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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1099619
異議申立番号 異議2003-71786  
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-12-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-09 
確定日 2004-05-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3368821号「電子カメラ」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3368821号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3368821号の請求項1ないし5に係る発明についての出願は、平成1年10月6日に出願した特願平1-261863号の一部を平成10年3月9日に新たな特許出願としたものであって、平成14年11月15日にその発明について特許権の設定登録がされ、その後、異議申立人富岡康之により特許異議の申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年1月19日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年4月2日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正内容は、以下のアないしオのとおりである。
ア.特許請求の範囲の請求項1、2に記載される「撮影情報」を「撮影に関する非画像情報」に訂正する。
イ.発明の詳細な説明中の「撮影情報」を「撮影に関する非画像情報」に訂正する。また、発明の詳細な説明中の「情報」を「撮影に関する非画像情報」に訂正する。
ウ.特許請求の範囲の請求項3ないし5を削除する。
エ.特許明細書第2頁左欄第37行ないし同頁右欄第1行の「また請求項3に記載の本発明にあっては、…設けられる構成とした。」及び同第4頁左欄第10行ないし第23行の「また請求項3に記載の発明によれば、…提供することができる。」を削除する。
オ.特許明細書第3頁左欄第43行の「残り時間の表示あ4」を「残り時間の表示34」に、また、同頁左欄第44行の「残り枚数の表示あ3」を「残り枚数の表示33」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更の存否
上記ア.ウ.の訂正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、上記イ.エ.の訂正事項は、上記ア.ウ.の訂正事項に付随的に生じる記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、さらに、上記オ.の訂正事項は、誤記の訂正を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立ての概要
特許異議申立人富岡康之は、甲第1号証(特開昭62-36985号公報)、甲第2号証(特公昭62-43391号公報)及び甲第3号証(特開平1-106581号公報)を提出し、本件請求項1ないし5に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、本件請求項1ないし5に係る発明の特許は取り消されるべきものである旨主張している。

4.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上記のとおり、平成16年4月2日付の訂正請求は認容されるので、本件の請求項1、2に係る発明は、それぞれ、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】カメラ本体と、
前記カメラ本体に設けられ、被写体を確認するための接眼ファインダー手段と、
前記カメラ本体に対して回転可能に取り付けられ、撮影に関する非画像情報を外部から視認可能に表示する表示手段と、
前記表示手段の回転状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された回転状態に基づいて、前記表示手段に表示される前記撮影に関する非画像情報の表示方向を変更する表示方向変更手段と、
を有することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】前記表示手段は、表示する前記撮影に関する非画像情報が被写体から視認可能な位置まで回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。」

(2)引用刊行物
当審が平成15年11月11日付けで通知した取消理由において引用した刊行物1ないし3には、それぞれ、次のような事項が記載されている。
刊行物1:特開昭62-36985号公報(異議申立人富岡康之が提出した甲第1号証)
