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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H02K
管理番号 1086410
異議申立番号 異議2003-70240  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-08-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-01-24 
確定日 2003-08-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3307888号「回転電動機及びその製造方法及び巻線機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3307888号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
出願(原出願日)平成6年8月5日(特願平6-184802号)
優先権主張 特願平5-278562号(優先日平成5年11月8日)
優先権主張 特願平6-092041号(優先日平成6年4月28日)
分割出願日 平成10年11月9日(特願平10-317174号)
特許権設定登録 平成14年5月17日
特許公報発行 平成14年7月24日
特許異議申立て 平成15年1月24日(申立人 酒井和義)
取消理由通知 平成15年4月28日(平成15年5月9日発送)
訂正請求 平成15年7月 7日

2.訂正の適否

2-1 訂正の内容

訂正事項a
請求項1記載の「保持した状態で、同相の」を、「保持した状態で、複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線するとともに、複数の渡り線を前記屈曲可能な連結部を渡らせることにより同相の」と訂正する。

訂正事項b
請求項1記載の「並列」を、「ほぼ平行」と訂正する(3箇所)。

訂正事項c
請求項1の「コア」を、「連結ステータコア」と訂正する(5箇所)。

訂正事項d
請求項1の「となるように保持した状態で、」を、「となるように連結ステータコアを保持した状態で、」と訂正する。


2-2 訂正の適否

訂正事項aについて
訂正事項aは、請求項1に記載された「連続的に巻線する」工程を「複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線するとともに、複数の渡り線を前記屈曲可能な連結部を渡らせることにより」ということで限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
「複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線するとともに、」は、段落0031、段落0032、段落0046から明らかである。
「複数の渡り線を前記屈曲可能な連結部を渡らせることにより」は、図1、図7、図29、図65、図75、図80より明らかである。
よって、訂正事項bは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。

訂正事項bについて
「並列」を「ほぼ平行」へ訂正することは上位概念から下位概念への変更であり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
「ほぼ平行」は段落0032、段落0106、段落0168に記載されている。
よって、訂正事項bは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。

訂正事項cについて
「コア」を「連結ステータコア」へ訂正することは上位概念から下位概念への変更であり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
「連結ステータコア」は段落0045、段落0046に記載されている。
よって、訂正事項cは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。
訂正事項dについて
訂正事項dは請求項1に記載された「となるように保持した状態で、」を「となるように連結ステータコアを保持した状態で、」と限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
「連結ステータコアを保持した状態で」は、段落0045の9行、10行の「連結ステータコア20の両端を張力をかけた状態で保持するとともに、」という記載に基づくものである。
よって、訂正事項dは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。
むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法120条の4第3項において準用する平成6年法律116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、上記訂正を認める。


3.異議申立てについての判断

3-1 本件発明

上記のとおり、訂正は認められるから、本件特許第3307888号の請求項1に係る発明は、訂正された特許明細書の請求項1に記載された次のとおりのものである。

【請求項1】歯部と歯部を歯状に取り付けた継鉄部とをそれぞれ有する複数のコア部と、これら複数のコア部が直線状に連結されるように複数のコア部の継鉄部の端部を互いに連結する連結部とを有する磁性材を複数枚プレス打ち抜きし、
磁性材を複数枚プレス打ち抜きした後、前記プレス打ち抜きした磁性材の前記歯部が重なるように前記複数の磁性材を積層して積層した歯部により磁極ティースを形成し、複数の磁極ティースが互いにほぼ平行であり、かつ、前記連結部にてティース先端部が近づくように前記連結部が屈曲可能な連結ステータコアを製作し、
連結ステータコアの製作後、複数の磁極ティースにコイルを形成するにあたり、複数の磁極ティースが互いにほぼ平行となるように連結ステータコアを保持した状態で、複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線するとともに、複数の渡り線を前記屈曲可能な連結部を渡らせることにより同相の各磁極ティース間を繋ぐ渡り線を切らずに前記直線状の連結ステータコアの一端から他端に向かってほぼ平行に保持された複数の磁極ティースの同相の磁極ティースに連続的に巻線し、
巻線後、複数の磁極ティースの先端が近づくように連結ステータコアの連結部を屈曲させて、かつ、連結ステータコアの両端にある継鉄部の端部同士を接続して円形のステータを成形することを特徴とする回転電動機の製造方法。
(以下、本件発明1という。)


3-2 申立の理由の概要

特許異議申立人酒井和義は、
甲第1〜甲第3号証(下記引用刊行物1〜3)を提示して、本件の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから特許法第113条第2項に該当するので取り消されるべきものである
旨主張している。


3-4 取消理由通知で引用された刊行物に記載された発明

引用刊行物
刊行物1(甲第1号証):実願平1-128496号(実開平3-66536号)のマイクロフィルム
刊行物2(甲第2号証):特開平1-252141号公報
刊行物3(甲第3号証):特開平1-248948号公報


引用刊行物に記載された発明
上記刊行物1〜3には、以下の発明が記載されているものと認める。

刊行物1:「先端部に磁極部(4)を有するコイル芯部(3)と先端部に磁極部(4)を有するコイル芯部(3)を歯状に取り付けたヨーク(1)と、前記ヨーク(1)のコイル芯部間(3)に波形状の凹凸部(例えば、21c)を、磁性材料により一体成形し、
これを製作後、先端部に磁極部(4)を有する複数のコイル芯部(3)が互いに並列となるように保持した状態で、前記コイル芯部(3)に巻付けられ前記磁極部(4)を励磁するコイル(5)を巻回し、
巻線後、複数のコイル芯部(3)の先端に設けられた磁極部が近づくようにヨーク(1)に形成された波形状の凹凸部(21c)を主として屈曲させて、かつ、ヨーク(1)の両端に形成された係合部を係合して円形のステータを成形する回転磁界型モー夕の製造方法」

刊行物2:「歯部(4)と歯部(4)を歯状に取り付けた継鉄部Aとをそれぞれ有する複数の継鉄部Aと歯部4により形成されている部分(「図1」参照。以下、「コア部A」という)と、これら複数のコア部Aが直線状に連結されるように複数のコア部Aの継鉄部Aの端部を互いに連結する連結部Aとを有する鋼板(1)を複数枚プレス打ち抜きし、
鋼板(1)を複数枚プレス打ち抜きした後、前記プレス打ち抜きした鋼板(1)の前記歯部(4)が重なるように前記複数の鋼板を積層して積層した歯部(4)により磁極ティースを形成し、複数の磁極ティースが互いに並列であり、かつ、前記連結部Aにてティース先端部が近づくように前記連結部Aが屈曲可能な固定子鉄心(7)を製作し、
固定子鉄心(7)製作後、複数の磁極ティースに巻線(8)を形成するにあたり、複数の磁極ティースが互いに並列となるように保持した状態で開口(3)に巻線(8)を施してから、その扇状の切欠(5)が密着するように固定子鉄心(7)を磁極ティースを内径側として円形に曲げる電動機の製造方法」

刊行物3:「互いに並列な複数の矩形筒部(29a)と、隣合う前記矩形筒部(29a)の各口縁を連結する連結部(29b)と、前記連結部(29b)を榛み易くするためその他の箇所より薄肉にしてある中間部分(29c)よりなり、かつ平面的に展開した形状に形成される絶縁部材(29)を製作し、
絶縁部材(29)の製作後、複数の矩形筒部(29a)にコイル(28)を形成するにあたり、複数の矩形筒部(29a)が互いに並列となるように保持した状態で、第1相、第3相、第2相の各相コイルが巻回される各矩形筒部(29a)間を繋ぐ渡り線を切らずに前記平面的に展開した形状の絶縁部材(29)の一端から他端に向かって並列に保持された複数の矩形筒部(29a)の同相の矩形筒部(29a)に連続的に巻回し、
巻回後、中間部分(29c)を屈曲させて絶縁部材(29)を円形とする内転型無刷子電動機の製造方法」


3-5 引用刊行物に記載された発明との対比・判断
本件発明1と刊行物1ないし3に記載された発明とを対比すると、後者のいずれにも、
「複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線する」という工程については記載がされておらず、示唆もされていない。
そして、本願発明1は、上記工程を備えることにより、巻線スピードの向上を図ることができ、特許明細書段落0168に記載のとおりの「巻線の生産性が向上」するとの効果が生じるものと認める。
したがって、本件発明1は、刊行物1ないし3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。


