ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G06F |
---|---|
管理番号 | 1096256 |
異議申立番号 | 異議2003-72182 |
総通号数 | 54 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-04-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-09-04 |
確定日 | 2004-03-08 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3381637号「プリンタ、コンピュータシステム、ファイル管理方法およびファイルアクセス方法並びに記録媒体」の請求項1ないし14に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3381637号の請求項1ないし14に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3381637号の請求項1ないし14に係る発明についての出願は、平成10年9月18日に特許出願され、平成14年12月20日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、大木茂より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年2月3日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 2-1.訂正の内容 (1)請求項2、3、7及び8の記載中「前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」とあるのを、いずれも「前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」と訂正する。 (2)請求項10及び11の記載中「前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してファイルアクセスの要求を行う要求手段と、」とあるのを、いずれも「前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してオープンというファイルアクセスの要求を行う要求手段と、」と訂正する。 (3)請求項10及び11の記載中「前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」とあるのを、いずれも「前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」と訂正する。 (4)発明の詳細な説明の段落【0008】に「前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」とある(2個所)のを、いずれも「前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、」と訂正する。 2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無および拡張・変更の存否 上記訂正事項(1)及び(2)は、当該各請求項に係る発明を特定する事項である「ファイルアクセスの要求」を「オープンというファイルアクセスの要求」と限定するものであり、上記訂正事項(3)は、当該各請求項に係る発明を特定する事項である「コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求」を「コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求」と限定するものであり、しかも、「ファイルアクセスの要求」が「オープンというファイルアクセスの要求」であること、及び「ファイルアクセスの要求」が「コンピュータのファイルブラウザから送出される」ことは、願書に添付された明細書の段落【0030】〜【0031】に記載されているから、いずれも、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 また、上記訂正事項(4)は、上記訂正事項(1)と整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 2-3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第3項において準用する特許法第126条第1項ただし書、第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立てについての判断 3-1.本件発明 上記のとおり、訂正は認められるから、本件請求項1〜14に係る発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1 に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項2】 OSに標準的に添付されたファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項3】 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項4】 前記ファイルアクセス手段は、前記ネットワークを介して送出される他の構成ファイルを前記ファイル記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のプリンタ。 【請求項5】 前記ファイル記憶手段は、前記構成ファイルを階層的に記憶することを特徴とする請求項4記載のプリンタ。 