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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04F
管理番号 1079623
異議申立番号 異議2001-70222  
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-03-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-01-19 
確定日 2003-05-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3068380号「化粧床材」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3068380号の請求項1及び2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第3068380号の請求項1及び2に係る発明についての出願は、平成5年9月2日に特許出願され、平成12年5月19日にその発明についての特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、異議申立人段谷産業株式会社により特許異議の申立てがなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成13年6月22日に意見書とともに訂正請求がなされた後、再度取消しの理由が通知され、意見書が提出され、再々度取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年3月24日に意見書とともに訂正請求がなされたたものである。

第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
平成13年6月22日及び平成15年3月24日付け訂正請求で特許権者が求めている訂正の内容は以下の(1)〜(5)のとおりである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の【請求項1】を次のとおりに訂正する。
「台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、
前記台板が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、
前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、
前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、
前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、
前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを特徴とする化粧床材。」
(2)訂正事項b
明細書の段落【0012】を次のとおりに訂正する。
「【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、この発明は、台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、前記表面材が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを要旨とするものである。」
(3)訂正事項c
明細書の段落【0016】を次のとおりに訂正する。
「更に本発明においては、台板として3プライ以上の合板を使用し、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板の繊維方向を床材幅方向に向けて配置しているため、台板の幅方向の伸びが抑制されるので、表面材に収縮が発生しても、幅方向において有害な谷反りが発生するのを有効に防止することができる。」
(4)訂正事項d
明細書の段落【0023】を次のとおりに訂正する。
「なお、本実施例において、表面材(1)の上面には、木質感を付与するために化粧溝(1a)が形成されている。この化粧溝(1a)は、床材幅方向および長さ方向等、いずれの方向に形成されていてもよく、また溝形状もV字型、U字型等、どのようなものであってもよい。」
(5)訂正事項e
明細書の段落【0026】を次のとおりに訂正する。
「中間層(2)は、弾性材料によって構成する必要があり、具体的には、ゴムや、合成樹脂の発泡シートによって形成される。なお、中間層(2)を形成する場合には、後に述べるように防湿性を付与できるように、独立発泡タイプのものを使用するのが良い。」

