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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06T
管理番号 1093048
異議申立番号 異議2002-71532  
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-11-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-06-17 
確定日 2003-12-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3239683号「画像処理装置および画像処理方法」の請求項1ないし15に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3239683号の請求項1ないし15に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
本件特許第3239683号に係る出願は、平成7年5月11日に出願されたものであって、平成13年10月12日に特許の設定登録がされ、その後、その特許請求の範囲における請求項1〜15(全請求項)に係る発明について、異議申立人五味武行により特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がされ、その指定期間内である平成15年4月21日に訂正請求がなされたものである。
2 訂正の適否
(1)訂正の内容
訂正事項1
特許明細書中の請求項1に記載された「第2画像の形状を変更する画像変更手段とを備えた画像処理装置。」を「第2画像の形状を変更する画像変更手段とを備え、前記仮想領域生成手段が、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更する画像処理装置。」に訂正する。
訂正事項2
特許明細書中の請求項10を請求項8にし、かつ、「前記画像処理手段は」を「前記画像変更手段は」に訂正する。
訂正事項3
特許明細書中の請求項11を請求項9にし、「第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、」を「遊戯者の操作により移動される第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、」と、「第2画像形状を変更する画像変更手段とを備えた」を「仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する画像変更手段とを備えた」にそれぞれ訂正する。
訂正事項4
特許明細書中の請求項13を請求項10にし、「請求項1乃至12のいずれか1項記載の画像処理装置。」を「請求項1乃至9のいずれか1項記載の画像処理装置。」に訂正する。
訂正事項5
特許明細書の請求項8を「請求項11」にし、「仮想領域を生成し、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、」を「仮想領域を生成し、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更し、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、」に訂正する。
訂正事項6
特許明細書の請求項9を「請求項12」にし、「請求項8記載の画像処理方法。」を「請求項11記載の画像処理方法。」に訂正する。
訂正事項7
特許明細書の特許請求の範囲の請求項12を削除する。
訂正事項8
特許明細書の請求項13の「請求項1乃至13」を「請求項11又は12」に、「画像処理装置。」を「画像処理方法」に訂正する。
訂正事項9〜12
明細書の発明の詳細な説明の段落【0019】、【0023】、【0024】、【0026】の記載を訂正する(訂正内容省略)。
訂正事項13
特許明細書の請求項5に記載された「上記仮想領域上における第1画像の位置に対応した形状の第2画像」を「上記仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張、変更の存否
上記訂正事項1、3、5、7は、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項2、13は、誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当し、4、6、8〜12は、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれの訂正も、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項、及び第3項で準用する同第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3 特許異議申立について

(1)本件特許に係る発明
本件特許の請求項1〜15に係る発明(以下、「本件請求項1に係る発明」、「本件請求項2に係る発明」、(以下同様)という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜15に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定する判定手段と、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像変更手段とを備え、前記仮想領域生成手段が、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更する画像処理装置。
【請求項2】 第1画像の移動速度および位置を判断する位置判断手段を備え、上記仮想領域生成手段は、位置判断手段による判断結果に基づき上記仮想領域の形状を変更する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】 上記仮想領域生成手段は、上記第1画像の速度の低下に伴い、上記仮想領域の面積を減少させる請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】 上記仮想領域は、上記第1画像の移動方向に対して直角方向に延出した形状をなす請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置

【請求項5】 上記画像変更手段は、上記仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】 上記画像変更手段は、基準平面画像に対する上記第1画像の高さに対応した形状の第2画像を生成する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】 上記第1画像は野球のボールを表し、上記第2画像は野球の野手を表すとともに、上記画像変更手段は捕球動作に応じて野手の姿勢を除々に変更する請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項8】 前記仮想領域生成手段は、生成する仮想領域を複数の領域に分割し、前記判定手段は、前記第2画像が前記仮想領域の複数の領域のうちどの領域に位置するかを検出し、前記画像変更手段は前記第2画像が位置する領域毎にそれぞれ異なるように前記第2画像の形状を変更するよう構成されてなる、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、遊戯者の操作により移動される第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する画像変更手段とを備えた画像処理装置。
【請求項10】 前記仮想領域は、前記第1画像と第2画像とが衝突することを判定するためのコリジョンエリアである請求項1乃至9のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項11】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理方法において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成し、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更し、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像処理方法。
【請求項12】 第1画像の移動速度および位置を判断し、この移動速度および位置に基づき上記仮想領域の形状を変更する請求項11記載の画像処理方法。
【請求項13】 前記仮想領域は、前記第1画像と第2画像とが衝突することを判定するためのコリジョンエリアである請求項11又は12記載の画像処理方法。
【請求項14】 仮想空間における第1画像と第2画像との衝突を判定する衝突判定手段を備えたゲーム装置において、前記衝突判定手段は、前記第1画像と第2画像との衝突を判定するためのコリジョンエリアを有し、前記第1画像の移動速度に応じて前記コリジョンエリアの形状を変化させる画像変更手段を備えるゲーム装置。
【請求項15】 前記画像変更手段は、前記コリジョンエリアが分割されており、各エリアに第2画像の変化する形状を対応付けている請求項14記載のゲーム装置。」
(2)申立ての理由の概要
特許異議申立人五味武行は、甲第1号証(特開平1-193974号公報)、甲第2号証(特開平8-305891号公報(本件特許の出願当初明細書))、及び、添付資料1(PC-9801シリーズ「4Dテニス(エレクトロニック・アーツ・ビクター株式会社製、1993年発売)」のゲーム内容を収録したビデオテープ)、添付資料2(添付資料1のゲームソフトの取扱説明書)、添付資料3(添付資料1のビデオ内容概要)を提出し、
