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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 G06T |
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管理番号 | 1099602 |
異議申立番号 | 異議2003-71577 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-12-12 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-06-16 |
確定日 | 2004-04-15 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3357243号「画像処理装置における設定データ変更装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3357243号の請求項1ないし4に係る発明は、平成8年5月28日に特許出願され、平成14年10月4日に特許権の設定登録がなされたものであり、その後特許異議申立人より本件特許の請求項1及び2に対して特許異議の申立がなされ、当審より取消理由が通知され、その指定期間内である平成16年3月23日に特許権者より意見書とともに訂正請求書が提出されたものである。 2.訂正の可否についての判断 (1)訂正の内容 特許権者が平成16年3月23日付け訂正請求書において求めている訂正の内容は、次のとおりである。 a.特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2を削除する。これにともなって、請求項3及び請求項4の請求項番号を繰り上げて、請求項1及び請求項2とし、請求項2の「請求項3記載の画像処理装置における〜」を「請求項1記載の画像処理装置における」に訂正する。 b.上記訂正事項aの訂正に伴い、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落番号〔0006〕及び〔0008〕を削除し、段落番号〔0006〕以降の段落番号を繰り上げる(以降、訂正後の段落番号を新段落番号、訂正前の段落番号を旧段落番号と呼ぶ)。 c.上記訂正事項aの訂正に伴い、明りょうでない記載の釈明を目的として、旧段落番号〔0007〕(新段落番号〔0006〕)において、1行目に「【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、」を追加し、1行目の「さらに」を削除し、「請求項3記載の発明は、」を「請求項1記載の発明は、」に、「請求項4記載の発明は、」を「請求項2記載の発明は、」に訂正する。 d.誤記の訂正を目的として、段落番号〔0004〕の「〜画像データがパイプラインの中かで処理を行っている〜」を「〜画像データがパイプラインの中で処理を行っている〜」と訂正する。 e.誤記の訂正を目的として、旧段落番号〔0014〕(新段落番号〔0012〕)において、「そして、カウンタ105には、前記システムクロックCLKが〜」を「そして、カウンタ115には、前記システムクロックCLKが〜」と訂正する。 f.誤記の訂正を目的として、旧段落番号〔0015〕(新段落番号〔0013〕)において、「〜レジスタバス120を介して前記画像データ処理装置102に接続されている。」を「〜レジスタバスD3を介して前記画像データ処理装置102に接続されている。」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 aについて 訂正されて請求項2となる請求項4に関して、訂正請求書の記載は上記のように「請求項2の「請求項3記載の画像処理装置における〜」…」となっているが、特許されたときの明細書の請求項4の記載は「請求項2記載の画像処理装置における〜」となっている。 出願当初の明細書には「【0007】…さらに、請求項4記載の発明は、前記前記請求項3記載の選択信号出力手段を、画像データとこの画像データに対応して処理ステージ及び選択信号を格納する画像メモリ装置によって構成したものである。」と記載されており、また、請求項4に記載されている「ステージ番号データ」はパイプライン方式の画像処理装置を前提としたものであるから、請求項4の「請求項2記載の画像処理装置における〜」とある記載は、「請求項3記載の画像処理装置における〜」の誤記であったことは明かである。 したがって、訂正請求書の記載は上記のように誤記があるが、その訂正の内容は、特許請求の範囲の減縮及び誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加はなく、実質的な特許請求の範囲の拡張・変更もないことは明らかである。 b及びcについて 上記aの訂正により、請求項1及び2が削除されたことに伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加はなく、実質的な特許請求の範囲の拡張・変更もないことは明らかである。 d、e及びfについて 誤記の訂正を目的とすることは明かであり、新規事項の追加はなく、実質的な特許請求の範囲の拡張・変更もないことも明らかである。 (3)むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、本件訂正を認める。 3.特許異議の申立について 特許されたときの本件請求項1ないし4に係る発明のうち特許異議申立の対象である請求項1及び2に係る発明は、訂正によって削除され、結果的に特許異議の申立の対象が無くなったので、本件特許異議の申立は、不適法な申立であってその補正をすることができないものとなった。 したがって、本件特許異議の申立は、特許法第120条の6第1項で準用する同第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像処理装置における設定データ変更装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 画像処理内容を設定するための設定データを格納してなる設定データ格納手段と、 前記設定データ格納手段より出力された設定データに基づき入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理部とからなるステージを多段に設定してなるパイプライン方式の画像処理装置において、 前記設定データ格納手段は、複数の異なる設定データを格納してなる複数のレジスタによって多重構造をなすよう構成すると共に、 画像データに同期して、必要とする画像処理に応じたステージ及びレジスタを表す選択信号を出力する選択信号出力手段と、 前記選択信号出力手段から出力された選択信号に基づき前記複数のレジスタの中から所定のステージ及びレジスタを選択する選択手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置における設定データ変更装置。 【請求項2】 選択信号出力手段は、画像データとこの画像データに対応してステージ番号データ及び選択信号を格納する画像メモリ装置であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置における設定データ変更装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、画像処理に必要とされる設定データを変更可能とする画像処理装置における設定データ変更装置に関し、特に、パイプライン方式を用いて行う画像処理に好適な設定データ変更装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 現在、連続的に入力される画像データを処理する有効な画像処理装置としてパイプライン方式を用いたものが知られている。 図5はこのパイプライン方式による画像処理装置の概略構成を示す図である。 図示のように、このパイプライン方式では、複数段のステージST1,ST2,ST3…ST(N+M)を備え、画像データ用バスB1を介して供給される画像データに対し、前記各ステージでそれぞれ所定の画像処理を施し、各システムクロックCLKに応じて順次後段のステージへと転送して行くものとなっている。 【0003】 また、図6は従来のパイプライン方式を用いた画像処理装置の各ステージの基本構成を示すブロック図である。図示のように、各ステージは、入力される画像データをシステムクロックCLKにてラッチするための画像データ用ラッチ回路1と、この画像データを処理するための画像データ処理回路2と、この画像データ処理回路2での処理に必要な値や処理内容等の設定データを指示する選択信号を格納したレジスタ3等を備える。 そして、このような画像処理装置では、前記レジスタ3の設定値を変更することにより、画像処理内容の変更が可能となっている。 このレジスタ3における設定データの変更処理は、CPUからのデータバスB2を介して供給されるデータと、レジスタ選択信号S1〜SNとによってレジスタ変更命令の対象となるレジスタ3に格納された設定データを変更処理するものとなっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来の技術においては、画像データがパイプラインの中で処理を行っている最中にレジスタ3を更新すると画像データが破壊されるという不都合が生じるため、レジスタ3を更新する場合にはパイプライン内に存在する画像データがパイプラインを構成する全てのステージST1〜ST(N+M)を通過するのを待ち、その後にファームウェアによって該当するステージにおけるレジスタ3の設定データを更新するようになっている。 従って、レジスタ3を更新する際には、その都度、画像データがパイプラインを通過するのを待つ必要があり、パイプライン中に画像データが存在しなくなる、いわゆるパイプラインフラッシュのための待ち時間が必要となる。従って、頻繁にレジスタ3の設定データの変更が行われる画像処理においては、パイプラインフラッシュに要する待ち時間によって十分な描画速度が得られないという問題があった。 【0005】 本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたものであって、従来レジスタ変更のために不可欠とされていたパイプラインフラッシュのための待ち時間を不要とし、処理内容等を設定するための設定データの変更が頻繁に行われる画像処理においても処理時間を大幅に短縮することができる画像処理装置の設定データ変更装置の提供を課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明は、前記課題を解決するため次の構成を有する。 