4.結論
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、他に請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
回転電動機及びその製造方法及び巻線機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯部と歯部を歯状に取り付けた継鉄部とをそれぞれ有する複数のコア部と、これら複数のコア部が直線状に連結されるように複数のコア部の継鉄部の端部を互いに連結する連結部とを有する磁性材を複数枚プレス打ち抜きし、
磁性材を複数枚プレス打ち抜きした後、前記プレス打ち抜きした磁性材の前記歯部が重なるように前記複数の磁性材を積層して積層した歯部により磁極ティースを形成し、複数の磁極ティースが互いにほぼ平行であり、かつ、前記連結部にてティース先端部が近づくように前記連結部が屈曲可能な連結ステータコアを製作し、
連結ステータコアの製作後、複数の磁極ティースにコイルを形成するにあたり、複数の磁極ティースが互いにほぼ平行となるように連結ステータコアを保持した状態で、複数の巻線ノズルにより磁極ティースのまわりを周回させて巻線するとともに、複数の渡り線を前記屈曲可能な連結部を渡らせることにより同相の各磁極ティース間を繋ぐ渡り線を切らずに前記直線状の連結ステータコアの一端から他端に向かってほぼ平行に保持された複数の磁極ティースの同相の磁極ティースに連続的に巻線し、
巻線後、複数の磁極ティースの先端が近づくように連結ステータコアの連結部を屈曲させて、かつ、連結ステータコアの両端にある継鉄部の端部同士を接続して円形のステータを成形することを特徴とする回転電動機の製造方法。
【請求項2】 磁極ティースを有する複数のコアと、磁極ティースを有さない複数の継鉄部とを、交互に連結したステータ部と、前記ステータ部に対向して配置されたロータ部とを有する回転電動機において、前記継鉄部の両端には、当該継鉄部と前記コアとを連結する折り曲げ可能な薄肉部が設けられたことを特徴とする回転電動機。
【請求項3】 複数の磁極ティースを一方向に並列に突出させて形成するとともに、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアを製作し、その後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線を行い、巻線後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が狭まる方向に折り曲げて配置することを特徴とする回転電動機の製造方法。
【請求項4】 複数の磁極ティースが一方向に並列に突出され、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアの磁極ティースにコイルを形成する巻線機であって、
前記巻線機は、前記コアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持するインデックス部を有し、磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら前記複数の磁極ティースに巻線を行うことを特徴とする巻線機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、回転電動機およびその製造方法及び巻線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例1
図139は、特公平5-39020号公報に記載されたディスク装置用のスピンドルモータのステータを示している。図において、一体で打ち抜かれたステータコア20と、そのステータコア20の磁極ティースの各々に巻かれスロットに収納されたステータコイル2が示されている。このスピンドルモータは、インナロータと呼ばれる構成であり、ステータの内側に対向してロータおよびロータマグネットが配置されている。インナロータの特長としては、薄型にモータを構成することができ、コンパクト・薄型化が要求されている磁気ディスクや光ディスク駆動装置に適していることである。
【0003】
従来例2
図140、図141は、特開平2-133055号公報に記載された従来例である。図140は、一体で打ち抜かれたステータコアを示しており、図141は、そのステータコアの磁極ティース15の一つにステータコイル2を巻いた状態を示している。この従来例は、アウタロータと呼ばれる構成であり、ステータの外側に対向してリング状のロータおよびロータマグネットが配置されている。ロータの軸はステータの中央にあり、ロータ軸とリング状のロータマグネットとは薄い円板で繋がっている。この構成のスピンドルモータは、小径化と薄型化が可能であるため、磁気ディスクや光ディスク駆動装置用のスピンドルモータにおいては、最も適用されているモータである。
【0004】
従来例3
図142、図143は、特開平2-133055号公報に記載された内容を示している。この従来例は、従来例2と同じアウタロータの構成となるスピンドルモータのステータを示している。従来例2との相違点は、各磁極ティースの一部を分割構造としており、図142の例では、コイル2を巻線した後に磁極ティースのスロット頭部15-2を差し込んで組み立てている。また、図143の例では、各磁極ティース15-3に個別に巻線をした後にステータ本体15-1に差し込んで組み立てている。
【0005】
従来例4
図146は実開平5-86151号公報に開示された磁気ディスクや光ディスク駆動装置のモータの構成を示すもので、インナーロータ型のモータである。図において、3つの磁極ティース15が一つの分割ブロックとなってステータコア20が構成されており、各々の磁極ティース15にコイル2が巻線されている。このモータの特徴は、ディスク駆動装置のヘッドの移動空間にはステータコア20を配置しないことである。尚、ステータコア20が配置されていないロータマグネット4の外周部にはロータマグネットを被うようにシールドヨーク4aが配されている。
【0006】
従来例5
図147および図148は例えば特開平5-176484号公報に示された従来のフロッピーディスク装置用のスピンドルモータのステータ構造を示している。同図に示されるモータは、インナロータ型と呼ばれるもので、ステータ120に対して内側にロータ110が配置されたものである。図において、122は一体で打ち抜かれたステータコア、130はそのステータコア122の磁極ティース122aの各々に巻かれたステータコイルである。このステータコア122は、一体型の形状をした磁性材を複数枚重ね合わせた積層コアにより形成されている。また、樹脂材がステータコア122の表面に一体成形されていることにより、ステータコア122とステータコイル130との間が絶縁されている。なお、112は磁石、114は軸、116はヨークである。
【0007】
従来例6
図149は例えば特開平5-38109号公報に示された従来の薄型モータのステータコアの絶縁処理構造を示している。この薄型モータのステータコアの絶縁処理構造は、熱可塑性樹脂からなる絶縁シートをステータコア151の両側から加熱・押圧して、このステータコア151の周囲に絶縁被膜150を形成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の場合、ステータコアが一体のリング形状をしており、ステータの内側に向いた磁極ティースにステータコイルを巻くことは、極めて困難である。巻線を実施するには、ノズルにマグネットワイヤを通し磁極ティースのまわりを周回させることとなるが、ステータコアの内径側が手狭なために巻線装置の構成が複雑となり、また巻線スピードにおいても1000rpm以上にあげることができず生産性の悪い巻線作業が強いられる。また、スロットの数は、巻線の困難性からの制約を受けるために増やすことができず、トルクアップの妨げやトルクリップル発生の要因となっている。さらに、コイルの巻線は、整列に巻くことがコイル形状のコンパクト化や特性向上、信頼性向上が寄与するが、この従来例においてはステータコアと巻線装置とのスペースが極めて狭いために、整列巻を実現することは不可能である。
【0009】
従来例2の場合、一体型ステータであるため、ステータコアの磁極ティース部の形状が複雑なため、巻線が非常に困難となるため能率的に巻線することができない。そのため、生産性が悪くコスト高の原因となるばかりか、特殊な巻線機を必要とするなど工法的欠点が指摘されていた。
【0010】
従来例3の場合、従来例2の欠点を解消するために提案されたものであるが、図においては、モータの特性を良くするためにスロット数を多くする場合には巻線性の効果は無く、さらには分割されたステータの嵌合接続された部分での磁気抵抗が増加することやエアギャップが不均一となるために、モータの特性の負因子となっている。また、図の場合は、巻線が容易となったが、各磁極ティース毎にコイルの端末が2本必要となるために、巻線後のコイル端末の電気的接合に多大な作業が増え、コストアップの要因となるばかりか接合の信頼性が低下することとなる。
【0011】
従来例4の場合、ステータコアを分割ブロック化することによってインナーロータ型の問題点であるコイルの巻線性を改善しているが、巻線後の各ブロック間の各々の磁極ティースに巻かれたコイルの電気的な接合に多大な作業が増え、コストアップとなるばかりか接合の信頼性が低下することになる。又、ステータコアを分割ブロック化しているために、ステータコアをロータマグネットに対して一定の空隙を保ち配置固定するのが困難となっており、さらに、ステータコアが分割ブロックの状態で組み立てられているので、ステータコアのハンドリング性および組み立て性が悪いものとなっている。
【0012】
従来例5の場合、ステータコア122が一体のリング形状をしており、ステータの内側に向いて、相対間隙の狭い各磁極ティース122aにステータコイル130を巻くことは、極めて困難である。
【0013】
すなわち、巻線を実施するには、ノズルにマグネットワイヤを通し磁極ティース7のまわりを周回させることとなるが、ステータコア122の内径側が手狭なために巻線装置の構成が複雑となり、また巻線スピードにおいても1000rpm以上にあげることができず生産性の悪い巻線作業が強いられるなどの問題点があった。
【0014】
また、スロットの数は、巻線の困難性からの制約を受けるために増やすことができず、トルクアップの妨げやトルクリップル発生の要因となるほか、ステータコイル130の巻線は、整列に巻くことがコイル形状のコンパクト化や特性向上、信頼性向上に寄与するが、この従来例においてはステータコア8と巻線装置とのスペースが極めて狭いために、整列巻を実現することは不可能であるなどの問題点があった。
【0015】
また、樹脂材による一体成形を施してステータコイル130とステータコア122を絶縁しているが、樹脂材と一体成形の加工工程が必要となるためコストアップとなるほか、さらに、ステータコア122に樹脂による層が形成されるために、ステータコイル130の周長が余計に必要となり、ステータコイル130に使用するマグネットワイヤの量が増えるとともに、モータを薄型化できなくなるなどの問題点があった。
【0016】
従来例6の場合、コイルとステータコア151を絶縁するために、熱可塑性樹脂からなる絶縁シートをステータコア151の両側から加熱・押圧して絶縁被膜150を形成しており、絶縁シートと加熱・押圧の工程が必要となるためコストアップとなるなどの問題点があった。
【0017】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、巻線を容易に行うことができることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、歯部と歯部を歯状に取り付けた継鉄部とをそれぞれ有する複数のコア部と、これら複数のコア部が直線状に連結されるように複数のコア部の継鉄部の端部を互いに連結する連結部とを有する磁性材を複数枚プレス打ち抜きし、
磁性材を複数枚プレス打ち抜きした後、前記プレス打ち抜きした磁性材の前記歯部が重なるように前記複数の磁性材を積層して積層した歯部により磁極ティースを形成し、複数の磁極ティースが互いに並列であり、かつ、前記連結部にてティース先端部が近づくように前記連結部が屈曲可能なコアを製作し、
コアの製作後、複数の磁極ティースにコイルを形成するにあたり、複数の磁極ティースが互いに並列となるように保持した状態で、同相の各磁極テイース間を繋ぐ渡り線を切らずに前記直線状のコアの一端から他端に向かって並列に保持された複数の磁極ティースの同相の磁極ティースに連続的に巻線し、
巻線後、複数の磁極ティースの先端が近づくようにコアの連結部を屈曲させて、かつ、コアの両端にある継鉄部の端部同士を接続して円形のステータを成形することを特徴とする。
【0019】
この発明に係る回転電動機は、磁極ティースを有する複数のコアと、磁極ティースを有さない複数の継鉄部とを、交互に連結したステータ部と、前記ステータ部に対向して配置されたロータ部とを有する回転電動機において、前記継鉄部の両端には、当該継鉄部と前記コアとを連結する折り曲げ可能な薄肉部が設けられたことを特徴とする。
【0020】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、複数の磁極ティースを一方向に並列に突出させて形成するとともに、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアを製作し、その後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線を行い、巻線後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が狭まる方向に折り曲げて配置することを特徴とする。
【0021】
この発明に係る巻線機は、複数の磁極ティースが一方向に並列に突出され、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアの磁極ティースにコイルを形成する巻線機であって、
前記巻線機は、前記コアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持するインデックス部を有し、磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら前記複数の磁極ティースに巻線を行うことを特徴とする。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【作用】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、直線状のコアを製作し、その後、直線状のコアに設けられた複数のティースにコイルを形成し、かつ同相の各ティース間を繋ぐ渡り線を切らずに直線状のコアの一端から他端に向かって連続的に巻線し、巻線後、巻線された直線状のコアを屈曲成形するので、直線状のコアに巻線を容易に行うことができる。
【0032】
また、巻線は、複数のティースが互いにほぼ平行となるように保持した状態で、当該互いに平行な複数のティースの相数分の磁極ティースを同時に巻回させるので、巻線機の構成が簡略化されると共に、巻線の生産性が向上する。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
この発明に係る回転電動機は、磁極ティースを有する複数のコアと、磁極ティースを有さない複数の継鉄部とを、交互に連結したステータ部と、ステータ部に対向して配置されたロータ部とを有する回転電動機において、継鉄部の両端には、当該継鉄部と磁極ティースとを連結する折り曲げ可能な薄肉部が設けられたので、巻線を容易に行うことができる。
【0042】
【0043】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、複数の磁極ティースを一方向に並列に突出させて形成するとともに、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアを製作し、その後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線を行い、巻線後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が狭まる方向に折り曲げて配置したので、巻線を容易に行うことができる。
また、この発明に係る巻線機は、折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線をするので、巻線を容易に行うことができる。
【0044】
