• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  H04N
管理番号 1101088
異議申立番号 異議2003-71378  
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-07-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-05-20 
確定日 2004-05-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3350756号「電子スチルカメラ」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3350756号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3350756号の請求項1に係る発明についての出願は、平成2年7月10日に出願した特願平2-180486号の一部を平成13年11月5日に新たな特許出願としたものであって、平成14年9月20日にその発明について特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人戸叶孝一により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年4月5日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正内容は、以下のアないしオのとおりである。
ア.特許請求の範囲の請求項1の「該書込み手段による画像データの書込み完了後に」を「前記画像データの書き込み中に異常が発生せずに、前記書込み手段による画像データの書込みを完了した場合には」に訂正する。
イ.特許請求の範囲の請求項1において「前記画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、前記管理用データの書き換えを行わないようにする手段」を追加する。
ウ.発明の詳細な説明の7段落における(f)の箇所を「(f)前記画像データの書き込み中に異常が発生せずに、前記書込み手段による画像データの書込みを完了した場合には、前記バッファメモリに記憶されたデータに基づいて前記指定された未記録クラスタを記録済クラスタとして前記管理用データを書換える手段」に訂正する。
エ.発明の詳細な説明中の7段落において、新たに「(g)前記画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、前記管理用データの書き換えを行わないようにする手段」を追加する。
オ.発明の詳細な説明の38段落において「S5の部分が前記dの手段に相当し、」および「S8に対する段落番号(0036)の記載が前記gの手段に相当し、」を追加する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更の存否
上記ア、イの訂正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、上記ウ、エおよびオの訂正事項は、上記ア、イの訂正事項に付随的に生じる記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立ての概要
特許異議申立人戸叶孝一は、甲第1号証(特開平3-265287号公報)を提出し、本件請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであり、本件請求項1に係る発明の特許は取り消されるべきものである旨、主張している。

4.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上記のとおり、平成16年4月5日付けの訂正請求は容認されるので、本件の請求項1に係る発明は、それぞれ、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】メモリカード上に画像データエリアと管理用データエリアとを持ち、管理用データエリアに記録された管理用データに基づいて、画像データエリアをクラスタ単位で管理して画像データを記録する電子スチルカメラであって、
画像データ記録に先立って管理用データエリアにアクセスして管理用データを読出す手段と、
該読出された管理用データに基づいて画像データエリア内の記録済クラスタと未記録クラスタを確認する手段と、
該確認に基づいて画像データを記録する画像データエリア内の未記録クラスタを指定する手段と、
該指定された未記録クラスタに関するデータを一時的に記憶するバッファメモリと、
前記指定された未記録クラスタにアクセスして画像データを書込む手段と、
