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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06F
管理番号 1095348
審判番号 訂正2003-39258  
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-01-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-12-05 
確定日 2004-03-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2136452号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2136452号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 【1】本件特許
本件審判に係る特許第2136452号は、昭和61年5月16日に実用新案登録出願された実願昭61ー73428号を特許に出願変更(平成3年11月13日出願、特願平3-297132号)したものであって、平成7年5月15日に出願公告(特公平7-43641号)がなされ、平成10年5月22日に設定登録がなされたものである。
そして、本件審判請求は、特許明細書及び図面について、審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおり、すなわち以下【2】の訂正の要旨(訂正事項(a)乃至(l))のとおり訂正することを求めるものである。

【2】訂正の要旨
訂正の要旨は、誤記の訂正を目的として、以下の訂正事項(a)乃至(l)のとおり訂正するものである。
・訂正事項(a)
明細書の【特許請求の範囲】】中に「表示形態て表示する」とあるのを「表示形態で表示する」と訂正する。
(したがって、特許請求の範囲は以下のとおり訂正されることとなった。
「【請求項1】
表示位置が個別に決められた複数のウインドウを、その各ウインドウ毎に決められた表示順位に従って重ね合わせた表示形態で表示する装置におけるウインドウ表示順位の変更方法であって、
上記各ウインドウの表示順位を、その表示順位に従った順序で順次更新することを指示する指示手段を備え、
上記指示手段による指示操作が行われた際に、その時点で第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、
上記指示手段による再度の指示操作が行われた際に、その時点で、第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、
上記各ウインドウの重ね合わせ表示形態の変更を、上記指示手段による指示操作が行われる毎に、その操作されたときの各ウインドウの表示順位に基づいて順次更新することにより制御するようにしたことを特徴とするウインドウ表示制御方法。」)
・訂正事項(b)
明細書の段落番号【0001】中に「本発明は、ウィンドウ制御装置に関し、特に複数のウィンドウをCRTディスプレイ等の画面に同時に表示するマルチウィンドウ制御の下で、複数のウィンドウの表示順序を切換えて表示するウィンドウ制御装置に関する。」とあるのを「本発明は、ウィンドウ制御方法に関し、特に複数のウィンドウをCRTディスプレイ等の画面に同時に表示するマルチウィンドウ制御の下で、複数のウインドウの表示順序を切換えて表示するウィンドウ制御方法に関する。」と訂正する。
・訂正事項(c)
明細書の段落番号【0003】中に「例えば特開昭61-77977等に開示されている。」とあるのを「例えば特開昭61-77977号公報等に開示されている。」と訂正する。
・訂正事項(d)
明細書の段落番号【0005】中に「表示形態て表示する」とあるのを「表示形態で表示する」と訂正する。
・訂正事項(e)
明細書の段落番号【0007】中に「プロセッサ10の処理結果等を一時的に格納する作業領域、プロセッサ10の制御に」とあるのを「マイクロプロセッサ10の処理結果等を一時的に格納する作業領域、マイクロプロセッサ10の制御に」と訂正する。
・訂正事項(f)
明細書の段落番号【0008】中に「次でW2、W3、W4と続きウィンドウWnが一番低い」とあるのを「次いでW2、W3、W4と続きウインドウWnが一番低い」と訂正する。
・訂正事項(g)
明細書の段落番号【0009】中に「また第4図に示すような状態のときに、」とあるのを「また第3図に示すような状態のときに、」と訂正する。
・訂正事項(h)
明細書の段落番号【0010】中に「ウインドウ情報WiNF1,WiNF2,WiNF3,WiNF4を格納する」とあるのを「ウィンドウ情報WINF1,WINF2,WINF3,WINF4を格納する」と訂正する。
・訂正事項(i)
明細書の段落番号【0012】中に「画面切換キー16を押下して図4に示すようにウインドウW3、W4を表示し、」とあるのを「画面切換キー16を押下して図4に示すようにウィンドウW2を最前面に表示し、次いでウィンドウW3、W4を表示し、」と訂正する。
・訂正事項(j)
明細書の段落番号【0012】中に「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルおよび」とあるのを「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび」と訂正する。
・訂正事項(k)
明細書の段落番号【0013】中に「シフトキー17とを同時に押下して図6に示すように」とあるのを「シフトキー17とを同時に押下して図5に示すように」と訂正する。
・訂正事項(l)
明細書の段落番号【0013】中に「最後面にウィンドウW1を表示するには、」とあるのを「最後面にウィンドウW3を表示するには、」と訂正する。
・訂正事項(m)
明細書の段落番号【0013】中に「RAM15のウインドウバッファ領域の管理テーブルおよび」とあるのを「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび」と訂正する。
・訂正事項(n)
明細書の段落番号【0015】中に「バス(図示せず)を介してプロセッサ10に通知し、プロセッサ10はキーボード1から」とあるのを「バス(図示せず)を介してマイクロプロセッサ10に通知し、マイクロプロセッサ10はキーボード1から」と訂正する。