【請求項6】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項7】 OSに標準的に添付されたファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項8】 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項9】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示する第1の表示手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果をウィンドウ内に表示する第2の表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項10】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 OSに標準的に添付されたファイルブラウザと、 前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してオープンというファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果を前記ファイルブラウザに表示する表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項11】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザと、 前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してオープンというファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果を前記ファイルブラウザに表示する表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項12】 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備え、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理方法であって、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータからファイルアクセスの要求を受け付けた場合には、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答し、前記コンピュータから印刷の要求を受け付けた場合には、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行うことを特徴とするプリンタのファイル管理方法。 【請求項13】 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備えたプリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムのファイルアクセス方法であって、 前記コンピュータは、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示し、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を送出し、 前記プリンタは、前記送出されたファイルアクセスの要求を受け付け、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答し、前記コンピュータは、前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するアクセス結果をウィンドウ内に表示することを特徴とするコンピュータシステムのファイルアクセス方法。 【請求項14】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理を行うプログラムを記録した記録媒体であって、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してコンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する前記プリンタのファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるアクセス結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段としてプリンタを機能させることを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。」 3-2.取消理由通知で引用した刊行物に記載された発明 刊行物1(特開平10-164115号公報;申立人の提出した甲第2号証)は、「ネットワーク周辺機器と通信する方法及び装置」に係るもので、以下の事項が記載されている。 ・「実行可能コードのプラットフォーム独立セグメントの実行を開始できるウェブブラウザーを有する装置へ周辺機器情報を提供し、SNMPエージェントとHTTPサーバーを有する周辺機器であって、 コードセグメントを実行可能なデータファイルとプロセッサによって実行可能な処理ステップを格納するメモリと、 装置と周辺機器との間の通信を伝送するインターフェースと、 (1)ウェブブラウザーから送られてくる第1のパケットをHTTPサーバーを介して取出し、実行可能コードのプラットフォーム独立セグメントへの参照を含むHTMLファイルをウェブブラウザーへ送り、」(請求項42) ・「近年、テクトロニクス(Tektronix)社は、プリンタ自信に位置するHTTPサーバーを用い、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)又はイントラネットを通してユーザがネットワークプリンタを管理することが可能である、フェザーリンク(商標)システムを紹介した。その結果、ネットワークユーザはウェブブラウザーを用いてプリンタに関するステータスや制御情報を含む幾つかのウェブページをアクセス及び閲覧することができる。しかしながら、ユーザに現在の情報を提供するためには、プリンタのサーバーがユーザからの要求の応答において、プリンタのステータスについてはプリンタに質問をし、その後のステータスに従って適当なHTMLページを記述しなければならない。」(段落【0005】) ・「ワークステーションの中の既存の産業標準ツールを用いて周辺機器に存在するSNMPエージェントを通してネットワーク周辺機器を、ワークステーションが質問及び制御できるシステムが必要である。」(段落【0007】) ・「次に、ステップS1302において、ウェブブラウザーは、HTTPサーバー64へパケットを中継するルーター7に、その戻されたIPアドレスを含むIPパケットを送る。そのIPパケットに応じて、HTTPサーバー64はステップS1304でHTMLファイルをブラウザーに送る。ステップS1305において、ウェブブラウザーはHTMLファイルに含まれるハイパーテキストタグに応じてそのファイルを処理及び表示する。」(段落【0048】) ・「IPパケットに応じて、SNMPエージェント68はSNMPクライアントへ、SNMPプロトコルを用いて要求された複写機情報を返す。そして、JVMは“管理”ページ150の適当なエリア152、154及び155に情報を表示する。」