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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1076336
異議申立番号 異議2002-71160  
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-07-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-18 
確定日 2003-02-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3225356号「スチルビデオカメラ」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3225356号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 第1 手続きの経緯
特許第3225356号の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)についての出願は、平成元年11月29日に特許出願され、平成13年8月31日に設定登録された。
その後、その特許について異議申立人、島田洋より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年9月20日に訂正請求がなされ(以下、「1回目訂正」という。)、再度取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年12月4日に、1回目訂正が取り下げられるとともに、再度訂正請求がなされた(以下、「2回目訂正」という。)ものである。

第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1(公報明細書特許請求の範囲第13行〜15行)
「画像情報の記録を行い、且つ、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「画像情報の記録を行い、 該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」と訂正する。
これに伴い、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、不明瞭な記載の釈明を目的として、特許明細書段落番号【0006】(公報明細書第2ページ左欄第34行〜36行)、特許明細書段落番号【0088】(公報明細書第8ページ左欄第14行〜15行)「画像情報の記録を行い、且つ、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」を「画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」と訂正する。

(2)訂正事項b
特許明細書段落番号【0008】(公報明細書第2ページ左欄第44行)「且つ」を「撮影記録の終了に続き自動的に」と訂正する。

2.訂正の目的、新規事項の有無、特許請求の範囲の実質上拡張・変更の有無の判断
上記訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1に記載された「画像情報の記録を行い、且つ、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」を、「画像情報の記録を行い、 該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」と訂正するものであり、記録の後、外部モニタに映像を映し出す、その間の動作を限定したものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、この訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
また、上記訂正は特許請求の範囲を実質的に拡張及び変更するものではない。
上記訂正事項bは、画像情報の記録とその記録された画像情報に基づく映像の映し出しの動作シーケンスを明確化したものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、この訂正は、特許請求の範囲を実質的に拡張及び変更するものではない。

3 むすび
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する第126条2項及び3項の規定に適合するから、当該訂正を認める。

第3 取消し理由通知の概要
1回目訂正は取り下げられ、改めて2回目訂正がなされたが、その相違は、1回目訂正で請求項1に係る発明の記載中「映し出し得る」と訂正したものを、2回目で元の状態である「映し出す」に戻したものであり、取消し理由の内容に実質的な影響を与えないものである。
そして、前記のとおり2回目訂正は認められることとなったことから、本件特許に係る発明は次のとおりのものである。
「【請求項1】 記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおいて、
被写体画像の撮影を行い電気画像信号を得る撮像手段と、
前記電気画像信号に基づく画像情報を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す画像出力手段とを有し、
音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて、前記撮像手段で電気画像信号を出力し、当該電気画像信号に基づいて画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り変わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出すことを特徴とするスチルビデオカメラ。」

平成14年9月30日付け当審の取消し理由の内容は次のとおりである。
(1)本件発明