・訂正事項(o)
明細書の段落番号【0018】中に「先頭バッファポインタWFRPにはいままで最前面に表示されていたウィンドウの」とあるのを「先頭バッファポインタWFRPには現在最前面に表示されているウィンドウの」と訂正する。
・訂正事項(p)
明細書の段落番号【0033】中に「格納した後、プロセッサ10は、これらの」とあるのを「格納した後、マイクロプロセッサ10は、これらの」と訂正する。
・訂正事項(q)
明細書の段落番号【0034】中に「すなわちアクティブウィンドウW2あるいはW1が表示され、」とあるのを「すなわちアクティブウィンドウW2あるいはW4が表示され、」と訂正する。
・訂正事項(r)
明細書の段落番号【0035】中に「あるいは、図4の状態で画面切換キー16と」とあるのを「あるいは、図3の状態で画面切換キー16と」と訂正する。
・訂正事項(s)
明細書の段落番号【図面の簡単な説明】中に「システム構造図である。」とあるのを「システム構成図である。」と訂正する。
・訂正事項(t)
明細書の段落番号【符号の説明】中に「12…CRTディスプレイ」とあるのを「2…CRTディスプレイ」と訂正する。
・訂正事項(u)
図面の図1のCRTディスプレイを示す符号12を符号2に訂正する。
・訂正事項(v)
図面の図6の、ウインドウバッファWB2に格納されているウィンドウ情報を示す符号WINF2を引き出し線と共に加えるように、ウィンドウバッファWB3に格納されているウィンドウ情報を示す符号WINF3を引き出し線と共に加えるように、およびウィンドウバッファWB4に格納されているウィンドウ情報を示す符号WINF4を引き出し線と共に加えるように、それぞれ訂正する。

【3】当審の判断
上記各訂正事項について、その訂正の適否を検討する。
(1) 訂正の目的について
上記訂正事項(a)乃至(v)に係る訂正内容は、次項(2)のとおりいずれも誤記の訂正を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に該当する。
(2) 新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更、独立特許要件について
・訂正事項(a)について、訂正前の「表示形態て表示する」の記載は、正しくは「表示形態で表示する」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、また同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(b)について、訂正前の「本発明は、ウィンドウ制御装置に関し、特に複数のウィンドウをCRTディスプレイ等の画面に同時に表示するマルチウィンドウ制御の下で、複数のウィンドウの表示順序を切換えて表示するウィンドウ制御装置に関する。」の記載は、発明の名称および特許請求の範囲の記載から明らかなように、正しくは「本発明は、ウィンドウ制御方法に関し、特に複数のウィンドウをCRTディスプレイ等の画面に同時に表示するマルチウィンドウ制御の下で、複数のウィンドウの表示順序を切換えて表示するウィンドウ制御方法に関する。」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(c)について、訂正前の「例えば特開昭61-77977等に開示されている。」の記載は、正しくは「例えば特開昭61-77977号公報等に開示されている。」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(d)について、訂正前の「表示形態て表示する」の記載は、正しくは「表示形態で表示する」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(e)について、訂正前の「プロセッサ10の処理結果等を一時的に格納する作業領域、プロセッサ10の制御に」の記載は、同段落(明細書の段落番号【0007】)内に「同図において、マイクロプロセッサ10には」と記載されているように、および図1に図示のとおり、正しくは「マイクロプロセッサ10の処理結果等を一時的に格納する作業領域、マイクロプロセッサ10の制御に」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(f)について、訂正前の「次でW2、W3、W4と続きウィンドウWnが一番低い」の記載は、正しくは「次いでW2、W3、W4と続きウィンドウWnが一番低い」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(g)について、訂正前の「また第4図に示すような状態のときに、」の記載は、同段落(明細書の段落番号【0009】)内に、図3の説明として「図3に示すように、画面にウィンドウW1、W2、W3、W4の順番で生成された4つのウィンドウW1、W2、W3、W4が表示され、ウインドウWIが最前面に表示されてアクティブウィンドウであるときに、」と記載され、図4の説明として「図4に示すようにウィンドウW1の次に表示されていたウィンドウW2が最前面に表示され、これがアクティブウィンドウとなり、いままで最前面に表示されていたウィンドウWIは最後面に表示される。」と記載されていること、また、「いままで最後面に表示されていたウィンドウW4が最前面に表示されこれがアクティブウィンドウとなり、」と記載されているように「キーボード1から画面切換キー16とシフトキー17とが同時に押下される」前の状態を表す図面は図3であるのは明らかであることから、正しくは「また第3図に示すような状態のときに、」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(h)について、訂正前の「ウインドウ情報WiNF1,WiNF2,WiNF3,WiNF4を格納する」の記載は、正しくは「ウィンドウ情報WINF1,WINF2,WINF3,WINF4を格納する」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(i)について、訂正前の「画面切換キー16を押下して図4に示すようにウィンドウW3、W4を表示し、」の記載は、図4に示すように、正しくは「画面切換キー16を押下して図4に示すようにウィンドウW2を最前面に表示し、次いでウィンドウW3、W4を表示し、」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