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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 C08L 審判 一部申し立て 発明同一 C08L 審判 一部申し立て 特39条先願 C08L 審判 一部申し立て 2項進歩性 C08L |
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管理番号 | 1089862 |
異議申立番号 | 異議2002-70135 |
総通号数 | 50 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-09-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-01-15 |
確定日 | 2003-12-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3190089号「擦れ音を低減した摺動部材」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3190089号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3190089号の請求項1〜3に係る発明は、平成4年2月17日に特許出願され、平成13年5月18日にその特許権の設定登録がなされ、その後、齋藤 駿(以下、「特許異議申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年12月4日に訂正請求書と特許異議意見書が提出され、訂正拒絶理通知がなされ、その指定期間内である平成15年10月15日に意見書が提出されるとともに、訂正請求取下書が提出されたものである。 2.本件発明 本件請求項1〜3に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項によって特定されるとおりのものである。 3.特許異議の申立についての判断 3-1.特許異議申立人の主張 特許異議申立人は、甲第1〜5号証を提出して、概略、次の理由により本件請求項1〜3に係る特許は取り消されるべきである旨、主張している。 (1)請求項1及び3に係る発明は、特願平3-59179号(特開平4-293934号(甲第1号証);以下、「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書(以下、「先願明細書」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、本件請求項1及び3に係る発明の発明者と先願明細書に記載された発明の発明者が同一ではなく、本件の出願の時において、本件の出願人と先願の出願人とが同一でもないので、特許法第29条の2の規定に違反し、特許を受けることができない。 (2)請求項1及び3に係る発明は、先願に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定に違反し、特許を受けることができない。 (3)請求項1及び3に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項(第3号に該当)の規定に違反し、特許を受けることができない。 (4)請求項1〜3に係る発明は、甲第3及び4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反し、特許を受けることができない。 3-2.判断 3-2-1.取消理由 当審において平成14年9年27日付けで通知した取消理由は、上記特許異議申立人が主張する理由(1)〜(4)と同趣旨である。 3-2-2.刊行物等及びその記載事項 取消理由に引用した刊行物等は以下のとおりである。 先 願 :特願平3-59179号(特開平4-293934号(特許異議申立人が提出した甲第1号証)) 刊行物1:特開平1-266159号公報(同、甲第2号証) 刊行物2:特公昭52-12216号公報(同、甲第3号証(「特開昭52-12216号公報」との表記を平成14年9月9日付けで「特公昭52-12216号公報」と補正。)) 刊行物3:高分子機械材料委員会編集「ABS樹脂」,社団法人 高分子学会発行,丸善株式会社発売,昭和45年8月31日,P.80-83、118-121、242-243及び322-323、表紙、奥付(同、甲第4号証) 刊行物4:渡辺 真 外3名著「高分子新素材 One Point26・高分子トライボマテリアル」,共立出版株式会社発行,1990年11月15日、p.60-69、奥付(同、甲第5号証) 上記刊行物等には、特許異議申立人が提出した特許異議申立書第7頁第11行〜第9頁第6行に甲第1〜5号証の記載事項として指摘された事項が記載されている。 3-3-3.取消理由についての判断 上記取消理由通知に対して特許権者が訂正請求書とともに提出した特許異議意見書には、訂正請求により、特許異議申立がされた請求項1〜3を削除し、特許異議申立がされなかった請求項4を新たな請求項1とし、それを引用する新たな請求項2及び3を追加するという内容を含む訂正がなされたことを前提として意見が述べられており、訂正前の請求項1〜3についての上記取消理由については実質的な反論がなされていない。 そして、この訂正請求は、訂正拒絶理由通知に対応して後に取り下げられたが、上記取消理由は妥当なものであり、撤回する必要を認めない。 なお、特許法第39条第1項の規定に違反するとの取消理由に引用された先願(特願平3-59179号(特開平4-293934号)に係る発明は特許第2659467号として登録された。 3-3.まとめ 以上のとおりであるから、本件請求項1及び3に係る発明は、特許法第29条の2、同法第39条第1項及び同法第29条第1項(第3号に該当)の規定に違反し、特許を受けることができず、また、請求項1〜3に係る発明は、同法第29条第2項の規定に違反し、特許を受けることができない。 したがって、本件請求項1〜3に係る発明についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願についてされたものと認める。 よって、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める法律(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-10-24 |
出願番号 | 特願平4-29551 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Z
(C08L)
P 1 652・ 4- Z (C08L) P 1 652・ 113- Z (C08L) P 1 652・ 161- Z (C08L) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 佐藤 邦彦 |
特許庁審判長 |
井出 隆一 |
特許庁審判官 |
中島 次一 船岡 嘉彦 |
登録日 | 2001-05-18 |
登録番号 | 特許第3190089号(P3190089) |
権利者 | テクノポリマー株式会社 |
発明の名称 | 擦れ音を低減した摺動部材 |
代理人 | 佐木 啓二 |
代理人 | 朝日奈 宗太 |
代理人 | 田中 弘 |
代理人 | 秋山 文男 |