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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  A47L
管理番号 1096287
異議申立番号 異議2003-70960  
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-09-13 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-15 
確定日 2004-02-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3334218号「電気掃除機用吸込具」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3334218号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 〔1〕手続の経緯
特許第3334218号の請求項1〜4に係る発明についての出願は、平成5年3月10日に特許出願され、平成14年8月2日にその特許権の設定登録がされ、その後、岡崎穣より請求項1、2に係る発明について特許異議の申立てがされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年11月12日に訂正請求がされたものである。

〔2〕訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の「【請求項1】塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはその被掃除面に接触するローラー部材を布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成した電気掃除機用吸込具。」を
「【請求項1】塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた電気掃除機用吸込具。」と訂正する。
イ.訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2の「【請求項2】塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはこれを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へシート状の材料から抜き加工したローラー部材を挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成した請求項1記載の電気掃除機用吸込具。」を、
「【請求項2】塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた電気掃除機用吸込具。」と訂正する。
ウ.訂正事項c
発明の詳細な説明の段落【0010】の「【課題を解決するための手段】そして上記、第1の目的を達成するために本発明は、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはその被掃除面に接触するローラー部材を布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したものである。」を、
「【課題を達成するための手段】そして上記、第1の目的を達成するために本発明は、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはその被掃除面に接触するローラー部材を布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したものである。また、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けたものである。」と訂正する。
エ.訂正事項d
発明の詳細な説明の段落【0011】の「第2の目的を達成するために、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはこれを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へシート状の材料から抜き加工したローラー部材を挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定したものである。」を、
「第2の目的を達成するために、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けたものである。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは、「移動用ローラーは、その」及び「ローラー部材を、布」と読点を付すとともに、「前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた」と限定するものであるから、明りょうでない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付された明細書(以下、「特許明細書」という。)の段落【0020】及び図1の記載に基づくものと認められるから、新規事項の追加に該当しない。

訂正事項bにおける、「その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して、前記移動用ローラーを支持する」とすること、「ボス部へ挿入し、」とすること、及び「キャップ部材を、」と読点を付すことは、請求項1を引用していた請求項2を独立形式に変えたための記載上の変更であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。
訂正事項bにおける、「構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた」とする点は、限定事項を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、特許明細書の段落【0020】及び図1に記載されていたものと認められるから、新規事項の追加に該当しない。

訂正事項c、dは、訂正事項a、bの訂正にともない発明の詳細な説明の記載を整合するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。

そして、上記いずれの訂正も実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

〔3〕特許異議申立てについての判断
(1)本件発明
上記〔2〕で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1、2に係る発明(以下、「本件発明1、2」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものである。(上記〔2〕(1)ア.訂正事項a、イ.訂正事項b参照。)