(j)について、訂正前の「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理ブープルおよび」の記載は、正しくは「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(k)について、訂正前の「シフトキー17とを同時に押下して図6に示すように」の記載は、「ウィンドウW4を最前面に表示し、次いでウィンドウW1、W2を表示している」状態が明らかに図5に示されているように、正しくは「シフトキー17とを同時に押下して図5に示すように」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(l)について、訂正前の「最後面にウィンドウW1を表示するには、」の記載は、図5に示すように、正しくは、「最後面にウィンドウW3を表示するには、」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(m)について、訂正前の「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルおよび」の記載は、正しくは、「RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(n)について、訂正前の「バス(図示せず)を介してプロセッサ10に通知し、プロセッサ10はキーボード1から」の記載は、正しくは、「バス(図示せず)を介してマイクロプロセッサ10に通知し、マイクロプロセッサ10はキーボード1から」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(o)について、訂正前の「先頭バッファポインタWFRPにはいままで最前面に表示されていたウィンドウの」の記載は、同段落(明細書の段落番号【0018】)内に「現在最後面のウィンドウのウインドウバッファ内のバッファポインタには、現在最前面に表示されているウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスが格納される。」と記載されているように、正しくは、「先頭バッファポインタWFRPには現在最前面に表示されているウィンドウの」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(p)について、訂正前の「格納した後、プロセッサ10は、これらの」の記載は、正しくは、「格納した後、マイクロプロセッサ10は、これらの」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(q)について、訂正前の「すなわちアクティブウィンドウW2あるいはW1が表示され、」の記載は、図5に示すように、正しくは、「すなわちアクティブウィンドウW2あるいはW4が表示され、」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(r)について、訂正前の「あるいは、図4の状態で画面切換キー16と」の記載は、明細書の段落番号【0009】内に、図3の説明として「図3に示すように、画面にウィンドウW1、W2、W3、W4の順番で生成された4つのウィンドウW1、W2、W3、W4が表示され、ウィンドウW1が最前面に表示されてアクティブウィンドウであるときに、」と記載され、図4の説明として「図4に示すようにウィンドウW1の次に表示されていたウィンドウW2が最前面に表示され、これがアクティブウィンドウとなり、いままで最前面に表示されていたウィンドウW1は最後面に表示される。」と記載されていること、また、「いままで最後面に表示されていたウインドウW4が最前面に表示されこれがアクティブウィンドウとなり、」と記載されているように「キーボード1から画面切換キー16とシフトキー17とが同時に押下される」前の状態を表す図面は図3であるのは明らかであることから、正しくは、「あるいは、図3の状態で画面切換キー16と」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(s)について、訂正前の「システム構造図である。」の記載は、正しくは、「システム構成図である。」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(t)について、訂正前の「12…CRTディスプレイ」の記載は、例えば明細書の段落番号【0007】内に「CTRディスプレイ2」と記載されているように、正しくは、「2…CRTディスプレイ」であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(u)について、例えば明細書の段落番号【0007】内に「CTRディスプレイ2」と記載されているように、正しくはCRTディスプレイを示す符号12は符号2であり、誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
・訂正事項(v)について、図7および図8に示されているように、正しくはウィンドウバッファWB1に格納されているウィンドウ情報を示す符号はWINF1であり、ウィンドウバッファWB2に格納されているウィンドワ情報を示す符号はWINF2であり、ウィンドウバッファWB3に格納されているウィンドウ情報を示す符号はWINF3であり、およびウィンドウバッファWB4に格納されているウィンドウ情報を示す符号はWINF4であり、これをウィンドウバッファWB1に格納されているウィンドワ情報を示す符号のみをWINF1としたのは誤記と認められる。したがって、この訂正は、特許法第126条第1項ただし書き2号の「誤記の訂正」に該当し、同条第2項ないし第4項の規定にも違反しない。
そして、これらの訂正事項(a)乃至(v)に基づく訂正により、本件明細書の特許請求の範囲に記載された語句乃至文言の技術的意義に実質上変更を及ぼすものとも認められず、また本件発明の目的・課題及び作用効果が変更されるものとも認められない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件明細書及び図面は、上記検討したところから明らかなように、本来、訂正後の語句のとおりに記載すべきものであるところ、誤って訂正前のような語句として記載したことが明らかであるから、この訂正は、誤記の訂正を目的とし、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであって特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