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正請求に係る訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項b、d、eは、特許請求の範囲の訂正事項aに対応させたもので、明りょうでない記載の釈明を目的とし、訂正事項cは、誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当する。
そして、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、同条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議申立について
1.申立の理由の概要
特許異議申立人段谷産業株式会社は、特許第3068380号の請求項1及び請求項2(全請求項)に係る発明は、甲第1号証から甲第3号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項に規定する発明に該当し、その特許は特許法第113条第2項に該当するので取り消されるべきものである旨主張している。

2.本件発明
上記「第2」に記載したように、平成13年6月22日及び平成15年3月24日付けの訂正が認められるから、本件特許第3068380号の請求項1及び請求項2(全請求項)に係る発明は、上記訂正請求書により訂正された特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された次のとおりのものである。
【請求項1】 台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、
前記台板が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、
前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、
前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、
前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、
前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを特徴とする化粧床材。
【請求項2】 前記中間層が、防湿材料によって構成されてなる請求項1記載の化粧床材。
(以下、請求項1及び2に係る発明を本件発明1及び2という。)

3.引用刊行物
刊行物1:特開昭63-107649号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平5-171789号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開平5-147002号公報(甲第3号証)

4.刊行物に記載された発明
(1)刊行物1には、以下の記載がある。
「木質化粧板の裏面にシート状物を積層一体化すると共にシート状物の裏面に基板を積層一体化し、基板に切溝を設け、この基板の裏面に弾性体を積層一体化して成ることを特徴とする床材。」(特許請求の範囲の請求項1)
「木質化粧板1は例えば合板1aの上に木質化粧単板1bを積層したものである。木質化粧板1には第3図のように化粧単板1bにみに床材6の長手方向乃至幅方向に表面側溝7を設け」(公報2頁左上欄8〜12行)
「シート状物2としては例えばゴムシート、合成樹脂シート、合成樹脂発泡シート、・・・が考えられる。」(公報2頁左上欄18行〜右上欄2行)
「また基板3としては例えば合板が用いられる。そしてこの基板3の裏面に切溝4が施してあるが、この切溝4は、基板3の裏面側から上方に向けて切り込んであり、シーと状物2に至るまで切り込んだり、・・・あるいは第7図(c)に示すように床材6の長手方向及び巾方向にそれぞれ1乃至複数個設けてもよく、」(公報2頁右上欄5〜18行)
「また、切溝4としては溝巾及び溝深さは任意でよいが、特に下記の条件の場合にその防振性が顕著に発揮される。・・・溝巾……0.5mm〜5mmの時(ただし、2.5mm以上になれば床材そのものを持った時、重さで折れやすくなるため、実用的には0.5mm〜2.5mmの範囲が最適と思われる。)」(公報2頁左下欄2〜12行)
「また基板に切溝を入れたので、防振効果のみでなく、床材そのものの反りをおさえることができ、床面(例えばコンクリート面)へのなじみ性もよくなるものである。」(公報3頁左上欄13〜16行)
これら記載を含む刊行物1全体の記載、及び、合成樹脂発泡シートは弾性材であることを考慮すると、刊行物1には次のような発明が記載されているものと認められる。
基板3上にシート状物2を介して、木質化粧板1が設けられた床材であって、
前記基板が、合板1aからなり、
前記木質化粧板が合板とその上面に設けられた木質化粧単板1bとで構成され、