特許第3225356号の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、平成14年9月20日付けの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2)刊行物
刊行物1:特開昭63―153967号公報(異議申立人の提示した甲第1号証)
刊行物1には、撮像手段と、画像情報を記録する記録手段と、この記録手段に記録した映像を外部に出す画像出力手段とを有し、前記撮像手段で電気画像信号を出力し、当該電気画像信号に基づいて画像情報の記録を行い、当該記録した画像情報に基づく映像を外部機器に映し出し得る記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにかかる発明(以下「刊行物1発明」という。)について記載されている。
刊行物2:特開昭64―26828号公報(同甲第2号証)
刊行物2には、電子カメラにおいて、撮影操作を遠隔操作によって行う技術について記載されている。
刊行物3:特開昭59―183579号公報(同甲第4号証)
刊行物3には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「本発明は撮影した画像の再生が即時にできる電子スチルカメラに関する。」(公報1頁右下欄18行ないし19行)
「切換スイッチ6の動作は撮影操作に関連して行うようにしてもよい。すなわち、通常の撮影モードにおいては、撮像素子2から出力する画像信号をそのまま電子ビューファインダ7に入れて画像表示しており、撮影操作をした結果画像記録指令信号が入力すると1フィールドまたは1フレームのみ記録素子4に記録した後直ちに再生モードに切換わり、電子ビューファインダ7に再生画像を表示し続ける。」(2頁右下欄11行ないし19行)
したがって、刊行物3には、画像の記録動作に続いて再生モードに自動的に切り換わり、記録した画像情報を表示する技術について記載されている。
(3)対比・判断
本件発明は、請求項1の「音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて」なる記載から、音声レベルによらず、単にリモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて撮影される構成を含むものである。
したがって、本件発明と刊行物1発明とを対比すると、以下の点で両者は相違している。

(相違点1)本件発明は、「リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて」撮影動作を行うのに対し、刊行物1発明はそのような構成を有していない点
(相違点2)本件発明は、「画像情報の記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、記録した画像情報に基づく映像を映し出す」のに対し、刊行物1発明はそのような構成を有していない点

そこで、上記相違点について検討する。
上記(相違点1)は、刊行物2に記載された遠隔操作によって撮影を行う技術を参照すれば、当業者が格別の創意工夫を必要とせず、適宜なしえた事項にすぎない。
上記(相違点2)は、刊行物3に記載された画像の記録動作に続いて再生モードに自動的に切り換わり、記録した画像情報を表示する技術を単に適用することにより、当業者が容易に構成できた技術事項にすぎない。
そして、上記刊行物2及び3に記載された技術の、刊行物1発明への適用を阻害する要因もなく、また、上記相違点1及び相違点2を総合的に勘案してみても、その効果は格別なものということはできない。
よって、本件請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

第4 特許権者の特許異議意見書における主張
意見書の主張の概要は、次のA,Bの作用効果が得られるよう創意工夫を行った結果、なされた発明である。として、
「A.マイクロホン46の入力レベルが設定レベルを越える毎に映像と音声とが記録され再生されるようにすれば、例えばパーティ会場で歓声が上がる毎に会場内の映像と音声とを記録し、直ちに再生して見せたり聞かせたりすることができるから、誰もカメラを操作する必要がなく出席者全員がパーティーに参加しつつ、会場風景の記録・再生を行わせることができる。
B.リモコンにより記録及びこの記録に続く自動的な再生が行えれば、例えばパーティー会場などで盛り上がったときに主催者がリモコンを操作して、カメラによる撮影を行わせると共に、撮影記録した内容を直ちにテレビで見たり聞いたりすることができる。」
と、主張している。
また、刊行物1ないし3には本件発明が想定している使用状況も課題も開示されていない旨主張している。

第5 当審の判断
そこで上記主張について検討する。
Aの主張は、取消し理由通知「対比・判断」の中で「本件発明は、請求項1の「音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて」なる記載から、音声レベルによらず、単にリモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて撮影される構成を含むものである。」と説示したように、「音声レベルが設定レベルを越えた時」と「リモコンスイッチで遠隔操作された時」とは、接続詞「又は」で結ばれていることから、択一的な表現である。
択一的な表現の場合、その一方のみで特許請求の範囲の解釈を行うことは、通常許容されている事項である。
すなわち、本件の場合、「及び/又は」の接続詞は、(1)「音声レベルが設定レベルを越えた時に出力されるトリガ信号」の場合、(2)「リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号」の場合、及び(3)「音声レベルが設定レベルを越えた時、でかつ、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号」の場合の、3態様で解釈されることになる。
そして、その中の(2)の解釈をした場合、特許権者の主張である前記Aの点は、上記(1)の解釈に限定した、(2)の解釈を意識的に排除した独自の解釈に基づく主張であり、根拠のないものと言わざるを得ない。
