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審決分類 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09D
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09D
管理番号 1088163
異議申立番号 異議1999-73131  
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2004-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-17 
確定日 2000-05-31 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2858960号「シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法、シリカ系絶縁膜、半導体装置及び半導体装置の製造法」の請求項1〜15の発明に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2858960号の請求項1ないし14に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
本件特許第2858960号の請求項1〜15の発明は、平成7年6月30日(国際出願日 1995年6月30日:優先日 1994年6月30日、及び1995年2月27日 日本)に特許出願され、平成10年12月4日に特許の設定登録がなされたものである。その後、ジェイエスアール株式会社によって特許異議の申立がなされたため、当審において審理のうえ、取消理由を通知したところ、その意見書の提出指定期間内である平成12年2月1日に訂正請求がなされた。
2.訂正の内容
本件の訂正請求は、本件特許明細書を、訂正明細書のとおり、次の事項について訂正することを求めるものである。
〈訂正事項a〉訂正前の特許請求の範囲の請求項4を削除するとともに、同項を引用する請求項5及び6を独立形式で表すために、「請求項4記載の」を削除し、両項の「有機溶媒中で」の前に、請求項4に係る構成を挿入する。
〈訂正事項b〉請求項4の削除に伴い、以下の各項の項番号を繰り上げ、引用する項番号を整合させる。
〈訂正事項c〉訂正前の請求項10における、「(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は」を削除するとともに、同項を引用する請求項11及び12を独立形式で表すために、「請求項10記載の」を削除し、両項の「有機溶媒中で」の前に、請求項10に係る構成を挿入する。
3.訂正の適否
i)訂正事項aの訂正は、請求項4の削除するとともに、請求項4を引用する請求項を独立形式で表すこと求めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項bは、訂正事項aの訂正に伴い、請求項の番号を整合させる訂正であるから、訂正事項aと一体の訂正である。
訂正事項cは、請求項10の発明からアルキルアルコキシシランを配合成分とする態様を削除するとともに、請求項10を引用する請求項を独立形式で表すこと求めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
ii)前記訂正は、出願当初の明細書の記載事項の範囲のものであることは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものでもない。
iii)そこで、訂正後における請求項1〜14の発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて以下に検討する。
iii-1)訂正後の請求項1〜14の発明は次のとおりのものである。
1.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
2.有機溶媒中でアルコキシシランとフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
3.有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
4.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(e)アルキルアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
5.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(e)アルキルアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにアルキルアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
6.(a)アルコキシシランと、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(f)水及び触媒と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらにアルコキシシランを混合後、水及び触媒を加えることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
7.(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(f)水及び触媒と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
8.有機溶媒中でアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項7記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
9.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g)光酸発生剤と、
から得られことを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
10.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g)光酸発生剤と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらに光酸発生剤を添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
11.(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g〉光酸発生剤と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらに光酸発生剤を添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
12.請求項1、7、9のいずれか1項に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料又は請求項2、3、4、5、6、8、10、11のいずれか1項に記載の方法により製造されたシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させたシリカ系絶縁膜。
13.回路素子が形成されている半導体チップ基板、
半導体チップ基板に形成された第一の配線、
請求項1、7又は9に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させて得られたシリカ系絶縁膜、及び、
第一の配線と接続する第二の配線を有する半導体装置。
14.回路素子が形成されている半導体チップ基板に第一の配線を形成し、
請求項1、7又は9に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させてシリカ系絶縁膜を形成し、
所定のエッチングレジストを形成し、エッチング処理してエッチングレジストで覆われていない部分の第一の配線を露出させ、エッチングレジストを除去して第一の配線と接続した第二の配線を形成することを特徴とする半導体装置の製造法。
iii-2)本件の特許異議申立において、申立人は、甲第1〜8号証を提出して、(1)本件の訂正前の請求項4の発明は甲第1号証又は2号証に記載された発明に該当し(理由1)、また、(2)同請求項1〜3の発明は甲第1号証に、同請求項5〜9及び13の発明は甲第1及び2号証に、同請求項10〜12の発明は甲第1、2,及び7号証に、同請求項14の発明は甲第1〜6号証に、また、同請求項15の発明は甲第1〜3、及び8号証に、各記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから(理由2)、本件特許は、特許法29条1項及び2項の規定に違反してなされたものであって、取り消されるべきである、と主張した。
iii-3)当審においては、刊行物1〜8(それぞれ、甲第1号証、2号証、7号証、3号証、4号証、5号証、6号証、8号証に相当)を提示し、本件の訂正前の請求項4の発明は刊行物1に記載された発明に該当し(理由1’)、また、同請求項13の発明は刊行物1及び2に記載された発明である(理由1’’)か、あるいはその記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり(理由2’)、さらに、同請求項5の発明は刊行物1及び2に、同請求項10及び11の発明は刊行物1〜3に、同請求項14及び15の発明は刊行物1、2、及び4〜8に、それぞれ記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから(理由2’)、本件特許は、特許法29条1項及び2項の規定に違反してなされたものであって、取り消されるべきである、という趣旨の取消理由を通知した。
iii-4)各証拠・刊行物には次のとおりの事項が記載されている。
甲第1号証(持開平6‐181201号公報 平成6年6月28日公開)には、「チタン、ジルコニウム、・・・から選ばれる少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物と、分子内にアルコキシル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物とを縮重合させてなる、数平均分子量500以上のオリゴマーを主成分とする絶縁膜形成用塗布液。」が記載され(特許請求の範囲請求項3)、そのアルコキシシランとして、テトラメトキシシラン、・・・メチルトリメトキシシラン、・・・γ-トリフロロプロピルトリメトキシシラン等が例示されている(3頁【0017】)。また、実施例には、「内容積1lの反応容器に、表1に示す割合で、有機金属化合物および有機ケイ素化合物を300mlのメタノールとともに仕込んだ後、1%塩酸0.5gを添加し、沸点において加熱還流を行なって反応させた。GPCで反応混合物をサンプリングして数平均分子量を測定し、数平均分子量が約2000になったところで、反応混合物を氷浴で急冷して反応を停止させた。室温で減圧濃縮した後、2-プロパノールで固形分が10%になるように再希釈し、さらにイオン交換樹脂の力ラムを通して脱イオン化し、0.1μm径のマイクロフィルタで濾過して絶縁膜形成用塗布液を調製した。この絶縁膜形成用塗布液を、φ6インチのシリコン基板上にスピンコーターで塗布し、200℃で乾燥後,N2雰囲気中、400℃で30分キュアして膜を形成した。」と記載され、表1には、試料番号6及び7として、[Ti(OBu)4 5g、Si(OMe)4 30g、MeSi(Me)3 15g]及び[Zr(OBu)4 5g、Si(OMe)4 30g、MeSi(Me)3 15g]からなる原料配合が示されている。
甲第2号証(特開平3‐20377号公報)には、「一般式(1)
RnSi(OR1)4-n (1)
(ここで、RおよびR1はそれぞれ炭素数1〜4の低級アルキル基またはアリール基、nは0〜2の整数を示す)で表されるシラン化合物と、
一般式(II)
R2lM(OR3)m-l (11)
(ここで、R2はキレート剤、R3は炭素数1〜4の低級アルキル基またはアリール基、Mは金属原子、mはMで表される金属原子の価数、lは0〜3の整数を示す)で表わされる金属キレート化合物とを有機溶媒の存在下で加水分解、重合させて得られる酸化物被膜形成用塗布液。」が記載され(特許請求の範囲)、金属キレート化合物としてチタンやアルミニウムなどのキレート化合物が例示されている。また、実施例2には、「実施例1と同様の反応容器に、テトラメトキシシラン50.2g、メチルトリメトキシシラン77.6g、ジメチルジメトキシシラン12.0g、ジフエノキシチタンビスメチルアセテートキレート46.4g、フェノキシボロンビスアセチルアセトンキレート27.0gを仕込み、ジエチレングリコールジメチルエーテル480gに溶解した後、マレイン酸0.15gを添加し溶解した。次いで、イオン交換水63.5gを攪拌下に滴下し、加水分解を行った後、この加水分解液を80℃で約4時間反応させて酸化膜形成用塗布液を得た。」と記載され、この塗布液は、「実施例1と同様に」、すなわち、スピナーを用いてシリコンウェハー上に2000rpmの回転数で塗布し、150℃で30分乾燥した後、空気中で600℃、30分の焼成を行って、酸化膜を形成するのに使用された。
甲第3号証(「最新LSIプロセス技術」 364〜366頁、1983年7月25日 株式会社工業調査会発行)の365頁、図3.6.1には、絶縁層の形成を含む基本的な多層配線工程フローが、また、366頁の表3.6.2には、多層配線用薄膜形成法として、絶縁膜における塗布法(SiO2,ポリイミド)が、さらに、表3.6.3には、多層配線用材料の選択として、絶縁膜におけるSiO2が示されている。
