため、電気絶縁性基材の変形量を押さえることができる。このことにより、接続の安定性を増すことができる。また、配線層下の接着剤層の構成材料は配線層のパターン間に収容されるため、パターン配置により押し込み量が変化することが考えられるが、電気絶縁性基材中に、その両面に設けられた接着剤層の構成材料を収容することができる空間があることにより、その変化量を最小限に押さえることができる。
【0055】
さらに、電気絶縁性基材として、その両面に設けられた接着剤層の構成材料が行き来できる微細な孔を有した多孔質の素材を用いれば、加熱加圧して接着剤層が流動した際に、溶融した接着剤層の構成材料が、電気絶縁性基材の上下間を移動することができるため、より効果的である。この微細な孔は導電ペースト中の導体成分が漏れ出さない程度に微細であれば良い。例えば、導体成分が10μm径の銅粉の場合、微細孔径としては5μm程度であれば良い。
【0056】
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例における多層配線基板の製造方法について、図3を参照しながら説明する。
【0057】
まず図3(a)に示すように、第2の実施例と同様に両面配線基板を作成した。301は接着剤層で、302は電気絶縁性基材、304は電気絶縁性基材302に設けられた貫通孔である。貫通孔304内には導電ペースト305が充填されている。貫通孔304内の導電ペースト305は配線層307により片側より圧縮されている。308は銅箔である。上記のように形成された両面配線基板の配線層307側に、図3(b)に示すように両面に接着剤層311と所定位置に導電ペースト315が充填された貫通孔314が設けられた電気絶縁性基材312を、所定パターンに形成された配線層317を備える支持基材316とともに重ね合わせた。その後図3(c)に示すように、真空プレスにより加熱加圧を行い、配線層307と配線層317間の電気的接続を行う。次に図3(d)に示すように、支持基材316を除去する。所定回数上記図3(b)〜図3(d)の工程を繰り返し、所定層数積層した後、図3(e)に示すように銅箔308を所定形状にエッチングして多層配線基板が完成した。
【0058】
本実施例の多層配線基板では、ビアホール(例えば貫通孔304)上にビアホール(例えば貫通孔314)を形成することができるため、配線収容率が向上する。また、支持基材316を除去した後の表面は平坦であるため、多層に積層しても表面に凹凸が発生することなく、高多層にできる。
【0059】
また、本発明の多層配線基板は、その表面が平滑であるため、半導体ベアチップを実装するには都合が良い。実際に作成した多層配線基板の平坦性は、半導体ベアチップ実装領域の10mm□内で±5μmと極めて平坦であった。本基板に半導体ベアチップをフェースダウン実装すると、チップ下の平坦性が良好なため、実装歩留まりが良く、実装信頼性が向上した。
【0060】
また、本発明の多層配線基板の製造方法では、銅箔308の上に積層していくため、積層した後の寸法変化が押さえられるため、高多層にしても位置づれを抑制することができ、微細な設計ルールで設計できる。
【0061】
(実施例4)
次に本発明の第4の実施例における多層配線基板の製造方法について図4を参照しながら説明する。
【0062】
まず、第3の実施例と同様に作成された多層配線基板410と、所定層の絶縁層と配線層を有するコア基板411を準備した。本実施例ではコア基板411として、従来例で説明した前記多層配線基板を用いた例で説明する。次に図4(a)に示すように、両面に接着剤層401と、所定位置に導電ペースト405が充填された貫通孔404とを備える電気絶縁性基材402を介して重ね合わせた。このような電気絶縁性基材402は第1の実施例の図1(a)〜図1(e)と同様の工程を経て得た。その後、図4(b)に示すように、加熱加圧してコア基板411表層の導体427を接着剤層401に埋め込むことにより、貫通孔404内の導電ペースト405を圧縮することにより多層配線基板410とコア基板411間の電気的接続を行った。最後に図4(c)に示すように、多層配線基板410表層の銅箔408を所定の形状に選択エッチングして前記多層配線基板の表層に微細配線パターンを持つ多層配線基板が完成した。
【0063】
前記多層配線基板は配線収容性に優れる基板であり、その表層に微細配線パターンを設けることで、さらに配線収容性率が向上した。また、半導体ベアチップを実装するには、そのパッドピッチに対応した微細な配線が表層に必要となるが、このような半導体ベアチップ実装にも対応できる。
【0064】
なお、本実施例では、コア基板411である前記多層配線基板の片面に多層配線基板410を設けた例について説明したが、両面に設けた方が、配線基板全体の反り等で有利である。
【0065】
また、本発明の多層配線基板では、コア基板411として、従来例で説明した前記多層配線基板を用いた例について説明したが、これに限るものではない。例えばコア基板411としてガラスエポキシ多層配線基板を用いることができる。この場合、ガラスエポキシ多層配線基板に微細配線を形成していく、いわゆるビルドアップ配線基板と比較して、
(1)微細配線層は銅箔上に別プロセスで形成できるため、プロセス条件等の自由度が増し、高性能にできる。
(2)銅箔上に微細配線層を形成した後にコア基板に積層転写するため、位置あわせがラフにできるため、歩留まりが向上する。さらに大面積で製造することができる。
という効果が生じる。
【0066】
また、表層に配線層を転写形成して得られる多層配線基板では実施例1〜3で説明したように高耐熱性で高剛性のフィルム基材を用いることができるため、半導体ベアチップ実装時の加熱処理にも耐えることができ、寸法変化も抑えることができる。
【0067】
また、本実施例の多層配線基板の製造方法を用いると、表層の多層配線基板410とコア基板411は別々に製造して検査できるため、総合的な歩留まりを向上させることができる。さらに、接続部材に微細な貫通孔のあいた電気絶縁性基材を用いるため、位置あわせ精度が緩くなり、簡便に製造することができる。
【0068】