Bの主張は、取消し理由通知で相違点1、2として挙げ、判断を示したとおりである。
ただし、刊行物1ないし3には本件発明が想定している使用状況も課題も開示されていないことは、特許権者主張のとおりである。
しかし、訂正された特許請求の範囲の記載を見る限り、本件発明が想定している使用状況に関連する記載はなく、パーティー会場での使用に独特な構成や手段等もなく、一般的なスチルカメラの使用にすぎない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、その出願日前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る発明の特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スチルビデオカメラ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおいて、
被写体画像の撮影を行い電気画像信号を得る撮像手段と、
前記電気画像信号に基づく画像情報を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す画像出力手段とを有し、
音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて、前記撮像手段で電気画像信号を出力し、当該電気画像信号に基づいて画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出すことを特徴とするスチルビデオカメラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はスチルビデオカメラに関し、詳しくは、記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおける記録・再生動作の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来のフィルム式カメラに代わって、被写体からの光画像信号を撮像素子により電気画像信号に変換し、該電気画像信号を従来のフィルムに相当する磁気ディスク等の記録媒体に記録する構成のスチルビデオカメラが実用化されており、記録媒体に記録した電気画像信号をモニタで再生して見たり、プリンタでハードコピーしたりするようになっている(特開昭59-183582号公開等参照)。
【0003】
また、画像だけでなく、音声も画像に対応して記憶させることができるスチルビデオカメラも開発されており、記録画像に対応する音声を例えばシャッターボタンを押したときから所定時間自動的に録音されるよう構成したものがある。更に、再生機能を備え、モニタを接続するだけで再生画面を見ることができるようなスチルビデオカメラも開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように再生機能を備えたスチルビデオカメラであっても、従来では、使用者がスイッチ操作を行って初めて再生が行われる構成であり、記録した画像を直ちに再生して確認したい場合などは煩わしさがあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、記録・再生機能を備えたスチルビデオカメラにおいて、撮影に連続して画像の再生が自動的に行われるようにするとともに、この画像の再生を撮影に連続して行うか、否かを選択できることで、使用者の操作負担を軽減し、かつ、使い勝手の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明では、記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおいて、被写体画像の撮影を行い電気画像信号を得る撮像手段と、前記電気画像信号に基づく画像情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す画像出力手段とを有し、音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて、前記撮像手段で電気画像信号を出力し、当該電気画像信号に基づいて画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出すようにした。
【0007】
【0008】
【作用】
かかる構成によると、記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおいて、音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時にトリガ信号が出力され、このトリガ信号に基づいて撮影記録が行われ、撮影記録の終了に続き自動的に、撮影映像がモニタに映し出されるようになる。
【0009】
それ故、本発明によれば、例えばパーティー会場などで盛り上がったときに、音声信号により、及び/又は、リモコンスイッチの操作により本発明のスチルビデオカメラによる撮影が行われ、その後、主催者等の使用者がいちいち再生操作を行うことなく、自動的に撮影映像をモニタで映し出して見ることができる。
【0010】
【実施の形態】
以下に本発明を実施の形態例で説明する。
【0011】
まず、第1図及び第2図に本発明にかかるスチルビデオカメラの外観例を示す。
【0012】
第1図及び第2図において、スチルビデオカメラ1は、撮影レンズ2によって得られる被写体の光画像信号を、内蔵されたCCD等の撮像素子によって電気画像信号に変換して記録媒体としての着脱自在なフロッピーディスク3にアナログ記録するものであり、かかる画像記録と共に、カメラ本体の撮影レンズ2側に設けられたマイクロホン4を介して入力される音声信号を、やはり前記フロッピーディスク3にアナログ記録できるようになっている。また、前記フロッピーディスク3に記録された画像と音声とをそれぞれに再生する機能も備えており、映像及び音声の記録再生機能を備えたものである。尚、前記音声信号の記録は、例えば画像記録の開始から所定時間自動的に記録するものとし、また、ここでは音声信号は人の声に限らない音響に相当するものとして用いるものとする。