(段落【0056】) 刊行物1において、実施例で示されている「周辺機器」は「複写機」であるが、従来技術では対象周辺機器としてプリンタが記載されているところから、刊行物1における「周辺機器」はプリンタも想定されていることは明らかである。また、刊行物1においては、周辺機器とは別体のNIB(ネットワークインターフェースボード)を設け、このNIBを介して周辺機器とネットワークが接続されているが、このようなボードを周辺機器に内蔵させることは当業者が適宜実施し得るところである。 そうすると、刊行物1には、実質上以下の発明が記載されている。 「コンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 ファイルを記憶するファイル記憶手段と、前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータの表示手段のウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。」 刊行物2(特開平10-173897号公報;申立人の提出した甲第4号証)には、 ・「次にホストコンピュータ104の図14の操作部上において、ユーザがファクシミリ送信(FAX)を指定する。FAXが選択されると、LAN101を介してジョブサーバ108にFAXが選択されたことが通知される。ジョブサーバ108はファクシミリ送信を行うための操作部であるFAXメニューを、ホストコンピュータ104へhttpプロトコルで送信し、ホストコンピュータ104は、その操作部の情報を基に図15のような画面を表示する(S1204)。」(段落【0056】) と記載され、図15には、複写機を選択するための欄が表示されることが示されている。 刊行物3(特開平9-30057号公報;申立人の提出した甲第5号証)には、 ・「プリンタ装置50に併設されているハードディスク51は、記憶手段として使用され、利用者ネームをキーワードとして検索できる3つのデータベース(環境ファイル、履歴ファイル、許可ファイル)が格納されている。環境ファイルは、ユーザ毎の印刷環境情報を記憶しており、プリンタ装置50が、印刷要求を受信すると直ちに参照される。」(段落【0068】〜【0069】) と記載されている。 刊行物4(特開平10-187366号公報;申立人の提出した甲第6号証)には、 ・「CPU21は、F/WROM28に格納されている内容に従って初期設定を行った(51)後に、プリンタ設定を行うようにとの指示が描画ユニット2のCPU21からI/Oコントローラ22経由でネットワーク/F1のコマンド通信部13に対して行われる。該指示を受けたコマンド通信部13は、データ監視部12を経てプロトコル制御部11に対してサーバ設定部14であらかじめ設定してIPアドレスを待つコンピュータに接続(login)するように指示をする。接続がうまく行った後、所定の設定情報ファイルをダウンロードして、プロトコル制御部11を経てデータ監視部12に設定情報を持ってくる(52)。データ監視部12は、ダウンロードした設定情報ファイルを解読して描画ユニット2がわかる形式の複数のコマンドに直して、コマンド通信部13に送る。描画ユニット2のI/Oコントローラ22は、コマンド通信部13と通信しながら、プリンタ設定コマンドを受け取り、CPU21はそれに基づいたプリンタの設定をEEPROM23に対して行う(53)。」(段落【0035】〜【0036】) と記載されている。 刊行物5(特開平5-199378号公報;申立人の提出した甲第7号証)には、 ・「図4はファクシミリ画像を画像ファイルとして記録する光磁気ディスク(可搬性記憶媒体)のディレクトリ構造の一例を示したものである。光磁気ディスクは工場出荷時等にあらかじめ初期化されているか、命令入力部19より指示することで初期化できるようになっている。この光磁気ディスクにはファイルを階層構造で記憶管理がなされるようになっており、初期化時には図示の如く、ルートディレクトリ21、その下に送信画像用ディレクトリ22と受信画像用ディレクトリ23が作成される。」(段落【0023】) と記載されている。 刊行物6(特開平10-111866号公報;申立人の提出した甲第8号証)には、 ・「またネットワーク上のWWWサーバをアクセスして情報を表示するクライアント用の閲覧ソフトウェアとしては、各種のWWWブラウザ(ブラウザ・ソフトウェア)が提供されており、パソコンの機種によっては標準装備されるまでに至っている。WWWサーバ上のアプリケーションの開発には、電子化文書の標準マークアップ言語であるSGMLの文法の一つであるハイパーテキスト記述言語(以下「HTML」という:Hyper-Text Markup Language)が使用され、このHTMLを使って画面のレイアウト情報を記述する。またHTML文中のプログラム(コマンド部分)はスクリプト言語を使用して記述されている。」(段落【0003】) と記載されている。 刊行物7(特開平9-44388号公報;申立人の提出した甲第9号証)には、 ・「サーバーの任意のディレクトリーにHTMLファイルを置き、別の複数のディレクトリーに複数の画像ファイルを置きます。次にこれらのファイルをローカルディスクの一つのディレクトリーにまとめ、HTMLファイルをプラウザから起動します。そうすると、4つの画像ファイルが結合されて一つの画像データの如くに表示されます。」(段落【0010】)と記載されている。 3-3. 対比・判断 本件請求項1に係る発明(以下、本件発明1、という)と、刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1には、本件発明1における、プリンタに備えられたプリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段に、ネットワークを介して接続されたコンピュータからファイルアクセスし、その結果をコンピュータに返答する点、について記載がなく、また、これを示唆する記載もない。刊行物1において、ネットワークを介して接続されたコンピュータからアクセスして得られるのは、プリンタのステータスやネットワーク構成情報である。本件発明1における「プリンタの設定に関する構成ファイル」とは、明細書の段落【0023】の「印刷部14は、後述する構成ファイル記憶部16に記憶されたプリンタの設定に関する構成ファイルを参照し、当該構成ファイルに従った印刷を行う。」及び段落【0031】の「例えば、プリンタの設定に関する構成ファイルの内容を確認し、編集しようとする場合には、構成ファイルを選択することで、構成ファイルに関連付けられたエディタが起動され、編集可能な状態になる。