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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) A61M
管理番号 1080492
審判番号 無効2002-35291  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1987-06-23 
種別 無効の審決 
審判請求日 2002-07-10 
確定日 2003-05-07 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第1870119号発明「積層した注射器用栓」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第1870119号の特許請求の範囲第1項及び第2項に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1. 手続きの経緯
本件特許第1870119号の特許請求の範囲第1項及び第2項に記載された発明についての出願は、昭和60年12月16日に出願され、平成5年9月3日に出願公告がなされ、平成6年9月6日にその発明について特許権の設定登録がされたものである。
これに対して、平成14年7月10日に、オーツタイヤ株式会社より、本件特許請求の範囲第1項及び第2項に係る特許を無効とすることについて審判の請求がなされ、被請求人からは、答弁書の提出期間内に、願書に添付した明細書の訂正が請求された。

2. 訂正の可否についての判断
(1) 訂正事項
被請求人が求める訂正の要旨は以下のものである。(なお、訂正請求書の(3)訂正事項a.の欄に記載された訂正後の特許請求の範囲第1項には、[請求項1]なる番号及びA.〜D.の符号が、同第2項には、[請求項2]なる番号及びA.〜E.の符号が付されているが、訂正請求書に添附された訂正明細書の特許請求の範囲には、かかる番号及び符号は記載されておらず、上記訂正請求書の記載は誤記と認められる。また、同訂正事項e.の欄に、「優れている、ために」及び「優れているために」とあるのは、「優ている、ために」及び「優ているために」の誤記と認められる。)

a.特許請求の範囲第1項に、
「ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフィルムで積層した注射器用栓。」とあるのを、
「ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフィルムで積層した注射器用滑栓又は中栓。」と訂正する。
b.特許請求の範囲第2項に、
「ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体がこれと共重合可能な含フッ素ビニールモノマーを第3成分として1〜20モル%の量で含むテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフィルムで積層した注射器用栓。」とあるのを、
「ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体がこれと共重合可能な含フッ素ビニールモノマーを第3成分として1〜20モル%の量で含むテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフィルムで積層した注射器用滑栓又は中栓。」と訂正する。
c.願書に添付した明細書第2頁第1行(特公平5-60952号公報第1欄第16行)に「注射器用栓、並びに、例えば」と、同第2行(同欄第17行)に「の栓、」と、また、同第22頁第5行(同第12欄第41行)に「栓、」とあるのを削除する。
d.願書に添付した明細書第5頁第2行(同公報第3欄第22行)に「注射器用栓」とあるのを、「注射器用滑栓又は中栓」と訂正する。
e.願書に添付した明細書第2頁第8行(同公報第1欄第23行)に「ポリカードネート」とあるのを「ポリカーボネート」と、同第21頁第3行(同第11欄第33〜34行)に「デイスポーザプル」とあるのを「デイスポーザブル」と、同第22頁第4〜5行(同第12欄第40〜41行)に「優ている、ために」とあるのを「優ているために」と訂正する。(なお、同公報第1欄第23行には、「ポリカーボネート」と印刷されている。)

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項a及びbは、栓の種類を「滑栓又は中栓」に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものである。そして、願書に添付した明細書第2頁第1〜5行(上記公報第1欄第16〜20行)には、「本発明は注射器用栓、並びに、例えば注射器の滑栓もしくは薬液容器兼注射器の栓、中栓および滑栓として…注射器に関する。」と記載されており、上記訂正事項a及びbは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
訂正事項c及びdは、上記訂正事項a及びbに伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるもので、明りょうでない記載の釈明を目的としたものであり、また、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
訂正事項eは、誤記であることが明らかな記載を正しくするものであり、誤記の訂正を目的としたものであり、また、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
そして、訂正事項a〜eは、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3) むすび
したがって、上記訂正は、平成6年法改正前の特許法第134条第2項だだし書及び特許法第134条第5項の規定により準用する平成6年法改正前の特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合する。

3. 本件発明
上記したように本件訂正は認められるから、本件特許請求の範囲第1項及び第2項に記載された発明は、訂正後の明細書の特許請求の範囲第1項及び第2項に記載されたとおりのもの(以下、「本件発明1及び2」という。)と認められる(上記2.(1)a.及びb.参照)。