本件請求項1〜3、6、8〜11、13、及び15に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、請求項7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証に記載された従来技術に基づいて、請求項12、及び14に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、及び参考資料1〜3に基づいて、それぞれ当業者が容易になし得た発明に該当し、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、
また、本件請求項1、4、5、8、及び10〜13に係る発明は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができないから、
また、請求項12、及び14に係る発明は、平成13年7月30日の補正が新規事項の追加に該当し、平成6年改正前の特許法第17条2項の規定に違反するから、特許を取り消すべきである旨主張している。
(3)引用刊行物記載の発明
当審が通知した取消の理由に引用した刊行物1(上記甲第1号証)には、「動画像生成方法及び装置」の発明に関し、以下に示す記載が認められる。
ア 従来技術の動画像生成方式の問題点、具体的には、カマスがニシンの群れを攻撃する点や、位置関係により攻撃を察知するとニシンが回避行動を起こすこと(4頁左上欄5行〜右上欄1行)。
イ カマス(動作物体)1aと、ニシン(被観測点)1bと、領域3a・3b・3cとの位置関係が図示され、領域3cはドウナッツ状であること(第1図)。
ウ カマス1aと、ニシン1bと、領域3aとの位置関係に基づいて、カマス及びニシンの加速度及び速度が制御され、特に、領域の観測値によって被観測点の加速度及び速度が制御されること、カマスがニシンを追う行動、及びニシンがカマスから逃げる行動が生成されること(4頁右下欄15行〜5頁左下欄1行)。
エ 観測値x=g(x0,r)とし、g(x0,r)の例としてg(x0,r)=x0・e-r(x0は被観測点に与えられる量、rは動作物体と被観測点との距離)とすること、観測値が連続的に変化するため、滑らかな行動が生成されること(6頁左下欄17行〜右下欄9行)。
オ 加速度の演算(領域に係る演算)により求めたチョウの基本部分の行動に、上昇時に羽ばたき動作、下降時に滑空動作を付加すること(6頁左下欄7行〜12行)。
カ チョウに係る被観測点2を、チョウとは異なる任意の位置に設定可能なこと(6頁左下欄7行〜12行)。
キ 動作物体(チョウ)1a、1bそれぞれに領域を設定し、動作物体同士が影響を及ぼすこと(7頁右上欄6行〜13行)。
ク 動画像生成装置のハードウェア構成、本動画像生成装置は、動作物体の動きを生成する装置を備えること(7頁左下欄8行〜右下欄4行)。
ケ 領域3が複数の層から構成され、各層毎に観測値が異なり、又観測値が異なる結果、動作物体1の行動の変化が穏やかになり、より滑らかな行動の基本部分が生成されること(6頁右下欄10行〜7頁左上欄2行)。
同じく当審が通知した取消しの理由に引用した刊行物2(上記甲第2号証(本件特許の出願当初明細書))には、従来技術として、以下に示す記載が認められる。
コ 従来のビデオゲーム機について、野手の動作姿勢毎に画像を用意し、ボールがコリジョンエリアに入った場合に野手の捕球動作を行わせるビデオゲーム機が存在すること、コリジョンエリアは野手の近傍に衝突判定用の仮想領域として設けられること(段落【0005】〜【0007】)。
(4) 当審の判断
(特許法第29条第2項違反について)
ア 本件請求項1に係る発明
本件請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明は、カマス1aから所定距離の範囲を領域3aと、ニシン1b(第1画像)が所定時間内に移動し得る距離の領域3c(仮想領域)を生成し、カマス、ニシン及び前記領域の位置関係に基づいて、カマスがニシンを追う行動やニシンががカマスから逃げる行動を動画像として生成する動画像生成装置、を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の構成要素である「前記仮想領域生成手段が、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更する」点(以下、この点を「構成要素A」という。)について開示も示唆もしない。
異議申立人は、刊行物1には、領域3の範囲を一定としたり、領域3内を一定の観測値として一様に設定するのではなく、範囲を可変可能とし、観測値も可変させる点が開示されており、具体的には、観測値x=g(x0,r)とし、g(x0,r)の例としてg(x0,r)=x0・e-r(x0は被観測点に与えられる量、rは動作物体と被観測点との距離)とすることが記載されているので、この結果、領域の大きさ・形状が可変し、被観測点(例:ニシン)の速度が領域内で変化する旨主張するが、上記具体例は、観測点(動作物体)における観測値を、観測点と被観測点との距離の関数として定め、被観測点と動作物体が遠いほど連続的に被観測点に与えられた量の観測値が小さくなるようにしたものにすぎず、本件請求項1に係る発明が要件とする前記構成要素Aを開示するものではない。
したがって、本件請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
イ 本件請求項2に係る発明
本件請求項2に係る発明は、本件請求項1記載の画像処理装置を引用しており、前記構成要素Aを含むものであるから、本件請求項1に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
ウ 本件請求項3係る発明
本件請求項3に係る発明は、本件請求項2記載の画像処理装置を引用しており、前記構成要素Aを含むものであるから、本件請求項1に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
エ 本件請求項6係る発明
本件請求項6に係る発明は、本件請求項1記載の画像処理装置を引用しており、前記構成要素Aを含むものであるから、本件請求項1に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
オ 本件請求項7係る発明
本件請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明は、本件請求項1に記載された発明の判断で示したとおりの発明を開示するにすぎず、また、刊行物2に記載された従来技術と対比すると、刊行物2記載の従来技術は、野手の動作姿勢毎に画像を用意し、ボールがコリジョンエリアに入った場合に野手の捕球動作を行わせるビデオゲーム機において、コリジョンエリアは野手の近傍に衝突判定用の仮想領域として設けられることを開示するにすぎない。
以上のように、刊行物1に記載された発明、及び刊行物2に記載された従来技術のいずれも、本件請求項7に係る発明が要件とする前記構成要素Aについて、開示も示唆もしない。
したがって、本件請求項7に係る発明は、刊行物1に記載された発明、及び刊行物2に記載された従来技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
カ 本件請求項8に係る発明
本件請求項8に係る発明は、本件請求項1記載の画像処理装置を引用しており、前記構成要素Aを含むものであるから、本件請求項1に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
キ 本件請求項9に係る発明
本件請求項9に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明は、前記したように、カマス1aから所定距離の範囲を領域3aと、ニシン1b(第1画像)が所定時間内に移動しうる距離の領域3c(仮想領域)を生成し、カマス、ニシン及び前記領域の位置関係に基づいて、カマスがニシンを追う行動やニシンががカマスから逃げる行動を動画像として生成する動画像生成装置、を開示するにすぎず、本件請求項9に係る発明の構成要素である「遊戯者の操作により移動される第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する画像変更手段」(以下、この点を「構成要素B」という。)について開示も示唆もしない。
したがって、本件請求項9に係る発明は、刊行物1に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
ク 本件請求項10に係る発明
本件請求項10に係る発明は、本件請求項1乃至9のいずれか1項の画像処理装置を引用しており、前記構成要素A、又は構成要素Bを含むものであるから、本件請求項1、又は9に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
ケ 本件請求項11に係る発明
本件請求項11に係る発明は、本件請求項1に係る発明のカテゴリーを方法に変更したものに相当し、本件請求項1に記載された発明の構成要素Aと同様の「第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更」する点(以下、この点を「構成要素C」という。)を含むものであるから、本件請求項1に係る発明の判断で示した理由と同様の理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
コ 本件請求項12に係る発明
本件請求項12に係る発明は、本件請求項11記載の画像処理方法を引用しており、前記構成要素Cを含むものであるから、本件請求項11に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
サ 本件請求項13に係る発明
本件請求項13に係る発明は、本件請求項11又は12記載の画像処理方法を引用しており、前記構成要素Cを含むものであるから、本件請求項11に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
シ 本件請求項14に係る発明
