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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H01L
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  H01L
管理番号 1102769
異議申立番号 異議2003-70959  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-02-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-15 
確定日 2004-07-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3334193号「圧電素子およびその製造方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3334193号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 理由
1.手続の経緯
本件特許第3334193号の請求項1ないし8に係る発明についての出願は、平成4年11月16日(優先日:平成4年5月29日)になされ、平成14年8月2日にその特許の設定登録がなされ、その後、雨山範子より請求項1に係る発明について特許異議の申立てがなされ、平成16年3月11日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年5月19日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子であって、
前記圧電材料は、ポリマ中に、圧電セラミックスからなる複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれた、圧電素子。」を、
「径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子であって、
前記圧電材料は、ポリマ中に、圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれた、圧電素子。」と訂正する。
訂正事項2
明細書の第10段落の「【課題を解決するための手段及び作用】
第1の発明に従う圧電素子は、径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子である。この圧電素子において、圧電材料は、ポリマ中に圧電セラミックスからなる複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれたものである。」を、
「【課題を解決するための手段及び作用】
第1の発明に従う圧電素子は、径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子である。この圧電素子において、圧電材料は、ポリマ中に圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれたものである。」
と訂正する。

(2)訂正の目的、新規事項の有無及び拡張・変更の存否について
訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1において、「棒状体が」を、「断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に」と技術的に限定したものであるところ、明細書の第30段落には、「これに対し、同じ圧電セラミックスの体積分率でも、棒状体の断面サイズをより小さくし、より多数の細径棒状体が樹脂中に分布する構造を実現することにより、複合材料の圧電定数を大きくすることができる。これは、棒状体の断面サイズ(たとえば直径)をより小さくすることによって、材料分布の均一性が向上するためであると考えられる。」と記載され、また、明細書の第31段落には、「円筒状またはファイバ状の圧電セラミックスを樹脂中に埋込んだ材料を素子に用いる場合、従来では圧電セラミックスの径が100〜200μm程度であったが、この発明では、圧電セラミックスの径が10〜50μ、程度が好ましく、10μm以下がより好ましい。このように径を小さくすることで、小型にされながら、しかも高い圧電定数を有する素子が得られる。さらに、このような圧電素子を送信用素子および受信素子のうち少なくともいずれか一方に用いることで小型化された超音波振動子が得られる。」と記載されており、「断面サイズ50μm以下の棒状体」という記載自体はないものの、上記第30段落には、「棒状体の断面サイズ(たとえば直径)をより小さくすること」と記載されるとともに、上記第31段落には、「圧電セラミックスの径が10〜50μ、程度が好ましく、10μm以下がより好ましい。」と記載されているから、「断面サイズ50μm以下の棒状体」は実質的に明細書に開示されているものであって、「棒状体」の大きさを限定したものであり、また、「径方向に対して直角方向に」なる記載は、棒状体を圧電材料内においてどのように配置するかを限定したものであるところ、図2及び明細書の第54段落の「図2は、得られた圧電素子を模式的に示す斜視図である。図に示すように、圧電素子10は、円板形の形状を有しており、圧電セラミックスからなる複数の棒状体6′が樹脂7中に均一に分散された複合圧電材料の両端に電極9aおよび9bが形成された構造を有する。」との記載より棒状体が「径方向に対して直角方向に」並んでいることは明らかであるから、訂正事項1は、発明特定事項を限定したものと認められ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