図7は、OS等に標準添付されたノートパッド(メモ帳)という編集エディタが構成ファイルを読み込んで起動された状態を示している。」の記載によれば、図7に例示されるように印刷時にその設定にしたがって印刷を行う項目を設定したファイルであると認められるところ、刊行物1におけるプリンタのステータスやネットワーク構成情報は、これとは明らかに異なるものである。また、刊行物2ないし7を参照しても、プリンタに備えられたプリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段にネットワークを介して接続されたコンピュータからファイルアクセスし、その結果をコンピュータに返答することが記載ないし示唆されているとも認められない。 そして本件発明1は、この点により、プリンタ固有の操作を要求することなく、プリンタの設定作業を行うことができるという、刊行物1ないし7の記載からは予期し得ない効果を奏するものと認められる。 したがって、その他の構成につき検討するまでもなく、本件発明1が刊行物1ないし刊行物7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると認めことはできない。 本件請求項2ないし14に係る発明においても、本件発明1と同様に、プリンタに備えられたプリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段に、ネットワークを介して接続されたコンピュータからファイルアクセスし、その結果をコンピュータに返答する点を構成として含むものであるから、その他の構成につき検討するまでもなく、本件請求項2ないし請求項14に係る発明が刊行物1ないし刊行物7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると認めことはできない。 また、特許異議申立人の提出した甲第1号証において、ネットワークを介してコンピュータからアクセスされるのは、ファクシミリ装置の電話帳ファイルであり、また、同じく甲第3号証に開示される「フェザーリンク」は、上記刊行物1に従来技術として記載されたものであって、いずれも、本件請求項1ないし14に係る発明を取り消すべき理由として採用することができない。 3-4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件請求項1ないし14に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし14に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 プリンタ、コンピュータシステム、ファイル管理方法およびファイルアクセス方法並びに記録媒体 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項2】 OSに標準的に添付されたファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項3】 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項4】 前記ファイルアクセス手段は、前記ネットワークを介して送出される他の構成ファイルを前記ファイル記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のプリンタ。 【請求項5】 前記ファイル記憶手段は、前記構成ファイルを階層的に記憶することを特徴とする請求項4記載のプリンタ。 【請求項6】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項7】 OSに標準的に添付されたファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項8】 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段と、 前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。 【請求項9】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示する第1の表示手段と、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果をウィンドウ内に表示する第2の表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項10】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 OSに標準的に添付されたファイルブラウザと、 前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してオープンというファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果を前記ファイルブラウザに表示する表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項11】 プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、 前記コンピュータは、 ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザと、 前記ファイルブラウザを介して選択されたプリンタに対してオープンというファイルアクセスの要求を行う要求手段と、 前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果を前記ファイルブラウザに表示する表示手段とを備え、 前記プリンタは、 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、 前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、 前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、 前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、 前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイに従って印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステム。 