本件請求項14に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明は、本件請求項1に記載された発明の判断で示したとおりの発明を開示するにすぎず、また、刊行物2に記載された従来技術と対比すると、刊行物2に記載された従来技術は、野手の動作姿勢毎に画像を用意し、ボールがコリジョンエリアに入った場合に野手の捕球動作を行わせるビデオゲーム機において、コリジョンエリアは野手の近傍に衝突判定用の仮想領域として設けられることを開示するにすぎず、また、添付資料1は、4Dテニスのゲーム内容、添付資料2は、添付資料1のゲームソフトの取扱説明書、添付資料3は、添付資料1のビデオ内容の概要を開示するにすぎず、本件請求項14に係る発明の構成要素である「前記第1画像の移動速度に応じて前記コリジョンエリアの形状を変化させる画像変更手段」(以下、この点を「構成要素D」という。)について開示も示唆もしない。
したがつて、本件請求項14に係る発明は、刊行物1に記載された発明、及び刊行物2に記載された従来技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
ス 本件請求項15に係る発明
本件請求項15に係る発明は、本件請求項14記載のゲーム装置を引用しており、前記構成要素Dを含むものであるから、本件請求項14に係る発明の判断で示した理由により、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。
(特許法第36条違反について)
ア 請求項1、8、11(訂正後の請求項1、11、9)について
特許異議申立人は、出願当初明細書(段落0064、0065)には、ボール43(第1画像)の前方の「グランド上」を移動するコリジョンエリア43(仮想領域)と、野手(第2画像)との衝突を判定すると記載されている、即ち、図4に示されるように、「第1画像の移動先に仮想領域を生成するのではなく、「グランド上に投影したボール(第1画像)の位置から、当該グランド上の所定距離先に」仮想領域を生成する点が、発明の詳細な説明に記載されているのであるから、本件請求項1、8、11(訂正後の請求項1、11、9)における「第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に」仮想領域を生成するとの記載は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができない旨、主張している。
そこで検討すると、本件特許明細書の段落0044(出願当初明細書の段落0060)には、仮想領域の生成について、「ボール(第1画像)の移動方向に対して前方位置にコリジョンエリア(仮想領域)を生成する機能を備えたものである。」との記載がされている。
この記載によれば、コリジョンエリアの生成位置は、ボール(第1画像)の移動方向に対して前方位置であればよく、その位置が2次元上に限定される理由ははない。
ボールの移動方向に対する前方位置には、3次元空間における前方位置も含まれ、特許異議申立人が主張するような「グランド上」という2次元上の位置に限られるものでないことは当業者に明かである。
したがって、本件請求項1、8、11(訂正後の請求項1、11、9)における「第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に」仮想領域を生成する点は、発明の詳細な説明に当業者が容易に実施できる程度に記載されているということができるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号に規定する要件を満たしている。
イ 請求項4について
特許異議申立人は、当初明細書段落0065、図4等の記載によれば、第1画像(ボール)は仮想空間(3次元)を移動可能なのに対し、仮想領域(コリジョンエリア)はボールの前方のグランド上(2次元)を移動するので、請求項4における「上記仮想領域は、上記第1画像の移動方向に対して直角方向に延出した形状」との記載は、グランド上を移動する仮想領域(コリジョンエリア)と矛盾し、本件請求項4の発明は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができない旨、主張している。
そこで検討すると、前記主張は、仮想領域(コリジョンエリア)がボールの前方のグランド上を移動することを根拠とするものであるが、仮想領域がグランド上(2次元)に限らず、3次元空間上の領域を含むことは、前記アで示したとおりであるから、請求項4における「上記仮想領域は、上記第1画像の移動方向に対して直角方向に延出した形状」との記載は、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号に規定する要件を満たしている。
ウ 請求項5について
特許異議申立人は、請求項5における「仮想領域上における第1画像の位置」との記載は、発明の詳細な説明の記載(当初明細書段落0065、図4等と)と一致しないから、本件請求項4の発明は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができない旨、主張している。
そこで検討すると、請求項5における前記記載は、前記訂正により、「仮想領域における第2画像の位置」に訂正され、発明の詳細な説明の記載と一致するものとなったので、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号に規定する要件を満たしている。
エ 請求項10(訂正後の請求項8)について
特許異議申立人は、請求項10における「前記画像処理手段」との記載は引用される請求項1に「画像処理手段」の記載がないため、本件請求項10の発明は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができない旨、主張している。
そこで検討すると、請求項10における前記記載は、前記訂正により「前記画像変更手段」に訂正され、前記不備は解消されたので、請求項10(訂正後の請求項8)の記載は、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号に規定する要件を満たしている。
オ 請求項13(訂正後の請求項10、13)について
特許異議申立人は、請求項13は「画像処理装置の発明であるが、引用する請求項8、9は方法の発明であり、また、「前記仮想領域」は、引用する請求項12に「仮想領域」がないため内容が不明確であるから、本件請求項13の発明は、当業者が容易に実施できる程度に発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の詳細な説明に記載されていない発明か、発明の構成に欠くことができない事項が不足している発明であるから、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号の規定により特許を受けることができない旨、主張している。
そこで検討すると、請求項13は、前記訂正により「画像処理装置」に係る請求項10と、「画像処理方法」に係る請求項13に分けられ、この結果、引用関係、及び内容が明確なものとなったので、請求項13(訂正後の請求項10、13)の記載は、平成6年改正前の特許法第36条第4項、同条第5項1号、2号に規定する要件を満たしている。
オ 請求項12について
訂正前の請求項12は、前記訂正により削除されたので、特許異議申立人が主張する記載不備は、解消された。
(特許法第17条第2項違反について)
ア 請求項12について
特許異議申立人は、訂正前の請求項12は、新規事項の追加にあたり平成6年改正前の特許法第17条第2項に違反してなされたものである旨、主張しているが、訂正前の請求項12は、前記訂正により削除されたので、特許異議申立人が主張する違法性は解消された。
イ 請求項14について、
特許異議申立人は、本件請求項14における「衝突判定手段は、前記第1画像と第2画像との衝突を判定するためのコリジョンエリアを有し」との記載は、出願当初明細書の記載内容の上位概念に当たり、出願当初明細書の内容から直接かつ一義的に導き出すことができないから、新規事項の追加に該当し、平成6年改正前の特許法第17条第2項に違反してなされたものである旨、主張している。
そこで検討すると、出願当初明細書の請求項1及び段落0060には、第1画像から所定時間に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に仮想領域を生成することが記載されているから、請求項14に係る前記記載事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてした補正であると認められる。
したがって、前記記載事項は、平成6年改正前の特許法第17条第2項に規定する要件を満たしている。
(6) むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1〜15に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に、本件請求項1〜15に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見できない。
よって結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像処理装置および画像処理方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定する判定手段と、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像変更手段とを備え、前記仮想領域生成手段が、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更する画像処理装置。