(a)「本発明は、銀塩フィルムカメラあるいはビデオカメラの電子ファインダー装置に関するものである。」(第1頁左下欄下から2行ないし右下欄1行)
(b)「カメラの結像光学系により形成される被写体像を電気信号に変換し、該信号に応じた表示を行う電子ファインダーを有するカメラにおいて、前記電子ファインダーの一端を軸支し、該軸支された一端を中心に前記電子ファインダーを回転させてカメラの前面から観察できる様支持する支持手段と、前記電子ファインダーを回動させてカメラ前面から観察できるように支持した際には前記電子ファインダーの表示を電子ファインダーを回動させない際の表示とは上下逆とする制御手段とを具備することを特徴とする電子ファインダーカメラ」(特許請求の範囲)
(c)「第9図(a)(b)は第2図において4“として示した位置に電子ビューファインダー4をはね上がらせ、セルフ撮影あるいはリモート撮影を行う場合におけるCCDエリアセンサ15において行われる被写体像の読み出し順序、および処理回路53によって行われるフレームメモリMへの転送、書き込み順序を示す平面図である。かかる場合におけるCCDエリアセンサ15の出力の読み出しは第8図(a)に示した場合と同様に行われるが、フレームメモリMへの書き込みはSTART4に示す位置からEND4に示す位置まで順次行われる。前述したとおりフレームメモリMから画像情報の読み出しはカウンター76のカウント値に応じて行われるため、電子ビューファインダー4での表示は上下逆になる様に行われ、カメラの前面から見た際には電子ビューファインダ4の表示は正立像として観察される。」(第7頁右上欄第14行ないし左下欄第11行)

刊行物2:特公昭62-43391号公報(異議申立人富岡康之が提出した甲第2号証)
(d)「第10図に於いて、61は通常の交換レンズであり距離調整環、絞り等の通常の写真撮影に必要な調節部が設けられている。62は上記交換レンズ61の後端、係合可能にカメラ本体63内形成されている。…65は例えば液晶のアナログ表示器で構成された不図示のヘッドアクセスのために画像記憶媒体上に設けられた画像記憶の再生モニターしたい部分を任意に番地指定するためのヘッドアクセス指令装置であり、ボタン66を押圧し続けると、不図示の手段にて記録画像の番地が例えば1から順次表示されるのであり、」(第4頁右欄第29行ないし第44行)
(e)「68はLCマトリックス表示器であり、73は該表示器の非使用時に汚損、機械的衝撃から保護する為のシャッターで、図では開放状態を示すものである。69は光学的ファインダーアイピースであり、これは省電力のため、又は何らかの理由でLCマトリックス表示器が利用しにくい場合に用いることが可能で、該ファインダーの構成は既に公知で、」(第5頁左欄第14行ないし同第21行)

刊行物3:特開平1-106581号公報(異議申立人富岡康之が提出した甲第3号証)
(f)「撮像部を含む撮像手段と、該撮像手段により得られた画像を記憶する記憶手段と、該撮像手段により得られた画像を表示する表示部を含む表示手段とを有する電子カメラに於いて、前記撮像部と前記表示部とを相対的に可動に構成すると共に、前記撮像部と前記表示部との相対的位置関係を検出する位置検出手段と、該位置検出手段の検出結果に応じて前記表示手段の表示画像を反転する画像反転手段とを備えたことを特徴とする電子カメラ。」(特許請求の範囲)

(3) 対比・判断
(請求項1に係る発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下「請求項1に係る発明」という。)と上記刊行物1ないし3に記載された発明とを対比すると、刊行物1ないし3に記載された発明は、請求項1に係る発明における下記の主要な事項(A)を備えておらず、また、当該事項を示唆する記載もなされていない。
(A)カメラ本体に対して回転可能に取り付けられ、撮影に関する非画像情報を外部から視認可能に表示する表示手段、検出手段により検出された回転状態に基づいて、表示手段に表示される撮影に関する非画像情報の表示方法を変更する表示方向変更手段を有すること
すなわち、上記刊行物1は、カメラ本体1に回動可能に電子ファインダーを支持し、CCDエリアセンサ15で撮像された画像信号を表示すること、また、前記電子ファインダーを回動させてカメラ前面から観察できるように支持した際には前記電子ファインダーの画像信号の表示を電子ファインダーを回動させない際の表示とは上下逆とすることを開示するに止まる。
また、上記刊行物2は、光学ファインダー、アナログ表示器65、LCマトリックス表示器がカメラ本体63に設けられた電子カメラを開示するに止まり、上記刊行物3は、撮像手段により得られた画像を表示する表示部を有する電子カメラにおいて、撮像部と表示部とを相対的に可動に構成するとともに、撮像部と表示部との相対的位置関係を検出し、その検出結果に応じて表示部の表示画像を反転することを開示するに止まる。
そして、請求項1に係る発明は、上記主要な事項(A)により、「撮影をしながら録音作業を行う時に残りの撮影枚数と残りの録音時間を確認しながら作業が行える。」という作用効果を奏するものであり、この点は前記各刊行物に記載のものからは期待することができない格別のものと認められる。