前記シート状物が、合成樹脂発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記基板の下面に床材の長手方向及び巾方向に伸びた縦横の切溝4が、その深さを前記シート状物に達する深さとし、かつ溝幅を0.5mm〜5mmとして、複数条設けられ、
木質化粧板の上面には、床材長さ方向に表面側溝7が形成されてなる床材。

5.対比・判断
(1)本件発明1について
本件発明1と刊行物1記載の発明を対比すると、刊行物1記載の発明の「基板3」、「シート状物2」、「木質化粧板1」、「合板1a」、「木質化粧単板1b」、「床材」、「切溝4」、及び「表面側溝7」は、それぞれ、本件発明1の「台板」、「中間層」、「表面材」、「表面基材」、「化粧材」、「化粧床材」、「裏溝」、及び「化粧溝」に相当するから、両者は、
「台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、
前記台板が、合板からなり、
前記表面材が表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、
前記中間層が、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅の上限を5mmとして、複数条設けられ、
前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成されてなる化粧床材。」
の点で一致するが、先ず次の点で相違する。

相違点:裏溝と化粧溝に関し、本件発明1は、裏溝のうち長さ方向の裏溝は、化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなるのに対し、刊行物1記載の発明は、裏溝と化粧溝の位置関係がずれていない点。
上記相違点について検討すると、刊行物2、刊行物3いずれにも、上記構成は記載も示唆もない。
そして、本件発明1は、上記構成が他の構成と相まって明細書記載の作用効果を奏するものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、上記各刊行物記載の発明から、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1を限定したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、上記各刊行物に記載された発明から、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

6.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては、本件発明1及び2についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1及びについての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
化粧床材
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、
前記台板が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、
前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、
前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、
前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、
前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを特徴とする化粧床材。
【請求項2】 前記中間層が、防湿材料によって構成されてなる請求項1記載の化粧床材。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
この発明は、床仕上げに使用される化粧床材に関する。
【従来の技術】
従来、合板上に化粧単板等が貼着された複合床材は、接着剤を用いて床下地に貼着するとともに、床材側辺部に形成された雄ざね部に釘を打ち込んで床下地に固定する、いわゆる糊釘併用法によって敷設施工されるのが通例である。糊釘併用法の釘打ち作業は、ひとつの床材に対し多数の釘を1本ずつ慎重に打ち込んでゆかねばならず非常に繁雑であるため、その作業を省略することが望まれるが、床材自身に反りや、床下地に不陸等の凹凸部が存在するため、釘打ち固定を省略すると、床材が部分的に床下地から浮き上がったり、隣り合う床材間に段差等が生じてしまい、床仕上げを良好に行うことができなくなってしまう。
そこで、床材自身に適度な柔軟性を付与できれば、反りや不陸が存在していようとも、釘打ち固定を行わずに床材を床下地に馴染ませることができ、接着剤のみによる敷設施工を行えるとともに、コンクリート下地へも直接施工することができる。