【0013】
また、スチルビデオカメラ1には、撮影者の押圧操作によって画像及び音声の記録を開始するレリーズボタン5が本体上面に設けられており、かかるレリーズボタン5の近傍位置には、表示用液晶部6及び操作部7が設けられており、各種の撮影情報の表示及び撮影条件の設定が行われる。
【0014】
更に、前記撮影レンズ2及びマイクロホン4が設けられるカメラ本体前面には、前記撮影レンズ2の他、図示しない後面に設けられるファインダー(光学ファインダー)用のレンズ8、測光用レンズ9,リモコン受光レンズ10,セルフタイマーによる撮影状態を表示するためのLED11,ストロボ調光用レンズ12,ストロボ13が設けられている。
【0015】
また、カメラ本体の被写体に向けて左側面に設けた凹陥部には、無線によりリモコン信号を送信するカメラ本体と別体のリモコンスイッチボックス14が、着脱自在に装着できるようになっており、第1図がかかるリモコンスイッチボックス14の装着状態を示し、第2図がリモコンスイッチボックス14を取り外した状態を示す。
【0016】
遠隔操作手段としてのリモコンスイッチボックス14は、第2図に示すように、リモコン送信スイッチ15と、変調された光信号を送信する赤外発光LED16とを備えており、リモコン送信スイッチ15を押すと赤外光であるリモコン信号を発信し、このリモコン信号がスチルビデオカメラ1のリモコン受光レンズ10に受光されることでリモコンが可能となる。
【0017】
次に前記表示用液晶部6及び操作部7の詳細を第3図に従って説明する。
【0018】
選択手段としてのスライドスイッチ21は、撮影モード(REC),再生モード(PLAY),消去モード(ERASE),自動撮影/再生モード(AUTO REC&PLAY)の切り換えを行うものであり、かかるスライドスイッチ21がOFF位置にあるときには、カメラに電源が供給されず、表示用液晶部6には何の表示も行わず、また、全てのスイッチ操作を受け付けない。尚、上記自動撮影/再生モード(REC&PLAY)が、本実施例における記録再生手段に相当するモードである。
【0019】
次に、スライドスイッチ21をRECの位置にして通常のレリーズボタン5操作による撮影モードが選択されている場合における各スイッチの機能を説明する。
【0020】
撮影モードの状態で、モードスイッチ22を1回押す毎に表示窓6aの図で左側にある三角マークが、SINGLE→CONT.L-CONT.H→SELFと移動し、単写,低速連写,高速連写及びセルフタイマーの各モードを切り換えることができる。SELFの位置から更にモードスイッチ22を押すと、三角マークは再びSINGLE位置に戻ってくる。
【0021】
ストロボスイッチ23は露出モードの変更を行うスイッチで、ストロボ自動発光モード,ストロボ強制発光モード,ストロボOFFモード,AEロックモード,ブラケット撮影モードの切り換えを行うものであり、ストロボスイッチ23を1回押す毎に、表示窓6aの右側にある三角マークが、AUTO→ON→OFF→AE LOCK→BRACKETと移動し、どの露出モードが選択されているかを表示する。
【0022】
MACROスイッチ24は、撮影レンズ2の近傍撮影位置と標準撮影位置とを切り換えるスイッチであり、不用意に触られたときに切り換えが行われないように、0.5秒以上継続して押されたときにのみ機能するようにしてある。MACROスイッチ24によってマクロ撮影モードが選択されると、撮影レンズ2が近接撮影位置に移動し、表示窓6aの左上の花マークが点灯する。
【0023】
INTERVALスイッチ25は、インターバル撮影モードへの切り換えと条件設定とを行うスイッチであり、INTERVALスイッチ25を押す毎にインターバル撮影間隔の時・分・秒の設定及び撮影枚数の設定を行うことができるようになっている。尚、それぞれの条件設定値の設定において、モードスイッチ22及びストロボスイッチ23を押すことで数字がアップダウンされ、これにより数値の変更が行えるようになっている。INTERVALスイッチ25も、前記MACROスイッチ24と同様に、0.5秒以上継続して押されたときにのみインターバル撮影モードに切り換わり、表示窓6aの前記花マークの右側のINTマークが点灯するようになっている。
【0024】
DATEスイッチ26は、日付の表示モードを切り換えるスイッチで、1回押す毎に表示窓6aの下側の表示が、月・日・年→日・月・年→年・月・日・→日・時・分→無表示の順に変化する。
【0025】
ADJUSTスイッチ27は、日付又は時刻の変更を行うときに、変更モードへの切り換えと変更する項目を選択するスイッチであり、ADJUSTスイッチ27によって選択された年や月や日又は時や分の情報は、モードスイッチ(ダウンスイッチ)22及びストロボスイッチ23(アップスイッチ)によってアップダウンさせて変更する。
【0026】
尚、前記表示窓6aには、上記の各表示の他、電池の消耗度合いを示す電池マークや、撮影枚数を示す2桁のカウンタ表示などが設けられている。
【0027】
第4図は上記スチルビデオカメラ1のシステム概略構成を示すブロック図である。
【0028】
ここで、被写体からの光画像信号は、レンズ,絞りなどの光学系Aを介して、CCD等の固体撮像素子B上に結像される。
【0029】
撮像素子駆動回路Cによって撮像素子Bから読み出された電気映像信号は、信号処理回路Dにおいて例えば輝度信号と色差信号とに分離するというような信号処理をされ、記録信号処理回路Eではこの信号を磁気記録する場合にはF/M変調したり、デジタル記録する場合にはA/D変換したりして、記録・再生回路Fを介してフロッピーディスクや半導体メモリ等の記録媒体Gに記録される。
【0030】
一方、マイクロホンHにより入力される音声信号は、信号処理回路Iにおいて増幅や時間軸圧縮などの信号処理を行ってから、映像信号と同様にして、記録信号処理回路E及び記録・再生回路Fを介して記録媒体Gに記録される。
【0031】
また、再生時には、記録・再生回路Fにより記録媒体Gから信号を読み出し、再生信号処理回路Jで記録時と逆のプロセスを通って、映像信号と音声信号とに変換して出力する。
【0032】
