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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1084063
審判番号 不服2001-13471  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-08-02 
確定日 2003-09-19 
事件の表示 平成6年特許願第42381号「通信方法」拒絶査定に対する審判事件[平成7年9月26日出願公開、特開平7-250066]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成6年3月14日の出願であって、平成13年6月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成13年8月2日に審判請求がなされるとともに、平成13年8月24日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成13年8月24日付け手続補正についての補正却下の決定
[結論]
平成13年8月24日付け手続補正を却下する。

[理由]
(1)本件手続補正について
平成13年8月24日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)は、特許法第17条の2第1項第5号の規定による補正であって、その補正は以下の(A)、(B)の内容を含むものである。

(A)特許請求の範囲を、
「【請求項1】 複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,
上記割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断し,
上記割り込み通信がメモリ通信であると判断した場合には,上記同報通信を優先的に処理し,
上記割り込み通信が直接通信であると判断した場合に,上記直接通信を優先的に処理することを特徴とする通信方法。」
から、
「【請求項1】 複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,
直接通信を行なうか,メモリ通信を行なうかといった通信の種類を設定する設定手段と,
上記設定手段からの入力により,割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断する判断手段とを具備し,
上記判断手段が,メモリ通信中であると判断した場合には,上記同報通信を優先的に処理し,
上記判断手段が直接通信中であると判断した場合には,上記直接通信を優先的に処理することを特徴とする通信方法。
【請求項2】 複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,
直接通信を行なうか,メモリ通信を行なうかといった通信の種類を設定する設定手段と,
上記設定手段からの入力により,割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断する判断手段とを具備し,
同報通信の切れ目であって,割り込み通信の原稿がセットされていると共に上記割り込み通信の相手先が入力されていることを前提として,上記判断手段が,メモリ通信中であると判断した場合には,上記同報通信を優先的に処理し,
上記判断手段が直接通信中であると判断した場合には,上記直接通信を優先的に処理することを特徴とする通信方法。」
に変更する補正。

(B)発明の詳細な説明に、
「他の通信処理を割り込ませる場合には,かならず直接通信を行なわせる方式が例えば特開平2-185114号公報に記載されている。」、「また同報通信中に他の割り込みを行なう場合には,常に上記メモリ通信を行なうように設定されたもの(例えば特開昭63-269863号公報)が知られている。」(以上3段落)、「第2の発明では,同報通信の切れ目であって,割り込み通信の原稿がセットされており,且つ,上記割り込み通信の相手先が入力されていることを前提として,直接通信とメモリ通信のいずれで処理するかを判断することによって,割り込み処理を実行しようとした時点で原稿のセット忘れであったり,相手の番号を未入力であったりといったことで,処理が遅れることを防止でき,割り込まれた同報通信者に迷惑がかからないようになっている。」(5段落)、「このように割り込みによって同報通信が途切れる前に原稿セットの有無や,相手番号の入力の有無が確認されるので,同報通信を行なっている者を必要以上に待たせるような迷惑が回避される。」、「このようにして割り込み通信を行なうオペレータの要求に合理的に応じることができる。」(以上7段落)等の記載を新たに追加する補正。

(2)当審の判断
前記補正(A)は、補正前の特許請求の範囲の請求項の数を1から2に増加させるものであり、このように請求項の数を増加させる補正は、特許法第17条の2第3項の各号に規定する、請求項の削除(第1号)、特許請求の範囲の限定的減縮(第2号)、誤記の訂正(第3号)、明瞭でない記載の釈明(第4号)のいずれにも該当しないものと認められるから、当該規定に適合しない。
また、前記補正(B)によって明細書に追加された事項は、本願出願時の明細書及び図面に記載されたものではなく、同明細書及び図面の記載からみて自明の事項でもないので、前記補正(B)は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でしたものではないから、特許法第17条の2第2項により準用する同法第17条第2項の規定に違反してなされたものである。

(3)むすび
したがって、本件手続補正は、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成13年8月24日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成13年1月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)

「複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,
上記割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断し,
上記割り込み通信がメモリ通信であると判断した場合には,上記同報通信を優先的に処理し,
上記割り込み通信が直接通信であると判断した場合に,上記直接通信を優先的に処理することを特徴とする通信方法。」

4.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由において引用された特開平2-185164号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(a)「ダイレクト送信の予約設定処理を第2図で示すフローチヤートに従って以下に説明する。…同報等のメモリ送信中であれば…予約フラグをセット(ON)して送信処理を終了する。」(4頁右上欄2〜14行)

(b)「メモリ送信中に原稿の送信予約が設定されたかを調べ、送信予約フラグONであれば…メモリ送信に割り込んで原稿の送信処理を行う。」(5頁左上欄6〜12行)