訂正事項2について
訂正事項2は、明細書の第10段落において、請求項1に係る発明についての訂正に対応して、「棒状体が」を「断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に」と、「棒状体が」の前後に「断面サイズ50μm以下の」と「径方向に対して直角方向に」なる記載を追加するものであって、明細書の明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

よって、訂正事項1及び2は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、特許法第120条の4第2項第1号ないし第3号のいづれかの規定に適合するものであるとともに、上記各訂正事項は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立について
(3-1)特許異議申立の概要
特許異議申立人は、証拠として以下の甲第1号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、これを取り消すべき旨主張する。
(1)甲第1号証
IEEE 1987 ULTRASONICS SYMPOSIUM P651-P653

(3-2)本件発明
本件特許第3334193号の請求項1に係る発明は、上記のとおり訂正が認められたから、平成16年5月19日付けの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのもの(以下、「本件発明」という。)である。(2.訂正の適否についての判断(1)訂正の内容、訂正事項1参照)

「径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子であって、
前記圧電材料は、ポリマ中に、圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれた、圧電素子。」

(3-3)刊行物の記載事項
甲第1号証
本件の出願日前である1987年に米国で頒布された甲第1号証には、以下の事項が記載されている。
第651頁のFig.1に棒状のセラミックがポリマー中に埋め込まれた状態が図示され、また第651頁のTABLE1に、Batch0.70×0.470の試料の体積分率(Volume fraction)が,0.33、即ち33%であることが記載されて、体積分率が、本件特許の請求項1に係る発明における圧電セラミックス棒状体の体積分率の範囲の中にある試料が示されるとともに、「2組の試料が作成された。第1組の試料は、幅が0.075mmの樹脂と幅が0.15mmのセラミックとにより作成された。」(第651頁右欄第5〜7行参照)と記載されている。

(3-4)対比判断
しかしながら、甲第1号証では、セラミックの幅(断面四角形の棒状セラミックの辺の長さに相当)は0.15mm(150μm)であり、訂正された請求項1に係る発明の構成要素である、「圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体」を用いることは記載も示唆もされていない。
さらに、圧電セラミックスの体積分率は、請求項1に係る発明においては「30%〜50%の体積分率」であって、「断面サイズ50μm以下の棒状体」の圧電セラミックスを用いることにより、「高い圧電定数を有しながらより小型の圧電素子を提供することができる。」(本件明細書第68段落)という本件特有の作用効果を奏することができるものである。

また、甲第1号証には、本件明細書第28段落の「複合圧電材料は、圧電定数が低いため、圧電セラミックスのバルク材よりも発音体として劣ることがある。たとえば、セラミックスの体積分率が、約20%の場合、複合材料の圧電定数は圧電セラミックスの約半分になってしまう。」という課題や、同第29段落に記載される「圧電セラミックスの体積分率が、これより増加すれば、圧電定数はさらに減少する傾向にある。」という課題について、何ら記載も示唆もされていない。

以上のとおり、甲第1号証には、訂正された請求項1に係る発明の構成、効果及び課題については記載も示唆もされておらず、上記刊行物からは本件発明を当業者が容易に想到することができたものとは認められない。
よって、本件発明は、特許法第29条第1項第3号に規定する発明でもなくまた、特許法第29条第2項の規定に違反するものでもない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
圧電素子およびその製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子であって、
前記圧電材料は、ポリマ中に、圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれた、圧電素子。
【請求項2】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子の製造方法であって、
レジスト層を形成した後、前記レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いてレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを原型として、該原型に対応した複数の孔を有する孔明き構造体を作製する工程と、
