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審決分類 |
審判 全部申し立て 発明同一 E04H |
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管理番号 | 1078014 |
異議申立番号 | 異議2002-72482 |
総通号数 | 43 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-03-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-10-08 |
確定日 | 2003-05-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3273668号「原子炉格納容器の構築方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3273668号の請求項1、2に係る特許を取り消す。 同請求項3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.経緯及び本件発明 本件特許第3273668号は、平成5年6月30日に出願され、平成14年2月1日に登録され、平成14年10月8日付けで鹿島建設株式会社よりその請求項1ないし3に係る発明に対して異議の申立てがあり、平成14年12月2日付けでその請求項1、2に係る発明に対して期間を指定して取消理由通知がなされたが、特許権者らからは指定期間内に何ら応答がなかった。 そして、本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された発明(以下、「本件発明1ないし3」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 原子炉圧力容器を内部に備える原子炉格納容器の構築方法において、外側鋼板と、その内側に離間して配置され、上記外側鋼板の板厚より薄い板厚を有する内側鋼板と、上記内側鋼板と外側鋼板との間に形成される環状の空間の上記内側鋼板寄りに設けられた補強部材と、上記環状空間に打設されるコンクリートとから上記原子炉格納容器の格納容器壁を構成すると共に、上記外側鋼板と上記内側鋼板と上記補強部材とを組み立てる工程と、この組み立て工程の後にコンクリートを上記環状空間に打設する工程とを有することを特徴とする原子炉格納容器の構築方法。 【請求項2】 上記補強部材を、縦方向および横方向に多重に配索された鉄筋により構成した請求項1記載の原子炉格納容器の構築方法。 【請求項3】 上記補強部材を、鉄骨およびこの鉄骨を連結する鉄筋により構成した請求項1記載の原子炉格納容器の構築方法。」 2.本件発明1、2について (1)平成14年12月2日付けでした取消理由通知は、本件発明1、2は、本件特許の出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開(特開平5-273379号公報)された特願平4-68499号(先願)の願書に最初に添付された明細書または図面(異議申立人の提出した甲第1号証参照)に記載された発明(先願発明)であり、本件発明1、2の発明者と先願発明の発明者は同一でもなく、本件発明1、2の出願人と先願発明の出願人とは同一の者でもないから、本件発明1、2の特許は、特許法第29条の2第1項の規定に違反してされたものである、というものであった。 (2)先願の願書に最初に添付された明細書または図面には、次の発明が記載されていると認められる。 「原子炉圧力容器を内部に備える原子炉格納容器の構築方法において、外側の鋼板プレートと、その内側に離間して配置され、上記外側の鋼板プレートの板厚より薄い板厚を有するライナープレートと、上記ライナープレートと外側の鋼板プレートとの間に形成される環状の空間の上記ライナープレート寄りに設けられた補強部材と、上記環状空間に打設されるコンクリートとから上記原子炉格納容器の格納容器壁を構成すると共に、上記外側の鋼板プレートと上記ライナープレートと上記補強部材とを組み立てる工程と、この組み立て工程の後にコンクリートを上記環状空間に打設する工程とを有することを特徴とする原子炉格納容器の構築方法。」(以下、「先願発明」という。) (3)本件発明1、2と先願発明とを対比すると、先願発明の「ライナープレート」及び「外側の鋼板プレート」は、本件発明1の「内側鋼板」及び「外側鋼板」に相当するものであるから、本件発明1、2と先願発明とは同一であるといえ、上記取消しの理由は妥当であるから、本件発明1、2の特許は、上記取消しの理由によって取り消されるべきである。 3.本件発明3について 本件発明3は、本件発明1を引用してさらに、「上記補強部材を、鉄骨およびこの鉄骨を連結する鉄筋により構成した」と技術的に限定したものである。 そして、この限定に係る構成は、先願の明細書または図面に記載されておらず、また、当該構成が、原子炉格納容器の構築方法において、周知であったとも認められないから、本件発明3が先願の明細書または図面に記載されていたとすることはできない。 4.まとめ 以上のとおり、本件発明1、2の特許は、特許法第29条の2第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2項に該当し取り消されるべきものである。 また、異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明3についての特許を取り消すことはできず、他に本件発明3についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-03-25 |
出願番号 | 特願平5-162417 |
審決分類 |
P
1
651・
161-
ZC
(E04H)
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最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 山田 忠夫 |
特許庁審判長 |
田中 弘満 |
特許庁審判官 |
山口 由木 藤原 伸二 |
登録日 | 2002-02-01 |
登録番号 | 特許第3273668号(P3273668) |
権利者 | 株式会社東芝 東芝エンジニアリング株式会社 |
発明の名称 | 原子炉格納容器の構築方法 |
代理人 | 久門 知 |
代理人 | 久門 享 |