【請求項2】第1画像の移動速度および位置を判断する位置判断手段を備え、上記仮想領域生成手段は、位置判断手段による判断結果に基づき上記仮想領域の形状を変更する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】 上記仮想領域生成手段は、上記第1画像の速度の低下に伴い、上記仮想領域の面積を減少させる請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】 上記仮想領域は、上記第1画像の移動方向に対して直角方向に延出した形状をなす請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項5】 上記画像変更手段は、上記仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】 上記画像変更手段は、基準平面画像に対する上記第1画像の高さに対応した形状の第2画像を生成する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】 上記第1画像は野球のボールを表し、上記第2画像は野球の野手を表すとともに、上記画像変更手段は捕球動作に応じて野手の姿勢を除々に変更する請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項8】 前記仮想領域生成手段は、生成する仮想領域を複数の領域に分割し、前記判定手段は、前記第2画像が前記仮想領域の複数の領域のうちどの領域に位置するかを検出し、前記画像変更手段は前記第2画像が位置する領域毎にそれぞれ異なるように前記第2画像の形状を変更するよう構成されてなる、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、遊戯者の操作により移動される第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、仮想領域上における第2画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する画像変更手段とを備えた画像処理装置。
【請求項10】 前記仮想領域は、前記第1画像と第2画像とが衝突することを判定するためのコリジョンエリアである請求項1乃至9のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項11】 第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理方法において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成し、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更し、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像処理方法。
【請求項12】 第1画像の移動速度および位置を判断し、この移動速度および位置に基づき上記仮想領域の形状を変更する請求項11記載の画像処理方法。
【請求項13】 前記仮想領域は、前記第1画像と第2画像とが衝突することを判定するためのコリジョンエリアである請求項11又は12記載の画像処理方法。
【請求項14】 仮想空間における第1画像と第2画像との衝突を判定する衝突判定手段を備えたゲーム装置において、前記衝突判定手段は、前記第1画像と第2画像との衝突を判定するためのコリジョンエリアを有し、前記第1画像の移動速度に応じて前記コリジョンエリアの形状を変化させる画像変更手段を備えるゲーム装置。
【請求項15】 前記画像変更手段は、前記コリジョンエリアが分割されており、各エリアに第2画像の変化する形状を対応付けている請求項14記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、詳しくは野球、サッカー等の球技を模したビデオゲーム等においてボールに対するキャラクタの動作を円滑に行うことのできる画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ技術の進歩に伴い、コンピュータグラフィックス技術を用いたビデオゲーム機(画像処理装置)が広く利用されるようになってきた。中でも、野球、サッカー等の球技を模したビデオゲーム機に対する人気は根強いものがあり、この種のビデオゲーム機が数多く案出されている。
【0003】
しかしながら、従来のビデオゲーム機は、以下のように多くの問題を抱えていた。
【0004】
第1に、野手の捕球動作を円滑に表示するのが困難であった。
【0005】
従来のビデオゲーム機は一般に、打者、野手等を表示するディスプレイと、画面上の打者あるいは野手等を操作する操作スティックと、操作スティックの操作に応じて画面上に所望の映像を表示する画像処理回路とを備えて構成されていた。このようなビデオゲーム機においては、各野手の動作姿勢毎にスプライトと呼ばれる平面画像が用意され、ゲーム進行に応じたスプライトが画面上に表示される。また、野手の近傍にはコリジョンエリアと呼ばれる衝突判定用の仮想領域が設けられ、ボールがコリジョンエリアに入った場合に野手の捕球動作が行われていた。
【0006】
例えば、遊戯者がスティックを操作すると、画面上の野手はスティック操作に応じて打球を追いかける。このとき、野手に伴いコリジョンエリアも移動する。そして、野手がボールに追い付き、ボールが野手の近傍のコリジョンエリアに入った場合には、野手は捕球動作を行う。すなわち、ビデオゲーム機は、画面上におけるボールが野手の近傍に達しことを判断し、捕球動作を表すスプライトを表示していた。このため、画面上においてボールがコリジョンエリアに入らない限り、野手は捕球動作を開始することはない。
【0007】
ところが、ボールがコリジョンエリアに入ってから野手が捕球するまでの時間は極めて短く、ボールがコリジョンエリアに入ってから極めて短時間に野手に捕球動作を行わせなければならない。このため、野手の捕球動作はぎごちないものとなり、臨場感のあるゲームを提供するのが困難となっていた。かかる問題を解決する方法として、野手の近傍のコリジョンエリアを大きくする方法が考えられる。すなわち、ボールがコリジョンエリアに入ってから野手が捕球するまでの時間を長くする方法が考えられる。ところが、コリジョンエリアを大きくしたのでは、野手から遠く離れたボールに対しても野手が捕球動作を開始してしまい、捕球不可能なボールに対してまで野手の捕球動作が行われるという不都合が新たに生じる。
【0008】
第2に、打球とフェンスとの衝突判定処理のために多くの演算を要し、高速処理の妨げとなっていた。
【0009】
ビデオゲーム機において、打球が外野手を超えて飛んだ場合には、打球とフェンスとの衝突判定が行われる。例えば、フェンスが複数のポリゴン(多角形)で表示されている場合には、ボールの座標がポリゴン上にあるか否かが判断されていた。そして、ボールがフェンスを構成するポリゴンに衝突したと判断された場合には、ボールをフェンスから跳ね返す処理が行われる。
【0010】
すなわち、従来の野球ゲームにおいては、ボールの座標値が、フェンスを構成するポリゴン上に位置するか否かによって、ボールとフェンスとの衝突判定を行っていた。しかしながら、ボールおよびポリゴンの座標値は、3次元データによって表現されているため、両者の位置関係を判断するためには多くの演算処理を費やさなければならなかった。したがって、ゲーム全体の処理速度の低下等の問題が生じていた。
【0011】
第3に、背番号とユニフォームのように、互いに密着したポリゴン同士の隠面処理を正確に行うのは困難であった。
【0012】
野球、サッカー等のビデオゲームにおいては、ゲームの臨場感を増すためには、各選手にそれぞれ異なった背番号を付することが望ましい。ところが、、各選手のユニフォーム毎に異なった画像を用意したのでは表示データは膨大なものとなってしまう。このため、ユニフォームの画像と背番号の画像を別に用意し、背番号の画像をユニフォームの画像上に重ねる手法が採られている。
【0013】
しかしながら、背番号およびユニフォームをポリゴンによって表示する場合には、以下の問題が生じる。ポリゴンが重なり合った場合には、画面の奥側にあるポリゴンのうち重なり合った部分を表示しない処理(隠面処理)が行われる。このような隠面処理の方法として、ポリゴンの奥行き方向の座標(z座標値)の大小により各ポリゴンの優先順位を決定し、優先順位に従いポリゴンを表示する方法(Zソート法)が案出されている。すなわち、Zソート法においては、ポリゴン毎に代表点が決定され、代表点同士のz座標値の大小に従いポリゴンの優先順位が定められる。
【0014】
このように、Zソート法においては、各ポリゴン毎に一つの代表点を決定しなければならない。代表点の決定方法としては、ポリゴンの頂点のうち、最も手前側にある頂点を代表点とする方法、ポリゴンの頂点のうち、最も奥側にある頂点を代表点とする方法、あるいは、ポリゴンの重心を代表点とする方法がある。しかしながら、いずれの方法をとるにしても、背番号とユニフォームのように2つのポリゴンが互いに密着(2つのz座標値の値が近似)している場合には、ポリゴンの優先順位を正確に決定するのが困難である。すなわち、背番号がユニフォームの下に隠れて表示される等、誤った隠面処理がなされることがあった。
【0015】
かかる問題を回避する方法として、背番号の優先順位をユニフォームの優先順位よりも高くし、背番号を常にユニフォーム上に重ねる方法が考えられる。しかしながら、この方法によっては、野手が正面を向いた場合(背中が表示されない場合)に背番号が表示されるという問題が新たに生じ得る。したがって、従来は、互いに密着したポリゴン同士の隠面処理を正確に行うのが極めて困難であった。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の第1の目的は、捕球動作を円滑に行うことの可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【0017】
本発明の第2の目的は、打球とフェンスとの衝突判定を簡易な演算により実行可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【0018】
本発明の第3の目的は、背番号とユニフォームのように互いに密着したポリゴンにおける隠面処理を正確に行うことのできる画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記第1の目的を達成するためのものであって、第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定する判定手段と、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像変更手段とを備え、前記仮想領域生成手段が、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更する画像処理装置である。