【実施例】
発明の実施例は、実施例1〜実施例49であるが、特に関連が深いものは、実施例1、2、47、48である。
実施例1.
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
【0045】
この発明に係わる実施例1による回転電動機を図1と図2と図6と図7で説明する。図6は、磁性材料をプレス打ち抜きした連結ステータコア20であり、電動機の相数に等しい磁極ティースを1つのブロックとして構成し、複数個のブロック間を薄肉部10で連結した形状をしている。次に、連結ステータコア20を複数枚積層した状態で塗装等で絶縁処理を施した後、連結ステータコア20に巻線を行う。巻線では、図7に示すように、連結ステータコア20の両端を張力をかけた状態で保持するとともに、巻線機のノズルを磁極ティース15のまわりを周回させてコイルを形成する。巻線後の連結ステータコア20は、ロータ対向面に円筒状の治具をあてがいながら、薄肉部10を折り曲げ、所望のステータ形状に成形する。成形後のステータは、樹脂成形ハウジング5に超音波溶着等でステータ固定ピンを潰して配置固定がなされ、さらに、基板6には、樹脂成形ハウジング5が固定される。基板6には、ロータ3が軸受7を介して指示されている。なお、図144は、従来ステータコアでの磁界解析結果であり、図145は、本発明におけるステータ形状の磁界解析結果である。解析の結果より、図144中でaのパスの磁束がブロック分割されることで図145の場合になくなることとなるが、継鉄部の磁束が十分とれればモータ特性低下は無視できることがわかっている。
電動機の相数に等しい磁極ティースを1つのブロックとしているために、各ブロック毎のコイル巻線が極めて容易となる。すなわち、複数の繋がったブロックに対向した位置に巻線装置を配置することが可能であり、しかも巻線機のスペースはステータの形状から制約されることがない。また、コイル巻線を完了したステータ部を薄肉部で繋がった状態または薄肉部を切断した状態で樹脂成形品または基板上に配置固定するため、組立が容易であり精度を高めることができる。
さらに、回転電動機のステータ部を複数のブロックまたは磁極ティース毎に分割した形状を薄肉部で連結した状態で、巻線が容易に行うことができ、しかも渡り線は切断することなく連続巻しているためにコイル端末処理と結線処理が容易に行うことができる。また、ステータコアの組立は、薄肉部を切断または折り曲げることで高精度に容易に行うことができる。よって生産性と信頼性の良い回転電動機を容易に提供することが可能となる。
【0046】
実施例2.
この発明に係わる実施例2による回転電動機を図7で説明する。通常のモータの場合、磁極ティース15はモータ軸心から放射状に配置されている。図7では、1つのブロック9において磁極ティース15が互いに平行する形状としており、複数のブロックを薄肉部10で連結した形状としている。巻線においては、連結ステータコア20に対向する位置に巻線機を配置し、1つまたは複数の巻線ノズル21で磁極ティース15のまわりを周回させる。巻線ノズル21は周回とともに磁極ティースに対して前後の送りが可能なため、容易に整列巻ができる。
ブロックの磁極ティースを互いに平行する形状としているので、磁極ティースにコイルを巻線する場合に、巻線機のノズル部と各磁極ティースすべてが平行となるため巻線機の構成がシンプルとなるばかりでなく、1つのブロックの磁極ティース数に等しい数のノズルを巻線機に配置することで、同時に複数本のコイルを巻くことが可能となる。また、巻線時のノズルの動きが単純化できるので巻線スピードの向上や巻線時の不良発生低減が可能となる。これらの効果によって、ステータ巻線の生産性を向上させることができる。
【0047】
実施例3.
この発明に係わる実施例3による回転電動機を図3と図7で説明する。磁極ティース15にコイル2を形成するほかに継鉄部16に継鉄コイル17を形成する。磁極ティース15のコイル2で発生する磁束は、ロータ側に流れると同時に継鉄部16にも流れている。継鉄コイル17は、継鉄部16に流れる磁束をパワーアップするように通電される。継鉄コイル17の巻線は、連結ステータコア20を長手方向に軸心をとって回転させながら行う。この場合、巻線ノズル21を1本とする方が巻線機がシンプルに構成できる。
ブロックの継鉄部と磁極ティース部にコイルを配置しているので、磁極ティースにだけコイルを配置したステータと比較すると、限られたスペースの中で相対的にコイル量を増やすことができ、モータのトルク向上に寄与することができる。また、同出力のモータで比較した場合には、コイル配置をバランスよくすることができるためモータの薄型化が達成できる。
【0048】
実施例4.
この発明に係わる実施例4による回転電動機を図4で説明する。巻線では、連結ステータコア20に実施例1と同じく巻線を行うが、巻始めと巻終りのコイル端末をブロックの一部にからげておく。巻線後、からげた箇所を半田ディップすることで、コイル端末を各ブロックのステータコア材に電気的に接合する。からげる箇所は、コモン端子部11用に1つとコイル端末部12用にブロックの磁極ティースと同数のからげ用突起34にある。ステータ組立では、渡り線25を切らずにステータの薄肉部10を切断しながら基板に組み込んでいく。よって、中性点接続は、1つのブロック内で電気的同電位となって行われており、コイル端末部12は、接続された各ブロックを介して基板側のコイルの電力供給部と接続を行う。
1つまたは複数のブロックをコイルの電力供給端子または中性点端子と同電位とし、ステータ部を接続端子と兼用しているので、巻線時にコイル端末を自動処理するために、新たな接続端子を必要とすることなく、複数のブロックを接続端子と兼用させることが可能となる。すなわち、巻線時に電気的接合に必要な数のブロックにコイル端末を直接からげて半田等に接続することで、電力供給端子または中性点端子の端末処理が容易にできる。
【0049】
実施例5.
この発明に係わる実施例5による回転電動機を図4と図5で説明する。連結ステータコア20において、ブロックの基板側の1枚のコア材に段付き突起19を基板6に直行する方向に2本設けておく。絶縁処理と巻線は、実施例1と同様に行い、ステータを基板6に組み立てる時に、薄肉部10を切断しながら基板6設けた穴に段付き突起19を差し込み位置決めした状態で接着剤等固定を行う。
ブロックの基板側の1枚のコア材に段付きの突起を基板に直行する方向に1本または複数本設け、基板に設けた穴に差し込み位置決め固定されているので、ブロックと基板をダイレクトに連結することが可能となり、複数のブロックを高精度に配置し組み付けることができる。すなわち、ロータとステータの偏心が極めて少ない状態が得られ、コギングトルク発生による回転むらの少ないモータが容易に得られる。
【0050】
実施例6.
この発明に係わる実施例6による回転電動機製造方法を図1と図2と図6と図7で説明する。連結ステータコア20は、複数のブロックを中央のティースの磁束流れ方向に直交した方向に薄肉部10で直線状に繋げた状態で磁性材料をプレス打ち抜きする。塗装等によって絶縁処理を施した後、巻線では個々の磁極ティース15にコイルを形成しながら渡り線25を切らずに連続巻をする。ステータの組立では、連結ステータコア20をロータ対向側に治具をあてがいながら薄肉部10を折り曲げ、成形された状態で樹脂成形ハウジング5に配置固定する。固定には、樹脂成形ハウジング5に設けられたステータ固定ピンを超音波溶着等で押し潰して行う。また、コイル端末12は、連結ステータコア20の一部に仮からげしておき、基板上の配線パターンのランド位置までロボットで配結線を行う。
複数のブロックを中央の磁極ティースの磁束流れ方向に直交した方向に直線状で繋げた状態で磁性材料をプレス打ち抜きし、巻線では複数の磁極ティースに渡り線を切らず連続巻し、複数のブロックの薄肉部を折り曲げた状態または、複数のブロックの薄肉部を切断した状態で、樹脂成形品または基板上に組み付けているので、巻線時のコイル形成が容易となり巻線機の構成がシンプルかつ高速化でき、端末処理の接続においては渡りを切らずに連続巻をしているために接続点を最小とすることができ、ブロックの組み付けにおいてはブロックを容易に精度よく組み付けることが可能となるため、生産性と信頼性が向上するとともに高性能のモータを安価に得ることができる。
【0051】
実施例7.
この発明に係わる実施例7による回転電動機の製造方法を図8と図9で説明する。連結ステータコア20は、複数のブロックを中央のティースの磁束流れ方向に直交した方向に薄肉部10で直線状に繋げた状態で磁性材料をプレス打ち抜きする。連結ステータコア20を積層した状態で絶縁処理とブロックの固定のための一体成形樹脂22で樹脂一体成形を施す。ブロックの固定部には、樹脂ピン23を形成しておく。巻線では個々の磁極ティース15にコイルを形成しながら渡り線25を切らずに連続巻をする。ステータの組立では、連結ステータコア20の薄肉部10を切断し、次にロータ対向側に治具をあてがいながら樹脂ピン23で隣接するブロックを回転させることでステータを成形する。そして、基板6に一体成形樹脂22を接着等で固定する。
複数のブロックを中央の磁極ティースの磁束流れ方向に直交した方向に直線状で繋げた状態で磁性材料をプレス打ち抜きし、樹脂一体成形により磁極ティースの絶縁とブロックの固定部とブロックの両端または片端に設けた穴へのピンを形成し、巻線では複数の磁極ティースに渡り線を切らず連続巻し、樹脂一体成形により形成されたピンを基準に複数のブロックの薄肉部を切断後折り曲げて基板に組み付けているので、巻線時のコイル形成が容易となり巻線機の構成がシンプルかつ高速化でき、端末処理の接続においては渡りを切らずに連続巻をしているために接続点が最小とすることができ、ブロックの組み付けにおいては樹脂一体成形の成形精度でブロックを容易に精度よく組み付けることが可能となるため、生産性と信頼性が向上し高性能のモータを安価に得ることができる。
【0052】
実施例8.
この発明に係わる実施例8による回転電動機を図10と図11で説明する。ステータの一部が欠落した部分に、鉄基板6で切り起こし24を設ける。切り起こし24の形状と位置は、ステータ欠落による磁気吸引力のアンバランスが十分に補正できるように、幅の広い形状の切り起こし24を複数個、ロータと適切な空隙をとって配置する。
読み書きヘッドのキャリッジが往復するためのスペースとしてステータに切り欠き部を設けた場合に、ステータ切り欠き部がロータ軸に与える偏荷重を低減し、ロータ軸受の寿命を延ばすことができる。すなわち、ロータマグネットとステータとの吸引力がステータ切り欠き部が存在するために不均一になる。鉄基板の切り起こしは、この吸引力の偏りを補正するために作用し、欠けたステータ部分の代わりをしている。
【0053】
実施例9.
この発明に係わる実施例9による回転電動機を図12と図13と図21と図22と図24と図25で説明する。図12は、ステータコアを磁極ティース毎に分割したアウタロータタイプの例を示している。ステータコアのプレス打ち抜きは、図21に示すように、磁極ティース15の磁束流れ方向に複数個連結した形状としている。この連結ステータコア20は、電動機の同相の磁極ティースを1本に集め、薄肉部10でつないだものである。連結ステータコア20を複数枚積層した状態で塗装等の絶縁処理を施した後、図23のように連結ステータコア20の両端を巻線機のステータ保持機32で張力を加えた状態で連結ステータコア20を長手方向を軸心として回転させて巻線を行う。図22は、巻線後の連結ステータコア20を示している。磁極ティースのコイル間の渡り線は、図のように切断することなく連続巻をしている。ステータの組立では、図25のように図24に示す樹脂成形品26を回転できる治具にセットし巻線後の連結ステータコア20の薄肉部10をレーザ等で切除しながら磁極ティースを組み付けていく。渡り線25は、磁極ティース間でつながった状態で保てるように、巻線時にコイル上にたるみ分を余計にコイルに巻き付け余裕を持たせる。
磁極ティース毎にステータコアが分割され前記磁極ティース毎にコイルが配置されたステータ部とロータ部とから構成される回転電動機において、前記ステータ部が複数の磁極ティースのコイルの渡り線が繋がった状態で前記ロータ部に対向するように配置固定しているので、分割ステータのために巻線の作業性が極めてよく、しかもコイルの渡り線は切らずに連続巻しているためにコイル端末は最小限の数で処理でき、接合の作業性がよく信頼性も高い。
【0054】
実施例10.
この発明に係わる実施例10による回転電動機を図12で説明する。ステータ組立までは、実施例9と同じであるが、ステータ組立後にステータ中心を軸として回転させながら、ロータ対向面をレーザビーム等で切断またはシェービング加工を行う。このため、打ち抜きプレスされる連結ステータコア20の磁極ティースのロータ対向面側は、加工代が設けてある。
樹脂成形品または基板上に配置固定された磁極ティースのロータ対向面をレーザビーム等で熱的に切断またはシェービングしているので、各磁極ティースのロータ対向面とロータとの空隙を高精度に保つことができ、回転むらの減少やエアギャップの設計値を小さくしてモータの特性向上を図ることが可能となる。
【0055】
実施例11.
この発明に係わる実施例11による回転電動機を図12で説明する。ステータ組立までは、実施例9と同じであるが、ステータ組立後に磁極ティースのヨーク部を密着させた状態でレーザビーム等で熱的に溶着固定部27で溶着を行う。
樹脂成形品または基板上に配置固定された磁極ティースのヨーク部を、密着させた状態でレーザビーム等で熱的に溶着固定しているので、簡便にしかも高精度にステータを配置固定することができ、回転むらの減少やエアギャップの設計値を小さくしてモータの特性向上を図ることが可能となる。
【0056】
実施例12.
この発明に係わる実施例12による回転電動機を図12と図22で説明する。図22において、コイルの巻始めと巻終りは連結ステータコア20の両端にからげ固定されている。片側はコモン端子部11であり、もう一方はコイル端末部12である。コイル端末部12はステータ組立時に磁極ティースと切り離されて基板上の配線パターンのランド上に接続されるが、コモン端子部11はステータコアに半田付け等で直接接続される。ステータ組立で分割された磁極ティースは、密着または接合されるために、ステータコア自身が中性点電位と同電位となる。
中性点接続を磁極ティースの磁性材に直接接続し、中性点電位とステータ部の磁性材とを同電位としているので、新たに接続端子を必要とすることなく、コイルの中性点端子の端末処理において、磁極ティースに繋がる磁性材へダイレクトにコイル端末を巻線と同時に自動的に処理することができる。
【0057】
実施例13.
この発明に係わる実施例13による回転電動機を図14と図15と図16と図17と図18と図19で説明する。図14は、ロータ対向面28の形状が、電動機の軸方向に複数段の階段状に形成されている例を示している。積層するコアの形状を複数種類用意することで容易に構成できる。図15と図16は2段の階段状に形成した磁極ティースを示している。また、図17と図18と図19は、磁極ティースのロータ対向面28側の一部を折り曲げ傾斜部30を設けている。
ロータ部と磁極ティース毎に分割された積層構造のステータ部とから構成される回転電動機において、磁極ティースのロータ対向面の形状が、電動機に軸方向に複数段の階段状に形成または軸方向に斜め形状にされているので、ステータのコア材の形状を変化させることで簡便にコギングトルクによる回転むらを少なくすることができる。すなわち、この種のモータのコギングトルクの減少策として、ロータマグネットの着磁をスパイラル形状にする手法があるが、特殊な装置が必要となり、着磁精度もよくなかった。
【0058】
実施例14.
この発明に係わる実施例14による回転電動機を図20で説明する。実施例9と同じく製作したステータ部のロータ対向面またはロータ対向面近傍に、磁性材ワイヤ31を複数回巻回する。
ステータ部のロータ対向面またはロータ対向面近傍に、磁性材のワイヤを複数回巻回しているので、磁極ティースからロータマグネットに有効に働く磁束の一部が隣接する磁極ティースに漏れることから、コギングトルク発生が緩慢となり回転むらを少なくすることができる。
【0059】
実施例15.