前記画像データの書き込み中に異常が発生せずに、前記書込み手段による画像データの書込みを完了した場合には、前記バッファメモリに記憶されたデータに基づいて前記指定された未記録クラスタを記録済クラスタとして前記管理用データを書換える手段と、
前記画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、前記管理用データの書き換えを行わないようにする手段と、
を備えたことを特徴とする電子スチルカメラ。」

(2)先願
当審が平成16年1月26日付けで通知した取消しの理由において引用した特願平2-62536号(特開平3-265287号公報)(異議申立人の提示した甲第1号証)の明細書(以下、「先願明細書」という。)には、次のような事項が記載されている。
(a)「この発明は、撮影した被写体の光学像をデジタルデータに変換して半導体メモリに記憶する電子スチルカメラ装置に係り、特にその半導体メモリの空き要領を容易に検索し得るようにしたものに関する。」(公報の1頁右下欄4〜8行)
(b)「ここで、第1図は、メモリカード12に搭載された複数の半導体メモリ38によって構成されるメモリエリアを説明するためのメモリマップを示している。すなわち、半導体メモリ38の記憶領域は、メモリカード12自体が固有に持つデータが記録されるカードヘッダ領域45と、各静止画像データが記録されているクラスタのスタートクラスタ番号が格納されるディレクトリ領域46と、各静止画像データが記録されているクラスタの接続情報、つまり、次に連なるクラスタ番号(各静止画像データの最終クラスタである場合はFFh)が格納されているMAT領域47と、各静止画像データが実際に記録されている、つまり、複数のクラスタに分割されたデータ領域48との4つの領域に大別される。」(公報の4頁左下欄5〜19行)
(c)「このようにして、CPU22は、静止画像データを全て書き込むことができる数の空きクラスタを確保し、各空きクラスタのスタートアドレスとエンドアドレスとをそれぞれ求める。」(公報の5頁右上欄11〜15行)
(d)「以上のようにして、半導体メモリ38への静止画像データの記録が終了すると、CPU22から新たなカードヘッダ領域45の信号が、メモリ32及びI/O制御回路30,41を介して半導体メモリ38に供給され、カードヘッダ領域45の内容が更新される。また、このとき、書き込んだ静止画像データの対応するスタートクラスタ番号や、クラスタの接続情報も、CPU22から半導体メモリ38に送出され、ディレクトリ領域46及びMAT領域47の内容が更新される。その後、CPU22は、タイミング信号発生回路35に対して、半導体メモリ38に対する一連の書き込み動作を停止させる信号を発生し、ここに、静止画像データの半導体メモリ38への書き込み動作が終了される。」(公報の5頁左下欄20行〜右下欄14行)

(3)対比・判断
先願明細書には、訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)における下記の主要な事項(A)が記載されておらず、また、当該事項を示唆する記載もなされていない。
(A)画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、管理用データの書き換えを行わないようにする手段を有すること。
すなわち、先願明細書には正常時であるところの「半導体メモリへの静止画像データの記録が終了すると、カードヘッダ領域等の内容が更新される」旨の記載しかなく、画像データの書き込み中に異常が発生した場合についての記載は全く存在しない。
そして、本願発明は、上記主要な事項(A)を備えることにより、「記録しようとしたクラスタを少なくとも次に他の記録に用いることができ、メモリが無駄に消費されることを防止することができる」(【発明の効果】の欄)という作用効果を奏するものである。
したがって、本願発明は、先願明細書に記載された発明と同一であるとすることはできない。

(4)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申し立ての理由および証拠によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことができない。
また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子スチルカメラ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 メモリカード上に画像データエリアと管理用データエリアとを持ち、管理用データエリアに記録された管理用データに基づいて、画像データエリアをクラスタ単位で管理して画像データを記録する電子スチルカメラであって、画像データ記録に先立って管理用データエリアにアクセスして管理用データを読出す手段と、
該読出された管理用データに基づいて画像データエリア内の記録済クラスタと未記録クラスタを確認する手段と、