【0020】
本発明の他の形態は、第1画像の移動速度および位置を判断する位置判断手段を備え、上記仮想領域生成手段は、位置判断手段による判断結果に基づき上記仮想領域の形状を変更することを特徴とする。
【0021】
上記仮想領域生成手段は、上記第1画像の速度の低下に伴い、上記仮想領域の面積を減少させる。上記仮想領域は、上記第1画像の移動方向に対して直角方向に延出した形状をなす。上記画像変更手段は、上記仮想領域上における第1画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する。
【0022】
上記画像変更手段は、基準平面画像に対する上記第1画像の高さに対応した形状の第2画像を生成する。上記第1画像は野球のボールを表し、上記第2画像は野球の野手を表すとともに、上記画像変更手段は捕球動作に応じて野手の姿勢を除々に変更する。
【0023】
前記第1の目的を達成するために、さらに本発明は、第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理方法において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成し、第1画像の移動速度に応じて前記仮想領域の形状を変更し、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、第2画像の形状を変更する画像処理方法である。
【0024】
この本発明の他の形態は、上記第1画像の移動速度および位置を判断し、この移動速度および位置に基づき上記仮想領域の形状を変更する。前記仮想領域生成手段は、生成する仮想領域を複数の領域に分割し、前記判定手段は、前記第2画像が前記仮想領域の複数の領域のうちどの領域に位置するかを検出し、前記画像変更手段は前記第2画像が位置する領域毎にそれぞれ異なるように前記第2画像の形状を変更するよう構成されてなる。
【0025】
さらに、別な本発明は、仮想空間を所定の視点から捉えた画像を表示するゲーム装置であって、仮想空間における第1の画像と第2の画像の位置を判定する手段と、この第1の画像と第2の画像とが所定の距離内にあるときに、前記第2画像の位置に応じて当該第2画像の前記第1画像を捕まえるための形状を変更する手段を有する画像処理装置である。
【0026】
さらに他の本発明は、第1画像および第2画像が衝突することを判定した場合に、第2画像の形状を変更する画像処理装置において、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する仮想領域生成手段と、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、遊戯者の操作により移動される第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、仮想領域上における第2画像に位置に対応した形状の第2画像を生成する画像変更手段とを備える。前記仮想領域は、前記第1画像と第2画像とが衝突することを判定するためのコリジョンエリアである。
【0027】
さらに他の発明は、仮想空間における第1画像と第2画像との衝突を判定しする衝突判定手段を備えたゲーム装置において、前記衝突判定手段は、前記第1画像と第2画像との衝突を判定するためのコリジョンエリアを有し、前記第1画像の移動に応じて前記コリジョンエリアの形状を変化させる画像変更手段を備える。前記画像変更手段は、前記コリジョンエリアが分割されており、各エリアに第2画像の変化する形状を対応付けている。
【0028】
【作用】
仮想領域生成手段は、第1画像から、所定時間内に第1画像が移動し得る距離だけ離れた位置に、仮想領域を生成する。すなわち、第1画像の移動方向に対して、所定距離だけ離れた位置に仮想領域が生成される。そして、判定手段は、仮想領域に第2画像が位置するか否かを判定し、第2画像が仮想領域に位置すると判定された場合には、画像変更手段は第2画像の形状を変更する。
【0029】
例えば、野手を表す第2画像が仮想領域に入ると、野手の姿勢は待機時の姿勢から捕球時の姿勢へと除々に変化する。この後、ボールを表す第1画像が野手に到達した際には、野手の姿勢は捕球時の姿勢になっている。本発明によれば、衝突判定用の仮想領域は第1画像から離れた位置にあるため、第2画像が仮想領域に入ってから第1画像および第2画像が衝突するまでの時間を長くすることができる。したがって、本発明を野球ゲームに適用した場合には、捕球時における野手の姿勢変化のための時間を十分に確保することができ、円滑な捕球動作を実現することが可能となる。
【0030】
位置判断手段は第1画像の移動速度および位置を判断し、仮想領域生成手段は、位置判断手段による判断結果に基づき仮想領域の形状を変更する。例えば、第1画像の速度が低い場合には、仮想領域生成手段は仮想領域の面積を減少させる。ボール(第1画像)の速度が遅い場合には、野手(第2画像)がボールから離れた位置において捕球動作を開始するという不都合を回避することができる。すなわち、いまにも止まりそうなボールに対して野手が飛びつきながら捕球をするというような問題を解消することができる。
【0031】
仮想領域は、第1画像の移動方向に対して直角方向にに延出した形状をなしている。したがって、野手(第2画像)は、野手の位置から左右方向に飛来したボール(第1画像)を捕球することができる。
【0032】
画像変更手段は、仮想領域上における第1画像の位置に対応した形状の第2画像を生成する。例えば、野手(第2画像)が仮想領域の中央に位置する場合には、野手の正面にボール(第1画像)が飛来するため、前向きの姿勢で捕球を行う野手が表示される。一方、野手が仮想領域の端部に位置する場合には、野手の側方にボールが飛来するため、横向きの姿勢で捕球を行う野手が表示される。このように、仮想領域上における野手の位置に応じて野手の姿勢を変更することにより、本物に近い捕球動作を再現することができる。
【0033】
画像変更手段は、基準平面画像に対する上記第1画像の高さに対応した形状の第2画像を生成する。例えば、ボール(第1画像)の位置がグランド(基準平面画像)に対して高い場合には,フライを捕球する野手が表示され、ボールの位置が低い場合には、ゴロを捕球する野手が表示される。このように、ボールの高さに応じて野手の捕球姿勢を変更することにより、本物に近い野手の捕球姿勢を再現することが可能となる。
【0034】
第1画像は野球のボールを表し、上記第2画像は野球の野手を表すとともに、画像変更手段は捕球動作に応じて野手の姿勢を除々に変更する。これにより、円滑な捕球動作を実現することが可能となる。
【0035】
【実施例】(第1実施例)
I.構成図1は本発明の第1実施例に係る画像処理装置を用いたビデオゲーム機の外観図である。この図において、ビデオゲーム機本体1は略箱型をなし、その内部にはゲーム処理用の基板等が設けられている。また、ビデオゲーム機本体1の前面には、2つのコネクタ2aが設けられており、これらのコネクタ2aにはゲーム操作用のPAD2bがケーブル2cを介して接続されている。2人の遊戯者が野球ゲーム等を楽しむ場合には、2つのPAD2bが使用される。
【0036】
ビデオゲーム機本体1の上部には、ROMカートリッジ接続用のカートリッジI/F1a、CD-ROM読み取り用のCD-ROMドライブ1bが設けられている。ビデオゲーム機本体1の背面には、図示されていないが、ビデオ出力端子およびオーディオ出力端子が設けられている。このビデオ出力端子はケーブル4aを介してTV受像機5のビデオ入力端子に接続されるとともに、オーディオ出力端子はケーブル4bを介してTV受像機5のオーディオ入力端子に接続されている。このようなビデオゲーム機において、ユーザがPAD2bを操作することにより、TV受像機5に映し出された画面を見ながらゲームを行うことができる。
【0037】
図2は本実施例に係るTVゲーム機の概要を表すブロック図である。この画像処理装置は、装置全体の制御を行うCPUブロック10、ゲーム画面の表示制御を行うビデオブロック11、効果音等を生成するサウンドブロック12、CD-ROMの読み出しを行うサブシステム13等により構成されている。
【0038】
CPUブロック10は、SCU(System Control Unit)100、メインCPU101、RAM102、ROM103、カートリッジI/F1a、サブCPU104、CPUバス103等により構成されている。メインCPU101は、装置全体の制御を行うものである。このメインCPU101は、内部にDSP(Digital Signal Processor)と同様の演算機能を備え、アプリケーションソフトを高速に実行可能である。RAM102は、メインCPU101のワークエリアとして使用されるものである。ROM103には、初期化処理用のイニシャルプログラム等が書き込まれている。SCU100は、バス105、106、107を制御することにより、メインCPU101、VDP120、130、DSP140、CPU141等の間におけるデータ入出力を円滑に行うものである。また、SCU100は、内部にDMAコントローラを備え、ゲーム中のスプライトデータをビデオブロック11内のVRAMに転送することができる。これにより、ゲーム等のアプリケーションソフトを高速に実行することが可能である。カートリッジI/F1aは、ROMカートリッジの形態で供給されるアプリケーションソフトを入力するためのものである。
【0039】
サブCPU104は、SMPC(System Manager & Peripheral Control)と呼ばれるもので、メインCPU101からの要求に応じて、PAD2bからペリフェラルデータをコネクタ2aを介して収集する機能等を備えている。メインCPU101はサブCPU104から受け取ったペリフェラルデータに基づき、例えばゲーム画面中の野手を移動させる等の処理を行うものである。コネクタ2aには、PAD、ジョイスティック、キーボード等のうちの任意のペリフェラルが接続可能である。サブCPU104は、コネクタ2a(本体側端子)に接続されたペリフェラルの種類を自動的に認識し、ペリフェラルの種類に応じた通信方式に従いペリフェラルデータ等を収集する機能を備えている。