以上の動作は、操作・表示部Kを介して制御ユニットLにより管理されるようになっており、制御ユニットLは、測光・測距・調光回路Mから信号を入力しつつ、該測光。測距・調光回路Mの動作も管理する。
【0033】
第5図は、前記第4図における記録媒体Gとして例えば2インチフロッピーディスク(磁気ディスク)用いた場合のより詳細なシステム図であり、この第5図に従って記録・再生システム構成を、より詳細に説明する。
【0034】
まず、操作部31からの入力、又は、リモコン受信回路32よりの信号が制御回路33に入ると、シーケンスが起動し、制御回路33は、測距・測色・調光回路34などの出力に基づき、CCD35の出力が適正となるように絞り36やCCD駆動回路37を制御し、被写体の光画像信号は、レンズ38,絞り36,光学フィルター39を介してCCD35上に結像する。
【0035】
CCD駆動回路37によって読み出される電気画像信号は、リセット雑音を低減させるためのCDS回路(相関二重サンプリング回路)40を通り、信号処理回路41で輝度信号と色差信号とに変換される。この輝度信号と色差信号とは、それぞれFM変調回路42でエンファシス,FM変調の処理をされて合成され、セレクタ43を介して記録アンプ44に入力される。そして、記録アンプ44を介してフロッピーディスク45にアナログ磁気記録される。
【0036】
一方、マイクロホン46から入力される音声信号は、アンプ47で増幅され、更に信号処理回路48でノイズリダクションなどの信号処理をされてから、A/D変換器49でA/D変換され、デジタル信号の形で一時メモリ50に蓄えられる。メモリ50に蓄えられたデジタル信号は、メモリ50に書き込んだときよりも速いスピードで読み出され、この読み出した信号をD/A変換器51でD/A変換することで、時間圧縮したアナログ信号に変換される。
【0037】
時間軸圧縮された音声信号のアナログ信号は、映像信号と同じく、FM変調回路52でエンファシス,FM変調の処理をされ、セレクタ43及び記録アンプ44を介してフロッピーディスク45に記録される。前記セレクタ43は、記録映像信号と記録音声信号との切り換え選択を行うものである。
【0038】
再生動作も、リモコン受信回路32からの出力や操作部31からの入力を受けてシーケンスがスタートする。まず、音声信号がフロッピーディスク45から再生アンプ53を介して読み出され、セレクタ54によってFM復調回路55に入力される。FM復調回路55では、フロッピーディスク45から読み出された音声信号がFM復調,ディエンファシスの処理をされ、次のA/D変換器56でA/D変換されてデジタル信号の形で一時メモリ57に蓄えられる。
【0039】
次に、前記フロッピーディスク45から読み出した音声信号に対応する映像信号を、フロッピーディスク45から再生アンプ53を介して読み出し、セレクタ54によってFM復調回路58に入力する。FM復調回路58で、FM復調,ディエンファシス処理を施された映像信号は、信号処理回路59でビデオ信号に変換され、出力回路60を介して出力される。
【0040】
上記のようにしてビデオ信号が出力回路60から出力されている間、メモリ57に蓄えられている音声信号のデジタルデータを、実時間に戻るような速度で読み出してD/A変換器61でアナログ信号に変換し、信号処理回路62,出力回路63を介して音声出力して出力する。
【0041】
マイクロコンピュータを内蔵した制御回路33は、上記のような記録・再生動作に関わる各回路を制御すると共に、操作部31を介して設定された撮影条件や、撮影枚数などの情報を表示部64に表示させ、また、操作部31による設定に基づいてストロボ65の発光等を制御する。
【0042】
また、上記各回路へは、電源回路66から電源が供給されるようになっている。
【0043】
次に第6図に示すタイムチャートを参照しつつ、第5図に示した本実施例のスチルビデオカメラの記録動作を説明する。
【0044】
カメラのレリーズボタンの第1ストロークS1をONすると電源がONし、フロッピーディスク45を回転させるために図示しないスピンドルモータがONする。
【0045】
次に被写体の輝度と被写体までの距離とを測定し(AE・AF)、フォーカスレンズを動かしてピントを合わせる。
【0046】
レリーズボタンの第2ストロークS2のONで、絞りがセットされ、CCD35の電子シャッタが開き被写体を撮影し、CCD35の画素毎に電荷が蓄積される。その後、フロッピーディスク45の記録基準であるPG信号に同期して記録ゲートがONし、CCD35に蓄積された電荷が読み出されて信号処理を施された後、FM変調された映像信号がフロッピーディスク45に記録される。このとき、AV(音響・映像)セレクタ43は予め映像側が選択されている。
【0047】
次に、AVセレクタ43が映像から音声に切り換えられ、フロッピーディスク45の次のトラックにヘッドが移動する。ここで、マイクロホン46からの音声信号は、増幅された後ノイズリダクション等の信号処理をされ、A/D変換されてメモリ50にストアされる。音声の記録時間は一定時間で、この時間が経過した後、記録したときよりも速い速度でメモリから読み出した音声信号を、D/A変換してアナログ信号に戻し、このアナログ信号をFM変調したデータがPGに同期してフロッピーディスク45に記録される。そして、記録が終了すると次の撮影に備えて、ヘッドを次のトラックに移動させ、最後にスピンドルモータをOFFしてから電源をOFFしてシーケンスを終了する。
【0048】
次に第7図に示すタイムチャートに従って再生時の動作を説明する。
【0049】
まず、カメラの再生スタートスイッチをONすると(スライドスイッチ21により再生モードの選択して再生開始を指示すると)、電源がONし、フロッピーディスク45を回転させるためにスピンドルモータをONする。
【0050】
まず、AVセレクタ45は予め音声側に選択されていて、フロッピーディスク45の記録基準であるPG信号に同期して、音声信号がフロッピーディスク45から読み出され、FM復調及びA/D変換された後、デジタル信号の形で一時メモリ57にストアされる。
【0051】