該確認に基づいて画像データを記録する画像データエリア内の未記録クラスタを指定する手段と、
該指定された未記録クラスタに関するデータを一時的に記憶するバッファメモリと、
前記指定された未記録クラスタにアクセスして画像データを書込む手段と、
前記画像データの書き込み中に異常が発生せずに、前記書込み手段による画像データの書込みを完了した場合には、前記バッファメモリに記憶されたデータに基づいて前記指定された未記録クラスタを記録済クラスタとして前記管理用データを書換える手段と、
前記画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、前記管理用データの書き換えを行わないようにする手段と、
を備えたことを特徴とする電子スチルカメラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子スチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタル電子スチルカメラ等の画像記録装置においては、メモリカード等のメモリに画像データを記録する際、メモリ上に画像データエリアと管理用データエリアとを持ち、画像データエリアをクラスタ単位で扱い、その管理(記録済みクラスタと未記録クラスタの管理等)を管理用データエリアに記録された管理用データに基づいて行っている(特願平1-182516号参照)。
【0003】すなわち、画像記録に際しては、管理用データに基づいて記録済みクラスタと未記録クラスタを確認して、記録する未記録クラスタを指定し、ここに画像データを書込んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来においては、画像記録に際し、管理用データを書換えてから、実際の画像データを指定されたクラスタに書込んでいるため、画像データの書込み中に異常が発生した場合、画像データの書込みを予定していたクラスタは管理用データで見る限りは記録済みとなっているので、そのクラスタを他の記録に用いることはできないが、そのクラスタは正常に記録されているわけでもないので、全く無駄に消費されたことになってしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑み、記録の途中で異常が発生した場合に、その記録が正常に完了しないことは仕方がないとしても、メモリ容量を無駄に消費することがないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、メモリカード上に画像データエリアと管理用データエリアとを持ち、管理用データエリアに記録された管理用データに基づいて、画像データエリアをクラスタ単位で管理して画像データを記録する電子スチルカメラであって、下記a〜gの構成を備えた。
【0007】
(a)画像データ記録に先立って管理用データエリアにアクセスして管理用データを読出す手段
(b)該読出された管理用データに基づいて画像データエリア内の記録済クラスタと未記録クラスタを確認する手段
(c)該確認に基づいて画像データを記録する画像データエリア内の未記録クラスタを指定する手段
(d)該指定されたクラスタに関するデータを一時的に記憶するバッファメモリ
(e)前記指定された未記録クラスタにアクセスして画像データを書込む手段
(f)前記画像データの書き込み中に異常が発生せずに、前記書込み手段による画像データの書込みを完了した場合には、前記バッファメモリに記憶されたデータに基づいて前記指定された未記録クラスタを記録済クラスタとして前記管理用データを書換える手段
(g)前記画像データの書き込み中に異常が発生した場合には、前記管理用データの書き換えを行わないようにする手段
【作用】メモリは画像データエリアと管理用データエリアとに分かれていて、画像データエリアはクラスタ単位で管理される。そして、管理用データエリアにはこのクラスタの管理のためのデータが書込まれる。
【0008】画像記録の際には、先ず管理用データエリアをアクセスして管理用データを読出す。
【0009】次いで、読出された管理用データに基づいて記録すべき画像データエリアのクラスタが指定されると、そのクラスタをアクセスし、またメモリへの入力を画像データに切替えて、画像データを書込み、記録する。
【0010】画像データを完全に記録し終わると、管理用データエリアをアクセスし、またメモリへの入力を記録した画像データに関する管理用データに切替えて、管理用データを書換える。この動作が終わると、画像記録の1単位のシーケンスが完了する。
【0011】そして万一、画像データの書込み中に異常があった場合でも、記録しようとしていたクラスタを次の画像データ記録時に用いることができる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】第1図において、1は画像記録の全体の制御を行うCPUであり、これにより前記a,b,c,e,f,gの手段が実現される。