このため、従来においては、床材下面側に複数の裏溝を形成することによって、柔軟性を付与した床材が種々提案されている。
例えば、特開昭50-63728号公報および実開昭59-94538号公報に開示された床材は、合板製台板の上面に化粧単板が貼着されるとともに、台板下面から台板中間位置ぐらいまでの深さの浅溝を形成したものであり、また実開昭63-169645号公報に開示された床材は、合板製台板の下面側に、台板の最上層の単板の下面まで達するような深溝を形成したものである。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の床材のように、裏溝の深さが浅いものでは、充分な柔軟性が得られず、釘打ち固定せずに床下地に馴染ませることはできず、実用化に至っていないのが現状である。
また、後者の深溝タイプの床材は、裏溝形成部において、台板合板の最上層の単板と、その上面に貼着された化粧単板との2層だけが存在するものであるため、その部分の強度が低く、不用意に取扱うと、裏溝形成部で折れ曲がってしまったり、裏溝形成部に大きい荷重が加わると、破損する恐れもある。さらに、このタイプの床材を、不陸のある床下地に無理に施工していくと、裏溝形成部で折れ曲がってしまい、その部分の床材表面に折れ線が表出して、美観を損なうこともある。
また、台板を構成する合板は、均質性に劣るため、床材施工後に、温度、湿度の変化に伴う吸放湿によって、台板合板の最上層の単板に裏割れが発生し、その割れが次第に大きくなって、化粧単板にヒワレが生じることがある。なお、ヒワレを防止するために化粧単板と台板合板との間に、和紙、不織布等の緩衝材を介在させることもあるが、そうすると緩衝材層において層間剥離が発生する等、新たな問題が生じる恐れがある。
さらに、合板は表面層が軟質であるため、床材表面部の耐傷性に劣るものでもあった。例えば、床材表面にハンマーや灰皿等を落としてしまうだけで、簡単に傷が付いたり、また店舗やオフィスの床仕上げに使用した場合には、靴のかかと部分が陥没するヒールマーク傷や、椅子のキャスターを介して加わる荷重により、合板に座屈が生じて、それに伴い化粧単板が剥離してしまうこともあった。
一方、特開昭63-55259号公報に裏溝が形成された床材が開示されている。この床材は、台板合板上に、ゴムシートを介して、合板および化粧単板からなる表面材が貼着されるとともに、台板合板の下面側に複数の裏溝を形成したものであり、裏溝およびゴムシートによって防音効果を高めているものである。しかしながら、この床材は、表面部において、台板合板に化粧単板を直接貼着するものであるため、傷付きやすく耐傷性に劣る等、上記床材と同様な問題を有している。
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、適度な強度および充分な柔軟性を備えることにより、不用意な折れ曲がりを防止できるとともに、釘打ち固定を行わずとも床下地に馴染ませることができ、接着剤のみによる敷設施工が可能となり、しかも耐傷性に優れるとともに、ヒワレの発生も有効に防止でき、表面仕上げも良好に行えて好ましい美観が得られる化粧床材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、前記台板が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを要旨とするものである。
本発明においては、前記中間層を、防湿材料によって構成するのが良い。
【作用】
この発明は、台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成されるとともに、中間層が弾性材により構成され、さらに台板に、特定構成の裏溝が特定の配置で複数条設けられてなるため、不用意な折れ曲がり等を防止できる程度の強度、および釘打ち固定を行わずとも床下地に馴染ませ得る程度の柔軟性を備えるものである。
しかも、表面基材を構成するMDFは、表面平滑性および均質性に優れるとともに、硬質な表面層を有するものであるため、化粧材貼着時等における表面の仕上がり具合を良好に行えるとともに、化粧材にヒワレが発生するのを防止でき、その上、充分な耐傷性が得られる。
更に本発明においては、台板として3プライ以上の合板を使用し、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板の繊維方向を床材幅方向に向けて配置しているため、台板の幅方向の伸びが抑制されるので、表面材に収縮が発生しても、幅方向において有害な谷反りが発生するのを有効に防止することができる。
また本発明において、中間層を防湿材料によって構成する場合には、裏溝に沿って吸い上げられた水分が、表面材まで浸透するのを防止でき、反り、化粧材の汚染、層間剥離の発生等、吸湿により悪影響が及ぶのを防止できるという利点がある。
【実施例】