前記孔明き構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入して、前記孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程と、
前記複数の棒状体を樹脂で固める工程と、
前記棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備え、
前記圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程において、ポリマ中に、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれるようにした、圧電素子の製造方法。
【請求項3】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子の製造方法であって、
放電加工により被加工物に複数の孔を明けて孔明き構造体を形成する工程と、
前記孔明き構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入して前記孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程と、
前記複数の棒状体を樹脂で固める工程と、
前記棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備え、
前記圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程において、ポリマ中に、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれるようにした、圧電素子の製造方法。
【請求項4】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子の製造方法であって、
レジスト層を形成した後、前記レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の孔を有するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの孔に圧電セラミックスの原料を導入して、前記孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、
前記複数の棒状体を樹脂で固める工程と、
前記棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備え、
前記圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程において、ポリマ中に、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれるようにした、圧電素子の製造方法。
【請求項5】 前記棒状体の直径が50μm以下である、請求項1に記載の圧電素子。
【請求項6】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子の製造方法であって、
レジスト層を形成した後、前記レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の孔を有するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて電鋳を行ない、反転した形の金型を形成する工程と、
前記金型を用いてモールドを行ない複数の孔を有する樹脂構造体を形成する工程と、
前記樹脂構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入して、前記孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、
前記複数の棒状体を樹脂で固める工程と、
前記棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備え、
前記圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程において、ポリマ中に、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれるようにした、圧電素子の製造方法。
【請求項7】前記圧電セラミックスの原料の導入方法として、セラミックス粒子を分散させた電解溶液中に、複数の孔を有するレジストパターンまたは樹脂構造体を浸し、所定の電圧をかけて電着を行なう方法を用いる、請求項2または6に記載の圧電素子の製造方法。
【請求項8】 径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子の製造方法であって、
レジスト層を形成した後、前記レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の柱を有するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて電鋳を行ない、複数の孔を有するダイスを形成する工程と、
前記ダイスの前記孔から圧電セラミックスの原料を押出し、圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、
前記複数の棒状体を樹脂で固める工程と、
前記棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備え、
