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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B29C 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 B29C |
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管理番号 | 1093121 |
異議申立番号 | 異議2001-71556 |
総通号数 | 52 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-01-13 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-05-28 |
確定日 | 2004-01-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3112421号「ウェザーストリップの型成形方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3112421号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3112421号の請求項1、2に係る発明についての出願は、平成8年6月21日に特許出願され、平成12年9月22日にその発明について特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成13年 5月28日に特許異議申立人 平賀 博により特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年12月3日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否 2-1.訂正の内容 特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。 訂正事項a. 特許請求の範囲の請求項1及び2に係る 「【請求項1】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、前記係止爪の外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。 【請求項2】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された略円筒状の係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、前記下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上下側金型と下側金型間に固定することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。」 の記載を、 「【請求項1】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成され、前記ウェザーストリップの取付時にドアサッシュ側に突設した状態で形成された係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、前記係止爪の、前記Tスタッド部材の頭部に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。 【請求項2】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された略円筒状の係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。」と訂正する。 訂正事項b. 明細書の段落番号【0007】 「【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、係止爪(8a)の外側に接する突起部(13)が設けられた下側金型(12)と、突起部(13)とによって係止爪(8a)を挾み込むようにしてインサート部材(9)を上側金型(11)と下側金型(12)間に固定し、上下側金型(11,12)間にゴム材料を注入して型成形するものである(請求項1)。 また本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された略円筒状の係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、下側金型(12)が係止爪(8a)の外側に接する個所に突起部(13)を設け、突起部(13)に係止爪(8a)を接触させた状態にてインサート部材(9)を上下側金型(11,12)と下側金型(12)間に固定するものである(請求項2)。」の記載を、 「【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着され、ウェザーストリップ(5)の取付時にドアサッシュ(3)側に突設した状態で形成されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、係止爪(8a)の、Tスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部(13)が設けられた下側金型(12)と、突起部(13)とによって係止爪(8a)を挾み込むようにしてインサート部材(9)を上側金型(11)と下側金型(1、2)間に固定し、上下側金型(11,12)間にゴム材料を注入して型成形するものである(請求項1)。 