次に、AVセレクタ54が音声から映像に切り換えられ前記読み出された音声に対応する映像の記録されたトラックにヘッドが移動する。ここで、PG信号に同期して映像信号が読み出され、FM復調やエンコード処理を施された後、NTSC方式などのビデオ信号として出力される。
【0052】
このとき同時に、メモリ57にストアされていた音声信号が記録したときよりも遅い速度でメモリ57から読み出されてD/A変換され、ノイズリダクション処理され、音声信号として出力される。
【0053】
その後、再び再生スタートスイッチがONされれば、次の再生に備えて、ヘッドは次の音声トラックに送られ、同様に映像と音声が同時に再生される。
【0054】
このようにして、スチルビデオカメラ1における映像及び音声の記録・再生機能が実現されるものであり、次に本発明にかかる記録及び該記録に続けての記録内容の再生を所定のトリガ信号に基づいて自動的に行う実施例について述べる。
【0055】
まず、一定時間周期で自動録再させる制御を第8図のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0056】
第8図のタイムチャートは、記録及び該記録内容の再生を、カメラ各回路の制御を行うCPUに備えられた時間間隔トリガ信号出力手段としてのタイマーを用いて一定時間周期で自動的に行わせる場合の動作を示すものである。
【0057】
尚、ここで、回路の構成によっては記録と再生の切り換え時に録再ヘッドに異常電流が流れ、記録された信号にノイズが入ってしまうことがあるので、記録と再生の切り換えは、未記録トラックにヘッドを一旦移動させてから戻して行うようにすることが好ましい。
【0058】
まず、第3図に示すスライドスイッチ21でAUTO REC&PLAYモードを選択し、INTERVALスイッチ25を0.5秒以上押していると、第9図に示すように表示窓6a分の桁表示が点滅し、自動録再させるインターバル時間のセットを促すので、アップスイッチ(ストロボスイッチ23)とダウンスイッチ(モードスイッチ22)を用いてインターバル時間の分の桁をセットする。
【0059】
ここで5分にセットしたいとすると、アップスイッチを5回押して5分の表示を出してからINTERVALスイッチ25をONすると、分の桁が確定されたことが点滅の停止で表示され、次に秒の桁の表示が点滅して秒単位の時間セットを促す(第10図参照)。秒のセットを同様にして行い希望時間のセットが終了したら、INTERVALスイッチ25をONさせて、秒の桁についても確定させる(第11図参照)。
【0060】
第9図〜第11図に示す例では、インターバル時間が5分30秒に設定され、5分30秒毎にタイマー出力が第8図に示すようにパルス波として出力され、このタイマー出力の立ち上がりを所定のトリガ信号として記録(映像及び一定時間の音声の記録)が行われ、記録終了と同時に記録した内容の再生が次にタイマー出力が立ち上がるまで自動的に継続して行われるようになっている。
【0061】
従って、スチルビデオカメラ1にモニタを接続しておけば、一定時間毎にスチルビデオカメラによる記録が自動的に行われ、かつ、記録終了後は直ちに記録内容の映像をモニタ上に自動的に写し出すことができ、然りも、所望の場合には再生映像に付随する音声信号を合わせて再生できる。このため、カメラを操作するものが居なくても記録・再生が一定時間間隔で自動的に行われるから、例えばパーティー会場で、会場内の映像及び音声を一定時間毎に記録して、一定時間毎に最新の記録画像をモニタ上に再生して見せたり、記録された音声を再生して聞かせたりといった使い方ができ、スチルビデオカメラ1を単なる記録手段としてだけでなく、1つのディスプレイ装置として活用できる。
【0062】
次に、音声レベル検出に基づく自動録再制御について、第12図のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0063】
ここでは、第3図に示す選択手段としてのスライドスイッチ21でAUTO REC&PLAYのモードが選択されると、マイクロホンの入力レベルが設定レベルを越えたときにかかる検出信号が、CPC(第5図における制御回路33)に送られるようになっており、かかる音声レベルの信号を所定のトリガ信号として自動的な記録動作及びこの記録に続く自動的な再生動作とが行われるようになっている。
【0064】
即ち、音声レベルが設定レベルを越えると、前述のようなタイミングに従って映像と音声とがそれぞれフロッピーディスクに記録され、かかる記録終了に同期して再生モードに自動的に切り換わり、その後再び音声レベルが設定レベルを越えて検出信号が出力されるまでの間、前記記録した映像及び音声の再生が継続して行われる。このようにして、マイクロホンの入力が設定レベルを越えるたびに音声と映像とが記録され、かつ、最新に記録した映像及び音声が自動的に再生されるようになっている。
【0065】
かかるマイクロホンの入力レベルに基づく自動的な記録・再生制御を、第13図のタイムチャートに従って更に詳細に説明すると、マイクロホンの入力が第1の設定レベルを越えて検出信号が出力されると、フロッピーディスク45を回転させるための図示しないスピンドルモータをONし、次に被写体の輝度及び被写体までの距離を測定し(AE/AF)、図示しないフォーカスレンズを動かしてピント合わせし、必要ならばストロボ65を充電し、撮影の準備をする。
【0066】
そして、マイクロホン46の入力が第2の設定レベルを越えたところで、CCD35の電子シャッタを開き撮影を開始する。このように、動作に時間のかかる各種アクチュエータを予め動作させておけば、タイムラグのない撮影が可能となる。
【0067】
尚、マイクロホン46の入力が第1の設定レベルを越えてから一定時間内に第2の設定レベルを越えなかったときには、スピンドルモータをOFFし、フォーカスレンズを元の位置に戻すようにする。
【0068】
上記のようにしてマイクロホン46の入力レベルが設定レベルを越える毎に映像と音声とが記録され再生されるようにすれば、例えばパーティ会場で歓声が上がる毎に会場内の映像と音声とを記録し、直ちに再生して見せたり聞かせたりすることができるから、誰もカメラを操作する必要がなく出席者全員がパーティーに参加しつつ、会場風景の記録・再生を行わせることができる。また、一定時間毎に記録されたものが直ちに自動的に再生されるから、記録の重要性よりも、パーティー会場などではアトラクション的なディスプレイとして楽しむこともできる。