(2)引用刊行物に記載された発明
ア.当審が平成15年9月4日付けで通知した取消しの理由で引用した刊行物1(特開平5-31052号公報)には、電気掃除機の吸込口体に関して、図1、2とともに以下の事項が記載されている。
(ア-1)「本発明の電気掃除機の吸込口体の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。・・・図1において、1は横長の吸込口本体で、この吸込口本体1は、下部本体ケース2とこの下部本体ケース2の上に結合固定される上部本体ケース3とから構成される。そして、この吸込口本体1には、前側に横長の吸込室4が区画形成されるとともに、後側に吸込室4に連通する風路室5と、この風路室5の一側に位置する電動機室6とが区画形成される。さらに、図1および図2に示すように、被掃除面と対向する吸込口本体1の下面に、吸込室4の吸込口7が開口形成される。」(段落【0008】、【0009】)
(ア-2)「前記吸込口7の後部に開口部21が形成され、この開口部21に周面が被掃除面に接触する駆動輪22が設けられ、この駆動輪22は、径が例えば27mmのゴムなどの樹脂製で、回転軸としてのシャフト23を介して風路室5の両側に回転自在に支持されている。・・・さらに、この駆動輪22の両側に、それぞれ従動輪25がベアリング26を介してシャフト23に回転自在に支持されている。この従動輪25は、周面27に例えば短い毛が植設されたり或いはスポンジやゴムが巻き付けられて柔軟に形成され、径が例えば28〜30mmに形成されている。」(段落【0012】、【0013】)
(ア-3)「吸込口本体1は、走行方向に対して従動輪25ないし駆動輪22、補助輪28の2点にて被掃除面に支持されることになる。このため、各駆動輪22、従動輪25、補助輪28の径にばらつきが生じても、吸込口本体1が被掃除面に対してがたつくことがなくなる。従って、このがたつきにより板の間を走行する際に生じる騒音を低減することができる。また、駆動輪22、従動輪25、補助輪28の径管理が容易になる。・・・また、従動輪25は周面27が柔軟に形成されているので、板の間などフローリング仕上げの床面を吸込口本体1が走行する際、従動輪25の床面への当りが柔らかくなるので、走行時の騒音が低減るとともに床面が傷付くことを防止できる。・・・なお、本実施例では回転ブラシ16を用いて説明したが、代りに回転ブレードを用いても同様の効果が期待できる。・・・また、従動輪は、スポンジゴムなどのエラストマ部材で形成しても良い。」(段落【0023】、【0024】、【0025】、【0026】)
以上の記載及び図面からみて、刊行物1には、以下のとおりの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「塵埃等を吸込む吸込口7を有する下部本体ケース2に床面に接触する従動輪25を配設し、前記従動輪25は、スポンジゴムなどのエラストマー部材で形成して、ベアリング26を介してシャフト23に回転自在に支持するとともに、さらに、該ベアリング26のシャフト23の軸方向端面が、前記下部本体ケース2の前記従動輪25の取付け部の側壁に対向するように、前記従動輪25を取付けた電気掃除機の吸込口体」
(なお、上記「該ベアリング26のシャフト23の軸方向端面が、前記下部本体ケース2の前記従動輪25の取付け部の側壁に対向するように、前記従動輪25を取付けた」点は、刊行物1の図1、2の記載内容から自明な事項と認める。)
イ.同刊行物2(実願昭53-122500号(実開昭55-39028号)のマイクロフィルム)には、掃除器車輪用カバーに関して、第1、2図とともに以下の事項が記載されている。
(イ-1)「弾力性のある布(1)の両端にゴム輪(2)を装着し、掃除器の車輪につつみこむ様に装着する、掃除器車輪用カバー。」(実用新案登録請求の範囲)
(イ-2)「弾力性のある布製カバー1を家庭用掃除器の車輪4をつつみこむ用にして取付けると、床とプラスチック製車輪との緩衝物になり、音の出るのを防止出来る。2は車輪に完全に密着出来る様にする為のゴム輪である。3は本案の弾力性のある布製カバー1を収納する為の円板である。此の円板は紙で製作し、之に宣伝文を印刷すれば、PR用としても使用出来る特長がある。」(明細書第1頁第19行〜第2頁第8行)
ウ.同刊行物3(実公昭62-10271号公報)には、ローラに関して、第1、2図とともに以下の事項が記載されている。
(ウ-1)「複写機、印刷機等の事務機器類などの紙送り又は紙さばき機構に使用されるローラにおいて、このローラをセル膜のない三次元網状骨格構造を有する軟質ポリウレタンフォームの圧縮体により形成したことを特徴とするローラ」(実用新案登録請求の範囲の請求項1)
(ウ-2)「セル膜のない軟質ポリウレタンフォームを圧縮することによって得られた圧縮体を打ち抜き或いは切り出す等してローラを取得する場合は、品質の均一性の点からローラの軸方向を圧縮体の圧縮方向と一致するように打ち抜き、切り出し等して取得することが好ましい。」(公報第4欄第26〜31行)