【0014】2は画像記録用のメモリであり、管理用データエリア2-1と画像データエリア2-2とに分かれていて、画像データエリア2-2はクラスタ単位で管理される。管理用データエリア2-1にはこのクラスタの管理のためのデータが書込まれる。
【0015】このメモリ2にアクセスする手段として、管理用データエリア2-1のアドレス信号を発生する管理用データエリアアクセス手段3と、画像データエリア2-2のアドレス信号を発生する画像データエリアアクセス手段4とがある。
【0016】5は管理用データ・バッファメモリであり、管理用データを一時的に蓄える。
【0017】6は画像データ出力装置であり、画像メモリ,VTR,固体撮像素子等、外部より取込んだ画像信号を画像データとしてシリアルに出力するものであればよい。
【0018】7はデータバスであり、CPU1,メモリ2,管理用データ・バッファメモリ5及び画像データ出力装置6はこれによってつながっている。
【0019】但し、管理用データ・バッファメモリ5及び画像データ出力装置6は、切替スイッチ8を介してデータバス7につながっている。この切替スイッチ8は、データバス7への出力(メモリ2への入力)を管理用データと画像データとに切替える手段をなすものであり、管理用データエリアアクセス手段3が動作している間は管理用データ・バッファメモリ5側に切替えられ、停止している間は画像データ出力装置6側に切替えられるようにコントロールされる。
【0020】次に画像記録の手順について説明する。
【0021】CPU1は、先ず、管理用データエリアアクセス手段3を動作させて管理用データエリア2-1をアクセスし、該エリア2-1より管理用データをデータバス7を通じて読出す。これにより、CPU1は、未記録クラスタを知ることができるので、画像データエリアアクセス手段4に画像データエリア2-2上のどのクラスタに記録を行うかの指示ができる。
【0022】従って、CPU1は、画像データエリアアクセス手段4に記録すべき画像データエリア2-2上のクラスタを指示すると同時に、バッファメモリ5にそのクラスタを記憶させる。
【0023】CPU1が画像データエリアアクセス手段4をスタートさせると、該アクセス手段4は指示されたクラスタに順にアクセスしていく。このとき、管理用データエリアアクセス手段5は動作していないので、切替スイッチ8は画像データ出力装置6側になっており、画像データがデータバス7からメモリ2に入力され、画像データエリア2-2上に書込まれる。
【0024】画像データエリアアクセス手段4が動作を完了すると、スタート信号を発して、管理用データエリアアクセス手段3をスタートさせる。管理用データエリアアクセス手段3は管理用データエリア2-1をアクセスし、先にバッファメモリ5に記憶させたクラスタに関するデータを書込んで、管理用データを書換える。
【0025】次にデジタル電子スチルカメラへの適用例について第2図及び第3図により説明する。
【0026】第2図において、第1図と対応する要素には同一符号を付してあり、メモリ2として半導体メモリであるメモリカードが用いられ、画像データ出力装置6の部分が具体化されている。
【0027】画像データ出力装置6の部分につき説明すれば、レンズ11によって被写体の像がCCD12上に結像する。これはCPU1によってコントロールされる駆動回路13によって駆動され、光画像電気信号を電気信号に変換する。この出力信号はプロセス回路14によって規格に合わせた信号に形成され、A/D変換器15によってデジタル画像データに変換される。尚、記録の前にデータ圧縮の処理が入ることもあるが、本発明ではこれの有る無しは関係ないので特に触れない。
【0028】
また、CCD12以外に光センサ16が配置され、その信号をA/D変換器17を介してCPU1に入力することにより、画面全体の明るさを測定し、シャッター速度を決めるようになっている。シャッター速度はCCD12の駆動回路13を介して制御され、いわゆる電子シャッターとなっている。
【0029】第3図はこのデジタル電子スチルカメラにおける画像記録の流れをフローチャートにまとめたものであり、以下これに沿って説明する。
【0030】電源が入ったら、CPU1が先ず最初にメモリカード2の管理用データエリアにアクセスし(S1)、未記録エリアの容量は1枚の画像を記録するのに十分であるか否かの判定を行う(S2)。不足であれば、LED,ブザー等による残量不足の警告を発し(S3)、それ以降はレリーズスイッチが押されても撮影動作は行わない。メモリカードが交換されたらこのフローの先頭に戻る。
【0031】残量が十分の場合は、画像を記録すべきクラスタを画像データエリアアクセス手段4に知らせる(S4)。このとき同時に、そのクラスタをバッファメモリ5に書込み、また、それらに関するデータを記録する管理用データエリア上のアドレスを管理用データエリアアクセス手段3に知らせる。この上で、レリーズスイッチが押されるのを待つ(S5)。