【3】むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求は特許法第126条(平成5年法律第26号)第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、また同条第2項ないし第4項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ウインドウ表示制御方法
(57)【特許請求の範囲】
表示位置が個別に決められた複数のウインドウを、その各ウインドウ毎に決められた表示順位に従って重ね合わせた表示形態で表示する装置におけるウインドウ表示順位の変更方法であって、
上記各ウインドウの表示順位を、その表示順位に従った順序で順次更新することを指示する指示手段を備え、
上記指示手段による指示操作が行われた際に、その時点で第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、
上記指示手段による再度の指示操作が行われた際に、その時点で、第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、
上記各ウインドウの重ね合わせ表示形態の変更を、上記指示手段による指示操作が行われる毎に、その操作されたときの各ウインドウの表示順位に基づいて順次更新することにより制御するようにしたことを特徴とするウインドウ表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ウィンドウ制御方法に関し、特に複数のウィンドウをCRTディスプレイ等の画面に同時に表示するマルチウィンドウ制御の下で、複数のウィンドウの表示順序を切換えて表示するウィンドウ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のウィンドウをCRTディスプレイの画面上に同時に表示することの可能なウィンドウ制御装置が知られている。この種のウィンドウ制御装置によって、プロセッサで同時に並行して処理される互いに異なるジョブの各々に対応するウィンドウを作成し、これらの個々のジョブに対応した複数のウィンドウを画面に同時に表示して複数のジョブ処理の状況を同時に監視することが可能になる。
【0003】
ところで、CRTディスプレイの画面上の複数のウィンドウに対して何らかの操作例えばキー入力を施す際に、現在のウィンドウ制御装置では画面の最前面に表示されたウィンドウすなわちアクティブウィンドウに対してだけ操作を行なうことができるようになっている。従って、現在画面の最前面に表示されていないウィンドウに対して操作を行う場合には、このウィンドウが最前面に表示されるようにウィンドウの表示順序を切換え、画面を切換えなければならない。この画面の切換え操作は従来、マウス装置を用いて行なわれていた。すなわち、画面を切換えてアクティブウィンドウを変更したいときには、アクティブウィンドウにすべきウィンドウにマウスカーソルを移動し、マウスボタンを押下する必要があった。このような従来の技術は、例えば特開昭61-77977号公報等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のウィンドウ制御装置では画面の切換えにマウス装置を利用していたが、オペレータがマウス装置を使用する頻度はキーボードに較べて極めて少ない。例えば伝票発行などの業務の処理ではほとんどキーボードからのキー操作によって行なわれている。このために、画面の切換えのためだけ、オペレータがキーボードから手をはなし、その都度マウス装置を操作するのは、オペレータにとってはなはだ不便であり、操作性並びに作業効率を損ない、またプロセッサのスループットに影響を及ぼすという問題があった。
本発明の課題は、操作性並びに操作効率を損なわずにウィンドウ画面を簡単に切換えることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の手段は次の通りである。
表示位置が個別に決められた複数のウインドウを、その各ウインドウ毎に決められた表示順位に従って重ね合わせた表示形態で表示する装置におけるウインドウ表示順位の変更方法であって、上記各ウインドウの表示順位を、その表示順位に従った順序で順次更新することを指示する指示手段を備え、上記指示手段による指示操作が行われた際に、その時点で第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、上記指示手段による再度の指示操作が行われた際に、その時点で、第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、上記各ウインドウの重ね合わせ表示形態の変更を、上記指示手段による指示操作が行われる毎に、その操作されたときの各ウインドウの表示順位に基づいて順次更新することにより制御するようにしたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
この発明の手段の作用は次の通りである。
各ウインドウの表示順位をその表示順位に従った順序で順次更新することを指示する指示手段による指示操作が行われた際に、その時点で第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、上記指示手段による再度の指示操作が行われた際に、その時点で、第2位以下の表示順位のウインドウの表示順位が夫々1つづつ高くなるように、かつその時点で第1位の表示順位のウインドウの表示順位が最下位になるように更新して、その各ウインドウの重ね合わせ表示形態を変更して表示し、上記各ウインドウの重ね合わせ表示形態の変更を、上記指示手段による指示操作が行われる毎に、その操作されたときの各ウインドウの表示順位に基づいて順次更新することにより制御する。
従って、表示画面上に表示される複数のウインドウの重ね合わせ表示形態を、各ウインドウ毎の表示順位に従った順序で順次変更することができ、更にこの変更は、同一の指示手段による指示操作を繰り返し行うだけで簡易に、しかも順序よく変更することができる。
【0007】
【実施例】