4. 当事者の主張
(1) 請求人の主張
請求人は、証拠方法として、甲第1号証(特開昭60-251041号公報)及び甲第2号証(実公昭52-19435号公報)を提出し、本件発明は、本願出願前に頒布された甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、前記各発明に係る特許は特許法第123条第1項第2号の規定により、無効とされるべきものである、と主張している。

(2) 被請求人の主張
被請求人は、概略、次の理由から、本件発明1及び2は、本願出願前に頒布された甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないと主張している。
(本件発明1に関して)
(i)甲第1号証に記載されている樹脂フィルムはテトラフルオロエチレン、エチレン及びこれらと共重合可能な含フッ素ビニルモノマーを含む3元系共重合体からなるものであるのに対して、本件発明1における共重合体は共重合可能な含フッ素ビニルモノマーを含まない。また、甲第1号証には、本件発明1に係る「注射器用滑栓又は中栓」については記載されていない。
(ii)甲第2号証には、本件発明1の特定モル比率(45:55〜90:10)のテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体を用いることの記載はない。
(iii)甲第2号証は、注射器に用いられる可動塞栓を示しているが、該注射器を静注用として用いるためにゴムに含有される配合剤例えば硫黄、亜鉛華、加硫促進剤、及び不純物が保存時薬液中に滲出するのを防止することを目的としており(第2欄第1〜10行)、従来のテトラフルオロエチレン交互重合体のラミネート樹脂フィルムとしての改良に関し、化学的性質を損なうことなく成形加工性に優れ、ラミネートゴム栓製造時の不良率発生を抑制し、また柔軟性に優れ容器口とラミネートゴム栓の嵌合性の改良されたラミネートゴム栓を提供することを目的とした甲第1号証との目的の相違は明らかであるから、甲第1号証と甲第2号証を組合わせる動機付けは全く無い。
(本件発明2に関して)
(iv)請求人は、本件発明2は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである、と主張しているが、根拠が不明である。例えば、被請求人の、甲第1号証に記載された発明と甲第2号証に記載された発明は、目的を異にするものであるから両号証に記載された発明を組合せる動機付けがないという点について、請求人による主張ないしは立証がなされていない。
(本件発明1及び2の効果について)
(v)本件発明によれば、特に、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)フィルムで積層した滑栓及び中栓とすることにより、注射筒との密閉性、移動性等の相矛盾する性質を調和した点にあり、そして、「滑栓」としての特性は、注射筒内の移動性に顕著に現れ、シリコーン油がほとんどなくても注射筒内の移動性がよく、シリコーン油の微粒子が少なく又加熱滅菌等の処理をしても筒に粘着することがない上、更にゴム配合剤(架橋剤、架橋促進剤、加工助剤等)の薬液への溶出を防止し、又逆に薬液の栓への吸着を少なくできるという顕著な効果が奏される。

5. 甲号各証に記載された発明
(1) 甲第2号証には次のように記載されている。
(イ)「従来品の欠点を改良し、静注することのできる該注射器を作よ(注;「る」の誤記と認められる。)目的で種々検討を重ねた結果、四弗化エチレン樹脂等の弗素系樹脂薄膜をゴム隔膜および特定の型のゴム可動塞栓の内側すなわち、薬液と接する面に存在させることにより、その目的を達成した。」(第2欄第11〜16行)
(ロ)「可動塞栓2は、…薬液との接触面に四弗化エチレン樹脂などの弗素系樹脂の薄膜21が積層されている。」(第2欄第37行〜第3欄第2行)
(ハ)「可動塞栓の後部には、針カバー全部の螺杆8が嵌合する孔22が設けられ、使用時針カバー6が注射器の押し棒として、使えるようになっている。」(第3欄第16〜19行)
(ニ)「隔膜に積層される薄膜の厚みは、ゴムの種類、品質等により多少異なるが、一般には0.05〜0.20mm程度であることが望ましい。」(第4欄第8〜11行)
(ホ)「本考案によれば、ゴム製可動塞栓…に弗素系樹脂の薄膜が積層され、ゴムに含有される配合剤等の薬液への滲出が防止されるので、従来のごとくゴム材質に、特に注意を払う必要がない。」(第4欄第12〜15行)
上記記載(イ)乃至(ホ)並びに第1及び第2図の記載を総合すると、上記甲第2号証には次の発明(以下、「甲第2号証発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ゴムからなる栓を、四弗化エチレン樹脂などの弗素系樹脂からなり、厚さ0.05〜0.20mmの薄膜で積層した注射器用可動塞栓。」