甲第4号証(特開昭63‐275118号公報)の2頁右上欄9行〜左下欄8行には、半導体装置の製造工程を示す第1図(a)〜(c)とともに、その説明として、「まず、第1図(a)に示すように、半導体基板1上に形成された絶縁膜2上に、厚さ約1.0μmの第1のAl配線層3を形成し、この全面に有機シロキサン系ポリマー溶液を塗布・焼成し第1のAl配線層3の配線上の膜厚が3000Åとなるように有機シロキサン系ポリマー層4を形成する。次に、第1図(b)に示すように、有機シロキサン系ポリマー層4の上方から全面に、0.05Torrを越えないガス圧力、例えば0.01Torrのガス圧力のO2反応性イオンエッチングを行い、有機シロキサン系ポリマー層4の表面付近の有機成分を解離させる。エッチング量は平坦性を失わないように100〜3000Åが妥当である。次に、第1図(c)に示すように、全面にプラズマ窒化珪素膜5を厚さ約5000Å成長させて所定の位置に第1のAl配線層3と接続するためのスルーホールを開孔し、第2のAl配線層6を形成する。」と記載されている。
甲第5号証(特開平5‐226480号公報)の図4には、シリコン基板401上に、リンホウ酸ガラス膜402と第1のアルミニウム配線403を形成し、さらに、第1のシリコン酸化膜404とフッ素含有シリコン酸化膜405と第2のシリコン酸化膜407を設け、スルーホール408を介して第2のアルミニウム配線409を形成した2層アルミニウム配線構造体が記載されている。
甲第6号証(「ULSIデバイス・プロセス技術」 188〜191頁、平成7年2月10日 社団法人 電子情報通信学会発行)の189頁の図5.12には、半導体基板の上に第1層Al配線が形成され、その上に層間絶縁膜が形成され、その層間絶縁膜に形成されたスルーホ-ルを介して第1層Al配線に接続するように第2層Al配線が形成されてなる構造の半導体装置が記載されている。
甲第7号証(特開平6-148895号公報;平成6年5月27日公開)には、「(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマー、(2)光によって反応促進剤を発生する化合物、および(3)溶剤を主成分とする感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶性シロキサンポリマーが、アルコキシシランに水および触媒を加えて加水分解縮合させた反応溶液から、水および触媒を除去して得られるアルカリ可溶性シロキサンポリマーであることを特徴とする感光性樹脂組成物。」が記載され(特許請求の範囲請求項1)、光によって反応促進剤を発生する化合物として、トリ(ニトロベンジル)フォスフェート等の光酸発生剤が例示されている(3頁4欄【0021】)。また、アルカリ可溶性シロキサンポリマーの原料となるアルコキシシランとして、「テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、・・・トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロエチルトリメトキシシラン、・・・好ましくはメチルトリメトキシシラン・・・」等が例示され(3頁【0014】)、実施例3には、テトラメトキシシラン304g(2.0mol)、メチルトリメトキシシラン136g(1.0mol)、ジメチルジメトキシシラン60g(0.5mol)をメタノール100gに溶解し、これに、イオン交換水200g、塩酸15gを撹拝しながら加えて加熱し、還流下、8時間反応させ、ついで、この溶液をイオン交換樹脂lkgを充填した力ラムに通して水および触媒を除去し、有機層を濃縮して、シロキサンポリマーを得たこと、このポリマー20gをプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解し、さらにトリ(ニトロベンジル)フォスフエート0.1gを加えて感光性樹脂組成物を得たこと、が記載されている。同号証の感光性樹脂組成物は、半導体素子の保護膜、層間絶縁膜等として有用である(4頁【0028】)。
甲第8号証(特開平5-47936号公報)には、図1の(a)〜(e)工程についての説明として、下層絶縁膜3を形成した半導体基板1の上に下層Al配線4を形成し、さらに珪酸ガラス系層間絶縁膜5と低反射膜であるTiN膜6を設け(a)、この基板にレジスト膜7を形成し、マスクで所定パターンの露光を行った(b)後、現像を行ってコンタクト窓に対応する開口パターン12を形成し(c)、ついでレジスト膜8をマスクとしてエッチングを行ってTiN膜と層間絶縁膜を除去してコンタクト窓13を作成し(d)、ついでその上に、前記の下層Al配線層と連絡したAlまたはAl合金等からなる上層配線14を形成する(e)、との記載がなされている。
iii-5)理由1、理由1’、及び理由1’’(29条1項違反)について
訂正により請求項4は削除されたので、理由1及び理由1’は解消した。
また、同様に、訂正前の請求項13において請求項4に係る引用部分が削除された結果、当該請求項4に係る部分について該当した、刊行物に記載された発明である旨の理由1’’は解消した。
iii-6)理由2、及び理由2’(29条2項違反)について
(イ)訂正後の請求項1、7、及び9の発明(以下、「訂正後の」は省略する。)
請求項1の発明と、甲第1号証に記載の発明を対比すると、甲第1号証には、本件の請求項1の発明に係る、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と(b)フッ素を含有するアルコキシシランを配合した塗布型絶縁膜形成用材料が記載されていないし、示唆もされていない。
すなわち、甲第1号証には、絶縁膜形成用材料の配合成分である「分子内にアルコキシル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物」として多数の化合物が例示されていて、その中に、「γ-トリフロロプロピルトリメトキシシラン」の化合物名が示されているが、これらの多数の化合物群の中で、フッ素を含有しないアルコキシシランとγ-トリフロロプロピルトリメトキシシランが望ましい配合の選択であることを示唆する記載は見いだせない。
請求項7の発明と、甲第1号証及び2号証に記載の発明を対比すると、両号証には、反応原料に関する包括的な記載のほかには、実施例として、アルキルアルコキシシランとともにアルコキシシランを含有するものが示されているだけで、アルキルアルコキシシランあるいはフッ素を含有するアルコキシシランのいずれか一方あるいは両方をTiあるいはZrのアルコキシド類と配合して塗布型絶縁膜形成用材料とすることの示唆がなされているものとは認められない。
請求項9の発明と甲第1号証に記載の発明を対比すると、同号証には、本件の請求項9の発明に係る、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と(b)フッ素を含有するアルコキシシランを配合した塗布型絶縁膜形成用材料が記載されておらず、示唆もされていないことは、請求項1について記載したとおりである。甲第2号証には、フッ素を含有するアルコキシシラン自体が記載されていないから、同号証に本件の請求項9の発明に係る塗布型絶縁膜形成用材料が記載ないし示唆されていないことは明らかである。甲第7号証には、多数の化合物名が例示される中に、フッ素を含有するアルコキシシランに相当する化合物名が掲載されているが、同号証に、これらの多数の化合物群の中から、フッ素を含有しないアルコキシシランとフッ素を含有するアルコキシシランを望ましい配合として選択することの示唆がなされているものとは認められない。
そして、請求項1、7、及び9の発明に係る塗布型絶縁膜形成用材料は、厚膜塗布が可能で、かつ耐酸素プラズマ性に優れるものであることが明細書の記載から認められるから、結局、請求項1、7、及び9の発明は、それぞれ、甲第1号証、甲第1号証と2号証、及び甲第1号証と2号証と7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
その他の証拠刊行物の記載内容によっても、上記判断を覆すことはできない。
(ロ)請求項2〜6、8、10、及び11の発明
請求項2及び3の発明は、各配合成分の混合順序が、まず、アルコキシシランあるいはその部分加水分解物とフッ素を含有するアルコキシシランを混合し、ついで、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加する、というものであるのに対し、甲第1号証の実施例の内容は、「内容積1lの反応容器に、表1に示す割合で、有機金属化合物および有機ケイ素化合物を300mlのメタノールとともに仕込んだ後、1%塩酸0.5gを添加し、沸点において加熱還流を行なって反応させた」というものであるから、有機金属化合物と(複数の・・・表1)有機ケイ素化合物は、反応容器に同時的に仕込み混合するものと解するのが相当である。
したがって、甲第1号証には、本件の請求項2及び3の発明に係る混合順序が記載されていないし、このような混合順序を示唆する記載もない。
請求項4及び5の発明は、各配合成分の混合順序が、まず、アルコキシシランあるいはその部分加水分解物とアルキルアルコキシシランを混合し、ついで、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加する、というものであるのに対し、甲第1号証の実施例における配合成分の混合は上記のとおりである。また、甲第2号証の実施例2においても、「・・・反応容器に、テトラメトキシシラン50.2g、メチルトリメトキシシラン77.6g、ジメチルジメトキシシラン12.0g、ジフエノキシチタンビスメチルアセテートキレート46.4g、フェノキシボロンビスアセチルアセトンキレート27.0gを仕込み、ジエチレングリコールジメチルエーテル480gに溶解した後、マレイン酸0.15gを添加し溶解した.次いで、イオン交換水63.5gを攪拌下に滴下し、」との記載からすると、アルコキシシランとジフエノキシチタンビスメチルアセテートキレートは、反応容器に同時的に仕込んで反応させるものと解するのが相当であるから、甲第1号証及び2号証に、本件の請求項4及び5の発明に係る混合順序は記載されていない。同号証にこのような混合順序を示唆する記載も見いだせない。
請求項6の発明は、各配合成分の混合順序が、まず、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合し、ついで、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加する、というものであるのに対し、甲第1号証及び2号証の記載は上記のとおりであるから、両号証には、請求項6の発明に係る混合順序が記載されておらず、このような混合順序が示唆されているものとも認められれない。
請求項8の発明は、各配合成分の混合順序が、まず、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合し、ついで、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加する、というものであるが、上記した甲第1号証及び2号証の記載内容からして、両号証には当該混合順序が記載されていないし、示唆がなされているものとも認めがたい。
請求項10及び11の発明は、各配合成分の混合順序が、まず、アルコキシシランあるいはその部分加水分解物とアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合し、ついで、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加する、というものであるのに対し、甲第1号証及び2号証の記載内容は上記のとおりであるから、両号証には当該混合順序が記載されておらず、また、示唆がなされているものとすることもできない。また、甲第7号証には、「Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体、あるいはZrのアルコキシド及び/又はその誘導体」を配合する点自体が記載されていない。
本件の請求項2〜6、8、10、及び11の発明における配合材料の混合順序は、生成する塗布液がゲル化せず、平坦で厚い絶縁膜を形成するという発明の目的を達成する上で有意義であるものと認められるから、結局、請求項2〜6、8、10、及び11の発明は、甲第1号証、2号証、及び7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
その他の証拠刊行物の記載内容によっても、上記判断を覆すことはできない。
(ハ)請求項12〜14の発明
上記のとおり、請求項1〜11の発明は、各証拠刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、これらの発明に係るシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を利用した絶縁膜、半導体装置、及びその半導体装置の製造法に係る請求項12〜14の発明は、いずれの証拠刊行物によっても、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
iii-7)したがって、上記証拠刊行物、の存在に拘わらず、本件の請求項1〜14の発明は、特許出願時に独立して特許を受けることができるものである。
iv)以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法120条の4 2項の規定を満たし、また、同3項で準用する同126条2項から4項の規定を満たすものとして認めることとする。