この発明に係わる実施例15による回転電動機の製造方法を図12と図13と図21と図22と図24と図25で説明する。図12は、ステータコアを磁極ティース毎に分割したアウタロータタイプの例を示している。ステータコアのプレス打ち抜きは、図21に示すように、磁極ティース15の磁束流れ方向に複数個連結した形状としている。この連結ステータコア20は、電動機の同相の磁極ティースを1本に集め、薄肉部10でつないだものである。連結ステータコア20を複数枚積層した状態で塗装等の絶縁処理を施した後、図23のように連結ステータコア20の両端を巻線機のステータ保持機32で張力を加えた状態で連結ステータコア20を長手方向を軸心として回転させて巻線を行う。図22は、巻線後の連結ステータコア20を示している。磁極ティースのコイル間の渡り線は、図のように切断することなく連続巻をしている。ステータの組立では、図25のように図24に示す樹脂成形品26を回転できる治具にセットし巻線後の連結ステータコア20の薄肉部をレーザ等で切除しながら磁極ティースを組み付けていく。渡り線25は、磁極ティース間でつながった状態で保てるように、巻線時にコイル上にたるみ分を余計にコイルに巻き付け余裕を持たせてある。
複数の磁極ティースを磁束流れ方向に直線状に繋げた状態で磁性材料をプレスし、巻線では隣接する磁極ティースを連続に巻き、磁極ティースをレーザビーム等で分断しながら樹脂成形品または基板上に配置固定しているので、巻線時のコイル形成が極めて容易となり、端末処理の接続においても接続回数が最小限となるとともに自動で処理可能となり、ステータの組立時においても精度よく簡便に組立ができ、生産性と信頼性が向上したモータを得ることができる。
【0060】
実施例16.
この発明に係る実施例16による回転電動機を図26、図27、図28、図29、図30及び図31を用いて説明する。図26は回転電動機の分解斜視図である。この回転電動機は、フレキシブルディスクドライブやハードディスクドライブ等に利用される薄型のインナーロータ型ブラシレスモータである。1はステータ、3はロータ、230は回転電動機の保護部材を兼ねるカバーホルダ、40はベース、50は磁気バランサである。ステータ1は成形されてカバーホルダ230に収納固定される。
【0061】
ステータ1は、図27及び図28に示すように磁性材をプレス打ち抜きしたステータコア20を積層した積層ステータコア1aと、図29及び図30に示すように積層ステータコア1aに巻き線されたコイル2とからなっている。図27に示すようにステータコア20は、回転電動機の相数に等しい磁極ティース15を一つのブロック9として構成し、複数のブロック9が薄肉部10で連結した形状となっている。コイル2の巻き線は、積層ステータコア1aが図27に示すように直線形状で行われる。尚、一般的に積層ステータコア1aにコイル2を巻き線する際には、塗装等で絶縁処理したあとに行われる。
【0062】
図26に示すようにロータ3は、スピンドルシャフト8を中央部に保持し、スピンドルシャフト8とロータ磁石4を連結するロータ磁石4のバックヨークを兼ねた円形状のロータホルダ223と、ロータホルダ223上に設けられたハブ224からなっている。ロータ3は、軸受け7を保持したベース40に軸受け7とスピンドルシャフト8が嵌合するように取り付けられる。
【0063】
ステータ1は、図31に示されているように図29に示されている直線状態から薄肉部10を変形させ円形状に成形しカバーホルダ230に取り付け固定される。図26に示すようにステータ1及びカバーホルダ230からなるステータ部100は、ロータ磁石4と磁極ティース15の先端部15aと対向し、かつ、所定の空隙を有するように、ベース40上に、ベース40に設けられたネジ部42及びネジ60によって取り付け固定される。43はコイル2とベース40を絶縁するための絶縁シートである。
【0064】
このようにステータ1は、カバーホルダ230によって形状が決められ、維持される。また、カバーホルダ230によってステータ1及びロータ3が保護されている。
【0065】
この実施例によれば、複数のブロック9からなるステータ1を回転電動機の保護部材であるカバーホルダ230に収納固定することによって、ステータコア20の配置精度を向上させることができ、また、カバーホルダ230を含むステータ部のハンドリング性を向上させることができるので組立が容易になる。また、ステータ部を単独で取り扱うことができるので、複雑な基台上にも回転電動機を組み込むことが可能となる。
この回転電動機の製造方法は、直線状のコアに巻線を容易に行なうことができる。また、回転電動機は直線状のコアを製作し、この直線状のコアに巻線を施し、この巻線された直線状のコアを屈曲成形するので、コアへの巻線が容易で組み立て性が良い。
【0066】
実施例17.
上記実施例16では、ステータコア20としてブロック9が薄肉部10で連結された例を示したが、図32のカバーホルダ230の一部を切り欠いた平面図に示すように、ステータ1が薄肉部10の部分で切断され、ブロック9が連結されない状態でカバーホルダ230に収納固定される構成としても、上記実施例と同様の効果が得られる。
この回転電動機の製造方法は、直線状のコアに巻線を容易に行なうことができる。この回転電動機は、直線状に伸展可能なコアと、このコアに巻き線された巻線と、コアを収納し、かつ位置決め固定する収納容器と、を備えるので、コアへの巻線が容易で組み立て性が良い。
【0067】
実施例18.
この発明に係る実施例18による回転電動機を図33、図34及び図35で説明する。図33はカバーホルダ230の一部を切り欠いた平面図、図34は図33の部分断面図、図35は図33の部分拡大図である。図33に示すようにステータ1が所定状態に成形され樹脂成形されたカバーホルダ230に挿入され、図34に示すようにカバーホルダ230に設けられた当て面231にブロック9の後部のバックヨーク部218の上面を当て、当て面232に磁極ティース15の先端部15aの上面を当てることによって高さ方向の位置決めを行い、図35に示すようにバックヨーク218の背面を当て面233に当てることによって半径方向が位置決めされ、磁極ティース15の先端部15aの両側面がカバーホルダ230のリブを兼ねた仕切り部234と当接することによって円周方向の位置決めがなされる。図33及び図35に示すようにカバーホルダ230にはステータコア20の薄肉部10が挿入される位置に支持ピン235及びステータコア20の両端部に設けられた固定部219と嵌合する支持ピン236が設けられており、これらの支持ピン235、236の先端部を図34に示すようにヒータチップ等の熱的手段によってかしめることによって、ステータ1をカバーホルダ230に固定している。尚、支持ピン235は、ステータ1をカバーホルダ230の当て面233に支持ピン235の弾性によって押し当てる機能も有している。また、図34に示すようにカバーホルダ230には、ロータマグネット4とオーバラップし高さ的に干渉しないようにロータ3の抜け止め部237が設けられている。このようにカバーホルダ230を樹脂成形で作ることによって、ステータ1の位置決め手段及び固定手段を容易に設けることができ、簡単にステータ1をカバーホルダ230に位置決め固定することができる。
【0068】
この実施例によれば、カバーホルダ230を回転電動機の保護カバーを兼ねた樹脂成形品とし、ステータ1をカバーホルダ230に位置決めするための位置決め部、前記ステータ1を固定するための固定部及び前記ロータ3の抜け止め部237を設けているので、ステータ1を高精度で収納することができ、容易に固定することができる。また、カバーホルダ230によってロータ3の抜け止めを行うことができる。
【0069】
実施例19.
この発明に係る実施例19による回転電動機を図36及び図37で説明する。図36は要部斜視図、図37は図36の断面図である。130は、非磁性材でプレス成形されたカバーホルダである。このカバーホルダ130に図36に示すようにステータ1が所定形状に成形されて取り付けられる。ステータ1は、カバーホルダ130の上面に打ち出し等の手段によって設けれたハーフピアス131にバックヨーク部218の上面を当て、先端部15aをカバーホルダ130の当て面132に当てることによって高さ方向位置決めを行い、バークヨーク部218の背面をカバーホルダ130の外周部でもある当て面133に当てることによって半径方向の位置決めを行い、バックヨーク部218をカバーホルダ130の当て面133と保持部134によって挟持することによって周方向の位置決めし、カバーホルダ130に固定している。これは、バックヨーク部218に凹部218aが設けられており、この内壁に保持部134の側面が当接しているからである。尚、保持部134は、ステータ1を当て面133に弾性によって押し当てる機能も有している。また、図37に示すようにカバーホルダ130には、ロータマグネット4とオーバラップし高さ的に干渉しないようにロータ3の抜け止め部135が設けられている。このようにカバーホルダ130を非磁性材のプレス成形で作ることによって、ステータ1の位置決め手段及び固定手段を容易に設けることができ、簡単にステータ1をカバーホルダ130に位置決め固定することができる。
【0070】
この実施例によれば、カバーホルダ130を回転電動機の保護カバーを兼ねた非磁性材からなるプレス成形品とし、ステータ1をカバーホルダ130に位置決めするための位置決め部、各磁極ティース15を磁気的に接続しているバックヨーク部218を挟持するステータ保持部134及びロータの抜け止め部135を設けているので、ステータ1を高精度で収納することができ、容易に固定することができる。また、カバーホルダ130によってロータ3の抜け止めを行うことができる。
【0071】
実施例20.
この発明に係る回転電動機の実施例を図38及び図39で説明する。図38はカバーホルダ230の一部を切り欠いた平面図、図39は図38のA部の拡大図である。ステータ1を収納固定しているカバーホルダ230に磁極ティース15の先端部15aとロータマグネット4が上方より覗けるウィンドウ238を数カ所に設けることによって、先端部15aとロータマグネット4の空隙gtをビデオカメラ等で観察することができ、これを画像処理し、これによって空隙gtが各ウィンドウ238で一定になるようステータ1とカバーホルダ230からなるステータ部100を調整することができ、高精度でロータ3に対してステータ部100を配置することができる。
【0072】
この実施例によれば、カバーホルダ230に、ステータ1とロータ3との位置を調整するためのウィンドウ(覗き部)238を設けられているので、ロータ3とステータ1のギャップgtをカメラ等で覗き、画像処理することによって、カバーホルダ230を含むステータ部を高精度で取り付けることができる。即ち、この回転電動機の収納容器が内部を点検するウィンドウ(覗き部)を有するので、内部構成部品を高精度に取り付けることができる。
【0073】
実施例21.
この発明に係る実施例21による回転電動機を図40及び図41で説明する。図40はカバーホルダ230の一部を切り欠いた平面図、図41は図40の要部断面図である。239はカバーホルダ230に設けられたコイル端末処理部で、先端部に回転電動機の相数に応じた絡げ部239aが設けられており、これにコイル2の端末2tが絡げられている。このようにすることによって、ステータ部100を取り扱う際にコイル端末が障害になることはなくなる。また、絡げ部239aを各々並行にかつ、磁極ティース15のピッチと同じピッチで配置することによって、コイル2の端末2tの絡げ部239aへの巻き線が、積層ステータコア1aへの巻き線機と同じ巻き線機で行うことが可能となる。さらに、図41に示すようにコイル端末処理部239を制御基板6と同一の高さに設けることによって、制御基板6への絡げ部239aに巻き線されているコイル2の端末2tの半田付けが簡単になり、半田付けの自動化が容易になる。尚、図中271はコイル2と制御基板6を絶縁するための絶縁層で、272は半田を示している。
【0074】
この実施例によれば、カバーホルダ230に、コイル2の端末処理部239を設けているので、カバーホルダ230を含むステータ部をハンドリングする際にコイル端末2tが障害になることがなく取扱いが容易となる。また、コイル端末2tの半田付け作業等が簡略化される。
この回転電動機は、巻線端末処理部である絡げ部を平行にかつ磁極ティースのピッチと同じピッチで配設したので、絡げ部への巻線がコアへの巻線機と同じ巻線機で行うことができる。
【0075】
実施例22.
この発明に係る実施例22による回転電動機を図42及び図43で説明する。図42は要部分解斜視図、図43はステータホルダ80の斜視図である。図43に示すようにステータホルダ80は、略放射状に設けられたコイル卷回部81、コイル巻回部81を内周側で繋いでいる保持リング部82、コイル巻回部81から保持リング部82にかけて設けられた略放射状の貫通孔であるステータ挿入部83からなっている。コイル巻回部81には、外周側からコイル2が巻き線される。また、図42に示すようにステータホルダ80のステータ挿入部83に積層ステータコア1aは外周側から矢印Bの方向に挿入され、バックヨーク部218とコイル巻回部81が当たることによって位置決めされる。尚、コイル2の巻き線もこの矢印B方向から行われる。ステータホルダ80、コイル2、積層ステータ1aによってステータ部100が形成され、この内周側にロータ3が配置されることによって回転電動機が構成される。このように構成することによって、インナーロータ型の回転電動機であってもアウターロータ型の回転電動機と同様に外周側からコイル2の巻き線を行うことができる。
【0076】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアを、略放射状に設けられたコイル巻回部81を有し、これにコイル2が外周側から巻回されたステータホルダ80に外周部から挿入固定する構造としているので、コイル2を巻き線する際に障害となる磁極ティース先端部(ステータコア突極)15aがないので、コイル巻き線が容易となる。
この回転電動機の製造方法は、ステータホルダに設けられたコイル巻回部に外周側から巻線を施し、巻線を施した後に連結した磁極ティースをコイル巻回部外周側から挿入固定するので、コイルを巻線する際に障害となる磁極ティース先端部がないので、巻線が容易になる。
【0077】
実施例23.
この発明に係る実施例23による回転電動機を図43と図44で説明する。図44は、積層ステータコア1aの平面図である。ステータホルダ80のステータ挿入部83に積層ステータ1aを挿入する場合、図44に示すように積層ステータコア1aの磁極ティース15の幅Wを先端部15aからバックヨーク部218の根元まで一定にすることによって、挿入が容易になり、組立性が向上する。
【0078】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコア1aの各々のティースの幅がロータ部と対向する先端部15aから各磁極ティース15を接続しているバックヨーク部218の根元まで一定に設けているので、ステータホルダ80への挿入が容易であり、組立性が良い。即ち、この回転電動機の製造方法は、幅が先端から根元まで一定の磁極ティースを用いるので、ステータホルダへの挿入が容易であり、組立性がよい。
【0079】
実施例24.
この発明に係る実施例24は回転電動機を図45及び図46で説明する。図45は要部斜視図、図46は要部平面図である。積層ステータコア1aにコイル2が巻き線されたステータ1は、薄肉部10で折り曲げられ所定の形状に成形された後、バックヨーク部218と重なるように設けられた略リング状の保持リング90に取付固定される。ステータ1及び保持リング90によってステータ部100が構成され、この内周側にロータ3が配される。このように、ブロック9が薄肉部10によって連結されたステータ1を保持リング90によって、精度良く安定して保持することができる。
【0080】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアを保持リング90に固定しているので、ステータコアを精度良く保持することができ、保持リングを含むステータ部のハンドリング性が良くなる。即ち、この回転電動機は、コアを容易に保持リングに固定できる。
【0081】
実施例25.
上記実施例では、ステータ1として各ブロック9が薄肉部10で連結された例を示したが、図47に示すようにステータ1として各ブロック9に分割されたものを保持リング90に取り付ける構成としても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0082】
実施例26.
この発明に係る実施例26による回転電動機を図46及び図48で説明する。図48は、図46の部分斜視図でステータ1と保持リング90の固定手段説明図である。201はスポット溶接機の電極であり、これによってステータ1のブロック9の両端に設けられている溶接部9aと保持リング90の溶接部91を挟み込んで溶接し、ステータ1を保持リング90に固定している。ステータ1の溶接部9aをブロック9の中央部ではなく端部としているのは、溶接時の熱によって磁路を形成する磁極ティース15及びバックヨーク部218からなるブロック9の中央部の磁気特性が劣化しないようにするためである。このように、ステータ1と保持リング90をスポット溶接することによって、容易にステータを固定することができる。