前記圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程において、ポリマ中に、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれるようにした、圧電素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、圧電素子およびその製造方法に関し、特に、水中での超音波通信に使用可能な小型圧電素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中での超音波の受発信には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のような圧電セラミックスのバルク材を使用した圧電素子が多く用いられてきたが、最近、圧電セラミックスと樹脂とを組合せた複合圧電材料も圧電素子に使用されるようになってきた。
【0003】
この複合圧電材料は、たとえば、図7(a)および(b)にそれぞれ示されるように、圧電セラミックスからなる円柱形のロッド60aや角柱形のロッド61aが、配列されて樹脂60bおよび61bにそれぞれ埋込まれた構造を有している。この複合材料を用いた素子では、超音波に対する感度を圧電セラミックスよりも高くすることができる。このような材料は、ソナーなどの受信用素子に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、送受信素子に用いられる圧電材料の大きさは、たとえば次の式に従って決定されることになる。
【0005】
【数1】
N=l・f
N:周波数定数(mm・kHz)
l:使用する振動方向の長さ(mm)
f:使用周波数(kHz)
【0006】
上式においてNは圧電材料の材質および振動モードによって異なる定数である。振動モードには、既に知られているように、径方向振動、長さ方向伸び振動、縦方向振動、厚み方向振動および厚み滑り振動等がある。
【0007】
Nの値は、たとえば厚み振動の場合、水晶では2800程度、PZTでは2000程度、圧電性樹脂のPVDFでは800程度である。またPZTについて見ると、Nの値は、径方向振動で2000程度であるが、長さ方向振動では1400程度である。
【0008】
特定の圧電材料を特定の振動モードで使用すれば、Nが所定の値となるので、上式で示されるように使用周波数に応じて使用する振動方向の長さ(1)が決まる。このように使用する振動方向の長さ(1)はNによって制約される。したがって、素子のサイズを小さくしようとしても、従来の材料より与えられるN値のために素子の小型化は困難であった。
【0009】
本発明は、このような課題に対するものであり、より小型の圧電素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
第1の発明に従う圧電素子は、径方向の振動モードを有する圧電材料に電極が設けられた圧電素子である。この圧電素子において、圧電材料は、ポリマ中に圧電セラミックスからなる複数の断面サイズ50μm以下の棒状体が径方向に対して直角方向に30%〜50%の体積分率で分散して埋込まれたものである。
【0011】
この明細書において、「圧電セラミックス」という用語は圧電効果を示すセラミックス材料を示す。圧電セラミックスには、たとえば、チタン酸バリウムやジルコン酸鉛-チタン酸鉛系固溶体などの灰チタン石型構造の結晶が含まれ、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)およびチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)などが好ましく用いられる。
【0012】
この発明に従うポリマとして、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、または、シリコンゴム、ウレタンゴムもしくはブタジエンゴム等のゴム等を使用することができる。
【0013】
第1の発明において、ポリマ中に埋込まれた圧電セラミックスの体積分率が30%〜50%であるのは以下に示す理由からである。
【0014】
周波数Nに関して、ヤング率をY、密度をρとすると次式に示す関係が成立する。
【0015】
【数2】N〜(Y/ρ)1/2
【0016】
また、径方向の振動モードを用いる複合材料について、ヤング率Yは次の式で与えられる。
【0017】
【数3】
Y=YcYp/(vcYp+vpYc)
Yc:圧電セラミックスのヤング率
Yp:樹脂のヤング率
vc:圧電セラミックスの体積分率
vp:樹脂の体積分率
【0018】
一方、ρは次の式で与えられる。
【0019】
【数4】
ρ=ρcvc+ρpvp
ρc :圧電セラミックスの密度
ρp:樹脂の密度
【0020】
以上の式に従い、種々の樹脂とチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)との組合せにおいて得られる複合材料に関し、樹脂とPZTの体積分率を変えることによる周波数定数の変化を検討した。その結果は表1に示すとおりである。
【0021】
【表1】

【0022】
表1より、いずれの場合でも、圧電セラミックスの体積分率を30%〜50%にすると低い周波数定数が得られ、その体積分率が40%で周波数定数が最小になることがわかる。このようにして周波数定数を低く抑えれば、数1に従って、使用する振動方向の長さ(l)すなわち圧電素子のサイズを小さくすることができる。
【0023】