(3)対比・判断
ア.本件発明1について
本件発明1と引用発明を対比すると、後者の「吸込口7」は前者の「吸込口」に相当し、以下それぞれ、後者の「下部本体ケース2」は前者の「下部吸込具部材」に、後者の「従動輪25」は前者の「移動用ローラー」に、後者の「床面」は前者の「被掃除面」に、後者の「電気掃除機の吸込口体」は前者の「電気掃除機用吸込具」に相当するものと認められ、引用発明の「ベアリング」と本件発明1の「軸受け部材」及び「キャップ部材」は、「軸受」という概念で共通し、引用発明の「スポンジゴムなどのエラストマー部材」と本件発明1の「布、生地、不織布、圧縮材等のセンイ材」は、「柔軟な部材」という概念で共通するから、
両者は、「塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、柔軟な部材で形成して、前記移動用ローラーを支持する軸受に挿入し、さらに、前記移動用ローラーを取付けた電気掃除機用吸込具」の点で一致しており、下記の点で相違している。
(相違点1)
移動用ローラーの柔軟な部材において、前者は、「布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材」で形成したのに対し、後者は、「エラストマー等」で形成した点。
(相違点2)
軸受において、前者は、「軸受け部材」と「一体形成したボス部」とするとともに、「ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成」したのに対し、後者は、「ベアリング」からなる点。
(相違点3)
軸受において、前者は、「ボス部へ固定軸を貫通させて軸受け部材およびキャップ部材から固定軸の端部を突出させ」たのに対し、後者は、「ベアリング」からなる点。
(相違点4)
前者は、「軸受け部材及びキャップ部材の側面が、下部吸込具部材の移動用ローラーの取付け部の側壁」に対向するようにしたのに対し、後者はそのような構成かどうか不明である点。

上記相違点について検討する。
上記相違点1について、移動用ローラーを布等の繊維材で形成するのは、上記刊行物2等により周知技術であり、引用発明に上記刊行物2に記載された発明を適用することは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。
上記相違点2について、「軸受け部材」と「一体形成したボス部」とするとともに、「ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成し」た点は、実願昭51-66973号(実開昭52-157266号)のマイクロフィルムの第5図(以下、「周知技術A」という。)、実願昭63-50267号(実開平1-153165号)のマイクロフィルムの第4図などにより周知技術であり、引用発明に上記周知技術を適用することは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。
上記相違点3について、「ボス部へ固定軸を貫通させて軸受け部材およびキャップ部材から固定軸の端部を突出させ」た点は、上記周知技術A等により周知であり、引用発明に上記周知技術Aを適用することは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。
上記相違点4について、「軸受け部材及びキャップ部材の側面が、取付け部の側壁」に対向するようにした点は、上記周知技術A等により周知技術であり、また、前記「取付け部の側壁」を「下部吸込具部材の移動用ローラー」の「取付け部の側壁」とすることは、電気掃除機用吸込具の分野において周知慣用事項であるから、引用発明に上記周知技術A及び周知慣用技術を適用して「軸受け部材及びキャップ部材の側面が、下部吸込具部材の移動用ローラーの取付け部の側壁」に対向するようにすることは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。
そして、本件発明1によってもたらされる効果を検討しても、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に予測できる程度のものである。

イ.本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の「布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成して」が、「布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して」となっているだけで、他は同一の構成となっているから、
本件発明2と引用発明を対比すると、上記ア.で検討した一致点、及び相違点1〜4の他、次の点で相違する。
(相違点5)
移動用ローラーにおいて、前者は、「シート状の材料から抜き加工し」たのに対し、後者は、どのような加工をしたのか不明である点。

上記相違点5について検討すると、圧縮体等から抜き加工してローラーを形成するのは、上記刊行物3に記載されるとおり周知技術であり、また、上記圧縮体等はシート状の形状をしていることは明らかである。そうすると、前者は、後者及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものという外はない。
また、相違点1〜4は、上記ア.で検討したとおりであるから、本件発明2は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に想到できたものである。
そして、本件発明2によってもたらされる効果を検討しても、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に予測できる程度のものである。