(2) 甲第1号証には、次のように記載されている。
(イ)「栓本体の少なくとも容器口挿入部に樹脂フィルムをラミネートしたゴム栓において、樹脂フィルムがテトラフルオロエチレン、エチレン及びこれらと共重合可能な含フッ素ビニルモノマーからなる共重合体であって、テトラフルオロエチレンとエチレンの含有モル比が62:38〜90:10であり、共重合可能な含フッ素ビニルモノマーの含有量がテトラフルオロエチレンおよびエチレンの合計モル数に対して0.1〜10モル%の組成範囲にある共重合体のフイルムであることを特徴とするラミネートゴム栓。」(第10頁左下欄特許請求の範囲第1項)
(ロ)「樹脂フィルムの厚さが0.002〜0.5mmである特許請求の範囲第1項記載のラミネートゴム栓。」(第10頁左下欄特許請求の範囲第2項)
(ハ)「本発明はラミネートゴム栓に関し、さらに詳しくは、栓本体の少なくとも容器口挿入部に、耐薬品性、気密性、非吸着性に優れ、柔軟性の改良された含ふっ素樹脂フィルムをラミネートすることにより嵌合性を改良したラミネートゴム栓に関する。」(第1頁右下欄第1〜6行)
(ニ)「シリコーン及びふっ素系化合物でのコーティングは、ゴム表面の粘着性を低くするものの、ゴムを完全に被覆することができず、医薬品用ゴム栓として見た場合、化学的性質、物理的性質、特に微粒子数の点で充分でない。
このような性質に関しては…ラミネートゴム栓が優れている。しかし、なお一層深くラミネート栓の検討を行なうと、従来のボリテトラフルオロエチレンのようなふっ素樹脂では成形加工性、機械的強度が劣り、ラミネートするには多くの工数を必要とし、又ゴムと樹脂との接着性が悪いという欠点を有する。」(第2頁右上欄第1〜12行)
(ホ)「化学的性質に優れた素材としてふっ素樹脂を選ぶことができる。しかし、物理的性質においては…従来のふっ素樹脂では柔軟性、成形加工性、接着性などを全て満足するものは得られていない。」(第2頁右下欄第9〜13行)
(ヘ)「従来のテトラフルオロエチレン-エチレン交互共重合体のラミネート樹脂フィルムとしての改良に関し、化学的性質を損なうことなく成形加工性にすぐれ、ラミネートゴム栓製造時の不良率発生を抑制し、また柔軟性に優れ容器口とラミネートゴム栓の嵌合性の改良されたラミネートゴム栓を提供することを目的とする。」(第2頁右下欄第20行〜第3頁左上欄第6行)
(ト)「特定のテトラフルオロエチレンとエチレンの組成範囲の共重合体であれば、柔軟性が改良され、共重合体フィルムをゴム栓にラミネートすれば容器口とラミネートゴム栓との嵌合性が改良され、そのシール性を飛躍的に改良することができ、さらにラミネートゴム栓の製造不良率を激減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。」(第3頁左上欄第7〜14行)
(チ)「本発明のラミネートゴム栓は共重合体樹脂フィルムが柔軟性に富んでいるため、ラミネートゴム栓と容器口との嵌合性にすぐれ、したがって、シール性に極めて優れた特性を有する。」(第8頁右上欄第16〜19行)
上記記載(イ)乃至(チ)の記載、及び、第1図乃至第4図の記載を総合すると、上記甲第1号証には次の発明(以下、「甲第1号証発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ゴムからなる栓を、モル比率が62:38〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体がこれと共重合可能な含フッ素ビニールモノマーを第3成分として0.1〜10モル%の量で含むテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフィルムで積層する」こと