すなわち、請求項1記載の発明は、画像処理内容を設定するための設定データを格納してなる設定データ格納手段と、前記設定データ格納手段より出力された設定データに基づき入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理部とからなる画像処理ステージを多段に設定してなるパイプライン方式の画像処理装置において、前記設定データ格納手段は、複数の異なる設定データを格納してなる複数のレジスタによって多重構造をなすと共に、画像データに同期して、必要とする画像処理に応じた処理ステージ及びレジスタを表す選択信号を出力する選択信号出力手段と、前記選択信号出力手段から出力された選択信号に基づき前記複数のレジスタの中から所定のステージ及びレジスタを選択する選択手段とを設けたものとなっている。 さらに、請求項2記載の発明は、前記前記請求項3記載の選択信号出力手段を、画像データとこの画像データに対応して処理ステージ及び選択信号を格納する画像メモリ装置によって構成したものである。 【0007】 また、本願請求項1または2記載の発明にあっては、パイプライン方式を用いた画像処理装置において、各ステージにおける画像処理内容を変更するに際し、画像データに同期して出力される選択信号が処理内容を変更すべき処理ステージ及びレジスタを選択して適宜所定の画像処理を選択・実行させつつパイプライン処理を行って行くため、従来のように、画像処理内容を変更するにあたり、パイプライン内から画像データが存在しない状態となるパイプラインフラッシュを待たずに画像処理内容の変更を行うことができ、連続的に入力される画像処理を効率的に実行させることができる。このため、画像処理に関する設定データの変更が頻繁に行われるコンピュータグラフィックスにおいても高速な描画が可能となる。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下、図1ないし図4を参照して本願発明の実施の形態を説明する。 図1は本願発明の実施の形態に適用するパイプライン処理方式を用いた画像処理装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は図1に示した画像処理装置の各ステージにおける設定データ変更装置の構成を示すブロック図、図3は同実施の形態に使用する画像メモリ装置のデータ構成を示す説明図、図4は同実施の形態における動作を示すタイミングチャートである。 【0009】 図1に示すように、本願発明の実施の形態に適用するパイプライン処理方式においても、上記従来技術に示したパイプライン処理方式と同様に、複数の画像処理ステージST1〜ST(N+M)を備え、画像用データバス100によって転送されて来る画像データD1をシステムクロックCLKによって順次各ステージST1〜ST(N+M)へと転送して行き、各々のステージで所定の画像処理を施すものとなっており、この点は上記従来技術にて示したものと同様であるが、各ステージST1〜ST(N+M)の構成及び各ステージST1〜ST(N+M)に入力されるデータ及び信号が図2に示すように異なる。以下、図2に基づきこの実施の形態を詳細に説明する。 【0010】 図2に示すステージは、上記パイプラインにおけるM段目のステージST(N+M)を示しており、図中、101は画像データバス100を介して入力される画像データD1をラッチする画像データ用のラッチ回路、102はこのラッチ回路101から出力された画像データに対し後述のレジスタからの設定データに応じた画像処理を施す画像データ処理回路(画像処理部)である。前記ラッチ回路101には、画像処理内容の変更を要するステージの段数を指定するデータ(段数データ)D2がデータバス103を介して入力されると共に、複数のレジスタの切り替えのタイミングを指示するレジスタ切替信号RCEとシステムクロックCLKとがそれぞれ信号線104、105を介して入力される。 【0011】 また、前記画像データラッチ回路101の後段には2個の比較器106,107が設けられている。このうち一方の比較器106には、データ“0”と、前記ラッチ回路101から出力されたステージ段数値(画像処理の変更を要するステージ段数値)を表すデータD2とが入力されており、また他方の比較器107には同じくラッチ回路101から出力されたデータD2と、実際のステージの段数値(ここでは段数(M))が入力されている。 【0012】 さらに、前記両比較器106,107には、各々の出力の論理和を出力するORゲート108が接続されており、その出力信号はアンドゲート109の一方の入力端子に入力されている。また、前記アンドゲート109の他方の入力端子には前記ラッチ回路101より出力されたレジスタ切替信号RCEが入力されており、アンドゲート109は両信号の論理積を後段に設けられたカウンタ115のCE端子(クロック許可入力端子)へと出力するようになっている。そして、カウンタ115には、前記システムクロックCLKが入力されており、前記CE端子に所定の入力(ここでは“1”)が入力されると、このシステムクロックCLKをカウントし、そのカウント値に応じて出力端子(0),(1),(2),(3)の中のいずれか一つをアクティブとするようになっている(選択信号S1,S2,S3,S4を出力するようになっている)。なお、前記106,107,108,109及び115によって本願発明の請求項に記載の選択手段10が構成されている。 