【0032】レリーズスイッチが押されずにパワースイッチがOFFになった場合は、カメラ全体の電源をダウンさせるが(S6)、パワースイッチがONの間はレリーズスイッチを待ち続ける。
【0033】レリーズスイッチが押されたら、CPU1は画像データエリアアクセス手段4にスタートをかけ、画像データの記録を開始する(S7)。このとき、画像データエリアアクセス手段4は指示されたクラスタに順にアクセスし、データバスには画像データ出力装置6(A/D変換器15)からの画像データが入力され、これが切替スイッチ8を介してメモリカード2に書込まれる。
【0034】この動作の終了を確認すると(S8)、管理用データを書換える。すなわち、画像データエリアアクセス手段4が管理用データエリアアクセス手段3にスタートをかける。すると、管理用データエリアアクセス手段3が、切換スイッチ8をバッファメモリ5側に切替えた上で、管理用データエリア上の指定されたアドレスに順にアクセスし、バッファメモリ5からの管理用データを書込んでいく(S9)。
【0035】この後は、CPU1が管理用データエリアアクセス手段3の動作が終了したか否かを管理用データエリアアクセス手段4とのやり取りで検知し、終了したら、記録後の容量が更に画像を記録するのに足りるか否かを判断し(S10)、不足の場合は警告に、十分の場合は次の撮影の準備に分岐する。
【0036】以上は正常に動作した場合のフローであるが、画像の記録の途中で異常が発生した場合は、S8のループを回っている時に割込みが発生し、異常に対する処理を行うルーチンへ飛ぶことになる。従って、S9が実行される前であるから、管理用データの書換えは行われないことになる。
【0037】尚、これまでの説明では、分かり易いように、各機能をブロックにして示したので、第3図のフローチャートは、CPU1の動作だけでなく、管理用データエリアアクセス手段3や画像データエリアアクセス手段4の動作やそれらのやり取りも含んでいるが、実際には第1図の管理用データエリアアクセス手段3,画像データエリアアクセス手段4,バッファメモリ5及び切替スイッチ8の機能はCPU1が持ち、プログラムによってそれらの機能を実現することが多いので、このフローチャートはCPUのプログラムの流れのみを意味することになる。
【0038】ここにおいて、S1の部分が前記aの手段に相当し、S4の部分が前記cの手段に相当し、S5の部分が前記dの手段に相当し、S7の部分が前記eの手段に相当し、S8に対する段落番号(0036)の記載が前記gの手段に相当し、S9の部分が前記fの手段に相当する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、画像記録を行うに際し、画像データを完全に記録し終わってから、該画像データに関する管理用データを書換えるようにし、記録の途中で異常が発生した場合には、管理用データについては書換えがなされないようにしたので、記録しようとしたクラスタを少なくとも次に他の記録に用いることができ、メモリが無駄に消費されることを防止することができるという効果が得られる。また、画像データをメモリカードに書込む際には、通常複数回に分けて書込みを行うので、この際、毎回管理用データを読込むためにメモリカードにアクセスしていると時間がかかってしまうが、本発明のようにバッファメモリに一旦管理用データを記憶する構成とすれば、毎回メモリカードにアクセスする必要がなく、画像データ書込み処理の高速化が図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の一実施例を示す画像記録装置のシステム構成図、
【図2】第2図はデジタル電子スチルカメラへの適用例のシステム構成図、
【図3】第3図は同上適用例における画像記録の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…CPU
2…メモリ(メモリカード)
2-1…管理用データエリア
2-2…画像データエリア
3…管理用データエリアアクセス手段
4…画像データエリアアクセス手段
5…管理用データ・バッファメモリ
6…画像データ出力装置
8…切換スイッチ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-04-23 
出願番号 特願2001-338829(P2001-338829)
審決分類 P 1 651・ 161- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤内 光武鈴木 明  
特許庁審判長 新宮 佳典
特許庁審判官 小松 正
橋爪 正樹
登録日 2002-09-20 
登録番号 特許第3350756号(P3350756)
権利者 コニカ株式会社
発明の名称 電子スチルカメラ  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