図1はこの発明の一実施例である化粧床材を下面側から見た場合の斜視図、図2はその床材の要部を示す一部切欠斜視図、図3(a)は図1のIIIa-IIIa線断面図、図3(b)は図1のIIIb-IIIb線断面図である。なお、これらの図においては、発明の理解を容易にする目的で、厚さ方向の寸法を実際のものよりも大きく示している。
これらの図に示すように、この化粧床材は、表面材(1)が、中間層(2)を介して台板(3)の上面に貼着された床材構成板をもって構成されており、その床材構成板の周囲4辺のうち、隣り合う2辺に雄ざね部(4)が形成されるとともに、他の2辺に前記雄ざね部(4)に対応する雌ざね部(5)が形成され、さらに台板(3)に複数の裏溝(6)が形成されてなるものである。
この床材において、表面材(1)は、表面基材(11)と、その上面に貼着された化粧材(12)とで構成されている。
このうち、表面基材(11)としては、中質繊維板(MDF)を使用する必要があり、厚さが2.0mm〜12.0mmのものを好適に使用することができる。厚さが2.0mmに満たないものでは、床材表面の仕上がり具合や、耐傷性等が悪化し、好ましくない。また、12.0mmを越えると、充分な柔軟性が得られず、床下地へ馴染みにくくなり接着剤のみによる敷設施工が困難となり、さらに材料コストも上昇するので、好ましくない。
化粧材(12)としては、木質化粧単板、木目柄および抽象柄等が印刷された模様印刷紙、樹脂シート等の周知のものを使用することができるとともに、表面基材(11)の上面に公知の塗装処理を施し、その塗装層によって化粧材(12)を形成することも可能である。
なお、本実施例において、表面材(1)の上面には、木質感を付与するために化粧溝(1a)が形成されている。この化粧溝(1a)は、床材幅方向および長さ方向等、いずれの方向に形成されていてもよく、また溝形状もV字型、U字型等、どのようなものであってもよい。
また、表面基材(11)の下面側には、吸放湿による伸縮を低減させるために、裏溝を形成してもよく、さらに表面基材(11)の下面には、化粧材(12)とのバランスを図るために、あるいは強度向上のために、木質単板、不織布、紙、樹脂シート、およびそれらの複合シート等からなるシート材を貼着してもよい。
なお、表面材(1)は、必ずしも、一枚板状のものを使用する必要はなく、例えば複数の表面材構成片を隣接配置させることにより、表面材(1)を形成するようにしても良い。
中間層(2)は、弾性材料によって構成する必要があり、具体的には、ゴムや、合成樹脂の発泡シートによって形成される。なお、中間層(2)を形成する場合には、後に述べるように防湿性を付与できるように、独立発泡タイプのものを使用するのが良い。
中間層(2)は、厚さが0.3mm〜5.0mmとなるように形成するのが良く、さらに好適には0.5mm〜2.0mmに形成するのが良い。厚さが0.3mm未満のものでは、充分な柔軟性が得られず、接着剤のみによる敷設施工が困難になり、さらに床材が裏溝形成部に沿って折れ曲がり床材表面に折れ線が表出する恐れがある。また、厚さが5.0mmを越えると、床材製品が柔らかくなり過ぎて、床上を歩行する際に沈み量が多くなり、良好な歩行感を得られないばかりか、コストの上昇を来し、好ましくない。
また、中間層(2)を、不透水材料等の防湿材により構成しておくと、床材製品において、後に詳述する裏溝(6)に沿って吸い上げられた床下地の水分が、表面基材(11)まで浸透するのを防止でき、反り、化粧材の汚染、層間剥離の発生等、吸湿により悪影響が及ぶのを防止することができる。特に、コンクリート製の床下地の場合には、床下地に付着する水分がアルカリ性を有しているため、表面基材(11)を構成するMDFのアルカリ汚染が問題となるが、この問題を確実に解消することができる。
なお、中間層(2)を形成するのに吸湿性の材料を使用する場合でも、その材料に防湿シート等を貼着したり、防湿塗料を塗布する等、防湿処理を施しておこば、上記の効果は得られる。
台板(3)としては、合板製のものを用いる必要がある。この合板としては、ラワン合板、針葉樹合板等からなるものを好適に使用することができ、さらにラワンと同様に熱帯産広葉樹であるが、材質が硬過ぎてあるいは柔らか過ぎてロータリー切削が困難であり、粗悪な表面で、反り、波打ち等を有する単板からなり、通常合板用として使用されない樹種(Other Timber)からなる合板も使用することができる。なお、ラワン合板においては、高品位のものに限られず、低品位のもの、すなわち反り、ねじれ、波打ちがあったり、表面品質が粗悪で、通常床材用の台材としては使用されない合板からなるものも使用することができる。
更に台板用の合板は、偶数プライ合板を含む3プライ以上のものであって、合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板の繊維方向を床材幅方向に向けて配する必要がある。この構成によって、台板(3)の床材幅方向の伸びが抑制されるので、表面材(1)に収縮が発生しても、幅方向において有害な谷反りが発生することはなく、床材施工を支障なく行える。