また本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された略円筒状の係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、下側金型(12)が係止爪(8a)の外側に接する個所に突起部(13)を設け、突起部(13)に係止爪(8a)を接触させた状態にてインサート部材(9)を上側金型(11)と下側金型(12)間に固定し、上下側金型(11,12)間にゴム材料を注入して型成形するものである(請求項2)。」と訂正する。 2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項a.の請求項1の「前記ウェザーストリップの取付時にドアサッシュ側に突設した状態で形成された係止爪」との記載は、特許明細書の段落【0011】及び図5に基づいて、訂正前の「インサート部材に形成された係止爪」との記載を、係止爪の突設方向を明確にしつつ、限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認める。また、同じく、訂正事項a.の請求項1の「前記係止爪の、前記Tスタッド部材の頭部に係止する内側に対して逆側となる外側」の記載は、訂正前の「係止爪の外側」との記載では外側、内側の区別又は方向が明確でなく、突起部がどのような位置にあるのか明りょうでなかったものを、特許明細書の段落【0011】、図1及び図5に基づいて、Tスタッドの頭部と係止爪との係止関係を基準にすることにより、係止爪の係止する側を内側、その反対側を外側と関係を特定し、明りょうにしたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認める。 次に、訂正事項aの【請求項2】の「前記下側金型」を「下側金型」とする訂正は、当該記載より前に下側金型について記載するところがないにもかかわらず、「前記」と記載していたものを削除することで整合させるもので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認める。また、「上下側金型と下側金型間に固定する」との記載を「上側金型と下側金型間に固定する」とする訂正は、インサート部材を金型内にどのように固定してウェザーストリップのコーナー部分に埋設されるのかを特定する記載としては明瞭でない記載を、請求項2の前文のインサート部材がウェザーストリップのコーナー部に埋設され、インサート部材に形成された係止爪がドアサッシュのTスタッド部材と係止するウェザーストリップのインサート型成形である記載及び発明の詳細な説明における段落【0007】、段落【0012】の上下金型間にインサート部材を固定するとの記載に基づき、上下金型により固定することを明りょうにするものとも、記載自体から直接的に誤記であるとすることはできないが、文意の通じない、技術的にあり得ない記載であることは明かであることから、記載に誤りがあると判断でき、誤りのある記載を訂正したものとも認められるもので、明りょうでない記載の釈明又は誤記の訂正を目的とするものと認める。 また、上下側金型間に「ゴム材料を注入して型成形する」との記載を追記する訂正は、請求項2に記載の「車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ」との記載から、ゴム弾性材料からなるものであることは明かであり、また、特許明細書の段落【0005】、段落【0009】、段落【0010】、段落【0012】の記載に基づくもので、ウェザーストリップとして典型的なゴム材料に限定し、材料を明確にするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認める。 そして、上記訂正事項a.の訂正は、上記のとおり願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、実質的に特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 上記訂正事項b.は、訂正事項a.の訂正に伴い、これと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 そして、上記訂正事項b.の訂正は願書に添付した明細書または図面に記載された事項の範囲内のものと認められ、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 2-3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き及び同条第3項で準用する第126条第2〜第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立について 3-1.本件発明 上記のとおり、訂正は認められるから、本件特許の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれの請求項に対応して「本件発明1、2」という。)は、訂正された特許明細書に記載された次のとおりのものである。 「 【請求項1】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成され、前記ウェザーストリップの取付時にドアサッシュ側に突設した状態で形成された係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、前記係止爪の、前記Tスタッド部材の頭部に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。 【請求項2】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された略円筒状の係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。」 