【0083】
この実施例によれば、保持リング90を磁性材料とし、ステータコア1aとともにスポット若しくはレーザビーム等で熱的に溶接しているので、ステータコア1aを容易に保持リング90に固定することができる。
【0084】
実施例27.
上記実施例26ではステータ1の保持リング90への固定手段としてスポット溶接を用いたが、図49に示すように、ステータ1のブロック9の両端に設けられた溶接部9aと保持リング90の溶接部91をYAGレーザ202によって溶接することもできる。尚、YAGレーザ202による溶接の方が、スポット溶接に比べて電極201による押さえつけがないので、精度良く溶接ができる。また、溶接条件によっても多少異なるがYAGレーザによる溶接の方が、溶接の際に高温になる範囲を狭くできるので、ブロック9の磁気的な劣化が小さくなる。
【0085】
実施例28.
この発明に係る実施例28による回転電動機を図26、図42、図46、図50、図51及び図52で説明する。図26、図42及び図46に示されている磁気バランサ50は、ステータ1のブロック9の欠落部に配されたロータ3と同心円状の略弓形を呈した磁界安定部材である。このブロック9の欠落部は、記録再生装置等のヘッドが移動するための空間として必要に応じて設けられるものである。この磁気バランサ50の作用について、図50及び図51を用いて説明する。図50に示すようにステータ1にブロック9のブロック欠落部1bがある場合、このブロック欠落部1bでロータ3のロータマグネット4とステータ1によって形成される磁界が不連続になり、ロータ3の回転にリップルが生じる。そこで、図51に示すようにブロック欠落部1bに略弓形状の磁気バランサ50を配することによって、磁界が連続的になるようにし、リップルを低減するものである。次に、磁気バランサ50の効果についての測定結果を示す。測定サンプルとして用いたものは、ロータ3の外形Dはφ35mm程度であり、ステータ1の磁気ティース15の先端部15aとロータ3のロータマグネット4間の空隙gtは0.25mmのものである。図52に磁気バランサ50とロータマグネット4間の空隙gbを変化させた場合の回転変動の測定結果を示す。尚、磁気バランサ50を装着していない場合の回転変動は、1.3%程度である。回転変動が極小となるのは、略弓形状の磁気バランサ50を用いた場合にはgbがgtの2倍程度の0.55mmのときである。また、gbがgtより小さくなると急激に回転変動が大きくなるので、gb≧gtとするのが良い。スペース的に問題がなければgb≧2×gtとするのが好ましい。このように、ブロック欠落部1bに磁気バランサ50を配することによって回転変動を小さくすることができる。
【0086】
この実施例によれば、必要に応じてステータコアの一部にブロック欠落部1bを設けた場合、この欠落部1bにロータ3とほぼ同心円状に略扇形状を呈した磁性材からなる磁気バランサ50を設け、磁気バランサ50と前記ロータ部3の空隙gbと前記磁極ティース先端部15aとロータ部3との空隙gtの関係がgb≧gtとすることによって、欠落部1bの影響による回転変動を小さくすることができる。即ち、この回転電動機は、欠落部の影響による回転変動を小さくできる。
【0087】
実施例29.
この発明に係る実施例29による回転電動機を図53で説明する。図53はカバーホルダ230の一部を切り欠いた平面図である。ステータ1のブロック欠落部1bに配される磁気バランサ50は、カバーホルダ230のバランサ取付部230aにロータ3に設けられたロータマグネット4と対向するように接着固定されている。磁気バランサ50の接着が剥がれても磁気バランサ50がロータマグネット4に当たらないように、カバーホルダ230にはバランサ押さえ部230bが設けられている。これは、磁気バランサ50をカバーホルダ230に取り付ける際の案内部材でもある。磁気バランサ50はカバーホルダ230の下方向から取り付けられ、バランサ取付部230a、バランサ押さえ部230b及びカバーホルダ上面部によって位置決めされている。このように、カバーホルダ230に磁気バランサ50の取付部を設けることによって、容易に取り付けられるようになる。また、磁気バランサ50をカバーホルダ230に取り付けることによって、ステータ部100として扱うことができるので、組立の際に小物のハンドリングがなくなり作業性が向上するとともに、自動化も容易になる。
【0088】
この実施例によれば、磁気バランサ50が前記カバーホルダ230に固定しているので、ステータ部の一部として扱うことができ取り付け性及び部品のハンドリングが良くなる。また、カバーホルダ230に磁気バランサ固定部を設けることによって、磁気バランサを容易にステータ部に固定することができる。
この回転電動機は、磁気バランサが収納容器に固定されているので、磁気バランサをステータの一部として扱うことができ取り付け性及び部品のハンドリングが良くなる。
【0089】
実施例30.
この発明に係る実施例30による回転電動機を図54で説明する。図54は磁気バランサ50の取付部を示す部分斜視図である。図示されているように、保持リング90に固定されたステータ1の両端部に設けられたバランサ保持部1cに磁気バランサ50の溶接部50aをスポット溶接することによって、簡単に磁気バランサ50をステータ1に固定することができる。201はスポット溶接機の電極である。尚、ステータ1、保持リング90及び磁気バランサ50を同時にスポット溶接することも可能である。
【0090】
この実施例によれば、磁気バランサ50がステータコアにスポット若しくはレーザビーム等で熱的に溶接固定することによって、容易に磁気バランサ50をステータ部に固定することができる。
【0091】
実施例31.
上記実施例30では磁気バランサ50のステータ1への固定手段としてスポット溶接を用いたが、図55に示すように、保持リング90に固定されたステータ1の両端部に設けられたバランサ保持部1cに磁気バランサ50の溶接部50aをYAGレーザ202によって溶接固定することもできる。このように、磁気バランサ50をステータ1に溶接することによって、磁気バランサ50をステータ部100として扱うことができるので、ハンドリングが容易になり作業性が向上する。
【0092】
実施例32.
この発明に係る回転電動機の実施例を図56で説明する。図56は要部斜視図である。これは、ステータ1を保持する保持リング90に、磁気バランサ50を一体的に設けたものである。このようにすることによって、部品点数を増やすことなく磁気バランサ50を設けることができる。尚、この実施例においても実施例28と同様に、ロータマグネット4と磁極ティース15の先端部15a間の空隙gtとロータマグネット4と磁気バランサ50間の空隙gbの関係を、gb≧gtとするのが良い。
【0093】
この実施例によれば、必要に応じてステータコアの一部にブロック欠落部1bを設けた場合、この欠落部1bにロータ3とほぼ同心円状に略扇形状を呈した磁性材からなる磁気バランサ50が保持リング90と一体的に設けられ、磁気バランサ50と前記ロータ部の空隙gbと前記磁極ティース先端部15aとロータ部3との空隙gtの関係をgb≧gtとすることによって、欠落部1bの影響による回転変動を小さくすることができる。また、部品点数を増やすことなく磁気バランサ50を容易に設けることができる。
【0094】
実施例33.
この発明に係る実施例33による回転電動機を図57で説明する。20aは、ステータ1のブロック欠落部1bに設けられたステータコア20の両端部から延長され、ロータ3と同心円状を呈した磁気バランサ部である。この磁気バランサ部20aは、図57に示すように中央部の突き合わせ部20bで突き合わすような形状となっている。これは、前記実施例16と同様にステータコア20を直線状態に磁性材をプレスにより打ち抜きして積層し、積層ステータ1aにコイル2を巻き線した後に各ブロック9を薄肉部10で曲げて、図57のような状態にするためである。このように、コイル2の巻き線性を損なわずに磁気バランサ50をステータコア20の一部として設けることができる。
【0095】
この実施例によれば、必要に応じてステータコアの一部にブロック欠落部1bを設けた場合に、ステータコアのブロック欠落部1bの両端から延長された磁気バランサ50が設けられており、スポット若しくはレーザビーム等で熱的に溶接することによって、容易に磁気バランサ50を設けることができ、欠落部1bの影響による回転変動を小さくすることができる。
【0096】
実施例34.
次に、この磁気バランサ部20aの接合について図58を用いて説明する。この図では各ブロック9が薄肉部10で連結されておらず、保持リング90上に固定されているが、接合方法は同じである。接合は、磁気バランサ部20aを突き合わせ、この突き合わせ部20bをスポット溶接機の電極201で挟み込み溶接する。このように磁気バランサ部20aを容易に接合することができ、これによってステータ部100の強度を向上させることができる。
【0097】
実施例35.
上記実施例34では磁気バランサ部20aの接合手段としてスポット溶接を用いたが、図59に示すように磁気バランサ部20aの突き合わせ部20bをYAGレーザ202によって、溶接することもできる。
【0098】
実施例36.
上記実施例33〜35では磁気バランサ20aの突き合わせ部20bの形状として平坦な端面としたが、図60に示すように突き合わせ部20bを互い違いに重なるようにすることによって接合強度を向上させることができる。
【0099】
実施例37.
この発明に係る実施例37による回転電動機を図61及び図62で説明する。図61は、前記実施例16等に用いられているステータ1のブロック9の拡大図である。図61において、各磁極ティース15b,15cを略平行に設けた場合先端部15aからバックヨーク部218の根元までの磁極ティース15b,15cの長さの関係はLb>Laとなり、各磁極ティース15b,15cで形成される磁路の磁気抵抗が異なる。これを確認するために、ロータ3を外部力によって回転させ、各コイル2b,2cに誘起される電圧を測定したところ、コイル2bの誘起電圧Vb、コイル2cの誘起電圧をVcとするとVb>Vcとなりこの比は、前記実施例28と同様のサンプルで測定したところVc/Vb=0.98程度となった。誘起電圧は駆動力(正確にはトルク定数)に比例することが一般的に知られている。よって、各磁極ティース15b,15cで発生するトルクが異なり、トルクリップルの要因となる。そこで図62に示すように、コイル2cの巻き数Ncをコイル2bの巻き数Nbと比べNc>Nbとし、かつ、各コイル2b,2cで抵抗が異ならないように、コイル2bの導体径をd1、コイル2cの導体径をd2とすると、d2>d1とする。このようにすることによって、各磁極ティース15b,15cで発生するトルクを一定にすることができ、トルクリップルの小さい回転電動機が得られる。
【0100】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアの各ブロック9において磁極ティース15の長手方向(磁路方向)の長さが長くなるに応じて、コイル2の巻数を増やしコイル導体径を大きくすることによってブロック9における各磁極ティース15の発生磁界(回転磁界)のアンバランスを減少させることができ、トルクリップルを小さくすることができる。
即ち、この回転電動機は、直線状に伸展可能なステータコアと、このステータコアに巻き線された巻線と、を備え、ステータコアの磁極ティースが複数平行して配設される場合は、その長さが長くなるのに応じてコイル導体径を大きくする構成にしたので、各磁極ティースの発生磁界のアンバランスを減少させる。
【0101】
実施例38.
この発明に係る実施例38による回転電動機を図63で説明する。上記実施例37では、磁極ティース15b,15cの長さLa,Lbの違いによるトルクリップルをコイル巻き数を変えることによって改善したが、図63に示すように、磁極ティース15bの幅をw1、磁極ティース15cの幅w2とした場合w2>w1とし、かつ、各コイル15b,15cで抵抗が異ならないように、コイル2bの導体径をd1、コイル2cの導体径をd2とすると、d2>d1とする。このようにすることによって、前記実施例と同様に各磁極ティース15b,15cで発生するトルクを一定にすることができ、トルクリップルの小さい回転電動機が得られる。
【0102】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアの各ブロック9において磁極ティース15の長手方向(磁路方向)の長さが長くなるに応じて、磁極ティース15の幅を広くしコイル導体径を大きくすることによってブロック9における各磁極ティース15の発生磁界(回転磁界)のアンバランスを減少させることができ、トルクリップルを小さくすることができる。
即ち、この回転電動機は、各磁極ティースの発生磁界のアンバランスを減少させる。
【0103】
実施例39.
この発明に係る実施例39による回転電動機を図64で説明する。上記実施例37,38では、トルクリップルを低減するための対策にコイル2の巻き線仕様の変更がともなったが、各磁極ティース15b,15cでコイル2の仕様が異なると巻き線の効率が低下する、そこで、図64に示すようにコイル2の巻き線位置を磁極ティース15b,15cの先端部15aからLで一定の位置とすることによっても対応できる。このように、コイル2の巻き線仕様を各磁極ティース15b,15cで変えることなくトルクリップルを低減できるので、巻き線の効率を低下させることがない。
【0104】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアの各ブロック9において磁極ティース15の長手方向(磁路方向)の長さに応じてコイル巻回位置が異なるようにすることによってブロック9における各磁極ティース15の発生磁界(回転磁界)のアンバランスを減少させることができ、トルクリップルを小さくすることができる。
即ち、この回転電動機は、直線状に伸展可能なステータコアと、このステータコアに巻き線された巻線と、を備え、ステータコアの磁極ティースが複数平行して配設される場合は、その長さに応じてコイル巻回位置を異ならせる構成にしたので、各磁気ティースの発生磁界のアンバランスを減少させる。
【0105】
実施例40.
この発明に係る実施例40による回転電動機を図65で説明する。図65は、前記実施例16,18,22,37,38,39等に用いられている積層ステータコア20にコイル2を巻き線している状態を示す平面図である。ブロック9の各磁極ティース15を図65等に示すように略平行にすることによって、図65に示すように巻き線機203のノズル21と磁極ティース15が各々平行状態になり、ブロック9内に設けている複数の磁極ティース15に同時にコイル2を巻き線できるようになり、巻き線の効率を向上させることができる。尚、前記実施例16で説明したように積層ステータコア20は、コイル2を巻き線した後に薄肉部10を曲げることによって、例えば図31に示すよう形に成形される。
【0106】
この実施例によれば、ブロック9の各々の磁極ティース15が略々平行にしているので、磁極ティース15にコイル3を巻き線する場合に、巻き線機のノズル部21と各磁極ティース15すべてが平行となるため巻き線機203の構成が簡略化されるばかりでなく、1つのブロック9の磁極ティース数に等しい数のノズルを巻き線機に配置することで、同時に複数本のコイルを巻くことが可能となる。また、巻き線時のノズル21の動きを単純化できるので巻き線スピードの向上や巻き線時の不良発生低減が可能となる。これらの効果によって、ステータ巻き線の生産性を向上させることができる。
この回転電動機の製造方法は、直線状のコアを製作し、この直線状のコアのほぼ平行に配設された磁極ティースに同時に巻回させる構成にしたので、巻線機の構成が簡略化されると共に、巻線の生産性が向上する。
【0107】
実施例41.
この発明に係る実施例41による回転電動機を図66及び図67で説明する。図66,図67は平面図である。図66に示すようにステータ1にブロック欠落部1bが存在し、磁極ティース15の先端部15aとロータマグネット4との空隙をgで一定とした場合、ブロック欠落部1bと反対方向の矢印X方向にロータ3に不平衡磁気吸引力が作用する。これによって、ロータ3を支持しているスピンドルシャフト8を含む軸受け部の摩擦力が増加し、回転電動機のトルク損失が増し効率が低下する。そこで、図67に示すように、ブロック欠落部1b側の空隙g1とこれとは反対側の空隙g2の関係がg2>g1となるようにロータ3を偏心して取り付けることによって、等価的にブロック欠落部1b側の磁束密度Bg1と反対側の磁束密度Bg2を等しくすることが可能となり、不平衡磁気吸引力が小さくなり、トルク損失を低減できる。これは、不平衡磁気吸引力が空隙の磁束密度のアンバランスによって生じ、空隙の磁束密度Bgの2乗に比例するためである。