たとえば、圧電セラミックスの体積分率が40%前後である場合、エポキシ樹脂を用いる周波数定数はPZTバルク材の約1/2である。また、ゴムを用いる周波数定数は、PZTの約1/80、ポリエチレン樹脂を用いる周波数定数は約1/5となる。このような減少率は、そのまま圧電振動子のサイズの減少率に反映される。
【0024】
一方、長さ方向の振動モードを用いる場合、ヤング率Yは次の式で与えられる。
【0025】
【数5】
Y=vcYc+vpYp
【0026】
この式に従えば、vcおよびvpの変化によってNはほとんど低減されない。したがって、長さ方向の振動モードでは、材料の体積分率を変えることによって素子のサイズを小さくすることは困難である。
【0027】
以上示したように、径方向振動モードを有する複合圧電材料について圧電セラミックスの体積分率を30〜50%にすることで、素子をより小型にすることができる。
【0028】
一方、複合圧電材料は、圧電定数が低いため、圧電セラミックスのバルク材よりも発音体として劣ることがある。たとえば、セラミックスの体積分率が、約20%の場合、複合材料の圧電定数は圧電セラミックスの約半分になってしまう。
【0029】
圧電セラミックスの体積分率が、これより増加すれば、圧電定数はさらに減少する傾向にある。
【0030】
これに対し、同じ圧電セラミックスの体積分率でも、棒状体の断面サイズをより小さくし、より多数の細径棒状体が樹脂中に分布する構造を実現することにより、複合材料の圧電定数を大きくすることができる。これは、棒状体の断面サイズ(たとえば直径)をより小さくすることによって、材料分布の均一性が向上するためであると考えられる。
【0031】
たとえば、円筒状またはファイバ状の圧電セラミックスを樹脂中に埋込んだ材料を素子に用いる場合、従来では圧電セラミックスの径が100〜200μm程度であったが、この発明では、圧電セラミックスの径が10〜50μ、程度が好ましく、10μm以下がより好ましい。このように径を小さくすることで、小型にされながら、しかも高い圧電定数を有する素子が得られる。さらに、このような圧電素子を送信用素子および受信素子のうち少なくともいずれか一方に用いることで小型化された超音波振動子が得られる。
【0032】
上述したように細径の圧電セラミックスが樹脂中に埋込まれた圧電材料を準備し、これを用いた圧電素子を得るためには、次に示すような製造方法が好ましい。なお、次に示す製造方法では、圧電セラミックスの複数の棒状体が30%〜50%の体積分率で樹脂中に分散して埋め込まれるようにする。
【0033】
すなわち、第2の発明に従って圧電素子を製造するための方法が提供され、この方法は、レジスト層を形成した後、レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを行なってレジストパターンを形成する工程と、上記レジストパターンを原型として、該原型に対応した複数の孔を有する孔明き構造体を作製する工程と、上記孔明き構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入して孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程と、このようにして得られた複数の棒状体を樹脂で固める工程と、棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備える。
【0034】
第2の発明において、レジストパターンを原型として複数の孔を有する構造体を製作するに際し、レジストパターン自体から該構造体を形成してもよいし、レジストパターンを型として鋳型を作製し、この鋳型を用いて該構造体を形成してもよい。
【0035】
上記構造体は、金属またはプラスチック等により形成することができる。金属からなる構造体は、たとえば、電気めっき等によりレジストパターン内に金属を堆積させて形成することができる。この場合、レジストパターンが形成された基材が、電気めっきの一方の電極とされる。
【0036】
また、プラスチックの構造体を得たい場合、まず、レジストパターンに従って電気めっきによる金属の構造体を形成した後、この金属の構造体を鋳型としてプラスチック構造体を形成することができる。
【0037】
さらに、このプラスチック構造体を導電性材料に付着させ、電鋳によりプラスチック構造体を型とした金属構造体も形成することができる。
【0038】
いずれの方法にせよ、最終的に所定のサイズ(たとえば10μm〜50μmΦ)の孔を複数有する構造体が得られる。その後、構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入する。この原料には、圧電セラミックスのスラリ等を用いることができる。
【0039】
この孔に原料を充填した後、充填物を取出せば、孔の形状に従った構造物が得られる。また、この孔から原料を押し出せば、この孔の断面形状を有する棒状体やファイバが得られる。このようにして得られた構造体、棒状体またはファイバは、たとえば焼成によってその形状を保持しながら圧電セラミックスとすることができる。
【0040】
このようにして得られた複数本の圧電セラミックスが分散、または配列された状態のものに樹脂を流し込んで固化させれば、樹脂中に圧電セラミックスが分散して埋込まれた複合圧電材料が得られる。この複合圧電材料に電極を設け、分極処理を施せば、断面の微小な圧電セラミックス棒状体が多数樹脂中に分散された素子が得られる。
【0041】
以上に示した方法は、より小型の圧電素子において圧電定数の高いものを形成するために特に適している。