したがって、請求項1に係る発明は、異議申立人が提出した各刊行物に記載された発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(請求項2に係る発明)
訂正明細書の請求項2に係る発明(以下「請求項2に係る発明」という。)は、上記請求項1に係る発明を引用する形式で記載された発明であって、請求項1に係る発明をさらに限定したものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、上記異議申立人が提出した各刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものとも認められない。

(4) むすび
以上のとおりであるから、特許異議申し立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すことができない。
また、他に本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子カメラ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 カメラ本体と、
前記カメラ本体に設けられ、被写体を確認するための接眼ファインダー手段と、
前記カメラ本体に対して回転可能に取り付けられ、撮影に関する非画像情報を外部から視認可能に表示する表示手段と、
前記表示手段の回転状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された回転状態に基づいて、前記表示手段に表示される前記撮影に関する非画像情報の表示方向を変更する表示方向変更手段と、
を有することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】 前記表示手段は、表示する前記撮影に関する非画像情報が被写体から視認可能な位置まで回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、メモリカードに撮影された画像信号を記録する電子カメラに関し、特に画像信号だけでなく音声信号をも記録する電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子カメラにあっては、記録媒体としてビデオフロッピーを使用し、撮像素子から得られた静止画アナログ信号に加え、マイクから得られた音声アナログ信号も記録できるようにしている。
通常、音声記録は専用の録音ボタン或いはレバーを押すことで記録が開始できる。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、このような従来の電子カメラにあっては、録音可能時間の表示が行われていなかったため、撮影と録音を同じ場所で行なう時に、何枚撮影し何秒録音できるかの確認が出来ない、という問題点があった。
特に録音しながら撮影を行なう場合に、録音だけでメモリが占有されてしまい撮影が行なえないという事態も起り有る。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて成されたもので、撮影をしながら録音作業を行なう時に残りの撮影枚数と残りの録音時間を確認しながら作業が行なえる電子カメラを提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】このような電子カメラにつき請求項1に記載の本発明にあっては、カメラ本体と、カメラ本体に設けられ、被写体を確認するための接眼ファインダー手段と、カメラ本体に対して回転可能に取り付けられ、撮影に関する非画像情報を外部から視認可能に表示する表示手段と、表示手段の回転状態を検出する検出手段と、検出手段により検出された回転状態に基づいて、表示手段に表示される撮影に関する非画像情報の表示方向を変更する表示方向変更手段とを有する構成とした。
また請求項2に記載の本発明にあっては、請求項1に記載の電子カメラにおいて、表示手段を、表示する撮影に関する非画像情報が被写体から視認可能な位置まで回転可能とする構成とした。
【0006】
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電子スチルカメラの一実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明による電子スチルカメラの外観である。
図1において、11は電子スチルカメラ本体であり、撮影した画像データを記録するための記録媒体であるメモリカード12が開口部13を通して接続可能となっている。
【0009】
メモリカード12には複数枚分の画像データと、数分の音声を記録することが可能で、勿論、画像データと音声記録を混在させることも可能である。
14は表示装置であり、撮影駒番号または撮影可能な残り枚数と、録音可能な残り時間が表示される。
15は液晶表示器でメモリカード12の内容を表示したり、ビューファインダーとして用いる。
【0010】