4.特許異議の申立て
特許異議申立の理由は、上記〈3.iii-2)〉に記載した理由(理由1及び2)のほか、本件明細書には記載不備があるから、本件特許は、特許法36条4項及び5項の規定に違反してなされたものであって取り消されるべきである(理由3)、というものであるが、訂正後の本件発明が、理由1及び2によって取り消され得ないことは、〈3.iii-5及び6〉に記載のとおりである。
また、理由3において申立人が本件明細書を記載不備とする理由は、(イ)発明の詳細な説明の欄の「アルキルアルコキシシラン」の例示の中に、技術的にみて「アルキルアルコキシシラン」に該当しない化合物が記載されている、及び、(ロ)訂正前の請求項1〜3及び7〜15に記載の「フッ素を含有するアルコキシシラン」のうち、実際に効果が実証されているものは「γ-トリフロロプロピルトリメトキシシラン」のみであるから、発明の詳細な説明の欄には、発明が、当業者が容易に実施できる程度に記載されておらず、また、特許請求の範囲には、発明が明確に記載されていない、というものである。
しかし、(イ)について、「アルキルアルコキシシラン」は、技術用語としての意義が明確であり、発明の詳細な説明中に、同意義と相容れない化合物名が記載されているからといって、同技術用語の意義自体が不明瞭となるものでもない。
また、(ロ)について、明細書には「フッ素を含有するアルコキシシラン」の代表例に基づく実施例が記載されているから、その実施例を参酌すれば、その他の「フッ素を含有するアルコキシシラン」について同様に実施することは可能であるものと認められるから、当該事項に関して、発明の詳細な説明と特許請求の範囲の記載が不明瞭とまですることはできない。
したがって、本件明細書には、申立人が指摘するような不備があるものとは認められない。
6.むすび
以上のとおり、上記訂正は適法なものとして請求のとおりに認められ、また、訂正された本件の請求項1〜14の発明に係る特許は、特許異議申立ての理由、及び当審において通知した取消理由によって、取り消すことができない。
また、他に同発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法、シリカ系絶縁膜、半導体装置及び半導体装置の製造法
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、例えば超LSIにおける多層配線の層間絶縁膜の形成等に使用されるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法及びシリカ系絶縁膜に関する。詳しくは、本発明は半導体基板、ガラス板など各種基板上に厚膜形成が可能で、かつ、耐酸素プラズマ性が良好なシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法及びシリカ系絶縁膜に関する。
背景技術
近年、超LSIの急激な高密度・高集積化が進み、アルミニウム配線の多層化、その配線パターンの微細化に伴う最小加工線幅の低減が要求されている。そこで、これらのLSIに用いられる多層配線の層間絶縁膜にはこの微細な配線間隔を空洞無く埋め、かつその表面を平坦にする平坦化技術が求められている。
従来、この平坦化を必要とする層間絶縁膜としては、アルコキシシラン及びアルキルアルコキシシランをアルコールなどの有機溶媒中で水及び触媒を添加することにより加水分解して得られる塗布液を、スピンコート法により塗布後、加熱処理により硬化させることによって平坦化させる、いわゆるスピンオングラス法(SOG法)による膜(SOG膜)が採用されている。中でも、クラックの発生を抑制し、平坦化特性を良好とするため厚膜形成を可能とする、シロキサン結合の主鎖に有機成分(メチルなどのアルキル基)の側鎖を結合した、すなわち膜中に有機成分(メチルなどのアルキル基)を残した有機SOG膜が主に用いられている。
この有機SOG膜は、硬化時の体積収縮が少ない、疎水性を示す、誘電率が低いなどの利点を有するが、LSIの製造工程の中で絶縁膜の下層と上層のアルミニウム配線間のコンタクトホール形成用感光性レジストを剥離するために酸素プラズマによりドライエッチングする際に、この酸素プラズマによって膜中のアルキル基が脱離するためにクラックが生じてしまう。そこで、絶縁膜としては単層ではなく、酸素プラズマ処理時に有機SOG膜が表面に露出しないように、▲1▼SOG膜塗布の下地となるプラズマCVDによるSiO2膜の形成、▲2▼有機SOG膜の塗布及びエッチバック処理、▲3▼上塗りとなるプラズマCVDによるSiO2膜の形成の三層構造を基本としている。
図1はこのような有機SOG膜を使用して半導体装置を製造する方法の一例を示したものである。
図1において、11はトランジスタ-、ダイオ-ド、抵抗、コンデンサ-のような電子回路を構成する要素である回路電子が形成されている半導体チップ基板、12は半導体チップ基板に形成された第一のアルミニウム配線、13は有機SOG膜塗布の下地となるプラズマCVDによるSiO2膜、14は有機SOG膜である(図1(a))。有機SOG膜14全面を酸素プラズマ処理するエッチバック処理を行い、アルミニウム配線12部分のプラズマCVDSiO2膜を露出させる(図1(b))。エッチバック処理した処理面全面に上塗りとなるプラズマCVDによるSiO2膜15を形成し、所定のエッチングレジスト16を形成し(図1(c))、エッチング処理しエッチングレジスト16で覆われていないアルミニウム配線12部分のプラズマCVDSiO2膜15をエッチング除去しアルミニウム配線12を露出させ、エッチングレジストを除去し(図1(d))、第一のアルミニウム配線12と接続した第二のアルミニウム配線17を形成して(図1(e))、半導体装置を製造する。
しかし、超LSIの高密度・高集積化によりアルミニウム配線スペース間が微細となり、従来の三層構造ではSOG塗布の下地となるプラズマCVDのSiO2膜の形成により、微細なアルミニウム配線スペース間をさらに狭くしてしまうためにSOG塗布液がアルミニウム配線スペース間に流れ込みにくくなり、結果として有機SOG膜の埋め込み不良を生じてしまう。そのために、アルミニウム配線の微細化に伴う最小加工線幅が低減するほど、従来の三層構造では層間絶縁膜の形成が困難になってきている。そこで、耐酸素プラズマが良好で単層でも層間絶縁膜の形成が可能なSOG膜が期待されている。
また、低コスト化を目標として半導体装置製造プロセスの短縮を図るためにも、エッチバック処理が不要なノンエッチバックタイプのSOG膜が必要とされている。そこで、耐アッシャ性が良好な無機SOG膜(基本的に有機成分を含まない膜)をベ-スにSiO2微粒子の添加、B-O及びMg-O結合の併用、Si-N骨格の導入が検討されているが、まだ解決に至っていない。
発明の開示
本発明は、平坦化特性を良好とするため厚膜塗布が可能で、かつ耐酸素プラズマ性に優れるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法及びシリカ系絶縁膜を提供するものである。
本願の第一の発明は、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料及びその製造法である。
本願の第二の発明は、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(e)アルキルアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料及びその製造法である。
本願の第三の発明は、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(f)水及び触媒、(d)有機溶媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料及びその製造法である。
本願の第四の発明は、(a)アルコキシシラン、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、有機溶媒中でアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加し、さらにアルコキシシランを混合後、水及び触媒を加えることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法である。
本願の第五の発明は、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料及びその製造法である
本願の第六の発明は、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(g)光酸発生剤から得られるシリカ系塗布型薄膜形成用材料及びその製造法である。
本願の第一の発明について説明する。
(a)成分のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのモノマ又はオリゴマなどが挙げられ、それぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、アルコキシシランの部分加水分解物は、それぞれのアルコキシシランのモノマ又はオリゴマをアルコールなどの有機溶媒中で水及び有機酸などの触媒を添加後、有機溶媒の沸点以下の温度で所定時間反応させることによって得られる。
触媒としては、加水分解用として酸またはアルカリが使用できる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、オレイン酸などの有機酸、これらの酸無水物又は誘導体などが挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。
水の添加量はアルコキシシラン1モルに対して2モルから4モルの範囲が好ましく、2モル未満ではアルコキシシランの加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、4モルを超えると加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。触媒の添加量は、アルコキシシラン100重量部に対して0.1重量部から5重量部が好ましく、0.1重量部未満ではアルコキシシランの加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、5重量部を超えると加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。加水分解時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
(b)成分のフッ素を含有するアルコキシシランとは、フッ素を含有するアルキルアルコキシシランを含み、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランのSiにフッ素が結合したもの、アルキルアルコキシシランのアルキル基の少なくとも一部がフッ素化されたもの等である。具体的には、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、フルオロメチルジメトキシシラン、フルオロメチルジエトキシシラン、トリフルオロメチルメチルジメトキシシラン、トリフルオロメチルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジエトキシシランなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(c)成分のSi以外の金属のアルコキシドとしては、Li,Na,Cu,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,B,Al,Ga,In,Y,Ge,Sn,Pb,Ti,Zr,P,Sb,V,Ta,Nb,Wなど金属のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドなどがあげられ、その誘導体としてはこれらのアセチルアセトナート誘導体などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、特に市販品として入手しやすく、安価で、取り扱い易い、Al,Ti,Zrのアルコキシド又はそれらのアセチルアセトナート誘導体の使用が好ましい。
(d)成分の有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの1価アルコール類及びそのエーテル又はエステル類、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類及びそのエーテル又はエステル類、アセトン、メチエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの(a)、(b)、(c)、(d)の4成分から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料は、有機溶媒中でアルコキシシランとフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加して、室温下又は加温下で高分子量化させることによって製造される。ここで、高分子量化を促進するために、水及び有機酸を添加することもできる。また、有機溶媒中でアルコキシシランに水及び触媒を添加してその部分加水分解物を予め合成し、これにフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加し反応を進めて製造することもできる。