3-2.特許異議の申立ての概要 特許異議申立人 平賀 博(以下、「申立人」という。)は、 [取消理由1] 本件の請求項1、2に係る特許は、下記[理由1-1]〜[理由1-4]、[理由2-1]〜[理由2-4]の点で明細書の記載が不備であって、特許法第36条第4項及び同条第6項第2号に規定される要件を具備していない特許出願に対してされたものであるので、特許法第113条第1項第4号の規定により取り消されるべきものであるとして、概略、以下の主張をしていると認められる。 請求項1には、「前記係止爪の外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、」なる記載があるが、下記の点で特許法第36条第6項第2号及び特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。 [理由1-1]「突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込む」の記載自体が不明確であり、その結果、発明が不明確となっている。 [理由1-2]係止爪の形状が明確にされていないので「係止爪の外側」が特定できない。 [理由1-3]突起部が係止爪の外側に接していれば必ず本件発明の作用効果が奏されるかといえば、突起部が略円筒状の係止爪の外側に部分的にしか設けられていないような場合には、依然として係止爪が矢印方向に熱変形してしまう問題が残存しており、本件発明の「保持力を低下させることなく」という課題を解決することができない。 [理由1-4]【発明の実施の形態】には、実質的に「下側金型に(連続的に環状に)設けられた突起部と、下側金型に設けられ、係止爪の内側に位置しうる(円錐台状の)凸部とによって前記係止爪(の先端部分)を挾み込む」ことしか記載されておらず、それ以外の実施に拡張することができない。物を挾み込むためには、凸と凸とが存在しなければならないからである。したがって、請求項に係る発明は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に説明されていない。 [理由2-1]【請求項2】における、「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」の記載自体が不明確、かつ、技術的意味が理解できないものであり、その結果、発明が不明確となっている。 [理由2-2]「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」ことが、実施の形態に一切記載されておらず、一体どのようにすればインサート部材を上記のように固定することができるのか把握することができない。発明の詳細な説明には、当業者が請求項2に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえるものではない。 [理由2-3]「前記係止爪の外側に接する箇所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にて・・・固定する」という内容には、技術的な欠陥があり、かつ、技術的意味が理解できない結果、発明が不明確となっている。すなわち、突起部が係止爪の外側に接していれば必ず本件発明の作用効果が奏されるかといえば、否である。例えば、係止爪がTスタッドの頭部に係止されるものである以上、内側は少なくとも開口している筈である。ということは、係止爪に関し内側への規制も行わなければ、今度は、係止爪が内側に熱変形してしまうという問題が生じ、本件発明の「挿入性を改善する」という課題を解決することができず、本件発明の作用効果が奏されない。 してみれば、「(外側の)突起部に前記係止爪を接触させた状態で」固定するのみならず、内側においても係止爪を支持する必要があり、かかる限定の一切なされていない請求項2の記載は、内容に技術的欠陥があり、かつ、技術的意味が理解できず、結果として、発明が不明確であると言わざるを得ない。 [理由2-4]ウェザーストリップの型成形方法といった発明であれば、金型間にゴム材料等を注入するという要件が必須であるべきところ、請求項2に記載の発明では、そのような構成要件すら一切記載されていない。その結果、発明が一層不明確となっていると言わざるを得ない。 [取消理由2]本件の請求項2に係る特許は、下記理由[理由3-1]、[理由3-2]により特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるので、本件特許は、特許法第113条第1号の規定により取り消されるべきものであるとして、概略、以下の主張をしていると認められる。 [理由3-1]【特許請求の範囲】の【請求項2】において、 「A2:車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された略円筒状の係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、 B2:前記下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する D:ことを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。」 なる記載が補正によって追加されている(他にも、【0007】段第15行目乃至第28行目において同様の記載がある)(A2,B2,Dは異議申立人により付したものである)。 これに対し、甲第2号証には、構成要件A2+B2+D(のみ)によってウェザーストリップが成形される旨は、記載はおろか、示唆すらされていない。 請求項2等においては、「ゴム材料を注入する」という要件があえて省略されているのであるが、型成形に際し注入される材料としては、ゴム材料のみならず、例えば熱可塑性樹脂材料等も含まれる。