17は設定ダイヤルで通常はシャッター秒時や絞りの決定に用いられるが、セレクトボタン18を押しながら設定ダイヤル17を回動させることで液晶表示器15の表示内容(表示駒)を切り替えることが出来る。
19は録音ボタンであり、録音ボタン19を押すと録音を開始する。
20は光学式ファインダーである。
【0011】
また表示装置14に撮影駒番号、撮影可能な残り枚数や録音可能残り時間を表示する代わりに、液晶表示器15上に画像にオーバーラップして表示してもよい。
更に、液晶表示器15の表示例として、通常はメモリカード12の指定した内容を表示しており、レリーズボタン16を半押しにすることでビューファインダーに切り替えるようにしてもよい。
【0012】
図2及び図3は、図1に於ける表示装置14の一実施形態を示したものである。
図2及び図3において、31は表示装置が撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号を表示していることを示すシンボルマークであり、32は表示装置が録音可能な残り時間を表示していることを示すシンボルマークである。
【0013】
33は撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号の液晶表示である。通常、表示装置14は図2のように撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号を表示しているが、録音ボタン19を押して録音状態に入ると、図3のように録音可能な残り時間34を表示する。
録音中に、撮影の必要が生じた時には、レリーズボタン16を半押しにすることで再び図2に示す残り枚数の表示に戻り、そのままレリーズボタンを押すか、レリーズボタンから指を離せばまた図3に示した表示となる。当然、録音可能な残り時間は、撮影した枚数の占めるメモリの大きさ分だけ減少している。
【0014】
尚、通常、表示装置14は撮影駒番号を表示しており、レリーズボタンを半押しにしている間だけ撮影可能な残り駒数を表示し、録音ボタンが押されて録音中の場合は録音可能残り時間を表示するようにしてもよい。この時、録音中にレリーズボタンが半押しになると撮影可能な残り枚数の表示となる。
図4及び図5は、図1におけるファインダー内部に他の表示と併せて表示を行なうための他の実施形態を示す。
【0015】
図4及び図5において、41は視野枠、42はモード表示、43は絞り表示、44はシャッター秒時の表示である。
45は表示装置が、撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号を表示していることを示すシンボルマークであり、46は表示装置が録音可能な残り時間を表示していることを示すシンボルマークである。
【0016】
47は撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号の液晶表示である。
通常、表示装置14は図4のように撮影可能な残り枚数あるいは撮影駒番号を表示しているが、録音ボタン19を押して録音状態に入ると、図5のように録音可能な残り時間48を表示する。録音中に、撮影の必要が生じた時には、レリーズボタン16を半押しにすることで再び図4に示す残り枚数の表示に戻り、そのままレリーズボタンを押すか、レリーズボタンから指を離せばまた図5に示した表示となる。
【0017】
図6は図1における表示装置14の他の実施形態である。
図6において、31は表示装置が、撮影可能な残り枚数あるいはメモリ番地に相当する通し番号を表示していることを示すシンボルマークであり、32は表示装置が録音可能な残り時間を表示していることを示すシンボルマークである。
33は撮影可能な残り枚数あるいはメモリ番地に相当する通し番号の液晶表示である。
【0018】
34は録音可能残り時間の液晶表示である。
図6においては、残り枚数と録音可能残り時間が同時に表示されている。例えば撮影・録音の前に予めプログラムモードにて撮影枚数と録音時間を設定する場合には、33に表示した枚数と34に表示した時間の占めるメモリの和が、残された記録可能なメモリの総和とすることが出来る。
【0019】
撮影枚数と録音時間の比率は、プログラムモードの間に例えば図1に於ける設定ダイヤル19を回動することで容易に可変出来る。この様なプログラムモードは、例えばコンサートなどに於て、例えば3分間のあいだ歌手の歌を録音しながら、歌手の写真を4枚撮るという計画を予め設定でき便利である。
プログラムを設定していない通常の撮影・録音の場合は、撮影時には録音可能残り時間の表示34を0にするかあるいは表示せず、一方、録音中は残り枚数の表示33を0にするかあるいは表示しないことも可能である。
【0020】
図7は、図1に於ける表示装置14のうち録音時間の表示が、被録音者からも監視できるように、前面にも設置した場合の電子スチルカメラの外観図である。図7において、71は被録音者も容易に監視できる録音可能残り時間を表示する表示装置である。図7の例では、残り時間はデジタルで表示され、最大9分59秒まで表示可能である。
【0021】
図8と図9は、図7に於ける表示装置71の他の実施形態を各々示す。