ここで、(a)成分と(b)成分の総量は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(a)成分と(b)成分の総量が1重量部未満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また40重量部を超えると均一な膜が得にくくなる。(b)成分の添加量は、(a)成分1モルに対して0.1モルから10モルが好ましい。(b)成分の添加量が0.1モル未満では塗布後の加熱硬化時にクラックが生じ易くなり、10モルを超えると均一な膜が得にくくなる。(c)成分の添加量は、(a)成分と(b)成分の総量1モルに対して0.01モルから0.5モルの範囲が好ましい。(c)成分の添加量が0.01モル未満では高分子量化が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、0.5モルを超えると高分子量化が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。
高分子量化時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
第二の発明について説明する。
第二の発明で使用される、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒は、前述のものと同様のものである。
(e)成分のアルキルアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシラン、プロピルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3ーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3ーメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3ーメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3ーメタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(a)、(e)、(c)、(d)の4成分から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料は、有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加して、室温下又は加温下で高分子量化させることによって製造される。ここで高分子化を促進するために、水及び/又は触媒を添加することもできる。また、有機溶媒中でアルコキシシランに水及び触媒を添加してその部分加水分解物を予め合成し、これにアルキルアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加し反応を進めて製造することもできる。
ここで、(a)成分と(e)成分の総量は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(a)成分と(e)成分の総量が1重量部未満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また40重量部を超えると均一な膜が得にくくなる。(e)成分の添加量は、(a)成分1モルに対して0.1モルから10モルが好ましい。(e)成分の添加量が0.1モル未満では塗布後の加熱硬化時にクラックが生じ易くなり、10モルを超えると均一な膜が得にくくなる。(c)成分の添加量は、(a)成分と(e)成分の総量1モルに対して0.01モルから0.5モルの範囲が好ましい。(c)成分の添加量が0.01モル未満では高分子量化が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、0.5モルを超えるとと高分子量化が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。
高分子量化時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
第三の発明について説明する。
第三の発明で使用される、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(d)有機溶媒は、前述のものと同様のものである。
(f)成分の触媒としては、酸またはアルカリが使用できる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、オレイン酸などの有機酸、これらの酸無水物又は誘導体などが挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。
(a)、(b)、(f)、(d)の4成分から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料は、有機溶媒中でアルコキシシランとフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、水及び触媒を添加して、室温下又は加温下で反応させることによって製造される。また、有機溶媒中でアルコキシシランに水及び触媒を添加してその部分加水分解物を予め合成し、これにフッ素を含有するアルコキシシランを混合後水及び触媒を添加し反応を進めて製造することもできる。
ここで、(a)成分と(b)成分の総量は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(a)成分と(b)成分の総量が1重量部未満では塗布時に膜が形成さにくくなり、また40重量部を超えると均一な膜が得られにくくなる。(b)成分の添加量は、(a)成分1モルに対して0.1モルから10モルが好ましい。(b)成分の添加量が0.1モル未満では塗布後の加熱硬化時にクラックが生じ易くなり、10モルを超えると均一な膜が得られにくくなる。水(f)の添加量は(a)成分と(b)成分の総量1モルに対して2モルから4モルの範囲が好ましく、2モル未満では(a)成分及び(b)成分の加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、4モルを超えると加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。触媒(f)の添加量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して0.1重量部から5重量部が好ましく、0.1重量部未満では(a)成分及び(b)成分の加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、5重量部を超えると加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。
加水分解時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
以上説明した、第一、二、及び三の発明のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布して、乾燥により有機溶媒を除去後、300℃以上で加熱硬化させることによりシリカ系絶縁膜が形成される。ここで、塗布法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法などが挙げられ、特に制限はない。乾燥温度には、特に制限がないが、有機溶媒の揮散を促進するために100℃から300℃の範囲が好ましい。加熱硬化温度は、300℃以上で特に制限はないが、使用する基板によりその上限が有り、例えばLSIなどでアルミニウム配線を施してあるものでは500℃以下が好ましい。加熱硬化時間には、特に制限はなく、硬化した膜の物性がほぼ平衡に到達した時点で加熱を終了する。この時の判定方法としては、特に制限はないが、膜の表面硬度、膜の厚さなどの測定が簡便で好ましい。加熱硬化時の雰囲気には、特に制限がないが、加熱中の(b)又は(e)成分中のアルキル基の脱離を低減させるために窒素、アルゴンなどの不活性ガスを導入することが好ましい。
第四の発明について説明する。
第四の発明で使用される、(a)アルコキシシラン、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒は前述のものと同様のものである。
水の添加量はアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランそれぞれのアルコキシ基100%に対して75%より少ない範囲が好ましく、75%以上ではアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランの加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化又は白濁してしまう。触媒の添加量は、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシラン100重量部に対して0.1重量部から5重量部が好ましく、0.1重量部よりも少ないとアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランの加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されず、5重量部よりも多いと加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化してしまう。加水分解時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
これらの(a)アルコキシシラン、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料は、次の様にして製造される。まず、有機溶媒中に所定量のアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを分散させ、これに水及び触媒を混合してしばらく撹拌後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加する。さらにしばらく撹拌を続けて反応を進めた後、これにアルコキシシランを添加して良く混合してから、水及び/又は触媒を加え、室温下又は加温下で高分子量化させることによって製造される。
ここで、(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量が1重量部未満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また、40重量部を超えると均一な膜が得にくくなる。(e)及び/又は(b)成分の添加量は、(a)成分1モルに対して0.1モルから10モルが好ましい。(e)及び/又は(b)成分の添加量が0.1モル未満では塗布後の加熱硬化時にクラックが生じ易くなり、10モルを超えると均一な膜が得にくくなる。(c)成分の添加量は、(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量1モルに対して0.01モルから1モルの範囲が好ましい。(c)成分の添加量が0.01モル未満では高分子量化が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、1モルを超えると高分子量化が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。
高分子量化時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
このようにして製造したシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布して、乾燥により有機溶媒を除去後、300℃以上で加熱硬化させることによりシリカ系絶縁膜が形成される。ここで、塗布法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法などが挙げられ、特に制限はない。乾燥温度には、特に制限がないが、有機溶媒の揮散を促進するために100℃から300℃の範囲が好ましい。加熱硬化温度は、300℃以上で特に制限はないが、使用する基板によりその上限が有り、例えばLSIなどでアルミニウム配線を施してあるものでは500℃以下が好ましい。加熱硬化時間には、特に制限はなく、硬化した膜の物性がほぼ平衡に到達した時点で加熱を終了する。この時の判定方法としては、特に制限はないが、膜の表面硬度、膜の厚さなどの測定が簡便で好ましい。加熱硬化時の雰囲気には、特に制限がないが、加熱中の(e)及び/又は(b)成分中のアルキル基の脱離を低減させるために窒素、アルゴンなどの不活性ガスを導入することが好ましい。
第五の発明について説明する。
第五の発明で使用される、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒は前述のものと同様のものである。
水の添加量はアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランそれぞれのアルコキシ基100%に対して75%より少ない範囲が好ましく、75%以上ではアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランの加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化又は白濁してしまう。触媒の添加量は、アルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシラン100重量部に対して0.1重量部から5重量部が好ましく、0.1重量部よりも少ないとアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランの加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成されず、5重量部よりも多いと加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化してしまう。加水分解時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するた基めに特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