してみれば、当初記載のゴム材料を注入する工程以外にも、熱可塑性樹脂材料を注入する工程をも含みうる請求項2は、「一義的に導き出せる事項」であるとは、到底いうことができない。願書に添付された明細書及び図面においては、構成要件C、つまり、「上下側金型間にゴム材料を注入して型成形する」ことが必須である旨が記載されており、かかる注入工程なくして発明が成り立つとは到底考えられない。 請求項2等において追加された事項は、当業者が直接的かつ一義的に導き出せる事項ではない。 したがって、甲第1号証についてなされた補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものではないということができる。 [理由3-2] 【特許請求の範囲】の【請求項2】において、 「前記下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」なる記載が補正によって追加されている(他にも、【0007】段第23行目乃至第27行目において同様の記載がある)。 これに対し、甲第2号証には、「インサート部材を上側金型と下側金型間に固定する」といった記載はあるものの、「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」といった記載は一切なされていない。このように、当初明細書及び図面等中において記載がないにもかかわらず、「上下側金型と下側金型間に固定する」という記載が新たに付加されているということは、新規事項の追加に該当するといわざるを得ない。 したがって、本件についてなされた補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものではない。 3-3.取消理由の概要 1)本件出願は、明細書及び図面の記載が不備のため、特許法第36条第4項及び第6項に規定する要件を満たしていない。 2)平成11年3月3日付けの手続補正書による補正は、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内ではないので、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 なお、当審が通知した取消理由に記載した上記1)、2)に関する理由は、上記3-2.に記載した取消理由1、2に包含される事項であるので理由については省略する。 4.当審の判断 当審が通知した取消理由に記載した上記3-3.で記載した1)、2)に関する理由は、上記3-2.に記載した取消理由1、2に包含される事項であるので、上記取消理由について判断を示すことなく、特許異議申立ての上記取消理由1、2について判断する。 4-1.取消理由1について 平成14年12月3日付けの訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1、2に係る発明は、上記2.で述べたように、各請求項に係る発明及び発明の詳細な説明は適法に訂正され、請求項1、2に係る発明は上記3-1.に記載のように訂正され、特許請求の範囲の記載は減縮され、明りょうなものとなり、下記4-1-1.、4-2-1.及び4-2-4.のように記載不備は解消したので、申立人の主張は採用できない。 4-1-1.理由1-1.及び理由1-2.について 訂正請求により「ウェザーストリップの取付時にドアサッシュ側に突設した状態で形成された係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させる」と訂正することで、インサート部材に係止爪がTスタッドのフランジ状部に係合できるように設けられていることが明らかになるとともに、「前記係止爪の、前記Tスタッド部材の頭部に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、」と訂正されたことにより、インサート部材の係止爪とドアサッシュに取り付けられたTスタッドの頭部とが係合する係合爪のある側が内側であり、その内側の反対側を外側と特定されることとなり、「係止爪の外側」が明りょうになった。係止爪はTスタッドと係止する以上、係止爪がゴム材料に埋設されることのないように成形することは技術常識であるから、係止爪の内側がゴム材料で埋設されることがないように下側金型が係止爪と接触し、下側金型により保持されることが必要であるから、下側金型と突起部とによって係止爪を挟み込むということが如何なることか明りょうになったことから、本件請求項1に係る発明が明確ではないとはいえない。 4-1-2.理由1-3.について 申立人は突起部の位置によっては、係止爪が熱変形し、本件発明の「保持力を低下させることなく」という課題を解決できないと主張しているものと認められるが、本件発明はウェザーストリップの型成形方法の発明であって、Tスタッドの頭部に係止爪を係止させることでドアサッシュに取り付けるようにしたものを製造する方法であることを前提にしているものであるから、申立人の主張のように、殊更に係止爪のTスタッドへの保持力を低下するような位置に突起部を設けるようなことは除かれていることは当然のことで、課題を解決できないような成形方法を含まないのは明かで、申立人の主張は採用できない。 4-1-3.理由1-4.について 申立人は、要するに、下側金型に連続的に環状に設けた突起部と係止爪の内側に位置し得る円錐台状の凸部とにより係止爪先端部分を挟み込むことしか記載されていないのに、請求項に係る発明はもっと広い概念で書かれているので実施できる程度に明確に記載されていないと主張するものと思われるが、発明の実施の態様には発明を具体化した1実施例が記載されていれば足りる場合もあり、本件発明の場合は、典型的な実施例を記載したものであり、しかも、実施例以外の型形成方法では実施できないとするに足る根拠も証拠もなく、また、提示されていないから、請求項に係る発明が当業者が実施し得る程度に明確且つ十分に記載されていないとすることはできない。 