図1は、一実施例のウィンドウ制御装置のシステム構成図である。
同図において、マイクロプロセッサ10にはバス(図示せず)を介して読出し専用メモリ(ROM)11とキーボード1とCRTバッファ13と任意アクセスメモリ(RAM)15とが接続されている。ROM11には、マイクロプロセッサ10を制御する制御プログラムが格納されている。キーボード1は、画面切換キー16とシフトキー17とを備えており、これらのキーによってCRTディスプレイ2の画面に表示されているウィンドウを切換えることができる。CRTバッファ13には、CRTディスプレイ2の画面にウィンドウ等を表示するための制御データおよび表示データが格納される。CRTディスプレイ2はCRTバッファ13に接続され、CRTバッファ13の内容に従って各ジョブに対応した複数のウィンドウを画面に表示することが可能な表示装置である。RAM15には、生成された複数のウィンドウのウィンドウ情報等の格納されるウィンドウバッファ領域、マイクロプロセッサ10の処理結果等を一時的に格納する作業領域、マイクロプロセッサ10の制御に用いられるシステム領域等が割当てられている。ウィンドウバッファ領域には、図示しないが、CRTディスプレイ2のアドレス、表示データのアドレス、ウィンドウの大きさ等のウィンドウ情報が格納される。
【0008】
キーボード1の画面切換キー16は、単独の押下で、CRTディスプレイ2の画面に表示されているアクティブウィンドウを順方向に切換えるためのキーである。また、キーボード1のシフトキー17は、画面切換キー16と組合わせて用いられ、画面切換キー16との同時押下でCRTディスプレイ2の画面に表示されているアクティブウィンドウを逆方向に切換えるためのキーである。ここでアクティブウィンドウとは前述したように画面の最前面に表示されるウィンドウであり、キーボード1からのキー入力(図示せず)によって直接操作することの可能なウィンドウを意味する。また、図2に示すように、順方向に切換えるとは、いまCRTディスプレイ2の画面上にウィンドウW1が最前面に表示され、次いでウィンドウW2、W3、W4が表示され最後面にウィンドウWnが表示されている場合に(すなわちウィンドウを生成した順番で定まる優先順位がウィンドウW1が一番高く、次いでW2、W3、W4と続きウィンドウWnが一番低い)、最前面のウィンドウW1の次に表示されているウィンドウW2を最前面に表示し、ウィンドウW1を最後面に表示するような切換えを意味する(このとき優先順位はウィンドウW2が一番高く、次いでW3、W4と続きウィンドウW1が一番低い)。これに対して、逆方向に切換えるとは、最後面のウィンドウWnを最前面に表示し、ウィンドウW1をウィンドウWnの後に表示するように切換えることを意味する(このとき優先順位はウィンドウWnが一番高く、次いでW1、W2、W3、・・・、Wn-1と続く)。
【0009】
従って、図3に示すように、画面にウィンドウW1、W2、W3、W4の順番で生成された4つのウィンドウW1、W2、W3、W4が表示され、ウィンドウW1が最前面に表示されてアクティブウィンドウであるときに、キーボード1から画面切換キー16が単独で押下されると、図4に示すようにウィンドウW1の次に表示されていたウィンドウW2が最前面に表示され、これがアクティブウィンドウとなり、いままで最前面に表示されていたウィンドウW1は最後面に表示される。また第3図に示すような状態のときに、キーボード1から画面切換キー16とシフトキー17とが同時に押下されると、図5に示すようにいままで最後面に表示されていたウィンドウW4が最前面に表示されこれがアクティブウィンドウとなり、ウィンドウW1はウィンドウW4の次に表示されるようになる。
【0010】
図6は、RAM15に作成されるウィンドウバッファ領域の各ウィンドウバッファのリンク構造を示している。図3に示すように4つのウィンドウW1、W2、W3、W4を画面に表示する場合には、ウィンドウバッファ領域にはこれらのウィンドウに対応したウィンドウバッファWB1,WB2,WB3,WB4がそれぞれ設けられる。これらの各ウィンドウバッファはウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLによって管理されており、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPには画面の最前面に表示されるウィンドウすなわちアクティブウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスが格納され、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPには画面の最後面に表示されるウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスが格納される。ウィンドウバッファWB1、WB2、WB3、WB4の先頭アドレスには次のウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスをポイントするバッファポインタNBP1,NBP2,NBP3,NBP4の領域がそれぞれ設けられており、これらの領域の後には各ウィンドウのウィンドウ情報WINF1,WINF2,WINF3,WINF4を格納する領域がそれぞれ設けられている。
【0011】
図3に示すように、ウィンドウW1を最前面に表示し、次いでウィンドウW2、W3を表示し、最後面にウィンドウW4を表示する場合には、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPは、ウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスをポイントし、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPは、ウィンドウW4のウィンドウバッファWB4の先頭アドレスをポイントするようにする。さらにウィンドウW1、W2、W3、W4のウィンドウバッファWB1,WB2,WB3,WB4間のリンク関係は、ウィンドウバッファWB1のバッファポインタNBP1に次のウィンドウであるW2のウィンドウバッファWB2の先頭アドレスを格納し、ウィンドウバッファWB2のバッファポインタNBP2に次のウィンドウであるW3のウィンドウバッファWB3の先頭アドレスを格納し、ウィンドウバッファWB3のバッファポインタNBP3に次のウィンドウであるW4のウィンドウバッファWB4の先頭アドレスを格納し、ウィンドウバッファWB4のバッファポインタNBP4に次のウィンドウがない旨のコードNULLを格納することによって、バッファポインタNBP1、NBP2、NBP3がそれぞれ次のウィンドウのウィンドウバッファWB2,WB3,WB4をポイントするようにすることで達成される。