6.対比、判断
本件発明2と甲第2号証発明とを対比すると、上記甲第2号証の記載(ハ)からして、後者における「可動塞栓」は、前者における「滑栓」と機能を同じくするものであり、また、後者における「薄膜」は、前者における「フィルム」に相当し、両者は、栓本体の材料、及び、フィルム(薄膜)の厚さにおいて数値範囲が重複しており、前者における「テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体」が、弗素系樹脂の範疇に属するものであることは当業者に周知のことであるから、両者は、
「ゴムからなる栓を、弗素系樹脂からなり、厚さ0.05〜0.20mmのフィルムで積層した注射器用滑栓。」である点で一致し、次の点で相違している。
A.弗素系樹脂として、前者においては、「モル比率が45:55〜90:10の範囲にああるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体がこれと共重合可能な含フッ素ビニールモノマーを第3成分として1〜20モル%の量で含むるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体」を用いているのに対し、後者においては、「四弗化エチレン樹脂など」を用いている点
そこで、この相違点Aについて検討する。
上記甲第1号証の記載(イ)からすると、ラミネートゴム栓(樹脂フィルムを積層したゴム栓)の樹脂フィルム形成材料として、「テトラフルオロエチレン、エチレンおよびこれらと共重合可能な含フッ素ビニルモノマーからなる共重合体であって、テトラフルオロエチレンとエチレンの含有モル比が62:38〜90:10であり、共重合可能な含フッ素ビニルモノマーの含有量がテトラフルオロエチレンおよびエチレンの合計モル数に対して0.1〜10モル%の組成範囲にある共重合体」(以下、「甲第1号証共重合体」という。)が、本件出願前公知であり、この甲第1号証共重合体は、本件発明2においてフィルムの成形材料として用いられるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(以下、「本件発明2共重合体」という。)と、テトラフルオロエチレンとエチレンの含有モル比及び含フッ素ビニルモノマーの含有量において数値範囲が重複しており、本件発明2共重合体とは組成を同じくするものということができる。
そして、上記甲第1号証の記載(チ)からすると、甲第1号証共重合体から得られる樹脂フィルムは柔軟性に富んでいるため、この樹脂フィルムを積層したラミネートゴム栓はシール性に極めて優れた特性を有することが理解できるから、弗素系樹脂をゴム栓に薄膜層として積層する点、薬液の滲出防止、すなわち、気密性(シール性)向上を技術的課題とする点で、甲第1号証発明とは共通の構造、課題を有する甲第2号証発明においても、甲第1号証共重合体から得られる樹脂フィルムをゴム滑栓に対する積層用のフィルムとして用いることは当業者ならば容易に想到し得ることというべきである。
被請求人は、本件発明2による効果として、注射筒との密閉性、移動性等の相矛盾する性質を調和できる点をあげているが、一般に、弗素系樹脂は滑り特性に優れていることが当業者に周知のことであるから、甲第1号証共重合体から得られる樹脂フィルムを甲第2号証発明における滑栓の積層用フィルムとして用いた場合において、注射筒との密閉性、移動性等の相矛盾する性質を調和できることは当業者ならば容易に予測しうるものである。また、フィルムが筒に粘着することがないという効果は、弗素系樹脂一般が有している性質から容易に予測しうるし、ゴム配合剤の薬液への溶出を防止しうる、又逆に薬液の栓への吸着を少なくできるという効果は、気密性(シール性)が向上することから、必然的に導かれるものであり、いずれも、格別のものとはいえない。
したがって、本件発明2は、甲第1号証発明及び甲第2号証発明に基いて当業者が容易に発明をすることができるものである。