これらの(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(f)水及び触媒から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料は、次の様にして製造される。まず、有機溶媒中に所定量のアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを分散させ、これに水及び触媒を混合してしばらく撹拌後、さらにSi以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加し、室温下又は加温下で高分子量化させることによって製造される。
ここで、(e)及び/又は(b)成分は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(e)及び/又は(b)成分が1重量部未満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また、40重量部を超えると均一な膜が得にくくなる。(c)成分の添加量は、(e)及び/又は(b)成分1モルに対して0.01モルから1モルの範囲が好ましい。(c)成分の添加量が0.01モル未満では高分子量化が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、1モルを超えると高分子量化が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。
高分子量化時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
このような方法により製造したシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布して、乾燥により有機溶媒を除去後、300℃以上で加熱硬化させることによりシリカ系絶縁膜が形成される。ここで、塗布法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法などが挙げられ、特に制限はない。乾燥温度には、特に制限がないが、有機溶媒の揮散を促進するために100℃から300℃の範囲が好ましい。加熱硬化温度は、300℃以上で特に制限はないが、使用する基板によりその上限が有り、例えばLSIなどでアルミニウム配線を施してあるものでは500℃以下が好ましい。加熱硬化時間には、特に制限はなく、硬化した膜の物性がほぼ平衡に到達した時点で加熱を終了する。この時の判定方法としては、特に制限はないが、膜の表面硬度、膜の厚さなどの測定が簡便で好ましい。加熱硬化時の雰囲気には、特に制限がないが、加熱中の(e)及び/又は(b)成分のアルキル基の脱離を低減させるために窒素、アルゴンなどの不活性ガスを導入することが好ましい。
本願の第六の発明は、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、(g)光酸発生剤から得られるシリカ系塗布型薄膜形成用材料及びその製造法である。
第六の発明で使用される、(a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、(c)Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体、(d)有機溶媒、は前述のものと同様のものである。
(g)成分の光酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートなどのジフェニルヨードニウム塩類、ビス(4ーtーブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのビス(4ーtーブチルフェニル)ヨードニウム塩類、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートなどのトリフェニルスルホニウム塩類、2,4,6ートリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンなどのトリアジン類、ベンゾイントシレートなどのスルホン酸エステル類などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの(a)、(e)及び/又は(b)、(c)、(d)、(g)の成分から得られるシリカ系塗布型薄膜形成用材料は、有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加して、室温下又は加温下で高分子量化させたものに光酸発生剤を加えることによって製造される。
ここで、高分子量化を促進するために、水及び有機酸を添加することもできる。また、有機溶媒中でアルコキシシランに水及び触媒を添加してその部分加水分解物を予め合成し、これにアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Si以外の金属のアルコキシド及び/又はその誘導体を添加して製造することもできる。
ここで、(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量は有機溶媒(d)100重量部に対して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量が1重量部未満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また、40重量部を超えると均一な膜が得にくくなる。(e)及び/又は(b)成分の添加量は、(a)成分1モルに対して0.1モルから10モルが好ましい。(e)及び/又は(b)成分の添加量が0.1モル未満では塗布後の加熱硬化時にクラックが生じ易くなり、10モルを超えると均一な膜が得にくくなる。(c)成分の添加量は、(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量1モルに対して0.01モルから0.5モルの範囲が好ましい。(c)成分の添加量が0.01モル未満では高分子量化が不十分なために塗布時に膜が形成されにくくなり、0.5モルを超えると高分子量化が急激に生じるために塗布液がゲル化し易くなる。(g)成分の添加量は、(a)成分と(e)及び/又は(b)成分の総量に対して0.1モル%以上が好ましい。(g)成分の添加量が0.1モル%未満では、光照射時の酸発生量が少ないためにパターン化が不十分となる。
高分子量化時の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグラフを用いた方法が簡便で好ましい。
このような方法により製造したシリカ系塗布型薄膜形成用材料を基板上に塗布して、乾燥により有機溶媒を除去後、光を照射してから加熱硬化させたものを現像することによってパターン化されたシリカ系薄膜が形成される。ここで、塗布法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法などが挙げられ、特に制限はない。乾燥温度には、特に制限はないが、有機溶媒の揮散を促進するために40℃以上が好ましい。光の照射方法としては、コンタクト法、プロキシミティー法、プロジェクション法、縮小投影露光法などが用いられ、特に制限はない。光照射後の加熱硬化温度は、80℃以上で特に制限はないが、使用する基板によりその上限が有り、例えばポリカーボネートなどのプラスチック基板では100℃以下が好ましい。加熱硬化時間には、特に制限はなく、硬化した膜の物性がほぼ平衡に到達した時点で加熱を終了する。この時の判定方法としては、特に制限はないが、膜の表面硬度、膜の厚さなどの測定が簡便で好ましい。加熱硬化時の雰囲気には、特に制限がないが、加熱中の(e)及び/又は(b)成分中のアルキル基の脱離を低減させるために窒素、アルゴンなどの不活性ガスを導入することが好ましい。現像方法としては、従来のレジスト材料に用いられている、水酸化アンモニウム系の水溶液を用いたアルカリ現像法、アルコール類、ケトン類などの有機溶媒を用いた溶媒現像法などが挙げられ、特に制限はない。また、得られた薄膜の硬化度を上げるために、現像後に再度加熱処理を施しても構わない。
図2は、本発明のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を使用して半導体装置を製造する方法の一例を示したものである。
図2において、21はトランジスタ-、ダイオ-ド、抵抗、コンデンサ-のような電子回路を構成する要素である回路素子が形成されている半導体チップ基板、22は半導体チップ基板に形成された第一のアルミニウム配線等の第一の配線、23はプラズマCVDによるSiO2膜、24は本発明のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を使用して形成した絶縁膜である(図2(a))。本発明の絶縁膜24の全面にプラズマCVDによるSiO2膜25を形成し、所定のエッチングレジスト26を形成し(図2(b))、酸素プラズマ等のドライエッチングによるエッチング処理しエッチングレジスト26で覆われていない部分の絶縁膜24をエッチング除去して第一の配線22を露出させ、エッチングレジストを除去し(図2(c))、第一の配線22と接続した第二のアルミニウム配線等の第二の配線27を形成して(図2(d))、半導体装置を製造する。
本発明の絶縁膜24の全面にプラズマCVDにより形成されるSiO2膜25は省略することができる。
また、半導体チップ基板21及び第一の配線22の面に形成されるプラズマCVDによるSiO2膜23も省略することができる。
図面の簡単な説明
図1は、従来の有機SOG膜を使用して半導体装置を製造する方法を示す断面図である。
図2は、本発明の絶縁膜を使用して半導体装置を製造する方法を示す断面図である。
図3は、実施例19により作成したパタ-ン化されたシリカ系薄膜の表面粗さの測定結果を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びトリフルオロプロピルトリメトキシシラン54.5g(0.25モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながらテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、テトラヒドロフランを溶離液とし、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)装置(日立製、6000型)を用いて分子量分布を測定し、その結果からポリスチレン換算の数平均分子量を算出した(使用カラム:日立化成工業 製商品名Gelpack GL-R420、流量:1.75ml/分)結果、約2,640を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にスピンコータにより1,500rpmで20秒間塗布後、150℃の乾燥器で10分間乾燥して溶媒を除去した。次いで、管状焼成炉を用いて窒素雰囲気中、400℃で30分間加熱硬化させることによって透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。自動エリプソメータ(溝尻光学工業所製)を用いて、この絶縁膜の膜厚を測定した結果、537nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、バレル型等方性プラズマエッチング装置を用いて、酸素:1Torr,出力:400W,時間:20分間の条件で酸素プラズマ処理を施した後、その膜厚を測定した結果521nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は3%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例2
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからトリフルオロプロピルトリメトキシシラン54.5g(0.25モル)を入れて良く混合後、さらにテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約2,910を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、597nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は573nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は4%程度しか減少しないことが認められた。
また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例3