【0013】 一方、116,117,118,119は前記画像処理のための機能や定数を表す値を格納してなる4個のレジスタで、それぞれ異なる処理内容を表す値が格納されており、これらレジスタにより4重構造をなす格納手段20が構成されている。そして、前記各レジスタ116,117,118,119の各データ入力端子DIには、ファームウェアによりレジスタにデータを書き込むためのCPUデータバス110が接続されており、各レジスタ116,117,118,119のデータ出力端子DOはレジスタバスD3を介して前記画像データ処理装置102に接続されている。 また、レジスタ116,117,118,119の書込み端子WRには、信号線111,112,113,114を介してレジスタ書込み信号W1,W2,W3,W4が入力可能となっている。 【0014】 また、図3にこの実施の形態に使用する画像メモリ装置200のデータ構成を示す。図示のように、この画像メモリ装置200には、パイプラインへ順次送出される各画像データD1と、各画像信号に対応するレジスタ切替信号RCE及び段数データD2とがそれぞれ互いに対応する領域に格納されると共に、読み出しは対応する領域内のデータが同期して行われるようになっており、本願発明の選択信号出力手段を構成している。 【0015】 なお、図3において、画像データ内に記載されている(N-1)〜(N+4)は、パイプラインへ読み出される順番を示している。また、ここに示されるレジスタ切替信号RCEは、“1”又は“0”で表される1ビットの信号であり、“1”は切替の実行を意味している。さらに段数データD2において、M,Pは切替を行うステージの段数を表し、0はすべてのステージにおける切替を意味している。従って、ここに示す(N)番目の画像データは、M段目のステージSTMでの処理においてレジスタの切替えが行われ、(N+2)番目の画像データはP段目のステージSTPでの処理においてレジスタの切替えが行われ、(N+1)番目の画像データは全てのステージにおいて設定データの切替えが行われることを表している。 【0016】 また、前記レジスタ116,117,118,119に書き込む設定データは、画像メモリ200における格納内容に合わせてファームウェアが予めレジスタ書き込み信号W1,W2,W3,W4を使い設定する。 例えば、画像データ(N-1)に対するレジスタの値が(0-1)で、画像データ(N)に対するレジスタの値が(0)、画像データ(N+1)に対するレジスタの値が(0+1)であり、これらが画像データ処理回路102で必要な値であるとすると、レジスタ116には(0-1)、レジスタ117には(0)、レジスタ118には(0+1)を予め設定しておく。 【0017】 以上の構成に基づき、次に作用を説明する。 画像メモリ200から読み出された画像データD1は、画像データバス100を経てパイプラインの第1段目のステージST1に転送され、その後システムクロックCLKのタイミングに応じて順次後段のステージへと転送されて行く。 いま、N番目の画像データがM段のステージSTMに転送されたとすると、画像データD1に同期して、段数データD2及びレジスタ切替信号RCEも共にM段のステージSTMに転送される。そして、ステージSTMに転送された画像データは、ラッチ回路101でラッチされた後画像データ処理回路102に入力され、段数データD2は比較器106及び107にそれぞれ入力される。 【0018】 また、レジスタ切替信号RECはラッチ回路101からアンドゲート109に入力される。ここで比較器106は、入力された段数データD2によって表される段数値と、現在のステージにおける段数値(M)とを比較し、両値が一致していれば比較器107から出力信号“1”が出力され、一致していない場合には“0”が出力される。この場合、段数データD2は図3に示すようにその値がMであるため、比較器107に入力される2つのデータ値は一致し、比較器107からは“1”が出力される。その結果、オアゲート108からの出力は“1”となり、それがアンドゲート109の一方の入力端子に入力される。 【0019】 また、このアンドゲート109の他方の入力端子には、レジスタ切替信号RCEが入力されている。ここでは、図4に示すように、RCE信号は“1”となっているため、アンドゲート109の出力信号は1となる。このアンドゲート109の出力信号“1”はカウンタ115のクロック入力許可端子CEに入力されるため、カウンタ115にはシステムクロックCLKが入力される。このためカウンタ115は1カウントカウントアップし、出力端子(0),(1),(2),(3)のいずれか1つが選択的にアクティブになる。 【0020】 ここで、カウンタ115の出力端子(1)がアクティブになったとすると、この出力端子に接続されているレジスタ117のデータ出力許可入力端子OEがアクティブになり、レジスタ117に設定されているデータがレジスタバスD3を経て画像データ処理回路102に転送される。画像処理データ回路102では、このレジスタ117の設定データに従って、入力された画像データに対し所定の画像処理を施す。 【0021】 この後、次のシステムクロックが入力された時点で、処理された画像データは次段のステーションへと送られる一方、このステーションST1の画像データ用ラッチ回路101に(N+1)番目の画像データD1が転送される。またこの画像データD1と共にレジスタ切替信号RCE、及び段数データD2もラッチ回路101に入力される。 