【0012】
図3に示すような画面が表示されているときに、キーボード1の画面切換キー16を押下してウィンドウW2を最前面に表示し、次いで図4に示すようにウィンドウW3、W4を表示し、最後面にウィンドウW1を表示するには、RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび各ウィンドウバッファWB1,WB2,WB3,WB4の間のリンク関係を図7に示すようにしなければならない。すなわち、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRP、最終バッファポインタWLTPがそれぞれ、ウィンドウW2のウィンドウバッファWB2の先頭アドレス、ウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスをポイントし、ウィンドウバッファWB2,WB3,WB4の各バッファポインタNBP2、NBP3、NBP4がそれぞれ次のウィンドウのウィンドウバッファWB3、WB4、WB1の先頭アドレスをポイントするようにし、ウィンドウバッファWB1のバッファポインタNBP1にコードNULLを格納しなければならない。
【0013】
また、図3に示すような画面が表示されているときに、キーボード1の画面切換キー16とシフトキー17とを同時に押下して図5に示すようにウィンドウW4を最前面に表示し、次いでウィンドウW1、W2を表示し、最後面にウィンドウW3を表示するには、RAM15のウィンドウバッファ領域の管理テーブルWTBLおよび各ウィンドウバッファWB1、WB2、WB3、WB4の間のリンク関係を図8に示すようにしなければならない。すなわち、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRP、最終バッファポインタWLTPがそれぞれ、ウィンドウW4のウィンドウバッファWB4の先頭アドレス、ウィンドウW3のウィンドウバッファWB3の先頭アドレスをポイントし、ウィンドウバッファWB4、WB1、WB2の各バッファポインタNBP4、NBP1、NBP2がそれぞれ、次のウィンドウのウィンドウバッファWB1、WB2、WB3の先頭アドレスをポイントするようにし、ウィンドウバッファWB3のバッファポインタNBP3にコードNULLを格納しなければならない。
【0014】
以上のような構成のウィンドウ制御装置の動作を図9乃至図11を用いて説明する。
【0015】
今、図3に示すような画面がCRTディスプレイ2に表示されているとき、すなわち最前面にウィンドウW1が表示され、次いでウィンドウW2、W3が表示され、最後面にウィンドウW4が表示されているときに、キーボード1から画面切換キー16が押下されるか、あるいは画面切換キー16とシフトキー17とが同時に押下されるとする。このとき、押下された旨の信号をバス(図示せず)を介してマイクロプロセッサ10に通知し、マイクロプロセッサ10はキーボード1からこの割込み信号を受け取ると、押下されたキーについての処理をするために図9に示すようなキー処理ルーチンを実行する。
【0016】
図9に示す処理ルーチンでは、キーボード1から押下されたキーの種類を判別するために、押下されたキーが画面切換キーか否かを判別する(ステップST1)。押下されたキーが画面切換キー16でない場合には、ウィンドウの順方向あるいは逆方向の切換え処理に関するものではないので、その他の処理ルーチンすなわち別処理のステップST2へ分岐する。押下されたキーが画面切換キー16であるときには、ウィンドウの順方向の切換え処理かあるいは逆方向の切換え処理かを判別するために、シフトキー17が同時に押下されているか否かを判別する(ステップST3)。シフトキー17が押下されていないときには、ウィンドウの順方向の切換え処理を行なわせるために図10に示すような順方向切換処理に進む(ステップST4)。これに対して、シフトキー17が押下されているときは、ウィンドウの逆方向の切換処理を行なわせるために図11に示すような逆方向切換処理に進む(ステップST5)。
【0017】
図10に示す順方向切換処理では、例えば図3に示すようにウィンドウW1が最前面に表示され、次いでウィンドウW2、W3が表示され、最後面にウィンドウW4が表示されている画面を図4に示すようにウィンドウW2を最前面に表示し、次いでウィンドウW3、W4を表示し、最後面にいままで最前面に表示されていたウィンドウW1を表示するように画面を切換える。
【0018】
現在最後面に表示されているウィンドウの後にいま最前面に表示されているウィンドウを表示するために、先ず、現在最後面のウィンドウのウィンドウバッファ内のバッファポインタ(現在はコードNULLが格納されている)へ、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPの内容を転送する(ステップST7)。先頭バッファポインタWFRPには現在最前面に表示されているウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスが格納されているので、現在最後面のウィンドウのウィンドウバッファ内のバッファポインタには、現在最前面に表示されているウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスが格納される。
【0019】
図3および図4に示す例では、現在最後面のウィンドウW4のウィンドウバッファWB4のバッファポインタNBP4(図6参照)にウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスを格納し、図7でSTL7で示すよう現在最前面のウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスをポイントするようにする。
【0020】