これらの記載事項から、引用例1には、
「同報送信の送信中に,ダイレクト送信の予約があった場合の送信処理において,
上記ダイレクト送信を割り込んで処理することを特徴とする送信処理。」
の発明(以下、「引用例1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。

また、原査定の拒絶の理由において、周知例として引用された特開平63-269863号公報(以下、「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。

(c)「順次同報送信が終了したと判断されると、一つの順次同報処理が終わったことになるから、制御部11はステップST13において第1記憶部3を検索して送信予約があるか否かをチェックする。そして、この送信予約チェックによって送信予約があると判断されると、制御部11はステップST18において予約済み送信のダイヤル情報及び画情報を準備し、その後ステップST1に移行して回線接続処理を開始する。」(2頁右下欄16行〜3頁左上欄4行)

(d)「ファクシミリ呼の実行中に、使用者が新たにファクシミリ受信装置15への送信予約を操作部2から入力した場合には、制御部11は送信予約された旨を第1記憶部に記憶すると共に、送信部6に原稿を読み取らせ、その画情報を画情報記憶部4に記憶させる。そしてステップST13及びST18の処理を通してファクシミリ受信装置13及び14への順次同報送信を終了した後に、前記後から予約されたファクシミリ受信装置15に対して送信動作を実行する。…順次同報送信中に予約した送信は、前記順次同報送信が全て終了しなければ実行されない」(3頁右上欄2〜16行)

前記(c)における「予約済み送信」は、前記(d)の「送信予約を操作部2から入力した場合には…画情報を画情報記憶部4に記憶させ…順次同報送信を終了した後に…送信動作を実行する。」の記載から、いわゆる「メモリ送信」であることは明らかであるから、「同報送信中に、メモリ送信の送信予約があった場合に、上記同報送信が終了した後にメモリ送信を実行する」こと(以下、「周知技術」という。)は、引用例2の記載に見られるように本願出願前に周知であったものと認められる。

5.対比
そこで、本願発明と引用例1記載の発明とを対比する。

(ア)引用例1記載の発明における「送信」は「通信」の一形態である。また、引用例1記載の発明における「同報送信」が、「同報通信」の送信側の処理のことであり、「複数の相手先に同じ情報を順次送信」し、相手方でその「情報を順次受信する」ものであることは、当該分野の技術常識からみて自明である。したがって、引用例1記載の発明における「同報送信の送信中」が、本願発明における「複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間」に相当することも明らかである。

(イ)引用例1記載の発明における「送信の予約」は、同報送信に割り込む形で指令されるものであるから、「他の割り込み通信指令」といえる。

(ウ)引用例1記載の発明における「ダイレクト送信」、「割り込んで処理」、「送信処理」が、本願発明における「直接通信」、「優先的に処理」、「通信方法」にそれぞれ相当することは明らかである。

よって両者は、
「複数の相手先に同じ情報を順次送信又は受信する同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,
上記割り込み通信が直接通信である場合に,上記直接通信を優先的に処理することを特徴とする通信方法。」
で一致しており、以下の点で相違が見られる。

(1)本願発明における「上記割り込み通信がメモリ通信である場合には,上記同報通信を優先的に処理」する構成を、引用例1記載の発明が備えていない点。

(2)本願発明における、「上記割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断」し、その「判断」に応じて処理を行う構成を、引用例1記載の発明が備えていない点。

6.当審の判断
前記相違点について以下検討する。

引用例2の記載に見られるように、「同報送信中に、メモリ通信の送信予約があった場合に、上記同報送信が終了した後にメモリ通信を実行する」(本願発明における「同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合に,上記割り込み通信がメモリ通信である場合には,上記同報通信を優先的に処理」することに相当。)ことは、周知技術であり、引用例1及び引用例2はその技術分野が共通であるから、引用例1記載の発明に、このような周知技術を付加して、「同報通信を行っている間に,他の割り込み通信指令があった場合の通信方法において,上記割り込み通信がメモリ通信である場合には,上記同報通信を優先的に処理し,上記割り込み通信が直接通信である場合に,上記直接通信を優先的に処理する」ような構成にすることは、当業者が容易になし得ることである。(相違点(1))
そして、そのように構成された通信方法においては、「割り込み通信がメモリ通信である場合」と、「割り込み通信が直接通信である場合」とで、送信の順番が変わるわけであるから、「割り込み通信がメモリ通信であるか直接通信であるかを判断」し、その判断に応じて処理を行うことは、必然的に取り得る構成である。(相違点(2))

7.むすび
したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載されているような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-07-01 
結審通知日 2003-07-08 
審決日 2003-07-29 
出願番号 特願平6-42381
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼橋 真之吉田 隆之間野 裕一  
特許庁審判長 大日方 和幸
特許庁審判官 桂 正憲
山下 剛史
発明の名称 通信方法  
代理人 本庄 武男  
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