また、本実施例では、コア基板411の表層の配線層427を接着剤層401に埋設した例について説明したが、第3の実施例と同様に作成された図3(e)に示した多層配線基板を、選択エッチングされた銅箔308からなる配線層側を電気絶縁性基材402側にして積層しても良い。この場合は、多層配線基板410の表層の配線層が接着剤層401に埋設される。銅箔308からなる配線層が貫通孔404内の導電ペースト405を圧縮することができるので、上記と同様の効果を奏する。
【0069】
上記において、支持基材316を除去することなく加熱加圧して多層配線基板410の表層の配線層308を接着剤層401に埋め込んだ後、最後に支持基材316を除去することもできる。この場合、表層の微細配線層は加熱加圧時も含めて本実施例の多層配線基板が完成する直前まで支持基材316により保護されることになるので、製造上有利である。
【0070】
また、コア基板411の表層の配線層427と多層配線基板410の表層の配線層308の両方を接着剤層401に埋設しても良い。この場合、貫通孔404内の導電ペースト405は両側から圧縮されるので、導電ペーストの圧縮量がより大きくなり、導電ペーストによる接続信頼性をより高めることができる。
【0071】
(実施例5)
実施例4において、両面に接着剤層401と、導電ペースト405が充填された貫通孔404とを備える電気絶縁性基材402の代わりに、所定位置に形成された貫通孔に導電ペーストが充填された被圧縮性を有する基板接合体を用いて多層配線基板を製造した。
【0072】
基板接合体の構成材料としては、電気絶縁性の材料で、例えば、ガラスエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アラミド樹脂等の材料を用いることができるが、一般的にはアラミド不織布にエポキシ樹脂を含浸させてこれを半硬化状態(Bステージ状態)にしたプリプレグを用いることができる。このプリプレグにレーザー加工で所定の位置に孔加工を行い、この貫通孔に例えばAg、CuあるいはAg‐Cu合金等の導体成分を含有する導電ペーストを充填する。このとき、導電ペーストを基板接合体の表面から突出するように形成しておくと、導電ペーストが良好に圧縮されて、多層配線基板410とコア基板411との電気的接続を低抵抗に行なうことができる。本実施例では、アラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸させた厚み約0.1mmのプリプレグにCO2レーザーを用いて所望の位置に孔加工を施し、その貫通孔の中にCuペーストを表面からやや突出するように充填した。
【0073】
次いで、多層配線基板410と上記基板接合体とコア基板411とを加熱圧縮した。本実施例では、圧力45〜55kg/cm2、温度200℃で60分加熱圧縮した。これにより、コア基板411の表面に突起している導体427が基板接合体のエポキシ樹脂中に没入した。このとき同時に、導電ペーストは多層配線基板410の配線層とコア基板411の表面の導体427に挟まれているため、内部に充填されている導体ペーストが圧縮されて前記配線層と前記導体427とが電気的に接続された。
【0074】
また、本実施例では、コア基板411の表面に突起している導体427を基板接合体に埋設した例について説明したが、第4の実施例で説明したのと同様に、多層配線基板410の積層面側に突起した配線層を形成しておいても良く、同様の効果を奏する。さらにコア基板411の表面に突起している導体427と多層配線基板410の表面に突起している配線層の両方を基板接合体に埋設しても良い。この場合、貫通孔内の導電ペーストは両側から圧縮されるので、導電ペーストの圧縮量がより大きくなり、導電ペーストによる接続信頼性をより高めることができる。
【0075】
また、導電ペーストと接触する多層配線基板410の配線層の表面、及びコア基板411の表面の導体427の表面に粗面化処理を施しておくと、導電ペーストによる接続信頼性が向上する。本実施例では、加熱加圧に先だって、多層配線基板410の配線層の表面とコア基板411の導体427の表面を、水酸化ナトリウム15g/リットル、リン酸ナトリウム12g/リットル、亜塩素酸ナトリウム30g/リットルを用いた黒化処理を施すことにより、0.5μm程度の粗度で粗面化しておいた。黒化処理により銅箔表面に生成される膜は絶縁膜であるが、極めて薄いため、加熱加圧時に容易に破れて導通させることができる。
【0076】
また、粗面化の方法としては、電解銅めっきを用いることもできる。すなわち、銅箔を作成する条件よりも電流密度を上昇し、銅をこぶ状に異常析出させる方法が一般的に知られている。本方法を用いると銅箔表面に生成される膜は銅であり、より安定した接続を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に設けられた貫通孔に導電体が充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層に埋設されていることにより、貫通孔内の導電体に充分な圧縮がかかり、その結果、導電体の導体成分が緻密化され、初期接続抵抗値が低く、高信頼性を有する微細なビアホール接続を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における両面配線基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例における両面配線基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例における多層配線基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例における多層配線基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図5】従来の多層配線基板(ALIVH基板)の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
101 接着剤層
102 電気絶縁性基材
103 離型フィルム
104 貫通孔