台板(3)の厚さは、5mm以上に設定するのがよく、6mm〜12mmのものは好適に使用することができる。さらに台板内部に、必要に応じて補強材を配置して、強度を高めるようにしてもよい。
また、台板(3)は、長さ方向あるいは幅方向に継ぎ合わされていても良い。その継ぎ合わせ方法は、特に限定されるものではなく、例えばバットジョイント方式、スカーフジョイント方式、相じゃくり接合方式、フィンガージョイント方式、本実接合方式、相じゃくり実はぎ接合方式のほか、接合部断面をV字形に形成したV字ジョイント方式等の接合方法を好適に使用することができる。
そして、この台板(3)の上面に、上記の中間層(2)を構成するシート状物が貼着されるとともに、そのシート状物上面に上記表面材(1)が貼着されて、床材構成板が形成される。なお、台板(3)の上面に、表面材(1)を発泡接着剤を用いて貼り付け、その発泡接着剤の層をもって、中間層(2)を構成するようにしてもよい。
上記床材構成板の周囲には、本実、相じゃくり実はぎ、やとい実、相欠き等の接合用加工が施されて、雄ざね部(4)および雌ざね部(5)等の床材接合部が形成される。なお、さね部(4)(5)は、台板(3)の周囲部に形成されるのが通例であるが、図4(a)の平面図および同図(b)の側断面図に示すように、表面材(1)および中間層(2)からなる床材上層板(20)と、台板(3)とを、床材幅方向および長さ方向に少しずらせるように貼着する、いわゆるずらし張りを行う場合には、表面材(1)の周囲部に床材接合部(4a)(5a)が形成されることとなる。
図1ないし図3に戻って、床材構成板の下面側には、複数の裏溝(6)が形成されている。
裏溝(6)の深さは、少なくとも中間層(2)の下面ないしは中間層内部に達するように設定する必要がある。裏溝(6)の深さが中間層(2)の下面まで達していないと、充分な柔軟性が得られず、好ましくない。また、溝深さが中間層(2)よりも深くなり表面材(1)まで達してしまうと、床材製品における裏溝形成部での強度を充分に確保することができず、その部分で折れ曲がったり、破損したりする恐れがあり、さらに折れ曲がり部の床材表面に折れ線が表出して、美観を損なうことがあり、しかも、裏溝(6)に沿って吸い上げられる水分が表面基材(1)まで達し、吸水、吸湿による悪影響が生じる恐れがあり、好ましくない。
また、裏溝(6)は、床材幅方向及び長さ方向と平行となるように縦横に形成する必要がある。このうち、床材幅方向に平行な裏溝(6)によって、床材製品に長さ方向における反りを軽減し、柔軟性を付与することができるとともに、長さ方向に平行な裏溝(6)によって、幅方向における反りを軽減し、柔軟性を付与することができるので、床材面方向すべてにおいて柔軟性を付与することができ、一層良好な床下地への馴染み性を付与することができる。
また、裏溝(6)のうち、前記化粧溝(1a)と同一方向の裏溝(6)、本実施例においては長さ方向の裏溝(6)は、化粧溝(1a)に対し幅方向に位置をずらして形成するのが良い。これらの溝(1a)(6)が重なり合うと、その部分の板厚が薄くなって、適度な強度を得ることができなくなる。なお、裏溝(6)が化粧溝(1a)と交差する程度であれば、強度低下を来すようなことはないので、化粧溝(1a)に直交する幅方向の裏溝(6)は支障なく形成することができる。
裏溝(6)の幅は、1.0mm〜5.0mmに設定する必要があり、好適には1.5mm〜3.0mmに設定するのが良い。溝幅が1.0mmに満たないと、充分な柔軟性が得られず、また5.0mmを越えると、充分な強度が得られなくなり、それぞれ好ましいものではない。
さらに、裏溝(6)が所定間隔ごとに形成されており、隣り合う裏溝(6)同士の間隔は、10mm〜150mmに設定する必要があり、好適には20mm〜80mmに設定するのがよい。裏溝間隔が10mmに満たないものでは、充分な強度が得られず、150mmを越えると、充分な柔軟性が得られなくなり、それぞれ好ましくない。
この裏溝間隔は、上記の溝幅や中間層(2)の弾性度合等を考慮して適宜設定するようにすればよいが、一例として、裏溝間隔を中間層(2)の厚さの100倍以下に設定すれば、床材製品に良好な強度および柔軟性を付与することができる。
裏溝(6)の形成方法としては、上記台板(3)、中間層(2)および表面材(1)を積層一体化した後、その積層板の台板(3)に、溝付け加工を施して裏溝(6)を形成するほか、複数の台板構成片を、中間層(2)の下面側に間隔をおいて取り付けていき、その間隔部によって裏溝(6)を形成するような方法があるが、もとより裏溝(6)の形成方法は限定されるものではない。
以上の構成の化粧床材における施工は、床材を接着剤を用いて床下地上に貼着することによって行われる。また、2枚目以降の施工は、すでに床下地に貼着された床材のさね部に、次に施工する床材のさね部を雄雌嵌合するとともに、上記と同様に床下地に接着固定することとなる。なお、床材を施工していく場合、さね部(4)(5)にも接着剤を塗布しておいて、隣り合う床材同士を接着固定するようにしても良い。