【0069】
ここで、マイクロホン46による入力レベルが設定レベルを越えたことを検出する方法、即ち、音響レベルトリガ信号出力手段について、第14図に従って説明する。尚、第14図は、第5図の全体システムブロック図の一部をピックアップして記してあるもので、同一要素には同一符号を付し、その他の構成要素については第5図と同様であるものとし説明を省略する。
【0070】
即ち、マイクロホン46からの音声信号をアンプ47で増幅した信号が、コンパレータ81のマイナス側に入力されるようになっており、前記コンパレータ81のプラス側には可変抵抗RFにより分圧された基準電圧が入力される。コンパレータ81出力は制御回路33に入力されるようになっており、可変抵抗RFの抵抗値によって決定される設定レベルを越える音声信号があると、コンパレータ81出力が反転することにより、制御回路33は音声レベルが設定レベルを越えたことを検出できる。
【0071】
しかしながら、上記の方法では、設定レベルが一定になってしまうので、第13図に示すように複数の設定レベルに基づいて記録・再生動作を行わせる場合には適用できない。そこで、第15図に示すように、制御回路33に内蔵されたD/A変換器の出力が前記コンパレータ81のプラス側に入力されるように構成し、初めに第1設定レベル(第13図参照)に相当する電圧をコンパレータ81に出力させておき、音声レベルがこの第1設定レベルを越えたことがコンパレータ81の出力反転により検出されたら、第2の設定レベルに相当する電圧をD/A変換器からコンパレータ81に出力させるようにすれば、複数の設定レベルと実際の音声レベルとを比較させることができる。
【0072】
また、第16図に示すように、マイクロホン46を介して入力した音声信号のA/D変換値を制御回路33に入力させるようにして、ソフトウェア処理によって設定レベルと音声信号のデジタル値とを比較すれば、コンパレータ81等のハードウェアを用いずに音声レベルの検出が行える。
【0073】
次に、リモコン(遠隔操作)信号によって記録・再生させる動作を、第17図のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0074】
即ち、第3図に示すスライドスイッチ21でAUTO REC&PLAYのモードを選択すると、カメラのリモコン受光レンズ10(第1図及び第2図参照)を介してリモコン光線を受光する受光ユニットであるリモコン受信回路32に常時給電され、使用者が第2図示の遠隔操作手段としてのリモコンスイッチボックス14のリモコン送信スイッチ15を押して赤外発光LED16から赤外光であるリモコン光信号が前記リモコン受光レンズ10を介してスチルビデオカメラ1に入力されると、カメラ1はこの所定のトリガ信号としてのリモコン指示に従い、記録(映像及び音声)及びこれに続けて記録内容の再生を行い、次にリモコンスイッチボックス14が操作されるまで再生を継続する。
【0075】
このようにしてリモコンにより記録及びこの記録に続く自動的な再生が行えれば、例えばパーティー会場などで盛り上がったときに主催者がリモコンを操作して、カメラによる撮影を行わせると共に、撮影記録した内容を直ちにテレビで見たり聞いたりすることができる。
【0076】
尚、リモコンは上記のように赤外光による信号の他、電波を利用したものであっても良い。
【0077】
次に、マイクロホン46を介して入力される音声レベルに基づく自動録再と、リモコンによる録再とを組み合わせた例を、第18図のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0078】
第3図に示すスライドスイッチ21でAUTO REC&PLAYのモードを選択すると、前述のようにして、マイクロホン46を介して入力される音声レベルが設定レベルを越えたとき(第18図中のA又はCのとき)に検出信号が出力され、この検出信号をトリガ信号として自動的な映像・音声信号の記録及び該記録内容の再生が行われ、再度音声レベルが設定レベルを越えるまでの間継続して再生が行われる。
【0079】
ところが、第18図中のBの場合のように、音声レベルが設定レベルまで達していない場合でも、撮影を行いたい場合がある。このときには、使用者がリモコンを操作して記録・再生を指示すれば、音声レベルが設定に達していないときでも、カメラに記録・再生を行わせることができるように、リモコンの受光ユニットに常時給電されてリモコン操作の待機状態としておく。
【0080】
即ち、音声レベルが設定レベルを越えるか、又は、リモコンで指示されると、録再が行われるようにしてあるもので、音声レベルが設定を越えるたびに自動的に記録と該記録内容の再生とを行わせつつ、リモコン操作によって音声レベルとは無関係に任意のときに録再を行わせることができる。
【0081】
第19図は、上記実施例に示したスチルビデオカメラ1の実際の使用状態を図示したものであり、三脚91に支持されたスチルビデオカメラ1は例えばパーティー会場に向けて設置されており、該スチルビデオカメラ1は内蔵の電池によっても動作するが長時間の動作に備えてACアダプタ92を介して交流電源(家庭電源)で駆動させるようにしてある。このようにして家庭電源でスチルビデオカメラ1を駆動する場合には、電池の消耗を考慮する必要がないから常時ストロボに充電させておくことができる。
【0082】
スチルビデオカメラ1とテレビ93とは映像用及び音声用の信号ケーブル93で接続されており、スチルビデオカメラ1で再生された映像及び音声信号が、前記ケーブル93を介してテレビ94に入力されて、テレビ94のCRT及びスピーカーを介して再生されるようになっている。
【0083】
ここで、例えばパーティーの主催者であるAが、スチルビデオカメラ1から取り外したリモコンスイッチボックス14を持っており、必要に応じてこのリモコンスイッチボックス14を操作したり、直接スチルビデオカメラ1のレリーズボタン5を操作し、パーティー会場の撮影を行うと共に、撮影記録した映像及び音声をテレビに再生させ、また、スチルビデオカメラ1のモード選択によってマイクロホン46の入力レベルに応じて自動的に録再を行わせることができる。