次に、本件発明1と甲第2号証発明とを対比すると、両者は、
「ゴムからなる栓を、弗素系樹脂からなり、厚さ0.05〜0.20mmのフィルムで積層した注射器用滑栓。」である点で一致し、次の点で相違している。
B.弗素系樹脂として、前者においては、「モル比率が45:55〜90:10の範囲にああるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体」を用いているのに対し、後者においては、「四弗化エチレン樹脂など」を用いている点
そこで、この相違点Bについて検討する。
上記甲第1号証共重合体と上記「モル比率が45:55〜90:10の範囲にああるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体」(以下、「本件発明1共重合体」という。)とは、テトラフルオロエチレンとエチレンの含有モル比において数値範囲が重複し、かつ、共重合体の主成分の組成を同じくするものの、前者が、「共重合可能な含フッ素ビニルモノマー」を「テトラフルオロエチレンおよびエチレンの合計モル数に対して0.1〜10モル%」含有しているのに対し、後者は「共重合可能な含フッ素ビニルモノマー」を含有していない点で、本件発明1共重合体とは異なるものである。
ところで、本件訂正明細書には、かかる含フッ素ビニルモノマーを添加する技術的意味について、「樹脂の共重合を容易にするために第3成分として含フッ素ビニルモノマーを1〜20モル%含有させることができる。」(公報第3欄第25〜27行)と記載されており、含フッ素ビニルモノマーを添加しない本件発明1の場合にあっては、樹脂の共重合が困難になると理解されるものの、含フッ素ビニルポリマーを添加するものに比して、樹脂フィルムの性能上に格別の差異が生じているとは認めることができない。
一方、甲第1号証には、「共重合可能な含フッ素ビニルモノマー」を含有させる技術的意味について明記されていないが、「このような共重合体の製造に関しては特願昭59-104044号に詳しく述べられている」(第3頁左下欄第15〜16行)と記載され、製法に関して他の出願を引用しているので、特願昭59-104044号の出願公開公報である特開昭60-248710号公報(本願出願前頒布されたものである。以下、「引用公報」という。)を参照する。
当該公報には次のような記載が認められる。
(イ)「従来のETFE共重合体は交互共重合体として知られており、優れたカットスルー抵抗性、熔融加工性、耐薬品性、電気的性質等を有する。しかしながら、ETFE共重合体は、高い結晶性を有し、高温において脆くなるという欠点を有する。この欠点を改良するために種々の変性モノマーをETFE共重合体に共重合させることが提案されている。」(第1頁右下欄第13〜20行)
(ロ)「本発明で用いる変性モノマーは、テトラフルオロエチレンおよびエチレンと共重合可能で共重合体に側鎖を与える含フッ素モノマーであればよく、その種類は限定されない。」(第2頁右下欄第2〜5行)
(ハ)「変性モノマーの含有割合は、0.1〜10モル%の範囲である。これより少ないと変性効果が得られず、多くなると共重合体の熱安定性の低下が生じ、また経済的にも不利である。好ましくは0.5〜5モル%の割合で含まれる。」(第3頁左上欄第10〜13行)
これら(イ)乃至(ハ)の記載からすると、甲第1号証において含フッ素モノマーを添加する技術的意味は、テトラフルオロエチレンおよびエチレンからなる共重合体(ETFE)の、高温において脆くなる性質を改善するためであると理解できる。
そうであれば、甲第1号証発明は、従来のテトラフルオロエチレン-エチレン交互共重合体のラミネート樹脂フィルムの柔軟性を改良するため、特定のテトラフルオロエチレンとエチレンの組成範囲の共重合体とすることを主眼とするものであることが、上記甲第1号証の記載(ヘ)及び(ト)からして明らかであるから、甲第1号証発明において、含フッ素モノマーの添加がない場合には、高温において脆くなる性質の改善ができないことが想定されるものの、甲第1号証発明が、含フッ素モノマーの添加がない場合において、ラミネートゴム栓に適用し得ないとすることはできない。
したがって、本件発明1において、含フッ素モノマーの添加により、樹脂フィルムの性能が格別向上したと認めることはできないし、甲第1号証発明は、含フッ素モノマーの添加がない場合においてもラミネートゴム栓に適用できるといえるから、上記相違点Bは、当業者が容易に想到し得るものといわざるを得ない。