この化粧床材によれば、表面材(1)が、MDFからなる表面基材(11)とその上面に貼着された化粧材(12)とで構成されるとともに、中間層(2)が弾性材により構成され、さらに台板(3)に、深さが中間層(2)まで達する裏溝(6)が、所定間隔ごとに複数条形成されてなるため、適度な強度および良好な柔軟性を得ることができる。このため、裏溝形成部において不用意な折れ曲がりや破損を防止できるとともに、床下地に不陸等の凹凸部が存在していたり、床材自身に反りが形成されていようとも、床下地に馴染ませることができ、接着剤のみで確実に敷設施工を行える。さらにこのように接着剤のみで施工が行えるので、雄ざね部(4)、すなわち台板(3)として、材料選択の自由度が増す。
また、裏溝(6)を形成することによって、反りを軽減させることが可能で、さらに床材施工を行った後においても、吸水吸湿によって合板内に吸収される水分が裏溝(6)内に吸収されるので、膨潤による化粧床材の反り、変形等の悪影響も軽減する。
しかも、MDFからなる表面基材(11)と合板からなる台板(3)との間に弾性中間層(2)が存在することにより、表面基材(11)および台板(3)が伸縮率の違いにより異なる割合で伸縮したとしても、弾性中間層(2)が両者の緩衝材として作用し、床材自身に有害な反りが発生するのを有効に防止できる。さらに、施工後の歩行感も良好なものとなる。
また、表面基材(11)を構成するMDFは、表面平滑性および均質性に優れ、硬質な表面層を有するものであるため、化粧材貼着時等における表面の仕上がり具合を良好に行えて、美観上好ましくなるとともに、割れの発生を防止でき、化粧材(12)にヒワレが発生するのを防止できる。さらに、充分な耐傷性が得られ床材表面が傷付きにくくなり、例えばヒールマーク傷が形成されるのも防止できる。
また、本実施例の床材は、弾性中間層(2)および裏溝(6)が存在することにより、良好な防音効果を得ることができ、その上さらに、良好な断熱効果も得られるので、床暖房用床材としても使用することができる。
<実験例>
厚さ2.7mmのMDFからなる表面基材上に厚さ0.3mmの化粧単板からなる化粧材を貼着した表面材を準備し、その表面材を、等厚3プライの針葉樹合板からなる9.0mm厚の台板の上面に、厚さ0.8mmのポリエチレン発泡体(20倍)により構成された中間層を介して貼着して床材構成板を形成した。
その床材構成板の上面側に、幅2.5mm深さ1.5mmで、床材長さ方向に沿って延びるV字形化粧溝を、所定の間隔で形成し、さらに複合材の下面側に、溝幅2.0mmで、床材長さ方向に延びる裏溝を、75mmの間隔で複数条形成するとともに、溝幅2.0mmで、床材幅方向に延びる裏溝を、60mmの間隔で複数条形成することにより、化粧床材を作製した。
<比較例>
等厚5プライのラワン合板からなる12.0mm厚の合板の上面に、厚さ0.3mmの化粧単板を貼着したものに、上記実験例と同様に化粧溝を形成して、化粧床材を作製した。
上記実験例の床材および比較例の床材に対し、それぞれ下記に示す耐水試験(A)、衝撃試験(B)、キャスター試験(C)およびヒールマーク試験(D)を行った。
耐水試験(A)においては、各床材に対し、80℃の温水に1時間浸漬してから60℃で2時間乾燥させる処理を2回繰り返して行って、床材表面に発生するヒワレの個数をそれぞれ測定した。
衝撃試験(B)においては、デュポン式衝撃試験機にて、先端が1/2インチの半球に形成された重さ300gの撃型を、30cmの高さから、各床材の表面に落下させ、その落下により形成された凹部の深さをそれぞれ測定した。
キャスター試験(C)においては、直径50mmの回転型金属製キャスターを25kgの荷重を加えながら、各床材の化粧単板の繊維方向と直交する方向に沿って、200mmの距離を往復移動させ、その移動によって形成された凹部の深さをそれぞれ測定するとともに、化粧単板の表面における剥離の有無をそれぞれ観察した。
ヒールマーク試験(D)においては、各床材の表面に、断面1cm2の鉄錨を介して70kgの荷重を3分間加え、それにより形成される凹部の深さをそれぞれ測定した。
上記の測定結果および観察結果を、下表1に示す。
【表1】
上表から判るように、本発明に関連した実験例の床材は、耐水試験(A)によるヒワレの発生もなく、試験(B)〜(D)による凹みの深さも比較的浅いものであり、さらにキャスター試験(C)による表面剥離の発生もない。したがって、耐傷性等が優れていることが判る。
これに対し、参考例の床材は、試験(A)によるヒワレの発生が多く認められ、試験(B)〜(D)による凹みの深さも深いものであり、さらにキャスター試験(C)による剥離も発生しており、耐傷性等に劣っていることが判る。
【発明の効果】