次いで、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPの内容を現在最後面のウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスから今度最後面のウィンドウとなるウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスに変更するために、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPには今度最後面のウィンドウとなるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスが格納されていることに着目して、先頭バッファポインタWFRPの内容を最終バッファポインタWLTPに転送する(ステップST8)。
【0021】
図3および図4に示す側では、最終バッファポインタWLTPに今度最終のウィンドウとなるウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスを格納し、図7にSTL8で示すように、最終バッファポインタWLTPがウィンドウバッファWB1の先頭アドレスをポイントするようにする。
【0022】
次いで、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPが今度最前面のウィンドウとなるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスをポイントするようにするために、現在最前面に表示されているウィンドウのバッファポイントが今度最前面となるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスをポイントしていることに着目して、現在先頭バッファポインタWFRPの指しているウィンドウバッファのバッファポインタの内容を先頭バッファポインタWFRPに転送する(ステップST9)。ステップST9では以上の処理と同時に、今度最後面となるべきウィンドウ、すなわち現在最前面のウィンドウのウィンドウバッファのバッファポインタに次にリンクすべきウィンドウがない旨のコードNULLを格納する。
【0023】
図3および図4に示す例では、先頭バッファポインタWFRPに今度最前面のウィンドウとなるウィンドウW2のウィンドウバッファWB2の先頭アドレスを格納し、これと同時に、現在最前面のウィンドウW1のウィンドウバッファWB1のバッファポインタNBP1にコードNULLを格納し、図7にSTL9で示すように先頭バッファポインタWFRPがウィンドウW2のウィンドウバッファWB2の先頭アドレスをポイントし、ウィンドウW1のウィンドウバッファWB1のバッファポインタNBP1が次のどのウィンドウをもポイントしないようにする。
【0024】
これによって、CRTディスプレイ2に図4に示すような画面を表示するためのRAM15内のウィンドウバッファ領域の作成が終了し、CRTディスプレイ2に画面を表示するため図9のフローチャートのステップST6に進む。
【0025】
一方、図11に示す逆方向切換処理では、例えば図3に示すようにウィンドウW1が最前面に表示され、次いでウィンドウW2、W3が表示され、最後面にウィンドウW4が表示されている画面を図5に示すように、いままで最後面に表示されていたウィンドウW4を最前面に表示し、次いでウィンドウW1、W2を表示し、最後面にウィンドウW3を表示するように画面を切換える。
【0026】
現在最後画面に表示されているウィンドウの後にいま最前面に表示されているウィンドウを表示するために、前述した順方向切換処理のステップST7と全く同様にして先ず、現在最後画面のウィンドウのウィンドウバッファ内のバッファポインタ(現在はコードNULLが格納されている)へ、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPの内容を転送する(ステップST10)。
【0027】
これによって図3および図5に示す例では、現在最後面のウィンドウW4のウィンドウバッファWB4のバッファポインタNBP4(図6参照)にウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスを格納し、図8でSTL10で示すように現在最前面のウィンドウW1のウィンドウバッファWB1の先頭アドレスをポイントするようにする。
【0028】
次いで、管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPの内容を、現在最前面のウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスから今度最前面のウィンドウとなるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスに変更するために、現在最終バッファポインタWLTPには今度最前面のウィンドウとなるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスが格納されていることに着目して、最終バッファポインタWLTPの内容を先頭バッファポインタWFRPに転送する(ステップST11)。
【0029】
図3および図5に示す例では、先頭バッファポインタWFRPに今度最前面となるべきウィンドウW4のウィンドウバッファWB4の先頭アドレスを格納し、図8にSTL11で示すように、先頭バッファポインタWFRPがウィンドウバッファWB4の先頭アドレスをポイントするようにする。
【0030】
次いで、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPが今度最後面となるべきウィンドウのウィンドウバッファ先頭アドレスをポイントするようにするために、いままでの最後面のウィンドウのウィンドウバッファをポイントしていたウィンドウバッファを先頭バッファポインタWFRPから順にサーチして検出する(ステップST12)。ステップST12では以上の処理に続いて、今度最後面となるべきウィンドウのウィンドウバッファポインタに次にリンクすべきウィンドウがない旨のコードNULLを格納し、管理テーブルWTBLの最後のバッファッポインタWLTPに最後面となるべきウィンドウのウィンドウバッファの先頭アドレスを格納する。
【0031】