【0042】
一方、孔を有する構造体は、放電加工によっても形成することができる。すなわち、第3の発明に従って、さらなる圧電素子の製造方法が提供され、この方法は、放電加工により被加工物に複数の孔を明けて孔明き構造体を形成する工程と、上記孔明き構造体の孔にセラミックス圧電体の原料を導入して孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数形成する工程と、複数の棒状体を樹脂で固める工程と、このようにして棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備える。
【0043】
第3の発明においても、該構造体は金属またはプラスチック等により形成することができる。放電加工は加工精度が高く、微細な加工にも適している。放電加工により、たとえば10〜50μmΦの孔を複数有する構造体を形成することができる。
【0044】
上述したように、このような孔に原料を充填した後、充填物を取出せば、孔の形状に従った構造物が得られる。また、この孔から原料を押し出せば、この孔の断面形状を有する棒状体やファイバが得られる。このようにして得られたものは、上述したようにたとえば焼成によってその形状を保持しながら圧電セラミックスとすることができる。
【0045】
また、第4の発明に従って圧電素子を製造することもできる。第4の発明に従う圧電素子の製造方法は、レジスト層を形成した後、レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の孔を有するレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンの孔に圧電セラミックスの原料を導入して、孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、複数の棒状体を樹脂で固める工程と、棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備える。
【0046】
第4の発明において、レジストパターンの孔に圧電セラミックスの原料を導入して、孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程は、種々の方法を用いることができる。たとえば、そのような方法として、圧電セラミックスの原料を粉砕して分散させた電解液中に、複数の孔を有するレジストパターンを浸漬して、レジストパターンの孔に圧電セラミックスの原料を電着により堆積させた後、レジストを除去し、圧電セラミックスが固められた棒状体の束を焼成してもよく、また、複数の孔を有するレジストパターンの孔に圧電セラミックスのスラリ等を直接流し込み、レジストと共にレジストパターンの孔に流し込んだ圧電セラミックスのスラリ等を熱処理し、圧電セラミックスのスラリ等に含まれる溶媒を除去するとともに、レジストを焼失させ、その後、溶媒が除去された圧電セラミックス仮焼体を本焼成してもよい。
【0047】
このようにして得られた複数本の圧電セラミックスが分散、または、配列された状態のものに樹脂を流し込んで固化させれば、樹脂中に圧電セラミックスが分散して埋込まれた複合圧電材料が得られる。この複合圧電材料に電極を設け、分極処理を施せば、断面の微小な圧電セラミックス棒状体が多数樹脂中に分散された素子が得られる。なお、上記第2〜4の本発明の圧電素子の製造方法は、たとえば、レジスト層を形成した後、レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の孔を有するレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンを用いて電鋳を行ない、反転した形の金型を形成する工程と、金型を用いてモールドを行ない複数の孔を有する樹脂構造体を形成する工程と、樹脂構造体の孔に圧電セラミックスの原料を導入して、孔の形状に従った圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、複数の棒状体を樹脂で固める工程と、棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備えているような製造方法であってもよい。また、上記第2〜4の本発明の圧電素子の製造方法は、圧電セラミックス原料の導入方法として、セラミックス粒子を分散させた電解溶液中に、複数の孔を有するレジストパターンあるいは樹脂構造体を浸し、所定の電圧をかけて電着を行なうような方法を用いてもよい。さらに、上記第2〜4の本発明の圧電素子の製造方法は、レジスト層を形成した後、レジスト層についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて複数の柱を有するレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンを用いて電鋳を行ない、複数の孔を有するダイスを形成する工程と、ダイスの孔から圧電セラミックスの原料を押出し、圧電セラミックスの棒状体を複数本形成する工程と、複数の棒状体を樹脂で固める工程と、棒状体が樹脂で固められたものに電極を設けて分極処理を行なう工程とを備えているような製造方法であってもよい。
【0048】
【実施例】実施例1
まず、基板1上にポリメチルメタクリレート(PMMA)を材料とするレジスト層2を100〜500μmの厚さで形成する(図1(a))。次に、金などの重金属の吸収材をパターンとするマスクを用い、レジスト層2についてシンクロトロン放射光によるリソグラフィを行なった後、現像を行なってレジストパターン2′を得る。得られたレジストパターン2′は、基材1上に、直径約10μmの円柱体が複数本所定の間隔を隔てて配列された構造を有する(図1(b))。