105 導電ペースト
106 支持基材
107 配線層
201 接着剤層
202 電気絶縁性基材
204 貫通孔
205 導電ペースト
206 支持基材
207 配線層
208 銅箔
301 接着剤層
302 電気絶縁性基材
304 貫通孔
305 導電ペースト
307 配線層
308 銅箔
311 接着剤層
312 電気絶縁性基材
314 貫通孔
315 導電ペースト
316 支持基材
317 配線層
401 接着剤層
402 電気絶縁性基材
404 貫通孔
405 導電ペースト
408 銅箔
410 多層配線基板
411 コア基板
427 導体
 
訂正の要旨 <訂正事項a>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項1に係る、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体が充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設されている配線基板。」
という記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「両面に接着剤層が形成された電気絶縁性基材に貫通孔を設け、前記貫通孔に導電体を充填し、加熱・加圧により配線層を少なくとも一方の接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に所定パターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項1とする。
<訂正事項b>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項1に係る、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体が充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設されている配線基板。」
という記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「電気絶縁性基材の厚さ方向に開けられた貫通孔に導電体を形成する導電ペーストが充填され、前記電気絶縁性基材の両面に所定のパターンに形成された配線層間が前記導電体によって電気的に接続されている配線基板であって、
前記電気絶縁性基材の両面に接着剤層が形成され、前記電気絶縁性基材がフィルムからなり、少なくとも一方の前記配線層が前記接着剤層部分に埋設され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項2とする。
<訂正事項c>
特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項2を削除する。
<訂正事項d>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項9に係る
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続された多層配線基板。」
という記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層され、少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、加熱・加圧により配線層を前記接着剤層部分に埋設して前記配線層と前記導電体とを電気的に接続した多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。」
と訂正し、これを訂正後の請求項9とする。
<訂正事項e>
願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項9に係る、
「導電体が充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続された多層配線基板。」
という記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「導電体を形成する導電ペーストが充填された厚さ方向の貫通孔を備えた電気絶縁性基材が2以上積層された多層配線基板であって、前記電気絶縁性基材がフィルムを備え、前記多層配線基板の少なくとも一方の表面には接着剤層が設けられ、前記接着剤層部分に配線層が埋設されて前記電気絶縁性基材の前記導電体と電気的に接続され、前記導電体の高さが前記フィルムの厚みよりも大きい多層配線基板。」
と訂正し、訂正後の請求項10とする。
<訂正事項f>
特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項10を削除する。
<訂正事項g>
発明の詳細な説明の段落【0006】において、明りょうでない記載の釈明を目的として、上記請求項1,2における訂正に整合するように明細書を訂正する。
<訂正事項h>
発明の詳細な説明の段落【0019】において、明りょうでない記載の釈明を目的として、上記請求項9,10における訂正に整合するように明細書を訂正する。
異議決定日 2002-11-15 
出願番号 特願平11-126253
審決分類 P 1 652・ 121- YA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 落合 弘之中川 隆司  
特許庁審判長 神崎 潔
特許庁審判官 藤井 昇
鈴木 久雄
登録日 2001-07-27 
登録番号 特許第3215090号(P3215090)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 配線基板、多層配線基板、及びそれらの製造方法  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 坂口 智康  
代理人 坂口 智康  
代理人 内藤 浩樹  

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