【0040】
ビデオブロック11は、ビデオゲームのポリゴンデータから成るキャラクタ等の描画を行うVDP(Video Display Processor)120、背景画面の描画、ポリゴン画像データおよび背景画像の合成、クリッピング処理等を行うVDP130とを備えている。VDP120はVRAM121およびフレームバッファ122、123に接続されている。ビデオゲーム機のキャラクタを表すポリゴンの描画データはメインCPU101からSCU100を介してVDP120に送られ、VRAM121に書き込まれる。VRAM121に書き込まれた描画データは、例えば、16または8ビット/pixelの形式で描画用のフレームバッファ122または123に描画される。描画されたフレームバッファ122または123のデータはVDP130に送られる。描画を制御する情報は、メインCPU101からSCU100を介してVDP120に与えられる。そして、VDP120は、この指示に従い描画処理を実行する。
【0041】
VDP130はVRAM131に接続され、VDP130から出力された画像データはメモリ132を介してエンコーダ160に出力される構成となっている。エンコーダ160は、この画像データに同期信号等を付加することにより映像信号を生成し、TV受像機5に出力する。これにより、TV受像機5に野球ゲームの画面が表示される。
【0042】
サウンドブロック12は、PCM方式あるいはFM方式に従い音声合成を行うDSP140と、このDSP140の制御等を行うCPU141とにより構成されている。DSP140により生成された音声データは、D/Aコンバータ170により2チャンネルの信号に変換された後にスピーカ5bに出力される。
【0043】サブシステム13は、CD-ROMドライブ1b、CD I/F180、CPU181、MPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183等により構成されている。このサブシステム13は、CD-ROMの形態で供給されるアプリケーションソフトの読み込み、動画の再生等を行う機能を備えている。CD-ROMドライブ1bはCD-ROMからデータを読み取るものである。CPU181は、CD-ROMドライブ1bの制御、読み取られたデータの誤り訂正等の処理を行うものである。CD-ROMから読み取られたデータは、CD I/F180、バス106、SCU100を介してメインCPU101に供給され、アプリケーションソフトとして利用される。また、MPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183は、MPEG規格(Motion Picture Expert Groug)により圧縮されたデータを復元するデバイスである。これらのMPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183を用いてCD-ROMに書き込まれたMPEG圧縮データの復元を行うことにより、動画の再生を行うことが可能となる。
【0044】
続いて、本実施例に係る画像処理装置の構成を説明する。図3は、メインCPU101、RAM102、ROM103等により構成される画像処理装置の機能ブロック図である。この図において、仮想領域生成手段31は、ボール(第1画像)の移動方向に対して前方位置にコリジョンエリア(仮想領域)を生成する機能を備えたものである。位置判断手段34はボールの速度および高さ(位置)を判断し、判断結果を仮想領域生成手段31に与えるものである。判定手段32はコリジョンエリアと野手との位置関係を判定し、判定結果を画像変更手段33に与える構成となっている。画像変更手段33は、判定手段32による判定結果(コリジョンエリアおよび野手の位置関係)に基づき野手(第2画像)の姿勢を変更するものである。すなわち、コリジョンエリア内に野手が入ると、野手は捕球動作を行う。
【0045】
図4は、本実施例に係るビデオゲーム機によって表示される野球ゲームの画面の一例を示している。この野球ゲームは、1人または2人で実行可能なものである。すなわち、遊戯者が2人いる場合には2人の遊戯者が守備および攻撃を交互に行い、遊戯者が1人のみの場合には遊戯者はコンピュータ(ビデオゲーム機)を対戦相手として守備および攻撃を交互に行う。ディスプレイ5上には、ゲーム進行に合わせた場面が3次元グラフィックスとして表示される。投球持においてはバッターの背後から見た場面が表示されるが、打撃直後は同図に示されるように野手を中心とした場面が表示される。
【0046】
野手J,Kは、PAD2bの操作によって移動させることが可能である。すなわち、遊戯者がPAD2bを操作すると、メインCPU101はボール42の飛行方向に位置する野手J、Kのうち、先ず内野側に位置する野手Jを移動させる。そして、野手Jがボールを取り損ねた場合には、メインCPU101はPAD2bの操作に応じて次に外野側の野手Kを移動させる。このようにして、簡単な操作によって複数の野手を移動させることが可能となる。
【0047】
打者41がボールを打つと同時に、メインCPU101はボール42の速度および方向を算出し、これらの算出結果からボール42の落下予想地点44を算出する。なお、この落下予想地点44は、実際に画面上に表示される。ボール42の落下持までに、野手JまたはKを落下予想地点44の近傍に移動した場合には、野手JまたはKはフライを捕ることができる。
【0048】
ボール42の飛行方向(前方)におけるグランド(基準平面画像)上には仮想的なコリジョンエリア43が位置している。このコリジョンエリア43は、ボール42と野手との衝突(コリジョン)判定に際して使用されるものであり、実際に表示されるものではない。野手JまたはKがコリジョンエリア43内に移動した場合には、野手JまたはKはボール42を捕球することが可能である。一方、野手JまたはKがコリジョンエリア43の範囲外に位置する限り、野手JまたはKは捕球動作を行わない。
【0049】
このコリジョンエリアを図5〜図9を参照しながら詳述する。図5は、コリジョンエリア、ボール、野手のそれぞれの位置関係を説明するための図である。この図に示されるように、コリジョンエリア43は、ボール42から所定距離だけ前方に離れたグランド上に位置している。すなわち、コリジョンエリア43は、ボール42の飛行に従い、ボール43の前方のグランド上を移動する。コリジョンエリア43とボール42との距離は、12インタラプトの時間にボール42が進む距離に相当する。
【0050】
なお、本実施例にあっては、1フレーム(垂直帰線周期期間1/60msec×2=33.3msec)毎にインタラプトが発生することから、12インタラプトの時間は約0.4secとなる。また、野手J、Kの姿勢は、1インタラプト(1フレーム)毎に変化するため、12インタラプトの時間に野手は12コマ分の動作を行うことが可能である。例えば、図6に示されるように、コリジョンエリア43内に入った野手Jが捕球動作を開始してから捕球を完了するまでに、野手Jは体の向きをボールに向けながら12コマ分の動作を実行することができる。したがって、野手の捕球動作を滑らかに表示することが可能となる。
【0051】
図7は、コリジョンエリア43および捕球姿勢を説明するための図である。この図に示されるように、コリジョンエリア43は、エリアA,B1,B2,C1,C2により構成されており、各エリアA,B1,B2,C1,C2には野手の捕球姿勢71〜75が対応付けられている。例えば、野手がエリアAに入った場合には、ボールは野手の正面に来るので、野手の捕球時の姿勢は捕球姿勢73のようになる。野手がエリアC1に入った場合には、ボールは野手の左側に来る(ボールはエリアAを通過する)ので、野手の捕球姿勢は捕球姿勢71のようになる。なお、同図に示された捕球姿勢71〜75は、ボールの高さが低い場合におけるものであり、ボールの高さに応じた捕球姿勢が選択される。
【0052】
図8は、コリジョンエリアの上面図である。上述したように、コリジョンエリア43は、エリアA,B1,B2,C1,C2により構成されている。最も中心のエリアAはボールの飛行経路下に位置し、円形をなしている。そして、エリアAの外側には、それぞれ扇型をなすエリアB1,B2,C1,C2が順に設けられている。エリアB1,B2,C1,C2は、ボールの速度が遅くなるに従い、順に消滅するものである。例えば、ボールがグラウンドにバウンドし、ボールの速度が低下したような場合には、エリアC1,C2が先ず消滅する。
【0053】
さらに、ボールの速度が低下すると、エリアB1,B2が消滅し、エリアAのみが残存する。現実の野球において、ボールが止まりそうな場合に野手がボールに飛びつく(図7の捕球姿勢71、75を参照)ことは通常あり得ない。したがって、ボールの速度に応じてコリジョンエリア43の大きさを適宜変更することにより、画面上の野手の動作を現実の野手の動作に近づけることが可能となる。
【0054】
また、エリアB1,B2の有効角度θb、エリアC1,C2の有効角度θcも同様にボールの速度等によって変化する。例えば、ボールの速度が速い場合には、ボールの通過位置に野手を素早く移動させなければならない。このとき、コリジョンエリア43の面積が狭い場合には、ボールを捕球するのが極めて困難となってしまう。そこで、このような場合には、有効角度θb、θcを大きくし、コリジョンエリア43の面積を広げることによって、ボールが高速である場合における捕球の困難さを軽減している。
【0055】
図9は、ボールの移動に伴うコリジョンエリア43の形状の変化の様子を表している。ボールが打たれた後、停止するまでに、コリジョンエリア43は位置(a)〜(d)を順に通過する。位置(a)は、打撃直後のコリジョンエリアの位置を示している。上述したように、ボールが高速である場合においては、捕球の困難さを軽減するために有効角度θb、θcを大きくしている。そして、ボールの速度が低下すると、有効角度θb、θcは小さくなり、コリジョンエリア43の面積は減少する(位置(b))。