【0049】
次に、レジストパターン2′を有する基板1をめっき液に浸け、電気めっきによって金属の構造体3を堆積させる(図1(c))。この工程において、ニッケル、銅または金などを堆積させることができる。続いて、レジストを除去することによって金属構造体3′を得る(図1(d))。この構造体3′には、直径約10μm、深さ約100〜500μmの円柱形の孔3′aが、均一に分散され、多数形成されている。
【0050】
次に、このようにして得られた金属構造体3′の上に、孔が多数設けられたゲートプレート4を置いて、その上から圧電セラミックスのスラリ5を流し込む(図1(e))。次に、ゲートプレート4を金属構造体3′から離すと、図1(f)に示すように、セラミックス原料の棒状体6が所定の間隔で束になって集められたものが得られる。これをそのまま焼成することにより、圧電セラミックスの棒状体が所定の間隔をあけて複数本ゲートプレート4上に束ねられたものが得られる。
【0051】
次に、図1(g)に示すように、圧電セラミックスの棒状体6′が複数本束ねられたものの上から樹脂7を流し込んで固化させる。なお、この樹脂の流し込みによって、圧電セラミックスの体積分率が30〜50%となるよう、予めレジストパターンの形状が決められている。
【0052】
次いで、切断等によってゲートプレート4を除去して、圧電セラミックスの棒状体が樹脂中に多数均一に分散された複合圧電材料8が得られる(図1(h))。
【0053】
次に、複合圧電材料8の両端に電極9aおよび9bを設けて分極処理をすることにより、圧電素子10が得られる。
【0054】
図2は、得られた圧電素子を模式的に示す斜視図である。図に示すように、圧電素子10は、円板形の形状を有しており、圧電セラミックスからなる複数の棒状体6′が樹脂7中に均一に分散された複合圧電材料の両端に電極9aおよび9bが形成された構造を有する。この圧電素子において、円板状の圧電材料8の厚みは約100〜約500μmであり、圧電セラミックスからなるそれぞれの棒状体6′の直径は約10μmである。また、圧電材料8における圧電セラミックスの体積分率は30〜50%である。
【0055】
上記実施例では、複数の孔を有する金属構造体をシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて作製したが、このような構造体は、放電加工によっても作製することができる。たとえば図3(a)に示すように、所定のサイズを有する金属製の被加工物11に対して、加工電極12を極めて小さい間隙で対向させ、パルス性アーク放電を繰返すことによって孔13を形成させていくことができる。このようにして所定の深さで孔を形成した後、その工程を繰返すことにより複数の孔13が形成された金属構造体14を得ることができる(図3(b))。このようにして得られる金属構造体を上述したように用いれば、同様にして圧電素子を形成させることができる。
【0056】実施例2
まず、図4(a)に示すように、一端が開放され、他端が閉じられた円筒状の金属体21を準備する。次に、金属体21の閉じられた他端に放電加工によって複数の孔22を形成する(図4(b))。この孔の直径は約10μmである。
【0057】
次に、図4(c)に示すように、孔22の形成された金属体21′内に、ゲル状の圧電セラミックス23を充填し、これをピストン24によって孔22から押し出していく。このようにして、孔22からゲル状の圧電セラミックスが固められた棒状体25が押し出されてくる。この押し出された棒状体25を焼成すれば、そのまま棒状のセラミックス圧電体26が所定の間隔で束ねられたものが得られる(図4(d))。
【0058】
次に、複数の棒状体26が束ねられたものを溶融された樹脂27中に浸漬し、固化させる(図4(e))。なお、樹脂27は適当な形状の鋳型20に収容されている。固化の後、樹脂を固めたものを鋳型20から取出し、切断等によりその端面を仕上げれば、圧電セラミックスからなる複数の棒状体26が、樹脂27中に均一に分散された複合材料28が得られる(図4(f))。複合材料28の両端に電極29aおよび29bを形成して分極処理を行なうことによって圧電素子30が得られる。圧電素子30は、図2に示したと同様の形状を有し、圧電セラミックスからなる棒状体の直径は約10μm、円板状の複合圧電材料28の厚みは約100〜500μmである。また、複合圧電材料28における圧電セラミックスの占める体積分率は30〜50%である。
【0059】
なお上記実施例2では、ノズルとして用いられる金属体を放電加工によって形成したが、これを実施例1に示したようにシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて形成してもよい。
【0060】実施例3
まず、実施例1と同様にして、導電性の基板31上に複数の孔を有するレジストパターン32をシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて形成する(図5(a))。
【0061】
次に、図5(b)に示すように、分極したPZTを粉砕して分散させた電解液36の中にレジストパターン32が形成された基板31を入れる。これを陰極とし、電解液36中にもう1つの電極33を設けて、電極の間に所定の電圧を印加して電着を行なう。これにより、レジストパターン32の孔32aに圧電セラミックスが堆積していく。