【0108】
この実施例によれば、必要に応じてステータコアの一部にブロック欠落部1bを設けた場合に、ロータ3をこのブロック欠落部1bの方向に偏心させて取り付けることによって、不平衡磁気吸引力が小さくなり、軸受け部に加わる負荷を低減することができ、軸ロスの増加を抑えることができる。
この回転電動機は、直線状に伸展可能なステータコアと、このステータコアに巻き線された巻線と、ステータコアを収納し、かつ位置決め固定する収納容器と、ステータコアと同心円状に設けられたロータと、を備え、ステータコアにはブロック欠落部が設けられ、ロータをこのブロック欠落部の方向に偏心させる構成にしたので、不平衡磁気吸引力が小さくなり、トルク損失を低減できる。
【0109】
実施例42.
この発明に係る実施例42による回転電動機を図68で説明する。上記実施例41では、ブロック欠落部1bが存在する際にロータ3を偏心させることによって、不平衡磁気吸引力を低減したが、図68に示すように、ブロック欠落部1bとは反対側のブロック9rの空隙grを他の部分空隙gよりもgdだけ大きくすることによっても同様の効果が得られる。
【0110】
この実施例によれば、必要に応じてステータコアの一部にブロック欠落部1bを設けた場合に、このブロック欠落部1bと対向する位置のブロックの空隙を他のブロックの空隙に比べて相対的に大きくすることによって、不平衡磁気吸引力が小さくなり、軸受け部に加わる負荷を低減することができ、軸ロスの増加を抑えることができる。
この回転電動機は、直線状に伸展可能なステータコアと、このステータコアに巻き線された巻線と、ステータコアを収納し、かつ位置決め固定する収納容器と、ステータコアと同心円状に設けられたロータと、を備え、ステータコアにはブロック欠落部が設けられ、このブロック欠落部とは反対側の位置のブロック空隙を他のブロック空隙より大きくした構成にしたので、不平衡磁気吸引力が小さくなり、トルク損失を低減できる。
【0111】
実施例43.
この発明に係る実施例43による回転電動機を図69及び図70で説明する。図69はステータ部100の部分斜視図、図70は磁極ティース15b,15cの内先端部15aとバックヨーク部218の根元までの長さLが一番短い中央部の磁極ティース15bの断面図である。前記実施例37で説明したように、磁極ティース15b,15cを略平行に設けた場合、各磁極ティース15b,15cに形成される磁路の磁気抵抗が異なり、Lが短い磁極ティース15bを通過する磁路の磁気抵抗が小さくなる。そこで、磁極ティース15bにステータコア20を積層し固定するための抜きかしめ部20cを設け、磁極ティース15bで抜きかしめによるステータコア20の積層固定をする構成とすることによって、各磁極ティース15b,15cを通る磁路の磁気抵抗を均一化することができる。これは、抜きかしめを行うことによって磁極ティース15bに応力が加わり磁極ティース15bの磁気特性が劣化するためである。このように磁極ティースの長さが短い部分に抜きかしめ部を設けることによって、磁気抵抗を均一化でき、トルクリップルを低減することができる。
【0112】
この実施例によれば、ブロック化されたステータコアの各々のブロック9において磁極ティース15の長手方向(磁路方向)に長さが一番短い磁極ティース15bに前記ステータコアを積層固定するための抜きかしめ部20cを設けることによって、各磁極ティース間の磁気抵抗の差が小さくなり、磁極ティース15の発生磁界のアンバランスが低減され、トルクリップルが減少する。
【0113】
実施例44.
前記実施例16では、ステータ部100、ロータ3を平板状のベース40に取り付けていたが、図71に示すように例えばフレキシブルディスク駆動装置のフレーム140上に軸受け7を設け、これにロータ3のスピンドルシャフト8が嵌合するように取り付けられ、その後に、カバーホルダ230にステータ1が所望の形に成形収納されたステータ部100がネジ60とネジ部141によって取付固定される構成とすることも可能である。この構成の場合、カバーホルダ230の下面とネジ部141の周辺部が当接し高さ方向の位置決めがなされるようにしているが、ロータ3とステータ1との高さ方向の位置精度を高めるためには、積層ステータコア1aの下面とフレーム140の取付面が当接するようにするのが良い。このように、ステータ1をカバーホルダ230に収納しステータ部100として扱えるようにすることによって、側壁等がある複雑な形状のフレームにも取り付けられるようになり、回転電動機のビルトイン構造が容易になる。
【0114】
実施例45.
以下、この発明の実施例45を図について説明する。図72はこの実施例によるモータの正面図であり、これがフロッピーディスクドライブやハードディスクドライブ等に利用される薄型形状を特徴としたブラシレスモータとして形成されている。図において、1はステータ、2はステータ1の磁極ティース15に巻かれたコイル、3はロータ、4はロータマグネットである。また、ステータ1は、複数のステータ構成部(ブロック)9が薄肉部10で連結された形状をしている。
【0115】
図73は図72のステータ1を構成する積層コア20の正面図、図74はその側面図であり、図に示すように、プレス打ち抜きされた磁性材321の形状は、複数個のステータ構成部9とこれらを連結する薄肉部10が図72で示したステータ1と異なる形状となっている。
【0116】
この場合、プレス打ち抜きされた薄片の磁性材321の形状は直線状であり、ステータ1の形状は円状である。また、プレス打ち抜きされた磁性材321は、複数枚を重ね合わせた状態として、積層コア20に形成されている。なお、311は薄肉部10の両側に突設された一対の突起である。
【0117】
図75は上記積層コア20にコイル2を形成した状態を示す正面図であり、図76はその側面図である。コイル2は、例えば図83に示すように、直線状の積層コア20に対向した位置に巻線機203を配置し、1本または複数本の巻線ノズル21からマグネットワイヤ306を引き出し、磁極ティース15に巻付けていく。
【0118】
ここで、積層コア20の形状の制約を受けるとことなく巻線機203が配置できるため、コイル2を形成することが容易になり、高速・整列状態の高密度に巻線を行うことが可能となる。また、複数のコア部9にコイル2が巻かれる場合に、薄肉部10で積層コア20の各々のコア部9が連結されているため、コイル2の渡り線25がコア部9間を切断することなく連続に巻くことが可能となり、コイル2間の接続処理が最小限とすることができる。
【0119】
図77は上記積層コア20にコイル2を形成した後、薄肉部10を変形させてステータ1の形状としたものを示す正面図であり、図84は、折り曲げ治具319にステータ1を押し当てながら薄肉部10を変形させている途中経過を示している。
【0120】
また、図85は薄肉部10を折り曲げて、適正な位置関係にステータ1の形状を得た状態を示している。これにより、積層コア20をばらばらに分割したものに比べると、積層コア20の部品点数を増やすことがなく、しかも小物のハンドリングを不用にできることがわかる。
【0121】
図78は積層コア20の他の実施例を示す正面図、図79は図78の側面図であり、図73と異なり薄肉部10の両側に突起としての各一対の磁路形成部314が形成されている。そして、図80は図78の積層コア20にコイル2を形成した状態を示し、図81は図80の側面図である。さらに、図82は図84,85と同じようにして、ステータ1の形状に薄肉部10を変形させたものを示す。
【0122】
ステータ1の形状に変形された状態においては、図77に示す薄肉部10の両側に配置された各対の突起311や、図82に示す薄肉部101の両側に配置された各対の磁路形成部314は、磁路を形成し、かつ樹脂ピンまたはネジ等を挿入または螺入して構造体にステータ1を樹脂ピンやねじなどの締結部材で固定するためのC字状の切欠10aまたは円形状の孔10bなどの締結部材挿入部を形成するようにしている。このため、積層コア20の複数個のコア部9をこれらの両端で強固に支持固定することが可能となる。
【0123】
図86はプレス打ち抜きされた磁性材321の他の実施例を示し、ここでは薄肉部10の近傍にブリッジ状に補強部309を連設している。また、図87はコイル2(図示しない)の形成後に薄肉部10を補強する補強部309を除去するようすを示したものである。
【0124】
このようにすることで、プレス打ち抜きされた磁性材321を、積層コア20のアニール熱処理や巻線処理時のハンドリング時において、積層コア20の薄肉部10が変形したり破損したりすることを防止することが可能となる。なお、プレス打ち抜き工程において、図86のようにプレス打ち抜きされる磁性材321を配置することで、一体型コアに比べ、磁性材の板材を有効に活用でき、プレス抜きの捨て材を減らすことができる。
【0125】
図88は図73で示したようなプレス打ち抜きされた薄肉部10の形成されている磁性材321と、薄肉部10が形成されていない磁性材とが重ね合わされた積層コア20の側面図であり、図89はその積層コア20をステータ1の形状に変形したものの部分斜視図であり、薄肉欠落部323が形成されている。このようにすることで、積層コア20の積層枚数が多い場合においても、薄肉部10を変形させて容易に折り曲げることができる。
【0126】
また、図73で示したプレス打ち抜きされた磁性材321では、両端部に固定部219を有し、この固定部219は、孔または円状、C形状の切り欠きあるいは突起形状などの位置決め部とされ、このような形状とすることで、積層コア20のハンドリングが容易となり、この固定部219を利用して、巻線における多数の磁性材321からなる積層コア20の位置決め精度を向上させることができる。
【0127】
図90はコイル2を形成した後の積層コア20を薄肉部10で折り曲げてステータ1の形状としたものを示し(ここではコイル2を省いて示してある)、隣接する積層コア20のコア部9の対向する突起としての磁路形成部314を密着または接近させ、YAGレーザ等でこれらの磁路形成部314間を積層方向の両端面または片端面で溶着固定して溶接部324としてある。図91はこの溶接部324の詳細を示す部分断面図である。このように磁路形成部314を溶着固定することで、積層コア20のコア部9同志をさらに強固に固定することができ、この積層コア20の一体構造の安定化と上記磁路形成部314を中心とする構造物への取り付けを堅固、確実なものとすることができる。
【0128】
図92は重ね合わせた複数の磁性材321の一箇所または複数箇所で上電極325と下電極326とにより、磁性材321の積厚方向に挟み、重ね合わせた複数枚の磁性材321に加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材321の電流パス部を自己発熱により溶着する状態を示し、これにより重ね合わせた複数枚の磁性材321を一体に固着することができる。スポット溶接の強度がかしめや接着に比べ大きく、しかもスポット箇所を選ぶ自由度が大きいことが利点である。
【0129】
図93および図94は磁性材321の他の固着方法を示し、ここでは図93で示すように、重ね合わせたプレス打ち抜きされた複数の磁性材321の一箇所または複数箇所の突起311を、図94に示すように、一箇所または複数箇所で上電極325と下電極326とにより積層方向に挟み、重ね合わせた複数枚の磁性材321に加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材321の電流パス部を自己発熱により溶着する。これにより、重ね合わせた複数枚の磁性材321を一体に固着することができる。図95はこの方法による積層コア20の溶着固定部327を模式的に示す。
【0130】
図96、図97および図98は磁性材321のさらにに他の固着方法を示し、プレス打ち抜きされた磁性材321の表面の一箇所または複数箇所には、図96に示すように、僅かな凹凸突起部328が設けられており、この凹凸部328は、プレス金型によって容易に形成される。そして、かかる凹凸部328を設けたプレス打ち抜きされた磁性材321を、図97に示すように複数枚重ね合わせ、凹凸部328の対応部位を積層コア20の上下から上電極325と下電極326とにより積厚方向に挟み、加圧しながら大電流を通電する。
【0131】
こうすることにより、凹凸部328が大電流通電により局部的に自己発熱し、凹凸部328が溶着固定部327で、図98に示すように互いに溶着し、重ね合わせた複数枚の磁性材321が一体に固着される。
【0132】
図99は上記積層コア20における磁極ティース15のコイル形成部を詳細に示す一部の破断図、329はこの破断した状態を示すコイル形成部断面であり、例えば図100に示すように、プレス打ち抜きされた磁性材321の一部または全周部のプレス断面における角部が滑らかなアール形状330に成形されて、これらの磁性材321が複数枚重ね合わされている。
【0133】
こうすることにより、積層コアに樹脂一体成形や樹脂ボビンや絶縁シートの熱溶着などの絶縁処理を必要とすることなく、積層コアに直接または薄い塗装被膜を塗布すことだけで、積層コアにマグネットワイヤを巻線することが可能となる。
【0134】
図101および図102はコイル形成部断面329の他の実施例を示すもので、プレス打ち抜きされた磁性材321の一部または全周部のプレス断面の形状が、半径の大きいアール形状部331と半径の小さいアール形状部332で形成され、重ね合わせた複数枚の積層方向両端面の磁性材321を積層方向の外側に半径の大きいアール形状部331を配置している。
【0135】
こうすることにより、例えば磁性材の板厚の半分以上の大きいアール形状を複数枚の積層方向の両端面の磁性材を積層方向の外側に配置することを可能にし、磁性材の板厚が薄い場合にも対応でき、積層コアに直接または薄い塗装被膜を塗布することだけで、積層コアにマグネットワイヤを巻線することが可能となる。
【0136】
図103および図104は積層コア20の他の実施例を示す部分斜視図および部分断面図であり、図103では、コア部9に対応する位置の積層コア20の上下面に絶縁材薄板333を接着してあり、図104では上記コイル形成部断面329位置において、積層コア20の上下面に絶縁材薄板333を接着した状態を示す。
【0137】
これによれば、積層コア20に樹脂の一体成形や樹脂ボビンや絶縁シートの熱溶着などの絶縁処理をせずに、積層コア20にマグネットワイヤを巻線することができる。
【0138】
図105および図106は、積層コア20のさらに他の実施例を示す部分斜視図および部分断面図であり、図105では、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材321間の任意の位置に、絶縁材料としての絶縁シートの間に導体の配線パターン335を配置したフィルム状の配線用シート334を挟み込むように介在したものを示す。
【0139】
また、図106は上記配線シート334を挟み込んでいる状態を上記のコイル形成部断面329について示したものである。このようにして積層コア20を形成することで、コイル2の端末線を配線用シート334の配線パターン335に直接接続処理ができることとなる。
【0140】
図107および図108は積層コア20のまた他の実施例を示す部分斜視図および部分断面図であり、図107で磁性材321と同等形状の磁性材基板336の表面に絶縁材料の薄膜と銅等の導電体の薄膜を予め重ねて形成しておき、この導電体の薄膜のエッチング処理により配線パターン335を形成し、これの上に絶縁材料を塗布して形成した磁性材基板336を、積層コア20の片端面に接着するものを示している。
【0141】
また、図108は上記磁性材基板336を積層コア20の上面に接着した状態を、上記コイル形成部断面329に対応位置にて示したものである。このようにして積層コア20を形成することで、コイル2の端末線を磁性材基板336に直接接続処理ができることとなり、積層コア20の薄形化を図れる。
【0142】
この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材が複数個のコア部とこれらを連結する薄肉部で形成され、コイル形成後に上記薄肉部を折り曲げて、モータ等の磁路を形成するようにして、コイルの整列、形成を容易化し、高速・高密度に巻線を行えるようにする。
また、複数のコイルが巻かれる場合に、薄肉部でコア部を連結しているために、コイルの端末線をコア部間で切断することなく連続的に巻けるようにし、コイル間の接続処理に要する作業を最小限にする。