【請求項12】 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備え、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理方法であって、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータからファイルアクセスの要求を受け付けた場合には、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答し、前記コンピュータから印刷の要求を受け付けた場合には、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行うことを特徴とするプリンタのファイル管理方法。 【請求項13】 プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備えたプリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムのファイルアクセス方法であって、 前記コンピュータは、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示し、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を送出し、 前記プリンタは、前記送出されたファイルアクセスの要求を受け付け、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答し、前記コンピュータは、前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するアクセス結果をウィンドウ内に表示することを特徴とするコンピュータシステムのファイルアクセス方法。 【請求項14】 ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理を行うプログラムを記録した記録媒体であって、 前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してコンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する前記プリンタのファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるアクセス結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段としてプリンタを機能させることを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタおよびコンピュータシステムに関する。また、本発明は、ネットワークを介して接続されるプリンタのファイル管理方法およびコンピュータシステムのフィルアクセス方法に関する。さらに、本発明は、コンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理を行うプログラムを記録した記録媒体に関する。 【0002】 【従来技術】ユーザは、プリンタ等のコンピュータ周辺機器(以下「プリンタ等」と総称する。)の設定を行う場合、プリンタ等ごとにメーカから提供されたユーティリティソフトウェアを使用することが多い。 【0003】このため、ユーザは、プリンタの設定作業において、ケーブルやインターフェースカード等の物理的な構成を設定した後、プリンタに添付されたユーティリティソフトウェアをコンピュータにインストールし、ユーティリティソフトウェアの指示に従い、各種のパラメータを入力する等していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなユーティリティソフトウェアは、プリンタ等ごとに独自のものが用意されており、新たなプリンタ等を追加するごとに、インストールしなければならず、操作方法やユーザインターフェースもそれぞれ異なるため、操作性が低いという課題があった。また、コンピュータの機種やオペレーティングシステムの種類、バージョン等が異なると、操作方法やユーザインターフェースも異なってしまい、ユーザはコンピュータ環境に合わせた操作を強いられていた。 【0005】そこで、本発明は、プリンタの設定作業を容易にするプリンタシステムおよびプリンタのファイル管理方法を提供することを目的とする。 【0006】また、従来は、プリンタの設定作業とドキュメントファイルの印刷とは切り分けられていた。つまり、ユーザは、プリンタの設定作業の際には、専用のユーティリティソフトウェアを用い、印刷ジョブの管理の際にはOS添付のアプリケーションソフトウェア等を用いていた。従って、それぞれのソフトウェアごとに操作方法やユーザインターフェースが異なり、操作性が低いという課題があった。 【0007】そこで、本発明は、プリンタの設定作業と印刷ジョブの管理とを区別することなく操作可能にすることにより、操作性を向上させたプリンタおよびプリンタシステム並びにプリンタのファイル管理方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、以下のように特定される。すなわち、本発明は、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタである。また、本発明は、OSに標準的に添付されたファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタとしても把握される。また、本発明は、ローカルディスクに記憶されたファイルに対するユーザのファイル操作を受け付けるファイルブラウザを備えるコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、前記コンピュータのファイルブラウザから送出されるオープンというファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段にファイルアクセスするファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータのファイルブラウザに返答する返答手段とを備えたことを特徴とするプリンタとしても把握される。 【0009】これにより、ユーザがプリンタの設定をしようとする場合には、プリンタ独自のユーティリティソフトウェアを利用するのではなく、OS等に標準的に添付されているファイルブラウザを用いて設定作業を行うことができるようになる。 【0010】ここで、前記ファイルアクセス手段は、前記ネットワークを介して送出される他の構成ファイルを前記ファイル記憶手段に書き込むことを特徴とする。 