4-2-1.理由2-1.について 上記2.訂正の適否の判断で述べたように、請求項2は、「・・・該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、・・・」と適法に訂正されることによりインサート部材が金型間に如何に固定されるか明確となり、発明が明確ではないとはいえない。 4-2-2.理由2-2.について 訂正前の「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」との記載をそのまま捉えて、そのような実施の形態についての記載がないので当業者が容易に実施し得る程度に明確かつ十分に記載されていないと主張するが、明細書の発明の詳細な説明における段落【0007】、段落【0012】及び請求項1には、上下金型間にインサート部材を固定すると記載されており、また、上記4-2-1.で記載したように上下金型間にインサート部材を固定すると訂正されたことから、発明の詳細な説明の記載は当業者が請求項2に係る発明の実施をすることができる程度に明確且つ十分に記載されているものと認められる。 4-2-3.理由2-3.について 係止爪がTスタッドの頭部に係止されることから、内側は開口しているので、係止爪の内側への熱変形を抑えるため内側に突起部を設ける必要がある以上、そのような記載がない請求項2に係る発明は不明確である旨主張する。 しかしながら、本件発明は、ウェザーストリップの型成形方法の発明であって、請求項には、Tスタッドの頭部に係止爪を係止させることでドアサッシュに取り付けるようにしたものを製造する方法であることを前提にしているものであることが明確にされているから、保持力を低下するようなものを想定する必要はなく、また、課題を解決できないような成形方法は含まれないのは明かで、かつ、申立人の主張のように、殊更に内側にも、保持力を低下させないような位置に熱変形を抑えさせる突起部を設けることを特定しなければ発明が明確でないあるいは技術的な欠陥があるなどとはいえない。 申立人の主張でも、「係止爪に関し内側への規制も行わなければ、今度は、係止爪が内側に熱変形してしまうという問題を生じ」と主張するように、内側への熱変形を抑えながら成形することは自ずと明かであり、請求項においてTスタッドの頭部に係止することが前提であるから、何らかの方法で内側への熱変形を抑えるように成形することは明かで、明確でないとは到底いえない。 4-2-4.理由2-4.について 訂正前の請求項2に記載の「車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ」と記載があり、「弾接するシール部」、「一体形成されたウエザーストリップ」との記載から、ゴム材料を金型間に注入若しくは充填し、型成形することからなるものであることは明かであり、明確でないとはいえないが、上下側金型間に「ゴム材料を注入して型成形する」との記載を訂正により追記して、成形材料として、特許明細書の段落【0005】、段落【0009】、段落【0010】、段落【0012】に記載されている「ゴム材料」に限定することで、ウェザーストリップの型成形の材料を明確にする適法な訂正がなされ、一層明確になった。 4-3.取消理由2について 4-3-1.理由3-1.について 訂正請求により上下側金型間に「ゴム材料を注入して型成形する」との記載を追記したことにより、当初明細書に記載された事項の範囲内ではないとの申立人の主張は解消された。 また、請求項2には「車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ」との記載があり、ゴム材料を金型間に注入することからなるものであることは、当該技術分野において自明な事項といえることで、特許請求の範囲の記載から、さらには、出願当初の明細書及び図面から明かであり、また、段落【0005】、段落【0009】、段落【0013】等に「材質は樹脂であり・・・」、「材質の樹脂に含まれる・・・」、「樹脂のガラス繊維の含有率・・・」等との記載があり、ゴム材料以外の樹脂材料でもよいことを示唆する記載があり、訂正前の請求項2に係る発明に記載のあった「ゴム材料を注入して型成形する」を削除する補正を行っても、願書最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書」という。)に記載された事項の範囲内ではないとはいえない。仮に、「ゴム材料を注入して型成形する」との記載を削除したことが、当初明細書に記載された事項の範囲内ではないとしても、上述のとおり、訂正により申立人の主張は解消された。 4-3-2.理由3-2.について 申立人は「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」との記載をそのまま捉えて、そのような実施の形態について当初明細書に記載した事項の範囲内においてされたものではない旨主張する。 しかしながら、上記4-2-2.で言及したように、申立人が指摘した記載は文言通りに捉えようとすると、明りょうではないが、請求項及び発明の詳細な説明のそれぞれの記載全体からみれば、上下金型間にインサート部材を固定するとの記載もあり、かつ、その意味であることは明かである。また、「インサート部材を上下側金型と下側金型間に固定する」との事項は、拒絶理由に対する補正により請求項2に誤って記載されたものであり、当初明細書に記載がないのが当然であって、当初明細書に記載がないとしても、上述した理由により当初明細書に記載した事項の範囲内においてされたものではないとすることはできない。