7. むすび
よって、本件発明1及び2は、本願出願前に頒布された刊行物である甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるので、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
積層した注射器用栓
(57)【特許請求の範囲】
(1) ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフイルムで積層した注射器用滑栓又は中栓。
(2) ゴムもしくは熱可塑性エラストマーからなる栓を、モル比率が45:55〜90:10の範囲にあるテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体がこれと共重合可能な含フツ素ビニールモノマーを第3成分として1〜20モル%の量で含むテトラフルオロエチレン-エチレン系共重合体からなり、厚さ0.002〜0.5mmのフイルムで積層した注射器用滑栓又は中栓。
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は注射器の滑栓もしくは薬液容器兼注射器中栓および滑栓としてテトラフルオロエチレン-エチレンを主成分とする共重合体樹脂フイルムを積層したものを用いる注射器に関する。
[従来の技術]
注射器には硝子を摺り合せたもの、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂を外筒及び吸子にし、吸子の先端にゴム又は熱可塑性エラストマーを素材にし、シール材としている。中には吸子及び可動ピストンに弗素樹脂を使用した技術(実公昭49-7515号参照)、弗素系樹脂の薄膜をコーテイング又は積層した技術(実公昭52-19435号参照)、滑栓をポリエチレン、ポリプロピレンにてゴムをラミネートする技術(実公昭55-32602号参照)、スチレンと炭素2〜5個の不飽和炭化水素共重合体のシリンジ(特公昭52-26782号参照)、注射筒と容器とを兼ねさせ簡単に注射を行ない得るようにした注射器(特公昭50-39953号公報)、注射器内に薬液を保存し緊急時に簡単に投与できるようにした注射器(実公昭52-38067号、実公昭49-4794号、実開昭57-120033号各公報)等が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点]
以上の公知技術において、弗素樹脂は耐薬品性が最も優れているけれども樹脂価格が高価なこと、それ以上に成形加工が困難なために複雑な形で高い寸法精度が要求されるのに製品価格の安価な滑栓部品に使われた例がない。また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂は耐熱性、耐薬品性に劣るので不満足な点が多い。したがつて、現在は滑栓にはゴム又は熱可塑性エラストマーを素材にして成形加工し、外筒の移動性、密閉性を良好ならしめるためにシリコーン油を使用して注射器として完成しているが、この場合はシリコーン油が薬液中に混入して人体、動物に投与され衛生上問題になつている。
注射器に設ける中栓とか滑栓の特性は、外筒との密閉性と移動性が重要な項目で、それに衛生性、耐薬品性を必要とする。このうち中栓もしくは滑栓と外筒との密閉性(気密性)を完全にすると移動性が悪くなる。したがつて移動性と密閉性との調和をとるために中栓もしくは滑栓の表面にシリコーン油を塗布してかろうじて注射器として用いうる製品になつている。これは中栓もしくは滑栓のゴム又は熱可塑性エラストマーの粘着性によるためで、粘着性を少なくして粘弾性を大きくすることが不可能なことになる。本発明はシリコーン油をほとんど用いることなく移動性の高い注射器用滑栓もしくは中栓を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段]
本発明はゴム又は熱可塑性エラストマーを成形した栓の表面にシリコーン油を用いずテトラフルオロエチレン-エチレン又はこれとビニルモノマーの共重合体(以後ETFEと略す)からなるフイルムで積層した注射器用滑栓又は中栓である。ETFEはテトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体で、好ましくはモル比率は45:55〜90:10の範囲にあり、樹脂の共重合を容易にするために第3成分として含フッ素ビニルモノマーを1〜20モル%含有させることができる。エチレン量が多くなると融点が低くなり、ゴム成形体に積層成形する時にフイルムの破断率が高く、経済性が低くなる。テトラフルオロエチレン樹脂(以下TFEと略す)フイルムは樹脂の融点は高いが高温状態下でのフイルム伸び特性がないのでこれも又栓成形時に積層フイルムの破断率が高く経済性が低い。ゴム製中栓もしくは滑栓の移動は単にゴムの摩擦係数だけでなく接触面によるゴムの変形、ゴム粘弾性等に依存するので、摩擦係数が4.0以上になる場合がある。本発明で用いるETFEは摩擦係数の低いTFEに近い摩擦係数を示し、約0.2であり、さらに粘弾性をも最低とすることができる。したがつて、ゴム表面加重による変位量を変えないようにETFEフイルムの厚さは0.002〜0.5mmとすることが好ましい。厚さ0.5mm以上では表面弾性が高くなり筒との密閉性を悪くする。
本発明のETFE積層栓の内部を構成する柔軟な弾性体としては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンゴム又はターポリマー(EPM又はEPDM)、イソプレン・イソブチレンゴム類(IIR,CIIR,BIIR)、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・イソプレンゴム(SIR)、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等に加硫剤、加硫促進剤、加工助剤、補強剤、充填剤等を配合して栓として物理的、化学的性質を持つものである。その組成の調製及び製造方法は公知技術で実施できる。なお、積層方法は例えば特公昭57-53184号公報、特願昭60-113255号明細書に記載されている。
本発明のETFE積層した滑栓及び中栓を付けた注射器又は薬品容器兼注射器を添付の図面について説明すると、第1図において注射針4を有する外筒1に薬液8を入れ先端の螺旋型部6に滑栓3が螺合されている吸子を挿入押圧するが、滑栓3にはETFEフイルム7が積層されているので、吸子は円滑に滑動してしかも薬液8が漏れることはない。第2〜4図はETFE積層滑栓の種々の変形図を示している。
第5図はETFE積層栓10を付けた外筒1に薬(多くは固体)11を充填し、それを真空又はガス置換してETFE積層中栓9をする、更に薬(溶媒で多くは蒸留水)12を充填し、ETFE積層滑栓3を打栓し封印して市販する(以上の工程中に滅菌を入る、不安定な薬又は混合する変質品に適する)。投与の際には栓7を特殊注射針にて貫通し、滑栓3に吸子2を係合し溶剤系薬を押圧することによつて中栓9は移動し薬11,12は一緒に混合し溶解した後に投与される。薬はETFE積層中栓で完全に二分されて保存されるので緊急時に両薬を溶解して投与することのできる簡単にして衛生的な薬品容器兼注射器である。
その外に筒1を二層にしたもの等があるが、本発明に係る滑栓、中栓及び栓は各種の注射器兼容器に適用出来るものである。
第6図は、栓10の拡大断面図、第7図は中栓9の拡大断面図、第8図は滑栓3の拡大断面図であり、いずれも5はゴム状部、7は積層されたETFEフイルムを示している。
第9〜10図は、本発明の他の実施態様を示すもので、薬品容器兼注射器の場合で積層された滑栓3が装着されている。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
1 積層フイルム
1-1 ETFE:ガラスライニング製オートクレーブにジクロロテトラフルオロエタンを入れて温度15℃に保ち、CH2=CF・C3F6H及びシクロヘキサンを仕込み攪拌下にテトラフルオロエチレン、エチレンの混合ガス(モル比97:3)を圧入し、次いでジ(ω-ヒドロパーフルオロヘキサノイル)パーオキサイドを仕込んで重合を開始した。更にテトラフルオロエチレン・エチレン・CH2=CF・C3F6H混合ガスを追加圧入し、テトラフルオロエチレン・エチレン・CH2=CF・C3F6H 63:34:3(モル比)の樹脂を得る。融点235℃(特願昭59-104044号明細書参照)
1-2 ETFE:ステンレス製反応器にトリクロロトリフルオロエタン及びt-ブチルパーオキシイソブチレートを仕込み、テトラフルオロエチレン・エチレン(95:5)を温度70℃で導入し、反応圧力を4.7〜5kg/cm2に保ち、6時間縮合反応を行なう。テトラフルオロエチレンの量は52モル%。融点260℃(参考文献特公昭49-29309号、同55-23846号、同52-28858号、同47-23671号公報など)表1に1-1及び1-2のETFEフイルム及び市販樹脂フイルムの比較を示す。