【0084】
尚、上記実施例では、スチルビデオカメラ1が映像と共に音声も記録できるものについて述べたが、音声の録再機能を備えていないカメラであっても良く、音声の録再機能を備えていないカメラでは、マイクロホンがないので、音声レベルに基づく自動的な録再を行わせることができず、上記の実施例では一定時間毎の録再と、リモコンによる録再とを適用することができる。但し、音声の記録・再生機能を備えてないスチルビデオカメラにおいて、記録・再生を行わせる所定のトリガ信号を出力させるためにのみマイクロホンを設置するようにしても良い。
【0085】
また、本実施例では、記録媒体としてフロッピーディスクを用いてアナログ記録させるようにしたが、半導体メモリにデジタル記録させるようにしても良い。
【0086】
更に、上記実施例では、所定のトリガ信号であると直ちに記録して、記録終了と同時にこの記録内容を再生し、次にトリガ信号があるまで間は再生を継続して行うようにしたが、再生は次にトリガ信号があるまで継続するのではなく、所定時間だけに限って行うようにしても良い。
【0087】
また、通常のレリーズボタン5操作によって記録が行われた場合にも、この記録内容を直ちに自動再生するようなモードを設けるようにしても良く、この場合、所定のトリガ信号はレリーズボタン5の操作信号ということになる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、記録・再生機能を有したスチルビデオカメラにおいて、被写体画像の撮影を行い電気画像信号を得る撮像手段と、前記電気画像信号に基づく画像情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す画像出力手段とを有し、音声レベルが設定レベルを越えた時、及び/又は、リモコンスイッチで遠隔操作された時に出力されるトリガ信号に基づいて、前記撮像手段で電気画像信号を出力し、当該電気画像信号に基づいて画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出すようにしたので、撮影者がスチルビデオカメラを直接に操作することなく、撮影及びこれに続く映像の映し出しを行わせることができるから、撮影者の操作負担が軽減すると共に、例えばパーティー会場などではスチルビデオカメラを記録手段としてだけでなく、アトラクション的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明にかかるスチルビデオカメラの外観斜視図、第3図は前記第1図及び第2図に示したスチルビデオカメラにおける操作部及び表示部を示す平面図、第4図は同上実施例におけるスチルビデオカメラの基本回路構成を示すブロック図、第5図は第4図示の回路構成をより詳細に示すブロック図、第6図は同上実施例における映像・音声記録制御の特性を示すタイムチャート、第7図は同上実施例における映像・音声再生制御の特性を示すタイムチャート、第8図は一定時間周期毎に記録再生を行わせる実施例の制御特性を示すタイムチャート、第9図〜第11図はそれぞれ前記第8図示の一定時間周期毎の録再制御における周期時間設定を説明するため表示部状態図、第12図は第8図示の音声レベル検出に基づく録再をより詳細に説明するためのタイムチャート、第13図は音声レベルを複数レベルと比較して録再させる際の各部の動作を示すタイムチャート、第14図〜第16図はそれぞれ音声レベル検出のためのハードウェア構成の例を示すブロック図、第17図はリモコン信号に基づいて記録・再生を行わせる制御内容を示すタイムチャート、第18図は音声レベルに基づく録再制御とリモコン信号に基づく録再制御とを組合わせた場合の制御内容を示すタイムチャート、第19図は本発明にかかるスチルビデオカメラの使用状態例を示す斜視図である。
1……スチルビデオカメラ
2……撮影レンズ
3……フロッピーディスク
4……マイクロホン
5……レリーズボタン
10……リモコン受光レンズ
14……リモコンスイッチボックス
21……スライドスイッチ
32……リモコン受信回路
33……制御回路
35……CCD
45……フロッピーディスク
46……マイクロホン
 
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1(公報明細書特許請求の範囲第13行〜15行)「画像情報の記録を行い、且つ、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」と訂正する。
これに伴い、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、不明瞭な記載の釈明を目的として、特許明細書段落番号【0006】(公報明細書第2ページ左欄第34行〜36行)、特許明細書段落番号【0088】(公報明細書第8ページ左欄第14行〜15行)「画像情報の記録を行い、且つ、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」を「画像情報の記録を行い、該記録終了に続き再生モードに自動的に切り換わり、当該記録した画像情報に基づく映像を外部モニタに映し出す」と訂正する。
▲2▼訂正事項b
特許明細書段落番号【0008】(公報明細書第2ページ左欄第44行)「且つ」を「撮影記録の終了に続き自動的に」と訂正する。
異議決定日 2002-12-25 
出願番号 特願平1-307734
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (H04N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 藤内 光武  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 小松 正
酒井朋広
登録日 2001-08-31 
登録番号 特許第3225356号(P3225356)
権利者 コニカ株式会社
発明の名称 スチルビデオカメラ  

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