この発明は、台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成されるとともに、中間層が弾性材により構成され、さらに台板に、特定構成の複数本の裏溝が特定配置で形成されてなるため、適度な強度および充分な柔軟性を得ることができる。このため、不用意な折れ曲がり等を防止でき、裏溝形成部が床材表面に表出することはなく、さらに釘打ち固定を行わなずとも床下地に馴染ませることができ、接着剤のみによる敷設施工が可能となる。
しかも、表面基材を構成するMDFは、表面平滑性および均質性に優れるとともに、硬質な表面層を有するものであるため、化粧材貼着時等における表面の仕上がり具合を良好に行えるとともに、化粧材にヒワレが発生するのを防止でき、その上、充分な耐傷性が得られ床材表面が傷付きにくく、例えばヒールマーク傷やキャスター傷が形成されるのを防止できる。
さらに本発明においては、台板として3プライ以上の合板を使用し、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板の繊維方向を床材幅方向に向けて配置しているため、台板の幅方向の伸びが抑制されるので、表面材に収縮が発生しても、幅方向において有害な谷反りが発生することなく、床材施工を支障なく行える。
また、本発明において、中間層を防湿材料によって構成する場合には、裏溝に沿って吸い上げられた水分が、表面材まで浸透するのを防止でき、反り、化粧材の汚染、層間剥離の発生等、吸湿により悪影響が及ぶのを防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の一実施例である化粧床材を下面側から見た場合の斜視図である。
【図2】
実施例の化粧床材の要部を示す一部切欠斜視図である。
【図3】
実施例の床材の断面図である。
【図4】
この発明の変形例である床材構成板を示す図である。
【符号の説明】
1…表面材
2…中間層
3…台板
6…裏溝
11…表面基材
12…化粧材
 
訂正の要旨 ▲1▼ 訂正事項a
特許第3068380号における平成13年6月22日付け訂正請求書により訂正された明細書(以下「基準明細書」と称す)における「特許請求の範囲の請求項1」の項を、特許請求の範囲の減縮を目的として、下記のとおりに訂正する。
「台板上に中間層を介して表面材が設けられた化粧床材であって、
前記台板が、3プライ以上の合板からなり、その合板を構成する積層単板のうち、プライ数の半分以上の単板が繊維方向を床材幅方向に向けて配されたものとなされると共に、
前記表面材が、中質繊維板からなる表面基材とその上面に設けられた化粧材とで構成され、
前記中間層が、ゴムや、合成樹脂の発泡シートからなる弾性材により構成され、
前記台板の下面に、床材の長さ方向及び幅方向と並行に延びた縦横の裏溝が、その深さを前記中間層まで達する深さとし、かつ溝幅を1〜5mmとして、10〜150mm間隔で複数条設けられ、
前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、
前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを特徴とする化粧床材。」
なお、下線部分が訂正により変更される事項である(以下の訂正事項b〜dにおいても同じ)。
▲2▼ 訂正事項b
基準明細書における第3頁第26行に「設けられてなること要旨とする」とあるのを、特許請求の範囲の記載との整合性を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的として、「設けられ、前記表面材の上面には、床材長さ方向に化粧溝が形成され、前記裏溝のうち長さ方向の裏溝は、前記化粧溝に対し幅方向に位置をずらして形成されてなることを要旨とする」と訂正する。
▲3▼ 訂正事項c
基準明細書における第4頁第12行目に、「配置ししている」とあるのを、誤記の訂正を目的として、「配置している」と訂正する。
▲4▼ 訂正事項d
基準明細書における第5頁第16〜17行目に、「もっとも、本発明においては、化粧溝(1a)は必ずしも必要なものではない。」とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として、削除する。
異議決定日 2003-04-15 
出願番号 特願平5-218618
審決分類 P 1 651・ 121- YA (E04F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 山田 忠夫
長島 和子
登録日 2000-05-19 
登録番号 特許第3068380号(P3068380)
権利者 朝日ウッドテック株式会社
発明の名称 化粧床材  
代理人 黒瀬 靖久  
代理人 黒瀬 靖久  
代理人 清水 久義  
代理人 ▲高▼田 健市  
代理人 高田 健市  
代理人 清水 義仁  
代理人 清水 義仁  
代理人 清水 久義  

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