【0011】これにより、設定が完了しているプリンタがすでにある場合に、そのプリンタのローカルディスクに記憶されている構成ファイルを、これから設定しようとしているプリンタのローカルディスクにコピーすることができるようになる。 【0012】また、ファイル記憶手段は、前記構成ファイルを階層的に記憶することを特徴とする。 【0013】さらに、本発明は、プリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムにおいて、前記コンピュータは、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示する第1の表示手段と、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を行う要求手段と、前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果をウィンドウ内に表示する第2の表示手段とを備え、前記プリンタは、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段と、前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答する返答手段と、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイに従ルって印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするコンピュータシステムである。 【0014】また、本発明は、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタにおいて、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する第1のファイル記憶手段と、前記コンピュータから送出される印刷対象のドキュメントファイルを記憶する第2のファイル記憶手段と、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記第1のファイル記憶手段および前記第2のファイル記憶手段の少なくともいずれか一方に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、前記第1のファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って前記第2のファイル記憶手段に記憶されたドキュメントファイルの印刷を行う印刷手段とを備えたことを特徴とするプリンタである。 【0015】さらに、本発明は、方法の発明としても成立する。具体的には、本発明は、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備え、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理方法であって、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータからファイルアクセスの要求を受け付けた場合には、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答し、前記コンピュータから印刷の要求を受け付けた場合には、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行うこと特徴とするプリンタのファイル管理方法である。 【0016】また、本発明は、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶するファイル記憶手段を備えたプリンタとコンピュータとがネットワークを介して接続されたコンピュータシステムのファイルアクセス方法であって、前記コンピュータは、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示し、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対してファイルアクセスの要求を送出し、前記プリンタは、前記送出されたファイルアクセスの要求を受け付け、前記ファイルアクセスの要求に従って、前記ファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行い、前記ファイルアクセスの結果を、前記コンピュータに返答し、前記コンピュータは、前記プリンタから送出されるファイルアクセスの要求に対するファイルアクセスの結果をウィンドウ内に表示することを特徴とするコンピュータシステムのファイルアクセス方法である。 【0017】また、本発明は、コンピュータ等に所定の機能を実現させるプログラムを記録した記録媒体としても成立する。具体的には、本発明は、ネットワークに接続されたプリンタを検索し、当該プリンタを示すシンボルをウィンドウ内に表示するコンピュータとネットワークで接続されるプリンタのファイル管理を行うプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、前記ウィンドウ内に表示された前記シンボルに対応するプリンタに対して前記コンピュータから送出されるファイルアクセスの要求を受け付ける要求受付手段と、前記ファイルアクセスの要求に従って、プリンタの設定に関する構成ファイルを記憶する前記プリンタのファイル記憶手段に対してファイルアクセスを行うファイルアクセス手段と、前記ファイルアクセス手段により得られるファイルアクセスの結果を、前記ウィンドウ内に表示させるために前記コンピュータに返答する返答手段と、前記ファイル記憶手段に記憶された構成ファイルに従って印刷を行う印刷手段としてプリンタを機能させることを特徴とするプログラムを記録した記録媒体である。 【0018】なお、前記記録媒体とは、例えば、ハードディスク(HD)、DVD-RAM、フレキシブルディスク(FD)やCD-ROM等のほかに、RAMやROM等のメモリを含む。また、前記コンピュータとは、例えば、CPUやMPUといったいわゆる中央処理装置がプログラムを解釈することで所定の処理を行う、プリンタ等のコンピュータ周辺機器に搭載されるいわゆるマイクロコンピュータ等をも含む。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明のプリンタおよびコンピュータシステムは、CPUがプログラムを実行することにより、本発明に係る所定の機能を実現する。そこで、本発明に係るプリンタおよびコンピュータシステムを機能的に表現し、機能実現手段により構成される機能ブロック図等を用いて説明する。 