図8において、外周に位置する81a及び81bは秒を表示するためのLEDであり、内周に位置する82a及び82bは分を表示するためのLEDである。また図9において、91は分を表示するためのデジタル液晶表示である。ここで81a及び82aは発光しているLEDを、81b及び82bは発光していないLEDを表している。そして発光しているLEDの総和が残り時間を表している。実施形態では、LED81a及び81bは1つで10秒を表し、LED82a及び82bは1つで1分を表す。つまり図8の例でも、図9の例でも図では約2分40秒録音可能残り時間があることを示している。LED81a及び82aの数は、時間と共に減少するものであるため、実生活に於ける時計との違和感を無くすため、この実施形態では反時計回りの方向に発光しているLEDが減少していく。更にLED81a及び82aが録音可能時間の減少と共に発光を止めるとき、そのまま発光を中止しても良いが、発光を中止するある程度の時間前に点滅状態とさせてもよい。
【0022】
図8及び図9における81a、81b、82a、82bを実施形態ではLEDとしたが、これが他の表示部材、例えば液晶やELであっても良い事は言うまでもない。
図10は、図1に於ける表示装置14と図7に於ける表示装置71の両方を兼ねた表示装置を持つ電子スチルカメラの外観図である。
【0023】
図10において、101は表示装置であり、撮影可能な残り枚数と、録音可能な残り時間が表示される。102はスイッチであり、101の位置を検出している。表示装置101は、図中に矢印で示すように回転することにより電子スチルカメラの前方からも監視可能となる。
図11に図10における表示装置の表示の一実施形態を示す。111aは分・秒表示であるが、図10の点線で示した位置に表示装置101が来た場合このままの表示では上下左右が逆さまになってしまう。そこでスイッチ102により表示装置101が所定の位置にいないことが検出されると、表示装置101の数字のデジタル表示112の左右上下を逆転した上に、分・秒表示の111aの表示をやめ、111aとは点対照位置にある分・秒表示111bを表示させる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、電子カメラが、被写体を確認するための接眼ファインダー手段と、カメラ本体に対して回転可能に取り付けられ、撮影に関する非画像情報を外部から視認可能に表示する表示手段と、表示手段の回転状態を検出する検出手段と、検出手段により検出された回転状態に基づいて、前記表示手段に表示される前記撮影に関する非画像情報の表示の方向を反転する反転手段とを有する。そのため、カメラ本体に対して表示手段を回転させた場合でも、接眼ファインダー手段で確認を行う場合と同等の表示方向で撮影に関する非画像情報が表示され、視認する者が撮影に関する非画像情報の視認を容易に行える電子カメラを提供することができる。
また請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加えて、表示手段を、表示する撮影に関する非画像情報が被写体から視認可能な位置まで回転可能とするため、撮影中に被写体に対して撮影に関する非画像情報を視認可能に表示することが可能な電子カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による電子カメラの外観図。
【図2】
図1に記載した表示装置の一実施形態を示した説明図。
【図3】
図1に記載した表示装置の一実施形態を示した説明図。
【図4】
本発明によるファインダー内表示の一実施形態を示した説明図。
【図5】
本発明によるファインダー内表示の一実施形態を示した説明図。
【図6】
本発明による表示装置の他の実施形態を示した説明図。
【図7】
本発明の他の実施形態による電子カメラの外観図。
【図8】
図7に示した表示装置の実施形態を示した説明図。
【図9】
図7に示した表示装置の実施形態を示した説明図。
【図10】
本発明の他の実施形態による電子カメラの外観図。
【図11】
図10に示した表示装置の実施形態説明図である。
【符号の説明】
11:電子カメラ本体
12:メモリカード
13:開口部
14:表示装置
15:液晶表示器
16:レリーズボタン
17:設定ダイヤル
18:セレクトボタン
19:録音ボタン
20:光学式ビューファインダー
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-04-13 
出願番号 特願平10-56849
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 坂東 博司田村 征一清水 正一  
特許庁審判長 藤内 光武
特許庁審判官 橋爪 正樹
小林 秀美
登録日 2002-11-15 
登録番号 特許第3368821号(P3368821)
権利者 株式会社ニコン
発明の名称 電子カメラ  
代理人 渡辺 隆男  
代理人 渡辺 隆男  

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