図3および図5に示す例では、今度最後面のウィンドウとなるウィンドウW3のウィンドウバッファWB3のバッファポインタNBP3にコードNULLを格納すると同時に、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPにウィンドウバッファWB3の先頭アドレスを格納し、図8にSTL12で示すように最終バッファポインタWLTPがウィンドウW3のウィンドウバッファWB3の先頭アドレスをポイントし、ウィンドウバッファWB3のバッファポインタNBP3が次のどのウィンドウをもポイントしないようにする。
【0032】
これによって、CRTディスプレイ2に図5に示すような画面を表示するためのRAM15内のウィンドウバッファ領域の作成が終了し、CRTディスプレイ2に画面を表示するため図9のフローチャートのステップST6に進む。
【0033】
RAM15内のウィンドウバッファ領域に、順方向あるいは逆方向の切換処理を行なうためのリンク構造を組立て、さらにCRTディスプレイアドレス、表示データアドレス、ウィンドウの大きさ等のウィンドウ情報を格納した後、マイクロプロセッサ10は、これらのリンク構造およびウィンドウ情報に基づいて、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPでポイントされる最後面のウィンドウから最前面のウィンドウに向けて順にウィンドウをCRTディスプレイ2の画面に表示する所謂画面再表示処理を行なう(ステップST6)。
【0034】
この画面再表示処理は、より詳しくは、管理テーブルWTBLの最終バッファポインタWLTPでポイントされる最後面のウィンドウのウィンドウバッファのウィンドウ情報をバスを介してCRTバッファ13に適当な制御データ、表示データに変換して先ず格納する。次いで最後面のウィンドウの一つ前のウィンドウのウィンドウ情報をCRTバッファ13に転送するために、最後面のウィンドウバッファをポイントしているウィンドウバッファを管理テーブルWTBLの先頭バッファポインタWFRPから順々に検索して求める。最後面のウィンドウバッファをポイントしているウィンドウバッファが検出されると、このウィンドウバッファには最後面よりも一つ前のウィンドウのウィンドウ情報が格納されているのでこれをCRTバッファ13に転送する。このような手順を順次繰返して、先頭バッファポインタWFRPがポイントする最前面のウィンドウバッファのウィンドウ情報をCRTバッファ13に転送し終ると、全てのウィンドウをCRTディスプレイ2の画面に表示する準備が整う。すなわち画面には図4あるいは図5に示すように順方向あるいは逆方向に切換えられた最後面のウィンドウW1あるいはW3が最初表示され、その上に、一つ前のウィンドウW4あるいはW2が表示され、次いでウィンドウW3あるいはW1が表示され、最後に最前面のウィンドウすなわちアクティブウィンドウW2あるいはW4が表示され、新たなアクティブウィンドウに対してキーボード1からのキー入力で操作を施すことが可能な状態になる。
【0035】
なお、図3乃至図5で示した例では、現在のアクティブウィンドウに隣接したウィンドウを順方向あるいは逆方向に切換えて新たなアクティブウィンドウとしたが、図3に示すようなウィンドウW1がアクティブウィンドウであるときに、ウィンドウW3をアクティブウィンドウに切換えたい場合には、画面切換キー16を単独で押下して先ずウィンドウW2をアクティブウィンドウとして表示し、さらに画面切換キー16を単独で押下してウィンドウW3をアクティブウィンドウとして表示しても良いし、あるいは、図3の状態で画面切換キー16とシフトキー17とを同時に押下して先ずウィンドウW4をアクティブウィンドウとして表示し、さらに画面切換キー16とシフトキー17とを同時に押下してウィンドウW3をアクティブウィンドウとして表示しても良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、表示画面上に表示される複数のウインドウの重ね合わせ表示形態を、各ウインドウ毎の表示順位に従った順序で順次変更することができ、更にこの変更は、同一の指示手段による指示操作を繰り返し行うだけで簡易に、しかも順序よく変更することができる。
特に、上記のように各ウインドウの重ね合わせ表示形態を各ウインドウ毎の表示順位に従った順序で変更できるということは、各ウインドウ間の順序関係を一定に保ったままの状態で各ウインドウの表示順序を変更できるということであり、各ウインドウ間の当初の順序関係を壊したくないような場合には特に有効である。
そのため、例えば、重ね合わせ表示形態で表示される複数のウインドウの各々を、その重ね合わせ表示形態の順序、即ちその表示順位に従って順次第1位のウインドウに切り換えて表示したいような場合には、同一の指示手段による指示操作を繰り返し行うだけで、その重ね合わせ表示形態の順番で各ウインドウが順次第1位のウインドウに切り換えていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ウィンドウ制御装置の一実施例のシステム構成図である。
【図2】
アクティブウィンドウの順方向あるいは逆方向の切換順序の説明図である。
【図3】【図4】【図5】
ウィンドウ画面の表示状態を示す概略図である。
【図6】【図7】【図8】
各ウィンドウのウィンドウバッファ間のリンク関係を示す図である。
【図9】
キー処理ルーチンのフローチャートである。
【図10】
順方向の画面切換処理ルーチンのフローチャートである。
【図11】
逆方向の画面切換処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・キーボード
10・・・マイクロプロセッサ
11・・・ROM
2・・・CRTディスプレイ
15・・・RAM
16・・・画面切換キー
17・・・シフトキー
【図面】


 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-02-23 
出願番号 特願平3-297132
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 祖父江 栄一瀧 廣往日下 善之  
特許庁審判長 吉村 宅衛
特許庁審判官 治田 義孝
内田 正和
登録日 1998-05-22 
登録番号 特許第2136452号(P2136452)
発明の名称 ウインドウ表示制御方法  
代理人 阪本 紀康  
代理人 阪本 紀康  

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