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからトリフルオロプロピルトリメトキシシラン109g(0.5モル)を入れて良く混合後、さらにジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン45.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,650を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、749nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は704nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は6%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例4
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからトリフルオロプロピルトリメトキシシラン109g(0.5モル)を入れて良く混合後、さらにジブトキシビスアセチルアセトナートジルコニウム54.4g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約2,300を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、654nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は608nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は7%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例5
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながらテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約3,260を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、622nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様にして酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚をは585nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は6%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例6
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、さらにテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約3,190を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、639nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は594nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は7%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例7
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、さらにジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン45.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,180を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、570nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は532nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は7%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例8
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、さらにジブトキシビスアセチルアセトナートジルコニウム54.4g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,390を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5.mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、514nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は478nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は7%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例9
エチルアルコール575g(12.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びトリフルオロプロピルトリメトキシシラン54.5g(0.25モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸3.06g(0.031モル)を蒸留水85.5g(4.75モル)に溶解させた水溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,040を示した。この材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は537nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様にして酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は516nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は4%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例10
エチルアルコール575g(12.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからトリフルオロプロピルトリメトキシシラン54.5g(0.25モル)を入れて良く混合後、さらに無水マレイン酸0.59g(0.006モル)を蒸留水13.5g(0.75モル)に溶解させた水溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,880を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、538nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は511nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は5%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
比較例1
エチルアルコール575g(12.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸4.9g(0.05モル)を蒸留水126g(7モル)に溶解させた水溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約780を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、489nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は391nmを示し、酸素プラズマ中に暴露することによってその膜厚は約20%も減少することが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察した結果、全面に渡って多数のクラックが発生していることが認められた。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、400℃焼成後には認められたアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが、酸素プラズマ処理後には全く認められず、酸素プラズマによりこのアルキル基が脱離してしまうことが分かった。
比較例2
エチルアルコール575g(12.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水54g(3モル)に溶解させた水溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例1と同様にして数平均分子量を算出した結果、約980を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例1と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、489nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例1と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は395nmを示し、酸素プラズマ中に暴露することによってその膜厚は約20%も減少することが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察した結果、全面に渡って多数のクラックが発生していることが認められた。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、400℃焼成後には認められたアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが、酸素プラズマ処理後には全く認められず、酸素プラズマによりこのアルキル基が脱離してしまうことが分かった。
実施例11
エチルアルコール460.0g(10モル)中にメチルトリメトキシシラン136.0g(1モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸1.6g(0.025モル)を蒸留水27.0g(1.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、テトラブトキシチタン170.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加して2時間撹拌後、テトラメトキシシラン304.0g(2モル)及びエタノール460.0g(10モル)を加えて良く混合し、これに硝酸3.2g(0.05モル)を蒸留水72.0g(4モル)に溶解させた水溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、テトラヒドロフランを溶離液とし、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)装置(日立製、6000型)を用いて分子量分布を測定し、その結果からポリスチレン換算の数平均分子量を算出した(使用カラム:日立化成工業(株)製商品名Gelpack GL-R420、流量:1.75ml/分)結果、約2,140を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にスピンコータにより2,000rpmで20秒間塗布後、150℃のホットプレートで30秒間及び250℃のホットプレートで30秒間乾燥して溶媒を除去した。次いで、管状焼成炉を用いて窒素雰囲気中、430℃で30分間加熱硬化させることによって透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。光干渉膜厚計(商品名:ラムダエース、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、この絶縁膜の膜厚を測定した結果、279nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、バレル型等方性プラズマエッチング装置を用いて、酸素:1Torr,出力:400W,時間:20分間の条件で酸素プラズマ処理を施した後、その膜厚を測定した結果272nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は2%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例12