しかも、上記したように訂正請求により上記指摘記載は適法に訂正されたので、申立人の主張は採用できない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 ウェザーストリップの型成形方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成され、前記ウェザーストリップの取付時にドアサッシュ側に突設した状態で形成された係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、前記係止爪の、前記Tスタッド部材の頭部に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部が設けられた下側金型と、該突起部とによって前記係止爪を挾み込むようにしてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。 【請求項2】 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成されたウェザーストリップのコーナー部に埋設されたインサート部材に形成された略円筒状の係止爪を、ドアサッシュに垂直に脚部が固着されたTスタッド部材の頭部に係止させることによってドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法において、下側金型が前記係止爪の外側に接する個所に突起部を設け、該突起部に前記係止爪を接触させた状態にてインサート部材を上側金型と下側金型間に固定し、上下側金型間にゴム材料を注入して型成形することを特徴とするウェザーストリップの型成形方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ドアサッシュと車体(ボディ)との隙間をシールするウェザーストリップに埋設されたインサート部材をTスタッド部材に係止させてドアサッシュに取り付けられるウェザーストリップの型成形方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 図2乃至図6に示すように車両のフロントドア1およびリヤドア2のドアサッシュ3,4の周縁には、ドアサッシュ3,4と車体(ボディ)との隙間をシールするウェザーストリップ5,6が取り付けられている。 【0003】 ウェザーストリップ5はドアサッシュ3に取り付けられる取付基部5aとそれに一体形成され車体開口部周縁に弾接する中空のシール部5bとリップ部5cとからなり、型成形されたコーナー部Bに押出成形された直線部C,Cが接続されてなるものである。また、ウェザーストリップ5の型成形部Bには、ウェザーストリップ5のずれ防止機能及びドアサッシュ3に垂直に脚部7aが溶接されたTスタッド部材7のファスナー機能としてはたらく、係止部材8が一体形成されたインサート部材9が埋設されている。 【0004】 係止部材8は略円筒形に形成され、その略円筒形の部分の内側にTスタッド部材7を挿入させるようにウェザーストリップ5を位置させ、係止部材8の係止爪8aをTスタッド部材7の頭部7bに係止させることによってウェザーストリップ5はドアサッシュ3に位置決めし取り付けられるようになっている。また、係止部材8には切欠き8b,8bが設けられ、ウェザーストリップ5の取付時にTスタッド部材7の頭部7bに係止爪8aが接することにより係止爪8aが外側に若干拡がりTスタッド部材7の内部への挿入を容易にしている。 なお、ウェザーストリップ6もウェザーストリップ5と同様の構成をしているのでその説明を省略する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 インサート部材9及びそれに一体形成された係止部材8の材質は樹脂であり、それに含まれるガラス繊維の量の割合は40%であるが、これを30%以下に減少させてTスタッド部材7に対する挿入性を高めることが行われている。 しかしながら、ガラス繊維の量の割合を40%から30%以下にし、図7に示すように、係止部材8付きのインサート部材9を上側金型21と下側金型22間に固定し、上下側金型21,22間にゴム材料を注入してウェザーストリップ5を型成形すると、図7に破線で示すように係止爪8aが外側に熱変形するという問題がある。したがって、Tスタッド部材7を係止爪8aで係止して保持する力が低下してしまう。 【0006】 そこで本発明の目的は、特に保持力を低下させることなく、Tスタッドに対する挿入性を改善するウェザーストリップの型成形方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着され、ウェザーストリップ(5)の取付時にドアサッシュ(3)側に突設した状態で形成されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、係止爪(8a)の、Tスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止する内側に対して逆側となる外側に接する突起部(13)が設けられた下側金型(12)と、突起部(13)とによって係止爪(8a)を挾み込むようにしてインサート部材(9)を上側金型(11)と下側金型(12)間に固定し、上下側金型(11,12)間にゴム材料を注入して型成形するものである(請求項1)。 また本発明のウェザーストリップの型成形方法は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成されたウェザーストリップ(5)のコーナー部に埋設されたインサート部材(9)に形成された略円筒状の係止爪(8a)を、ドアサッシュ(3)に垂直に脚部(7a)が固着されたTスタッド部材(7)の頭部(7b)に係止させることによってドアサッシュ(3)に取り付けられるウェザーストリップ(5)の型成形方法において、下側金型(12)が係止爪(8a)の外側に接する個所に突起部(13)を設け、突起部(13)に係止爪(8a)を接触させた状態にてインサート部材(9)を上側金型(11)と下側金型(12)間に固定し、上下側金型(11,12)間にゴム材料を注入して型成形するものである(請求項2)。 