〔4〕むすび
以上のとおりであるから、本件発明1、2は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1、2についての特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明1、2についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電気掃除機用吸込具
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた電気掃除機用吸込具。
【請求項2】 塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けた電気掃除機用吸込具。
【請求項3】 軸受け部材へ一体形成したボス部に軸中心へ貫通するよう複数箇所に切り欠き部を形成し、かつローラー部材には前記ボス部の切り欠き部に挿入嵌合されるとともに前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝部を形成し、前記軸受け部材のボス部にローラー部材を挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成した請求項2記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項4】 塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはこれを支持する軸受け部材の両端部に凹部を形成し、前記凹部には、繊維質から成る布、生地、不織布等の軟質材で形成され、前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝材を挿入嵌合させるとともに前記軸受け部材に布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したローラー部材を装着して構成した電気掃除機用吸込具。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、移動用ローラーを備えた電気掃除機用吸込具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種吸込具は、例えば実公昭61-4266号公報に示すような構成が一般的であった。以下、その構成について図10および図11を参照にしながら説明する。
【0003】
図に示すように、吸込具本体1は上部吸込具部材2と下部吸込具部材3からなり、下部吸込具部材3の裏面の前部両端には移動用ローラー前4が、後部両端には移動用ローラー後5がそれぞれ一対で設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構造のものでは、木質床材6の端面結合部に形成されているV字溝7へ前記移動用ローラー前4が落ち込み、乗り上げる。次に移動用ローラー後5が落ち込み、乗り上げる。特にV字溝7と直角方向での掃除作業においては、移動用ローラー前4、移動用ローラー後5がいく度となく落ち込むものであり、その衝撃音がやかましい、あるいは木質床材6の表面に傷をつける心配があるという問題が発生していた。
【0005】
特に最近の住宅動向では木質床材の増加もあいまって二階での掃除作業時に発生する衝撃音が一階へ天井を伝わって響いてくる。深夜での騒音、隣家への騒音等社会的環境面での問題も有り対策、改善が望まれてきた。
【0006】
そこで、本発明は移動用ローラーの被掃除面に接触するローラー部材を吸音効果がある繊維質の材料で構成して掃除作業時に発生する衝撃音を極めて低くした電気掃除機用吸込具及び電気掃除機移動用ローラーを得ることを第1の目的としている。
【0007】
第2の目的は、移動用ローラーの構成が簡単で、しかも安価な組み立て、製造方法を提供するものである。
【0008】
第3の目的は、さらに、移動用ローラーの軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)と、掃除作業時に発生する衝撃音を同時に解消した移動用ローラーの構造を提供するものである。
【0009】
第4の目的は、移動用ローラーの軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)の解消を簡単で、しかも安価な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そして上記、第1の目的を達成するために本発明は、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはその被掃除面に接触するローラー部材を布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したものである。また、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けたものである。
【0011】
第2の目的を達成するために、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーは、その被掃除面に接触するローラー部材を、布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材のシート状の材料から抜き加工して、前記移動用ローラーを支持する軸受け部材に一体形成したボス部へ挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を、前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成するとともに、前記ボス部へ固定軸を貫通させて前記軸受け部材および前記キャップ部材から前記固定軸の端部を突出させ、さらに、前記軸受け部材および前記キャップ部材の側面が、前記下部吸込具部材の前記移動用ローラーの取付け部の側壁に対向するように、前記移動用ローラーを取付けたものである。
【0012】
第3の目的を達成するために、軸受け部材へ一体形成したボス部に軸中心へ貫通するよう複数箇所に切り欠き部を形成し、かつローラー部材には前記ボス部の切り欠き部に挿入嵌合されるとともに前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝部を形成し、前記軸受け部材のボス部にローラー部材を挿入し、さらに前記ローラー部材の軸受け部材からの離脱を防止するキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定して構成したものである。
【0013】