エチルアルコール460.0g(10モル)中にメチルトリメトキシシラン136.0g(1モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸1.6g(0.025モル)を蒸留水27.0g(1.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、ジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン182.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加して2時間撹拌後、テトラメトキシシラン304.0g(2モル)及びエタノール460.0g(10モル)を加えて良く混合し、これに硝酸3.2g(0.05モル)を蒸留水72.0g(4モル)に溶解させた水溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。実施例11と同様にして、この絶縁膜形成用材料の数平均分子量を算出した結果、約1,430を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例11と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、246nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例11と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は234nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は5%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例13
エチルアルコール460.0g(10モル)中にトリフルオロプロピルトリメトキシシラン216.0g(1モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸1.6g(0.025モル)を蒸留水27.0g(1.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、テトラブトキシチタン170.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加して2時間撹拌後、テトラメトキシシラン304.0g(2モル)及びエタノール460.0g(10モル)を加えて良く混合し、これに硝酸3.2g(0.05モル)を蒸留水72.0g(4モル)に溶解させた水溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。実施例11と同様にして、この絶縁膜形成用材料の数平均分子量を算出した結果、約1,520を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例11と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、259nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例11と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は246nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は5%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
比較例3
エチルアルコール920.0g(20モル)中にメチルトリメトキシシラン136.0g(1モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸1.6g(0.025モル)を蒸留水27.0g(1.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、テトラメトキシシラン304.0g(2モル)及びエタノール460.0g(10モル)を加えて良く混合し、これに硝酸3.2g(0.05モル)を蒸留水72.0g(4モル)に溶解させた水溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。実施例11と同様にして、この絶縁膜形成用材料の数平均分子量を算出した結果、約780を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例11と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、259nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例11と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は195nmを示し、酸素プラズマ中に暴露することによってその膜厚は約24%も減少することが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察した結果、全面に渡って多数のクラックが発生していることが認められた。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、430℃焼成後には認められたアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが、酸素プラズマ処理後には全く認められず、酸素プラズマによりこのアルキル基が脱離してしまうことが分かった。
実施例14
エチルアルコール920.0g(20モル)中にメチルトリメトキシシラン408.0g(3モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸4.7g(0.075モル)を蒸留水81.0g(4.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、テトラブトキシチタン170.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、テトラヒドロフランを溶離液とし、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)装置(日立製、6000型)を用いて分子量分布を測定し、その結果からポリスチレン換算の数平均分子量を算出した(使用カラム:日立化成工業(株)製商品名Gelpack GL-R420、流量:1.75ml/分)結果、約1,550を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にスピンコータにより2,000rpmで20秒間塗布後、150℃のホットプレートで30秒間及び250℃のホットプレートで30秒間乾燥して溶媒を除去した。次いで、管状焼成炉を用いて窒素雰囲気中、430℃で30分間加熱硬化させることによって透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。光干渉膜厚計(商品名:ラムダエース、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、この絶縁膜の膜厚を測定した結果、305nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、バレル型等方性プラズマエッチング装置を用いて、酸素:1Torr,出力:400W,時間:20分間の条件で酸素プラズマ処理を施した後、その膜厚を測定した結果292nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は4%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例15
エチルアルコール920.0g(20モル)中にメチルトリメトキシシラン408.0g(3モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸4.7g(0.075モル)を蒸留水81.0g(4.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、ジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン182.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。実施例14と同様にして、この絶縁膜形成用材料の数平均分子量を算出した結果、約1,520を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例14と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、292nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例14と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は281nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は4%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
実施例16
エチルアルコール920.0g(20モル)中にトリフルオロプロピルトリメトキシシラン648.0g(3モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸4.7g(0.075モル)を蒸留水81.0g(4.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で2時間反応させた。さらに、テトラブトキシチタン170.0g(0.5モル)をエチルアルコール460.0g(10モル)に溶解させた溶液を添加し、撹拌を続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。実施例14と同様にして、この絶縁膜形成用材料の数平均分子量を算出した結果、約1,230を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例14と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、303nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例14と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は292nmを示し、酸素プラズマ中に暴露してもその膜厚は4%程度しか減少しないことが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、酸素プラズマ処理後もアルキル基(トリフルオロプロピル基)に帰属される吸収ピークが認められ、耐酸素プラズマ性が良好であることが分かった。
比較例4
エチルアルコール920.0g(20モル)中にメチルトリメトキシシラン136.0g(1モル)を入れて良く混合後、撹拌を続けながら硝酸1.6g(0.025モル)を蒸留水27.0g(1.5モル)に溶解させた水溶液を添加して、そのまま室温下で24時間反応させることによって、シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、実施例14と同様にして数平均分子量を算出した結果、約880を示した。この絶縁膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料1.5mlを用い、実施例14と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上に透明で均一なシリカ系絶縁膜を得た。この絶縁膜の膜厚は、206nmであった。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
このシリカ系絶縁膜について、実施例14と同様に酸素プラズマ処理を施した結果、その膜厚は129nmを示し、酸素プラズマ中に暴露することによってその膜厚は約37%も減少することが認められた。また、光学顕微鏡を用いて、この絶縁膜の表面を観察した結果、全面に渡って多数のクラックが発生していることが認められた。
また、この絶縁膜のIRスペクトルを測定した結果、430℃焼成後には認められたアルキル基(メチル基)に帰属される吸収ピークが、酸素プラズマ処理後には全く認められず、酸素プラズマによりこのアルキル基が脱離してしまうことが分かった。
実施例17
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながらテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応後、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート16.5g(0.04モル)を加えて完全に溶解させることによって、シリカ系塗布型薄膜形成用材料を作製した。この絶縁膜形成用材料について、テトラヒドロフランを溶離液とし、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)装置(日立製、6000型)を用いて分子量分布を測定し、その結果からポリスチレン換算の数平均分子量を算出した(使用カラム:日立化成工業(株)製商品名Gelpack GL-R420、流量:1.75ml/分)結果、約3,260を示した。この薄膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型薄膜形成用材料1.5mlを用い、片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にスピンコータにより3,000rpmで30秒間塗布後、80℃のホットプレート上で1分間乾燥して溶媒を除去した。このシリコンウエハ上にメタルマスク(ストライプ状のパターンを打ち抜いたステンレス板)を置き、低圧水銀灯の光(最強波長:254nm)を10分間照射後、120℃のホットプレート上で2分間加熱硬化させた。これをメチルイソブチルケトン溶液中で2分間現像後、シクロヘキサンで洗浄することによって、メタルマスクのパターンに一致するパターンを有するシリカ系薄膜がシリコンウエハ上に形成された。光学顕微鏡を用いて、この薄膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