【0056】
さらに、ボールがその速度を減少させながら位置(c)に到達すると、コリジョンエリア43のエリアC1,C2は消滅する。ボールが停止する直前(位置(d))には、コリジョンエリア43のエリアB1,B2は消滅する。このとこのコリジョンエリア43は円形のエリアAのみとなるため、野手はボールに対して全方向から捕球を行うことができる。このように、ボールの速度に伴いコリジョンエリア43の形状を変化させることにより、本物らしい野手の捕球動作を再現することが可能となる。
【0057】
図10は、コリジョンエリア上の野手の位置およびボールの高さに応じた野手の捕球姿勢を表す図である。この図において、縦軸はボールの高さを示し、横軸はコリジョンエリア上の野手の位置を示している。捕球姿勢111〜113はジャンプしながら捕球を行う野手を表し、捕球姿勢114はフライを捕る野手を表している。さらに、捕球姿勢115〜119は野手の胸の高さにおいて捕球する野手を表し、捕球姿勢120〜124はゴロを捕る野手を表している。また、捕球姿勢125は、正面に飛びつきながら捕球する野手を表している。これらの捕球姿勢のうち、捕球姿勢115、119、120、124は移動しながら捕球を行うものである。
【0058】
また、コリジョンエリア上の野手の位置に応じた捕球姿勢が選択される。例えば、野手がエリアAに位置し、かつ、ボールが高い位置にある場合(フライ)には、グラブを上に揚げた捕球姿勢114が表示される。また、野手がエリアC1に位置し、かつ、ボールが野手の胸の高さに位置する場合には、グラブを左側に差し出した捕球姿勢115が表示される。このように、コリジョンエリア上の野手の位置、および、ボールの高さに応じて野手の捕球姿勢を変更することにより、現実感溢れる野球ゲームを提供することができる。
【0059】
II.作用続いて、図11、図12に示されたフローチャートを参照しながら、本実施例に係る画像位置判定装置の作用を説明する。
【0060】
図11は画像処理を用いたビデオゲーム機の作用を表すフローチャートである。このフローチャートは、ボールがバッターによって打たれたことを条件として、1インタラプト(1フレーム)毎に実行されるものである。先ず、位置判断手段34は、打撃直後のボールの移動方向、角度、速度を判断する(S1)。そして、仮想領域生成手段31は、ボールの速度に基づき、コリジョンエリア43の形状(大きさ、有効角度)を決定する。例えば、打撃直後において、ボールの速度が速い場合には、コリジョンエリア43のエリアB1,B2の有効角度θb、エリアC1,C2の有効角度θcを大きくする(図8、図9)。このようにして、決定されたコリジョンエリア43は、ボールから所定距離だけ前方に離れたグランド上に位置している。コリジョンエリア43とボールとの距離は、12インタラプトの時間にボール42が進む距離に相当する。なお、コリジョンエリア43は、実際は画面上に表示されない。
【0061】
仮想領域生成手段31は、コリジョンエリア43のエリアA,B1,B2,C1,C2に野手の捕球姿勢を対応付ける(S2)。例えば、図10に示されるように、エリアAに対しては、野手の正面で捕球を行う捕球姿勢が対応付けられ、エリアB1,B2,C1,C2のそれぞれに対しては、野手の側方で捕球を行う捕球姿勢が対応付けられる。
【0062】
続いて、判定手段32は、全員の野手の中からボールを捕球する可能性のある(ボールに近い位置にある)野手を選び出し、この野手とコリジョンエリア43の中心位置との距離Dを算出する(S3)。例えば、図1において、野手Jが選択された場合には、野手Jとコリジョンエリア43の中心位置との距離Dが算出される。そして、距離Dがコリジョンエリア43の最大半径よりも大きい場合、ずなわち、野手Jがコリジョンエリア43の外側に位置している場合(S4でYES)には、判定手段32はS10の処理を実行する。
【0063】
S10において、判定手段32は、野手J以外にボールを捕球する可能性のある野手が存在するか否かを判断する。野手J以外にボールを捕球する可能性のある野手Kが存在する場合(S10でNO)には、野手Kに処理対象を移行する(S9)。そして、野手Kについて、上述したS3,S4の処理を実行する。この結果、野手Kとコリジョンエリア43の中心位置との距離Dが、コリジョンエリア43の最大サイズよりも大きいと判断された場合には、さらにS10が実行される。S10において、野手J,K以外にボールを捕球する可能性のある野手が存在しないと、判定手段32が判断した場合(S10でYES)には、本フローチャートの処理を終了し、図示されていないメインフローチャートに戻る。
【0064】
この後、1フレーム毎にインタラプトが発生し、上述した図10のフローチャートが繰り返し実行される。ボールが打たれてから所定時間経過することによって、ボールは移動し、ボールの速度および高さ等も変化する。ボール位置判断手段34は、このときのボールの移動方向、角度、速度を判断し(S1)、仮想領域生成手段31は、ボールの速度に基づき、コリジョンエリア43の形状(大きさ、有効角度)を改めて決定する。例えば、ボールの速度が遅くなった場合には、コリジョンエリア43の有効角度θb、有効角度θcは小さくなる。
【0065】
遊戯者がPAD2bを操作し、遊戯者Jがコリジョンエリア43の中に入ったとする。すると、ステップS4の判断結果はNOとなり、S5以降の処理が実行される。判定手段32は、距離DがエリアAの半径Arよりも小さいか否か、すなわち、野手JがエリアA内に位置するか否かを判断する(S5)。判断の結果がNOである場合には、判定手段32は、距離DがエリアB1,B2の半径Brよりも小さいか否かを判断する(S6)。さらに、判断の結果がNOである場合には、距離DがエリアC1,C2の半径Crよりも小さいか否かを判断する(S7)。すなわち、判定手段32は、S5〜S7において野手Jがコリジョンエリア43のいずれのエリアに位置するかを判断する。
【0066】
例えば、野手JがエリアB1に位置すると判定手段32が判断した場合(S6でYES)には、S8のサブルーチンが実行される。
【0067】
S8のサブルーチンを図12に示す。ステップS81において、画像変更手段33は、コリジョンエリア43の中心点と野手Jとのなす角度を算出する。そして、画像変更手段33は、算出された角度に対応する捕球姿勢が定義されているか否かを判断する(S82)。捕球姿勢が定義されていない場合(S82でNO)には、処理が次の野手に移行された後(S86)、図11のメインフローチャートに戻る。例えば、野手Jがコリジョンエリア43の左側(エリアB1側)に入った場合には、図10中の捕球姿勢115が定義されているので(S82でYES)、S83以降の処理が実行される。
【0068】
画像変更手段33は、PAD(またはスティック)2bの情報、野手の向き、ボールの高さ等に基づき、正確な捕球姿勢を決定する(S83)。そして、このようにして決定された捕球姿勢が存在しない場合(S84でNO)には、処理を次の野手、例えば野手Kに移した後(S86)、図11のメインフローチャートに戻る。一方、S83において決定された捕球姿勢が存在する場合(S84でYES)には、画面上の野手Jの姿勢を捕球姿勢に変更し(S85)、図11のメインフローチャートに戻った後に処理を終了する。このようにして、捕球を行う野手が決定された後は、図12のサブルーチンは実行されず、図示されていない姿勢変更処理が1インタラプト毎に実行される。この姿勢変更処理によって野手Jの姿勢は1フレーム毎に除々に変化する。そして、野手Jが捕球動作を開始してから12インタラプト後に、野手Jのグラブにボールが入る。
【0069】
したがって、本実施例によれば、野手がコリジョンエリア43に入ってから、12インタラプト(12フレーム)分の動作を野手に行わせることができるため、本物に近い捕球動作を再現することが可能となる。また、コリジョンエリア43上における野手の位置に応じて捕球姿勢を変更することにより、現実感溢れる捕球動作を実現することができる。
【0070】
(第2実施例)
第2実施例に係るビデオゲーム機は、上述した第1実施例に係るビデオゲーム機に対して背番号の表示に関する機能が付加されたものである。以下、この機能を、図13、図14を参照しながら説明する。
【0071】
図15は、選手の上半身を表すポリゴンのデータ構造を説明するための図である。この図において、ユニフォームは4つポリゴングループ14A、14B、14C、14Dによって構成されている。各ポリゴングループは、ユニフォームの一部を表すポリゴンおよび背番号の一部を表すポリゴンによって構成されている。すなわち、ポリゴン14Aは、4分割されたユニフォームの一部を表すポリゴン1401、および、4分割された背番号の一部を表すポリゴン1411によって構成されている。同様に、ポリゴングループ14Bはポリゴン1402、1412によって構成され、ポリゴングループ14Cはポリゴン1403、1413によって構成されている。また、ポリゴングループ14Dはポリゴン1404、1414によって構成されている。
【0072】
ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれについて、ポリゴンの記述順位(優先順位)が設定されている。例えば、ポリゴングループ14Aにおいては、ユニフォームのポリゴン1401、背番号のポリゴン1411の順に記述順位が定められている。また、ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれの中で最も記述順位の高いポリゴンが各ポリゴングループを代表するポリゴンとして選ばれている。すなわち、ユニフォームを表示するポリゴン1401、1402、1403、1404がポリゴングループ14A、14B、14C、14Dを代表するポリゴンとしてそれぞれ選択される。
【0073】
このように構成されたポリゴンデータの表示手順を図13を参照しながら説明する。同図の(A)に示されるように、ユニフォームを表すポリゴン1401〜1404、背番号を表すポリゴン1411〜1414は3次元座標系における座標によって表されている。メインCPU101(図2)は、この3次元座標系に対する座標変換を行ない、同図の(B)に示す2次元座標系を生成する。座標変換は、ポリゴン1401〜1404、1411〜1414の各頂点の座標を2次元座標系に投影することによって行われる。