【0008】 なお、上記の課題を解決するための手段に記載された括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された記号に対応するものである。 【0009】 本発明によれば、下側金型には突起部が設けられており、型成形時には突起部が係止爪の外側に接するようにして、突起部と下側金型とによって係止爪を挾み込んでインサート部材が固定される。その後、上下側金型間にゴム材料が注入されて型成形が行われる。 このように、型成形時に係止部材の係止爪は強固に挾持されているので、材質の樹脂に含まれるガラス繊維の含有率をたとえば40%から30%以下に減少させても熱変形することはない。 【0010】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、従来例と同一の部分には同一符号を付しその説明を省略する。本発明の実施形態に係るウェザーストリップ5の型成形方法を示すものであり、ウェザーストリップ5が上下側金型11,12にセットされゴム材料が注入された状態を示す拡大断面図である。 【0011】 本発明の実施形態に係るウェザーストリップ5は、従来例と同様にドアサッシュ3に取り付けられる取付基部5aと,取付基部5aに一体形成され、車体開口部周縁に弾接する中空のシール部5bと,取付基部5aに一体形成されたリップ部5cとからなり、型成形部にはウェザーストリップ5のずれ防止機能及びTスタッド部材7のファスナー機能としてはたらく板状のインサート部材9が埋設されている。またインサート部材9には、係止爪8aを有する略円筒形の係止部材8が、ウェザーストリップ5の取付時にドアサッシュ3側に突設した状態で形成されている。その略円筒形の部分の内側にドアサッシュ3に垂直に溶接により脚部7aが固着されたTスタッド部材7を挿入させるようにウェザーストリップ5を位置させ、係止部材8の係止爪8aをTスタッド部材7の頭部7bに係止させることによってウェザーストリップ5はドアサッシュ3に位置決めし取り付けられるようになっている。 【0012】 次にウェザーストリップ5の型成形方法について説明する。 まず、係止部材8が形成されたインサート部材9を、上側金型11と下側金型12との間にセットする。ここで、下側金型12には突起部13が設けられており、上記セットの際には突起部13が係止爪8aの外側に接するようにして、突起部13と下側金型12とによって係止爪8aを挾み込んでインサート部材9が固定される。 そして、上下側金型11,12間にゴム材料が注入されて型成形が行われる。 【0013】 このように、型成形時に係止部材8の係止爪8aは挾持されているので、材質の樹脂に含まれるガラス繊維の含有率をたとえ40%から30%以下に減少させても熱変形することはない。したがって、Tスタッド部材7の頭部7bを係止爪8aで係止してTスタッド部材7を保持する力は維持され特に低下することはない。それに加え、樹脂のガラス繊維の含有率を30%以下に減少させられるのでTスタッド部材7に対する挿入性は向上する。 【0014】 【発明の効果】 以上のとおり本発明によれば、型成形時に係止部材の係止爪は強固に挾持されているので、材質の樹脂に含まれるガラス繊維の含有率をたとえば40%から30%以下に減少させても熱変形することはない。したがって、Tスタッド部材の頭部を係止爪で係止してTスタッド部材を保持する力は維持され特に低下することはない。それに加え、樹脂のガラス繊維の含有率を30%に減少させることができるのでTスタッド部材に対する挿入性を向上させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態に係るウェザーストリップ5の型成形方法を示すものであり、ウェザーストリップ5が上下側金型11,12にセットされゴム材料が注入された状態を示す拡大断面図である。 【図2】 車両の外観を示す側面図である。 【図3】 図2に示すウェザーストリップ5の外観の一部を示す拡大斜視図である。 【図4】 ウェザーストリップ5がドアサッシュ3に取り付けられた状態を示す斜視図である。 【図5】 図4のA-A線断面図である。 【図6】 インサート部材9に形成された係止部材8を示す平面図である。 【図7】 従来例に係るウェザーストリップ5の型成形方法を示すものであり、ウェザーストリップ5が上下側金型21,22にセットされゴム材料が注入された状態を示す拡大断面図である。 【符号の説明】 3 ドアサッシュ 5 ウェザーストリップ 5a 取付基部 5b 中空シール部 5c リップ部 7 Tスタッド部材 7a 脚部 7b 頭部 8 係止部材 8a 係止爪 9 インサート部材 11 上側金型 12 下側金型 13 突起部 21 上側金型 22 下側金型 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-12-09 |
出願番号 | 特願平8-181463 |
審決分類 |
P
1
651・
537-
YA
(B29C)
P 1 651・ 536- YA (B29C) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 加藤 友也 |
特許庁審判長 |
石井 淑久 |
特許庁審判官 |
石井 克彦 菊地 則義 |
登録日 | 2000-09-22 |
登録番号 | 特許第3112421号(P3112421) |
権利者 | 西川ゴム工業株式会社 |
発明の名称 | ウェザーストリップの型成形方法 |
代理人 | 山廣 宗則 |
代理人 | 山廣 宗則 |