実施例18
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、さらにテトラブトキシチタン42.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応後、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート16.5g(0.04モル)を加えて完全に溶解させるさせることによって、シリカ系塗布型薄膜形成用材料を作製した。この薄膜形成用材料について、実施例17と同様にして数平均分子量を算出した結果、約3,190を示した。この薄膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型薄膜形成用材料1.5mlを用い、実施例17と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にパターン化されたシリカ系薄膜を得た。また、光学顕微鏡を用いて、この薄膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
実施例19
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、さらにジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン45.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応後、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート16.5g(0.04モル)を加えて完全に溶解させることによって、シリカ系塗布型薄膜形成用材料を作製した。この薄膜形成用材料について、実施例17と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,180を示した。この薄膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型薄膜形成用材料1.5mlを用い、実施例17と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にパターン化されたシリカ系薄膜を得た。光学顕微鏡を用いて、この薄膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。図3に接触式の段差計により測定したこのシリカ系薄膜の表面粗さの結果を示す。これらの結果から、得られたシリカ系薄膜の膜厚は約400nmで、この表面にはメタルマスクに対応するパターンが形成されていることが認められた。
実施例20
エチルアルコール345g(7.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸2.45g(0.025モル)を蒸留水72g(4モル)に溶解させた水溶液を添加して、60℃に昇温した。そのまま60℃で1時間加熱後、室温まで冷却してからトリフルオロプロピルトリメトキシシラン109g(0.5モル)を入れて良く混合後、さらにジプロポキシビスアセチルアセトナートチタン54.5g(0.125モル)をエチルアルコール230g(5モル)に溶解させた溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応後、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート16.5g(0.04モル)を加えて完全に溶解させるさせることによって、シリカ系塗布型薄膜形成用材料を作製した。この薄膜形成用材料について、実施例17と同様にして数平均分子量を算出した結果、約1,650を示した。この薄膜形成用材料は、室温下で1カ月間放置してもゲル化などは生じなかった。
このシリカ系塗布型薄膜形成用材料1.5mlを用い、実施例17と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にパターン化されたシリカ系薄膜を得た。光学顕微鏡を用いて、この薄膜の表面を観察したが、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかった。
比較例5
エチルアルコール575g(12.5モル)中にテトラメトキシシラン152g(1モル)及びメチルトリメトキシシラン136g(1モル)を入れて良く混合後、撹はんを続けながら無水マレイン酸4.9g(0.05モル)を蒸留水126g(7モル)に溶解させた水溶液を添加した。さらに、撹はんを続けながら24時間反応させることによって、シリカ系塗布型薄膜形成用材料を作製した。この薄膜形成用材料について、実施例17と同様にして数平均分子量を算出した結果、約780を示した。この薄膜形成用材料は、室温下での放置により徐々に分子量が増加して、1ヶ月程度で沈殿物が発生し始めた。
このシリカ系塗布型薄膜形成用材料1.5mlを用い、実施例17と同様にして片面に鏡面研磨を施したシリコンウエハ上にシリカ系薄膜を形成した。光学顕微鏡を用いて、この薄膜の表面を観察した結果、クラックやピンホールなどの欠陥は認められなかったが、メタルマスクに対応するパターンは全く認められなかった。段差計による表面粗さの測定結果からも、メタルマスクに対応するような凹凸は、全く認められなかった。
本願の第一から五の発明のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料に於いては、保存安定性もあり、スピンコート法などによって容易に厚膜形成が可能である。また、このシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を用いて作製したシリカ系絶縁膜は、透明で均一な膜でクラックやピンホールなどの欠陥も認められない。さらに、この絶縁膜は、酸素プラズマ処理を施してもその膜厚はあまり減少せず、また、その表面にクラックやピンホールなどの欠陥も現れず、膜の構成成分に変化があまり認められないことから、耐酸素プラズマ性に優れることが認められる。
本願の第六の発明のシリカ系塗布型薄膜形成用材料に於いては、保存安定性もあり、スピンコート法などによって容易に厚膜形成が可能である。また、このシリカ系塗布型薄膜形成用材料を用いて作製したシリカ系薄膜は、透明で均一な膜でクラックやピンホールなどの欠陥も認められない。さらに、薄膜を作製する際に、光を照射することによってパターン化が可能である。
(57)【特許請求の範囲】
1. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(b)フッ素を含有するアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
2. 有機溶媒中でアルコキシシランとフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
3. 有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
4. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(e)アルキルアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
5. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、
(e)アルキルアルコキシシラン、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれか、
(d)有機溶媒、
から得られるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにアルキルアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
6. (a)アルコキシシランと、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(f)水及び触媒と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらにアルコキシシランを混合後、水及び触媒を加えることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
7. (e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(f)水及び触媒と、
から得られることを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
8. 有機溶媒中でアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランと水及び触媒を混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項7記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
9. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g)光酸発生剤と、
から得られことを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料。
10. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g)光酸発生剤と、
から得られことを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランとアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらに光酸発生剤を添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
11. (a)アルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と、
(e)アルキルアルコキシシラン及び/又は(b)フッ素を含有するアルコキシシランと、
(c)Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかと、
(d)有機溶媒と、
(g)光酸発生剤と、
から得られことを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法であって、
有機溶媒中でアルコキシシランの部分加水分解物を合成し、これにアルキルアルコキシシラン及び/又はフッ素を含有するアルコキシシランを混合後、Tiのアルコキシド及び/又はその誘導体と、Zrのアルコキシド及び/又はその誘導体との少なくともいずれかを添加し、さらに光酸発生剤を添加することを特徴とするシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料の製造法。
12. 請求項1、7、9のいずれか1項に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料又は請求項2、3、4、5、6、8、10、11のいずれか1項に記載の方法により製造されたシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させたシリカ系絶縁膜。
13. 回路素子が形成されている半導体チップ基板、
半導体チップ基板に形成された第一の配線、
請求項1、7又は9に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させて得られたシリカ系絶縁膜、及び、
第一の配線と接続する第二の配線を有する半導体装置。
14. 回路素子が形成されている半導体チップ基板に第一の配線を形成し、
請求項1、7又は9に記載のシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料を基板上に塗布、乾燥、加熱硬化させてシリカ系絶縁膜を形成し、
所定のエッチングレジストを形成し、エッチング処理してエッチングレジストで覆われていない部分の第一の配線を露出させ、エッチングレジストを除去して第一の配線と接続した第二の配線を形成することを特徴とする半導体装置の製造法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2000-04-28 
出願番号 特願平8-503019
審決分類 P 1 651・ 121- YA (C09D)
P 1 651・ 531- YA (C09D)
P 1 651・ 534- YA (C09D)
P 1 651・ 113- YA (C09D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 宮坂 初男  
特許庁審判長 嶋矢 督
特許庁審判官 谷口 操
後藤 圭次
登録日 1998-12-04 
登録番号 特許第2858960号(P2858960)
権利者 日立化成工業株式会社
発明の名称 シリカ系塗布型絶縁膜形成用材料、その製造法、シリカ系絶縁膜、半導体装置及び半導体装置の製造法  
代理人 富田 和子  
代理人 富田 和子  
代理人 岩見谷 周志  
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