【0020】[第1の実施形態]図1は、本発明の実施形態に係るコンピュータシステムの構成を示す図である。同図において、コンピュータC1,C2およびプリンタP1,P2はネットワークNを介して相互に接続されている。 【0021】コンピュータC1,C2(以下「コンピュータC」ということもある。)は、図示しないメモリやハードディスク等の記憶装置を利用して各種情報処理を行う処理部11と、ユーザに各種情報を提示し、ユーザが指示を与えるためのユーザインターフェース部(以下「UI部」という。)12とネットワークNを介して他の機器と通信を行うための通信部13とを備える。 【0022】通信部13は、特定のプロトコルでネットワーク通信を行うために、ネットワーク階層モデルでいう上位層のデータを下位層のデータに論理的または物理的に変換して送信し、また、受信した下位層のデータを上位層のデータに論理的または物理的に変換する。特定のプロトコルとしては、TCP/IPやNetBEUI、AppleShare等が知られている。 【0023】プリンタP1,P2(以下「プリンタP」ということもある。)は、通信部13で受信した印刷データを紙媒体等に印刷する印刷部14を備えたネットワーク対応型のプリンタである。印刷部14は、後述する構成ファイル記憶部16に記憶されたプリンタの設定に関する構成ファイルを参照し、当該構成ファイルに従った印刷を行う。本実施形態のプリンタPは、さらに、ファイル管理部15および構成ファイル記憶部16を備える。 【0024】ファイル管理部15は、プリンタPに物理的に属する構成ファイル記憶部16を、ネットワークを介してコンピュータCからファイルアクセスを可能にするものである。ファイル管理部15は、例えば、プリンタPのブート時に起動され、デーモンとして実行される。 【0025】構成ファイル記憶部16は、プリンタPを使用するために必要なプリンタの設定に関する情報を記憶する。構成ファイル記憶部16は、例えば、プリンタPに設けられたハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなるファイルシステムであり、プリンタの設定に関する情報は、1つまたは複数のファイルとして管理される。 【0026】図2は、ファイル管理部15の詳細を示す図である。同図において、要求受付部21は、通信部13によって受信したメッセージデータの中から、ファイルアクセスの要求を抽出し、そのファイルアクセスの要求をファイルアクセス部22に送出する。ファイルアクセス部22は、要求受付部21から送出されるファイルアクセスの要求に従って、構成ファイル記憶部16からファイル情報を読み込み、または構成ファイル記憶部16にファイル情報を書き込みを行って、その結果を返答部23に送出する。例えば、ファイルアクセスの要求が特定のフォルダ(「ディレクトリ」と呼ばれることもある。)内の参照である場合には、ファイルアクセス部22は、その特定のファルダ内のファイル名をファイルアクセス結果として返答部23に送出する。また、ファイルアクセスの要求が特定のファイルの参照である場合には、その特定のファイルの内容(データ)をアクセス結果として返答部23に送出する。返答部23は、ファイルアクセス部22から送出されるアクセス結果を所定のタイミングで通信部13に送出する。 【0027】本実施形態では、ファイル管理部15および構成ファイル記憶部16を備えたプリンタPをネットワークNに接続し、コンピュータCからファイルアクセス可能に構成する。このような構成により、他のコンピュータC上のユーザは、図3に示すように、プリンタPのファイルシステムを通常のローカルディスクのようにみることができる。 【0028】すなわち、図3は、ネットワークNに接続されたファイル構成を説明するための図である。同図は、コンピュータその他の資源の論理的な構成を示したものである。つまり、コンピュータC1が、自身のローカルディスクに記憶されている複数のフォルダおよびファイルに対してアクセス可能であり、さらに、他のコンピュータC2およびプリンタP1に対してアクセス可能であることを示している。また、プリンタ1は、設定情報フォルダ内に構成ファイルを有しており、コンピュータC1はプリンタP1を介して構成ファイルに対してアクセス可能であることを示している。 【0029】次に、以上のように構成された本実施形態に係るコンピュータシステムの処理動作について説明する。 【0030】図4は、本実施形態に係るコンピュータシステムの処理動作を説明するための図である。また、図5乃至図7は、本実施形態に係る画面の一例を示す図である。図4において、まず、UI部12は、ファイルブラウザ(ファイル管理ツール)を介してユーザのファイル操作を受け付ける(STEP401A)。ファイル操作には、例えば、ファイルやフォルダの閲覧、ファイルの移動、コピー、ファイルの編集等がある。図5はユーザによる操作画面の一例を示す図である。すなわち、ファイルブラウザのウィンドウWには、コンピュータCを示すシンボル(アイコン)およびプリンタPを示すシンボルが複数表示され、プリンタP1がマウスカーソルで選択されている(図中、斜線で示されている)。この選択操作は、プリンタP1を開くという操作、つまり、プリンタP1のローカルディスクに記憶されているファイル等を閲覧するという操作であるとする。UI部12からのユーザの操作を受けて処理部11は、ファイルアクセスの要求をネットワークNを介してプリンタPに送出する(図4のSTEP402A)。 【0031】プリンタP1において、ファイル管理部15は、ファイルアクセスの要求を受け付けると(STEP401B)、構成ファイル記憶部16に対してその要求に応じたファイルアクセスを行う(STEP402B)。ファイル管理部15は、ネットワークNを介してファイルアクセスに対する結果を、要求もとのコンピュータに返答する(STEP403B)。UI部12は、プリンタP1から送出されるファイルアクセスの結果に基づいて、ファイルブラウザに表示する(STEP403A)。図6は、このときの画面の一例を示している。すなわち、プリンタP1のオープンというファイルアクセスの要求に基づいて、プリンタP1の管理下にあるローカルディスクの内容が表示され、さらにプリンタ構成フォルダがマウスカーソルで選択されている。ユーザが、さらに、プリンタ構成フォルダを開くという操作を行った場合には、上記STEP401A〜403Aの処理が行われる。例えば、プリンタの設定に関する構成ファイルの内容を確認し、編集しようとする場合には、構成ファイルを選択することで、構成ファイルに関連付けられたエディタが起動され、編集可能な状態になる。図7は、OS等に標準添付されたノートパッド(メモ帳)という編集エディタが構成ファイルを読み込んで起動された状態を示している。