第4の目的を達成するために、塵埃等を吸込む吸込口を有する下部吸込具部材に移動用ローラーを配設し、前記移動用ローラーはこれを支持する軸受け部材の両端部に凹部を形成し、前記凹部には、繊維質から成る布、生地、不織布等の軟質材で形成され、前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝材を挿入嵌合させるとともに前記軸受け部材に布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したローラー部材を装着して構成したものである。
【0014】
【作用】
本発明は上記した構成により、木質床材のV字溝と直角方向の掃除作業を行った時、下部吸込具部材に構成した移動用ローラーの被掃除面と接触するローラー部材を吸音効果がある繊維質の材料で構成しているため、V字溝へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収してしまう、当然、平面部、凹凸模様の床材の掃除作業においても被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低い吸込具本体及び電気掃除機が得られる。
【0015】
また本発明は、ローラー部材をシート状の材料を抜き加工し、それを軸受け部に一体形成したボス部へ挿入し、さらにキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ保持固定し製造していく方法が可能となり、高品質で効率のよい加工、製造を行うことができるものである。
【0016】
また本発明は、軸受け部材へ一体形成したボス部に軸中心へ貫通するよう複数箇所に切り欠き部を形成し、かつローラー部材には、ボス部の切り欠き部に挿入嵌合されるとともに前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝部が形成してあるために、V字溝へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収し、被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低くなる、さらには、移動用ローラーの軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝部の緩和、吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0017】
さらに本発明は、移動用ローラーの軸受け部材の両端部には凹部を形成し、前記凹部には繊維質から成る布、生地、不織布、圧縮材等の軟質材で形成され、前記軸受け部材を支持する固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝材を挿入嵌合させるとともに前記軸受け部材に布、生地、不織布、圧縮材等の繊維材で形成したローラー部材を装着して構成したものであり、軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝材の緩和、吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0018】
特に従来構造の移動用ローラーを改善する場合でも、軸受け部材の両端部には凹部を形成し、緩衝材を挿入嵌合させる構造のために改造内容が極めて簡単であり短期間で改善できる特徴がある。
【0019】
【実施例】
以下、その第一の実施例を添付図面にもとづいて説明する。図1〜図5において、吸込具本体10は上部吸込具部材11と下部吸込具部材12とからなり、この吸込具本体10内の前部には吸込室13を、後部にはタービン室14を形成している。このタービン室14と吸込室13とは連絡孔15で連通されている。連絡孔15はじゅうたん掃除と畳、ゆか掃除が選択できる切換レバー16に一体的に構成されている。またタービン室14の後部に継手17を回転自在に設け、この継手17には掃除機の吸塵パイプと接続する継手パイプ18を取り付けている。吸込室13内にはアジテーター19が回転自在に配され、タービン室14内にはエアータービン20を配し、またエアータービン20の回転軸の先端部に形成したプーリー21とアジテーター19の回転軸に設けたプーリー22との間には、動力伝達手段であるベルト23を張架している。下部吸込具部材12の底面には、吸込室13を被掃除面と一定間隔において位置すべく移動用ローラー前24と移動用ローラー後25がそれぞれ一対で設けられている。
【0020】
さらに本発明の移動用ローラー後25について説明すると、移動用ローラー後25は、基本部である軸受け部材26に一体形成させたボス部27へ、繊維質から成る布、生地、不織布、圧縮材等のシート状の材料から抜き加工したローラー部材28を複数個、挿入嵌合させて、さらにキャップ部材29を前記軸受け部材26のボス部27の先端部へ高周波溶着等の接合方法にて保持固定し構成したものである。移動用ローラー前24についても同じ構成であり省略する。移動用ローラー前24と移動用ローラー後25はそれぞれ固定軸30にて下部吸込具部材12の底面に回転自在に保持、固定されている。
【0021】
次に、この一実施例の構成における動作、作用について説明する。
【0022】
今、被掃除面が木質床材であり掃除作業を行う場合、切換レバー16をたたみ、ゆかポジションに切換える(図面の位置)ことにより連絡孔15の位置が変わり吸込気流は矢印の位置を通ることになる、この時エアータービン20に吸込気流が衝突しなくなり回転駆動が止まり、アジテーター19の回転も停止した状態となり、この状態で掃除作業を行う。
【0023】
木質床材片の一般的な構造は、細長く構成された木質床材片31を結合することにより床面が形成されている、それぞれの木質床材片31の端面結合により形成されているV字溝32が数多く平行に構成された状態となっている。今、たたみ、ゆかポジションに切換えられた吸込具本体10で前記V字溝32と直角方向から移動した時、吸込具本体10の移動用ローラー前24がV字溝32に落ち込み、さらに乗り越えていく。移動用ローラー後25についても同じ動作をくり返す。しかし、被掃除面と接触するローラー部材28を吸音効果がある繊維質の材料で構成しているため、V字溝32へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収してしまう、当然、平面部、凹凸模様の床材の掃除作業においても被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低い吸込具本体が得られる。
【0024】
また本発明は、ローラー部材28をシート状の材料を抜き加工し、それを軸受け部材26に一体形成したボス部27へ挿入し、さらにキャップ部材29を前記軸受け部材26のボス部27の先端部へ高周波溶着等の接合方法にて保持固定し製造していく方法が可能となり、高品質で効率のよい加工、製造を行うことができるものである。
【0025】
次に移動用ローラーの軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)の解消構造と作用について説明する。