【0143】
さらに、積層コアは、薄肉部の両側に、該薄肉部を折り曲げることによって互いに接合されて磁路を形成するとともに、コア固定のための締結部挿入部を形成する突起を設けるように構成したので、薄肉部付近で積層コアをねじ等により構造体に確実に固定でき、かつ各ステータ構成部を継ぐ磁路を容易に形成できるものが得られる効果がある。
さらにまた、磁性材の薄肉部を補強する補強部を設け、さらに薄肉部を折り曲げる際に薄肉部を補強する補強部を除去できるようにし、プレス抜きなどにおいて積層コアの薄肉部が変形や破損したりすることを防ぎ、また、アニール熱処理や巻線処理時のハンドリングの時において、薄肉部が変形することを防止する。
【0144】
また、薄肉部が形成されている磁性材と薄肉部が形成されていない磁性材を重ね合わせることで、積層枚数が多い場合においても、容易に薄肉部を折り曲げられるようにする。
さらに、薄肉部で連結された磁性材の両端の2箇所に、穴または円状またはC形状の切り欠きまたは突起を位置決め部として設けることで、ハンドリングを容易にし、また、巻線における位置決め精度を向上させる。
さらにまた、薄肉部で折り曲げることにより、隣接する突起を密着または接近させた状態で薄肉部両側の突起間を、YAGレーザ等を用いて積層方向の両端面または片端面で溶着固定するように構成したので、積層コアのステータ構成部(ブロック)間を強固に連結できる。
【0145】
積層コアは、重ね合わせた磁性材の一箇所または複数箇所に電極等で積層方向に挟み、重ね合わせた複数枚の磁性材に加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材の電流パス部を自己発熱により溶着することで、重ね合わせた複数枚の磁性材を一体に固着し、かしめ固定や接着固定することなく、確実かつ容易に積層固定可能にする。また、プレス金型の中で抜きかしめする場合に比べ、磁束の通り道を邪魔することがないため、磁気特性の良いコアが得られ、また、スポット溶接の強度がかしめや接着に比べ大きいために、スポット箇所を選ぶ自由度を大きくする。
この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材のプレス形状の外周側の一箇所または複数箇所に突起を設け、重ね合わせた複数枚の磁性材の突起部を電極等で積層方向に挟み、複数枚の磁性材に加圧した状態で大電流を通電し、突起部を局部的に自己発熱により溶着することで、重ね合わせた複数枚の磁性材を一体に固着可能にし、上記電極と上記突起部とを安定した接触面積で通電することを可能にし、複数枚の磁性材の接合強度を安定化させる。
【0146】
この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材の表面の一箇所または複数箇所に凹凸部を設け、重ね合わせた複数枚の磁性材の凹凸部を電極等で積層方向に挟み加圧しながら大電流を通電し、その凹凸部を局部的に自己発熱により溶着することで、重ね合わせた複数枚の磁性材を一体に固着可能にし、かしめ固定や接着固定することなく、容易に積層固定可能にする。プレス金型の中で抜きかしめする場合に比べ、磁束の通り道を邪魔することがないようにし、磁気特性の良いコアが得られるようにする。また、プロジェクション溶接の強度がかしめや接着に比べ大きいことにより、凹凸部を選ぶ自由度を大きくする。
プレス打ち抜きされた磁性材の一部または全周部のプレス断面を滑らかなアールに成形して、これらの複数枚の磁性材を重ね合わせることで、積層コアに樹脂一体成形や樹脂ボビンや絶縁シートの熱溶着などの絶縁処理を必要とすることなく、直接または薄い塗装被膜を塗布すことだけで、マグネットワイヤを巻線することが可能となる。
【0147】
また、この積層コアは、プレス打ち抜きされた磁性材の一部または全周部のプレス断面の形状が半径の大きいアール形状と半径の小さいアール形状で形成し、重ね合わせた複数枚の積層方向の両端面の磁性材を積層方向の外側に半径の大きいアール形状を配置することで、磁性材の板厚の半分以上の大きいアール形状を複数枚の積層方向の両端面の磁性材を積層方向の外側に配置することを可能にし、磁性材の板厚が薄い場合にも損傷にない巻線に対応可能にする。
この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材の積層方向の両端面に絶縁材料の薄板を接着することで、樹脂一体成形や樹脂ボビンや絶縁シートの熱溶着などの絶縁処理を必要とすることなく、マグネットワイヤを巻線可能にする。
【0148】
また、この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材の任意の積層位置に、絶縁シートの間に導体で配線パターンを配置したフィルム状の配線用シートを挟み込むことで、コイルの端末線の接続処理を容易に行えるようにする。
この積層コアは、プレス打ち抜きされた複数枚の磁性材の積層方向の片端面に、磁性材の表面に絶縁材料の薄板と銅板等の導電体の薄板を接着し配線パターンをエッチング処理して形成し、絶縁材料を表面に塗布した基板を接着することで、コイルの端末線の接続処理を容易化する。
この積層コアの製造方法は、配線パターンを持った磁性材基板を磁性材の一部として接着固定することで、コイルの端末線を処理できる積層コアを容易に形成可能にする。
【0149】
実施例46.
図109〜図114は積層コア20の他の形成方法を示す説明図である。これは、例えば、図110に示すように、プレス打ち抜きされ、かつ軸線Lに対称の対となったティース15を持つ板状の磁性材321を、一箇所(または複数箇所)で折曲げて図109のように形成する。これにより、ティース15を持った磁性材321周縁の打ち抜きによるかえり部hを折り重ね側にし、だれ側gを外側に位置させることができ、コイル形成部の角部に丸みを持たせて、コイルの損傷を回避可能にしている。さらに、図111のように磁性材を積層した状態とする。そして、その一つまたは複数の磁性材321を図112のように重ね合わせて積層コア20を形成する。
【0150】
また、図113のように、プレス打ち抜きされた磁性材321の磁極ティース15を両側で折り返し、その両側面をアール形状(円弧状)にし、さらにその磁極ティース15を重ね合わせるようにして、図114に示すような積層コア20を形成してもよい。このようにすることで、積層コア20のコイル形成部の断面の角に丸みをもたせることができ、プレス打ち抜きによるかえりをコイル形成部断面の角に位置させることがなくなる。この結果、積層コア20の表面に直接または薄い塗装被膜を塗布すことだけで、マグネットワイヤであるコイル2を巻線することが可能となる。
この積層コアは、プレス打ち抜きされた磁性材を一箇所または複数箇所折り曲げて2枚の磁性材を積層した状態とすることにより、打ち抜きによる磁性材周縁のかえり部がコイル側に位置しないようにし、1つまたは複数の磁性材を重ね合わせることで、樹脂一体成形や樹脂ボビンや絶縁シートの熱溶着などの絶縁処理を必要とすることなく、直接または薄い塗装被膜を塗布すことだけで、積層コアにマグネットワイヤを巻線可能にする。
この積層コアの製造方法は、磁性材の折り曲げおよび積み重ねにて、簡単かつローコストに積層コアを形成可能にする。
【0151】
実施例47.
図115はこの発明の実施例47によるACサーボモータの積層コア20の正面図である。このACサーボモータは、自動機や産業用ロボット等に利用される小型高出力のブラシレスモータである。なお、図125にこのACサーボモータの側面の断面図を示し、図において、1はステータ、2はコイル、3はロータ、4はロータマグネットである。
【0152】
この実施例においても、図115で示すように、プレス打ち抜きされた磁性材321の形状は、複数個のコア部9とこれらを連結する薄肉部10が直線状に繋がったものであり、例えば、図116で示すように薄肉部10に対してブリッジになる一連の補強材309を分離可能に配置してもよい。
【0153】
また、図117は樹脂の一体成形により、コア部9のコイル形成部322や中性点処理部338やコネクタ部339を積層コア20の所定部位に形成している例を示している。なお、ここで用いる積層コア20は、図88で示したように薄肉部10の形成されている磁性材321と薄肉部10が形成されていない磁性材とが重ね合わされている状態としてもよい。
【0154】
また、積層コア20の固定方法は、図92に示すように、重ね合わせた磁性材321の一箇所または複数箇所に加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材321の電流パス部を自己発熱により溶着する方法や、図96〜図98に示すようにプレス打ち抜きされた磁性材321の表面の一箇所または複数箇所に僅かな凹凸部328を設け、プレス打ち抜きされた磁性材321を複数枚重ね合わせ、凹凸部328を上電極325と下電極326とにより積厚方向に挟み加圧しながら大電流を通電する方法を用いることができる。
【0155】
図118は図119または図124に示すように巻線機317の巻線ノズル316から送出されるマグネットワイヤの巻線を行ってコイル2を形成した状態を示している。この巻線作業では、磁極ティース15の回りに巻線ノズル316を周回させるとともに、巻線ノズル316と積層コア20の位置関係を変化させることにより、整列したコイル形状を容易に得ることができる。なお、図124では積層コア20をインデックス治具340に取り付けて巻線を行う場合を示している。
【0156】
図120は図118に示すような積層コア20を薄肉部10で折り曲げて、ステータ1を形成する途中の状態を示し、図121は薄肉部10ですべてを十分に折り曲げてステータ1の形状としたものを示す。ここで、3はロータである。積層コア20の折り曲げが完了した状態において、図90に示すように、隣接する積層コア20のコア部9の各磁路形成部314を密着または接近させて、YAGレーザ等で積層方向の両端面または片端面を溶着固定することで、積層コア20のコア部9同志を強固に固定することができる。
【0157】
また、図122および図123は薄肉部10の形状をそれぞれ円弧状に突出する薄肉片10cとしたり、コーナレスの薄肉円弧片10dに変えたことにより得られるステータ1の他の実施例を示す。
この積層コアの製造方法は、積層コアの形成を、磁極ティースに対するコイルの巻線後、折り曲げなどの簡単な作業にて容易に実施可能にし、特性および構成の安定したステータを効率的に製造可能にする。
【0158】
実施例48.
図126はこの発明の実施例48による電機子モータの積層コア20を示す正面図である。この電機子モータは、クリーナ等の電動送風機や電動ドリル等に利用される小型高回転型のブラシ付きモータであり、図134にこのうちの電動送風機の断面側面図を示す。同図において、1はステータ、2はコイル、3はロータ、343はブラケットである。
【0159】
図126に示すように、プレス打ち抜きされた磁性材321の形状は、2個のコア部9と、2個の継鉄部344と、これらを連結する薄肉部10が直列に繋がったものである。なお、この磁性材321からなる積層コア20は、図88で示したように薄肉部10の形成されている磁性材と薄肉部10が形成されていない磁性材が重ね合わされているものとしてもよい。
【0160】
また、積層コア20の固定方法は、図92に示すように、重ね合わせた磁性材321の一箇所または複数箇所に加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材321の電流パス部を自己発熱により溶着する方法や、図96〜図98に示すようにプレス打ち抜きされた磁性材321の表面の一箇所または複数箇所に僅かな凹凸部328を設け、プレス打ち抜きされた磁性材321を複数枚重ね合わせ、凹凸部328を上電極325と下電極326で積層方向に挟み加圧しながら大電流を通電する方法を用いることができる。
【0161】
図127は上記積層コア20の磁極ティース15にコイル2を形成したものを示し、図128はそのコイルの形成(巻装)方法を示す、この図128においては、磁極ティース15の回りに巻線ノズル316を周回させるとともに、巻線ノズル316と積層コア20の位置関係を変化させることにより、整列したコイル形状を容易に得るようにしている。
【0162】
図129は図128に示すように磁極ティース15にコイル2を形成した積層コア20の薄肉部10を折り曲げて、ステータ1の形状を形成する途中の状態を示し、図130は薄肉部10のすべてを折り曲げてステータ1の形状としたものを示す。このように、薄肉部10のすべての折り曲げが完了した状態において、図90に示すように隣接する積層コア20のコア部9の磁路形成部314を密着または接近させて、YAGレーザ等で積層方向の両端面または片端面を溶着固定することで積層コア20のコア部9同志を強固に固定することができる。
【0163】
また、図131のようにリング状のブラケット343内に薄肉部10のすべてを折り曲げた状態にて、ステータ1を圧入することで、積層コアを強固に固定することもできる。
【0164】
この場合においては、図132に示すような薄肉部を折り曲げる途中の状態で、ロータ3を配置した後、次に図133のように薄肉部10のすべてを折り曲げてステータの形状とし、ブラケット343内に薄肉部10のすべてを上記のように折り曲げたステータ1を圧入する。このようにすることで、コイル2を整列巻し易いようにロータ3を包み込むようなコイル形状にでき、モータの組立が可能となる。
【0165】
実施例49.
図135は小形トランスの積層コア20を示す正面図である。積層コア20の磁路の一部となる継鉄部344は、略U字状のコア部9に対して、図のように薄肉部10で連結され、コイル装着後にU字状開口部を閉じるように折り曲げ可能となっている。積層固定の方法は、従来の抜きかしめや、図92に示すように、上電極325および下電極326により、重ね合わせた磁性材の一箇所または複数箇所を加圧した状態で大電流を通電し、重ね合わせた複数枚の磁性材321の電流パス部を自己発熱により溶着する方法や、図96〜図98に示すようにプレス打ち抜きされた磁性材321の表面の一箇所または複数箇所に僅かな凹凸部328を設け、プレス打ち抜きされた磁性材321を複数枚重ね合わせ、凹凸部328を上電極325と下電極326で積厚方向に挟み、加圧しながら大電流を通電する方法を用いることができる。
【0166】
また、絶縁材料で形成したボビン345にコイル2を巻き線したものを、積層コア20の脚部に図136および図137に示すように、挿入するとともに、継鉄部344を閉じるように薄肉部10を変形させて、図138に示すように、積層コア20の磁路を形成する。この状態において、図90に示すように隣接する積層コア20の磁路形成部314を密着させて、YAGレーザ等で積層方向の両端面または片端面を溶着固定することで、積層コア20のコア部9同志を強固に固定することができる。
積層される磁性材を、略U字状のコア部と、このコア部に連結されて、コイル装着後に上記U字状開口部を閉じるように折り曲げ可能な薄肉部とから構成したので、コイルを積層コアに差し込んだ後薄肉部を折り曲げて磁路を形成し、トランスを容易、迅速に製作可能にする。
【0167】
【発明の効果】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、直線状のコアを製作し、その後、直線状のコアに設けられた複数のティースにコイルを形成し、かつ同相の各ティース間を繋ぐ渡り線を切らずに直線状のコアの一端から他端に向かって連続的に巻線し、巻線後、巻線された直線状のコアを屈曲成形するので、直線状のコアに巻線を容易に行うことができる。
【0168】
また、巻線は、複数のティースが互いにほぼ平行となるように保持した状態で、当該互いに平行な複数のティースの相数分の磁極ティースを同時に巻回させるので、巻線機の構成が簡略化されると共に、巻線の生産性が向上する。
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
この発明に係る回転電動機は、磁極ティースを有する複数のコアと、磁極ティースを有さない複数の継鉄部とを、交互に連結したステータ部と、ステータ部に対向して配置されたロータ部とを有する回転電動機において、継鉄部の両端には、当該継鉄部と磁極ティースとを連結する折り曲げ可能な薄肉部が設けられたので、巻線を容易に行うことができる。
【0178】
【0179】
この発明に係る回転電動機の製造方法は、複数の磁極ティースを一方向に並列に突出させて形成するとともに、前記複数の磁極ティースの先端部の間隔を広狭させる方向に折り曲げ可能なコアを製作し、その後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線を行い、巻線後、前記折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が狭まる方向に折り曲げて配置したので、巻線を容易に行うことができる。