【0074】
そして、メインCPU101は、ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれを代表するポリゴン1401、1402、1403、1404、および、他のポリゴン(野手の胸、腕等を表すポリゴン)についての優先順位を判断する。例えば野手が正面を向いている(胸が画面側を向いている)場合には、背中は胸の裏側に位置する。すなわち、ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれを代表するポリゴン1401、1402、1403、1404のZ座標値は胸を表すポリゴンのZ座標値よりも大きくなる。したがって、この場合にはポリゴングループ14A、14B、14C、14D全体が表示されなくなる(背中は胸の裏側に隠れる)。
【0075】
一方、野手が画面に対して後ろ向きである場合には、ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれを代表するポリゴン1401、1402、1403、1404のZ座標値は胸を表すポリゴンのZ座標値よりも小さくなる。この場合にはポリゴングループ14A、14B、14C、14Dは胸のポリゴンに優先して表示される。ポリゴングループ14A、14B、14C、14Dのそれぞれにおいては、予め定められた記述順位に従ってポリゴンが表示される。例えば、ポリゴングループ14Aにおいては、ユニフォームを表すポリゴン1401に重ねて背番号を表すポリゴン1411が上書きされる。すなわち、同一ポリゴングループ内においては、各ポリゴンのZ座標値の比較(Zソート)は行われず、予め定められた記述順位に従ってポリゴンが表示される。
【0076】
上述したように、同一のポリゴングループ内においては、各ポリゴンのZ座標値同士の比較は行われず、予め定められた記述順位に従ってポリゴンが表示される。したがって、ユニフォームおよびポリゴンのように、2つのポリゴンが密着しているような場合であっても、正確な隠面処理を行うことが可能となる。例えば、ユニフォームを表すポリゴンおよび背番号を表すポリゴンを正確に表示することができる。また、ポリゴングループの表示順位は、最も記述順位の高いポリゴンのZ座標値に基づき決定されるため、本実施例に係る隠面処理とZソート法との互換性を確保することが可能となる。
【0077】
なお、本実施例はユニフォーム上の背番号の表示に限定されることなく、競技用自動車上の番号等に適用することも可能である。
【0078】
(第3実施例)
本実施例に係るビデオゲーム機は上述した第1実施例に係るビデオゲーム機に以下の機能が付加されたものである。図15を参照しながら本発明の第3実施例に係るビデオゲーム機を説明する。
【0079】
図15は、画面上における球場1500の外観図である。セカンドベースの後方には仮想的な中心点1502が設定され、この中心点1502に対して半径R、角度θの円弧が外野フェンス1501として表示されている。また、この図において、符号1503はバッターによって打たれたボールを示している。メインCPU101は、中心点1502からボール1503までの距離rを算出するとともに、図中の角度φが角度θの範囲にあるか否かを判断する。これら2つの条件に加えて、ボール1503の高さが外野フェンス1501の高さ以下である条件が満たされた場合には、メインCPU101は、ボール1503が外野フェンス1501に衝突したと判断する。そして、メインCPU101は、ボール1503を外野フェンス1501から跳ね返す処理を行い、ディスプレイ5上に跳ね返されたボールが映し出される。
【0080】
本実施例によれば、距離r等の演算のみによってボールと外野フェンスとの衝突判定を行うことができ、ポリゴン同士の複雑な衝突判定処理を行う必要がない。このため、ボールと外野フェンスとの衝突を容易に判定することが可能となる。
【0081】
(他の実施例)
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変形実施可能である。例えば、野球ゲームのみならずサッカーゲーム、テニスゲーム等に本発明を適用してもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば以下の効果を得ることが可能である。
【0083】
第1に、円滑な捕球動作を表示することが可能となる。本発明においては、ボール(第1画像)から所定距離だけ離れた位置に、コリジョンエリア(仮想領域)が生成される。そして、判定手段は、コリジョンエリアに野手(第2画像)が位置するか否かを判定し、野手が仮想領域に位置すると判定された場合には、画像変更手段は野手の姿勢(形状)を変更する。例えば、野手がコリジョンエリアに入ると、野手の姿勢は待機時の状態から捕球時の状態へと除々に変化する。この後、ボールが野手に到達した際には、野手の姿勢は捕球時の状態になっている。本発明によれば、衝突判定用のコリジョンエリアはボールから離れた位置にあるため、野手がコリジョンエリアに入ってからボールが野手に到達するまでの時間を長くすることができる。したがって、野手が捕球動作を開始してから捕球を完了するまでの時間(野手の姿勢変化のための時間)を十分に確保することができ、円滑な捕球動作を実現することが可能となる。
【0084】
また、野手の捕球姿勢は、コリジョンエリア上における野手の位置に応じて変更される。例えば、野手がコリジョンエリアの中央に位置する場合には、野手が前向きで捕球する動作を表示し、野手がコリジョンエリアの端部に位置する場合には、野手が横向きで捕球する動作を表示することができる。これによって、現実感溢れる捕球動作を表示することが可能となる。
【0085】
さらに、ボールの速度および位置(高さ)に応じてコリジョンエリアの形状を変更することによっても、本物に近い捕球動作を再現することができる。例えば、ボールの位置がグランド(基準平面画像)に対して高い場合には,フライを捕球する野手が表示され、ボールの位置が低い場合には、ゴロを捕球する野手が表示される。
【0086】
第2に、打球とフェンスとの衝突判定を簡易な演算により行うことが可能となるる。本発明においては、中心点から半径Rのフェンス(曲面画像)が想定され、ボールから中心点までの距離rが適宜算出される。そして、距離rが距離Rに達した場合には、ボールがフェンスに衝突したと判定することによって、衝突判定処理を容易に行うことが可能である。
【0087】
第3に、互いに密着したポリゴンの隠面処理を正確に行うことが可能となる。本発明によれば、同一のポリゴングループ内においては、各ポリゴンのZ座標値同士の比較は行われず、予め定められた記述順位に従ってポリゴンが表示される。したがって、ユニフォームおよびポリゴンのように、2つのポリゴンが密着しているような場合であっても、正確な隠面処理を行うことが可能となる。また、ポリゴングループの表示順位は、他のポリゴンの表示順位と同様に、Zソート法等のアルゴリズムによって決定されるため、本発明に係る隠面処理と従来の隠面処理(例えばZソート法)との互換性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1実施例に係るビデオゲーム機の外観図である。
【図2】
本発明の第1実施例に係るビデオゲーム機の概略構成図である。
【図3】
本発明の第1実施例に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図4】
本発明の第1実施例に係る野球ゲームの画面を表す図である。
【図5】
本発明の第1実施例に係るコリジョンエリア、ボール、および、野手の位置関係を表す図である。
【図6】
本発明の第1実施例に係るコリジョンエリアに野手が入った状態を表す図である。
【図7】
本発明の第1実施例に係るコリジョンエリアの各エリアと捕球姿勢との対応を示す図である。
【図8】
本発明の第1実施例に係るコリジョンエリアの詳細を説明するための図である。
【図9】
本発明の第1実施例に係るコリジョンエリアの形状の変化を説明するための図である。
【図10】
本発明の第1実施例に係る野手の捕球姿勢を説明するための図である。
【図11】
本発明の第1実施例に係るビデオゲーム機の作用を表すフローチャートである。
【図12】
本発明の第1実施例に係るビデオゲーム機の作用を表すフローチャートである。
【図13】
本発明の第2実施例に係るビデオゲーム機を説明するための図である。
【図14】
本発明の第2実施例に係るビデオゲーム機の作用を表すフローチャートである。
【図15】
本発明の第3実施例に係るビデオゲーム機を説明するための図である。
【符号の説明】
31 仮想領域生成手段
32 判定手段
33 画像変更手段
34 位置判断手段
42 ボール(第1画像)
43 コリジョンエリア(仮想領域)
71〜75、111〜125、J、K 野手(第2画像)
101 メインCPU(座標変換手段、隠面処理手段)
14A、14B、14C、14D ポリゴングループ
1501 外野フェンス(曲面画像)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-11-26 
出願番号 特願平7-113461
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G06T)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡本 俊威  
特許庁審判長 東 次男
特許庁審判官 江頭 信彦
加藤 恵一
登録日 2001-10-12 
登録番号 特許第3239683号(P3239683)
権利者 株式会社セガ
発明の名称 画像処理装置および画像処理方法  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大賀 眞司  
代理人 田中 克郎  
代理人 田中 克郎  
代理人 大賀 眞司  

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