【0022】 この段数データD2は図3に示すように“0”となっており、この“0”の値はレジスタ切替信号RCEの値が“1”であれば、全てのステージに対してレジスタの切り替えを行うことを意味している。すなわち、比較器106の両入力端子には、前記の値“0”と予め設定した値0とが共に入力されることとなり、同比較器106からは“1”が出力され、オアゲート108からは“1”が出力される。またレジスタ切替信号RCEは図3に示すように1であるため、アンドゲート109の両入力端子には共に“1”が入力され、出力端子からは“1”が出力されてカウンタ115の入力端子CEがアクティブになる。このため、カウンタ115はシステムクロックCLKによって1カウントカウントアップし、カウンタ115のアクティブとなる出力端子が切り替わり、設定データの読み出されるレジスタが切り替わる。ここでは、前回の画像処理においてカウンタ115の出力端子(1)がアクティブとなっているため、今回のカウントアップによってカウンタ115は出力端子(2)がアクティブになる。これにより、レジスタ118の設定データ内容がレジスタバスD3を介して画像データ処理回路102に送出され、その設定データ内容に従って画像処理を施す。 【0023】 この後、システムクロックCLKに従って(N+2)番目の画像データD1と共に段数データD2及びレジスタ切替信号RCEが入力された場合、比較器106には予め設定されている値“0”と段数データ“P”が入力されるため、その出力は“0”となり、また、比較器107においても段数データ“P”と予め設定されているステージ段数“M”とが比較されるため、その出力は“0”となる。従って、オアゲート108からは“0”が出力され、アンドゲート109には、このオアゲート108からの出力信号“0”とレジスタ切替信号“1”とが入力されるため、その出力は“0”となる。これにより、カウンタ115の入力端子CEは非アクティブとなり、システムクロックCLKに対するカウント動作は行われず、それまでのカウント値が維持される。すなわち、カウンタ115の出力端子(2)が引き続きアクティブに保たれるため、画像データ処理回路102に入力される設定データは変更されず、前回と同一の画像処理が施される。 【0024】 【発明の効果】 以上説明したとおり、本願発明に係る画像処理装置における設定データ変更装置によれば、画像処理の内容を設定する設定データの選択を、画像データに同期して出力される選択信号によって行うようにしたため、設定データの変更が頻繁に行われる画像処理においても画像データを順次連続的に処理することができ、処理時間の短縮化を図ることが可能となる。特に、パイプライン方式を用いた画像処理装置において、処理内容の変更を要する処理ステージ及びレジスタの選択を画像データに同期して出力される選択信号によって行うようにすれば、入力される画像データに対し、必要とされる画像処理を随時実行することができる。従って、設定データの変更時において従来の装置では不可欠とされていたパイプラインフラッシュのための待ち時間を削減することができ、処理時間の大幅な短縮が可能となるため、頻繁に設定データが変更されるコンピュータグラフィクスにおいても高速描画を実現することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本願発明の実施の形態に適用するパイプライン処理方式を用いた画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。 【図2】 図1に示した画像処理装置の各ステージにおける設定データ変更装置の構成を示すブロック図である。 【図3】 同上の実施形態に使用する画像メモリ装置のデータ構成を示す説明図である。 【図4】 同上の実施形態における動作を示すタイミングチャートである。 【図5】 従来のパイプライン方式を用いた画像処理装置の概略構成を示す図である。 【図6】 従来のパイプライン方式を用いた画像処理装置における各ステージの基本構成を示すブロック図である。 【符号の説明】 102 画像処理回路(画像処理部) 10 選択手段 20 格納手段 116,117,118,119 レジスタ 200 画像メモリ(選択信号出力手段) ST1〜ST(N+M) 処理ステージ |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-03-29 |
出願番号 | 特願平8-133827 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
XA
(G06T)
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最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 真木 健彦 |
特許庁審判長 |
小川 謙 |
特許庁審判官 |
井上 信一 加藤 恵一 |
登録日 | 2002-10-04 |
登録番号 | 特許第3357243号(P3357243) |
権利者 | シャープ株式会社 |
発明の名称 | 画像処理装置における設定データ変更装置 |
代理人 | 宮尾 明茂 |
代理人 | 宮尾 明茂 |
代理人 | 藤本 英介 |
代理人 | 藤本 英介 |
代理人 | 神田 正義 |
代理人 | 神田 正義 |