表1に示す通りETFEはTFEより融点が低いが、気温180℃下に於ける引張強さ、伸びは大きい。PPは180℃では溶融して強さが出ない。
次にETFEの組成(モル比)と物性との関係を表2に示す;

表2の結果より、テトラフルオロエチレンの含有率が高くなると硬度及び曲げ弾性率が低くなる。したがつてテトラフルオロエチレン比率が高くなると柔軟性になる。
以上の実験はフイルムの厚さ50μmとした。次に以上のフイルムのゴムに接する面を10-2Torrの真空耐圧容器内で110KHzにて150W/m2の出力でフイルム速度5m/分の条件にて放電処理を施した。
2 ゴム配合
2-1 IIR系
JSR Butyl 365 67.4重量%
補強剤 27.0重量%
硫黄を含む架橋促進剤 1.9重量%
架橋温度 160℃
2-2 BR+IR系
BR 73.0重量%
IR 3.0重量%
補強剤 20.0重量%
有機過酸化物架橋剤 1.6重量%
架橋温度 160℃
配合は上記比率とゴム用2本ロール或いはインターナルミキサーを使用した。この操作は「ゴム試験法」(日本ゴム協会編)108〜118頁に記載してある方法に準拠して行ない、配合ゴムの厚さを2〜20mmに分出した。
3 積層滑栓の加硫成形
積層はゴムの架橋成形と同時にフイルムを積層した。すなわち第2、3、4、6、7、8図(第3図は点線の下)に示す滑栓形の窪みを有する下金型を用いる。その金型面上にETFEフイルム(1-1,1-2)を置き、次に未加硫配合ゴムシート(2-1,2-2)を重ね合せ(第7図の場合は、さらにその上ETFEを重ねる)、更に螺旋形6その他の突起をつけた上金型を置き、上・下金型にて加圧しながら加熱して、金型窪み内にフイルム及びゴムを圧入して架橋成形と同時に積層を行う。次に架橋物を分離する。第3図の滑栓は前記成形物(点線の下)を同型物より深い下金型の窪に置き、未加硫配合ゴムを重ね、更に螺旋形突起を持つた上金型を重ね合せて、加圧、加熱して成形を完了する。
以上の積層滑栓の製造の際のフイルムの破損状況について表3に示す。なお市販のTFE・PPフイルムについての試験も表3に示す。熱可塑性エラストマーはその熱溶融物を50〜70℃にて下金型にてフイルムと共に圧入して成形積層する。