【0026】
図6から図7に示すように、移動用ローラーの軸受け部材33へ一体形成したボス部34に軸中心へ貫通するよう複数箇所に切り欠き部35を形成し、またシート状の材料から抜き加工したローラー部材36には、前記ボス部34の切り欠き部35に挿入嵌合されるとともに固定軸37の表面に当接し摺動回転する緩衝部38が形成してあり、前記軸受け部材33のボス部34にローラー部材36を挿入し、さらにキャップ部材39を前記軸受け部材33のボス部34の先端部へ高周波溶着等の接合方法にて保持固定して構成したものである。
【0027】
従って、ローラー部材36に形成された緩衝部38が固定軸37の表面に当接し摺動回転するために、V字溝へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収し、被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低くなる、さらには、移動用ローラーの軸受け部材33と固定軸37のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝部38の緩和、吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0028】
図8から図9には、軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)の解消を簡単で、しかも安価な方法を示す。
【0029】
移動用ローラー40の軸受け部材41の両端部には凹部42を形成し、前記凹部42には繊維質から成る布、生地、不織布、圧縮材等の軟質材で形成し、固定軸43の表面に当接し摺動回転する緩衝材44を挿入嵌合させたものであり、軸受け部材41と固定軸43のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝材44の緩和吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0030】
特に従来構造の移動用ローラー40を改善する場合でも、軸受け部材41の両端部には凹部42を形成し、緩衝材44を挿入嵌合させる構造のために改造内容が極めて簡単であり短期間で改善できる特徴がある。
【0031】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば移動用ローラーの被掃除面と接触するローラー部材を吸音効果がある繊維質の材料で構成しているため、V字溝へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収してしまう、当然、平面部、凹凸模様の床材の掃除作業においても被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低い吸込具本体及び電気掃除機が得られる。
【0032】
また本発明は、ローラー部材をシート状の材料を抜き加工し、それを軸受け部に一体形成したボス部へ挿入し、さらにキャップ部材を前記軸受け部材のボス部の先端部へ高周波溶着等の接合方法にて保持固定し製造していく方法が可能となり、高品質で効率のよい加工、製造を行うことができるものである。
【0033】
また本発明は、ローラー部材には、ボス部の切り欠き部に挿入嵌合されるとともに固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝部が形成してあるために、V字溝へ落ち込んだ時にもクッションの作用が発生し衝撃が緩和されることにより衝撃音を吸収し、被掃除面との接触移動音、衝撃音の発生がなくなり騒音が極めて低くなる、さらには、移動用ローラーの軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝部の緩和、吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0034】
さらに本発明は、移動用ローラーの軸受け部材の両端部には凹部を形成し、前記凹部には繊維質から成る布、生地、不織布、圧縮材等の軟質材で形成し、固定軸の表面に当接し摺動回転する緩衝材を挿入嵌合させたものであり、軸受け部材と固定軸のクリアランスにより発生する回転音(ガラガラ音)が、緩衝材の緩和、吸音作用により減衰ができて掃除作業時に発生する回転音を同時に解消できるものである。
【0035】
特に従来構造の移動用ローラーを改善する場合でも、軸受け部材の両端部には凹部を形成し、緩衝材を挿入嵌合させる構造のために改造内容が極めて簡単であり短期間で改善できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの断面図
【図2】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの分解斜視図
【図3】
本発明の一実施例の吸込具本体の内部構成を示す平面図
【図4】
本発明の一実施例の吸込具本体の側面図
【図5】
本発明の一実施例の吸込具本体の外観斜視図
【図6】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの断面図
【図7】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの分解斜視図
【図8】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの断面図
【図9】
本発明の一実施例を示す移動用ローラーの分解斜視図
【図10】
従来の電気掃除機の吸込具本体を裏面より見た斜視図
【図11】
従来の電気掃除機の吸込具本体の要部断面図
【符号の説明】
12 下部吸込具部材
26 軸受け部材
27 ボス部
28 ローラー部材
29 キャップ部材
30 固定軸
32 V字溝
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-12-19 
出願番号 特願平5-49203
審決分類 P 1 652・ 121- ZA (A47L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 栗山 卓也  
特許庁審判長 大元 修二
特許庁審判官 藤原 直欣
和泉 等
登録日 2002-08-02 
登録番号 特許第3334218号(P3334218)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 電気掃除機用吸込具  
代理人 坂口 智康  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  

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