【0062】
その後、レジストパターン32を溶解等の方法で除去すれば、基板31上に圧電セラミックスが固められた棒状体の束が形成される。これをそのまま焼成すると、基板31上に圧電セラミックスからなる棒状体が所定の間隔で配列されたものが得られる。
【0063】
次に、図5(c)に示すように、棒状体37が配列されたものの中に樹脂38を流し込んで固化させる。次いで、基板31を除去すると樹脂中に圧電セラミックスからなる棒状体が均一に分散された複合圧電材料40が得られる(図5(d))。次いで、得られた複合圧電材料40の両端に電極41aおよび41bを設けて分極処理をすれば、圧電素子50が得られる(図5(e))。このような圧電素子は、たとえば図2に示すような形状を有するものである。
【0064】
なお、上記実施例3ではレジストパターンをシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて形成したが、所定のサイズを有する金属体について放電加工により複数の孔を形成し、それを型として型取りすることによりプラスチック構造体を得、これをレジストパターンの代わりとすることもできる。
【0065】実施例4
まず、実施例1と同様にして、導電性の基板71上に複数の孔を有するレジストパターン72をシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて形成する(図6(a))。次に、圧電セラミックスのスラリ75をレジストパターン72に従って流し込む(図6(b))。次に、レジストパターン72の孔に流し込んだ圧電セラミックスのスラリ75に含まれる溶媒等を蒸発させた後、約400℃〜約500℃で熱処理し、レジストを焼失させる(図6(c))。この工程において、セラミックス原料の棒状体76が所定の間隔で束になって集められた微細な構造を有するセラミックスの仮焼体77が得られる。さらに、このセラミックスの仮焼体を1200℃前後の温度で本焼成することにより、圧電セラミックスの棒状体76′が所定の間隔で束になって集められた微細な構造を有するセラミックスの構造体78が得られる(図6(d))。次に、図6(e)に示すように、セラミックスの構造体78の上から樹脂79を流し込んで固化させる。次に、図6(f)を参照して、セラミックス構造体78のはみ出し部分78rおよび樹脂79のはみ出し部分79rを研磨することにより、圧電セラミックスの棒状体が樹脂中に多数均一に分散された複合圧電材料80が得られる。次に、複合圧電材料80の両端に電極81aおよび電極81bを設けて分極処理をすることにより、圧電素子90が得られる(図6(g))。
【0066】
このような圧電素子は、たとえば、図2に示すような形状を有するものである。
【0067】
なお、上記実施例4で、複数の孔を有するレジストパターンをシンクロトロン放射光によるリソグラフィを用いて形成したが、図1(a)〜図1(d)の工程によって作製した、複数の針状構造を表面に有する金属構造体3′を型として、型取りすることにより複数の孔を有するプラスチック構造体を得、これをレジストパターンの代わりとすることもできる。また、所定のサイズを有する金属体について、放電加工により、表面に複数の針状構造を形成し、それを型として型とりすることによりプラスチック構造体を得、それをレジストパターンの代わりとすることもできる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従って、高い圧電定数を有しながらより小型の圧電素子を提供することができる。本発明に従って得られる圧電素子は、特に、近年脚光を浴びるようになったマイクロマシンの通信などに使用する素子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において本発明に従う圧電素子を作製するための工程を示す断面図である。
【図2】実施例1において作製された圧電素子を模式的に示す斜視図である。
【図3】放電加工により金属の構造体を形成する様子を示す断面図である。
【図4】実施例2において圧電素子を作製していく様子を示す断面図である。
【図5】実施例3において圧電素子を作製していく様子を示す断面図である。
【図6】実施例4において圧電素子を作製していく様子を示す断面図である。
【図7】複合圧電材料の一般的な形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、31、71 基板
2 レジスト層
2′、32、72 レジストパターン
3 金属構造体
6′、26、76′圧電セラミックスからなる棒状体
7、27、38、79 樹脂
8、28、40、80 複合圧電材料
9a、9b、29a、29b、41a、41b、82a、82b 電極
10、30、50、90 圧電素子
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-06-22 
出願番号 特願平4-305277
審決分類 P 1 652・ 113- YA (H01L)
P 1 652・ 121- YA (H01L)
最終処分 維持  
特許庁審判長 河合 章
特許庁審判官 松本 邦夫
橋本 武
登録日 2002-08-02 
登録番号 特許第3334193号(P3334193)
権利者 住友電気工業株式会社
発明の名称 圧電素子およびその製造方法  
代理人 上代 哲司  
代理人 神野 直美  
代理人 神野 直美  
代理人 上代 哲司  

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