表3に示すように、ETFEフイルムの2種類ともにTFE及びPPに比較してフイルムの破損及びフイルムとゴム層間に気泡の発生がなく、積層完成率が高い。注射筒1には寸法規格はなく直径は±1%のバラツキがあつた。したがつて滑栓の直径を凸凹をつけてその高さ及び深さを+8〜-10%(筒直径)に設計した。
4 滑栓の移動試験
注射筒1を固定し、吸子先端に積層滑栓を移動しその時の荷重をオートグラフ(島津製作所製)にて測定した。その結果を表4に示す。

5 水による溶出物試験
ETFE積層滑栓、積層中栓及び積層栓を医薬品容器・兼注射器の部品とするには、品質規準として「日本薬局方」の41「輸液用ゴムせん試験法」、42「輸液用プラスチック容器試験法」に合格することが必要であり、したがつて上記の試験法に基づいて試験を行つた。上記のうち、42のポリ塩化ビニル製容器に準拠して試験を行なつた。その結果を表5に示す。

表4に示す通り、医薬品容器部品としての「日本薬局方」の規格に合格している。一方、デイスポーザブル注射筒の厚生省告示第442号は、栓に10倍の水を加え70℃に加熱し、30分間保つた抽出液を使用する方法で抽出条件が緩慢である。即ち医薬品容器部品の規格の方が素材、部品の高純品位を選択することでETFEフイルムは耐薬品性に優れていることを示すものである。
[発明の効果]
(1) 本発明によりETFEフイルムで積層した滑栓及び中栓は注射筒との密閉性、移動性、衛生性等の相柔質する性質を調和した優れた効果を発揮する。
(2) ETFE積層滑栓及び中栓はシリコーン油がほとんどなくても注射筒内の移動性がよく、シリコーン油の微粒子が少なく又加熱滅菌等の処理をしても筒に粘着することがない、なお、更にゴム配合剤(架橋剤、架橋促進剤、加工助剤等)の薬液への溶出を防止し、又逆に薬液の栓への吸着を少なくするので、注射器に加えて注射器兼薬品容器にも用いることができる。
(3) ETFEは高温状態の物理的性質に優ているためにETFE積層中栓および滑栓は製造収率、又は製品の品質管理が容易なために医療業界に資する所甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はETFEフイルムで滑栓を積層した注射器の断面図であり、第2図、第3図及び第4図は第1図の注射器に設けるETFEフイルムで積層した滑栓の実施態様を示す断面図である。第5図は薬2品種を分離して充填した容器兼注射器の1例を示す断面図であり、第6図は第5図のETFE積層栓10の拡大断面図であり、第7図は第5図のETFE積層中栓9の拡大断面図であり、第8図は第5図のETFE積層滑栓3の拡大断面図であり、第9図と第10図はETFE積層滑栓を取りつけた注射器兼容器の実施態様を示す断面図である。
1:注射筒、2:吸子(又は押子)、3:ETFE積層滑栓、4:注射針、5:ゴム状部、6:螺旋型の係合部、7:ETFEフイルムの積層部、8:薬液、9:ETFE積層中栓、10:ETFE積層栓、11:薬(固体)、12:薬(溶媒)、13:容器内面の溝
 
訂正の要旨 訂正の要旨
審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2003-03-06 
結審通知日 2003-03-11 
審決日 2003-03-25 
出願番号 特願昭60-281083
審決分類 P 1 112・ 121- ZA (A61M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石井 淑久  
特許庁審判長 梅田 幸秀
特許庁審判官 千壽 哲郎
門前 浩一
登録日 1994-09-06 
登録番号 特許第1870119号(P1870119)
発明の名称 積層した注射器用栓  
代理人 佐木 啓二  
代理人 秋山 文男  
代理人 萩原 亮一  
代理人 田中 弘  
代理人 内田 明  
代理人 内田 明  
代理人 加藤 公清  
代理人 萩原 亮一  
代理人 朝日奈 宗太  
代理人 加藤 公清  

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