このように、ユーザは、UI部12に表示されるウィンドウを介してプリンタP1に記憶されたファイル等に対して各種操作を行う。 【0032】以上のように、ユーザがプリンタの設定をしようとする場合には、プリンタ独自のユーティリティソフトウェアを利用するのではなく、OS等に標準的に添付されているファイルブラウザを用いて設定作業を行うこととなる。従って、プリンタ独自のユーティリティソフトウェアをインストールし、このソフトウェア固有の操作を行う必要がなく、常に、OS標準の操作を行うことができるようになる。従って、プリンタ等の設定についても、通常のファイル操作と同等に扱うことができるようになり、操作性が向上することとなる。 【0033】特に、ネットワーク上に設定が完了しているプリンタがある場合に、そのプリンタのローカルディスクに記憶されている構成ファイルを、これから設定しようとしているプリンタのローカルディスクにネットワークを介してコピーすることができるようになる。これにより、プリンタの設定作業がきわめて容易に行うことができるようになる。 【0034】なお、本実施形態において、コンピュータシステムの動作処理をシーケンシャルに構成したが特にこれにこだわるものではない。すなわち、動作に矛盾が生じない限り、処理ステップの順番を適宜入れ替え、または並行的に動作するように構成してもよい。 【0035】[第2の実施形態]本実施形態は、プリンタ側のローカルディスクにプリンタの設定に関する構成ファイルおよび印刷対象のドキュメントファイルを記憶し、ネットワークを介してこれらのファイルの中から必要なファイルをアクセスするようにしたことを特徴としている。 【0036】図8は、本実施形態に係るプリンタの構成を示す図である。同図において、第1の実施形態と同じブロックには同じ符号を付している。すなわち、本実施形態に係るプリンタは、構成ファイル記憶部16およびスプールファイル記憶部81を有し、ファイル管理部15は、それぞれの記憶部に対してファイルアクセス可能になっている。 【0037】印刷部14は、コンピュータCからの印刷要求を受け付けると、その印刷対象であるドキュメントファイルを、一旦、プリンタのローカルディスク内のスプールファイル記憶部81に出力し、スプールファイル記憶部81は印刷ジョブとしてこのドキュメントファイルを保持する。 【0038】一方、ファイル管理部15は、コンピュータCからファイルアクセスの要求を受け付けると、スプールファイル記憶部81に対しファイルアクセスを行う。 【0039】これにより、本実施形態では、プリンタの設定に関する構成ファイルと印刷対象であるドキュメントファイルを同等に扱うことができるようになる。従って、例えば、ユーザがドキュメントファイルの印刷要求を行った後、その印刷要求をキャンセルする場合には、OS標準のファイルブラウザを用いてファイル操作(ファイルの削除)をすることによって、印刷要求のキャンセルを行うことができるようになる。また、印刷順番待ちの複数のドキュメントファイルについて、その印刷順序を入れ替えようとする場合には、ファイルブラウザに表示されたドキュメントファイルの順番を入れ替えることにより、印刷順序の入れ替えを行うことができるようになる。すなわち、図9に示すように、ファイルブラウザにドキュメントファイルA,B,Cが印刷待ちの状態が表示されているとして、ユーザがドキュメントファイルCとドキュメントファイルBの印刷順序を入れ替えようとする場合には、ドキュメントファイルCをマウスでドラッグ&ドロップすることにより、印刷順序の入れ替えを行うことができるようになる。 【0040】以上のように、本発明によれば、構成ファイルと印刷対象のドキュメントファイルとをOS等に標準的に添付されたファイルブラウザを用いて同等に扱うことができるようになる。 【0041】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プリンタの設定に関する情報を構成ファイルとしてプリンタ側の記憶装置に記憶し、これをコンピュータ側の標準的なユーザインタフェースからネットワークを介してアクセス可能にしたので、プリンタ固有の操作を要求することはない。これにより、操作性を損なうことなく、プリンタ等の設定作業を行うことができるようになる。 【0042】さらに、本発明によれば、構成ファイルと印刷対象のドキュメントファイルとをOS等に標準的に添付されたファイルブラウザを用いて同等に扱うことができるので、プリンタに対する操作性を向上させることができるようになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態に係るコンピュータシステムの構成を示す図 【図2】 第1の実施形態に係るファイル管理部の構成を示す図 【図3】 ファイル構成を説明するための図 【図4】 第1の実施形態に係るコンピュータシステムの動作処理を説明するための図 【図5】 第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図 【図6】 第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図 【図7】 第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図 【図8】 第2の実施形態に係るプリンタの構成を示す図。 【図9】 第2の実施形態に係る操作画面の一例を示す図 【符号の説明】 11…処理部 12…ユーザインターフェース部 13…通信部 14…印刷部 15…ファイル管理部 16…構成ファイル記憶部 C1,C2…コンピュータ P1,P2…プリンタ N…ネットワーク |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-02-17 |
出願番号 | 特願平10-265206 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(G06F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 内田 正和 |
特許庁審判長 |
下野 和行 |
特許庁審判官 |
東森 秀朋 治田 義孝 |
登録日 | 2002-12-20 |
登録番号 | 特許第3381637号(P3381637) |
権利者 | セイコーエプソン株式会社 |
発明の名称 | プリンタ、コンピュータシステム、ファイル管理方法およびファイルアクセス方法並びに記録媒体 |
代理人 | 大賀 眞司 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 大賀 眞司 |
代理人 | 稲葉 良幸 |