また、この発明に係る巻線機は、折り曲げ可能なコアを前記複数の磁極ティースの先端部の間隔が広がる方向に折り曲げた状態で保持しながら、前記複数の磁極ティースに巻線をするので、巻線を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1,6を示すモータの正面図である。
【図2】 この発明の実施例1,6を示すモータの側面断面図である。
【図3】 この発明の実施例3を示すモータの正面図である。
【図4】 この発明の実施例4,5を示すモータの正面図である。
【図5】 この発明の実施例5を示すステータの部分側面図である。
【図6】 この発明の実施例1,6を示すステータコアの正面図である。
【図7】 この発明の実施例1,2,3,6を示す巻線中の正面図である。
【図8】 この発明の実施例7を示す樹脂一体成形されたステータコアの正面図である。
【図9】 この発明の実施例7を示す樹脂一体成形されたステータコアの成形した状態の正面図である。
【図10】 この発明の実施例8を示すステータと基板の正面図である。
【図11】 この発明の実施例8を示すステータと基板の部分斜視図である。
【図12】 この発明の実施例9,10,11,12,15を示すステータの正面図である。
【図13】 この発明の実施例9,15を示すステータの側面断面図である。
【図14】 この発明の実施例13を示すステータの斜視図である。
【図15】 この発明の実施例13を示すステータコアの正面図である。
【図16】 この発明の実施例13を示すステータコアのロータ対向面からの部分側面図である。
【図17】 この発明の実施例13を示すステータコアの斜視図である。
【図18】 この発明の実施例13を示すステータコアの正面図ある。
【図19】 この発明の実施例13を示すステータコアのロータ対向面からの部分側面図である。
【図20】 この発明の実施例14を示すステータの正面図である。
【図21】 この発明の実施例9,15を示すステータコアの正面図である。
【図22】 この発明の実施例9,12,15を示すステータコアに巻線した状態の正面図である。
【図23】 この発明の第15の発明に係わる実施例を示す巻線中の正面図である。
【図24】 この発明の実施例9,15を示す樹脂成形品の正面図である。
【図25】 この発明の実施例9,15を示すステータ組立中の正面図である。
【図26】 この発明の実施例16による回転電動機の分解斜視図である。
【図27】 この発明の実施例16による積層ステータコアの平面図である。
【図28】 図27の断面図である。
【図29】 この発明の実施例16によるステータの平面図である。
【図30】 図29の断面図である。
【図31】 この発明の実施例16によるステータを成形した状態を示す平面図である。
【図32】 この発明の実施例17における回転電動機のカバーホルダを一部切り欠いた平面図である。
【図33】 この発明の実施例18における回転電動機のカバーホルダを一部切り欠いた平面図である。
【図34】 図33の部分断面図である。
【図35】 図33の部分拡大図である。
【図36】 この発明の実施例19における回転電動機の要部斜視図である。
【図37】 図36の断面図である。
【図38】 この発明の実施例20における回転電動機のカバーホルダを一部切り欠いた平面図である。
【図39】 図38の部分(A部)拡大図である。
【図40】 この発明の実施例21における回転電動機のカバーホルダを一部切り欠いた平面図である。
【図41】 図40の要部断面図である。
【図42】 この発明の実施例22における回転電動機の要部斜視図である。
【図43】 この発明の実施例22におけるステータホルダの斜視図である。
【図44】 この発明の実施例23における積層ステータコアの拡大図である。
【図45】 この発明の実施例24における回転電動機の要部斜視図である。
【図46】 この発明の実施例24における回転電動機の平面図である。
【図47】 この発明の実施例25におけるステータの部分斜視図である。
【図48】 この発明の実施例26におけるステータと保持リングの固定手段を示す斜視図である。
【図49】 この発明の実施例27におけるステータと保持リングの固定手段を示す斜視図である。
【図50】 この発明の実施例28における回転変動を説明するための回転電動機の部分破断平面図である。
【図51】 この発明の実施例28における回転電動機の部分破断平面図である。
【図52】 この発明の実施例28における回転変動の磁気バランサとロタマグネットとの空隙依存性を示すグラフ図である。
【図53】 この発明の実施例29における回転電動機の部分破断平面図である。
【図54】 この発明の実施例30における磁気バランサとステータの固定手段を示す斜視図である。
【図55】 この発明の実施例31における磁気バランサとステータの固定手段を示す斜視図である。
【図56】 この発明の実施例32における回転電動機の要部斜視図である。
【図57】 この発明の実施例33における回転電動機の要部平面図である。
【図58】 この発明の実施例34における磁気バランサ部の接合手段を示す斜視図である。
【図59】 この発明の実施例35における磁気バランサ部の接合手段を示す斜視図である。
【図60】 この発明の実施例36における磁気バランサ部の接合部形状及び接合手段を示す斜視図である。
【図61】 この発明の実施例37における磁気抵抗等について説明するためのステータのブロックの拡大図である。
【図62】 この発明の実施例37におけるステータのブロックの拡大図である。
【図63】 この発明の実施例38におけるステータのブロックの拡大図である。
【図64】 この発明の実施例39におけるステータのブロックの拡大図である。
【図65】 この発明の実施例40におけるステータコアへのコイル巻き線状態を示す平面図である。
【図66】 この発明の実施例41における不平衡磁気吸引力を説明するための平面図である。
【図67】 この発明の実施例41における回転電動機の要部平面図である。
【図68】 この発明の実施例42における回転電動機の要部平面図である。
【図69】 この発明の実施例43における回転電動機の要部斜視図である。
【図70】 図69の磁極ティースの断面図である。
【図71】 この発明の実施例44における回転電動機の装置への取付状態を示す分解斜視図である。
【図72】 この発明の実施例45によるモータを示す正面図である。
【図73】 図72におけるモータの積層コアを示す正面図である。
【図74】 図73における積層コアを示す側面図である。
【図75】 この発明の実施例45によるコイルを形成した積層コアを示す正面図である。
【図76】 図75における積層コアを示す側面図である。
【図77】 この発明の実施例45による積層コアの薄肉部を変形させたステータを示す正面図である。
【図78】 この発明の実施例45の他の実施例による積層コアを示す正面図である。
【図79】 図78における積層コアを示す側面図である。
【図80】 この発明の実施例45の他の実施例によるコイルを形成した積層コアを示す正面図である。
【図81】 図80における積層コアを示す側面図である。
【図82】 この発明の実施例45の他の実施例による積層コアの薄肉部を変形させたステータを示す正面図である。
【図83】 この発明の実施例45による積層コアにコイルを形成している状態を示す説明図である。
【図84】 この発明の実施例45によるコイルを形成した積層コアを折り曲げている状態を示す平面図である。
【図85】 図84における積層コアの折り曲げ終了状態を示す平面図である。
【図86】 この発明の実施例45による積層コアのプレス打ち抜き状態を示す正面図である。
【図87】 図86における積層コアの補強部除去状態を示す説明図である。
【図88】 この発明の実施例45のさらに他の実施例による積層コアを示す正面図である。
【図89】 図88における積層コアを示す部分斜視図である。
【図90】 この発明の実施例45による積層コアの突起同志を溶着固定した状態を示す部分斜視図である。
【図91】 図90における溶着固定部を示す部分側面図である。
【図92】 この発明の実施例45による積層コアを一体に通電溶着する状態を示す説明図である。
【図93】 この発明の実施例45による積層コアを一体に通電溶着するための突起部を示す部分正面図である。
【図94】 この発明の実施例45による積層コアの突起部を通電溶着する状態を示す説明図である。
【図95】 図92および図94において一体に通電溶着した積層コアを示す部分断面図である。
【図96】 この発明の実施例1のまた他の実施例による積層コアの磁性材を示す部分斜視図である。
【図97】 図96における積層コアを一体に通電溶着する状態を示す説明図である。
【図98】 図96において一体に通電溶着した積層コアを示す部分断面図である。
【図99】 この発明の実施例45による別の積層コアを示す部分斜視図である。
【図100】 この発明の実施例45によるまた別の積層コアを示す部分断面図である。
【図101】 この発明の実施例45によるさらに別の積層コアを示す部分断面図である。
【図102】 この発明の実施例45によるさらに別の積層コアを示す部分断面図である。
【図103】 この発明の実施例45による他の積層コアを示す部分斜視図である。
【図104】 図103における積層コアを示す部分断面図である。
【図105】 この発明の実施例45による他の積層コアを拡大して示す部分斜視図である。
【図106】 図105における積層コアを示す部分断面図である。
【図107】 この発明の実施例45によるさらに他の積層コアを示す部分斜視図である。
【図108】 図107における積層コアを示す部分断面図である。
【図109】 この発明の実施例46による磁性材の折り曲げ状態を示す説明図である。
【図110】 図109における磁性材の折り曲げ前の形状を示す説明図である。
【図111】 図109における磁性材の折り曲げ後の形状を示す説明図である。
【図112】 図111において折り曲げた磁性材を積層した状態を示す説明図である。
【図113】 この発明の実施例46による磁性材の磁極ティースを折り曲げた状態を示す説明図である。
【図114】 図113における磁極ティースの積層を行った後の状態を示す説明図である。
【図115】 この発明の実施例47による積層コアを示す正面図である。
【図116】 この発明の実施例47による他の積層コアを示す正面図である。
【図117】 この発明の実施例47による積層コアに中性点処理部やコネクタ部などを一体成形した状態を示した図である。
【図118】 図117における積層コアにコイルを形成した状態を示す正面図である。
【図119】 この発明の実施例47による積層コアに巻線する状態を示す正面図である。
【図120】 図119における積層コアを折り曲げている状態を示す正面図である。
【図121】 この発明の実施例47による積層コアを持ったモータを示す正面図である。
【図122】 この発明の実施例47による他のモータを示す正面図である。
【図123】 この発明の実施例47によるさらに他のモータを示す正面図である。
【図124】 この発明の実施例47による積層コアに巻線する状態を示す正面図である。
【図125】 この発明の実施例47によるまた他のモータを示す側面断面図である。
【図126】 この発明の実施例48による積層コアを示す正面図である。
【図127】 図126における積層コアにコイルを形成した状態を示す正面図である。
【図128】 図127における積層コアに巻線をする状態を示した図である。
【図129】 図127における積層コアを折り曲げている状態を示す正面図である。
【図130】 図127における積層コアを折り曲げ終了した状態を示す正面図である。
【図131】 図130におけるステータを有するモータを示す正面図である。
【図132】 図129においてロータ装着後の積層コアを折り曲げている状態を示す正面図である。
【図133】 図132におけるステータを有するモータを示す正面図である。
【図134】 この発明の実施例48による他のモータを示す側面断面図である。
【図135】 この発明の実施例49によるトランスの積層コアを示す正面図である。
【図136】 図135における積層コアへのコイル挿入状態を示す正面図である。
【図137】 図136における積層コアにコイル形成したボビンを挿入する状態を示す正面図である。
【図138】 この発明の実施例49によるトランスを示す正面図である。
【図139】 従来例1を示すステータの正面図である。
【図140】 従来例2を示すステータコアの正面図である。
【図141】 従来例2を示すステータの部分正面図である。
【図142】 従来例3を示すステータの部分正面図である。
【図143】 従来例3を示すステータの部分正面図である。
【図144】 従来コアでの磁界解析結果を示す図である。
【図145】 ブロック、平行磁極ティースでの磁界解析結果を示す図である。
【図146】 従来例4の回転電動機の平面図である。
【図147】 従来例5のモータにおけるステータコアとコイルを示す部分断面図である。
【図148】 従来例5を示すインナーロータ型の薄型モータを示す正面図である。
【図149】 従来例6の絶縁被膜を形成した積層コアを示す正面図である。
【符号の説明】
1 ステータ、1a 積層ステータコア、1b ブロック欠落部、1c バランサ保持部、2 コイル、2a コイル、2b コイル、2c コイル、2t 端末(コイル)、3 ロータ、4 ロータ磁石、5 樹脂成形ハウジング、6 基板、7 軸受、8 スピンドルシャフト、9 ブロック、9a 溶接部、9r ブロック、10 薄肉部、10a 切欠(締結部材挿入部)、10b 孔(締結部材挿入部)、11 コモン端子部、12 コイル端末部、13 渡り引っかけ部、14 ステータ固定ピン、15 磁極ティース、15a 先端部、15b 磁極ティース、15c 磁極ティース、16 継鉄部、17 継鉄部コイル、18 切断後の薄肉部、19 段付き突起、20 連結ステータコア、20a 磁気バランサ部、20b 突き合わせ部、20c 抜きかしめ部、21 巻線ノズル、22 一体成形樹脂、23 樹脂ピン、24 切り起こし、25 渡り線、26 樹脂成形品、27 溶着固定部、28 ロータ対向面、29 段部、30 傾斜部、31 磁性材ワイヤ、32 ステータ保持機、33 ステータ組立治具、34 からげ用突起、40 ベース、42 ネジ部、43 絶縁シート、50 磁気バランサ、50a 溶接部、60 ネジ、80 ステータホルダ、81 コイル巻回部、82 保持リング、83 ステータ挿入部、90 保持リング、91 溶接部、100 ステータ部、130 カバーホルダ、131 ハーフピアス、132 当て面、133 当て面、134 保持部、135 抜け止め、140 フレーム、141 ネジ部、201 電極、202 YAGレーザ、203 巻き線機、218 バックヨーク部、218a 凹部、219 固定部(位置決め部)、223 ロータホルダ、224 ハブ、230 カバーホルダ、230a バランサ取付部、230b バランサ押さえ部、231 当て面、232 当て面、233 当て面、234 仕切り部、235 支持ピン、236 支持ピン、237 抜け止め部、238 ウィンドウ、239 コイル端末処理部、239a 絡げ部、271 絶縁層、272 半田、309 補強部、311 突起、314 磁路形成部(突起)、321 磁性材、328 凹凸部、330,331,332 アール形状、333 絶縁材薄板、334 配線シート、335 配線パターン、336 磁性材基板。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-08-01 
出願番号 特願平10-317174
審決分類 P 1 652・ 121- YA (H02K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平田 信勝米山 毅小川 恭司  
特許庁審判長 三友 英二
特許庁審判官 村上 哲
岩本 正義
登録日 2002-05-17 
登録番号 特許第3307888号(P3307888)
権利者 三菱電機株式会社
発明の名称 回転電動機及びその製造方法及び巻線機  
代理人 竹内 三明  
代理人 竹内 三明  
代理人 溝井 章司  
代理人 波田 啓子  
代理人 溝井 章司  
代理人 波田 啓子  

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